JP6082299B2 - 原動機の異常検出方法、この方法を実行する原動機の制御装置、及びこの装置を備えている発電プラント - Google Patents

原動機の異常検出方法、この方法を実行する原動機の制御装置、及びこの装置を備えている発電プラント Download PDF

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Description

本発明は、発電機に機械的に接続されている原動機の異常検出方法、この方法を実行する原動機の制御装置、及びこの制御装置を備えている発電プラントに関する。
発電機に機械的に接続されている原動機としては、ガスタービン、蒸気タービン、風車等がある。これらの原動機の急激な出力変化、つまり変動を検知することができれば、原動機の安全運転を実現できる。
そこで、特許文献1では、原動機又は発電機の現在の出力と、所定時間前の原動機又は発電機の出力との差である出力変化量又は出力変化率を求め、これらの値と基準値とを比較することで、原動機の急激な出力変化を検知する技術を提案している。
特開平11−64127号公報
発電機の出力とガスタービンや蒸気タービン等の原動機の出力とは、基本的に等しい。このため、原動機と発電機とのうち、一方の出力を検知することができれば、これを他方の出力として扱うことができる。
ところで、原動機の出力を直接検知することは難しい。一方、発電機の出力については、発電機に出力計(電力計)を設けることで、この出力を容易に検知することができる。このため、原動機又は発電機の出力を検知する場合、発電機の出力を検知し、これを代用することが多い。
このように、発電機に出力計を設けて、この発電機及び原動機の出力を管理する場合、原動機の出力が一定の場合でも、電力系統の変動に伴って発電機の回転数と発電機の出力が変動する。一般的に、ガスタービンや蒸気タービン等の原動機には負荷変動を検出し、急激に変化した場合にトリップさせる機能が備えられている。このような場合、特許文献1に記載の技術では、原動機の出力が一定であっても、原動機の出力が急激に変化したと検知し、原動機の安全運転のためにこの原動機をトリップさせる可能性が高い。
すなわち、従来技術では、電力系統が変動した場合に、原動機が異常であると誤検出することがあるという問題点がある。
そこで、本発明は、原動機異常の誤検出を少なくすることができる原動機の異常検出方法、これらの方法を実行する原動機の制御装置、及びこの装置を備えている発電プラントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための発明に係る一態様としての原動機の異常検出方法は、
発電機に機械的に接続されている原動機の異常検出方法において、出力計で検知された前記発電機の出力の変動幅が許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断する異常判断工程と、前記異常判断工程での判断基準となる前記許容出力変動幅と、前記異常判断工程での判断対象となる前記出力計で検知された前記出力とのうちの一方を、回転数計で検知された前記発電機と前記原動機とのうちの一方の回転数を用いて補正する補正工程と、を実行することを特徴とする。
原動機の出力が一定の場合でも、電力系統が変動すると、これに伴って発電機の回転数と発電機の出力とが変動する。この場合、当該異常検出方法では、回転数を用いて、異常判断工程での判断基準となる許容出力変動幅と、異常判断工程での判断対象となる出力計で検知された出力とのうちの一方が補正される。このため、当該異常検出方法では、電力系統の変動に伴う発電機の回転数の変動により、発電機の出力が変動しても、許容出力変動幅と出力との相対関係において、電力系統の変動に伴う出力の変動がないものとして扱われる。
よって、当該異常検出方法では、電力系統が変動した場合における原動機異常の誤検出を少なくすることができる。
ここで、前記原動機の異常検出方法において、前記補正工程では、前記一方の回転数を用いて、該回転数の回転数変動幅を求める回転数変動幅算出工程と、前記回転数変動幅が大きくなるに連れて、前記許容出力変動幅が大きくなるよう、該許容出力変動幅を補正する許容変動幅補正工程と、を実行し、前記異常判断工程では、前記出力計で検知された前記出力の変動幅が前記許容変動幅補正工程で補正された前記許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断してもよい。
当該異常検出方法では、回転数変動幅が大きくなるに連れて許容出力変動幅が大きくなる。このため、当該異常検出方法では、電力系統の変動に伴う発電機の回転数の変動により、発電機の出力が変動しても、許容出力変動幅が大きくなるので、原動機異常の誤検出を少なくすることができる。
また、前記許容変動幅補正工程を実行する前記原動機の異常検出方法において、前記回転数変動幅算出工程では、前記回転数が定格回転数よりも高いときに低下した場合に、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される回転数低下率を用いて求められる回転数である上参照回転数を求める上参照回転数演算工程と、前記回転数が定格回転数以下のときに上昇した場合に、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される回転数上昇率を用いて求められる回転数である下参照回転数であって、前記上参照回転数と同じ時刻における下参照回転数を求める下参照回転数演算工程と、前記上参照回転数と前記下参照回転数との差を求め、該差を前記回転数変動幅として出力する偏差演算工程と、を実行してもよい。
また、前記許容変動幅補正工程を実行するいずれかの前記原動機の異常検出方法において、前記異常判断工程では、前記出力計で検知された前記出力と該出力に対する基準出力との差を該出力の変動とする出力変動算出工程を実行してもよい。
また、前記一態様としての前記原動機の異常検出方法において、前記補正工程では、前記一方の回転数と、該回転数の単位時間当たりの変化率である回転数変化率と、前記原動機及び前記発電機における回転系の慣性モーメントとを用いて、該原動機の見掛け上の出力変動を求め、前記出力計で検知された前記発電機の出力から該見掛け上の出力変動分を減算した値を、補正された出力とし、前記異常判断工程では、前記補正工程で補正された前記出力の変動幅が前記許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断してもよい。
前述したように、原動機の出力が一定の場合でも、電力系統が変動すると、これに伴って発電機の回転数と発電機の出力とが変動する。この場合における発電機の出力変動は、原動機にとって、見掛け上の出力変動となる。そこで、当該異常検出方法では、回転数等を用いて、原動機の見掛け上の出力変動を求め、この見掛け上の出力変動を出力計で検知された出力から減算し、出力計で検知された出力から電力系統の変動に伴う出力の変動を除いている。このため、当該異常検出方法では、電力系統の変動に伴う発電機の回転数の変動により、発電機の出力が変動しても、この出力の変動が除かれた出力に基づいて、原動機の異常の有無が判断されるので、原動機異常の誤検出を少なくすることができる。
ここで、原動機の見掛け上の出力変動を求める前記原動機の異常検出方法において、前記補正工程では、前記出力計から出力された前記出力から、前記回転数計からの出力に対する前記出力計からの出力の遅れ時間分遅れている前記見掛け上の出力変動を減算することが好ましい。
複数の発電プラントにおいて、回転数計で検知された回転数の位相と出力計で検知された実際の出力の位相とを比較した結果、ある時刻における回転数の回転数計からの出力時刻に対して、出力計は、同じある時刻における発電機の出力の出力時刻が遅れていることが判明した。
