JP2004317148A - 煤塵濃度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大口径の煙道或いは高濃度の煤塵を含む流体に対しても煤塵濃度を確実に測定でき、且つ光軸調整作業を工場等で予め実施し得、測定精度の向上並びにコスト削減を図ることができ、更に、煙道に生じる経年的な歪の影響を受けることなく、光軸を常に一定に保持し得、メンテナンスコストの削減をも図り得る煤塵濃度測定装置を提供する。
【解決手段】管状で中間部に流体流通空間22が形成された光通過管状体23を、その軸線が煙道1の流体流通方向と略直交する方向に延び且つ流体流通空間22が煙道1内に位置するよう、煙道1の壁面を貫通させて配置し、前記光通過管状体23の一端側から流体流通空間22を流れる流体に対し光を投射して光透過率を求めるよう構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】管状で中間部に流体流通空間22が形成された光通過管状体23を、その軸線が煙道1の流体流通方向と略直交する方向に延び且つ流体流通空間22が煙道1内に位置するよう、煙道1の壁面を貫通させて配置し、前記光通過管状体23の一端側から流体流通空間22を流れる流体に対し光を投射して光透過率を求めるよう構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、煤塵濃度測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、石炭焚の火力発電用ボイラや廃棄物焼却炉等においては、燃焼状態等を監視するために、煤塵を含む排ガス等の流体が流通される煙道に光透過式の煤塵濃度測定装置を設置する場合がある。
【0003】
図5は従来の煤塵濃度測定装置の一例を表わすものであって、1は煙道であり、図示していないボイラや廃棄物焼却炉等から排出される排ガス等の流体が流通するようになっており、煙道1の幅方向両側の壁面にそれぞれ、投光用支持管2と受光用支持管3とを、その軸線が同一直線上に位置するよう、対向させる形で配置し、投光用支持管2の基端側に投光器4を接続し、受光用支持管3の基端側に受光器5を接続してある。
【0004】
尚、図5中、6は投光器4のレンズ(図示せず)の表面を必要に応じて適宜パージするためのパージ配管、7はパージ配管6の途中に設けられたパージバルブ、8は受光器5のレンズ(図示せず)の表面を必要に応じて適宜パージするためのパージ配管、9はパージ配管8の途中に設けられたパージバルブである。
【0005】
図5に示される煤塵濃度測定装置の場合、投光器4から光が投射されると、該光は投光用支持管2から煙道1内を通って受光用支持管3内に入り、受光器5で受光され、この時の光透過率が大きければ、煤塵濃度は低く、又、光透過率が小さければ、煤塵濃度は高いことが認識され、ボイラや廃棄物焼却炉等における燃焼状態等の監視に利用される。
【0006】
尚、投射される光の強さをLOとし、受光される光の強さをLXとすると、光透過率SXは、
【数1】
SX=(1−LX/LO)×100[%]
によって求められるが、光学系の測定装置では、煤塵濃度、即ち単位体積当りの煤塵の質量[mg/Nm3]を直接的に計測することはできないため、予め光透過率に基づく煤塵の光学的濃度と実際の質量との相関曲線を手分析(JISZ8808準拠)により作成し、該相関曲線を図示していない質量表示変換器に記憶させておき、計測される光透過率の信号を前記質量表示変換器において質量に変換し、煤塵濃度として表示・出力するようになっている。
【0007】
しかしながら、図5に示されるような煤塵濃度測定装置においては、煙道1が大口径で投射した光が届きにくいような場合、或いは、投射される光の強度に対し煤塵濃度が高く光透過率が著しく低くなってしまうような場合には、投光器4の光の強度を最大限に高めても、充分な光透過率が得られず、煤塵濃度を測定することができなかった。
【0008】
前述の如き不具合を解消するものとしては、従来、図6に示されるようなものが存在し、これは、基端側に投光器4が接続された投光用支持管2の先端側と、基端側に受光器5が接続された受光用支持管3の先端側とをそれぞれ、煙道1の内側に所要量だけ延長せしめ、投光用支持管2の先端側に投光用ガイドパイプ10をその軸線方向へ摺動自在に取り付け、受光用支持管3の先端側に受光用ガイドパイプ11をその軸線方向へ摺動自在に取り付け、試運転時に投光用ガイドパイプ10の先端と受光用ガイドパイプ11の先端との間の距離を調節し、投光用支持管2に投光用ガイドパイプ10を固定し、受光用支持管3に受光用ガイドパイプ11を固定するよう構成したものである。(例えば、特許文献1参照。)
