JP6083304B2 - 車両用熱管理システム - Google Patents

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本発明は、車両に用いられる熱管理システムに関するものである。
従来、特許文献1には、電気自動車のバッテリ温度制御装置が記載されている。この従来技術は、バッテリに冷却液を循環させる冷却液循環回路と、ヒートポンプ式の冷媒循環回路とを備え、バッテリを急速充電する場合、バッテリの温度が規定温度以下のときにはバッテリ加温モードによる温度制御が実行されるようになっている。
このバッテリ加温モードにおいては、外気を熱源とするヒートポンプによって冷却液を加熱し、ひいてはバッテリを加温する。具体的には、冷媒循環回路では、コンプレッサで高温高圧化された冷媒が、熱交換器を通過するときに冷却液循環回路を流れる冷却液と熱交換して冷却され、コンデンサを通過するときに外気から熱を奪って昇温する。一方、熱交換器で冷媒と熱交換して加熱された冷却液はバッテリに供給され、バッテリを加温する。
特開2002−352867号公報
上記従来技術によると、外気温度が非常に低い条件(例えば−20℃)では外気から吸熱しても冷媒の圧力が低く、比容積が大きい(密度が小さい)ため、コンプレッサにて十分な冷媒流量が得られず、十分な放熱能力が得られない。
すなわち、極低外気温の条件では、外気から吸熱するためには、冷媒の温度が外気温よりも低くなる必要がある。そのため、冷媒の密度が極めて低くなるので、冷凍サイクルのコンプレッサにて冷媒を十分に汲み上げることができなくなる。
そのため、要求される熱量をバッテリに投入することができなくなり、結果としてバッテリの加温に非常に長い時間を要してしまう。また、バッテリの加温に長時間を要すると、外気から吸熱する吸熱用熱交換器に着霜が生じてしまい、外気から吸熱することができなくなって、バッテリを加温することができなくなってしまうおそれがある。
そこで、上記従来技術では、バッテリ加温モードにおいて外気温度が非常に低い場合、冷媒循環回路のヒートポンプサイクル運転を停止し、燃焼式ヒータを運転するように制御することによって、燃焼式ヒータで冷却液を加熱して、バッテリを加温するようにしている。しかしながら、上記従来技術では、燃焼式ヒータを設けているので、構成が複雑化し、車両への搭載性が悪化するという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、低外気温時において加熱対象機器を早期に加熱できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
熱媒体が循環する第1熱媒体回路(C1)および第2熱媒体回路(C2)と、
第1熱媒体回路(C1)に配置され、熱媒体を吸入して吐出する第1ポンプ(11)と、
第2熱媒体回路(C2)に配置され、熱媒体を吸入して吐出する第2ポンプ(12)と、
第1熱媒体回路(C1)に配置され、熱媒体と外気とを熱交換して熱媒体に外気の熱を吸熱させる熱媒体外気熱交換器(13)と、
第1熱媒体回路(C1)に配置され、熱媒体と冷凍サイクル(21)の低圧側冷媒とを熱交換して低圧側冷媒に熱媒体の熱を吸熱させる低圧側熱交換器(14)と、
第2熱媒体回路(C2)に配置され、熱媒体と冷凍サイクル(21)の高圧側冷媒とを熱交換して高圧側冷媒の熱を熱媒体に放熱させる高圧側熱交換器(15)と、
第2熱媒体回路(C2)に配置され、熱媒体によって加熱される加熱対象機器(16)と、
第1熱媒体回路(C1)と第2熱媒体回路(C2)とが連結されない非連結モードと、高圧側熱交換器(15)から流出した熱媒体が低圧側熱交換器(14)を流れるように第1熱媒体回路(C1)と第2熱媒体回路(C2)とが連結される連結モードとを切り替える連結切替手段(18、19とを備え、
連結切替手段(18、19は、連結モードでは、低圧側熱交換器(14)から流出した熱媒体と高圧側熱交換器(15)から流出した熱媒体とが合流して低圧側熱交換器(14)および高圧側熱交換器(15)に並列に流入するように第1熱媒体回路(C1)と第2熱媒体回路(C2)とを連結することを特徴とする。
これによると、連結モードでは、低圧側熱交換器(14)と高圧側熱交換器(15)との間で同じ熱媒体が循環するので、冷凍サイクル(21)の圧縮機(22)の仕事分を熱媒体の昇温に利用することができる。
さらに、連結モードでは、高圧側熱交換器(15)で加熱された熱媒体が低圧側熱交換器(14)を流れるので、外気で冷却された熱媒体が低圧側熱交換器(14)を流れる場合と比較して、低圧側熱交換器(14)を流れる熱媒体の温度を上昇させることができる。そのため、低圧側熱交換器(14)を流れる冷媒の温度も上昇させることができるので、冷凍サイクル(21)の圧縮機(22)に吸入される冷媒の密度を高めることができ、ひいては、圧縮機(22)の仕事を増やすことができる。
したがって、低外気温時において加熱対象機器(16)を早期に加熱することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。 第1実施形態における車両用熱管理システムにおける電気制御部を示すブロック図である。 第1実施形態における車両用熱管理システムの第1作動モードを説明する全体構成図である。 第1実施形態における車両用熱管理システムの第2作動モードを説明する全体構成図である。 第1実施形態における車両用熱管理システムの第3作動モードを説明する全体構成図である。 第1実施形態における車両用熱管理システムの第1作動モードを説明するモリエル線図である。 第1実施形態における車両用熱管理システムの第2作動モードを説明するモリエル線図である。 第1実施形態における車両用熱管理システムの圧縮機吸入冷媒密度と冷媒温度との関係を示すグラフである。 第1実施形態における車両用熱管理システムのサイクル成績係数と外気温との関係を示すグラフである。 第2実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。 第2実施形態における車両用熱管理システムの第1作動モードを説明する全体構成図である。 第2実施形態における車両用熱管理システムの第2作動モードを説明する全体構成図である。 第2実施形態における車両用熱管理システムの第3作動モードを説明する全体構成図である。 第3実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。 第3実施形態における車両用熱管理システムの第1作動モードを説明する全体構成図である。 第3実施形態における車両用熱管理システムの第2作動モードを説明する全体構成図である。 第3実施形態における車両用熱管理システムの第3作動モードを説明する全体構成図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。図1に示す車両用熱管理システム10は、車両が備える各種機器や車室内を適切な温度に調整するために用いられる。
本実施形態では、熱管理システム10を、エンジン(内燃機関)および走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド自動車に適用している。
本実施形態のハイブリッド自動車は、車両停車時に外部電源(商用電源)から供給された電力を、車両に搭載された電池(車載バッテリ)に充電可能なプラグインハイブリッド自動車として構成されている。電池としては、例えばリチウムイオン電池を用いることができる。
エンジンから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるのみならず、発電機を作動させるためにも用いられる。そして、発電機にて発電された電力および外部電源から供給された電力を電池に蓄わえることができ、電池に蓄えられた電力は、走行用電動モータのみならず、冷却システムを構成する電動式構成機器をはじめとする各種車載機器に供給される。
図1に示すように、熱管理システム10は、第1ポンプ11、第2ポンプ12、ラジエータ13、冷却水冷却器14、冷却水加熱器15、ヒータコア16、第1切替弁18および第2切替弁19を備えている。
第1ポンプ11および第2ポンプ12は、冷却水(熱媒体)を吸入して吐出する電動ポンプである。冷却水は、熱媒体としての流体である。本実施形態では、冷却水として、少なくともエチレングリコール、ジメチルポリシロキサンまたはナノ流体を含む液体、または不凍化液体が用いられている。
