JP6077743B2 - ガス分析装置 - Google Patents
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Description
ガス中に含まれる各成分の含有量を分析するためのガス分析装置として、たとえば、配管中のガス流路に交差するようにプローブを配置し、光源からガスに向けて出射された測定光をプローブの先端部に配置されたリフレクタで反射させ、反射された測定光の情報に基づいて試料ガスの成分濃度を分析するものがある。
図8に示すプローブAは、内部を測定光が通過する中空のパイプ形状のプローブ管Bを備えており、このプローブ管Bが煙道C内のガス流路と交差するように配管側壁Dに取り付けられる。
配管側壁DはプローブAを取り付けるための取付部Eを有しており、フランジFを介してプローブAが取付部Eに取り付けられる。
プローブAの基端部には、プローブ管B内に測定光を出射する発光部Gと、反射光を受光する受光部Hとが設けられ、先端部には、発光部Gからの測定光を受光部H側に反射するリフレクタIが設けられている。
また、発光部G及び受光部Hを含む光学系部材を保護するためのパージガスが、プローブAの基端部側から先端部側へ流れている。このパージガスは、外気温でプローブA内に導入される。
このようなプローブAの構造において、プローブ管Bと取付部Eとの間には煙道Cに直接通じる間隙Jが生じる場合がある。
煙道C中を流れるガスが燃焼排ガスであるような場合には、その温度が100℃〜400℃であり、ガス流速は5m/sec〜25m/secとなる。したがって、煙道C内を流れるガスの一部が間隙Jに流入すると、プローブ管Bに外気温で導入されているパージガスによって間隙内において冷却され、その結果、間隙近傍の上流側のガス温度と下流側のガス温度とに差が生じる。
これにより、熱レンズ効果現象の影響により、測定光軸がふらつく、ずれるなどの問題が生じ、受光部における受光状態が不安定となり、測定精度が悪くなるという問題がある。
また、温度分布が不均一であるような状態では、光学測定系の光軸調整をプローブの設置直後に行ったとしてもずれが生じてしまうことから、温度が安定するまで待って光軸調整を行う必要がある。
さらに、予め取付部Eが設けられた配管側壁Dに異なる形状・寸法のプローブを取り付ける場合、取付部Eの形状をプローブの外形に合わせて変更する必要があり、工数や費用が増加するという問題がある。
本発明の一見地に係るガス分析装置は、管状部材と、光学系部材と、パージガス供給部と、遮蔽板とを備える。
管状部材は、配管内を流れる試料ガスの所定の測定領域に測定光を投光し及び/または測定領域からの測定光を受光するための光路を含み、配管側壁の外側に固定されたフランジを介して配管側壁の開口の中に配置されることで開口の内周面との間に間隙を形成する。光学系部材は、測定領域内の試料ガスに対して測定光を投光し及び/または測定領域からの測定光を受光する。パージガス供給部は、測定光の光路上であって光学系部材と測定領域との間に位置する領域にパージガスを供給する。遮蔽板は、試料ガスが配管から間隙に流入することを抑制する位置でありかつ配管側壁の内周面近傍に少なくとも1つ設けられる。
このガス分析装置では、遮蔽板を設けることによって、配管側壁内に位置する管状部材の周囲に試料ガスが流入しにくくなる。したがって、ヒーターや温度コントロールシステムなどの機能部を別途設けることなく、管状部材内に構成される測定光の光路上における温度勾配を連続的にすることができ、その結果、熱レンズ効果現象による測定精度の低下を防止できる。
このガス分析装置では、遮蔽板が固定されているのは管状部材であり、管状部材の移動と共に遮蔽板も移動する。したがって、遮蔽板の設置及び取り外しのための特別な作業及び構造が不要になる。
この場合には、管状部材の外径に対応して取付補助部材に設けられる遮蔽板の形状や寸法を予め設計することが可能であり、配管側壁の状態に関係なく、管状部材の配管側壁内に位置する外周面に試料ガスが流入することを防止できる。したがって、取付作業が簡単になり、初期工数を省略することが可能となる。
このガス分析装置では、複数の遮蔽板が管状部材の軸方向に隙間を空けて配置されているので、試料ガスが配管側壁内に位置する管状部材の周囲に流入しにくい。