遅れ時間分遅れている発電機の出力から、回転数等から求められた、遅れていない見掛け上の出力変動を減算して、補正値を求めると、適正な補正値を得ることができない。そこで、当該異常検出方法では、補正工程において、出力計から出力された出力から、回転数計からの出力に対する出力計からの出力の遅れ時間分遅れている見掛け上の出力変動を減算することで、適正な補正値を得ている。
また、原動機の見掛け上の出力変動を求める、いずれかの前記原動機の異常検出方法において、前記異常判断工程では、前記補正工程で補正された前記出力と前記出力計で検知された前記出力に対する基準出力との差を該出力の変動とする出力変動算出工程を実行してもよい。
また、前記出力変動算出工程を実行する、いずれかの前記原動機の異常検出方法において、前記出力変動算出工程では、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される出力変化率を用いて求められる出力である参照出力を前記基準出力としてもよい。
上記目的を達成するための発明に係る一態様としての原動機の制御装置は、
発電機に機械的に接続されている原動機の制御装置において、出力計で検知された前記発電機の出力の変動幅が許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断する異常判断部と、前記異常判断部での判断基準となる前記許容出力変動幅と前記異常判断部での判断対象となる前記出力計で検知された前記出力とのうちの一方を、回転数計で検知された前記発電機と前記原動機とのうちの一方の回転数を用いて補正する補正部と、前記異常判断部で前記原動機が異常であると判断されると、前記原動機をトリップさせることができる操作部にトリップ信号を出力して、該原動機をトリップさせるトリップ信号出力部と、を備えていることを特徴とする。
当該制御装置では、以上の異常検出方法と同様に、電力系統が変動した場合における原動機異常の誤検出を少なくすることができる。この結果、当該制御装置では、原動機の誤トリップを少なくすることができる。
また、前記原動機の制御装置において、前記補正部は、前記一方の回転数を用いて、該回転数の回転数変動幅を求める回転数変動幅算出部と、前記回転数変動幅が大きくなるに連れて、前記許容出力変動幅が大きくなるよう、該許容出力変動幅を補正する許容変動幅補正部と、を有し、前記異常判断部は、前記出力計で検知された前記出力の変動幅が前記許容変動幅補正部で補正された前記許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断してもよい。
また、前記許容変動幅補正部を有する前記原動機の制御装置において、前記回転数変動幅算出部は、前記回転数が定格回転数よりも高いときに低下した場合に、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される回転数低下率を用いて求められる回転数である上参照回転数を求める上参照回転数演算部と、前記回転数が定格回転数以下のときに上昇した場合に、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される回転数上昇率を用いて求められる回転数である下参照回転数であって、前記上参照回転数と同じ時刻における下参照回転数を求める下参照回転数演算部と、前記上参照回転数と前記下参照回転数との差を求め、該差を前記回転数変動幅として出力する偏差演算部と、を有してもよい。
また、前記許容変動幅補正部を有する、いずれかの前記原動機の制御装置において、前記異常判断部は、前記出力計で検知された前記出力と該出力に対する基準出力との差を該出力の変動とする出力変動算出部を有してもよい。
また、前記一態様としての前記原動機の制御装置において、前記補正部は、前記一方の回転数と、該回転数の単位時間当たりの変化率である回転数変化率と、前記原動機及び前記発電機における回転系の慣性モーメントとを用いて、該原動機の見掛け上の出力変動を求める見掛け出力変動算出部と、前記出力計で検知された前記発電機の出力から前記見掛け上の出力変動分を減算した値を、補正された出力とする出力演算部と、を有し、前記異常判断部は、前記補正部が補正した前記出力の変動幅が前記許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断してもよい。
また、前記見掛け出力変動算出部を有する前記原動機の制御装置において、前記補正部は、前記出力演算部に入力する前記見掛け上の出力変動を、前記回転数計からの出力に対する前記出力計からの出力の遅れ時間分遅らせる遅れ時間調節部を有することが好ましい。
また、前記許容変動幅補正部を有する、いずれかの前記原動機の制御装置において、前記異常判断部は、前記補正部が補正した前記出力と前記出力計で検知された前記出力に対する基準出力との差を該出力の変動とする出力変動算出部を有してもよい。
また、前記出力変動算出部を有する、いずれかの前記原動機の制御装置において、前記出力変動算出部は、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される出力変化率を用いて求められる出力である参照出力を前記基準出力としてもよい。
上記目的を達成するための発明に係る一態様としての発電プラントは、
以上のいずれかの前記制御装置と、前記原動機と、前記発電機と、前記操作部と、を備えていることを特徴とする。
本発明では、電力系統が不安定になり、発電機の出力が変動した場合でも、原動機が異常であるか否かの判断をより正確に行うことでき、原動機異常の誤検出を少なくすることができる。
本発明に係る第一実施形態における発電プラントの系統図である。 本発明に係る第一実施形態における発電機出力の変動に伴うガスタービンのトリップを説明するための説明図である。 本発明に係る第一実施形態における回転数変動幅の求め方を示す説明図である。 本発明に係る第一実施形態における回転数変動幅と補正量との関係を示すグラフである。 本発明に係る第一実施形態における制御装置の動作を示すフローチャートである。 発電機又はガスタービンの回転数の変動と発電機出力の変動との関係を示す説明図である。 従来技術における回転数変動幅と許容出力変動幅との関係を示す説明図である。 本発明に係る第一実施形態における回転数変動幅と許容出力変動幅との関係を示す説明図である。 本発明に係る第二実施形態における制御装置の機能ブロック図である。 発電機又はガスタービンの回転数と発電機及びガスタービンの出力との関係を示す説明図である。 本発明に係る第二実施形態における制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る第二実施形態におけるガスタービン出力の変動に伴うガスタービンのトリップを説明するための説明図である。 本発明に係る第三実施形態における制御装置の機能ブロック図である。 本発明に係る第三実施形態における回転数変化率の求め方を示す説明図である。 本発明に係る第四実施形態における制御装置の機能ブロック図である。
以下、本発明に係る発電プラントの各種実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
「第一実施形態」
まず、図1〜図8を用いて、第一実施形態としての発電プラントについて説明する。
本実施形態の発電プラントは、図1に示すように、原動機としてのガスタービン10と、ガスタービン10の駆動で発電する発電機20と、制御装置100と、を備えている。
