JP6080298B2 - 貯水池死水域への効率的な堆積土砂等移動システム - Google Patents

貯水池死水域への効率的な堆積土砂等移動システム Download PDF

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本発明は、土砂移送設備および土砂移送方法に関するものであり、具体的には、ダム貯水池有効容量を侵す土砂を、効率的かつ低コストで死水域に移送可能とする技術に関する。なお、本発明で移送対象となる土砂には、ダム貯水池有効容量を侵す堆砂として既に有効容量を侵す位置に堆積しているものと、今後洪水などによって流入してくるものの両方を含むものとする。
ダム貯水池において流入土砂が堆積すべき計画上の場所は、ダム直上流近辺が主体の死水域である。一方、洪水等で河川上流からダム貯水池に流れ込む土砂混じりの流水は、ダム貯水池端部のダム貯水池流入部付近に到達すると急激に流速を落とし、それまでに含んでいた掃流砂の大部分および一部の浮遊砂を堆積・沈降させる。このようにして堆積した土砂は上述の死水域まで到達出来ず、その大部分は貯水池有効容量内に堆積してしまう。このため、ダム貯水池の有効容量が減少すると共に、土砂の堆積位置によっては取水設備や放流設備に悪影響を与え、ひいてはダムや発電の各種機能を阻害することにもつながりかねない。
そこで、そうしたダム貯水池有効容量内の堆砂を死水域へと移送し、ダム貯水池の有効容量を回復する措置として様々な手法が提案されてきた。例えば、浚渫船等によりダム貯水池にて堆積土砂の掘削・除去を行い、陸上部に搬出する方法や、ダム上流部に貯砂ダムを設けて流入土砂をトラップ堆積させ、これを排砂する方法などがある。また、ダム堤体に大規模な排砂路および排砂ゲート設備を設けた上で貯水位を低下させて開水路状態を生み出し、これにより掃流力を増加させ、貯水池内の堆積土砂を排出する方法などもある。更に、ダム貯水池上流に貯砂ダム、分派堰、土砂バイパストンネル等よりなる恒久堆砂対策施設により、貯砂ダム等で粒径の大きい材料が捕捉された後の掃流砂の一部および浮遊砂・ウォッシュロードを含む洪水濁水をバイパストンネルによってダム貯水池を迂回しダム直下に導く方法などもある。
特開平8−134877号公報
しかしながら従来技術においては、土砂の掘削・搬出用の機器(浚渫船やダンプトラック等)の導入と定常的な運用、或いは、排砂路やゲート設備、バイパストンネルなどの各種恒久的施設の建設と維持管理等が必要となり、導入、建設および維持管理のコストや期間が大きく、更には煩雑な運用管理が必要になるなど課題があった。
そこで本発明は、ダム貯水池有効容量を侵す土砂を、効率的かつ低コストで死水域に移送可能とする技術の提供を目的とする。
上記課題を解決する土砂移送設備は、流水および土砂を、ダム貯水池直上流にて堰き止め、土砂を含む流水を輸送する土砂輸送管へと流水を分派するための分派堰と、前記分派堰の堤体に設けた呑口を経由し、分派堰が堰き止めた前記流水および土砂をダム貯水池における死水域上の水面まで導く土砂輸送管とを含むことを特徴とする。
これによれば、洪水などの自然の掃流力を利用して、ダム貯水池直上流付近から死水域上水面までの短距離で土砂移送がなされることとなり、良好な移送効率の下、洪水発生時等の悪天候時には水上の各施設の危険を伴う浚渫船やダンプトラック等の搬送手段の導入、運用も不要となり、大幅な土砂撤去費用の削減を図ることが可能となる。また併せて、堆積する土砂を土砂輸送管内に圧送することで、死水域への土砂移送によって有効貯水容量の復元が可能となり、発電貯水容量の増大に寄与することにもつながる。したがって、ダム貯水池有効容量を侵す堆砂を、効率的かつ低コストで死水域に移送可能となる。
なお、上述の土砂移送設備は、前記土砂輸送管を陸上にて一定間隔で支持する架台と、前記土砂輸送管をダム貯水池の水上にて一定間隔で支持するフロートとを含むとしてよい。これによれば、ダム貯水池における水位変動に対してフロートで追随することが可能となり、土砂輸送管の吐出口が水中深く沈下した状態を防止し、吐出効率が低下する事態等を抑止出来る。
また、上述の土砂移送設備において、前記土砂輸送管は、前記呑口から前記吐出口に至る間で1/200程度以上の勾配が確保されたものであるとしてもよい。これによれば、土砂輸送管内が射流開水路となり、一定の土砂掃流力を確保することが可能であり、土砂移送が更に効率的なものとなる。なお、上述のように水上における土砂輸送管をフロートにて支持する構成とした場合、ダム貯水池における最高水位時に、この1/200の勾配を確保出来るよう、各架台の配置場所とフロートの高さについては予め設定しておくこととなる。
