JP6082776B2 - 送電線工事方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連なって設置される鉄塔の間に電線を架設する送電線工事方法、及びこの工事方法を用いて構築された送電線設備に関する。
従来から、送電分野において、自然現象に起因して電線同士が接触・短絡するのを防止可能な送電線設備が開発されている。電線同士の接触・短絡を引き起こす原因として、寒冷地の例では、着雪が落下した際の反動により電線が跳ね上がる「スリートジャンプ現象」、或いは、強風の吹き付けにより着雪・着氷のある電線が増幅を伴って振動する「ギャロッピング現象」が知られている。
特許文献1の図3に記載される鉄塔は、中相電線を引き留める中相のアームが、上相及び下相のアームと比べて水平方向外側に張り出した構造(以下「アームオフセット構造」ともいう)を有する。これにより、高さ方向に隣り合う各相の電線が同一の鉛直線上に存在しなくなり、跳ね上がった電線が直上の電線に接触・短絡する可能性が低減される。
また、同図には、高さ方向に隣り合う電線間に絶縁スペーサを取り付けた形態が記載されている。これにより、スペーサの取り付け部位にてスペーサ長さに相当する離間距離を確保できるので、他の部位も含めて電線同士が接触・短絡する可能性が低減される。
実用新案登録第2535312号公報(図3)
ところで、このアームオフセット構造はスリートジャンプ現象に対して効果的である反面、ギャロッピング現象に対して必ずしも効果的ではない。なぜならば、水平方向にシフトされた中相電線の軌道は、直下(又は直上)にある下相電線(又は上相電線)の軌道に近づくことがあり、両者の軌道が干渉する可能性が高くなるからである。また、電線同士が接触・短絡する可能性の程度は、鉄塔の形態のみならず気候・地理条件によっても異なってくる。
しかし、特許文献1では、スリートジャンプ現象とギャロッピング現象の対策の両立を示唆しているが、送電線設備の個別・具体的な設置状況に適した工事方法を開示又は示唆しているとは言えない。つまり、同文献に記載の技術には、この観点において改良の余地が十分にある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、個別・具体的な設置状況を考慮しながら、スリートジャンプ現象及びギャロッピング現象による電線同士の接触・短絡を適切に防止可能な送電線工事方法を提供することを目的とする。
本発明に係る「送電線工事方法」は、各鉄塔の異なる高さ位置に配される2つ以上の鉄塔アームにそれぞれ電線を引き留め、連なって設置される前記鉄塔の間に複数本の前記電線を架設する架設工程と、高さ方向に隣り合う2つの前記鉄塔アーム同士の水平オフセット量及び前記鉄塔の設置場所の組み合わせに応じて、前記水平オフセット量を保って架設
された一対の電線に対して追加工事が必要であるか否かを判定する判定工程と、前記追加工事が必要であると判定された前記一対の電線間に絶縁スペーサを取り付ける取付工程を備える。
このように、高さ方向に隣り合う2つの鉄塔アーム同士の水平オフセット量及び鉄塔の設置場所の組み合わせに応じて、水平オフセット量を保って架設された一対の電線に対して追加工事が必要であるか否かを判定するので、スリートジャンプ現象及び/又はギャロッピング現象への追加的対策(具体的には、絶縁スペーサの取り付け工事)の要否を適切に判定可能となる。これにより、個別・具体的な設置状況を考慮しながら、スリートジャンプ現象及びギャロッピング現象による電線同士の接触・短絡を適切に防止できる。
また、前記判定工程では、更に前記電線の種類との組み合わせに応じて前記追加工事が必要であるか否かを判定すること好ましい。振動挙動との相関性が高い電線の種類を更に考慮することで、追加工事の要否を高精度に判定できる。
また、前記判定工程では、前記水平オフセット量が正の閾値以上であり、且つ、前記設置場所が寒冷地である場合に前記追加工事が必要であると判定することが好ましい。これにより、ギャロッピング現象への効果的な対策を講じることができる。
また、前記判定工程では、前記水平オフセット量が零値であり、且つ、前記設置場所が寒冷地である場合に前記追加工事が必要であると判定することが好ましい。これにより、スリートジャンプ現象への効果的な対策を講じることができる。