ガスタービン10は、大気を圧縮して圧縮空気を生成する空気圧縮機11と、燃料を圧縮空気中で燃焼させ高温の燃焼ガスを生成する燃焼器13と、燃焼ガスにより駆動するタービン14と、を備えている。このタービン14のロータ15と発電機20のロータ21とは機械的に接続されている。このため、タービン14のロータ15が回転すると発電機20のロータ21も回転する。タービン14のロータ15又は発電機20のロータ21には、一方のロータ15,21の回転数を検知する回転数計25が設けられている。燃焼器13には、この燃焼器13に燃料を供給する燃料ライン16が接続されている。この燃料ライン16には、燃料遮断弁17が設けられている。
発電機20と電力系統29とは、電源線22で電気的に接続されている。この電源線22には、遮断器23と、変圧器24と、発電機20の出力を検知する出力計26とが設けられている。
制御装置100は、出力計26で検知された出力の変動幅が許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じてガスタービン10が異常であるか否かを判断する異常判断部160と、回転数計25で検知された回転数を用いて許容出力変動幅を補正する補正部150と、異常判断部160が異常であると判断すると、操作部である燃料遮断弁17及び遮断器23に対してトリップ信号を出力するトリップ信号出力部170と、を備えている。操作部の一つである燃料遮断弁17は、このトリップ信号を受けると閉じて、燃焼器13への燃料供給が停止する。また、操作部の他の一つである遮断器23は、このトリップ信号を受けると開いて、発電機20と電力系統29との電気的な接続が断たれる。
制御装置100の異常判断部160は、出力計26からの出力の変動幅ΔPgを求める出力変動算出部167と、出力変動幅ΔPgが許容出力変動幅ΔPsの範囲外か否かを判断する許容幅判断器163と、出力変動幅ΔPgが許容出力変動幅ΔPsの範囲外になっている時間が所定時間以上であるか否かを判断するための許容外時間判断器166と、を有している。
出力変動算出部167は、出力計26からの出力に基づき参照出力Prを出力する参照出力発生器161と、参照出力Prと出力計26からの発電機20の出力Pgとの差である出力変動幅ΔPgを求める減算器162と、を有している。
参照出力Prは、図2に示すように、ガスタービン10及び発電機20が正常運転中であるときに許容される出力変化率に基づいて求められる現時点tbの出力である。参照出力発生器161は、出力が増加した場合の増加時参照出力Pri(Pr)と、出力が減少した場合の減少時参照出力Prd(Pr)とを出力する。減算器162は、発電機20の出力Pgと増加時参照出力Priとの差である増加時出力変動幅ΔPi(ΔPg)、及び発電機20の出力Pgと減少時参照出力Prdとの差である減少時出力変動幅ΔPd(ΔPg)を求める。
なお、ここでは、参照出力Prを基準として、この参照出力Prと出力計26からの発電機20の出力Pgとの差を出力変動幅ΔPgとしているが、所定時間前の発電機20の出力を基準にして、この基準となる発電機20の出力と現時点の発電機20の出力との差を出力変動幅ΔPgとしてもよい。
許容幅判断器163は、出力が増加した場合の上限許容変動幅ΔPsiを減算器162からの出力変動幅ΔPgが超えているか否かを判断する上限判断器164と、出力が減少した場合の下限許容変動幅ΔPsdを減算器162からの出力変動幅ΔPgが超えているか否かを判断する下限判断器165と、を有する。許容幅判断器163は、減算器162からの出力変動幅ΔPgが許容出力変動幅ΔPsの範囲外であると、異常状態である旨を示す異常信号を出力する。具体的には、減算器162からの出力変動幅ΔPgが上限許容変動幅ΔPsiを超えている場合には上限判断器164が異常信号を出力し、減算器162からの出力変動幅ΔPgが下限許容変動幅ΔPsdを負側に超えている場合には下限判断器165が異常信号を出力する。
許容外時間判断器166は、タイマーを有し、許容幅判断器163からの異常信号が入力するとタイマーによるカウントダウンを開始し、この異常信号の入力が所定時間Tp(図2参照)以上継続すると、つまり、タイマーが0になると、トリップ信号出力部170に対して異常信号を出力する。
トリップ信号出力部170は、許容外時間判断器166からの異常信号が入力すると、操作部である燃料遮断弁17や遮断器23等にトリップ信号を出力する。
制御装置100の補正部150は、図1に示すように、回転数計25で検知された回転数の変動幅を求める回転数変動幅算出部151と、回転数変動幅に応じて許容出力変動幅の補正量を求める補正量演算部155と、補正量に応じて許容出力変動幅を補正する許容変動幅補正部156と、を有する。
回転数変動幅算出部151は、現時点の上参照回転数を求める上参照回転数演算器152と、現時点の下参照回転数を求める下参照回転数演算器153と、上参照回転数と下参照回転数との差を回転数変動幅として出力する減算(偏差演算)器154と、を有する。
図3に示すように、上参照回転数Nruは、回転数が定格回転数よりも高いときに低下した場合に、ガスタービン10及び発電機20が正常運転中であるときに許容される回転数低下率を用いて求められる回転数である。また、下参照回転数Nrdは、回転数が定格回転数以下のときに上昇した場合に、ガスタービン10及び発電機20が正常運転中であるときに許容される回転数上昇率を用いて求められる回転数である。減算器154は、現時点の上参照回転数Nruと現時点の下参照回転数Nrdとの差を求め、これを現時点の回転数変動幅ΔNpとして出力する。
なお、ここでの定格回転数とは、電力系統29の周波数により定まる回転数である。また、現時点の回転数変動幅ΔNpとしては、例えば、現時点から予め定めた所定時間過去までの時間における最大回転数と最小回転数との差を採用してもよい。
補正量演算部155は、回転数変動幅を補正量に変換する関数Fを有している。この関数Fは、例えば、図4に示すように、回転数変動幅の大きさに比例する補正量を出力する関数である。従って、補正量演算部155は、入力する回転数変動幅の大きさが大きくなれば、これに比例して大きい補正量を出力する。
許容変動幅補正部156は、図1に示すように、異常判断部160の上限判断器164が保有している上限許容変動幅ΔPsiに補正量を加える上限補正器157と、下限判断器165が保有している下限許容変動幅ΔPsdから補正量を減算する下限補正器158と、を有する。従って、回転数変動幅の大きさが大きくなれば、上限判断器164が保有している上限許容変動幅ΔPsiはより大きくなり、下限判断器165が保有している下限許容変動幅ΔPsdは負側により大きくなる。
次に、図5に示すフローチャートに従って、制御装置100の処理の流れについて説明する。
制御装置100の許容変動幅補正部156は、回転数計25からの回転数を受け付けて、この回転数に基づいて異常判断部160の許容幅判断器163が保有している許容出力変動幅を補正する(補正工程(S1))。この補正工程(S1)では、まず、回転数変動幅算出部151が回転数計25からの回転数の変動幅を求める(回転数変動幅算出工程(S2))。次に、補正量演算部155が回転数変動幅の大きさに比例した補正量を求め、許容変動幅補正部156が異常判断部160の許容幅判断器163が保有している許容変動幅ΔPsを補正する(許容変動幅補正工程(S3))。具体的に、許容変動幅補正部156は、前述したように、回転数変動幅の大きさに比例して、許容幅判断器163の上限判断器164が保有している上限許容変動幅ΔPsiを大きくし、許容幅判断器163の下限判断器165が保有している下限許容変動幅ΔPsdを負側に大きくする。
以上で、補正工程(S1)が終了する。
