JP6082838B1 - バルブユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】機械式の調圧弁と吐出弁とを備えて高粘性流体を調圧して吐出する装置において、吐出圧のばらつきを抑制して塗布状態等の仕上がり品質のばらつきを抑制する。【解決手段】バルブユニット1によれば、ボディ5は、流体の受入口2および吐出口3を有するとともに、受入口2から吐出口3に流体を導く流路9を形成する。また、吐出弁6は、流路9の一部である主弁室26に収容され、吐出口3からの流体の流出を開始したり、停止したりする。また、調圧弁7は、吐出弁6の上流側に形成される調圧室21に収容され、機械的に駆動されて流体の圧力を調圧する。これにより、機械式に駆動される調圧弁7と吐出弁6とを近傍に配置して、吐出弁6と調圧弁7とを接続する接続路41の長さを最小限に抑制することができる。このため、上記の装置において、吐出圧のばらつきを抑制して塗布状態等の仕上がり品質のばらつきを抑制することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、粘度が10000cp以上の高粘性流体の流れを開始したり、停止したりするバルブユニットに関するものである。
従来から、例えば、金属製のパーツの継ぎ目等にシール材、コーキング材または接着剤等の高粘性流体を塗布する工程では、塗布後の仕上がりの品質のばらつきを抑制するため、高粘性流体を所定の圧力に調圧してノズルから吐出する必要がある。
また、高粘性流体の吐出時の圧力(以下、吐出圧と呼ぶことがある。)を、目標値に制御する場合、例えば、電磁ソレノイドや電動モータの出力を利用して吐出口の開度を増減することで、吐出圧を調圧する方式が考えられる。この場合、電磁ソレノイドや電動モータへの通電量をECUにより電子制御することで、吐出圧の自動制御が可能になり、さらに、吐出圧を高精度に目標値に一致させることができるようになる。
ところで、吐出圧を電子制御により高精度に制御しようとすると、電磁ソレノイド等の電気式のアクチュエータが必要になり、さらに、吐出圧制御用のロジックを電子制御ユニット(ECU)に追加する必要があり、高コストになる。このため、仕上がり品質にさほどの高精度を必要としない用途では、機械式の調圧弁により調圧し、調圧弁の下流側に、ノズルからの吐出を断続する吐出弁を配置する構造が採用されている。
つまり、仕上がり品質にさほどの高精度を必要としない用途では、塗布装置に、調圧の機能を担う機械式の調圧弁と、吐出の開始および停止の機能を担う吐出弁とを具備させている。そして、高粘性流体の圧力による付勢力とスプリングの付勢力とにより機械的に調圧弁を駆動して高粘性流体の圧力を調圧し、吐出弁の開閉操作は、例えば、エアシリンダを用いた空気圧の加圧減圧により行っている。
しかし、吐出弁と調圧弁とを用いる場合、吐出弁と調圧弁とを接続する流路(以下、接続路と呼ぶことがある。)が必要になる。このため、高粘性流体の圧力は調圧弁で調圧しても、接続路を流れる間に変動する可能性があり、吐出圧のばらつきが大きくなって仕上がり品質がばらつく可能性がある。
なお、特許文献1には、サーボモータを駆動してプランジャを押し下げることでシール材を吐出する構成が開示されている。しかし、この構成によれば、吐出圧を調圧することは困難であると考えられる。
特開2015−047556号公報
本発明は、この問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、機械式の調圧弁と吐出弁とを備えて高粘性流体を調圧して吐出する装置において、吐出圧のばらつきを抑制して塗布状態等の仕上がり品質のばらつきを抑制することにある。
本願の第1発明のバルブユニットは、粘度が10000ct以上の高粘性流体の流れを開始したり、停止したりするものである。また、バルブユニットは、次の金属製のボディ、吐出弁および調圧弁を備える。
まず、金属製のボディは、高粘性流体の受入口および吐出口を有するとともに、受入口から吐出口に高粘性流体を導く流路を形成する。また、吐出弁は、流路に収容され、1つの軸方向に移動することで吐出口からの高粘性流体の流出を開始したり、停止したりする。また、調圧弁は、高粘性流体の流れに関し吐出弁の上流側で流路に収容され、高粘性流体から受ける圧力による付勢力および所定のスプリングの付勢力とのバランスにより軸方向に移動することで、吐出口に向かう高粘性流体の圧力を調圧する。