本発明に係る送電線工事方法によれば、個別・具体的な設置状況を考慮しながら、スリートジャンプ現象及びギャロッピング現象による電線同士の接触・短絡を適切に防止できる。
この実施形態に係る送電線設備の構築に供される鉄塔の正面図である。 水平オフセット量の定義に関する説明図である。 この実施形態に係る送電線工事方法のフローチャートである。 複数本の電線が架設された鉄塔の概略側面図である。 ギャロッピング現象の発生時における各電線の軌道を示す模式図である。 電線への着雪状態を模式的に示す断面図である。 追加工事を経て構築された送電線設備の概略側面図である。
以下、本発明に係る送電線設備について、送電線工事方法との関係において好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
[鉄塔12の構造]
図1は、この実施形態に係る送電線設備64(図7)の構築に供される鉄塔12の正面図である。より詳しくは、図1(a)は「水平オフセット無し」の鉄塔12を示し、図1(b)は「水平オフセット有り」の鉄塔12を示す。
地面10上には、図示しない電線を吊り下げて引き留める鉄塔12が複数連なって配置
されている。この鉄塔12は、鉄製の骨組みからなるI字吊り方式の懸垂型・2回線鉄塔である。各鉄塔12は、高さ方向に細長い外形角錐状の脚部14と、上相(上段)に相当する2つの鉄塔アーム16、16、中相(中段)に相当する2つの鉄塔アーム17、17、下相(下段)に相当する2つの鉄塔アーム18、18を含んで構成される。
異なる高さ位置に配される各鉄塔アーム16〜18は、脚部14の上半分側から水平方向外側に張り出すと共に、その先端側には電線の引留機構20が設けられている。引留機構20は、鉛直方向に向かって順に、絶縁材料からなる懸垂碍子21と、電線を把持する懸垂クランプ22とから構成される。
図1(a)の鉄塔12に関して、鉄塔アーム16〜18の水平方向に沿う先端位置はすべて一致している。つまり、この「水平オフセット無し」の鉄塔12は、高さ方向に隣り合う各相の電線が同一の鉛直線上に存在するアーム構造を有する。
図1(b)の鉄塔12に関して、鉄塔アーム16〜18の水平方向に沿う先端位置はそれぞれ異なっている。具体的には、鉄塔アーム18(下相)の先端位置は鉄塔アーム16(上相)よりも水平方向外側にあり、鉄塔アーム17(中相)は鉄塔アーム18(下相)よりも更に外側にある。
例えば、北海道・北日本を含む寒冷地では、図1(b)に示す「水平オフセット有り」の鉄塔12が多く設置されている。高さ方向に隣り合う各相の電線が同一の鉛直線上に存在しないアーム構造を採用することで、スリートジャンプ現象により跳ね上がった電線が直上の電線に接触・短絡する可能性が低減されるためである。
図2は、水平オフセット量の定義に関する説明図である。より詳しくは、図2(a)はオフセット長さΔLの定義を示す図であり、図2(b)はオフセット角度θの定義を示す図である。以下、図1(b)に示す鉄塔12(「水平オフセット有り」の形態)を例に説明する。
図2(a)及び(b)に示す点Pは鉄塔アーム16の上相先端点であり、点Qは鉄塔アーム17の中相先端点であり、点Rは鉄塔アーム18の下相先端点である。また、脚部14の中心軸24を破線で図示する。
図2(a)の例では、水平オフセット量の1つとしてオフセット長さΔLを定義する。点Pの水平位置と点Qの水平位置の差分をΔL1とし、点Qの水平位置と点Rの水平位置の差分をΔL2とする。この場合、オフセット長さΔL1、ΔL2は、ΔL1>ΔL2>0の関係を満たす。一方、「水平オフセット無し」の鉄塔12(図1(a)参照)では、ΔL1=ΔL2=0の関係を満たす。
図2(b)の例では、水平オフセット量の1つとしてオフセット角度θを定義する。線分PQと中心軸24のなす角をθ1とし、線分QRと中心軸24のなす角をθ2とする。この場合、オフセット角度θ1、θ2は、θ1>θ2>0の関係を満たす。一方、「水平オフセット無し」の鉄塔12(図1(a)参照)では、θ1=θ2=0の関係を満たす。
[送電線設備64の工事方法]
続いて、図7に示す送電線設備64の工事方法について、図3のフローチャート及び図4〜図7を参照しながら詳細に説明する。この工事に先立ち、複数基の鉄塔12を地面10上に設置しておく。
ステップS1において、作業者は、連なって設置される鉄塔12の間に複数本の電線2
