JP6079542B2 - パルプ白色度の推定装置およびその推定方法 - Google Patents

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Description

本発明はパルプの白色度の推定装置およびその推定方法に関する。
紙の原料となるパルプの製造工程には多くのセンサーが設置され、製造途中の温度や流量、圧力、pHなどに加え製品品質に係わる重要な原料性状についても測定、管理許容値を満たしているかどうか監視している。
図1に、典型的なクラフトパルプの多段漂白工程のプロセス・フローを示す。この漂白工程では、パルプ原料は二酸化塩素漂白段D0段、苛性ソーダ、酸素および過酸化水素添加アルカリ抽出段Eop段、二酸化塩素漂白段D1段を組み合わせた漂白工程が適用され、漂白を終えたパルプ原料は、複数の貯蔵槽に貯蔵される。このようにパルプ漂白工程の後工程には、通常、複数基からなる大容量の貯蔵槽が設置される場合が多く、パルプ原料は、その保管を兼ねてこの貯蔵槽内を日単位オーダーの長時間をかけて通過した後、抄紙機に送液される。そのため、例えばパルプ原料中の残留塩素濃度の多寡や、原料温度、貯蔵槽での滞留時間の長短に従って貯蔵槽内部で漂白反応がさらに進行し、パルプ白色度が変化していく。
特開2013−7135号公報
亀井他、「カルマンフィルターを応用した水需要予測のオンライン化」、横河技報、1981年、Vol.25、No.4
しかしながら、この貯蔵槽の後ラインにはオンラインの白色度センサーが設置されていないことがあるため、数時間置きに定期的に測定される手分析白色度の離散値データを基に最終品質を管理しなくてはならず、最終白色度を安定的に管理することが難しいという課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、仮想センサー(ソフトセンサー)機能を用いて最終白色度を推定することにより、パルプ白色度を連続的に推定管理することを可能にするパルプ白色度の推定装置およびその推定方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、パルプ原料が漂白工程を経て貯蔵槽に貯蔵され、前記貯蔵槽から取り出されたパルプ原料の貯蔵槽出白色度を推定するパルプ白色度の推定方法であって、前記漂白工程中のパルプ原料の残留塩素濃度、前記漂白工程中のパルプ原料の温度、前記漂白工程中のパルプ原料の白色度、前記漂白工程中のパルプ原料の蒸解および/または漂白の進行度合い、前記パルプ原料の送り流量、ならびに前記漂白工程で添加された漂白薬品の添加率を実測するステップと、前記貯蔵槽出白色度を目的変数とし、前記漂白工程中のパルプ原料の残留塩素濃度、前記漂白工程中のパルプ原料の温度、前記漂白工程中のパルプ原料の白色度、前記漂白工程中のパルプ原料の蒸解および/または漂白の進行度合い、前記パルプ原料の送り流量、前記漂白工程で添加された漂白薬品の添加率、ならびに前記貯蔵槽でのパルプ原料滞留時間を説明変数とする重回帰推定モデル式から前記貯蔵槽出白色度の推定値を算出するステップと、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、さらに、前記貯蔵槽出白色度を実測するステップと、前記貯蔵槽出白色度の実測値に基づき、前記重回帰推定モデル式の説明変数の係数値を補正するステップと、を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のパルプ白色度の推定方法において、前記漂白工程は、二酸化塩素漂白段であるD0段、苛性ソーダ、酸素および過酸化水素添加アルカリ抽出段であるEop段および二酸化塩素漂白段であるD1段からなり、前記漂白工程中のパルプ原料の残留塩素濃度は前記D1段出の原料の残留塩素濃度であり、前記漂白工程中の前記パルプ原料の温度は前記D1段出の原料温度であり、前記漂白工程中の前記パルプ原料の白色度は、前記D1段出パルプ原料の白色度および前記Eop段出の白色度であり、前記漂白工程中の前記パルプ原料の蒸解および/または漂白の進行度合いは、前記Eop段出パルプ原料の過マンガン酸カリウム価(以下、K価と呼ぶ。)