また、上述の土砂移送設備において、前記土砂輸送管が複数本備わっており、各土砂輸送管の呑口は、前記分派堰の堤体において、鉛直方向に互いに離間して配置されているものであるとしてもよい。これによれば、導水路を流れる水量が変動する状況にあっても、その水流毎に対応した量の水を呑口で受け入れて、死水域上の水面に導くことが可能となる。
また、上述の土砂移送設備において、死水域上の水面に位置する前記土砂輸送管の吐出口を覆う鞘管とその周囲を囲むシルトフェンスを含むとしてもよい。土砂輸送管の吐出口から下向きにダム貯水池内に投下された土砂流は、まとまった状態で湖底に向かうと想定されるが、上述のシルトフェンスによって細粒分の移動を阻止し、ダム貯水池内への濁水拡散を防止することが出来る。
また、本発明の土砂移送方法は、ム貯水池直上流に設置した分派堰において、土砂を含む流水を堰き止めて、当該分派堰の堤体に呑口を設けた土砂輸送管により、前記分派堰が堰き止めた前記土砂を含む流水をダム貯水池における死水域上の水面まで導いて吐出口から吐出させるものであり、前記流水の含む所定粒径以下の細粒分を、前記吐出口の周囲を囲むシルトフェンスで遮断するとすれば好適である。これによれば、濁水の拡散を防止することができる。
本発明によれば、ダム貯水池有効容量を侵す土砂、効率的かつ低コストで死水域に移送可能となる。
本実施形態における土砂移送設備の構成例を示す平面図である。 本実施形態における土砂移送設備の構成例を示す縦断図である。 本実施形態における土砂輸送管の呑口配置構造例を示す断面図である。 本実施形態におけるフロート配置例を示す図である。 本実施形態におけるフロート構成例を示す図である。 本実施形態におけるフロートのフレーム構成例を示す図である。 本実施形態の土砂移送設備が含む導水勾配調整装置の構成例を示す図である。 本実施形態における土砂移送設備でのフロート標高制御手順を示すフロー図である。
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本実施形態の土砂移送設備10の構成例を示す平面図であり、図2は本実施形態における土砂移送設備10の構成例を示す縦断図である。本実施形態の土砂移送設備10は、ダム貯水池有効容量を侵す流入土砂および堆積土砂を、効率的かつ低コストで死水域4に移送可能とするものとなる。なお、死水域4とは、ダム貯水池1の最低水位(最も低い位置にある取水口の位置)以下の、利水対象とならない水の存在領域を意味し、平面的に見ると図1に示すようにダム貯水池1のうち、ダム堤体8の直上流から貯水池中央部付近にかけて位置することが多い。
本実施形態における土砂移送設備10は、ダム貯水池上流2にあたる支川5に設置された貯砂ダム11を含んでいる。この貯砂ダム11は、出水時などの流水6が含む所定粒径以上の礫等(流木を含む)を捕捉する一方で、比較的粒径の小さな土砂(例:径40〜50mm以下)を含む流水については下流に通過させるダムである。こうした貯砂ダム11としてはスリット式或いは大暗渠式のダムを採用できる。貯砂ダム11の直下流からは、導水路12が支川5の河床にそって設けてあり、貯砂ダム11を通過した流水、すなわち通過流水13を分派堰14まで導いている。この通過流水13は、貯砂ダム11で粗粒土石が捕捉された後の、掃流砂、浮遊砂、ウォッシュロードを含む洪水濁水である。
分派堰14は、導水路12により導かれた上述の通過流水13を所定量堰き止めつつ、一定量以上の水量については導水路12周囲に設けられた横越流堰36より越流させる堰となる。この分派堰14では、分派堰上流側に呑口16を設け、そこに土砂輸送管17を配置し、これを分派堰下流に向けて堤体15内に布設し、下流側へと配置する。土砂輸送管17は、分派堰14が堰き止めた通過流水13、すなわち小粒径の土砂を含む水をダム貯水池1における死水域4上の水面7まで導く管路となる。
土砂輸送管17は、例えば直径1500〜3000mmで所定長の管を用いて構成されており、呑口16から吐出口18までの土砂輸送管全長に応じて、複数本の管をジョイントして用いる。こうした土砂輸送管17の管径は、出水時、ダム貯水池1に土砂を伴って流入してくる河川流量に依存する。しかし流入洪水の全量を分派導水する必要はなく、年間平均流入土砂量のかなりの部分をダム貯水池1に導ける流量を分派対象流量と考え、その流量は最大3〜4m3/s/km2程度とする。一方、土砂輸送管17の材質としては、土砂混じりの水が流下する状況を踏まえ、耐摩耗性に優れた性質が求められる。また、屋外に載置されるために十分な耐候性を有する必要もある。従来、発電所等の沈砂池に溜まった土砂の排出にFRP材管路を採用したり、或いは、コンクリートの練り混ぜ・運搬に使用する管の内面をゴムライニングして耐摩耗性を確保した事例があり、硬度の大きい鋼材やコンクリート製品より局所的変形に追随する材料の方が耐摩耗性にすぐれているといえる。
