以下、天井面(取付面)に直付けされる直付け照明器具に本発明の技術思想を適用した実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。以下では図4に示す向きにおいて上下方向を規定して説明するが、この方向は説明の便宜上定義するものであり、実際の取付方向が上記の方向に限定されるものではない。尚、照明器具は直付け型に限定されるものではなく、取付面に埋め込まれた状態で設置される埋込型でもよい。
本実施形態の照明器具は、図2〜図4に示すように、本体ユニット10と、光源ユニット20と、枠ユニット30と、透光性のパネル40とを備えている。
本体ユニット10は、本体11と、保持バネ12と、端子台13a,13bとを備える。
本体11は、金属板に曲げ加工を施すことによって形成される。本体11は、取付面(例えば天井面)100に固定される矩形の固定板11aと、固定板11aの周縁部から下方に突出する側板11bとで、下面が開口した扁平な四角箱状に形成されている。
固定板11aの下面(取付面100と反対側の表面)には、対向する2つの側板11bの近傍に、それぞれ2個ずつの保持バネ12が所定の間隔を開けて配置されている。保持バネ12は、弾性を有する金属の板部材を折り曲げ加工することによって形成され、枠ユニット30を保持するために用いられる。この保持バネ12は、図2及び図3に示すように、固定板11aに固定される中央片12aと、中央片12aの両端からそれぞれ枠ユニット30側に突出して、後述の取付金具34を両側から挟持する一対のバネ片12bとを備えている。
保持バネ12が近傍に配置された2つの側板11bのうち、一方の側板11bには、固定板11aと側板11bとの角部に貫通孔14が形成されている。貫通孔14が設けられた側板11bには、貫通孔14よりもやや下側にスリット15が形成されている。
固定板11aの下面には、商用電源からの給電線(図示せず)が接続される電源用の端子台13bと、外部から調光信号を入力するための調光信号線(図示せず)が接続される端子台13aが取り付けられている。固定板11aには、端子台13aの近傍に通線用の孔16aが設けられ、端子台13bの近傍に通線用の孔16bが設けられている。而して、外部から孔16bを通して本体11の内側に導入された給電線が端子台13bに接続され、孔16aを通して本体11の内側に導入された調光信号線が端子台13aに接続されるようになっている。また固定板11aには、本体11を天井面に固定するネジを通すための孔17が複数箇所に設けられている。尚、図2では孔17が1箇所のみ図示されている。
光源ユニット20は、反射部材21と、4組のLEDモジュール22と、点灯装置27とを備える。
反射部材21は、金属板に曲げ加工を施すことによって形成される。反射部材21は、図1、図6及び図7に示すように、矩形の天板21a(平板部)と、天板21aの対向2辺から延長する部位を折り曲げることによって形成された矩形の側板21bと、天板21aの別の対向2辺から延長する部位を折り曲げることによって形成された矩形の側板21cとで、下面が開口した扁平な四角箱状に形成されている。また側板21bの先端部を外側に折り曲げることによって細幅の外鍔21dが形成され、側板21cの先端部を外側に折り曲げることによって外鍔21dと同じ幅の外鍔21eが形成されている。側板21bの両端面には、三角形状の突起21fが2個ずつ設けられている。各々の突起21fには、組立状態において上下方向に沿って延びるスリット21gが形成されている。一方、側板21cの両端部には、組立状態において側板21bより外側まで張り出す耳片21hが設けられ、各々の耳片21hには、突起21fがそれぞれ挿入される孔21iが形成されている。
反射部材21の組立時には、先ず側板21cとなる板片の先端部を外側に略直角に折り曲げて外鍔21eを形成する。次に天板21aの対向2辺から突出する板片(側板21bとなる板片)を折り曲げるとともに、天板21aの別の対向2辺から突出する板片(側板21cとなる板片)を折り曲げて、突起21fを対応する孔21iに挿入させる(図1(a)参照)。この状態から、孔21iを通して側板21cの反対側に突出する突起21fの部位を、耳片21hと反対側に折り曲げると、図1(b)に示すように、突起21fによって側板21cが側板21bの端面に押し付けられ、反射部材21が箱型に形成される。最後に、側板21bの先端部を外側に略直角に折り曲げて外鍔21dを形成する。