であり、前記漂白工程で前記パルプ原料に添加された漂白薬品の添加率は、前記D1段での二酸化塩素(ClO)添加率、ならびに前記Eop段での苛性ソーダ(NaOH)添加率および過酸化水素(H)添加率であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパルプ白色度の推定方法において、前記パルプ原料滞留時間は、前記貯蔵槽に貯蔵されたパルプ原料の全貯蔵量を前記貯蔵槽からの全送液流量で割った値とすることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパルプ白色度の推定方法において、前記パルプ原料滞留時間は、前記貯蔵槽に貯蔵されたパルプ原料の全貯蔵量を前記貯蔵槽への平均送液流量から前記全貯蔵量の平均変化速度を引いたもので割った値とすることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のパルプ白色度の推定方法において、前記重回帰推定モデル式の説明変数の係数値を補正するステップは、前記貯蔵槽出白色度の実測値に基づき、指数平滑法を用いて前記重回帰推定モデル式の定数項を補正することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載のパルプ白色度の推定方法において、前記重回帰推定モデル式の説明変数の係数値を補正するステップは、前記貯蔵槽出白色度の実測値に基づき、カルマンフィルターを用いて前記重回帰推定モデル式の説明変数の係数値および定数項を補正することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、パルプ原料が漂白工程を経て貯蔵槽に貯蔵され、前記貯蔵槽から取り出されたパルプ原料の貯蔵槽出白色度を推定するパルプ白色度の推定装置であって、前記漂白工程中のパルプ原料の残留塩素濃度、前記漂白工程中のパルプ原料の温度、前記漂白工程中のパルプ原料の白色度、前記漂白工程中のパルプ原料の蒸解および/または漂白の進行度合い、前記パルプ原料の送り流量、ならびに前記漂白工程で添加された漂白薬品の添加率を取得する手段と、前記貯蔵槽でのパルプ原料滞留時間の推定値を算出する手段と、前記貯蔵槽出白色度を目的変数とし、前記漂白工程中のパルプ原料の残留塩素濃度、前記漂白工程中のパルプ原料の温度、前記漂白工程中のパルプ原料の白色度、前記漂白工程中のパルプ原料の蒸解および/または漂白の進行度合い、前記パルプ原料の送り流量、前記漂白工程で添加された漂白薬品の添加率、ならびに前記貯蔵槽でのパルプ原料滞留時間を説明変数とする重回帰推定モデル式から前記貯蔵槽出白色度の推定値を算出する手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、従来、1日数回、定期的に測定される手分析値によってしか知り得なかった、複数基からなる大容量の貯蔵槽出のパルプ白色度の値を、連続値としてほぼ良好に推定することができるようになり、品質管理のガイド機能として活用して行くことが可能となる。
典型的なクラフトパルプの多段漂白工程のプロセス・フローを示す図である。 重回帰型推定モデルの概念図である。 典型的な複数基ある貯蔵槽周辺のプロセス・フローを示す図である。 貯蔵槽内でのパルプ原料の滞留時間を下流側から計算した結果と上流側から計算した結果を示す図である。 貯蔵槽出のパルプ白色度の実測値を丸印で示し、平滑定数α=1として指数平滑法で補正した推定値を実線で示す図である。 実際のパルプ白色度のプロセスデータと実測値データを用いて、推定モデル式の各変数の係数値(a、・・・、a10)が逐次計算で補正されていく状態を示す図である。 実際のパルプ白色度のプロセスデータと実測値データを用いて、推定モデル式の定数項の値(C)が逐次計算で補正されていく状態を示す図である。 (a)は指数平滑法によるパルプ白色度の推定値(平滑定数α=1)を示し、(b)はカルマンフィルターによるパルプ白色度の推定値を示す図である。 長期間にわたるパルプ白色度の推定値と手分析実測値を散布図形式に引き直したグラフである。 貯蔵槽出のパルプ白色度の推定計算を実行する画面例を示す図である。