図1は、本発明の第1実施形態に係るガス分析装置1の構成を示す斜視図であり、図2は、その側面図である。
ガス分析装置1は、プローブ管11(管状部材の一例)と、分析ユニット12と、フランジ13と、導光管14とを有している。
発光部15は、測定対象となるガスに対して導光管14及びプローブ管11を通して測定光となるレーザビームを出射する光源であり、直進性の高い所定波長域の光を照射するための赤外線レーザ発振装置などで構成できる。
受光部16は、煙道内の測定対象ガスを通して入射する測定光を受光する受光素子である。
分析ユニット12は、導光管14及びフランジ13を介してプローブ管11と接続されている。
プローブ管11の測定領域には、ガス流Sの下流側に位置して、プローブ管11内にガスを導入するための開口18が設けられている。図示した例では、開口18に複数のリブ19を設けてプローブ管11の強度を維持するように構成している。このような開口18の形状やリブ19の個数は、図示した例に限定されない。
リフレクタ20は、発光部15から出射された測定光を受光部16側に反射するものであって、コーナーキューブ・プリズムで構成できる。
取付部52は、たとえば、配管側壁51の開口53に取り付けられた設置用パイプ54(筒状内壁面の一例)で構成できる。
また、設置用パイプ54は、ガス分析装置1を固定するための取付フランジ55を備えており、ガス分析装置1のフランジ13がこの取付フランジ55に溶接またはビス止めされることにより、ガス分析装置1が間接的に配管側壁51に固定される。
設置用パイプ54の内径は、内部に受け入れるプローブ管11の外径に合わせて、隙間が生じないように構成されることが好ましいが、規格の異なる機種に取り替える場合に既存の設置用パイプ54を利用すると、プローブ管11と設置用パイプ54の間に間隙56(間隙の一例)が生じることがある。
遮蔽板21は、配管側壁51の内表面57(配管側壁の内表面の一例)近傍に位置して設けられている。このように、遮蔽板21が設けられているのが煙道50側なので、試料ガスが間隙56に流入するのが抑えられる。
遮蔽板21は、プローブ管11の外周面に固定された円板状の部材であり、外周縁(径方向の外周縁の一例)が設置用パイプ54の内周面に近接又は当接している。近接の場合は試料ガスの遮断の観点からは隙間が小さいことが好ましい。また、当接の場合は、間隙56が遮蔽されて、試料ガスの遮断効果が高くなる。
図示した例では、プローブ管11の長さ方向に沿って所定間隔で3つの遮蔽板21が配置されている。このように複数の遮蔽板21がプローブ管11の軸方向に隙間を空けて配置されているので、試料ガスが間隙56に流入しにくい。
図示した例では、配管側壁51の内表面57からわずかに離れた位置に遮蔽板21を設けているが、配管側壁51の内表面57近傍であれば温度分布が不均一になることが少なくなる。
なお、この実施例において、3つの遮蔽板21を設けることを例示したが、これに限定されるものではなく、1つまたは2つの遮蔽板21を設けることで前述したような効果を得ることができ、さらに、4つ以上の遮蔽板21を設けることも可能である。
さらに、遮蔽板21は、配管側壁51の厚さ方向に所定の厚さを有するブロック状のものであってもよい。
プローブ管11は、フランジ13に固定されることによって片持ち支持された状態であることから、遮蔽板21の外径を設置用パイプ54の内径とほぼ同一に設定する場合には、遮蔽板21と設置用パイプ54との接触によってプローブ管11の中間部が安定的に支持されることとなる。したがって、プローブ管11に遮蔽板21を設けることによって、ガス流S中に配置されるプローブ管11の振動を防止することも可能となる。
パージガスは、発光部15、受光部16、リフレクタ20などの光学部材が試料ガスに晒されないようにするためのものである。パージガス供給部22から供給されるパージガスは、導光管14を介してプローブ管11に供給される。また、パージガス供給部23から供給されるパージガスは、導光管14及びプローブ管11内に配置されるパージガス供給管(図示せず)によって、プローブ管11の先端部に供給される。
プローブ管11の測定領域両端に位置する上流側には、切欠孔24,25が設けられている。