また、ダム貯水池1の水面7上に土砂輸送管17を這わせ、ケーブル操作による水面移動(後述)操作も想定していることから、土砂輸送管17の材質としては耐摩耗性および曲げ配管性に優れた高密度ポリエチレン管が有利である。また、土砂輸送管17のジョイントは、フランジ接続又は溶着継手とする。
上述したように、分派堰14の堤体15に呑口16を設けた土砂輸送管17は、ダム貯水池1における死水域4上の水面7に至るまで、通過流水13を自然流下させるため、図2に示すように所定の勾配を有している必要がある。土砂輸送管17において水流が効率良く流下するためには射流開水路が有利であり、そのためには土砂輸送管全長に亘る勾配を1/200程度以上とすれば好適である。このような水路勾配を確保するため、土砂輸送管17は、土砂輸送管全長における一定間隔ごとに、該当箇所で必要な適宜な高さを備えた架台20ないしフロート21で支持されている。
架台20は陸上に設置され、一定の高さで土砂輸送管17を固定的に支持する構造物であり、設置箇所の地面の標高に当該架台20の高さを合算した値が土砂輸送管17の標高値となる。一方、フロート21は、ダム貯水池1の水面7に設置され、十分な浮力を有する発泡樹脂や空気等の適宜な気体を封入したバルーン等で構成されている。このフロート21の浮遊箇所の水面7の標高に当該フロート21の高さ(厚み)を合算した値が土砂輸送管17の標高値となる。
このように水上においてはフロート21で土砂輸送管17を支持するとすれば、ダム貯水池1の水位変動に追随して土砂輸送管17を浮上させ、土砂輸送管17の完全な水没を防止できる。このようにフロート21はダム貯水池水位と共に標高を変えるため、フロート21を採用した場合には、土砂輸送管17の導水勾配が一定とはなりにくい。従って、ダム貯水池水位が最も高い時に土砂輸送管17の水路勾配が1/200程度を確保できるよう、架台20の高さ、およびフロート21の厚み等を予め設定しておくものとする。
なお、図1の平面図で示すように、上述の土砂輸送管17の途中に設けた合流部42に対し、圧送管40を接続するとしてもよい。この圧送管40は、台船等に配置したバックホーあるいはフローティングバックホー41が掘削したダム貯水池1の堆砂を土砂輸送管17に供給する管路である。このように、既存の土砂移送手段、設備により除去した土砂を土砂輸送管17に供給し処理するとしてもよい。
なお、土砂輸送管17は図1にて示すように複数本で構成されているとすれば好適である。この場合、各土砂輸送管17の呑口16は、図3にて示すように、堤体15の上流側において、鉛直方向に互いに離間して配置されている。このように呑口16を鉛直方向に互いに離間して配置すれば、導水路12を流れる水量に確実に対応した量の水を死水域4上の水面7に導くことが可能となる。すなわち、導水路12において水位aの水量が流れている場合、最下段の土砂輸送管17の呑口16が通過流水13を受け入れ、より高い水位bの水量が流れている場合、最下段と中段の2本の土砂輸送管17の呑口16が通過流水13を受け入れ、横越流堰36を越流するほどの水位の水量が流れている場合、最下段、中段、最上段の全3本の土砂輸送管17の呑口16が通過流水13を受け入れることになる。また、各土砂輸送管17を水平に並べる場合と比べ、水位に応じて1つの土砂輸送管17が満水になる可能性が高まる。土砂輸送管17が満水状態となれば、それだけ該当土砂輸送管17における流量が増大し、水流に含まれる土砂が管内に沈降しにくくなり、土砂の移送効率が高まる。
一方、土砂輸送管17の吐出口18は、死水域4の水面7付近に達し、そこで水面下に向け開口している。つまり土砂輸送管17は水面下に上述の通過流水13を排出する。吐出口18を覆う所定の鞘管とその周囲、約5〜10mの範囲は、濁水拡散防止用のシルトフェンス19で囲まれており、細粒分を多く含む通過流水13すなわち濁水がダム貯水池1内に拡散することが防止される。シルトフェンス19は、水面7から水深5m程度まで配置する。