本発明は、重回帰式で近似した推定モデル式からパルプ白色度の推定を行う方法を提供する。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明では、仮想センサーであるソフトセンサーによって大容量の貯蔵槽内を通過後のパルプ原料の白色度を、重回帰式を使って推定する。そこで先ず、その重回帰式で用いる説明変数の1つとして必要な貯蔵槽でのパルプ原料滞留時間の推定計算方法、及び、その他の説明変数の選定例について述べる。次に、その推定精度を保持して行くため、1日に数回、定期測定されるパルプ白色度の手分析実測値を活用して、重回帰式を指数平滑法、カルマンフィルターを用いて逐次補正する方法について述べる。
化学プロセスなどにおいて、センサーが設置されていないポイントのプロセス値を推定する方法の1つとして、一次式からなる簡便な重回帰型の推定モデル式から算出する方法が知られている。図2に、重回帰型推定モデルの概念図を示す。目的とする推定値yと、複数の入力値データ群x、x、x、・・・の間に成立する関係をブラックボックスとみなし、推定モデル式を統計解析手法により見つけ出すことができる。
Figure 0006079542
この推定モデル式はブラックボックスモデルとも呼ばれるが、ここでは、この一次の線形式(重回帰式)を推定モデルに利用して行く。尚、一般的に、推定値yは目的変数、入力値x、x、・・・、xは説明変数と呼ばれる。
<1.推定モデル式の構成について>
例えば、漂白工程後の複数基からなる大容量の貯蔵槽から長時間後に取り出されるパルプ原料の白色度は、パルプ原料に残留した漂白薬品の残塩素濃度の多寡や、原料温度、貯蔵槽での滞留時間の長短に従って貯蔵槽内部で自然に漂白反応がさらに進行、白色度が変化してくる。
前述したように、ソフトセンサーの推定モデル式には、線形重回帰式モデルが多く使われ、そのモデル式を構成する係数値a、a、・・・、aは、通常、最小二乗法を用いた重回帰分析やPLS(Partial Least Squares)回帰法を用いた統計解析で求める。
ここでは、二酸化塩素漂白段(D0段)、苛性ソーダ、酸素および過酸化水素添加アルカリ抽出段(Eop段)および二酸化塩素漂白段(D1段)からなる漂白工程で作られた後、それに付随する貯蔵槽で長時間滞留した後に取り出されたパルプ原料について統計解析を行なった。すなわち、このパルプ原料に対し、漂白工程で経てきた多数の操作項目の操業データと、約3か月分の手分析データ(500データほど)とからなる貯蔵槽出のパルプ白色度のデータを用いて統計解析を行なった。その結果、貯蔵槽出のパルプ白色度は、主に下記10個の説明変数と強い相関を持つことが判った。
[1]原料送り流量
[2]Eop段での苛性ソーダ(NaOH)添加率
[3]Eop段での過酸化水素(H)添加率
[4]D1段での二酸化塩素(ClO)添加率
[5]D1段出パルプ原料の白色度
[6]D1段出パルプ原料の温度
[7]D1段出パルプ原料の残留塩素濃度
[8]Eop段出パルプ原料の白色度
[9]Eop段出パルプ原料のK価
[10]貯蔵槽でのパルプ原料滞留時間
ここでK価とは、パルプ原料の蒸解および/または漂白の進行度合いの指標となる、リグニン成分含有量を評価する指標である。尚、これら10個の説明変数は必ずしも全て用いなければならない訳ではない。また、上記以外の説明変数として、例えば、外気温度などをさらに加えても良い。
尚、これらの説明変数に使うデータとして、貯蔵槽出のパルプ原料の白色度の手分析データのサンプリング時刻に対応した、それぞれ変数毎の遅れ時間を考慮したプロセスデータを用いたデータ群で統計解析作業を進めていかなければならない点に注意が必要である。
貯蔵槽でのパルプ原料滞留時間Tは、操業状況や貯蔵槽の運用によって大きく変わるため一定値として決め難いが、相関が強く見られる値を採用すれば実用に耐え得るパルプ白色度の推定を行うことができる。
但し、パルプ原料滞留時間Tなどの遅れ時間の決定に際しては、解析対象のプロセスデータを個別にグラフ化して判断し決定していくことも可能であるし、相互相関解析やシステム同定ツールなどのいろいろな解析ツールがあるので、それらを利用して行うこともできる。