以上、第1実施形態は、反射型光学系測定を行うガス分析装置に、本発明の構成を適用した場合を例示した。
したがって、発光部15から出射して受光部16で受光される測定光は、取付部52付近を2度通過するが、遮蔽板21を設けることによって温度分布の不均一が生じないため、測定精度を高く維持することができ、設置時の光軸調整も短時間で容易に調整することが可能となる。
図3は、本発明の第2実施形態のガス分析装置の斜視図であり、図4はその側面図である。
第2実施形態によるガス分析装置61は、発光部と受光部とが対向位置に設置される透過型のガス分析装置であって、発光部ユニット62と受光部ユニット72とを備えている。
発光部63は、測定対象となるガスに対して第1導光管64及び第1スリーブ66を通して測定光となるレーザビームを出射する光源であり、直進性の高い所定波長域の光を照射するための赤外線レーザ発振装置などで構成できる。
発光部ユニット62には、パージガス供給部68が設けられており、このパージガス供給部68を介して第1スリーブ66にパージガスが供給される。
パージガスは、発光部63の光学系部材が試料ガスに晒されないようにするためのものである。パージガス供給部68から供給されるパージガスは、第1導光管64を介して第1スリーブ66に供給される。
発光部ユニット62は、煙道80を構成する配管側壁81(配管側壁の一例)の第1取付部82に取り付けられる。
第1取付部82は、たとえば、配管側壁81の開口83に取り付けられた第1設置用パイプ84(筒状内壁面の一例)で構成することができる。
第1設置用パイプ84は、第1スリーブ66の外径よりも大きな内径を有する円筒状の部材であって、溶接やビス止めなどによって配管側壁81に固定される。
第1設置用パイプ84の内径は、内部に受け入れる第1スリーブ66の外径に合わせて、隙間が生じないように構成されることが好ましいが、規格の異なる機種に取り替える場合に既存の第1設置用パイプ84を利用すると、第1スリーブ66と第1設置用パイプ84の間に間隙86(間隙の一例)が生じることがある。
このような第1スリーブ66と第1設置用パイプ84の間隙86に煙道80を流れるガス流Sの一部が流入しないように、遮蔽板67(遮蔽板の一例)が設けられる。
遮蔽板67は、第1スリーブ66の外周面に固定された円板状の部材であり、外周縁(径方向の外周縁の一例)が第1設置用パイプ84の内周面に近接又は当接している。近接している場合は試料ガスの遮断の観点からは隙間が小さいことが好ましいが、遮蔽板67の外周縁と第1設置用パイプ84の内周面との間に隙間があることで、第1スリーブ66を簡単に取り外すことができ、校正時の作業が容易になる。また、当接している場合は、間隙86が遮蔽されて、試料ガスの遮断効果が高くなる。
図示した例では、第1スリーブ66の長さ方向に沿って所定間隔で3つの遮蔽板67が配置されている。このように複数の遮蔽板67が第1スリーブ66の軸方向に隙間を空けて配置されているので、試料ガスが間隙86に流入しにくい。
受光部ユニット72は、受光部73、第2導光管74、第2フランジ75、第2スリーブ76(管状部材の一例)を備えている。
受光部73は、受光素子で受光した測定光に基づいて、試料ガスの濃度の算出などのガス分析を行う分析部をさらに有する構成とすることも可能であり、発光部ユニット62と無線または有線で接続されて、発光部63,受光部73を制御するための制御部をさらに備える構成とすることも可能である。
受光部ユニット72には、パージガス供給部78が設けられており、第2スリーブ76にパージガスが供給されている。
第2スリーブ76に供給されたパージガスは、第2スリーブ76の先端部において、試料ガスとともに煙道80内に流入する。このことにより、煙道80内を流れる試料ガスが、受光部73側に流入することを防止できる。
第2取付部92は第1取付部82に対向する位置に配置され、たとえば、配管側壁81の開口93に取り付けられた第2設置用パイプ94(筒状内壁面の一例)で構成できる。
第2設置用パイプ94は、第2スリーブ76の外径よりも大きな内径を有する円筒状の部材であって、溶接やビス止めなどによって配管側壁81に固定される。