ラジエータ13は、冷却水と外気とを熱交換する熱交換器(熱媒体外気熱交換器)であり、冷却水の温度が外気の温度よりも高い場合、冷却水の熱を外気に放熱させる放熱器として機能し、冷却水の温度が外気の温度よりも低い場合、外気の熱を冷却水に吸熱させる吸熱器として機能する。
ラジエータ13の冷却水入口側は、第1ポンプ11の冷却水吐出側に接続されている。室外送風機20は、ラジエータ13へ外気を送風する電動送風機である。ラジエータ13および室外送風機20は車両の最前部に配置されている。このため、車両の走行時にはラジエータ13に走行風を当てることができる。
冷却水冷却器14は、冷凍サイクル21の低圧側冷媒と冷却水とを熱交換させることによって冷却水を冷却する低圧側熱交換器(熱媒体冷却器)である。冷却水冷却器14は、冷凍サイクル21の蒸発器を構成している。
冷凍サイクル21は、圧縮機22、凝縮器としての冷却水加熱器15、膨張弁23、および蒸発器としての冷却水冷却器14を備える蒸気圧縮式冷凍機である。本実施形態の冷凍サイクル21では、冷媒としてフロン系冷媒を用いており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。
圧縮機22は、電池から供給される電力によって駆動される電動圧縮機であり、冷凍サイクル21の冷媒を吸入して圧縮して吐出する。冷却水加熱器15は、圧縮機22から吐出された高圧側冷媒と冷却水とを熱交換させることによって高圧側冷媒を凝縮させる高圧側熱交換器(熱媒体加熱器)である。
膨張弁23は、冷却水加熱器15で凝縮された液相冷媒を減圧膨張させる減圧手段である。冷却水冷却器14は、膨張弁23で減圧膨張された低圧冷媒と冷却水とを熱交換させることによって低圧冷媒を蒸発させる低圧側熱交換器である。冷却水冷却器14で蒸発した気相冷媒は圧縮機22に吸入されて圧縮される。
ヒータコア16は、車室内への送風空気と冷却水とを熱交換させて車室内への送風空気を加熱する加熱用熱交換器(加熱対象機器)である。図示を省略しているが、ヒータコア16は、室内空調ユニットのケーシングに収容されている。ケーシングには、ヒータコア16へ内気または外気を送風する室内送風機(電動送風機)も収容されている。
冷却水によって加熱される加熱対象機器として、ヒータコア16以外に電池用熱交換器を備えていてもよい。電池用熱交換器は、冷却水と空気とを熱交換させる熱交換器であり、電池用熱交換器で熱交換された空気が電池に導風されることによって電池が冷却または加熱されるようになっている。
また、電池用熱交換器の代わりに電池自体が設けられていてもよい。電池は、出力低下、充電効率低下および劣化防止等の理由から10〜40℃程度の温度に維持されるのが好ましい。
第1ポンプ11は、第1ポンプ用流路31に配置されている。第1ポンプ用流路31において第1ポンプ11の吐出側には、ラジエータ13が配置されている。第2ポンプ12は、第2ポンプ用流路32に配置されている。
冷却水冷却器14は、冷却水冷却器用流路34に配置されている。冷却水加熱器15は、冷却水加熱器用流路35に配置されている。ヒータコア16は、ヒータコア用流路36に配置されている。
第1ポンプ用流路31、第2ポンプ用流路32、冷却水冷却器用流路34、冷却水加熱器用流路35およびヒータコア用流路36は、第1切替弁18および第2切替弁19に接続されている。
第1切替弁18および第2切替弁19は、冷却水の流れを切り替える流れ切替手段である。第1切替弁18は、冷却水の入口として2つの入口を有し、冷却水の出口として3つの出口を有している。第2切替弁19は、冷却水の出口として2つの出口を有し、冷却水の入口として3つの入口を有している。
第1切替弁18の第1入口には、第1ポンプ用流路31の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁18の第1入口には、ラジエータ13の冷却水出口側が接続されている。
第1切替弁18の第2入口には、第2ポンプ用流路32の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁18の第2入口には、第2ポンプ12の冷却水吐出側が接続されている。
第1切替弁18の第1出口には、冷却水冷却器用流路34の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁18の第1出口には、冷却水冷却器14の冷却水入口側が接続されている。
第1切替弁18の第2出口には、冷却水加熱器用流路35の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁18の第2出口には、冷却水加熱器15の冷却水入口側が接続されている。
第1切替弁18の第3出口には、ヒータコア用流路36の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁18の第3出口には、ヒータコア16の冷却水入口側が接続されている。
第2切替弁19の第1出口には、第1ポンプ用流路31の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁19の第1出口には、第1ポンプ11の冷却水吸入側が接続されている。
第2切替弁19の第2出口には、第2ポンプ用流路32の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁19の第2出口には、第2ポンプ12の冷却水吸入側が接続されている。
第2切替弁19の第1入口には、冷却水冷却器用流路34の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁19の第1入口には、冷却水冷却器14の冷却水出口側が接続されている。
第2切替弁19の第2入口には、冷却水加熱器用流路35の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁19の第2入口には、冷却水加熱器15の冷却水出口側が接続されている。
第2切替弁19の第3入口には、ヒータコア用流路36の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁19の第3入口には、ヒータコア16の冷却水出口側が接続されている。
第1切替弁18は、2つの入口と3つの出口との連通状態を任意または選択的に切り替え可能な構造になっている。第2切替弁19も、2つの出口と3つの入口との連通状態を任意または選択的に切り替え可能な構造になっている。
第1切替弁18および第2切替弁19の構造例を簡単に説明すると、第1切替弁18および第2切替弁19は、外殻をなすケースと、ケースに収容された弁体とを備え、ケースの所定の位置に冷却水の入口および出口が形成され、弁体が回転操作されることによって冷却水の入口と出口との連通状態が変化するようになっている。
第1切替弁18の弁体および第2切替弁19の弁体は、共通の電動モータによって回転駆動される。第1切替弁18の弁体および第2切替弁19の弁体は、別個の電動モータによって独立して回転駆動されるようになっていてもよい。
次に、熱管理システム10の電気制御部を図2に基づいて説明する。制御装置40は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された第1ポンプ11、第2ポンプ12、圧縮機22、切替弁用電動モータ41等の作動を制御する制御手段である。
切替弁用電動モータ41は、第1切替弁18の弁体と第2切替弁19の弁体とを駆動する切替弁駆動手段である。
制御装置40は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御手段を構成している。
本実施形態では、特に切替弁用電動モータ41の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)を切替制御手段40aとする。もちろん、切替制御手段40aを制御装置40に対して別体で構成してもよい。
本実施形態では、特に第1ポンプ11および第2ポンプ12の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)をポンプ制御手段40bとする。もちろん、ポンプ制御手段40bを制御装置40に対して別体で構成してもよい。