また、以上の補正工程(S1)と並行して、異常判断部160は、ガスタービン10が異常か否かを判断する(異常判断工程(S4))。この異常判断工程(S4)では、まず、参照出力発生器161が出力計26からの出力を受け付け、この出力に基づき参照出力Prを出力する。減算器162は、この参照出力Prと出力計26からの発電機20の出力Pgとの差である出力変動幅ΔPgを求める(出力変動幅算出工程(S5))。そして、この出力変動幅ΔPgに基づいて各判断器163,166が異常か否かの判断を行う(判断工程(S6))。
この判断工程(S6)では、許容幅判断器163が減算器162から出力変動幅ΔPgを受け付け、この出力変動幅ΔPが補正部150で補正された許容出力変動幅ΔPsの範囲外か否かを判断する。そして、許容幅判断器163は、出力変動幅ΔPgが許容出力変動幅ΔPsの範囲外であると、異常状態である旨を示す異常信号を出力する。この異常信号が出力されると、許容外時間判断器166は、出力変動幅ΔPgが許容出力変動幅ΔPsの範囲外になっている時間が所定時間Tp以上であるか否かを判断し、所定時間Tp以上であれば、トリップ信号出力部170に異常信号を出力する。すなわち、この判断工程(S6)では、出力変動幅ΔPgが許容出力変動幅ΔPsの範囲外であり、且つこの状態が所定時間Tp継続すると、トリップ信号出力部170に異常信号を出力する。一方、出力変動幅ΔPgが許容出力変動幅ΔPsの範囲外ではない、又は、出力変動幅ΔPgが許容出力変動幅ΔPsの範囲外である状態が所定時間Tp継続しない場合には、補正工程(S1)に戻ると共に、異常判定工程(S4)に戻る。
トリップ信号出力部170は、異常判断部160が異常信号を出力すると(S6でYesの場合)、前述したように、操作部に対してトリップ信号を出力する(S7)。この結果、ガスタービン10はトリップする。
図6に示すように、ガスタービン10の出力が一定でも、電力系統29が変動すると、発電機20の回転数と発電機20の出力とが変動する。この回転数と出力とは、極めて高い相関性があり、回転数が大きく変動すると、出力も大きく変動する。但し、回転数と出力とには、多少の位相ズレがある。
「背景技術」の欄で述べた特許文献1に記載の技術では、発電機20の現在の出力と所定時間前の発電機20の出力との差と、固定値である基準値とが比較されて、ガスタービン10の状態を判定している。すなわち、図7に示すように、基準値である発電機20の出力の許容出力変動幅ΔPsは、回転数変動幅ΔNpの変化に関わらず、一定である。従って、ガスタービン10の出力が一定でも、電力系統29が変動して、発電機20の出力が大きく変動すると、例えば、図6中の時刻txでガスタービン10をトリップさせる可能性がある。
一方、本実施形態では、図8に示すように、回転数変動幅ΔNpの大きさに比例して、許容出力変動幅ΔPsを大きくしているため、より具体的には、回転数変動幅ΔNpの大きさに比例して、上限許容変動幅ΔPsiを大きくすると共に、下限許容変動幅ΔPsdを負側に大きくしている。従って、図6に示すように、電力系統29の大きな変動により、発電機20の回転数が大きく変動して、発電機20の出力も大きく変動しても、このときの出力変動幅ΔPgは許容出力変動幅ΔPsの範囲内になり、ガスタービン10をトリップさせることはない。言い換えると、本実施形態では、例えば、ガスタービン10の出力が一定のときに、電力系統29が大きく変動して、発電機20の出力も大きく変動しても、ガスタービン10が異常であるとは判断せず、ガスタービン10の運転が継続される。
以上のように、本実施形態では、電力系統29が変動した場合におけるガスタービン異常の誤検出、及びガスタービン10の誤トリップを少なくすることができる。
「第二実施形態」
次に、図9〜図12を用いて、第二実施形態としての発電プラントについて説明する。
本実施形態及び以下の実施形態の発電プラントは、いずれも、第一実施形態の制御装置100を変更したもので、その他の構成は第一実施形態の発電プラントと同じである。従って、本実施形態及び以下の実施形態については、主として、第一実施形態の制御装置100の変更内容について説明する。
本実施形態の制御装置100aは、図9に示すように、出力の変動幅が許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じてガスタービン10が異常であるか否かを判断する異常判断部160aと、出力計26で検知された出力を補正する補正部110と、第一実施形態と同様のトリップ信号出力部170と、を備えている。
異常判断部160aは、補正部110からの出力Ptの変動幅ΔPを求める出力変動算出部167aと、第一実施形態と同様の許容幅判断器163及び許容外時間判断器166と、を有している。
出力変動算出部167aは、出力計26からの出力に基づき参照出力Prを出力する参照出力発生器161と、参照出力Prと補正部110からの出力Ptとの差である出力変動幅ΔPを求める減算器162aと、を有している。
参照出力発生器161は、第一実施形態と同様、出力が増加した場合の増加時参照出力Pri(Pr)と、出力が減少した場合の減少時参照出力Prd(Pr)とを出力する。減算器162aは、補正部110からの出力Ptと増加時参照出力Priとの差である増加時出力変動幅ΔPi、及び補正部110からの出力Ptと減少時参照出力Prdとの差である減少時出力変動幅ΔPdを求める。
なお、ここでは、参照出力Prを基準として、この参照出力Prと補正部110からの出力Ptとの差を出力変動幅ΔPとしているが、所定時間前の補正部110からの出力Ptを基準にして、この基準となる補正部110からの出力と現時点の補正部110からの出力との差を出力変動幅ΔPgとしてもよい。
許容幅判断器163及び許容外時間判断器166は、前述したように、第一実施形態のものと同様である。
制御装置100aの補正部110は、回転数計25で検知された回転数を用いて、ガスタービン10の見掛け上の出力変動を求める見掛け出力変動算出部111と、見掛け出力変動算出部111が求めたガスタービン10の見掛け上の出力変動と出力計26で検知された発電機20の出力Pgとを用いてガスタービン10の出力Ptを求める出力演算部118と、を有する。すなわち、この補正部110は、出力計26で検知された発電機20の出力Pgを補正することで、補正後の出力としてガスタービン10の出力Ptを出力する。
ガスタービン10の出力Ptは、以下の式(1)で示すように、出力計26で検知された発電機20の出力Pgから、ガスタービン10及び発電機20における回転系の慣性力によるガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpを減算した値である。
Pt=Pg−Δp ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
よって、出力演算部118は、出力計26で検知された発電機20の出力Pgと、見掛け出力変動算出部111が求めたガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpとの偏差を求める偏差演算器である。
ガスタービン10及び発電機20における回転系の慣性力によるガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpは、以下の式(2)で表すことができる。
Δp=Tr×ω
=−I×dω/dt×ω
=−I×(2π/60)×dN/dt×N ・・・・・・・・・・(2)
Tr:加速トルク(=−I×dω/dt)[N・m]
ω:角速度(=2πN/60)[rad/s]
I:慣性モーメント[kg・m]
t:時間[s]
N:回転数[rpm]