これにより、機械式に駆動される調圧弁と吐出弁とを近傍に配置して、接続路の長さを最小限に抑制することができる。このため、機械式の調圧弁と吐出弁とを備えて高粘性流体を調圧して吐出する装置において、吐出圧のばらつきを抑制して塗布状態等の仕上がり品質のばらつきを抑制することができる。
本願の第1発明に従属する第2発明によれば、吐出弁の移動の軸と調圧弁の移動の軸とは互いに平行であり、調圧弁の移動の軸は、吐出弁の移動の軸よりもバルブユニットの長手方向の軸に近い。
これにより、調圧弁による調圧の精度を確保しつつ、バルブユニットを一体物として設けることができる。
ここで、吐出弁は、吐出の開始および停止の機能を担うものであり、吐出弁の動作には、さほどの高精度が要求されない。これに対し、調圧弁は、調圧の機能を担うものであり、その動作は、吐出弁の動作よりも高い精度が要求される。そこで、調圧弁の移動の軸を、吐出弁の移動の軸よりもバルブユニットの長手方向の軸に近付ける。これにより、調圧弁による調圧の精度を確保しつつ、バルブユニットを一体物として設けることができる。
本願の第1、第2発明に従属する第3発明によれば、調圧弁は、スナッフバック方式である。
これにより、調圧弁による流路の閉鎖時に、高粘性流体の押し出しによる吐出圧の変動を抑制することができる。このため、吐出圧のばらつきをさらに抑制することができる。
本願の第1〜第3発明に従属する第4発明によれば、バルブユニットは、次のような複数のロッドを備える。すなわち、複数のロッドは、調圧弁の移動の軸と平行に配置され、スプリングの座をなす第1部品と、調圧弁が設けられた第2部品とを連結する。また、調圧弁、第1部品、第2部品および複数のロッドは一体物として移動する。そして、複数のロッドは、調圧弁の移動の軸を中心軸として回転対称をなすように組み付けられている。
これにより、調圧弁の移動を安定させることができるので、調圧弁による調圧の精度を高めて吐出圧のばらつきをさらに抑制することができる。
本願の第1〜第4発明に従属する第5発明によれば、バルブユニットは、次のような、別ロッド、および、ガイド部品を備える。ここで、別ロッドは、吐出弁と同軸に配置されて所定の駆動源により駆動され、自身の移動に吐出弁を連動させる。また、ガイド部品は、別ロッドの移動をガイドするものである。
これにより、吐出弁の移動を安定させることができる。また、この効果は、吐出弁の移動の軸を、調圧弁の移動の軸よりもバルブユニットの長手方向の軸から遠ざけた場合に、顕著に得ることができる。
本願の第1〜第5発明に従属する第6発明によれば、バルブユニットは、少なくとも異なる3軸の方向に駆動可能なロボットに装着され、ロボットの動作が制御されて3次元的に変位する。
高粘性流体の吐出位置を3次元的に変化させる場合、高粘性流体を導くための配管をフレキシブルにする必要があるので、吐出弁と調圧弁とが離れるほど、吐出圧のばらつきが大きくなる可能性がある。このため、バルブユニットをロボットに装着して3次元的に変位させる場合、本願の第1発明の効果を顕著に得ることができる。
バルブユニットの正面図である。 バルブユニットの平面図である。 図2のIII−III断面図である。 図3のIV−IV断面図である。 図2のV−V断面図である。 図5のVI−VI断面図である。
以下、発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明する。なお、実施例は具体例を開示するものであり、本願発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。
〔実施例の構成〕
実施例のバルブユニット1を、図1〜図6を用いて説明する。
バルブユニット1は、粘度が10000cp以上の高粘性流体(以下、単に流体と呼ぶことがある。)の流れを開始したり、停止したりするものであり、例えば、金属製のパーツの継ぎ目等にシール材、コーキング材または接着剤等を塗布する塗布装置に用いられる。また、バルブユニット1は、流体の受入口2および吐出口3を有し、受入口2には、例えば、流体を供給する配管(図示せず。)が接続されるとともに、吐出口3には、例えば、流体を吐出するノズル(図示せず。)が接続される。
さらに、バルブユニット1は、例えば、少なくとも異なる3軸の方向に駆動可能なロボット(図示せず。)に装着され、ロボットの動作が制御されて3次元的に変位することができる。これにより、バルブユニット1は、3次元的に移動しながら、塗布対象物に流体を塗布することができる。