6〜28をそれぞれ架設する「架設工程」を実行する。作業者は、鉄塔アーム16の先端側に引留機構20(懸垂碍子21及び懸垂クランプ22)を吊した状態で設けた後、懸垂クランプ22を用いて1本の電線26を引き留める作業を行う。この作業と並行して、鉄塔アーム17に電線27を、鉄塔アーム18に電線28をそれぞれ引き留める。
図4に示すように、鉄塔12の隣り合う順番にこの一連の作業を順次実行することで、異なる高さ位置に電線26、27、28がそれぞれ架設される。つまり、電線26、27は水平オフセット量(ΔL1、θ1)を保って架設されると共に、電線27、28は水平オフセット量(ΔL2、θ2)を保って架設される。以下、高さ方向に隣り合う電線同士、具体的には、電線26、27を「一対の電線30」と、電線27、28を「一対の電線31」とそれぞれ称する場合がある。
なお、実際には、鉄塔アーム16〜18の個数に等しい本数(図1例では6本分)の電線26〜28が架設される。図示の便宜上、図4の中には、手前側にある3本分の電線26〜28のみを表記すると共に、奥側にある残り(3本分)の電線を省略している。
ステップS2において、作業者は、後述する判定工程のために必要な各種情報(以下、判定情報)を収集する「収集工程」を実行する。この「判定情報」とは、着雪があった電線26〜28が特定部位36(図4)にて接触・短絡する可能性に相関する各種情報を意味する。判定情報の具体例として、鉄塔12の設備情報又は設置場所が挙げられる。
図4に示すように、コンピュータの一形態である携帯情報端末32は、GPS(Global
Positioning System)衛星33からのGPS信号に基づいて自身の現在位置を取得し、
この現在位置を「鉄塔12の設置場所」として収集する。また、携帯情報端末32は、取得した現在位置をデータベース検索の手掛かりとして、設備情報提供サーバ34から鉄塔12の設備情報(上述の「水平オフセット量」を含む)を収集する。
このようにして、携帯情報端末32は、作業者による指示操作に応じて当該判定情報を自動的に収集してもよい。或いは、作業者は、これとは別の手段により判定情報を適時に収集してもよい。
ステップS3において、携帯情報端末32又は作業者は、ステップS2で収集された判定情報に基づいて追加工事が必要であるか否かを判定する「判定工程」を実行する。この「追加工事」とは、一対の電線30、31間に絶縁スペーサ60、62(図7参照)を取り付ける工事を意味し、スリートジャンプ現象及び/又はギャロッピング現象への追加的対策に相当する。
ここで、携帯情報端末32は、鉄塔12の水平オフセット量及び設置場所の組み合わせに応じて追加工事の要否を判定する。具体的には、携帯情報端末32は、予め準備したテーブルデータを読み出し参照することで判定処理を実行すると共に、その判定結果を出力して作業者に報知する。その後、作業者は、報知された内容に従って追加工事の要否を判定し、或いは、報知された内容を考慮に入れながら独自の意思決定に沿って追加工事の要否を判定する。
図5は、ギャロッピング現象の発生時における各電線26〜28の軌道T1〜T3を示す模式図である。より詳しくは、図5(a)は「水平オフセット有り」の鉄塔12に関する模式図であり、図5(b)は「水平オフセット無し」の鉄塔12に関する模式図である。図示の便宜上、特定部位36における電線26〜28の断面部を点状に表記する。また、電線26、27、28の断面部(点)が描く軌道T1、T2、T3をそれぞれ破線で示す。
電線26〜28(特定部位36)に形状・重量が等しい着雪がある状態下、強度及び向きが等しい風が吹く場合を想定する。このとき、軌道T1〜T3は、いずれも等しい形状であり、且つ、互いに平行移動した位置関係にある。この軌道T1〜T3の各位相は、時間の経過につれて随時変化する。つまり、位相が等しい場合は「同期的振動」であり、位相が異なる場合は「非同期的振動」である。
図5(a)に示すように、水平オフセット量が正値である場合、2つの軌道T2、T3が干渉地点38にて交差する。すなわち、何らかの理由で振動挙動の同期が外れる際に、2本の電線27、28同士が接触・短絡する可能性がある。特に、2つの軌道T2、T3の水平方向の振れ巾が大きい場合、水平オフセット量が大きくなるにつれて接触・短絡が発生し易くなる。
図5(b)に示すように、水平オフセット量が零値である場合、3つの軌道T1〜T3の平行関係はそのまま保たれる。すなわち、何らかの理由で振動挙動の同期が外れたとしても、軌道T1〜T3に沿う挙動を示す限り、電線26〜28同士が互いに接触・短絡する可能性がない。