突起21fの曲げ部にはスリット21gが形成されており、スリット21gが形成された部位の強度が小さくなっているので、スリット21gの両側部で突起21fが折り曲げられることになり、突起21fを略同じ場所で折り曲げることができる。スリット21gを設けることで、スリット21gが形成された部位の強度が小さくなり、折り曲げられた突起21fが元の状態に戻りにくくなる。尚、スリット21gを形成するかわりに、突起21fの表面に溝を形成してもよく、スリット21gを形成したのと同様の効果が得られる。
側板21cに設けられた外鍔21eには、側板21bに設けられた外鍔21dと重なる部位に段部21jが設けられ、この段部21jが外鍔21dの上側に重ねて配置されるので、上下方向から見て外鍔21dと外鍔21eとの間の隙間を塞ぐことができる。外鍔21eと段部21jとの段差は、外鍔21dの厚み寸法と略同じ寸法に設定されており、段部21jは外鍔21dの上側に重なっているので、外鍔21dの下面と外鍔21eの下面はほぼ面一になる。
側板21cに設けられた孔21iは、組立状態において、側板21bの表面と平行な方向における両側部に比べ中間部の幅が広めに形成されているので、折り曲げ時に突起21fの先端が孔21iの内側に入り込みやすくなっている。
反射部材21の内面は光の反射率を高めるために白色塗装が施されており、LEDモジュール22からの照射光のうち、反射部材21側に照射された光を反射部材21が反射することで、反射部材21の開口部を通して前方に照射される光量を増やしている。また、組立状態において、外鍔21eの段部21jは外鍔21dの上側に重ねられており、反射部材21の塗装時に外鍔21dと外鍔21eの間の隙間に塗料が流れ込むことによって、外鍔21dと外鍔21eの間の隙間を埋めることができる。尚、反射部材21はカラー鋼板を折り曲げ加工することによって形成されてもよく、その場合は塗装の必要は無い。
反射部材21の天板21aの内面(下面)には、4セットのLEDモジュール22が縦横に2セットずつ並べて配列されている。各々のLEDモジュール22は、基板24と、反射シート25と、集合レンズ26とで構成される(図7参照)。
基板24には、複数個のLED23と、コネクタ29が実装されている。尚、基板24には、最大の光出力を得るために必要な個数のLED23を実装可能な回路配線がプリント配線技術を用いて形成されているが、照明器具の定格出力に合わせて必要な個数のLED23が実装されていればよい。
反射シート25は基板24の下面に貼り付けられている。反射シート25の下面は、光の反射率を高めるために白色に形成されている。反射シート25において、LED23及びコネクタ29にそれぞれ対応する位置には、LED23及びコネクタ29をそれぞれ露出させるための孔25aが複数個形成されている。
集合レンズ26は、透光性の高い合成樹脂(例えばシリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂など)の成型品からなり、複数あるLED23の各々に対応して設けられた複数のレンズ部26aを一体化したシート状に形成されている。
このLEDモジュール22は、反射シート25が貼り付けられた基板24と、集合レンズ26とを重ねた状態で、反射部材21にネジ止めされている。
点灯装置27は、矩形の金属板からなる底板27bとカバー27cとで構成されるケース27aの内部に、点灯回路が形成された回路基板27dを収納して構成される。
回路基板27dには、入力用のコネクタ27eと、出力用のコネクタ27fとが実装されている。本体11に取り付けられた端子台13a,13bと入力用のコネクタ27eとの間は電線(図示せず)を介して電気的に接続されており、点灯回路に電源が供給されるとともに、調光信号が入力される。出力用のコネクタ27fには、LEDモジュール22のコネクタ29との間をつなぐ出力線(図示せず)が接続されている。複数のLEDモジュール22は点灯回路の出力端間に直列接続されており、点灯回路からの供給電力によって各LEDモジュール22が点灯する。尚、複数のLEDモジュール22は点灯回路の出力端間に並列接続されていてもよく、照明器具の仕様に合わせて適宜変更が可能である。