以下、バルブユニット1の構成を詳細に説明する。
バルブユニット1は、次の金属製のボディ5、吐出弁6および調圧弁7を備える。
まず、金属製のボディ5は、受入口2および吐出口3を有するとともに、受入口2から吐出口3に流体を導く流路9を形成する。ここで、ボディ5は、主に、次のボディ本体11、ハウジング12A、12Bおよびハウジングキャップ13A、13B、および、ノズルアダプタ14の6つのパーツからなる。
まず、ボディ本体11は、バルブユニット1の長手方向の略中央に位置して中間室16を形成し、中間室16に、スプリング17の一方の座をなすロッドガイド18が収容されている。なお、スプリング17は、2本のロッド19a、19bを介して調圧弁7を開側に付勢するものである。
ハウジング12Aは、受入口2を有し、ボディ本体11の長手方向の一方側に組み付けられて調圧弁7を収容する。
ハウジングキャップ13Aは、調圧弁7を収容する調圧室21を覆うようにハウジング12Aの長手方向の一方側に組み付けられる。なお、調圧室21は流路9の一部をなす。また。ハウジングキャップ13Aは、吐出弁6を収容する。
ハウジング12Bは、ボディ本体11の長手方向の他方側に組み付けられてピストン22を収容する。なお、ピストン22はエアシリンダ23を構成するものであり、エアシリンダ23は、吐出弁6を駆動するアクチュエータとして利用される。
ハウジングキャップ13Bは、ハウジング12Bの長手方向の他方側に組み付けられ、ピストン22が移動する筒状の空間24を覆ってエアシリンダ23を構成する。
ノズルアダプタ14は、吐出口3を有し、吐出弁6を収容する主弁室26を覆うようにハウジングキャップ13Aの一方側に組み付けられる。なお、主弁室26は、流路9の一部をなし、流路9における流体の流れに関し調圧室21の下流側に形成される。
なお、ボディ本体11、ハウジング12A、12B、ハウジングキャップ13A、13B、および、ノズルアダプタ14の長手方向に垂直な断面は、以下のような態様となっている。
すなわち、ボディ本体11、ハウジング12A、12Bおよびハウジングキャップ13A、13Bの断面は略同一寸法の矩形であり、ノズルアダプタ14の断面は円形であり、他の5つのパーツの矩形の断面よりも大幅に小さい。
つまり、ボディ本体11、ハウジング12A、12Bおよびハウジングキャップ13A、13Bの一体物は矩形の断面を有する略角柱体であり、ノズルアダプタ14は略円柱体である。また、ボディ本体11、ハウジング12A、12Bおよびハウジングキャップ13A、13Bの軸とノズルアダプタ14の軸とは互いに平行であって離間しており、両方ともバルブユニット1の長手方向に平行である。
なお、ボディ本体11、ハウジング12A、12B、ハウジングキャップ13A、13B、および、ノズルアダプタ14、ならびに、ボディ5を形成するその他の部品には、液密性、気密性を保つために、適宜、Oリングが装着されている。
吐出弁6は、主弁室26に収容され、長手方向に移動することで吐出口3からの流体の流出を開始したり、停止したりする。つまり、吐出弁6は、吐出の開始および停止の機能を担うものである。なお、主弁室26は、ハウジングキャップ13Aとノズルアダプタ14とにより形成されている。
また、吐出弁6は、引き上げにより弁開口6Aを閉じるスナッフバック方式である。ここで、吐出弁6の弁座6Bは、ハウジングキャップ13Aとノズルアダプタ14とにより長手方向に挟まれて保持されるシート部品28Aの長手方向一端に存在する。そして、弁開口6Aは、弁座6Bの内周に相当する。また、吐出弁6の内、弁座6Bに着座する着座面6Cは、長手方向の他方側を向く円錐のテーパ面として設けられている。
そして、吐出弁6は、着座面6Cが弁座6Bに対して長手方向一方側から着座することができるように、主弁室26に収容されている。つまり、吐出弁6は、長手方向他方側への引き上げにより、着座面6Cが弁座6Bに着座することができるように設けられて組み入れられている。
なお、ノズルアダプタ14において、主弁室26の下流側の流路9にはオリフィス29が存在する。
また、吐出弁6は、エアシリンダ23により駆動されるものであり、延長ロッド31の長手方向の一端側に接続されたニードル32の一端に存在する(つまり、ニードル32の一端部が吐出弁6として機能する。)。ここで、延長ロッド31とは、長手方向と平行にボディ5に組み付けられてピストン22に締結される部品であり、ピストン22の移動の軸と吐出弁6の移動の軸とを合わせる機能を有する。