【0009】
前記投光用支持管2の先端部における円周方向複数箇所には、投光用ガイドパイプ10を所要位置で仮止めするためのボルト12とワッシャ13を取り付けると共に、受光用支持管3の先端部における円周方向複数箇所には、受光用ガイドパイプ11を所要位置で仮止めするためのボルト14とワッシャ15を取り付けてあり、試運転時に前記ボルト12,14を緩めたり締付けたりすることにより、投光用ガイドパイプ10の先端と受光用ガイドパイプ11の先端との間の距離を調節するようにし、調節完了後は、投光用支持管2に投光用ガイドパイプ10を溶接して固定し、受光用支持管3に受光用ガイドパイプ11を溶接して固定し、前記ボルト12,14とワッシャ13,15については、運転中に脱落することを防ぐために取り外すようにしてある。
【0010】
又、石炭焚の火力発電用ボイラにおいては、煙道1内は負圧に保持されているため、投光用支持管2の基端部所要位置には、先端にボールバルブ16が取り付けられた短管17を接続することにより大気吸入口18を形成すると共に、受光用支持管3の基端部所要位置には、先端にボールバルブ19が取り付けられた短管20を接続することにより大気吸入口21を形成し、投光用ガイドパイプ10の内部と受光用ガイドパイプ11の内部にそれぞれ煤塵が堆積しないようにしてある。
【0011】
図6に示される煤塵濃度測定装置においては、ボルト12を緩めた状態で投光用支持管2に対し投光用ガイドパイプ10をその軸線方向へ摺動させると共に、ボルト14を緩めた状態で受光用支持管3に対し受光用ガイドパイプ11をその軸線方向へ摺動させ、投光用ガイドパイプ10の先端と受光用ガイドパイプ11の先端との間の距離を広げれば、投光器4と受光器5との間における煤塵粒子の絶対数が増加する一方、前記投光用ガイドパイプ10の先端と受光用ガイドパイプ11の先端との間の距離を狭めれば、投光器4と受光器5との間における煤塵粒子の絶対数が減少するため、試運転時に、前記投光用ガイドパイプ10の先端と受光用ガイドパイプ11の先端との間の距離を調節すれば、煤塵濃度が高い場合にも測定が行える位置を確認することが可能となり、その位置で、投光用支持管2に投光用ガイドパイプ10を溶接して固定し、且つ受光用支持管3に受光用ガイドパイプ11を溶接して固定することにより、実際の運転時に、光透過率が不足するようなことはなくなり、煤塵濃度を測定することが可能となる。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−111475号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示されるような煤塵濃度測定装置においては、投射される光軸調整作業を、煙道1に対する設置現場で直接実施しなければならず、工場等で予め実施しておくことが困難となり、測定精度の低下やコストアップにつながる一方、煙道1に経年的に歪が生じた場合、その影響を投光用支持管2や受光用支持管3が受け、光軸が一定に保たれずにずれやすくなり、メンテナンスコストも嵩むこととなる。
【0014】
本発明は、斯かる実情に鑑み、大口径の煙道或いは高濃度の煤塵を含む流体に対しても煤塵濃度を確実に測定でき、且つ光軸調整作業を工場等で予め実施し得、測定精度の向上並びにコスト削減を図ることができ、更に、煙道に生じる経年的な歪の影響を受けることなく、光軸を常に一定に保持し得、メンテナンスコストの削減をも図り得る煤塵濃度測定装置を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、煤塵を含む流体が流通される煙道内の煤塵濃度を測定する煤塵濃度測定装置において、
管状で中間部に流体流通空間が形成された光通過管状体を、その軸線が煙道の流体流通方向と略直交する方向に延び且つ流体流通空間が煙道内に位置するよう、煙道の壁面を貫通させて配置し、前記光通過管状体の一端側から流体流通空間を流れる流体に対し光を投射して光透過率から煤煙濃度を求めるよう構成したことを特徴とする煤塵濃度測定装置にかかるものである。
【0016】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0017】
煙道が大口径で投射した光が届きにくいような場合、或いは、投射される光の強度に対し煤塵濃度が高く光透過率が著しく低くなってしまうような場合に対しても、光通過管状体の流体流通空間の長さを予め調整しておくことにより、充分な光透過率が得られ、煤塵濃度を測定することが可能となる。しかも、投射される光軸調整作業を、煙道に対する設置現場ではなく、工場等で予め実施しておくことが可能となり、測定精度の向上やコスト削減につながることとなる。又、煙道に経年的に歪が生じたとしても、その影響を光通過管状体が受ける心配はなく、光軸が常に一定に保たれ、メンテナンスコストの削減も可能となる。