制御装置40の入力側には、第1水温センサ42、第2水温センサ43、冷媒温度センサ44等のセンサ群の検出信号が入力される。
第1水温センサ42は、第1冷却水回路C1の冷却水温度(例えば、冷却水冷却器14から流出した冷却水の温度)を検出する検出手段(第1熱媒体温度検出手段)である。第2水温センサ43は、第2冷却水回路C2の冷却水温度(例えば、冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度)を検出する検出手段(第2熱媒体温度検出手段)である。
冷媒温度センサ44は、冷凍サイクル21の冷媒温度(例えば、圧縮機22に吸入される冷媒温度)を検出する検出手段(冷媒温度検出手段)である。
次に、上記構成における作動を説明する。制御装置40が第1ポンプ11、第2ポンプ12、圧縮機22、切替弁用電動モータ41等の作動を制御することによって、図3に示す第1作動モード、図4に示す第2作動モード、および図5に示す第3作動モードに切り替えられる。
図3に示す第1作動モードは、例えば外気温度が低く(例えば−20℃以下)、かつ冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度が所定温度以下(例えば−15℃以下)の場合に実施される。
第1作動モードでは、第1切替弁18および第2切替弁19は、第1ポンプ用流路31を冷却水冷却器用流路34と接続させ、第2ポンプ用流路32を冷却水加熱器用流路35と接続させ、ヒータコア用流路36を閉じる。
これにより、第1ポンプ11、ラジエータ13および冷却水冷却器14によって第1冷却水回路C1(第1熱媒体回路)が構成され、第2ポンプ12および冷却水加熱器15によって第2冷却水回路C2(第2熱媒体回路)が構成される。
第1冷却水回路C1では、図3の太一点鎖線矢印に示すように、第1ポンプ11から吐出された冷却水はラジエータ13および冷却水冷却器14を流れて第1ポンプ11に吸入される。第2冷却水回路C2では、図3の太実線矢印に示すように、第2ポンプ12から吐出された冷却水は冷却水加熱器15を流れて第2ポンプ12に吸入される。
第1冷却水回路C1では、冷却水冷却器14で冷却された低温冷却水がラジエータ13を流れるので、ラジエータ13で冷却水が外気から吸熱する。そして、ラジエータ13にて外気から吸熱した冷却水は、冷却水冷却器14で冷凍サイクル21の冷媒と熱交換して放熱する。したがって、冷却水冷却器14では、冷凍サイクル21の冷媒が冷却水を介して外気から吸熱する。
冷却水冷却器14にて外気から吸熱した冷媒は、冷却水加熱器15にて第2冷却水回路C2の冷却水と熱交換するので、第2冷却水回路C2の冷却水が加熱される。すなわち、外気の熱を第2冷却水回路C2の冷却水へ汲み上げるヒートポンプ運転を実現できる。
このとき、第2冷却水回路C2における冷却水の流量を極少量にする。換言すれば、第2冷却水回路C2における冷却水の流量を、第1冷却水回路C1における冷却水の流量よりも少なくする。
具体的には、制御装置40が第2ポンプ12のポンプ回転数を極めて低く抑えたり、第2ポンプ12を間欠運転したりすることによって、第2ポンプ12の冷却水吐出能力を極小能力にする。
第2冷却水回路C2における冷却水の流量が極少量になると、熱伝達率が低下するため熱伝達するのに大きな温度差が必要となる。その結果、図6のモリエル線図(実線)に示すように、第2冷却水回路C2における冷却水の流量が多い場合(図6の二点鎖線)と比較して冷凍サイクル21の高圧が上昇するので、冷却水加熱器15における冷却水加熱能力を高めて第2冷却水回路C2の冷却水の温度を早く上昇させることができる。
なお、図6中、符号T1は、第1冷却水回路C1の冷却水温度を示し、符号T2は、第2冷却水回路C2の冷却水温度を示している。第1作動モードにおいて、制御装置40は、第2ポンプ12を停止するようにしてもよい。
第1作動モードでは、第2冷却水回路C2において冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるので、冷却水がヒータコア16で放熱しない。そのため、冷却水がヒータコア16を流れる場合と比較して第2冷却水回路C2の冷却水の温度をさらに早く上昇させることができる。
第1作動モードでは、第1冷却水回路C1と第2冷却水回路C2とが連結されない。したがって、第1作動モードを非連結モードと表現することができる。
図4に示す第2作動モードは、例えば冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度が所定温度以下(例えば−15℃以下)の場合に実施される。
第2作動モードでは、第1切替弁18および第2切替弁19は、第2ポンプ用流路32を冷却水冷却器用流路34および冷却水加熱器用流路35と接続させ、第1ポンプ用流路31およびヒータコア用流路36を閉じる。
これにより、第2ポンプ12、冷却水冷却器14および冷却水加熱器15によって第2冷却水回路C2(高温冷却水回路)が構成される。
第2冷却水回路C2では、図4の太実線矢印に示すように、第2ポンプ12から吐出された冷却水は冷却水冷却器14および冷却水加熱器15を流れて第2ポンプ12に吸入される。
第2冷却水回路C2では、冷却水加熱器15で加熱された冷却水が冷却水冷却器14を流れて冷媒に吸熱される。これにより、圧縮機22の仕事分の熱を第2冷却水回路C2の冷却水に投入して、第2冷却水回路C2の冷却水の温度を上昇させることができる。
第2作動モードでは、冷却水加熱器15で加熱された冷却水から吸熱するので、図7のモリエル線図(一点鎖線)に示すように、ラジエータ13で外気から吸熱する場合(図7の二点鎖線)と比較して冷凍サイクル21の低圧を高くすることができる。そのため、圧縮機22が吸入する冷媒の密度を上げることができるので、圧縮機22が大きな仕事をすることができる。
さらに、第2作動モードでは、第2冷却水回路C2における冷却水の流量を少量にする。換言すれば、第2冷却水回路C2における冷却水の流量を、第1冷却水回路C1における冷却水の流量よりも少なくする。具体的には、冷却水加熱器用流路35の開度が小さくなるように、制御装置40が第1切替弁18および第2切替弁19の作動を制御する。
これにより、第1作動モードと同様に、図7のモリエル線図(実線)に示すように、第2冷却水回路C2における冷却水の流量が多い場合(図7の一点鎖線)と比較して冷凍サイクル21の高圧が上昇するので、冷却水加熱器15における冷却水加熱能力を高めて第2冷却水回路C2の冷却水の温度を早く上昇させることができる。
なお、図7中、符号T1は、第1冷却水回路C1の冷却水温度を示し、符号T2は、第2冷却水回路C2の冷却水温度を示している。
第2作動モードでは、冷却水がラジエータ13をバイパスして流れ、冷却水がヒータコア16をバイパスして流れる。換言すれば、熱管理システム10は、冷却水がラジエータ13をバイパスして流れるようにする第1バイパス手段と、冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるようにする第2バイパス手段とを備えている。
第2作動モードでは、第2冷却水回路C2において冷却水がラジエータ13をバイパスして流れるので、冷却水がラジエータ13で放熱しない。そのため、冷却水がラジエータ13を流れる場合と比較して第2冷却水回路C2の冷却水の温度をさらに早く上昇させることができる。
第2作動モードでは、第2冷却水回路C2において冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるので、冷却水がヒータコア16で放熱しない。そのため、冷却水がヒータコア16を流れる場合と比較して第2冷却水回路C2の冷却水の温度をさらに早く上昇させることができる。
第2作動モードでは、第1冷却水回路C1と第2冷却水回路C2とが連結される。したがって、第2作動モードを連結モードと表現することができる。
図5に示す第3作動モードは、第2冷却水回路C2の冷却水温度(例えば冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度)が所定温度(例えば−15℃)を上回った場合に実施される。
第3作動モードでは、第1切替弁18および第2切替弁19は、第2ポンプ用流路32を冷却水冷却器用流路34、冷却水加熱器用流路35およびヒータコア用流路36と接続させ、第1ポンプ用流路31を閉じる。
