JP6082836B1 - 独立構造体 - Google Patents

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【課題】水密性能が高く、また外観が良好な独立構造体の提供。【解決手段】簡易建物2と、独立フレーム4と、カバー材5とを備えた独立構造体1とする。独立フレーム4は建物外壁3と簡易建物2との間に建物外壁3に沿い、建物外壁3から間隔を取って立設される。簡易建物2は、独立フレーム4の建物外壁3と反対側の面に取り付けられる。そして、カバー材5は、簡易建物2の独立フレーム4側に取り付けられると共に、独立フレーム4を覆いその後端を建物外壁に圧接させる。【選択図】図3

Description

建物外壁から独立させて構築するサンルームなどの簡易建物を備えた構造体(独立構造体)に関する。
特許文献1の「増築構造物支持構造」(独立構造体に相当)では、建物外壁から5〜15mm離れた位置にコ字形をした鳥居部材を自立させ、鳥居部材の建物に対面する面と反対側の面に増築構造物を支持させている。
この構造は、鳥居部材を建物外壁の代わりにすることで建物外壁を穿孔することなく、テラスやガーデンルーム、サンルームなど(簡易建物に相当)を頑丈に取り付けることができる。
特許第5603920号公報
しかしながら、従来の独立構造体では、コ字状枠体と建物外壁との間に隙間があるため、この隙間から漏水するおそれがあった。
この発明は、コ字状枠体と建物外壁との隙間から漏水することがなく、水密性能が高い独立構造体の提供を課題とする。
簡易建物と、独立フレームと、カバー材とを備えた独立構造体とする。
独立フレームは建物外壁と簡易建物との間に建物外壁に沿い、建物外壁から間隔を取って立設される。
簡易建物は、独立フレームの建物外壁と反対側の面に取り付けられる。
そして、カバー材は、一端が簡易建物の独立フレーム側に取り付けられると共に、他端が建物外壁に圧接されており、独立フレームを覆った状態とする。
簡易建物は独立フレームに取り付けられるので、建物外壁にねじ孔などの損傷が生じない。
カバー材は独立フレームを覆って、簡易建物の独立フレーム側と建物外壁間に取り付けられるので、独立フレームと建物外壁間から漏水したり、独立フレームが外部に露出して独立構造体の外観を損ねてしまったりすることがない。
独立構造体の斜視図(実施例1)。 分解して示す独立構造体の斜視図。 図1のA−A線に沿った断面による側面図。 図1のB−B線に沿った断面による平面図。 独立構造体の斜視図(実施例2)。
図1、2は実施例1の独立構造体1であってサンルームを構成している。
独立構造体1は、簡易建物2と、簡易建物2と建物外壁3との間に立設した独立フレーム4およびカバー材5とを備える。
簡易建物2はこの実施例においてサンルームであり、建物外壁3に沿って設けられている。簡易建物2は2本の躯体方立6a,6b、2本の柱7a,7bと垂木掛け8と桁9、腕木10a,10b、および妻桁11a,11b、前桁11cおよび根太掛け11dを備え、前面12、両側面13a,13bにサッシを取り付け、上面を前後左右の垂木16を組んだ屋根14としている。これらのサッシや屋根14にガラス板やアクリル板を装着して外界と区画された室内を構成している。妻桁11a,11b、前桁11cおよび根太掛け11dには簡易建物2側の床(図示していない)が取り付けられ、建物外壁3との間が気密に構成される。
簡易建物2の後面は開放されていて建物外壁3と対向し、また、建物外壁3の開口15に通じている。すなわち、開口15は簡易建物2の室内と建物の室内とを通じている。
独立フレーム4は、この実施例において、中空の形材をコ字状枠体に組んだものであり、左右の縦材17a,17bとこれらの頂部をボルト18で結合した横材19とからなる(図3)。断面形態は種々考えられるが、少なくとも、簡易建物2における左右の躯体方立6a,6bと垂木掛け8の後面に接する部分と建物外壁3の前面に対向する部分とを有する頑丈な構造とする。
独立フレーム4は、左右の躯体方立6a,6bの基部を基礎ブロック20a,20bに固定し、建物外壁3との対向面が建物外壁3と平行に、建物外壁3の前面と50〜80mm程度の間隔を取って位置するように設置される。