統計解析によって求めた重回帰式は、最終的に、各説明変数、各説明変数の係数値a、・・・、a10、各説明変数の遅れ時間(T+L)、・・・、(T+L)を用いて(2)式のように表わせる。この遅れ時間とは、各説明変数について測定したパルプ原料が貯蔵槽から出てくるまでの時間を表わすもので、説明変数の測定位置によって各遅れ時間(T+L)、・・・、(T+L)が変わってくるので注意が必要である。尚、時間をさかのぼることになるため、式中のこの遅れ時間にはマイナス符号を付けている。
貯蔵槽出パルプ白色度=
×[原料送り流量(−(T+L))]
+a×[Eop段でのNaOH添加率(−(T+L))]
+a×[Eop段でのH添加率(−(T+L))]
+a×[D1段でのClO添加率(−(T+L))]
+a×[D1段出パルプ原料の白色度(−(T+L))]
+a×[D1段出パルプ原料の温度(−(T+L))]
+a×[D1段出パルプ原料の残留塩素濃度(−(T+L))]
+a×[Eop段出パルプ原料の白色度(−(T+L)]
+a×[Eop段出パルプ原料のK価(−(T+L))]
+a10×[貯蔵槽でのパルプ原料滞留時間]+C (2)
<2.貯蔵槽の滞留時間の計算方法について>
上述のように、この推定モデル式の説明変数の中に、貯蔵槽でのパルプ原料の滞留時間を含んだが、この値の正確な計算は容易ではない。
図3に、典型的な複数基ある貯蔵槽周辺のプロセス・フローの一例を示す。尚、実際の貯蔵槽周辺のプロセス・フローの多くは複雑であるが、図3は単純化したプロセス・フローを示している。一般に、複数の貯蔵槽を持つ場合、パルプ原料は必ずしも貯蔵槽に入れた順に貯蔵槽から取り出していく、所謂「先入れ先出し」の形態が取られない。どの貯蔵槽から原料を取り出して行くかは、その時々の状況や貯蔵槽の運用を行う担当者の判断に任されている。従って、貯蔵槽内のパルプ原料の滞留時間は、おおよその近似値としてでしか求めることはできない。
そこで、以下に説明するように、一般化したフロー・モデルでの貯蔵槽内での原料滞留時間の計算方法の概要について説明する。
<2−1.滞留時間を下流側から計算する方法>
貯蔵槽からのパルプ原料の取り出しは、実際には、複数の搬送ポンプの起動、停止に加え、配管に設置のバルブを搬送先に応じて開閉して切り替え、複数の搬送先に送液して行くが、複数の流量計の測定値を基に全送液流量D(m/Hr)を求める。
また、貯蔵槽の貯蔵量Sは(貯蔵槽の断面積)×(貯蔵槽の底から原料液面までの高さ)として求まり、複数の貯蔵槽がある場合、各貯蔵槽の時刻tの貯蔵量S1、S2、・・・、Sn(m)が計算できる。それら全貯蔵槽の貯蔵量の総和値S(m)=S1+S2+・・・+Snが、現在、貯蔵されているパルプ原料の総量になる。そして、原料滞留時間の概値は次式で近似計算できる。
現在貯蔵槽から取り出されたパルプ原料の推定滞留時間(Hr)
≒S/D (3)
尚、貯蔵槽からのパルプ原料の取り出し形態に対して、流量計が配管ラインに適切に設置されていないような場合には、以下に説明する、上流側から計算する方法が利用できる。
<2−2.滞留時間を上流側から計算する方法>
上述したように、複数の貯蔵槽がある場合、時刻tにおける全貯蔵槽に貯蔵されているパルプ原料の総量は、S(m)=S1+S2+・・・+Snになる。また、一定時間経過毎(ΔT:例えば、1時間毎)の貯蔵量の総和値の増減から貯蔵総量の平均変化速度Vave(m/Hr)が計算できる。貯蔵槽群への総送液流量が流量計でオンライン測定されている場合、一定時間ΔTの間の貯蔵槽群への送液流量の積算値、或いは、現在の送液流量の値に一定時間長のΔTを乗じた値から、貯蔵槽群への平均送液量Dave(m/Hr)が近似的に計算できる。最終的に、現在時点に貯蔵槽から取り出されたパルプ原料の滞留時間を近似的に下記の式で計算する。
現在貯蔵槽から取り出されたパルプ原料の推定滞留時間(Hr)
≒S/(Dave−Vave) (4)
但し、この上流側から計算する方法では、一定時間ΔTごとにしか計算できないため、滞留時間の計算値は時間ΔT置きの離散値になる。
図4に、貯蔵槽内でのパルプ原料の滞留時間を下流側から計算した結果と上流側から計算した結果を示す。両者は、ほぼ良く似た値で計算される。
<3.推定モデル式の自動補正方法について>
上述したように、ソフトセンサーには線形重回帰式が多く使われ、そのモデル式を構成する係数値は、通常、最少二乗法を用いた重回帰分析やPLS回帰などの統計解析で求めて行く。しかし、そこで求められた係数値は、通常、時間と共に劣化して次第に合わなくなる。そのため、モデル式中の各係数値は、離散的に測定される実測値情報を基に適切な形で補正されて行くことが望まれる。