なお、式(2)中の慣性モーメントIは、ガスタービン10及び発電機20における回転系の慣性モーメントである。このため、この慣性モーメントIは、ガスタービン10における空気圧縮機11のロータ12、タービン14のロータ15及び発電機20のロータ21を合せたものの慣性モーメントである。また、式(2)中で、時間変化に伴う変動パラメータは、回転数Nのみであり、他のパラメータは固定値である。このため、式(2)で示されるガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpは、回転数Nを検知することで求めることができる。
図10に示すように、ガスタービン10の出力Ptが一定でも、電力系統29が変動すると、発電機20の回転数と発電機20の出力Pgとが変動する。このような電力系統29の変動に伴う発電機20の出力変動は、ガスタービン10の正味出力Ptに対して、上記式(2)に示されているガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpとなる。従って、電力系統29が変動した場合でも、式(1)に示すように、出力計26で検知された発電機20の出力Pgからガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpを減算することで、ガスタービン10の正味出力Ptを求めることができる。なお、ガスタービン10、発電機20及び電力系統29が安定している場合、ガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpは実質的に「0」になる。このため、この場合、式(1)から理解できるように、ガスタービン10の出力Ptと発電機20の出力Pgとは実質的に等しくなる。
ところで、ガスタービン10及び発電機20の回転数Nが一定周期Tで変動している場合、この回転数の位相に対して発電機20の出力の位相は、理論的にはT/4だけズレる。しかしながら、複数の発電プラントにおいて、回転数計で検知された回転数の位相と出力計で検知された実際の出力の位相とを比較すると、出力計で検出された出力の位相は、回転数計で検知された回転数の位相に対してT/4よりも遅れていることが判明した。すなわち、出力計で検知される実際の出力の位相は、理論的な出力の位相に対して遅れ時間Td分遅れていることが判明した。言い換えると、ある時刻における回転数の回転数計からの出力時刻に対して、出力計は、同じある時刻における発電機の出力の出力時刻が遅れ時間Td分遅くなることが判明した。
この遅れ時間Tdの発生原因は明確に判明していないが、出力計のハードウェアーが遅れ時間の発生に起因していると考えられる。出力計は、基本的に、電流計と、電圧計と、電流計で検知された電流値と電圧計で検知された電圧値とを掛け合わせる演算器と、を有して構成されている。このように、出力計は、複数の段階を経て出力を得ているため、出力計で検知される出力の位相は、理論的な出力位相に対して遅れる、と考えられる。
式(1)を用いて、ガスタービン10の出力Ptを求める場合、式(1)中のガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpは、式(2)を用いて前述したように、回転数が検知されれば求められる。このため、回転数から求められる見掛け上の出力変動Δpの位相は理論的な出力変動の位相と実質的に一致し、この理論的な出力変動に対して実質的に遅れていない。一方、式(1)中の発電機20の出力Pgは出力計26で検知されたものであるから、この発電機20の出力Pgの位相は理論的な出力の位相に対して遅れ時間Td分遅れている。
仮に、位相が遅れ時間Td分遅れている発電機20の出力Pgから、位相が遅れていない見掛け上の出力変動Δpを減算して、ガスタービン10の出力Ptを求めるとする。この場合、遅れ時間Tdが比較的短い時間であれば、あまり問題にならないが、遅れ時間Tdが比較的長い時間になれば、求められるガスタービン10の出力Ptに大きな誤差が含まれることになる。特に、遅れ時間Tdが回転数の変動周期Tの1/2である場合、本来、出力の正のピーク値から出力変動の正のピーク値を減算しなければならないにも関わらず、出力の正のピーク値から出力変動の負のピーク値を減算することになり、ガスタービン10の出力の変動が見掛け上の変動より極めて大きくなってしまう。
そこで、本実施形態の見掛け出力変動算出部111では、以上の知見に基づき、回転数計25で検知された回転数Nから、遅れ時間Tdを調節したガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpを求める。具体的に、本実施形態の見掛け出力変動算出部111は、図9に示すように、回転数計25で検知された回転数Nを用いて遅れ時間Tdを考慮していないガスタービン10の見掛け上の出力変動を求める出力変動演算部120と、この見掛け上の出力変動を予め定められている遅れ時間Td分だけ遅らせる遅れ時間調節部112と、を有している。
出力変動演算部120は、互いに異なるサンプリング時刻でサンプリングされた二つの回転数を用いて回転数変化率(dN/dt)を求める回転数変化率演算部130と、ガスタービン10及び発電機20における回転系の慣性モーメントIを出力する慣性モーメント発生器121と、式(2)中の定数である〔−(2π/60)〕を出力する定数発生器122と、複数の乗算器123,124,125と、を有している。乗算器123,124,125としては、慣性モーメントIと定数〔−(2π/60)〕を掛け合わせる第一乗算器123と、第一乗算器123からの出力〔−I×(2π/60)〕に回転数変化率(dN/dt)を掛ける第二乗算器124と、第二乗算器124からの出力〔−I×(2π/60)×dN/dt〕に回転数Nを掛ける第三乗算器125と、を有している。すなわち、この出力変動演算部120は、式(2)の演算を実行する。
回転数変化率演算部130は、回転数計25からの回転数を所定時間Ts遅らせて出力する遅延器133と、回転数計25からの回転数と遅延器133からの回転数との差を求める減算器134と、所定時間Tsを出力する時間発生器132と、減算器134からの出力を時間発生器132からの所定時間Tsで割る除算器139と、を有する。すなわち、回転数変化率演算部130は、現時点の回転数と、現時点から所定時間Ts過去の回転数との平均回転数変化率を現時点の回転数変化率としている。
次に、図11に示すフローチャートに従って、制御装置100aの処理の流れについて説明する。
制御装置100aの補正部110は、回転数計25からの回転数Nと出力計26からの発電機20の出力Pgとを受け付け、この出力Pgを補正して、ガスタービン10の出力Ptを出力する(補正工程(S10))。
この補正工程(S10)では、まず、補正部110の出力変動演算部120が、ガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpを求める(見掛け出力変動演算工程(S12))。この際、出力変動演算部120の回転数変化率演算部130が前述の方法で回転数変化率を求める。出力変動演算部120は、式(2)に従って、この回転数変化率と回転数と回転系の慣性モーメント等を用いて、ガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpを求める。
補正工程(S10)では、続いて、遅れ時間調節部112が出力変動演算部120で求められたガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpを遅れ時間Td前の見掛け上の出力変動Δpに調節する(遅れ時間調節工程(S13))。具体的に、遅れ時間調節部112は、遅延器であり、遅れ時間調節部112が出力変動演算部120で求められたガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpを遅れ時間Tdだけ遅らせてから出力する。