これにより、ニードル32、延長ロッド31およびピストン22は、長手方向に一体物として移動することができ、吐出弁6は、ピストン22に連動して長手方向に移動する。なお、延長ロッド31は、ハウジング12A、中間室16、および、ハウジング12Bを長手方向に貫通するように、ボディ5に組み付けられており、ハウジング12Aに締結されたパッキンナット33によって長手方向への移動をガイドされている。
また、ピストン22は、吐出弁6を駆動するアクチュエータとしてのエアシリンダ23を構成する。
すなわち、ピストン22は、空間24を長手方向に関して一方側と他方側とに気密的に区画するように収容され、ピストン22の長手方向の一方側、他方側空間24a、24bには個別に圧力空気の供給および抜出ができるようになっている。
このため、一方側空間24aに圧力空気が供給され、かつ、他方側空間24bから圧力空気が抜き出されると、ピストン22は長手方向の他方側へ移動し、吐出弁6は閉弁側に駆動される。また、他方側空間24bに圧力空気が供給され、かつ、一方側空間24aから圧力空気が抜き出されると、ピストン22は長手方向の一方側へ移動し、吐出弁6は開弁側に駆動される。
なお、ピストン22とハウジング12Bとの間には、ピストン22を長手方向の他方側に(他方側空間24bを縮小する方向に)付勢するスプリング34が装着されている。
調圧弁7は、調圧室21に収容されて、吐出口3に向かう流体の圧力を調圧するものであり、吐出圧の調圧の機能を担う。なお、調圧室21は、ハウジング12Aとハウジングキャップ13Aとにより形成されている。
また、調圧弁7の移動の軸と吐出弁6の移動の軸とは互いに平行であり、調圧弁7の移動の軸は、バルブユニット1の長手方向の軸(つまり、ボディ本体11、ハウジング12A、12Bおよびハウジングキャップ13A、13Bの一体物の軸)と同軸であり、吐出弁6の移動の軸は、バルブユニット1の長手方向の軸から偏心している。
また、調圧弁7は、引き上げにより弁開口7Aを閉じるスナッフバック方式である。ここで、調圧弁7の弁座7Bは、ハウジング12Aにパッキンナット36を介して保持されるシート部品28Bに存在し、長手方向の一方側を向くテーパ面として設けられている。そして、弁開口7Aは弁座7Bの内周に相当する。また、調圧弁7の内、弁座7Bに着座する着座面7Cは、長手方向の他方側を向く球面として設けられている。
そして、調圧弁7は、着座面7Cが弁座7Bに対して長手方向の一方側から着座することができるように、調圧室21に収容されている。つまり、調圧弁7は、長手方向の他方側への引き上げにより、着座面7Cが弁座7Bに着座することができるように設けられて組み入れられている。
また、調圧弁7は、調圧室21の流体の圧力とスプリング17とにより機械的に駆動されるものであり、ロッドバー37の長手方向他端に設けられている。ロッドバー37とは、調圧弁7とともに調圧室21に収容される部品であり、2本のロッド19a、19bと、スプリング17の座をなすロッドガイド18とともに、一体物として長手方向に移動するものである。以下、ロッドバー37、ロッド19a、19bおよびロッドガイド18を、順次、説明する。
ロッドバー37は、ロッド19a、19bの長手方向一端に接続して調圧室21に収容され、調圧室21において流体の圧力を受ける。このとき、ロッドバー37の長手方向他端側の受圧面積は、長手方向一端側の受圧面積よりもロッド19a、19bの断面積の分だけ小さくなる。このため、ロッドバー37および調圧弁7には、調圧室21の流体の圧力とロッド19a、19bの断面積との積に相当する付勢力が長手方向の他方側に向かって作用する。
ロッド19a、19bは、調圧弁7の移動の軸と平行に配置され、ハウジング12Aに締結されたパッキンナット38にガイドされてロッドバー37とロッドガイド18とを連結する。また、ロッド19a、19bは、調圧弁7の移動の軸を中心軸として回転対称をなすように組み付けられている。つまり、ロッド19a、19bは、調圧弁7の移動の軸を中心軸として180°回転すると互いに重なるように組み付けられている。