【0018】
前記煤塵濃度測定装置においては、光通過管状体の一端側に投光器を接続し、他端側に受光器を接続したり、或いは光通過管状体の一端側に投受光器を接続し、他端側に反射器を接続したりすることができる。
【0019】
又、前記煤塵濃度測定装置においては、光通過管状体の煙道の壁面貫通部にシール部材を設けると共に、光通過管状体を煙道に対し弾性部材を介して弾性支持することができ、このようにすると、煙道が例えばFRP製で変形量が大きいような場合に、特に有効となる。
【0020】
更に又、前記煤塵濃度測定装置においては、二本のパイプを各々の先端開口が所要間隔をあけて対向配置されるよう連結部材を介して連結することにより、光通過管状体を構成したり、或いは所要間隔をあけて並設される支柱の長手方向一側部間に板を掛け渡すように取り付けると共に、前記支柱の長手方向他側部間に板を掛け渡すように取り付けることにより、光通過管状体を構成したりすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0022】
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図5及び図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図5及び図6に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1及び図2に示す如く、管状で中間部に流体流通空間22が形成された光通過管状体23を、その軸線が煙道1の流体流通方向と略直交する方向に延び且つ流体流通空間22が煙道1内に位置するよう、煙道1の壁面を貫通させて配置し、前記光通過管状体23の一端側から流体流通空間22を流れる流体に対し光を投射して光透過率から煤煙濃度を求めるよう構成した点にある。
【0023】
本図示例の場合、前記光通過管状体23の一端側に投光器4を接続し、他端側に受光器5を接続してあるが、前記光通過管状体23の一端側に投受光器を接続し、他端側に反射器を接続し、投受光器から投射した光を反射器で反射させて投受光器で受光するようにしても良い。
【0024】
又、前記光通過管状体23の煙道1の壁面貫通部には、流体の外部への漏洩を防ぐためのシール部材24を設けると共に、光通過管状体23を煙道1に対しスプリング等の弾性部材25を介して弾性支持するようにしてある。尚、前記シール部材24は、例えば、蛇腹状に形成し、伸縮自在となるようにすることが好ましい。
【0025】
更に又、前記光通過管状体23は、図1及び図2に示す如く、二本のパイプ26を各々の先端開口が所要間隔をあけて対向配置されるよう連結部材27を介して連結することにより構成してあるが、例えば、図3及び図4に示すように、所要間隔をあけて並設されるアングル等の形鋼で形成された支柱28の長手方向一側部間に板29を掛け渡すように取り付けると共に、前記支柱28の長手方向他側部間に板29を掛け渡すように取り付けることにより、光通過管状体23を構成するようにしても良い。
【0026】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0027】
煙道1が大口径で投射した光が届きにくいような場合、或いは、投射される光の強度に対し煤塵濃度が高く光透過率が著しく低くなってしまうような場合に対しても、光通過管状体23の流体流通空間22の長さを予め調整しておくことにより、充分な光透過率が得られ、煤塵濃度を測定することが可能となる。しかも、投射される光軸調整作業を、煙道1に対する設置現場ではなく、工場等で予め実施しておくことが可能となり、測定精度の向上やコスト削減につながることとなる。又、煙道1に経年的に歪が生じたとしても、その影響を光通過管状体23が受ける心配はなく、光軸が常に一定に保たれ、メンテナンスコストの削減も可能となる。
【0028】
又、本図示例においては、光通過管状体23の煙道1の壁面貫通部にシール部材24を設けると共に、光通過管状体23を煙道1に対しスプリング等の弾性部材25を介して弾性支持するようにしてあるため、煙道1が例えばFRP製で変形量が大きいような場合に、特に有効となる。
【0029】
こうして、大口径の煙道1或いは高濃度の煤塵を含む流体に対しても煤塵濃度を確実に測定でき、且つ光軸調整作業を工場等で予め実施し得、測定精度の向上並びにコスト削減を図ることができ、更に、煙道1に生じる経年的な歪の影響を受けることなく、光軸を常に一定に保持し得、メンテナンスコストの削減をも図り得る。
【0030】