カバー材5は左右の縦カバー材21a,21bとこれらの上部に取り付けられる上カバー材21cとで構成され、これらでコ字状枠体である独立フレーム4の外周面をすっぽりと覆う。
左右の縦カバー材21a,21bは、長さ方向において断面が同じであり、断面において(図4)中空の側面部22とその前部の回込み係合部23および側面部22の後部に設けた取付け溝24に取り付けた側部パッキン25とからなる。パッキン25以外は耐候性のある合成樹脂あるいはアルミ合金を素材とした押出し成形材である。また、パッキン25は、この実施例において耐候性の高い合成ゴム製で両端が閉鎖された中空の蛇腹状とされている。
回込み係合部23は、側面部22の前端から独立フレーム4の縦材17a,17bの前面側へ回込み、その先端が簡易建物2の建物外壁側である躯体方立6aの側面に圧接する格好で、側方(左右方向)および前方に関して移動できないように係合される部分である。
回込み係合部23をこの実施例についてさらに具体的に述べると、左側では、図4〔ロ〕に示すように、回込み係合部23が斜面部26と左縦材17aの前面と平行な平行部27とからなり、平行部27の先端部の後面側へ屈曲させて引掛け部28と掛止め部29を設けている。
引掛け部28は左方へコ字形に屈曲された部分であり、躯体方立6aと一体に構成される受け部30に設けた右突片31に係合するものであり、掛止め部29は左方へ屈曲された後、元位置へ戻ることにより左突片32に係合する部分である。
以上、左側の回込み部係合部23について説明したが右側の回込み係合部23においても同様である。
上カバー材21cは、長さ方向において断面が同じであり、断面において(図3)、天板部33、水切り部34、取付け部35および上部パッキン36とからなる。パッキン36以外は耐候性のある合成樹脂あるいはアルミ合金を素材とした押出し成形材である。
天板部33は前方へ向けてゆるく傾斜しており、その前縁に水切り部34がほぼ垂直に連続して形成され、さらに、水切り部34の前縁部が前方へ屈曲されて取付け部35とされている。天板部33の後縁は取付け溝37に形成されてこの溝に上部パッキン36の基部が取り付けられている。パッキン36もまた、この実施例において耐候性の高い合成ゴム製であり両端が閉鎖された中空の蛇腹状とされている。
図3,4において符号38はこの実施例において用いているライナーであり、硬質発泡樹脂のような断熱材で構成されている。
独立構造体1は次のように構築される。
建物外壁3に沿って独立フレーム4を構築する。
簡易建物2を独立フレーム4の建物外壁3と反対側の面に適宜ビスなどによって取り付ける。
左縦カバー材21aを独立フレーム4の左側に配置して平行部27を左縦材17aの左側面に間隔を取って沿わせる(図4〔イ〕)。左縦カバー材21aの一端である回込み係合部23は左縦材17aの前面側へ回り込んだ状態となる。
回込み係合部23先端の引掛け部28を左の躯体方立6aの受け部30における右突片31に係合し、ついで、回込み係合部23を建物外壁3の側へ(後方へ)押し込む。すると、掛止め部29が受け部30の左突片32に係合すると共に側部パッキン25が押し縮められその状態で左縦カバー材21aが独立フレーム4の左側に取り付けられる。
すなわち、左縦カバー材21aは、一端が簡易建物2の独立フレーム4側に取り付けられ、他端が建物外壁3に圧接され、かつ、独立フレーム4を覆って取り付けられる。
右縦カバー材21bについても同様にして独立フレーム4の右側に取り付けられる。
この場合、左右の縦カバー材21a,21bと独立フレーム4の左右縦材17a,17bとの間には間隔aを、回込み部23と左右の縦材17a,17bとの間に間隔bを設ける。カバー材21a,21bが長尺なためにたわむなどしてこの空間を維持しにくいときは実施例のように、左右の縦カバー材21a,21bと左右の縦材17a,17bとの間にライナー33を用いて間隔を維持する。
上カバー材21cは左右の縦カバー材21a,21bの上端部に掛け渡して配置される(図3)。上カバー材21をまず、一端である前縁の取付け部35が垂木掛け8の上方、水切り部34が横材19の前方、天板部33が横材19の上方、他端である上部パッキン36の後端が建物外壁3に軽く当っている状態であって、天板部33と横材19の上面との間に間隔bをとり、水切り部34と横材19との間に間隔cを取って配置する。上カバー材21cが長尺のためにたわむなどして間隔b,cを確保するのが困難な場合は、適宜ライナー38を用いる。