この結果、遅れ時間調節部112から出力された見掛け上の出力変動Δpは、出力計26の遅れ時間Tdを考慮した見掛け上の出力変動となる。なお、見掛け出力変動演算工程(S12)と遅れ時間調節工程(S13)とを合わせた工程が、出力計26の遅れ時間Tdを考慮した見掛け上の出力変動を求める見掛け出力変動算出工程(S11)を成す。
補正工程(S10)では、さらに、出力演算部118が、式(1)に従って、出力計26からの発電機20の出力Pgから、見掛け出力変動算出部111で求められたガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpを減算して、ガスタービン10の出力Ptを求める(出力演算工程(S14))。出力計26からの発電機20の出力Pgは、現時点から実質的に遅れ時間Td遅れた出力であるが、見掛け出力変動算出部111からのガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpも、現時点から実質的に遅れ時間Td遅れた見掛け上の出力変動である。このため、出力演算部118が扱う発電機20の出力Pgとガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpとの間には、遅れ時間Tdに基づく位相ズレがない。よって、出力演算部118は、正確なガスタービン10の出力を求めることができる。
以上で、補正工程(S10)が終了する。
異常判断部160aは、ガスタービン10が異常か否かを判断する(異常判断工程(S4a))。この異常判断工程(S4a)では、まず、参照出力発生器161が出力計26からの出力を受け付け、この出力に基づき参照出力Prを出力する。減算器162aは、この参照出力Prと補正部110からのガスタービン10の出力Ptとの差である出力変動幅ΔPを求める(出力変動幅算出工程(S5a))。そして、この出力変動幅ΔPに基づいて各判断器163,166が異常か否かの判断を行う(判断工程(S6a))。
この判断工程(S6a)では、許容幅判断器163が減算器162aから出力変動幅ΔPgを受け付け、この出力変動幅ΔPが予め定められている許容出力変動幅ΔPsの範囲外か否かを判断する。そして、許容幅判断器163は、出力変動幅ΔPgが許容出力変動幅ΔPsの範囲外であると、異常状態である旨を示す異常信号を出力する。この異常信号が出力されると、許容外時間判断器166は、出力変動幅ΔPgが許容出力変動幅ΔPsの範囲外になっている時間が所定時間Tp以上であるか否かを判断し、所定時間Tp以上であれば、トリップ信号出力部170に異常信号を出力する。
トリップ信号出力部170は、第一実施形態と同様、異常判断部160aが異常信号を出力すると(S6aでYesの場合)、前述したように、操作部に対してトリップ信号を出力する(S7)。この結果、ガスタービン10はトリップする。
例えば、図12に示すように、時刻taからガスタービン10の出力Ptが比較的に急激に減少し始めたとする。なお、図12に示すガスタービン10の出力Ptは、ガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpを含まない正味の出力である。この結果、減少時参照出力Prd(Pr)とガスタービン10の出力Ptとの差である減少時出力変動幅ΔPd(ΔP)が生じる。ガスタービン10の出力Ptは、その後も比較的に急激に減少すると、次第に減少時出力変動幅ΔPdも負側に大きくなる。この減少時出力変動幅ΔPdが、時刻tbのときに予め定められている下限許容変動幅ΔPsd(ΔPs)を負側に超えると、下限判断器165は許容外時間判断器166へ異常信号を出力する。許容外時間判断器166は、異常信号の入力が所定時間Tp継続すると、時刻tbから所定時間Tp後の時刻tcに、トリップ信号出力部170に異常信号を出力する。この結果、トリップ信号出力部170は、前述したように、操作部に対してトリップ信号を出力し、ガスタービン10がトリップする。
以上のように、本実施形態では、例えば、電力系統29が不安定になり、ガスタービン10と発電機20との出力バランスがくずれた場合等でも、発電機20の出力から正確なガスタービン10の出力を求めることができる。
また、本実施形態では、ガスタービン10の出力Ptが一定の場合に、電力系統29の不安定に起因して発電機20の出力Pgが変動しても、以上のように正確に求められたガスタービン10の出力Ptに応じてガスタービン10が異常であるか否かの判断が行われるので、ガスタービン異常の誤検出,及びガスタービン10の誤トリップを少なくすることができる。
「第三実施形態」
次に、図13及び図14を用いて、第三実施形態としての発電プラントについて説明する。
本実施形態の制御装置100bは、第二実施形態の制御装置100aにおける回転数変化率演算部130を変更したもので、その他の構成は第二実施形態の制御装置100aと基本的に同じである。そこで、以下では、主として、この変更内容について説明する。
まず、本実施形態の回転数変化率演算部130bでの回転数変化率の求め方について、図14を参照して説明する。
第一時刻t1における回転数変化率を求める際には、まず、第一時刻t1に回転数計25から出力された第一回転数N1と、第一時刻t1から所定時間Ts前の第二時刻t2に回転数計25から出力された第二回転数N2とを用いて、両回転数N1,N2の差である第一回転数変化量ΔN1を求める。次に、第一時刻t1から所定時間Ts後の第三時刻t3に回転数計25から出力された第三回転数N3と第一回転数N1とを用いて、両回転数N3,N1の差である第二回転数変化量ΔN2を求める。
次に、第一回転数変化量ΔN1と第二回転数変化量ΔN2との平均値である平均変化量ΔNaを求める。次に、この平均変化量ΔNaを所定時間Tsで割って、この値を第一時刻t1における回転数変化率とする。
すなわち、ここでは、第一時刻t1と第二時刻t2との間での第一平均回転数変化率と、第一時刻t1と第三時刻t3との間での第二平均回転数変化率との平均値を第一時刻t1における回転数変化率としている。
第一時刻t1と第二時刻t2との間の所定時間Ts、及び第一時刻t1と第三時刻t3との間の所定時間Tsは、予想される遅れ時間Td以下の時間である。
ところで、第一時刻t1における回転数変化率を以上のように求める場合、第一時刻t1に対して未来の時刻である第三時刻t3における第三回転数N3が必要である。
また、出力演算部118において、第一時刻t1での回転数変化率を用いて求められる見掛け上の出力変動分が減算される対象は、第一時刻t1での発電機20の出力である。この第一時刻t1での発電機20の出力は、所定時間Tsが予想される遅れ時間Td以下の時間である関係上、第一時刻t1に対して所定時間Tsだけ未来の時刻である第三時刻t3よりもさらに未来の時刻、つまり第一時刻t1から遅れ時間Td分だけ未来の第四時刻t4に出力計26から出力される出力である。従って、第一時刻t1での発電機20の出力が得られる第四時刻t4から見ると、第三時刻t3は過去の時刻である。このため、出力演算部118において、第一時刻t1でのガスタービン10の出力を求める場合には、第三時刻t3が第四時刻t4に対して過去の時刻であるため、第一時刻t1に対して未来の時刻である第三時刻t3における第三回転数N3を得ることができる。
本実施形態の回転数変化率演算部130bは、以上の方法で回転数変化率を求める。そこで、この回転数変化率演算部130bは、図13に示すように、定数である「2」を出力する定数発生器131と、所定時間Tsを出力する時間発生器132と、回転数計25からの回転数を所定時間Ts遅らせて出力する第一遅延器133と、回転数計25からの回転数と第一遅延器133からの回転数との差を求める第一減算器134と、第一遅延器133からの回転数をさらに所定時間Ts遅らせて出力する第二遅延器135と、第一遅延器133からの回転数と第二遅延器135からの回転数との差を求める第二減算器136と、第一減算器134からの出力に第二減算器136からの出力を加える加算器137と、加算器137からの出力を定数発生器131からの「2」で割る第一除算器138と、第一除算器138からの出力を時間発生器132からの所定時間Tsで割る第二除算器139と、を有する。