以下に、補正方法について説明する。
<3−1.指数平滑法による補正>
指数平滑法は、重回帰モデル式の定数項だけを自動補正する、計算が容易で理解し易い簡便な方法である。この指数平滑法は、重回帰モデル式の説明変数の各係数値、即ち、目的変数への変化影響度である影響ゲイン値に当たる係数値の大きさが、基本的に余り変化しないことを前提とする。
重回帰モデル式は、最初、良好に推定できていても、長期間使い続けて行く間に、様々な外乱により、実際の値と推定値が乖離してくる。しかし、この乖離幅は推定モデル式の定数項の変更だけで改善されることが多い。そのため、実測値と実測原料のサンプリング時刻と同時刻に推定された推定値と実測値の両者を比較して、推定モデル式の定数項だけについて指数平滑法で自動補正して合わせ込むことができる。
指数平滑法での定数項の補正量は次の(5)式で計算される。尚、(5)式のBの上に記載の−(バー)印は、指数平滑法で補正後のBの値を示し、補正前の−印無しのBと区別している。
Figure 0006079542
ここで、ΔCは推定モデル式の定数項の補正量(平滑値)、ΔBは(白色度の実測値−白色度の推定値)、αは平滑定数を表わす。
この式中では平滑定数αが使われ、一般にα=0.2〜0.5程度が良いとされるが、実測値の情報入力が日に数回のように低頻度の場合には、どうしても推定モデル式の補正項Cの修正速度が遅くなる傾向にあり問題となる場合がある。
そのためα=1を設定し、実測値と推定値の偏差の全量を直接、補正していく場合も多い。図5に、貯蔵槽出のパルプ白色度の実測値を丸印で示し、平滑定数α=1として指数平滑法で補正した推定値を実線で示す。
<3−2.カルマンフィルターによる補正>
カルマンフィルターを用いた補正方法は、指数平滑法のように定数項だけでなく、重回帰モデル式に現われる全ての係数値を逐次的に補正することができる。尚、ここで用いたカルマンフィルターは、システム雑音をゼロと仮定している。
前述のように、重回帰型の推定モデル式は次式で表わされる。
Figure 0006079542
これを行列形式で記述し直すと下記の(7)式、(8)式、(9)式のようになる。但し、行列Aは重回帰型の推定モデル式の各変数の係数値と定数項の値からなる(N+1)行×1列の行列、行列Xは推定モデル式で採用された説明変数のプロセス値と「1」の定数からなる1行×(N+1)列の行列である。Yは、行列Aと行列Xの積であってスカラー値となる。このYは推定モデル式の目的変数に当たる、ここでは貯蔵槽出のパルプ白色度の推定値に該当する。
Figure 0006079542
Figure 0006079542
Figure 0006079542
ここで、現在の推定モデル式により(9)式で推定されたYの値と実測値との誤差の平均値をゼロにすると共に、(10)式のように、その誤差の過去から現在に至るまでの総和Lを最小化するように、行列A全体に対し補正を施して行く。
Figure 0006079542
この補正操作にカルマンフィルター(非特許文献1参照)を適用する場合、新しい実測値が情報として入力される毎に、(11)式、(12)式、(13)式で示した計算処理を順番に繰り返し、推定モデル式の各変数の係数値と定数項からなる行列Aを逐次的に補正すればよい。
但し、式中の上付きの添字「T」は行列計算での転置行列、同じく上付きの添字「−1」は逆行列を示し、下付きの添字「j」は、実測により入力された測定データの番号を示す。
ベクトルPは分散共分散行列と呼ばれる行列であり、カルマンフィルターゲイン行列Kは、実測により新しい測定データが入力されるごとに(12)式の計算に従って更新される。そして(13)式に従い行列計算を行うことで、重回帰型の推定モデル式の各係数値a、a、a、・・・、a及び定数項の値Cは補正されていく。
Figure 0006079542
Figure 0006079542
Figure 0006079542
尚、分散共分散行列Pは、初期値として適当な値(例えば、任意の対角行列など)を設定しておけば良い。
この逐次計算により、推定値と実測値データとの誤差の平均値をゼロにすると同時に、分散共分散行列を構成する数値を次第に小さくしていくことができる。