これにより、第2ポンプ12、冷却水冷却器14、冷却水加熱器15およびヒータコア16によって第2冷却水回路C2(高温冷却水回路)が構成される。
第2冷却水回路C2では、図5の太実線矢印に示すように、第2ポンプ12から吐出された冷却水は冷却水冷却器14、冷却水加熱器15およびヒータコア16を流れて第2ポンプ12に吸入される。
これにより、冷却水加熱器15で加熱された冷却水がヒータコア16を流れるので、ヒータコア16を暖機することができる。
第3作動モードでは、第1冷却水回路C1と第2冷却水回路C2とが連結される。したがって、第3作動モードを連結モードと表現することができる。
ここで、第1作動モードから第2作動モードへの切替条件について説明する。本実施形態では、第1作動モード時に第2冷却水回路C2の冷却水に投入できる熱量Q1よりも、第2作動モード時に第2冷却水回路C2の冷却水に投入できる熱量Q2の方が大きくなると推定される場合、第1作動モードから第2作動モードに切り替える。
例えば、第1作動モード時(ヒートポンプ運転時)に第2冷却水回路C2の冷却水に投入できる熱量Q1は以下の数式F1で表され、第2作動モード時に第2冷却水回路C2の冷却水に投入できる熱量Q2は以下の数式F2で表される。
Q1=ΔIL1×ρ1×Nc×Vc×ηc×A1 …(F1)
Q2=ΔIL2×ρ2×Nc×Vc×ηc×A2 …(F2)
但し、ΔIL1、ΔIL1は圧縮機22のエンタルピ差、ρ1、ρ2は圧縮機22が吸入する冷媒の密度、Ncは圧縮機22の回転数、Vcは圧縮機22の吸入容積、ηc1、ηc2は圧縮機22の体積効率、A1、A2は冷凍サイクル21(ヒートポンプサイクル)の成績係数(COP)である。
図8に示すように、圧縮機22が吸入する冷媒の密度ρ(飽和ガス密度)は冷媒温度に応じて変化する。図9に示すように、冷凍サイクル21(ヒートポンプサイクル)の成績係数A(COP)は外気温に応じて変化する。
ここで、第1作動モードと第2作動モードとでNc、Vcは一定であり、ηcの変化量は十分に小さい(ほとんど変化しない)。第2作動モード時は、第2冷却水回路C2の冷却水から吸熱して、同じ第2冷却水回路C2の冷却水に熱を戻すサイクルとなるので、A2(COP)は1となる。
そうすると、ΔIL1とΔIL2とが等しい(ΔIL1=ΔIL2)と仮定した場合、以下の数式F3を満たす場合、熱量Q1よりも熱量Q2の方が大きくなると推定される。
ρ2>A1×ρ1 …(F3)
したがって、第1作動モード時にこの数式F3を満たしたら、第2作動モードに切り替えるようにする。
例えば、数式F3におけるA1は、外気温と図9のグラフとに基づいて算出する。数式F3におけるρ1は、第1作動モード時における第1冷却水回路C1の冷却水温度(例えば冷却水冷却器14から流出した冷却水の温度)と図8のグラフとに基づいて算出する。すなわち、第1作動モード時における第1冷却水回路C1の冷却水温度から圧縮機22が吸入する冷媒の温度を推定し、推定した冷媒温度と図8のグラフとに基づいて吸入冷媒密度ρ1を算出する。
数式F3におけるρ2は、第1作動モード時における第2冷却水回路C2の冷却水温度(冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度)と図8のグラフとに基づいて算出する。すなわち、第1冷却水回路C1の冷却水温度(例えば冷却水冷却器14から流出した冷却水の温度)が第2冷却水回路C2の冷却水温度(冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度)と同じになったと仮定して、圧縮機22が吸入する冷媒の温度を推定し、推定した冷媒温度と図8のグラフとに基づいて吸入冷媒密度ρ2を算出する。
第1作動モードから第2作動モードへの切替条件の他の例として、第1作動モードの実施中、第2冷却水回路C2における冷却水の温度が所定温度以上になった場合、第2作動モードに切り替えるようにしてもよい。
本実施形態では、第1冷却水回路C1と第2冷却水回路C2とが連結されない第1作動モードと、冷却水加熱器15から流出した冷却水が冷却水冷却器14を流れるように第1冷却水回路C1と第2冷却水回路C2とが連結される第2、第3モードとが切り替えられる。
これによると、第2、第3作動モードでは、冷却水冷却器14と冷却水加熱器15との間で同じ冷却水が循環するので、冷凍サイクル21の圧縮機22の仕事分を冷却水の昇温に利用することができる。このため、低外気温時においてヒータコア16を早期に加熱することができ、ひいては車室内を早期に暖房することができる。
さらに、第2、第3作動モードでは、冷却水加熱器15で加熱された冷却水が冷却水冷却器14を流れるので、外気で冷却された冷却水が冷却水冷却器14を流れる場合と比較して、冷却水冷却器14を流れる冷却水の温度を上昇させることができる。そのため、冷却水冷却器14を流れる冷媒の温度も上昇させることができるので、冷凍サイクル21の圧縮機22に吸入される冷媒の密度を高めることができ、ひいては、圧縮機22の仕事を増やすことができる。
したがって、低外気温時においてヒータコア16を早期に加熱することができ、ひいては車室内を早期に暖房することができる。
本実施形態では、ヒータコア16を加熱する必要がある場合、第1作動モードを実施した後に第2、第3作動モードを実施する。
具体的には、第1作動モードから第2作動モードへの切り替えを、第2冷却水回路C2における冷却水の温度に関連する物理量ρ2に基づいて行う。
より具体的には、第1作動モードから第2作動モードへの切り替えを、物理量ρ2と閾値A1×ρ1との比較結果に基づいて行う。より具体的には、閾値A1×ρ1を外気温度に基づいて決定する。
より具体的には、第2冷却水回路C2における冷却水の温度に関連する物理量ρ2として、冷却水冷却器14に第2冷却水回路C2の冷却水が流入した場合の吸入冷媒密度を用い、吸入冷媒密度ρ2と比較する閾値A1×ρ1として、外気温度に基づく冷凍サイクル21の成績係数A1と、冷却水冷却器14に第1冷却水回路C1の冷却水が流入した場合の吸入冷媒密度ρ1との積を用いる。ここで、吸入冷媒密度とは、冷凍サイクル21の圧縮機22が吸入する冷媒の密度のことである。
これにより、冷却水加熱器15での冷却水への放熱量が極力多くなるように、第1作動モードから第2作動モードへの切り替えを行うことができる。
本実施形態では、冷却水加熱器15を流れる冷却水の時間平均流量が冷却水加熱器15を流れる冷却水の時間平均流量よりも少なくなるように第1ポンプ11および第2ポンプ12の作動を制御する。
これによると、冷却水加熱器15を流れる冷却水の時間平均流量が少なくなるので、冷却水加熱器15における熱伝達率が低下して、熱伝達するのに大きな温度差が必要となる。その結果、冷凍サイクル21の高圧が上昇するので、冷却水加熱器15における冷却水加熱能力を高めて冷却水の温度を早期に上昇させることができ、ひいてはヒータコア16を早期に加熱することができる。
本実施形態では、第2、第3作動モード時に冷却水がラジエータ13をバイパスして流れる。これにより、冷却水から外気への放熱を回避できるので、ヒータコア16を一層早期に加熱することができる。
本実施形態では、第1、第2作動モード時に第2冷却水回路C2の冷却水がヒータコア16をバイパスして流れる。これにより、冷却水からヒータコア16への放熱を回避できるので、ヒータコア16を加熱する前に冷却水の昇温を優先的に行うことができる。
本実施形態では、第1切替弁18および第2切替弁19は、第1冷却水回路C1と第2冷却水回路C2とが連結されない第1作動モードと、第1冷却水回路C1と第2冷却水回路C2とが連結される第2、第3作動モードとを切り替える連結切替手段を構成している。
具体的には、第1切替弁18には、第1ポンプ11の冷却水吐出側、第2ポンプ12の冷却水吐出側、および冷却水冷却器14の冷却水入口側が互いに並列に接続されており、第2切替弁19には、第1ポンプ11の冷却水吸入側、第2ポンプ12の冷却水吸入側、および冷却水冷却器14の冷却水出口側が互いに並列に接続されており、第1切替弁18および第2切替弁19は、第1作動モードでは冷却水冷却器14を第1ポンプ11と接続し、第2、第3作動モードでは冷却水冷却器14を第2ポンプ12と接続する。これにより、熱管理システム10の全体構成を簡素化できる。