つまり、水平オフセット量が正値(ΔL>0、θ>0)である場合、スリートジャンプ現象に対して有利に働く反面、ギャロッピング現象に対して不利に働く。その一方、水平オフセット量が零値(ΔL=0、θ=0)である場合、スリートジャンプ現象に対して不利に働く反面、ギャロッピング現象に対して有利に働く。
そもそも、鉄塔12の設置場所が南日本を含む温暖地の場合、電線26〜28への着雪が殆ど発生しないため接触・短絡のリスクが低いと言える。また、寒冷地であっても風の弱い地域では、電線26〜28同士の接触・短絡のリスクが低減する。
この「設置場所」は、気候又は地理に応じて地域毎に区分される属性である。例えば、「寒冷地」は、冬の寒さが厳しい地域であり、一般的にはケッペンの気候区分で「寒帯」又は「亜寒帯」に属する地域をいう。「寒冷地」の意味はこれに限定されることなく、各種気象情報を根拠にして独自に定義してもよい。
このような傾向を踏まえて、例えば、水平オフセット量が正の閾値(具体例は、0.5m)以上であり、且つ、設置場所が寒冷地である場合に追加工事が必要であると判定してもよい。これにより、ギャロッピング現象への効果的な対策を講じることができる。或いは、水平オフセット量が零値(ゼロ又は微小値)であり、且つ、設置場所が寒冷地である場合に追加工事が必要であると判定してもよい。これにより、スリートジャンプ現象への効果的な対策を講じることができる。
ところで、この判定工程では、水平オフセット量及び設置場所のみならず、他の判定情報を併せて考慮してもよい。例えば、電線26〜28の種類(より詳細には、単導体/多導体の別)を更に考慮して判定することができる。
図6は、電線26〜28への着雪状態を模式的に示す図である。より詳しくは、図6(a)は着雪した単導体線40の概略断面図であり、図6(b)は着雪した多導体線44の断面図である。
図6(a)に示すように、単導体線40はそれぞれ1本の導線から構成される。単導体線40は、他の導線からの拘束がなく捻れ剛性が小さいので、相対的に高い回転自由度を有する。その結果、単導体線40の外周面には、径方向全体にわたって筒状に成長した着
雪42が形成される。換言すれば、着雪42の風による抗力が大きくなる分、ギャロッピング現象による軌道T1〜T3の水平方向の振れ巾が大きくなる傾向がみられる。
図6(b)に示すように、多導体線44は、互いに平行関係にある複数本の導線46、47と、多導体スペーサ48を含んで構成される。導線46、47は、多導体スペーサ48の拘束により捻れ剛性が大きいので、相対的に低い回転自由度を有する。その結果、導線46の外周面には特定の径方向に沿って柱状に成長した着雪50が形成されると共に、導線47の外周面には特定の径方向に沿って柱状に成長した着雪52が形成される。換言すれば、着雪50、52の風による抗力が小さくなる分、ギャロッピング現象による軌道T1〜T3の水平方向の振れ巾が小さくなる傾向がみられる。
このように、更に電線26〜28の種類との組み合わせに応じて追加工事が必要であるか否かを判定してもよい。振動挙動との相関性が高い電線26〜28の種類を更に考慮することで、追加工事の要否を高精度に判定できる。
なお、電線26〜28の種類には、[1]上記した導体方式の他、外径、材質を含む構造的分類、[2]製品名、型番、製造ロットを含む人為的分類が含まれる。この他にも、電線26〜28の弛度・送電電圧、鉄塔12の径間距離、高さ、種類を含む架設条件を併せて考慮してもよいし、作業工数、作業費、工具費を含む工事条件を併せて考慮してもよい。
ステップS4において、追加工事の対象箇所が少なくとも1つ存在する場合(ステップS4:YES)、次のステップ(S5)に進む。一方、追加工事の対象箇所が1つも存在しない場合(ステップS4:NO)、ステップS5の実行を省略する。図4の例では、すべての径間及び相間が対象箇所であると想定する。
ステップS5において、作業者は、対象箇所である一対の電線30、31間に絶縁スペーサ60、62を取り付ける「取付工程」を実行する。この絶縁スペーサ60、62は、例えば、軽量な絶縁性高分子からなる碍子連、及び、長さを調整可能なアジャストロッドを含んで構成される。一般的に言えば、絶縁スペーサ60、62は、ギャロッピング現象への対策を施すための治具であるが、ここではスリートジャンプ現象への対策も兼ねている点に留意する。