図6に、実際のパルプ白色度のプロセスデータと実測値データを用いて、推定モデル式の各変数の係数値が逐次計算で補正されていく状態を示す。また、図7に、実際のパルプ白色度のプロセスデータと実測値データを用いて、推定モデル式の定数項の値が逐次計算で補正されていく状態を示す。横軸に上記補正操作の回数を示し、縦軸は図6では推定モデル式の説明変数の各係数値(a、・・・、a10)、図7には定数項(C)の値の一例を示したが、各値は補正操作を繰り返して行くにつれ、次第にそれぞれの安定値に落ち着いていく。
図8(a)に指数平滑法によるパルプ白色度の推定値(平滑定数α=1)を示し、図8(b)にカルマンフィルターによるパルプ白色度の推定値を示す。図8(a)、(b)では、丸印がパルプ白色度の数時間置きの手分析による実測値の推移を示し、実線が推定値を示している。推定モデル式を、手分析の実測値データの情報を基に逐次補正を施している貯蔵槽出のパルプ白色度のトレンド推移は、どちらの補正方法であっても、実測値に対し、良好に追従している。
図9に、長期間にわたるパルプ白色度の推定値と手分析実測値を散布図形式に引き直したグラフを示す。推定値と手分析実測値の分布は一直線状にはならず、一定の幅を持って広がっているが、実用に足るだけの相関が認められた。本発明は、貯蔵槽から取り出されるパルプ白色度を連続値として管理することを可能にし、従来の手分析実測値だけでの間欠的な管理に対し、操業時の補助機能として有効である。
図10に、貯蔵槽出のパルプ白色度の推定計算を実行する画面例を示す。表の一番下段の中央の枠内の数値(85.83%と記される数値)は、推定計算された貯蔵槽出のパルプ白色度を示している。また、表の最左列に上から下方に従って、推定モデル式の説明変数を示し、左から2列目は重回帰式モデルとした各説明変数の係数値を、左から3列目は推定計算に使用した各プロセス値(演算入力値)を示している。尚、係数値の列の最下段欄外は定数項の値を示している。
また、本システムの拡張機能として、原料温度や残留塩素濃度、貯蔵槽での原料滞留時間などのプロセス値を模擬的に変更し、パルプ白色度が変化してくる影響を自由にシミュレーションできる機能も容易に実現できる。
図10の表の一番下段の右側の枠内の数値(85.95%と記される数値)は、その時に推定計算された貯蔵槽出のパルプ白色度のシミュレーション値例を示しており、表の最右列は、シミュレーション計算に用いる各々のプロセス値の模擬入力値を入力する。尚、表の欄外右上部にある「演算入力値コピー」ボタンを押すと、右から2列目に表示されているプロセス値(演算入力値)と同じ値がコピーされて入力され、かかる機能を有することにより入力の手間が省かれる。
但し、このシミュレーション機能による推定値は、現在、貯蔵槽から取り出されるパルプ原料の推定白色度ではなく、貯蔵槽での現在の滞留時間だけ経過した後に貯蔵槽から取り出される推定白色度の推定値であることに注意が必要である。
また、手分析値は日に数回しか測定されないためパルプ白色度のトラブルに繋がる場合も時に発生することがあるが、本機能で計算された推定値が管理値を逸脱した時に、警報(アラーム)を自動的に出して操業者にパルプ白色度異常推定として注意を促す利用方法も考えられる。
また本手法は、クラフトパルプの漂白に限らず、機械パルプ漂白、古紙パルプ漂白などでの、貯蔵槽を通過した後のパルプ白色度値の管理に利用できる。さらに、パルプ白色度に限らず、貯蔵槽を通過した後に管理が必要な、例えば、残留塩素濃度、K価などに対しての同様な推定管理にも利用できる。

Claims (8)

  1. パルプ原料が漂白工程を経て貯蔵槽に貯蔵され、前記貯蔵槽から取り出されたパルプ原料の貯蔵槽出白色度を推定するパルプ白色度の推定方法であって、
    前記漂白工程中のパルプ原料の残留塩素濃度、前記漂白工程中のパルプ原料の温度、前記漂白工程中のパルプ原料の白色度、前記漂白工程中のパルプ原料の蒸解および/または漂白の進行度合い、前記パルプ原料の送り流量、ならびに前記漂白工程で添加された漂白薬品の添加率を実測するステップと、
    前記貯蔵槽でのパルプ原料滞留時間の推定値を算出するステップと、