本実施形態では、ラジエータ13が第1切替弁18と第2切替弁19との間において第1ポンプ11と直列に配置され、かつ第1切替弁18および第2切替弁19のうち少なくとも一方が第1ポンプ11およびラジエータ13への熱媒体の流れを遮断可能になっている。
これにより、第2、第3作動モード時に冷却水がラジエータ13をバイパスして流れることができる。
本実施形態では、第1切替弁18にヒータコア16の冷却水入口側が接続され、第2切替弁19にヒータコア16の冷却水出口側が接続され、かつ第1切替弁18および第2切替弁19のうち少なくとも一方がヒータコア16への冷却水の流れを遮断可能になっている。
これにより、第1、第2作動モード時に冷却水がヒータコア16をバイパスして流れることができる。
(第2実施形態)
本第2実施形態では、図10に示すように、上記第1実施形態に対して、冷却水冷却器14、冷却水加熱器15およびラジエータ13の配置が変更されている。
具体的には、冷却水冷却器14は第1ポンプ用流路31に配置されており、冷却水加熱器15は第2ポンプ用流路32に配置されており、ラジエータ13はラジエータ用流路33(第1流路)に配置されている。冷却水冷却器14は、第1ポンプ11の吐出側に配置されている。冷却水加熱器15は第2ポンプ用流路32に配置されている。
第1切替弁18の第1入口には、第1ポンプ用流路31の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁18の第1入口には、冷却水冷却器14の冷却水出口側が接続されている。
第1切替弁18の第2入口には、第2ポンプ用流路32の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁18の第2入口には、冷却水加熱器15の冷却水出口側が接続されている。
第1切替弁18の第1出口には、ラジエータ用流路33の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁18の第1出口には、ラジエータ13の冷却水入口側が接続されている。第1切替弁18の第2出口には、バイパス流路37(第2流路)の一端が接続されている。
第1切替弁18の第3出口には、ヒータコア用流路36の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁18の第3出口には、ヒータコア16の冷却水入口側が接続されている。
第2切替弁19の第1出口には、第1ポンプ用流路31の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁19の第1出口には、第1ポンプ11の冷却水吸入側が接続されている。
第2切替弁19の第2出口には、第2ポンプ用流路32の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁19の第2出口には、第2ポンプ12の冷却水吸入側が接続されている。
第2切替弁19の第1入口には、ラジエータ用流路33の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁19の第1入口には、ラジエータ13の冷却水出口側が接続されている。第2切替弁19の第2入口には、バイパス流路37の他端が接続されている。
第2切替弁19の第3入口には、ヒータコア用流路36の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁19の第3入口には、ヒータコア16の冷却水出口側が接続されている。
次に、上記構成における作動を説明する。制御装置40が第1ポンプ11、第2ポンプ12、圧縮機22、切替弁用電動モータ41等の作動を制御することによって、図11に示す第1作動モード、図12に示す第2作動モード、および図13に示す第3作動モードに切り替えられる。
図11に示す第1作動モードは、外気温度が低く(例えば−20℃以下)、かつ第2冷却水回路C2の冷却水温度(例えば冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度)が所定温度以下(例えば−15℃以下)の場合に実施される。
第1作動モードでは、第1切替弁18および第2切替弁19は、第1ポンプ用流路31をラジエータ用流路33と接続させ、第2ポンプ用流路32をバイパス流路37と接続させ、ヒータコア用流路36を閉じる。
これにより、第1ポンプ11、冷却水冷却器14およびラジエータ13によって第1冷却水回路C1(低温冷却水回路)が構成され、第2ポンプ12および冷却水加熱器15によって第2冷却水回路C2(高温冷却水回路)が構成される。
第1冷却水回路C1では、図11の太一点鎖線矢印に示すように、第1ポンプ11から吐出された冷却水は冷却水冷却器14およびラジエータ13を流れて第1ポンプ11に吸入される。第2冷却水回路C2では、図11の太実線矢印に示すように、第2ポンプ12から吐出された冷却水は冷却水加熱器15を流れて第2ポンプ12に吸入される。
これにより、上記第1実施形態の第1作動モードと同様に、外気の熱を第2冷却水回路C2の冷却水へ汲み上げるヒートポンプ運転を実現できる。
このとき、上記第1実施形態の第1作動モードと同様に、第2冷却水回路C2における冷却水の流量を極少量にする。換言すれば、第2冷却水回路C2における冷却水の流量を、第1冷却水回路C1における冷却水の流量よりも少なくする。
これにより、上記第1実施形態の第1作動モードと同様に、第2冷却水回路C2における冷却水の流量が多い場合と比較して冷凍サイクル21の高圧が上昇するので、冷却水加熱器15における冷却水加熱能力を高めて第2冷却水回路C2の冷却水の温度を早く上昇させることができる。
第1作動モードでは、第2冷却水回路C2において冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるので、冷却水がヒータコア16で放熱しない。そのため、冷却水がヒータコア16を流れる場合と比較して第2冷却水回路C2の冷却水の温度をさらに早く上昇させることができる。
図12に示す第2作動モードは、第2冷却水回路C2の冷却水温度(例えば冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度)が所定温度以下(例えば−15℃以下)の場合に実施される。
第2作動モードでは、第1切替弁18および第2切替弁19は、第1ポンプ用流路31および第2ポンプ用流路32をバイパス流路37と接続させ、ラジエータ用流路33およびヒータコア用流路36を閉じる。
これにより、第1ポンプ11、第2ポンプ12、冷却水冷却器14および冷却水加熱器15によって第2冷却水回路C2(高温冷却水回路)が構成される。
第2冷却水回路C2では、図12の太実線矢印に示すように、第1ポンプ11および第2ポンプ12から吐出された冷却水は冷却水冷却器14および冷却水加熱器15を流れて第1ポンプ11および第2ポンプ12に吸入される。
これにより、上記第1実施形態の第2作動モードと同様に、冷却水加熱器15で加熱された冷却水から吸熱するので、ラジエータ13で外気から吸熱する場合と比較して冷凍サイクル21の低圧を高くすることができる。そのため、圧縮機22が吸入する冷媒の密度を上げることができるので、圧縮機22が大きな仕事をすることができる。
さらに、第2作動モードでは、上記第1実施形態の第2作動モードと同様に、第2冷却水回路C2における冷却水の流量を少量にする。換言すれば、第2冷却水回路C2における冷却水の流量を、第1冷却水回路C1における冷却水の流量よりも少なくする。具体的には、第2ポンプ用流路32の開度が小さくなるように、制御装置40が第1切替弁18および第2切替弁19の作動を制御する。または、第2ポンプ12の冷却水吐出能力を小さくする。
これにより、第1作動モードと同様に、第2冷却水回路C2における冷却水の流量が多い場合と比較して冷凍サイクル21の高圧が上昇するので、冷却水加熱器15における冷却水加熱能力を高めて第2冷却水回路C2の冷却水の温度を早く上昇させることができる。
第2作動モードでは、冷却水がラジエータ13をバイパスして流れ、冷却水がヒータコア16をバイパスして流れる。換言すれば、熱管理システム10は、冷却水がラジエータ13をバイパスして流れるようにする第1バイパス手段と、冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるようにする第2バイパス手段とを備えている。