点灯装置27は、底板27bが側板21cと並行し、且つ、底板27bと側板21cとの間に所定の隙間を開けた状態で、取付金具27gを用いて反射部材21の上面に取り付けられている。光源ユニット20が枠ユニット30に取り付けられた状態では、点灯装置27は、後述する枠体31の側部31bと立ち上げ部31cの間に配置される。
パネル40は、透光性を有する合成樹脂(例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂)により矩形板状に形成されており、後述する枠部31aの上側に載置されている。パネル40は乳白色に形成されて拡散性を有しているため、パネル40の内面は平滑な平面に形成されているが、パネル40の内面をプリズム形状としてもよい。
枠ユニット30は、枠体31と、反射部材21を枠体31に取り付けるための押さえ金具32及び固定金具33と、保持バネ12が係止する取付金具34と、本体ユニット10から枠ユニット30を吊り下げるための吊り金具35とを備える。枠ユニット30は、パネル40と光源ユニット20とを保持し、取付金具34を保持バネ12に係止させることによって本体ユニット10に取り付けられる。また、取付金具34が保持バネ12から外された状態では、吊り金具35が本体11の貫通孔14に係止することによって、本体11から枠ユニット30が吊り下げられた状態となる(図9(a)(b)参照)。この状態を仮吊り状態といい、仮吊り状態において、枠ユニット30は吊り金具35と貫通孔14との係止部位を支点にして回転自在に支持されている。
枠体31は、金属材料に曲げ加工を施して形成された4つの枠部材を例えば溶接接合することで四角い枠形に形成されている。枠体31は、パネル40を露出させるための四角い孔31dが中央に開口した枠部31aと、枠部31aの外縁から上側に突出する側部31bとを備えている。
枠部31aの上面には、枠部材の端部を折り曲げることによって、上向きに突出する立ち上げ部31cが4つ設けられている。4つの立ち上げ部31cの各々は、枠部31aの孔31d側の端縁から所定の幅だけ離して設けられ、孔31d側の端縁に沿って延びている。4つの立ち上げ部31cの各々には横長のスリット31eが長手方向中央部に形成されている。4つの立ち上げ部31cは、上下方向から見て正方形の各辺を為すように配置されており、4つの立ち上げ部31cで囲まれる領域にパネル40が上側から嵌め込まれる。
4つの立ち上げ部31cのうち、後述する吊り金具35が取り付けられた側部31bの近傍にある立ち上げ部31cには、押さえ金具32が取り付けられている。押さえ金具32は金属板に曲げ加工を施すことによって形成され、下側縁の一部を略直角に折り曲げることで係止片32aが形成されている。また、押さえ金具32の上下方向中間部を係止片32aと反対側に切り起こすことによって、先端が下側を向くL字形の引掛片32bが形成されている。押さえ金具32は、係止片32aを孔31d側に向け、引掛片32bを立ち上げ部31cの上端部に引っ掛けた状態で、立ち上げ部31cの側面(孔31d側の側面)に当接しており、この状態で立ち上げ部31cにネジ止めされる。押さえ金具32の係止片32aは、4つの立ち上げ部31cで囲まれる領域に嵌め込まれたパネル40の上側まで延びているので、係止片32によってパネル40の抜け止めが行われる。本実施形態では1つの立ち上げ部31cのみに押さえ金具32が取り付けられているが、他の3つの立ち上げ部31cに、パネル40の抜け止めを行うための押さえ金具が取り付けられていてもよい。