    前記貯蔵槽出白色度を目的変数とし、前記漂白工程中のパルプ原料の残留塩素濃度、前記漂白工程中のパルプ原料の温度、前記漂白工程中のパルプ原料の白色度、前記漂白工程中のパルプ原料の蒸解および/または漂白の進行度合い、前記パルプ原料の送り流量、前記漂白工程で添加された漂白薬品の添加率、ならびに前記貯蔵槽でのパルプ原料滞留時間を説明変数とする重回帰推定モデル式から前記貯蔵槽出白色度の推定値を算出するステップと、
    を有することを特徴とするパルプ白色度の推定方法。
  2. 前記貯蔵槽出白色度を実測するステップと、
    前記貯蔵槽出白色度の実測値に基づき、前記重回帰推定モデル式の説明変数の係数値を補正するステップと、
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のパルプ白色度の推定方法。
  3. 前記漂白工程は、二酸化塩素漂白段であるD0段、苛性ソーダ、酸素および過酸化水素添加アルカリ抽出段であるEop段および二酸化塩素漂白段であるD1段からなり、
    前記漂白工程中のパルプ原料の残留塩素濃度は前記D1段出の原料の残留塩素濃度であり、
    前記漂白工程中の前記パルプ原料の温度は前記D1段出の原料温度であり、
    前記漂白工程中の前記パルプ原料の白色度は、前記D1段出パルプ原料の白色度および前記Eop段出の白色度であり、
    前記漂白工程中の前記パルプ原料の蒸解および/または漂白の進行度合いは、前記Eop段出パルプ原料の過マンガン酸カリウム価(K価)であり、
    前記漂白工程で前記パルプ原料に添加された漂白薬品の添加率は、前記D1段での二酸化塩素(ClO)添加率、ならびに前記Eop段での苛性ソーダ(NaOH)添加率および過酸化水素(H)添加率である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパルプ白色度の推定方法。
  4. 前記パルプ原料滞留時間は、前記貯蔵槽に貯蔵されたパルプ原料の全貯蔵量を前記貯蔵槽からの全送液流量で割った値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパルプ白色度の推定方法。
  5. 前記パルプ原料滞留時間は、前記貯蔵槽に貯蔵されたパルプ原料の全貯蔵量を前記貯蔵槽への平均送液流量から前記全貯蔵量の平均変化速度を引いたもので割った値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパルプ白色度の推定方法。
  6. 前記重回帰推定モデル式の説明変数の係数値を補正するステップは、前記貯蔵槽出白色度の実測値に基づき、指数平滑法を用いて前記重回帰推定モデル式の定数項を補正することを特徴とする請求項2に記載のパルプ白色度の推定方法。
  7. 前記重回帰推定モデル式の説明変数の係数値を補正するステップは、前記貯蔵槽出白色度の実測値に基づき、カルマンフィルターを用いて前記重回帰推定モデル式の説明変数の係数値および定数項を補正することを特徴とする請求項2に記載のパルプ白色度の推定方法。
  8. パルプ原料が漂白工程を経て貯蔵槽に貯蔵され、前記貯蔵槽から取り出されたパルプ原料の貯蔵槽出白色度を推定するパルプ白色度の推定装置であって、
    前記漂白工程中のパルプ原料の残留塩素濃度、前記漂白工程中のパルプ原料の温度、前記漂白工程中のパルプ原料の白色度、前記漂白工程中のパルプ原料の蒸解および/または漂白の進行度合い、前記パルプ原料の送り流量、ならびに前記漂白工程で添加された漂白薬品の添加率を取得する手段と、
    前記貯蔵槽でのパルプ原料滞留時間の推定値を算出する手段と、
    前記貯蔵槽出白色度を目的変数とし、前記漂白工程中のパルプ原料の残留塩素濃度、前記漂白工程中のパルプ原料の温度、前記漂白工程中のパルプ原料の白色度、前記漂白工程中のパルプ原料の蒸解および/または漂白の進行度合い、前記パルプ原料の送り流量、前記漂白工程で添加された漂白薬品の添加率、ならびに前記貯蔵槽でのパルプ原料滞留時間を説明変数とする重回帰推定モデル式から前記貯蔵槽出白色度の推定値を算出する手段と、
    を備えたことを特徴とするパルプ白色度の推定装置。
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