第2作動モードでは、第2冷却水回路C2において冷却水がラジエータ13をバイパスして流れるので、冷却水がラジエータ13で放熱しない。そのため、冷却水がラジエータ13を流れる場合と比較して第2冷却水回路C2の冷却水の温度をさらに早く上昇させることができる。
第2作動モードでは、第2冷却水回路C2において冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるので、冷却水がヒータコア16で放熱しない。そのため、冷却水がヒータコア16を流れる場合と比較して第2冷却水回路C2の冷却水の温度をさらに早く上昇させることができる。
図13に示す第3作動モードは、第2冷却水回路C2の冷却水温度(例えば冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度)が所定温度(例えば−15℃)を上回った場合に実施される。
第3作動モードでは、第1切替弁18および第2切替弁19は、第1ポンプ用流路31および第2ポンプ用流路32をバイパス流路37およびヒータコア用流路36と接続させ、ラジエータ用流路33を閉じる。
これにより、第1ポンプ11、第2ポンプ12、冷却水冷却器14、冷却水加熱器15およびヒータコア16によって第2冷却水回路C2(高温冷却水回路)が構成される。
第2冷却水回路C2では、図13の太実線矢印に示すように、第1ポンプ11および第2ポンプ12から吐出された冷却水は冷却水冷却器14、冷却水加熱器15およびヒータコア16を流れて第1ポンプ11および第2ポンプ12に吸入される。
これにより、上記第1実施形態の第3作動モードと同様に、冷却水加熱器15で加熱された冷却水がヒータコア16を流れるので、ヒータコア16を暖機することができる。
なお、第1作動モードから第2作動モードへの切替条件については、上記第1実施形態と同様であるので説明を説明する。
本実施形態によると、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
本実施形態では、第1切替弁18には、第1ポンプ11の冷却水吐出側、第2ポンプ12の冷却水吐出側、ラジエータ用流路33の一端側、およびバイパス流路37の一端側が互いに並列に接続されており、第2切替弁19には、第1ポンプ11の冷却水吸入側、第2ポンプ12の冷却水吸入側、ラジエータ用流路33の他端側、およびバイパス流路37の他端側が互いに並列に接続されており、第1切替弁18および第2切替弁19は、第1作動モードではラジエータ用流路33を第1ポンプ11と接続し、かつバイパス流路37を第2ポンプ12と接続し、第2、第3作動モードではバイパス流路37を第1ポンプ11および第2ポンプ12と接続する。これにより、熱管理システム10の全体構成を簡素化できる。
本実施形態では、ラジエータ13がラジエータ用流路33に配置されているので、第2、第3作動モード時に冷却水がラジエータ13をバイパスして流れることができる。
本実施形態では、第1切替弁18にヒータコア16の冷却水入口側が接続され、第2切替弁19にヒータコア16の冷却水出口側が接続され、かつ第1切替弁18および第2切替弁19のうち少なくとも一方がヒータコア16への冷却水の流れを遮断可能になっている。
これにより、第1、第2作動モード時に冷却水がヒータコア16をバイパスして流れることができる。
(第3実施形態)
本第3実施形態では、図14に示すように、第1冷却水回路C1を構成する第1循環流路51と第2冷却水回路C2を構成する第2循環流路52とを第1接続流路53および第2接続流路54で接続するようになっている。
第1循環流路51および第2循環流路52は、冷却水が循環して流れる閉じた流路である。第1循環流路51には、第1ポンプ11、ラジエータ13および冷却水冷却器14がこの順番で配置されている。第2循環流路52には、第2ポンプ12、冷却水加熱器15およびヒータコア16がこの順番で配置されている。
第1循環流路51のうちラジエータ13と冷却水冷却器14との間の部位には、第1接続流路53の一端および第2接続流路54の一端が接続されている。第2循環流路52のうち冷却水加熱器15およびヒータコア16との間の部位には、第1接続流路53の他端および第2接続流路54の他端が接続されている。
第1接続流路53と第1循環流路51との接続部には第1三方弁55が配置されている。第1三方弁55は、ラジエータ13から流出した冷却水が冷却水冷却器14側へ向かって流れる流路と、ラジエータ13から流出した冷却水が第1接続流路53側へ向かって流れる流路とを切り替える流路切替手段である。
第2接続流路54と第2循環流路52との接続部には第2三方弁56が配置されている。第2三方弁56は、冷却水加熱器15から流出した冷却水がヒータコア16側へ向かって流れる流路と、冷却水加熱器15から流出した冷却水が第2接続流路54側へ向かって流れる流路とを切り替える流路切替手段である。
第1循環流路51には、第1ポンプ11から吐出された冷却水がラジエータ13をバイパスして流れるラジエータバイパス流路57が接続されている。ラジエータバイパス流路57と第1循環流路51との接続部にはラジエータバイパス三方弁58が配置されている。
ラジエータバイパス三方弁58は、第1ポンプ11から吐出された冷却水がラジエータ13側へ向かって流れる流路と、第1ポンプ11から吐出された冷却水がラジエータバイパス流路57側へ向かって流れる流路とを切り替える流路切替手段である。
第2循環流路52には、第2ポンプ12から吐出された冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるヒータコアバイパス流路59が接続されている。ヒータコアバイパス流路59と第2循環流路52との接続部にはヒータコアバイパス三方弁60が配置されている。
ヒータコアバイパス三方弁60は、第2ポンプ12から吐出された冷却水がヒータコア16側へ向かって流れる流路と、第2ポンプ12から吐出された冷却水がヒータコアバイパス流路59側へ向かって流れる流路とを切り替える流路切替手段である。
第1三方弁55、第2三方弁56、ラジエータバイパス三方弁58およびヒータコアバイパス三方弁60の作動は制御装置40によって制御される。
次に、上記構成における作動を説明する。制御装置40が第1ポンプ11、第2ポンプ12、圧縮機22、第1三方弁55、第2三方弁56、ラジエータバイパス三方弁58およびヒータコアバイパス三方弁60等の作動を制御することによって、図15に示す第1作動モード、図16に示す第2作動モード、および図17に示す第3作動モードに切り替えられる。
図15に示す第1作動モードは、外気温度が低く(例えば−20℃以下)、かつ第2冷却水回路C2の冷却水温度(例えば冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度)が所定温度以下(例えば−15℃以下)の場合に実施される。
第1作動モードでは、第1循環流路51と第2循環流路52とが接続されず、第1循環流路51の冷却水がラジエータ13を流れ、第2循環流路52の冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるように、第1三方弁55、第2三方弁56、ラジエータバイパス三方弁58およびヒータコアバイパス三方弁60が作動する。
これにより、第1ポンプ11、冷却水冷却器14およびラジエータ13によって第1冷却水回路C1(低温冷却水回路)が構成され、第2ポンプ12および冷却水加熱器15によって第2冷却水回路C2(高温冷却水回路)が構成される。
第1冷却水回路C1では、図15の太一点鎖線矢印に示すように、第1ポンプ11から吐出された冷却水は冷却水冷却器14およびラジエータ13を流れて第1ポンプ11に吸入される。第2冷却水回路C2では、図15の太実線矢印に示すように、第2ポンプ12から吐出された冷却水は冷却水加熱器15を流れて第2ポンプ12に吸入される。
これにより、上記第1実施形態の第1作動モードと同様に、外気の熱を第2冷却水回路C2の冷却水へ汲み上げるヒートポンプ運転を実現できる。
このとき、上記第1実施形態の第1作動モードと同様に、第2冷却水回路C2における冷却水の流量を極少量にする。換言すれば、第2冷却水回路C2における冷却水の流量を、第1冷却水回路C1における冷却水の流量よりも少なくする。