また、吐出口18からの放流により土砂が堆砂位(死水域上面水位)付近に達したら、吐出口18を平面的に移動させる必要が生じる。そこで本実施形態の土砂移送設備10においては、吐出口18の移動手段として、定置式のワイヤーウィンチ34を吐出口18の四方に配置している。ワイヤーウィンチ34は、ダム貯水池1の湖岸やダム堤体8上などに設置され、水面7から所定の高さだけ離間するアーム35と、このアーム35に沿って延びて吐出口18に先端を固定したワイヤー33とを備えている。この場合、左右それぞれの湖岸やダム堤体8に設置したワイヤーウィンチ34がワイヤー33を巻き取り、或いは送り出しの動作を行うことによって、吐出口18を横行、走行させることができる。ワイヤーウィンチ34に代えてH型クレーンを採用しても良い。
続いて、上述のフロート21の構成について説明する。図4は本実施形態におけるフロート配置例を示す図であり、図5は本実施形態におけるフロート構成例を示す図である。ここで示すフロート21は、ダム貯水池1の水位変動に対応して、フロート内の空き容量制御が可能な構成となっており、土砂輸送管全長で上述した好適な導水勾配を維持するよう機能するものである。この場合のフロート21の各々は、当該フロート21の標高を計測するGPSユニット22、当該フロート21が支持する土砂輸送管17の勾配を計測する水平器23、GPSユニット22および水平器23の計測値をネットワーク120に送信する通信ユニット25、当該フロート21の厚みを制御するためのエアポンプ28、このエアポンプ28に空気を圧送する空気圧送管27を備えている。また、フロート21と土砂輸送管17とは金属製等の固定バンド26で互いに巻回され、固定されている。なお、通信ユニット25は、ネットワーク120が無線ネットワークであれば無線ユニットであり、ネットワーク120が有線のネットワークであれば有線通信のユニットとなる。
また、フロート21はラバーダム状のバルーン32で主として構成されているが、このままでは土砂輸送管17を常に安定した形態で支持することが難しい。そのため、自身でも水に浮く強化プラスティック製の管材で構成したフレーム構造中に、上述のバルーン32を収めた構造をもってフロート21を構成するものとする。
バルーン32を収めるフレーム構造は、図6にて示すように、管材を矩形格子状に組んで構成されたものであり、下部フレーム31と、当該下部フレームの縦部材開口30に対し、下端が上下動可能に嵌入する上部フレーム29とから構成されている。
空気圧送管27からバルーン32に対して空気が注入されると、バルーン32は膨張しようとするが当該フレーム構造で制約を受けて、下部フレーム31から上部フレーム29を離間させる向き、すなわち上方向に主として膨張する。この上方向の膨張により上部フレーム29が上方向に移動し、フロート21の厚みが大きくなる。他方、空気圧送管27によりバルーン32から空気が抜去されると、バルーン32は収縮し、上部フレーム29を下方向に移動させることになり、フロート21の厚みが小さくなる。つまり、バルーン32に、空気を注入・抜気することでフロート21の厚み調整が可能である。
続いて、上述のフロート21の厚みをコントロールし、土砂輸送管17の導水勾配を適切なものに調整する、導水勾配調整装置100について説明する。この導水勾配調整装置100は、各フロート21より、該当フロート21の標高と、該当フロート21が支持する土砂輸送管17の勾配とに関する各計測値を、GPSユニット22、水平器23からそれぞれ取得し、当該取得した標高および勾配の計測値に基づいて、土砂輸送管全体における勾配が所定基準値となる各フロート21における目標標高を算定し、当該算定した各フロート21の目標標高に応じて、該当フロート21における厚みの制御手段(エアポンプ24)に対し、所定量の厚み調整指示を行う情報処理装置となる。
図7は本実施形態の土砂移送設備が備える導水勾配調整装置のハードウェア構成例を示す図である。図7に示すように、導水勾配調整装置100は、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶装置で構成される記憶装置101、RAMなど揮発性記憶装置で構成されるメモリ103、記憶装置101に保持されるプログラム102をメモリ103に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUなどの演算装置104、ネットワーク120と接続し、フロート21の通信ユニット25、およびエアポンプ24との通信処理を担う通信装置105、を備える。なお、記憶装置101内には、本実施形態の導水勾配調整装置100として必要な機能を実装する為のプログラム102の他、導水勾配の基準値のデータ(例:1/200)、および、ダム貯水池水位毎に基準勾配を達成する際の各フロート21の目標標高のデータが、少なくとも記憶されている。