4つの立ち上げ部31cのうち、押さえ金具32が取り付けられた立ち上げ部31cと、孔31dを挟んで対向する立ち上げ部31cには、固定金具33が取り付けられている。固定金具33は、細長い金属板に曲げ加工を施すことによって形成される。固定金具33は、中央片33aと、中央片33aの長手方向一端側を略直角に折り曲げた横片33bと、中央片33aの長手方向他端側を横片33bと反対向きに略直角に折り曲げた係止片33cとを備えている。係止片33cの先端は、横片33b側に略直角に折り曲げられており、側方から見た形状がL形に形成されている。固定金具33は、立ち上げ部31cのスリット31eに係止片33cを通すことによって、係止片33cの角部とスリット31eの周縁部とが係止する部位を支点にして回転自在に立ち上げ部31cに取り付けられている。固定金具33の横片33bには、固定金具33が反射部材21を固定する位置に回転した状態で、反射部材21の上面に設けられたネジ孔21mに対応する部位に、ネジ36を通すための挿通孔33dが設けられている。
四方の側部31bのうち、枠ユニット30が本体ユニット10に取り付けられた状態で貫通孔14及びスリット15が設けられた側板11bと対向する側部31bには、枠ユニット30を本体ユニット10から吊り下げるための吊り金具35が取り付けられる。吊り金具35は、弾性係数が比較的小さい金属板を折り曲げることによって形成される。吊り金具35は、図3、図5及び図8(a)に示すように、側部31bの内面に沿って配置される矩形の中央片35aと、中央片35aの下辺から延長する部位を直角に折り曲げて形成された側面視L形の固定片35bと、中央片35aの上辺の左右両側部から延長する部位を斜め下向きに折り曲げて形成された側面視L形のフック35cを備える。ここで、側部31bと枠部31aと立ち上げ部31cの内側面に沿わせて吊り金具35は配置され、固定片35bを立ち上げ部31cに例えばネジで固定することによって、吊り金具35が枠体31に固定される。この状態ではフック35cが側部31bの上端付近から斜め下向きに突出しており、枠ユニット30が本体ユニット10に取り付けられた場合、フック35cは、本体11の貫通孔14内に挿入されている(図8(a)及び図10参照)。
枠部31aの上面において、吊り金具35で吊り下げられる側の端部、及び、それと反対側の端部の両方には、本体ユニット10に設けられた保持バネ12とそれぞれ対向する部位に取付金具34が配置されている。取付金具34は、弾性係数の小さい金属板を折り曲げ加工することによって形成され、側面から見てU字形に折り曲げられた脚部34aと、脚部34aの中央片から上側に突出する菱形の係止部34bを一体に備えている。取付金具34は、枠体31の側部31bと立ち上げ部31cの間に脚部34aが配置され、脚部34aの一方の脚片を立ち上げ部31cの内側面に当接させた状態で、例えばネジを用いて立ち上げ部31cにネジ止めされる。この状態で取付金具34の係止部34bは脚部34aの中央片から上側に突出している。
次に照明器具を組み立てる手順について説明する。尚、本体ユニット10には保持バネ12及び端子台13a,13bが取り付けられ、取付面(例えば天井面)100に取り付けられているものとする。光源ユニット20にはLEDモジュール22や点灯装置27が取り付けられ、LEDモジュール22と点灯装置27の間は配線で接続されているものとする。枠ユニット30には、押さえ金具32、固定金具33、取付金具34、吊り金具35などが取り付けられているものとし、パネル40及び光源ユニット20が取り付けられる前は、横片33bが略垂直に起立した状態となるように固定金具33を回転させている。
先ず、枠ユニット30に光源ユニット20を取り付ける作業について説明する。作業者は、押さえ金具32の係止片32aと枠部31aとの間にパネル40の端部が差し込まれるように、立ち上げ部31cで囲まれる領域にパネル40を斜め上側から差し込む。次に、作業者は、押さえ金具32の係止片32aとパネル40との間に外鍔21dが差し込まれるように、立ち上げ部31cで囲まれる領域に光源ユニット20を斜め上側から差し入れる。その後、作業者は、固定金具33を回転させて、固定金具33の横片33bを反射部材21の上面に重ね、挿通孔33dに通したネジ36をネジ孔21mにねじ込むことによって、光源ユニット20を枠ユニット30に取り付ける(図5及び図8(b)参照)。この取付状態では、四方に配置された立ち上げ部31cによって反射部材21の水平方向への移動が規制されるとともに、枠部31aの上面で反射部材21の下側への移動が規制され、係止片32aと固定金具33とで反射部材21の上側への移動が規制される。また、光源ユニット20はパネル40の上に載置されており、光源ユニット20の自重がパネル40に加わることで、光源ユニット20とパネル40との間の隙間を小さくしている。