これにより、上記第1実施形態の第1作動モードと同様に、第2冷却水回路C2における冷却水の流量が多い場合と比較して冷凍サイクル21の高圧が上昇するので、冷却水加熱器15における冷却水加熱能力を高めて第2冷却水回路C2の冷却水の温度を早く上昇させることができる。
第1作動モードでは、第2冷却水回路C2において冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるので、冷却水がヒータコア16で放熱しない。そのため、冷却水がヒータコア16を流れる場合と比較して第2冷却水回路C2の冷却水の温度をさらに早く上昇させることができる。
図16に示す第2作動モードは、第2冷却水回路C2の冷却水温度(例えば冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度)が所定温度以下(例えば−15℃以下)の場合に実施される。
第2作動モードでは、第1循環流路51と第2循環流路52とが接続され、第1循環流路51の冷却水がラジエータ13をバイパスして流れ、第2循環流路52の冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるように、第1三方弁55、第2三方弁56、ラジエータバイパス三方弁58およびヒータコアバイパス三方弁60が作動する。
これにより、第1ポンプ11、第2ポンプ12、冷却水冷却器14および冷却水加熱器15によって第2冷却水回路C2(高温冷却水回路)が構成される。
第2冷却水回路C2では、図16の太実線矢印に示すように、第1ポンプ11から吐出された冷却水は第2ポンプ12に吸入されて吐出され、冷却水加熱器15および冷却水冷却器14を流れて第1ポンプ11に吸入される。
これにより、上記第1実施形態の第2作動モードと同様に、冷却水加熱器15で加熱された冷却水から吸熱するので、ラジエータ13で外気から吸熱する場合と比較して冷凍サイクル21の低圧を高くすることができる。そのため、圧縮機22が吸入する冷媒の密度を上げることができるので、圧縮機22が大きな仕事をすることができる。
第2作動モードでは、冷却水がラジエータ13をバイパスして流れ、冷却水がヒータコア16をバイパスして流れる。換言すれば、冷却水がラジエータ13をバイパスして流れるようにする第1バイパス手段と、冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるようにする第2バイパス手段とを備えている。
第1バイパス手段は、ラジエータバイパス流路57およびラジエータバイパス三方弁58によって構成されている。第2バイパス手段は、ヒータコアバイパス流路59およびヒータコアバイパス三方弁60によって構成されている。
第2作動モードでは、第2冷却水回路C2において冷却水がラジエータ13をバイパスして流れるので、冷却水がラジエータ13で放熱しない。そのため、冷却水がラジエータ13を流れる場合と比較して第2冷却水回路C2の冷却水の温度をさらに早く上昇させることができる。
第2作動モードでは、第2冷却水回路C2において冷却水がヒータコア16をバイパスして流れるので、冷却水がヒータコア16で放熱しない。そのため、冷却水がヒータコア16を流れる場合と比較して第2冷却水回路C2の冷却水の温度をさらに早く上昇させることができる。
図17に示す第3作動モードは、第2冷却水回路C2の冷却水温度(例えば冷却水加熱器15に流入する冷却水の温度)が所定温度(例えば−15℃)を上回った場合に実施される。
第3作動モードでは、第1循環流路51と第2循環流路52とが接続され、第1循環流路51の冷却水がラジエータ13をバイパスして流れ、第2循環流路52の冷却水がヒータコア16を流れるように、第1三方弁55、第2三方弁56、ラジエータバイパス三方弁58およびヒータコアバイパス三方弁60が作動する。
これにより、第1ポンプ11、第2ポンプ12、冷却水冷却器14、冷却水加熱器15およびヒータコア16によって第2冷却水回路C2(高温冷却水回路)が構成される。
第2冷却水回路C2では、図17の太実線矢印に示すように、第1ポンプ11および第2ポンプ12から吐出された冷却水は冷却水冷却器14、冷却水加熱器15およびヒータコア16を流れて第1ポンプ11および第2ポンプ12に吸入される。
これにより、上記第1実施形態の第3作動モードと同様に、冷却水加熱器15で加熱された冷却水がヒータコア16を流れるので、ヒータコア16を暖機することができる。
なお、第1作動モードから第2作動モードへの切替条件については、上記第1実施形態と同様であるので説明を説明する。
本実施形態によると、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。本実施形態では、第1三方弁55および第2三方弁56は、第1冷却水回路C1と第2冷却水回路C2とが連結されない第1作動モードと、第1冷却水回路C1と第2冷却水回路C2とが連結される第2、第3作動モードとを切り替える連結切替手段を構成している。
(他の実施形態)
上記実施形態を適宜組み合わせ可能である。上記実施形態を例えば以下のように種々変形可能である。
(1)冷却水によって温度調整される温度調整対象機器(冷却対象機器・加熱対象機器)として種々の機器を用いることができる。例えば、乗員が着座するシートに内蔵されて冷却水によってシートを冷却または加熱する熱交換器を温度調整対象機器として用いてもよい。また、温度調整対象機器の個数を適宜変更してもよい。
(2)上記各実施形態では、温度調整対象機器(冷却対象機器・加熱対象機器)を温度調整するための熱媒体(熱媒体)として冷却水を用いているが、油などの各種媒体を熱媒体として用いてもよい。
熱媒体として、ナノ流体を用いてもよい。ナノ流体とは、粒子径がナノメートルオーダーのナノ粒子が混入された流体のことである。ナノ粒子を熱媒体に混入させることで、エチレングリコールを用いた冷却水(いわゆる不凍液)のように凝固点を低下させる作用効果に加えて、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、特定の温度帯での熱伝導率を向上させる作用効果、熱媒体の熱容量を増加させる作用効果、金属配管の防食効果やゴム配管の劣化を防止する作用効果、および極低温での熱媒体の流動性を高める作用効果を得ることができる。
このような作用効果は、ナノ粒子の粒子構成、粒子形状、配合比率、付加物質によって様々に変化する。
これによると、熱伝導率を向上させることができるので、エチレングリコールを用いた冷却水と比較して少ない量の熱媒体であっても同等の冷却効率を得ることが可能になる。
また、熱媒体の熱容量を増加させることができるので、熱媒体自体の蓄冷熱量(顕熱による蓄冷熱)を増加させることができる。
蓄冷熱量を増せることにより、圧縮機22を作動させない状態であっても、ある程度の時間は蓄冷熱を利用した機器の冷却、加熱の温調が実施できるため、車両用熱管理システムの省動力化が可能になる。
ナノ粒子のアスペクト比は50以上であるのが好ましい。十分な熱伝導率を得ることができるからである。なお、アスペクト比は、ナノ粒子の縦×横の比率を表す形状指標である。
ナノ粒子としては、Au、Ag、CuおよびCのいずれかを含むものを用いることができる。具体的には、ナノ粒子の構成原子として、Auナノ粒子、Agナノワイヤー、CNT(カーボンナノチューブ)、グラフェン、グラファイトコアシェル型ナノ粒子(上記原子を囲むようにカーボンナノチューブ等の構造体があるような粒子体)、およびAuナノ粒子含有CNTなどを用いることができる。
(3)上記各実施形態の冷凍サイクル21では、冷媒としてフロン系冷媒を用いているが、冷媒の種類はこれに限定されるものではなく、二酸化炭素等の自然冷媒や炭化水素系冷媒等を用いてもよい。
また、上記各実施形態の冷凍サイクル21は、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成しているが、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超える超臨界冷凍サイクルを構成していてもよい。
(4)上記各実施形態では、車両用冷却システムをハイブリッド自動車に適用した例を示したが、エンジンを備えず走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る電気自動車に本発明を適用してもよい。