図7は、追加工事を経て構築された送電線設備64の概略側面図であり、図4に対して追加工事がなされた状態を示す。本図から理解されるように、一対の電線30間には絶縁スペーサ60が、一対の電線31間には絶縁スペーサ62がそれぞれ取り付けられる。必要な箇所にのみ絶縁スペーサ60、62を取り付けることで、送電品質を確保できると共に工事費用を抑制できる。
[この実施形態による効果]
以上のように、この送電線工事方法は、各鉄塔12の異なる高さ位置に配される2つ以上の鉄塔アーム16〜18にそれぞれ電線26〜28を引き留め、連なって設置される鉄塔12の間に複数本の電線26〜28を架設する架設工程(S1)と、高さ方向に隣り合う2つの鉄塔アーム16、17(17、18)同士の水平オフセット量ΔL1、θ1(ΔL2、θ2)及び鉄塔12の設置場所の組み合わせに応じて、水平オフセット量を保って架設された一対の電線30(31)に対して追加工事が必要であるか否かを判定する判定工程(S3)と、追加工事が必要であると判定された一対の電線30(31)間に絶縁スペーサ60(62)を取り付ける取付工程(S5)を備える。また、送電線設備64はこの工事方法を用いて構築される。
このように構成するので、スリートジャンプ現象及び/又はギャロッピング現象への追加的対策(具体的には、絶縁スペーサ60、62の取り付け工事)の要否を適切に判定可能となる。これにより、個別・具体的な設置状況を考慮しながら、スリートジャンプ現象及びギャロッピング現象による電線26〜28同士の接触・短絡を適切に防止できる。
特に、ギャロッピング現象の様々な発生状況を想定した上で、水平オフセット量を適切な範囲内に設定することが望ましい。具体的には、水平オフセット量を所定の上限値(例えば、ΔL=1.0m)よりも小さく設けることで、水平方向の振れ巾が非常に大きい場合であっても、軌道T1、T2間(又は軌道T2、T3間)のクリアランスを十分確保できる。
[備考]
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
この実施形態では、I字吊り方式・2回線の鉄塔12を例示しているが、この形態に限られず、Y字吊り方式、V字吊り方式の懸垂型鉄塔であってもよい。また、懸垂型の鉄塔12に代わって、電線26〜28を鉄塔アーム16〜18に引っ張り留める耐張型鉄塔を採用してもよい。また、1回線、3回線、或いは4回線以上であってもよい。
10‥地面 12‥鉄塔
14‥脚部 16〜18‥鉄塔アーム
20‥引留機構 21‥懸垂碍子
22‥懸垂クランプ 26〜28‥電線
30、31‥一対の電線 32‥携帯情報端末
40‥単導体線 42、50、52‥着雪部
44‥多導体線 60、62‥絶縁スペーサ
64‥送電線設備 T1〜T3‥軌道

Claims (2)

  1. 各鉄塔の異なる高さ位置に配される2つ以上の鉄塔アームにそれぞれ電線を引き留め、連なって設置される前記鉄塔の間に複数本の前記電線を架設する架設工程と、
    高さ方向に隣り合う2つの前記鉄塔アーム同士の水平オフセット量及び前記鉄塔の設置場所の組み合わせに応じて、一対の電線に対して追加工事が必要であるか否かを判定する判定工程と、
    前記追加工事が必要であると判定された前記一対の電線間に絶縁スペーサを取り付ける取付工程と
    を備え
    前記判定工程では、前記水平オフセット量が零値であり、且つ、前記設置場所が寒冷地である場合に前記追加工事が必要であると判定することを特徴とする送電線工事方法。
  2. 各鉄塔の異なる高さ位置に配される2つ以上の鉄塔アームにそれぞれ電線を引き留め、連なって設置される前記鉄塔の間に複数本の前記電線を架設する架設工程と、
    高さ方向に隣り合う2つの前記鉄塔アーム同士の水平オフセット量及び前記鉄塔の設置場所の組み合わせに応じて、一対の電線に対して追加工事が必要であるか否かを判定する判定工程と、
    前記追加工事が必要であると判定された前記一対の電線間に絶縁スペーサを取り付ける取付工程と
    を備え、
    前記判定工程では、前記水平オフセット量が零値であり、且つ、前記設置場所が寒冷地である場合に、前記電線の種類に応じて前記追加工事が必要であると判定することを特徴とする送電線工事方法。
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