次に、光源ユニット20が取り付けられた枠ユニット30を、天井面に取り付けられた本体ユニット10に取り付ける作業について説明する。作業者は、吊り金具35の位置が上側になるように枠ユニット30を持ち、枠ユニット30を本体ユニット10に近付けて、吊り金具35のフック35cを、本体11の側板11bに設けた貫通孔14内に挿入する。フック35cが貫通孔14内に挿入された状態で、作業者が枠ユニット30を下側に移動させると、フック35cが貫通孔14の端部に引っ掛かり、吊り金具35によって枠ユニット30が本体ユニット10から吊り下げられた状態(仮吊り状態)となる。この仮吊り状態で、作業者は、端子台13a,13bと点灯装置27のコネクタ27eとの間を電線(図示せず)で接続する。そして、作業者は、枠ユニット30の下部を本体ユニット10に近付けるように、フック35cと貫通孔14との係止部位を中心に枠ユニット30を回転させると、取付金具34の係止部34bの先端が、保持バネ12が備える一対のバネ片12bの間に挿入され、係止部34bによって一対のバネ片12bが互いに離れる方向に押し広げられる。この状態から作業者が枠ユニット30をさらに上側に押し込むと、一対のバネ片12bは、係止部34bの幅広部分を越えて、係止部34bの括れ部に係止するので、保持バネ12のバネ力によって枠ユニット30が本体ユニット10に取り付けられる。図8及び図10に示すように、枠ユニット30が本体ユニット10に取り付けられた状態では、吊り金具35のフック35cは、貫通孔14の端面よりも上側に位置し、フック35cと貫通孔14とは係止していない。
このようにして、枠ユニット30は、取付面100に固定された本体ユニット10に取り付けられる。光源ユニット20は、光源としてLEDを採用しており、LEDは蛍光灯や白熱球に比べて長寿命であるため、LEDモジュール22を交換する機会は減少すると考えられる。しかしながら、反射部材21とパネル40との隙間を通って、光源ユニット20とパネル40とで囲まれる空間に入り込んだ塵や埃や虫などがパネル40の内面に堆積すると、パネル40の内面が汚れるため、光源ユニット20を外してパネル40の内面を清掃する必要がある。
光源ユニット20を枠ユニット30から取り外すためには、先ず、本体ユニット10から枠ユニット30を外して、枠ユニット30を本体ユニット10から吊り下げた状態とする必要があり、この作業について以下に説明する。
枠ユニット30が本体ユニット10に取り付けられた状態で、作業者が枠ユニット30を下側に引っ張ると、係止部34bの幅広部分が一対のバネ片12bを押し、両バネ片12bを互いに離れる方向に撓ませる。この状態から作業者が枠ユニット30をさらに下側に引っ張ると、一対のバネ片12bが係止部34bの幅広部分を越え、係止部34bがバネ片12bの外に出る。枠ユニット30が下側に移動すると、フック35cが貫通孔14の端縁に引っ掛かる。フック35cと貫通孔14とが係止している状態で、作業者は、枠ユニット30の他端側を下側に移動させるように、フック35cと貫通孔14との係止部位を中心に枠ユニット30を回転させる。これにより、枠ユニット30は吊り金具35によって本体ユニット10から吊り下げられた状態となる(図9(a)(b)参照)。また、フック35cの先端の嵌合爪35dが、本体11の側板11bに設けられたスリット15内に挿入され、嵌合爪35dがスリット15の孔縁に当たることで、吊り金具35の上下方向への移動が制限される。