ついで、上カバー材21cを後方へ(建物外壁3側へ)押圧した状態で、前縁の取付け部35を垂木掛け8の上面へねじ39で固定する。上カバー材21cは、後方のパッキン36が圧縮された状態で建物外壁3に圧接して取り付けられる。
すなわち、カバー材5は一端である前縁を、簡易建物2の独立フレーム4側である左右の縦材17a,17bと垂木掛け8に取り付けられると共に、独立フレーム4を覆い、その他端である後縁を建物外壁3に圧接させてある。この際、独立フレーム4とカバー材5との間に間隔a〜cが確保されている。また、左右の縦カバー材21a,21bの上端と上カバー材21cとの突当て箇所とか、カバー材5の後縁と建物外壁3との圧接箇所とかにはシーリングを施すことがある。
この独立構造体1は、カバー材5によって独立フレーム4が覆われるので、独立フレーム4と建物外壁間3から漏水したり、独立フレーム4が外部に露出して独立構造体1の外観を損ねてしまったりすることがない。
また、カバー材5により独立フレーム4が覆われるので、飛来物で独立フレーム4が損傷してしまう恐れがない。
さらに、独立フレーム4が外部に露出せず、かつ、独立フレーム4とカバー材5との間には間隔a〜cが存在するので、これらの間隔による空間の断熱効果があり、冬季や夏季に独立フレーム4を通じた伝熱効果のために簡易建物2内部の温熱環境が良好に維持される。
なお、建物外壁3と簡易建物2とは建物外壁3に設けた開口15の下辺の箇所で簡易建物2の床と建物側の床とが接続される。
独立構造体1における独立フレーム4は、コ字状枠体に限らず、図5に示す実施例2のようにロ字状枠体とすることもある。図5において独立構造体1aの独立フレーム4aは、左右の縦材17a,17bの下部間に下横材19aを備えたロ字状枠体となっている。
他の構造は実施例1と変わらないので、同じ部品、箇所に同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
以上、実施例について説明した。
パッキン25,36の形態は実施例のように中空の蛇腹状に限定されない。
パッキン25,36の外壁3と接する後端は建物外壁3の細かな凹凸に対応して変形し、建物外壁3に密着できるものが好ましい。
左右の縦カバー材21a,21bの回込み係合部23と躯体方立6a,6bとの係合構造は、後方への押込み状態を維持して固定できる構造であればよく、ねじ止め構造も含まれる。
1 独立構造体(実施例1)
1a 独立構造体(実施例2)
2 簡易建物
3 建物外壁
4 独立フレーム
4a 独立フレーム(実施例2)
5 カバー材
6a,6b 躯体方立
7a,7b 柱
8 垂木掛け
9 桁
10a,10b 腕木
11a,11b 妻桁
11c 前桁
11d 根太掛け
12 前面
13a 左側面
13b 右側面
14 屋根
15 開口
16 垂木
17a 左縦材
17b 右縦材
18 ボルト
19 横材
19a 下横材
20a,20b 基礎ブロック
21a 左縦カバー材
21b 右縦カバー材
21c 上カバー材
22 側面部
23 回込み係合部
24 取付け溝
25 側部パッキン
26 斜面部
27 平行部
28 引掛け部
29 掛止め部
30 受け部
31 右突片
32 左突片
33 天板部
34 水切り部
35 取付け部
36 上部パッキン
37 取付け溝
38 ライナー
39 ねじ

Claims (1)

  1. 簡易建物と、独立フレームと、カバー材とを備え、
    独立フレームは建物外壁と簡易建物との間に、建物外壁に沿い建物外壁から間隔を取って立設されており、
    簡易建物は独立フレームの建物外壁と反対側の面に取り付けてあり、
    カバー材は、一端が簡易建物の独立フレーム側に取り付けられ、他端が建物外壁に圧接されて独立フレームを覆っている、
    ことを特徴とした独立構造体。
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