ここで、この回転数変化率演算部130bにおいて、回転数計25から前述の第三時刻t3における第三回転数N3が出力されたとする。このとき、第一遅延器133は、第三時刻t3から所定時間Ts前の第一時刻t1における第一回転数N1を出力する。第一減算器134は、第一回転数N1と第三回転数N3との差である第二回転数変化量ΔN2を出力する。また、このとき、第二遅延器135は、第一時刻t1から所定時間Ts前の第二時刻t2における第二回転数N2を出力する。第二減算器136は、第一遅延器133からの出力である第一回転数N1と第二遅延器135からの出力である第二回転数N2との差である第一回転数変化量ΔN1を出力する。加算器137及び第一除算器138では、第一回転数変化量ΔN1と第二回転数変化量ΔN2との平均値である平均変化量ΔNaを求める。第二除算器139は、平均変化量ΔNaを所定時間Tsで割って、第一時刻t1における回転数変化率を出力する。
なお、以上では、平均変化量ΔNaを求めてから、この平均変化量ΔNaを所定時間Tsで割って回転数変化率を求めているが、第一回転数変化量ΔN1及び第二回転数変化量ΔN2を求めてから、これらの変化量の変化率を求め、各変化率の平均値を第一時刻t1における回転数変化率としてもよい。
ところで、図14を用いて前述したように、出力演算部118において、第一時刻t1での回転数変化率を用いて求められる見掛け上の出力変動分が減算される対象は、第一時刻t1での発電機20の出力である。この第一時刻t1での発電機20の出力は、第一時刻t1から遅れ時間Td分だけ未来の第四時刻t4に出力計26から出力される出力である。
一方、第一時刻t1での回転数変化率は、第一時刻t1から所定時間Ts分だけ未来の第三時刻t3に回転数計25から出力される回転数を用いて求められる。従って、第一時刻t1での回転数変化率が求められる時刻は、第一時刻t1から所定時間Ts分だけ未来の第三時刻t3以降になる。
このため、出力変動演算部120bが、第一時刻t1におけるガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpを出力する時刻も、第一時刻t1から所定時間Ts分だけ未来の第三時刻t3以降になる。よって、出力変動演算部120bからの出力である見掛け上の出力変動Δpは、すでに所定時間Ts遅れているので、この見掛け上の出力変動Δpを(Td−Ts)を遅らせるだけで、この見掛け上の出力変動Δpと出力計26からの発電機20の出力との遅れ時間Td差が解消される。
そこで、本実施形態の遅れ時間調節部112bは、第二実施形態と異なり、出力変動演算部120bからの出力である見掛け上の出力変動Δpを(Td−Ts)を遅らせる。
遅れ時間調節部112bにより(Td−Ts)分遅らされた見掛け上の出力変動Δpは、見掛け出力変動算出部111bの出力として、補正部110bの出力演算部118に送られる。出力演算部118では、第二実施形態と同様に、出力計26からの出力Pgから、見掛け出力変動算出部111bからの見掛け上の出力変動Δpが減算されて、減算結果であるガスタービン10の正味出力が異常判断部160aに出力される。
以上、本実施形態では、3つの時刻から回転数変化率を求めているので、より正確な回転数変化率を求めることできる。本実施形態では、図14に示すように、時刻t1を基準にして、この時刻t1と過去の時刻t2との間の平均回転数変化率のみならず、この時刻t1と未来の時刻t3との間の平均回転数変化率も使って、これら平均回転数変化率の平均値を時刻t1での回転数変化率としている。このため、本実施形態では、回転数変化率を求める時刻t1での回転数が極大値又は極小値をとるときには、第二実施形態よりもより正確な回転数変化率を求めることができる。
「第四実施形態」
次に、図15を用いて、第四実施形態としての発電プラントについて説明する。
本実施形態の制御装置100cは、第二実施形態の制御装置100aにおける遅れ時間調節部112の位置を変更したもので、その他の構成は第二実施形態の制御装置100aと基本的に同じである。従って、以下では、主として、この変更内容について説明する。
第二実施形態の遅れ時間調節部112は、見掛け出力変動演算部120と出力演算部118との間に配置されている。一方、本実施形態の遅れ時間調節部112cは、回転数計25と見掛け出力変動演算部120との間に配置されている。
本実施形態では、回転数計25で検知された回転数が遅れ時間調節部112cにより見掛け時間Td遅らされてから、見掛け出力変動演算部120に入力する。この結果、見掛け出力変動演算部120で求められたガスタービン10の見掛け上の出力変動Δpは、既に見掛け時間Td分遅れていることになる。このため、本実施形態では、第二実施形態のように、見掛け出力変動演算部120から見掛け上の出力変動Δpは、遅れ時間調節されることなく、出力演算部118に入力する。
以上のように、出力計26からの出力の遅れに対する出力変動の遅れ時間調節は、第一実施形態のように、見掛け出力変動演算部120の出力であるガスタービン10の見掛け上の出力変動に対して行っても、本実施形態のように、見掛け出力変動演算部120の入力値である回転数に対して行ってもよい。よって、第三実施形態においても、本実施形態と同様に、遅れ時間調節部を回転数計25と見掛け出力変動演算部120bとの間に配置してもよい。また、第三実施形態では、見掛け出力変動演算部120bにおける第一遅延器133及び第二遅延器135で回転数を遅らせる所定時間Tsを遅れ時間Tdに設定することでも、遅れ時間調節を実行することができる。
なお、以上の実施形態は、いずれも、ガスタービンが原動機の発電プラントであるが、原動機はガスタービンに限定されるものではなく、例えば、蒸気タービンや風車等であってもよい。
10…ガスタービン、11:空気圧縮機、13:燃焼器、14:タービン、17:燃料遮断弁、20:発電機、23:遮断器、25:回転数計、26:出力計、100,100a,100b,100c:制御装置、110,110b:補正部、111,111b:見掛け出力変動算出部、112,112a,112b,112c:遅れ時間調節部、120,120b:出力変動演算部、130,130b:回転数変化率演算部、160,160a:異常判断部、170:トリップ信号出力部

Claims (17)

  1. 発電機に機械的に接続されている原動機の異常検出方法において、
    出力計で検知された前記発電機の出力の変動幅が許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断する異常判断工程と、
    前記異常判断工程での判断基準となる前記許容出力変動幅と、前記異常判断工程での判断対象となる前記出力計で検知された前記出力とのうちの一方を、回転数計で検知された前記発電機と前記原動機とのうちの一方の回転数を用いて補正する補正工程と、
    を実行することを特徴とする原動機の異常検出方法。
  2. 請求項1に記載の原動機の異常検出方法において、
    前記補正工程では、前記一方の回転数を用いて、該回転数の回転数変動幅を求める回転数変動幅算出工程と、前記回転数変動幅が大きくなるに連れて、前記許容出力変動幅が大きくなるよう、該許容出力変動幅を補正する許容変動幅補正工程と、を実行し、
    前記異常判断工程では、前記出力計で検知された前記出力の変動幅が前記許容変動幅補正工程で補正された前記許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断する