この状態で、作業者は、固定金具33と反射部材21とを結合するネジ36を外した後、光源ユニット20を枠ユニット30から斜め下向きに引き出ことにより、光源ユニット20を枠ユニット30から取り外すことができる。作業者は、パネル40の内面を清掃するなどのメンテナンス作業を行った後、立ち上げ部31cで囲まれる領域に光源ユニット20を斜め下側から差し入れる。作業者は、押さえ金具32の係止片32aとパネル40との間に外鍔21dを差し込んだ状態で、反射部材21の上面に固定金具33の横片33bを重ね、反射部材21と固定金具33をネジ36で結合する。光源ユニット20が枠ユニット30に取り付けられると、作業者は、枠ユニット30の下部を本体ユニット10に近付けるように、フック35cと貫通孔14との係止部位を中心に枠ユニット30を回転させる。この時、取付金具34の係止部34bの先端が、保持バネ12が備える一対のバネ片12bの間に挿入され、係止部34bによって一対のバネ片12bが互いに離れる方向に押し広げられる。この状態から作業者が枠ユニット30をさらに上側に押し込むと、一対のバネ片12bは、係止部34bの幅広部分を越えて、係止部34bの括れ部に係止するので、保持バネ12のバネ力によって枠ユニット30が本体ユニット10に取り付けられる。
本実施形態の照明器具は、以上説明したように、前面側が開口した箱形の反射部材21及び反射部材21の内側に配置されたLEDモジュール22を備える光源ユニット20と、光源ユニット20を保持して取付面に取り付けられる枠ユニット30とを備える。反射部材21は、LEDモジュール22が取り付けられる矩形状の天板21a(平板部)と、天板21aの四辺からそれぞれ延長する部位を折り曲げることによって形成された側板21b,21cとを備える。天板21aの隣り合う二辺から延長して設けられた2つの側板21b,21cのうち、一方の側板21bの端面には突起21fが、他方の側板21cには突起21fが嵌合する孔21iがそれぞれ設けられる。突起21fが設けられた側板21bの端面が、孔21iが設けられた側板21cの表面と接触し、突起21fが孔21iに挿入された状態で、孔21iを通って側板21cの反対面から突出した突起21fの部位が折り曲げられ、孔21iの周縁部に係止することによって、反射部材21が箱形に形成される。
このように、天板21aの各辺から延長する部位をそれぞれ折り曲げ、一方の側板21bに設けられた突起21fを、他方の側板21cに設けた孔21iに挿入し、孔21iを通って側板21cの反対面から突出した突起21fの部位を折り曲げ、孔21iの周縁部に係止させることによって、反射部材21が箱形に形成されている。これにより、反射部材21が箱形に形成された状態では、突起21fが設けられた側板21bの端面が、孔21iが設けられた側板21cの表面と密接に接触するから、側板21b,21cのつなぎ目にできる隙間が小さくなり、塵や埃や虫などの異物が隙間を通って内部に入り込みにくくなる。また、側板21b,21cのつなぎ目にできる隙間が小さくなるから、隙間から漏れる光、すなわち光のロスを低減することができる。
本実施形態では、突起21fは、先端側に行くほど先細となるような形状に形成され、孔21iは、突起21fの両端部が挿入される部位に比べて、突起21fの中央部が挿入される部位の幅が大きくなるような形状に形成されている。
これにより、天板21aの各辺から延長する部位をそれぞれ折り曲げて、側板21bに設けられた突起21fを、側板21cに設けた孔21iに挿入する際に、突起21fが孔21iに入り込みやすくなり、反射部材21の組立性が向上する。
また、本実施形態では、各々の側板の先端部を外側に折り曲げることによって形成された外鍔を備えており、側板21bの先端部には外鍔21dが設けられ、側板21cの先端部には外鍔21eが設けられている。孔21iが設けられた側板21cの端部(耳片21h)は、突起21fが設けられた側板21bよりも外側に張り出しており、耳片21hの先端部より外側に外鍔21d,21eが突出していない。
外鍔21d,21eは側板の先端部を折り曲げて形成されているので、耳片21hよりも強度的に弱くなるが、図8(a)(b)に示すように、パネル40の表面と直交する方向から見て、外鍔21d,21eは耳片21hの先端部より外側に突出していないので、反射部材21がパネル40の表面と平行な平面内で移動して他の部材(例えば枠体31)に接触した場合でも、耳片21hの先端部が当たることによって、耳片21hの先端部で荷重を受けることができ、外鍔21d,21eが変形しにくくなる。また、耳片21hの先端部より外側に外鍔21d,21eが突出していないから、反射部材21を枠体31に組み込む際に、外鍔21d,21eが枠体31の部品に干渉しにくくなり、組立作業がやりやすいという効果もある。