図8は本実施形態における土砂移送設備10においてフロート21の標高を制御する手順を示すフロー図である。まず、導水勾配調整装置100は、ネットワーク120を介し、各フロート21のGPSユニット22および水平器23より、該当フロート21の標高、支持する土砂輸送管17の勾配に関する計測値を取得する(s100)。
次に導水勾配調整装置100は、上述のステップs100において、各フロート21から得られた標高、勾配の値と、予め記憶装置101に保持している、架台20の標高値とに基づいて、土砂輸送管全体における現在の勾配を算定する(s101)。導水勾配調整装置100は、ここで算定した現在の勾配と、基準勾配(例:1/200)とを比較し(s102)、基準勾配を達成しているか判定する(s103)。
上述の判定の結果、現在の勾配が、基準勾配を達成していた場合(s103:Y)、導水勾配調整装置100は、処理を上述のステップs100に戻し、導水勾配調整の手順を継続する。一方、現在の勾配が基準達成していなかった場合(s103:N)、導水勾配調整装置100は、ステップs100で得ている、各フロート21における現在の標高と、記憶装置101に保持している該当フロート21の目標標高との差分をそれぞれ算定する(s104)。
各フロート21の目標標高からの差分を算定した導水勾配調整装置100は、各フロート21の目標標高からの差分が解消されるよう、バルーン32への所定量の空気挿入、ないしバルーン32からの所定量の空気抜去を行うべくエアポンプ28を制御し、該当フロート21の空気圧送管27へ所定量の空気を挿入ないし抜去させる(s105)。こうして各フロート21の標高を制御し、ひいては土砂輸送管全体の勾配を基準勾配に保つことが出来る。
以上の本実施形態によれば、ダム貯水池有効容量を侵す土砂を、効率的かつ低コストで死水域に移送可能となる。
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 ダム貯水池
2 ダム貯水池上流
3 ダム貯水池直上流
4 死水域
5 支川
6 流水
7 水面
8 ダム堤体
9 水底
10 土砂移送設備
11 貯砂ダム
12 導水路
13 通過流水
14 分派堰
15 堤体
16 呑口
17 土砂輸送管
18 吐出口
19 シルトフェンス
20 架台
21 フロート
22 GPSユニット
23 水平器
25 通信ユニット
26 固定バンド
27 空気圧送管
28 エアポンプ
29 上部フレーム
30 縦部材開口
31 下部フレーム
32 バルーン
33 ワイヤー
34 ワイヤーウィンチ
35 アーム
36 横越流堰
40 圧送管
41 フローティングバックホー
42 合流部
100 導水勾配調整装置
101 記憶装置
102 プログラム
103 メモリ
104 演算装置
105 通信装置
120 ネットワーク

Claims (6)

  1. 水および土砂を、ダム貯水池直上流にて堰き止め、土砂を含む流水を輸送する土砂輸送管へと流水を分派するための分派堰と、前記分派堰の堤体に設けた呑口を経由し、分派堰が堰き止めた前記流水および土砂をダム貯水池における死水域上の水面まで導く土砂輸送管とを含むことを特徴とする土砂移送設備。
  2. 前記土砂輸送管を陸上にて一定間隔で支持する架台と、前記土砂輸送管をダム貯水池の水上にて一定間隔で支持するフロートとを含むことを特徴とする請求項1に記載の土砂移送設備。
  3. 前記土砂輸送管は、前記呑口から前記吐出口に至る間で1/200程度以上の勾配が確保されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の土砂移送設備。
  4. 前記土砂輸送管が複数本備わっており、各土砂輸送管の呑口は、前記分派堰の堤体において、鉛直方向に互いに離間して配置されているものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の土砂移送設備。
  5. 死水域上の水面に位置する前記土砂輸送管の吐出口を覆う鞘管とその周囲を囲むシルトフェンスを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の土砂移送設備。
  6. ム貯水池直上流に設置した分派堰において、砂を含む流水を堰き止めて、当該分派堰の堤体に呑口を設けた土砂輸送管により、前記分派堰が堰き止めた前記土砂を含む流水をダム貯水池における死水域上の水面まで導いて吐出口から吐出させる、ことを特徴とする土砂移送方法。
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