また、第2設置用パイプ94は、受光部ユニット72を固定するための第2取付フランジ95を備えており、受光部ユニット72の第2フランジ75がこの第2取付フランジ95に溶接またはビス止めされることにより、受光部ユニット72を間接的に配管側壁81に固定される。
遮蔽板77は、遮蔽板67と同様であり、試料ガスが間隙96へ流入するのを抑制している。
このガス分析装置61では、第1スリーブ66及び第2スリーブ76にパージガスを供給することにより、発光部63及び受光部73の光学系部材が煙道80を流れる試料ガスに晒されることを防止するとともに、測定対象領域を第1スリーブ66及び第2スリーブ76の先端間の領域に特定することができる。
このことにより、試料ガスの上流側及び下流側における温度分布が均一になり、第1スリーブ66及び第2スリーブ76の温度分布も均一になる。したがって、熱レンズ効果現象を低減することができ、測定精度を向上することができるとともに、設置時における光軸調整が短時間に容易に行うことができる。
図5は、本願発明の第3実施形態によるガス分析装置100の断側面図である。
ガス分析装置100は、配管側壁151の対向する位置に配置される第1ユニット110と第2ユニット130とを備えている。
分析ユニット111は、発光部112、受光部113及び制御部114を備える。
発光部112は、測定対象となるガスに対して第1導光管115及び第1スリーブ117を通して測定光となるレーザビームを出射する光源であり、直進性の高い所定波長域の光を照射するための赤外線レーザ発振装置などで構成することができる。
制御部114は、発光部112からのレーザビームの出射を制御し、受光部113により受光した測定光に基づいて測定対象であるガスの成分分析を行う。
分析ユニット111は、第1導光管115及び第1フランジ116を介して第1スリーブ117と接続されている。
第1ユニット110の第1導光管115には、パージガス供給部118が設けられており、このパージガス供給部118を介して第1スリーブ117にパージガスが供給される。
パージガスは、発光部112及び受光部113の光学系部材が試料ガスに晒されないようにするためのものである。パージガス供給部118から供給されるパージガスは、第1導光管115を介して第1スリーブ117に供給される。
第1ユニット110は、煙道150を構成する配管側壁151(配管側壁の一例)の第1取付部152に取り付けられる。
第1取付部152の開口153と、第1スリーブ117との間隙155(間隙の一例)を遮蔽するように遮蔽板119(遮蔽板の一例)が取付けられる。
遮蔽板119は、配管側壁151の内表面156(配管側壁の内表面の一例)近傍に位置して設けられている。このように、遮蔽板119が設けられているのが煙道150側なので、試料ガスが間隙155に流入するのが抑えられる。
遮蔽板119は、第1スリーブ117の外周面に固定された円板状の部材であり、外周縁(径方向の外周縁の一例)が開口153の内周面に近接又は当接している。近接の場合は試料ガスの遮断の観点からは隙間が小さいことが好ましい。また、当接の場合は、間隙155が遮蔽されて、試料ガスの遮断効果が高くなる。
図示した例では、第1スリーブ117の長さ方向に沿って所定間隔で3つの遮蔽板119が配置されている。このように複数の遮蔽板119が第1スリーブ117の軸方向に隙間を空けて配置されているので、試料ガスが間隙155に流入しにくい。
リフレクタ131は、発光部112から出射された測定光を受光部113側に反射するものであって、コーナーキューブ・プリズムで構成することができる。
リフレクタ131は、第2導光管132及びフランジ133を介して第2スリーブ134と接続されている。
第2ユニット130の第2導光管132には、パージガス供給部136が設けられており、このパージガス供給部136を介して第2スリーブ134にパージガスが供給される。
パージガスは、リフレクタ131が試料ガスに晒されないようにするためのものである。パージガス供給部136から供給されるパージガスは、第2導光管132を介して第2スリーブ134に供給される。
第2ユニット130は、煙道150を構成する配管側壁151の第2取付部160に取り付けられる。
第2取付部160の開口161と、第2スリーブ134との間隙163を遮蔽するように遮蔽板135が取付けられる。
遮蔽板135は、遮蔽板119と同様であり、試料ガスが間隙163へ流入するのを抑制している。