ロッドガイド18は、ロッド19a、19bの長手方向他端に接続して中間室16に収容され、スプリング17の一端側の座をなす部品である。また、スプリング17の他端側の座はワッシャ39であり、スプリング17は、ワッシャ39を介して調整ねじ40によって付勢力を調整されている。そして、スプリング17の付勢力は、ロッドガイド18およびロッド19a、19bを介して、ロッドバー37および調圧弁7に対し、長手方向の一方側に向かって作用する。
以上により、調圧弁7は、調圧室21においてロッドバー37が流体から受ける他方側向きの付勢力、および、スプリング17による一方側向きの付勢力とのバランスにより長手方向に移動することで、吐出口3に向かう流体の圧力を調圧する。
例えば、吐出弁6の開弁により調圧室21から流体が流出して調圧室21の圧力が低下すると、ロッドバー37に作用する他方側向きの付勢力が低下するので、調圧弁7が弁座7Bから離座して弁開口7Aが開かれ、調圧室21に流体が流入する。これにより、調圧室21の圧力が上昇し、ロッドバー37に作用する他方側向きの付勢力が上昇するので、調圧弁7が弁座7Bに着座して弁開口7Aが閉じられて、調圧室21に流体が流入しなくなる。
このように、調圧室21では、機械的に圧力が略一定に保たれる。
〔実施例の効果〕
実施例のバルブユニット1は、次の金属製のボディ5、吐出弁6および調圧弁7を備える。まず、ボディ5は、流体の受入口2および吐出口3を有するとともに、受入口2から吐出口3に流体を導く流路9を形成する。また、吐出弁6は、流路9の一部である主弁室26に収容され、長手方向に移動することで吐出口3からの流体の流出を開始したり、停止したりする。また、調圧弁7は、流体の流れに関し吐出弁6の上流側に形成される調圧室21に収容され、流体から受ける圧力による付勢力およびスプリング17の付勢力とのバランスにより長手方向に移動することで、吐出口3に向かう流体の圧力を調圧する。
これにより、機械式に駆動される調圧弁7と吐出弁6とを近傍に配置して、吐出弁6と調圧弁7とを接続する接続路41の長さ(流路9の内、調圧室21と主弁室26とを接続する部分の長さ)を最小限に抑制ことができる。このため、機械式の調圧弁7と吐出弁6とを備えて流体を調圧して吐出する塗布装置等において、吐出圧のばらつきを抑制して塗布状態等の仕上がり品質のばらつきを抑制することができる。
また、吐出弁6の移動の軸と調圧弁7の移動の軸とは互いに平行であり、調圧弁7の移動の軸は、バルブユニット1の長手方向の軸と同軸であり、吐出弁6の移動の軸は、バルブユニット1の長手方向の軸から偏心している。
これにより、調圧弁7による調圧の精度を確保しつつ、バルブユニット1を一体物として設けることができる。
ここで、吐出弁6は、吐出の開始および停止の機能を担うものであり、吐出弁6の動作には、さほどの高精度が要求されない。これに対し、調圧弁7は、調圧の機能を担うものであり、その動作は、吐出弁6の動作よりも高い精度が要求される。そこで、調圧弁7の移動の軸をバルブユニット1の長手方向の軸と同軸にし、吐出弁6の移動の軸を、バルブユニット1の長手方向の軸から偏心させる。これにより、調圧弁7による調圧の精度を確保しつつ、バルブユニット1を一体物として設けることができる。
また、調圧弁7は、スナッフバック方式である。
これにより、調圧弁7による流路9の閉鎖時に、流体の押し出しによる吐出圧の変動を抑制することができる。このため、吐出圧のばらつきをさらに抑制することができる。
また、ロッド19a、19bは、長手方向と平行に配置され、調圧弁7の移動の軸を中心軸として回転対称をなすように組み付けられている。
これにより、調圧弁7の移動を安定させることができるので、調圧弁7による調圧の精度を高めて吐出圧のばらつきをさらに抑制することができる。
また、バルブユニット1は、次のような、延長ロッド31を備える。すなわち、延長ロッド31は、吐出弁6と同軸に配置され、ピストン22に締結されてエアシリンダ23により長手方向に駆動され、自身の移動に吐出弁6を連動させる。また、延長ロッド31は、パッキンナット33により長手方向への移動をガイドされる。
これにより、吐出弁6の移動を安定させることができる。特に、実施例のバルブユニット1では、吐出弁6の移動の軸を、バルブユニットの軸から偏心させているので、延長ロッド31をパッキンナット33によりガイドする効果は顕著である。
さらに、バルブユニット1は、少なくとも異なる3軸の方向に駆動可能なロボットに装着され、ロボットの動作が制御されて3次元的に変位する。