    ことを特徴とする原動機の異常検出方法。
  3. 請求項2に記載の原動機の異常検出方法において、
    前記回転数変動幅算出工程では、
    前記回転数が定格回転数よりも高いときに低下した場合に、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される回転数低下率を用いて求められる回転数である上参照回転数を求める上参照回転数演算工程と、
    前記回転数が定格回転数以下のときに上昇した場合に、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される回転数上昇率を用いて求められる回転数である下参照回転数であって、前記上参照回転数と同じ時刻における下参照回転数を求める下参照回転数演算工程と、
    前記上参照回転数と前記下参照回転数との差を求め、該差を前記回転数変動幅として出力する偏差演算工程と、
    を実行することを特徴とする原動機の異常検出方法。
  4. 請求項2又は3に記載の原動機の異常検出方法において、
    前記異常判断工程では、前記出力計で検知された前記出力と該出力に対する基準出力との差を該出力の変動とする出力変動算出工程を、
    実行することを特徴とする原動機の異常検出方法。
  5. 請求項1に記載の原動機の異常検出方法において、
    前記補正工程では、前記一方の回転数と、該回転数の単位時間当たりの変化率である回転数変化率と、前記原動機及び前記発電機における回転系の慣性モーメントとを用いて、該原動機の見掛け上の出力変動を求め、前記出力計で検知された前記発電機の出力から該見掛け上の出力変動分を減算した値を、補正された出力とし、
    前記異常判断工程では、前記補正工程で補正された前記出力の変動幅が前記許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断する、
    ことを特徴とする原動機の異常検出方法。
  6. 請求項5に記載の原動機の異常検出方法において、
    前記補正工程では、前記出力計から出力された前記出力から、前記回転数計からの出力に対する前記出力計からの出力の遅れ時間分遅れている前記見掛け上の出力変動を減算する、
    ことを特徴とする原動機の異常検出方法。
  7. 請求項5又は6に記載の原動機の異常検出方法において、
    前記異常判断工程では、前記補正工程で補正された前記出力と前記出力計で検知された前記出力に対する基準出力との差を該出力の変動とする出力変動算出工程を、
    実行することを特徴とする原動機の異常検出方法。
  8. 請求項4又は7に記載の原動機の異常検出方法において、
    前記出力変動算出工程では、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される出力変化率を用いて求められる出力である参照出力を前記基準出力とする、
    ことを特徴とする原動機の異常検出方法。
  9. 発電機に機械的に接続されている原動機の制御装置において、
    出力計で検知された前記発電機の出力の変動幅が許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断する異常判断部と、
    前記異常判断部での判断基準となる前記許容出力変動幅と前記異常判断部での判断対象となる前記出力計で検知された前記出力とのうちの一方を、回転数計で検知された前記発電機と前記原動機とのうちの一方の回転数を用いて補正する補正部と、
    前記異常判断部で前記原動機が異常であると判断されると、前記原動機をトリップさせることができる操作部にトリップ信号を出力して、該原動機をトリップさせるトリップ信号出力部と、
    を備えていることを特徴とする原動機の制御装置。
  10. 請求項9に記載の原動機の制御装置において、
    前記補正部は、前記一方の回転数を用いて、該回転数の回転数変動幅を求める回転数変動幅算出部と、前記回転数変動幅が大きくなるに連れて、前記許容出力変動幅が大きくなるよう、該許容出力変動幅を補正する許容変動幅補正部と、を有し、
    前記異常判断部は、前記出力計で検知された前記出力の変動幅が前記許容変動幅補正部で補正された前記許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断する
    ことを特徴とする原動機の制御装置。
  11. 請求項10に記載の原動機の制御装置において、
    前記回転数変動幅算出部は、
    前記回転数が定格回転数よりも高いときに低下した場合に、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される回転数低下率を用いて求められる回転数である上参照回転数を求める上参照回転数演算部と、
    前記回転数が定格回転数以下のときに上昇した場合に、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される回転数上昇率を用いて求められる回転数である下参照回転数であって、前記上参照回転数と同じ時刻における下参照回転数を求める下参照回転数演算部と、
    前記上参照回転数と前記下参照回転数との差を求め、該差を前記回転数変動幅として出力する偏差演算部と、
    を有することを特徴とする原動機の制御装置。
  12. 請求項10又は11に記載の原動機の制御装置において、
    前記異常判断部は、前記出力計で検知された前記出力と該出力に対する基準出力との差を該出力の変動とする出力変動算出部を有する、
    ことを特徴とする原動機の制御装置。
  13. 請求項9に記載の原動機の制御装置において、
    前記補正部は、
    前記一方の回転数と、該回転数の単位時間当たりの変化率である回転数変化率と、前記原動機及び前記発電機における回転系の慣性モーメントとを用いて、該原動機の見掛け上の出力変動を求める見掛け出力変動算出部と、
    前記出力計で検知された前記発電機の出力から前記見掛け上の出力変動分を減算した値を、補正された出力とする出力演算部と、
    を有し、
    前記異常判断部は、前記補正部が補正した前記出力の変動幅が前記許容出力変動幅の範囲外になったか否かに応じて、前記原動機が異常であるか否かを判断する、
    ことを特徴とする原動機の制御装置。
  14. 請求項13に記載の原動機の制御装置において、
    前記補正部は、前記出力演算部に入力する前記見掛け上の出力変動を、前記回転数計からの出力に対する前記出力計からの出力の遅れ時間分遅らせる遅れ時間調節部を有する、
    ことを特徴とする原動機の制御装置。
  15. 請求項13又は14に記載の原動機の制御装置において、
    前記異常判断部は、前記補正部が補正した前記出力と前記出力計で検知された前記出力に対する基準出力との差を該出力の変動とする出力変動算出部を有する、
    ことを特徴とする原動機の制御装置。
  16. 請求項12又は15に記載の原動機の制御装置において、
    前記出力変動算出部は、前記原動機及び前記発電機が正常運転中であるときに許容される出力変化率を用いて求められる出力である参照出力を前記基準出力とする、
    ことを特徴とする原動機の制御装置。
  17. 請求項9から16のいずれか一項に記載の原動機の制御装置と、
    前記原動機と、
    前記発電機と、
    前記操作部と、
    を備えていることを特徴とする発電プラント。
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