このことにより、試料ガスの上流側及び下流側における温度分布が均一になり、熱レンズ効果現象を低減して、測定精度を向上することができるとともに、設置時における光軸調整が短時間に容易に行うことができる。
図6は、第4実施形態に係るガス分析装置200の要部を示す断面図である。
ガス分析装置200は、第1実施形態と同様のプローブ管11、分析ユニット(図示せず)、フランジ13、導光管14を有するものであり、その詳細な説明は省略する。
配管側壁51は、ガス分析装置200を固定するための取付フランジ55を備えている。
取付フランジ55には、取付補助部材210(取付補助部材の一例)が取り付けられている。
取付補助部材210は、配管側壁51の開口53内に配置され、プローブ管11を一部を取り囲む管状の本体部211と、取付フランジ55に溶接またはビス止めなどにより固定されるフランジ部212を含む。
また、取付補助部材210は、その内周面に取り付けられた遮蔽板214(遮蔽板の一例)を備えている。遮蔽板214は、中央部分にプローブ管11が挿入される開口215を備えている。
遮蔽板214の内周縁とプローブ管11の外周面とは、当接するか、あるいは近接していることが好ましい。
取付補助部材210は、プローブ管11のサイズに合わせて予め設計することができることから、開口215の内径をプローブ管11の外径とほぼ同一にすることができ、この場合は、遮蔽板214の内周縁とプローブ管11の外周面が当接することとなる。したがって、遮蔽板214によって煙道50と間隙213とを遮断することが可能となり、断熱効果を高めることが可能である。
校正時においては、取付補助部材210の取付位置を変更することで、調整作業を行うことが可能であり、プローブ管11を取り外すことなく、作業工程を簡単化することができる。
このようにした第4実施形態では、取付補助部材210の本体部211に遮蔽板214が設けられていることから、配管側壁51内に位置する領域のプローブ管11の周囲に、煙道50内を流れる試料ガスの一部が流入することを防止できる。
したがって、プローブ管11の内部にパージガスを流す場合であっても、配管側壁51内に位置するプローブ管11の周囲温度が安定していることから、測定光の光路上における温度分布が安定し、軸方向の温度勾配が連続的になって熱レンズ効果現象が発生することを防止できる。
図示した例では、取付補助部材210の本体部211が、配管側壁51の内周面との間に隙間を有している。この場合、取付補助部材210の本体部211と、配管側壁の開口53との間に、試料ガスの一部が流入する可能性があるが、取付補助部材210とプローブ管11との間の間隙213が断熱層となって、プローブ管11内部を流れるパージガスに熱伝達されることを抑制できる。
また、第3実施形態における第1スリーブ117と配管側壁151の開口153との間、第2スリーブ134と配管側壁81の開口161との間に、それぞれ前述したような遮蔽板を備える取付補助部材を取り付けることが可能である。
図7は、第5実施形態に係るガス分析装置300の要部を示す断面図である。
ガス分析装置300は、第1実施形態と同様のプローブ管11、分析ユニット(図示せず)、フランジ13、導光管14を有するものであり、その詳細な説明は省略する。
配管側壁51は、ガス分析装置200を固定するための取付フランジ55を備えている。
プローブ管11は、フランジ13を介して取付フランジ55に取り付けられる。
また、パージガス供給管310の中空部は、発光部(図示せず)から出射される測定光がリフレクタ(図示せず)側に通過し、リフレクタで反射してプローブ管11の測定領域を通過した測定光が受光部(図示せず)側に通過する光路を構成する。
パージガス供給管310の内径は、内部を通過するパージガスの流速との関係により、パージガスの流れが層流となるようにすることが好ましく、レイノルズ数が2300未満になるように設定することが好ましい。
このことにより、パージガス供給管310を介してプローブ管11の内部に導入されるパージガスは、光学系部材が試料ガスによって汚染されることを防止し、光学系部材による測定の測定領域を定義する。
遮蔽板313は、配管側壁51の内表面57近傍に設けられており、煙道50内を通過する試料ガスの一部が、プローブ管11と配管側壁51の開口53との間の間隙56に流入することを防止する。