11 第1ポンプ
12 第2ポンプ
13 ラジエータ(熱媒体外気熱交換器)
14 冷却水冷却器(低圧側熱交換器)
15 冷却水加熱器(高圧側熱交換器)
16 ヒータコア(加熱対象機器)
18 第1切替弁(連結切替手段)
19 第2切替弁(連結切替手段)
C1 第1冷却水回路(第1熱媒体回路)
C2 第2冷却水回路(第2熱媒体回路)

Claims (14)

  1. 熱媒体が循環する前記第1熱媒体回路(C1)および第2熱媒体回路(C2)と、
    前記第1熱媒体回路(C1)に配置され、前記熱媒体を吸入して吐出する第1ポンプ(11)と、
    前記第2熱媒体回路(C2)に配置され、前記熱媒体を吸入して吐出する第2ポンプ(12)と、
    前記第1熱媒体回路(C1)に配置され、前記熱媒体と外気とを熱交換して前記熱媒体に前記外気の熱を吸熱させる熱媒体外気熱交換器(13)と、
    前記第1熱媒体回路(C1)に配置され、前記熱媒体と冷凍サイクル(21)の低圧側冷媒とを熱交換して前記低圧側冷媒に前記熱媒体の熱を吸熱させる低圧側熱交換器(14)と、
    前記第2熱媒体回路(C2)に配置され、前記熱媒体と冷凍サイクル(21)の高圧側冷媒とを熱交換して前記高圧側冷媒の熱を前記熱媒体に放熱させる高圧側熱交換器(15)と、
    前記第2熱媒体回路(C2)に配置され、前記熱媒体によって加熱される加熱対象機器(16)と、
    前記第1熱媒体回路(C1)と前記第2熱媒体回路(C2)とが連結されない非連結モードと、前記高圧側熱交換器(15)から流出した熱媒体が前記低圧側熱交換器(14)を流れるように前記第1熱媒体回路(C1)と前記第2熱媒体回路(C2)とが連結される連結モードとを切り替える連結切替手段(18、19とを備え、
    前記連結切替手段(18、19は、前記連結モードでは、前記低圧側熱交換器(14)から流出した前記熱媒体と前記高圧側熱交換器(15)から流出した前記熱媒体とが合流して前記低圧側熱交換器(14)および前記高圧側熱交換器(15)に並列に流入するように前記第1熱媒体回路(C1)と前記第2熱媒体回路(C2)とを連結することを特徴とする車両用熱管理システム。
  2. 前記加熱対象機器(16)を加熱する必要がある場合、前記非連結モードを実施した後に前記連結モードを実施するように前記連結切替手段(18、19の作動を制御する切替制御手段(40a)を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用熱管理システム。
  3. 前記切替制御手段(40a)は、前記非連結モードから前記連結モードへの切り替えを、前記第2熱媒体回路(C2)における前記熱媒体の温度に関連する物理量(ρ2)に基づいて行うことを特徴とする請求項2に記載の車両用熱管理システム。
  4. 前記切替制御手段(40a)は、前記非連結モードから前記連結モードへの切り替えを、前記物理量(ρ2)と閾値(A1×ρ1)との比較結果に基づいて行うことを特徴とする請求項3に記載の車両用熱管理システム。
  5. 前記切替制御手段(40a)は、前記閾値(A1×ρ1)を外気温度に基づいて決定することを特徴とする請求項4に記載の車両用熱管理システム。
  6. 前記冷凍サイクル(21)の圧縮機(22)が吸入する前記冷媒の密度を吸入冷媒密度としたとき、
    前記切替制御手段(40a)は、
    前記物理量(ρ2)として、前記低圧側熱交換器(14)に前記第2熱媒体回路(C2)の前記熱媒体が流入した場合の前記吸入冷媒密度を用い、
    前記閾値(A1×ρ1)として、前記外気温度に基づく前記冷凍サイクル(21)の成績係数(A1)と、前記低圧側熱交換器(14)に前記第1熱媒体回路(C1)の前記熱媒体が流入した場合の前記吸入冷媒密度(ρ1)との積を用いることを特徴とする請求項5に記載の車両用熱管理システム。
  7. 前記高圧側熱交換器(15)を流れる前記熱媒体の時間平均流量が前記低圧側熱交換器(14)を流れる前記熱媒体の時間平均流量よりも少なくなるように前記第1ポンプ(11)および前記第2ポンプ(12)の作動を制御するポンプ制御手段(40b)を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
  8. 前記連結モード時に前記熱媒体が前記熱媒体外気熱交換器(13)をバイパスして流れるようにする第1バイパス手段(18、19を備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
  9. 前記第2熱媒体回路(C2)の前記熱媒体が前記加熱対象機器(16)をバイパスして流れるようにする第2バイパス手段(18、19を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
  10. 前記連結切替手段は、
    前記第1ポンプ(11)の熱媒体吐出側、前記第2ポンプ(12)の熱媒体吐出側、および前記低圧側熱交換器(14)の熱媒体入口側が互いに並列に接続された第1切替弁(18)と、
    前記第1ポンプ(11)の熱媒体吸入側、前記第2ポンプ(12)の熱媒体吸入側、および前記低圧側熱交換器(14)の熱媒体出口側が互いに並列に接続された第2切替弁(19)とを有し、
    前記第1切替弁(18)および前記第2切替弁(19)は、前記非連結モードでは前記低圧側熱交換器(14)を前記第1ポンプ(11)と接続し、前記連結モードでは前記低圧側熱交換器(14)を前記第2ポンプ(12)と接続することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
  11. 前記連結モード時に前記熱媒体が前記熱媒体外気熱交換器(13)をバイパスして流れるようにする第1バイパス手段(18、19)を備え、
    前記熱媒体外気熱交換器(13)が前記第1切替弁(18)と前記第2切替弁(19)との間において前記第1ポンプ(11)と直列に配置され、かつ前記第1切替弁(18)および前記第2切替弁(19)のうち少なくとも一方が前記第1ポンプ(11)および前記熱媒体外気熱交換器(13)への前記熱媒体の流れを遮断可能になっていることによって、前記第1バイパス手段が構成されていることを特徴とする請求項10に記載の車両用熱管理システム。
  12. 前記連結切替手段は、
    前記第1ポンプ(11)の熱媒体吐出側、前記第2ポンプ(12)の熱媒体吐出側、第1流路(33)の一端側、および第2流路(37)の一端側が互いに並列に接続された第1切替弁(18)と、
    前記第1ポンプ(11)の熱媒体吸入側、前記第2ポンプ(12)の熱媒体吸入側、前記第1流路(33)の他端側、および前記第2流路(37)の他端側が互いに並列に接続された第2切替弁(19)とを有し、
    前記第1切替弁(18)および前記第2切替弁(19)は、前記非連結モードでは前記第1流路(33)を前記第1ポンプ(11)と接続し、かつ前記第2流路(37)を前記第2ポンプ(12)と接続し、前記連結モードでは前記第2流路(37)を前記第1ポンプ(11)および前記第2ポンプ(12)と接続することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
  13. 前記連結モード時に前記熱媒体が前記熱媒体外気熱交換器(13)をバイパスして流れるようにする第1バイパス手段を備え、
    前記熱媒体外気熱交換器(13)が前記第1流路(33)に配置されていることによって、前記第1バイパス手段が構成されていることを特徴とする請求項12に記載の車両用熱管理システム。
  14. 前記第2熱媒体回路(C2)の前記熱媒体が前記加熱対象機器(16)をバイパスして流れるようにする第2バイパス手段(18、19)を備え、
    前記第1切替弁(18)に前記加熱対象機器(16)の熱媒体入口側が接続され、前記第2切替弁(19)に前記加熱対象機器(16)の熱媒体出口側が接続され、かつ前記第1切替弁(18)および前記第2切替弁(19)のうち少なくとも一方が前記加熱対象機器(16)への前記熱媒体の流れを遮断可能になっていることによって、前記第2バイパス手段が構成されていることを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
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