流体の吐出位置を3次元的に変化させる場合、流体を導くための配管をフレキシブルにする必要があるので、吐出弁6と調圧弁7とが離れるほど、吐出圧のばらつきが大きくなる可能性がある。このため、バルブユニット1をロボットに装着して3次元的に変位させる場合、吐出弁6と調圧弁7とを近傍に配置して吐出圧のばらつきを抑制する効果を顕著に得ることができる。
〔変形例〕
本願発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形例を考えることができる。
例えば、実施例のバルブユニット1によれば、調圧弁7の移動の軸をバルブユニット1の長手方向の軸と同軸にし、吐出弁6の移動の軸を、バルブユニット1の長手方向の軸から偏心させていたが、調圧弁7の移動の軸を、吐出弁6の移動の軸よりもバルブユニットの長手方向の軸の近くに配置すればよく、調圧弁7の移動の軸を、必ずしもバルブユニット1の長手方向の軸と同軸にする必要はない。
また、実施例のバルユニット1によれば、調圧弁7はスナッフバック方式であったが、調圧弁7による流路9の閉鎖時に調圧弁7を押し下げる方式を採用してもよい。
また、実施例のバルユニット1によれば、2本のロッド19a、19bによりロッドガイド18とロッドバー37とが連結されていたが、調圧弁7の移動の軸を中心軸として回転対称をなすように組み付けるのであれば、ロッドの本数は2本に限定する必要はない。
また、実施例のバルユニット1によれば、延長ロッド31は、パッキンナット33により長手方向への移動をガイドされていたが、必要に応じて、パッキンナット33を装着せずに延長ロッド31のガイドを省いてもよい。
1 バルブユニット
2 受入口
3 吐出口
5 ボディ
6 吐出弁
7 調圧弁
9 流路
17 スプリング

Claims (6)

  1. 粘度が10000cp以上の高粘性流体の流れを開始したり、停止したりするバルブユニット(1)において、
    前記高粘性流体の受入口(2)および吐出口(3)を有するとともに、前記受入口から前記吐出口に前記高粘性流体を導く流路(9)を形成する金属製のボディ(5)と、
    前記流路に収容され、1つの軸方向に移動することで前記吐出口からの前記高粘性流体の流出を開始したり、停止したりする吐出弁(6)と、
    前記高粘性流体の流れに関し前記吐出弁の上流側で前記流路に収容され、前記高粘性流体から受ける圧力による付勢力および所定のスプリング(17)の付勢力とのバランスにより前記軸方向に移動することで、前記吐出口に向かう前記高粘性流体の圧力を調圧する調圧弁(7)とを備えるバルブユニット。
  2. 請求項1に記載のバルブユニットにおいて、
    前記吐出弁の移動の軸と前記調圧弁の移動の軸とは互いに平行であり、
    前記調圧弁の移動の軸は、前記吐出弁の移動の軸よりも前記バルブユニットの長手方向の軸に近いことを特徴とするバルブユニット。
  3. 請求項1または請求項2に記載のバルブユニットにおいて、
    前記調圧弁は、スナッフバック方式であることを特徴とするバルブユニット。
  4. 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載のバルブユニットにおいて、
    前記調圧弁の移動の軸と平行に配置され、前記スプリングの座をなす第1部品(18)と、前記調圧弁が設けられた第2部品(37)とを連結する複数のロッド(19a、19b)を備え、
    前記調圧弁、前記第1部品、前記第2部品および前記複数のロッドは、一体物として移動し、
    前記複数のロッドは、前記調圧弁の移動の軸を中心軸として回転対称をなすように組み付けられていることを特徴とするバルブユニット。
  5. 請求項1ないし請求項4の内のいずれか1つに記載のバルブユニットにおいて、
    前記吐出弁と同軸に配置されて所定の駆動源により駆動され、自身の移動に前記吐出弁を連動させる別ロッド(31)と、
    この別ロッドの移動をガイドするガイド部品(33)とを備えることを特徴とするバルブユニット。
  6. 請求項1ないし請求項5の内のいずれか1つに記載のバルブユニットにおいて、
    このバルブユニットは、少なくとも異なる3軸の方向に駆動可能なロボットに装着され、ロボットの動作が制御されて3次元的に変位することを特徴とするバルブユニット。
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