遮蔽板313の径方向の外周縁は、開口53の内周面に当接していることが好ましいが、多少の隙間があっても、試料ガスの流入を防止する効果がある。
この第5実施形態では、パージガス供給管310の内部中空が測定光の光路となっていることから、パージガス供給管310とプローブ管11の間隙311による断熱効果で、光路上における温度勾配を連続的にし、温度分布の不均一による熱レンズ効果現象の発生を防止できる。
また、遮蔽板313により、配管側壁51内に位置するプローブ管11の周囲に試料ガスが流入することを防止できるため、パージガス供給管310内部のパージガスの温度分布を均一にし、光学系部材による測定精度を高めることが可能となる。
プローブ管11の先端部にパージガスを供給する場合には、プローブ管11とパージガス供給管310の間の間隙311を利用して測定領域の一端までパージガスを案内し、別途設けられる先端部パージガス供給管(図示せず)を用いて、プローブ管11の先端までパージガスを案内するように構成できる。
その場合、導光管14には、第2パージガス供給部23と接続される接続口314を設け、第2パージガス供給部23から供給されるパージガスをプローブ管11とパージガス供給管310の間の間隙311を介してプローブ管11の先端部方向に案内する。
この時、パージガス供給管310の外表面に、1または複数の仕切板315を設けることができる。
仕切板315は、その外周縁がプローブ管11の内周面と所定の隙間を有するような円板状の部材で構成できる。この仕切板315により、プローブ管11とパージガス供給管310の間の間隙311が複数の空洞部に分割されるとともに、各空洞部が仕切板315の外周縁とプローブ管11の内周面との隙間により連通している。
したがって、パージガス供給管310の内部を通過するパージガスの温度分布に影響を与えることなく、測定光の光路上の温度勾配を連続的に維持することができる。
また、先端部パージガス供給管内を通過するパージガスが、予め攪拌された温度分布が均一化されていることから、プローブ管11の先端部に設けられた光学系部材に到達する間に、測定領域内の試料ガスの温度に影響を与えることが少なくなる。
また、第3実施形態における第1スリーブ117、第2スリーブ134にそれぞれパージガス供給管を設けた場合にも、遮蔽板の構成を適用することが可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
たとえば、プローブの種類、ガスの種類、遮蔽板の位置、遮蔽板の枚数、遮蔽板の形状、遮蔽板のサイズ、遮蔽板の取付構造は、それぞれの変形同士の組合せが可能である。
11 プローブ管
12 分析ユニット
21 遮蔽板
50 煙道
51 配管側壁
52 取付部
56 間隙
Claims (4)
- 配管内を流れる試料ガスの所定の測定領域に測定光を投光し及び/または前記測定領域からの測定光を受光するための光路を含み、配管側壁の外側に固定されたフランジを介して前記配管側壁の開口の中に配置されることで前記開口の内周面との間に間隙を形成する管状部材と、
前記測定領域内の試料ガスに対して前記測定光を投光し及び/または前記測定領域からの測定光を受光する光学系部材と、
前記測定光の光路上であって前記光学系部材と前記測定領域との間に位置する領域にパージガスを供給するためのパージガス供給部と、
前記試料ガスが前記配管から前記間隙に流入することを抑制する位置でありかつ前記配管側壁の内周面近傍に設けられた少なくとも1つの遮蔽板と、
を備えたガス分析装置。 - 前記少なくとも1つの遮蔽板は、前記管状部材に固定されている、請求項1に記載のガス分析装置。
- 前記開口の前記内周面は、前記配管側壁に取り付けられ、内周面が前記管状部材の外周面との間に前記間隙を形成する取付補助部材によって構成され、
前記少なくとも1つの遮蔽板は、前記取付補助部材の内周面に固定されている、請求項1に記載のガス分析装置。 - 前記管状部材の軸方向に隙間を空けて配置された複数の遮蔽板を備えている、請求項1〜3のいずれかに記載のガス分析装置。
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