尚、本発明の煤塵濃度測定装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、光通過管状体23の断面形状は、円形や矩形に限らず三角形やそれ以外の多角形としても良いこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の煤塵濃度測定装置によれば、大口径の煙道或いは高濃度の煤塵を含む流体に対しても煤塵濃度を確実に測定でき、且つ光軸調整作業を工場等で予め実施し得、測定精度の向上並びにコスト削減を図ることができ、更に、煙道に生じる経年的な歪の影響を受けることなく、光軸を常に一定に保持し得、メンテナンスコストの削減をも図り得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の断面図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例における光通過管状体の斜視図である。
【図3】光通過管状体の変形例を示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】従来例の断面図である。
【図6】他の従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 煙道
4 投光器
5 受光器
22 流体流通空間
23 光通過管状体
24 シール部材
25 弾性部材
26 パイプ
27 連結部材
28 支柱
29 板
【発明の属する技術分野】
本発明は、煤塵濃度測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、石炭焚の火力発電用ボイラや廃棄物焼却炉等においては、燃焼状態等を監視するために、煤塵を含む排ガス等の流体が流通される煙道に光透過式の煤塵濃度測定装置を設置する場合がある。
【0003】
図5は従来の煤塵濃度測定装置の一例を表わすものであって、1は煙道であり、図示していないボイラや廃棄物焼却炉等から排出される排ガス等の流体が流通するようになっており、煙道1の幅方向両側の壁面にそれぞれ、投光用支持管2と受光用支持管3とを、その軸線が同一直線上に位置するよう、対向させる形で配置し、投光用支持管2の基端側に投光器4を接続し、受光用支持管3の基端側に受光器5を接続してある。
【0004】
尚、図5中、6は投光器4のレンズ(図示せず)の表面を必要に応じて適宜パージするためのパージ配管、7はパージ配管6の途中に設けられたパージバルブ、8は受光器5のレンズ(図示せず)の表面を必要に応じて適宜パージするためのパージ配管、9はパージ配管8の途中に設けられたパージバルブである。
【0005】
図5に示される煤塵濃度測定装置の場合、投光器4から光が投射されると、該光は投光用支持管2から煙道1内を通って受光用支持管3内に入り、受光器5で受光され、この時の光透過率が大きければ、煤塵濃度は低く、又、光透過率が小さければ、煤塵濃度は高いことが認識され、ボイラや廃棄物焼却炉等における燃焼状態等の監視に利用される。
【0006】
尚、投射される光の強さをLOとし、受光される光の強さをLXとすると、光透過率SXは、
【数1】
SX=(1−LX/LO)×100[%]
によって求められるが、光学系の測定装置では、煤塵濃度、即ち単位体積当りの煤塵の質量[mg/Nm3]を直接的に計測することはできないため、予め光透過率に基づく煤塵の光学的濃度と実際の質量との相関曲線を手分析(JISZ8808準拠)により作成し、該相関曲線を図示していない質量表示変換器に記憶させておき、計測される光透過率の信号を前記質量表示変換器において質量に変換し、煤塵濃度として表示・出力するようになっている。
【0007】
しかしながら、図5に示されるような煤塵濃度測定装置においては、煙道1が大口径で投射した光が届きにくいような場合、或いは、投射される光の強度に対し煤塵濃度が高く光透過率が著しく低くなってしまうような場合には、投光器4の光の強度を最大限に高めても、充分な光透過率が得られず、煤塵濃度を測定することができなかった。
【0008】
前述の如き不具合を解消するものとしては、従来、図6に示されるようなものが存在し、これは、基端側に投光器4が接続された投光用支持管2の先端側と、基端側に受光器5が接続された受光用支持管3の先端側とをそれぞれ、煙道1の内側に所要量だけ延長せしめ、投光用支持管2の先端側に投光用ガイドパイプ10をその軸線方向へ摺動自在に取り付け、受光用支持管3の先端側に受光用ガイドパイプ11をその軸線方向へ摺動自在に取り付け、試運転時に投光用ガイドパイプ10の先端と受光用ガイドパイプ11の先端との間の距離を調節し、投光用支持管2に投光用ガイドパイプ10を固定し、受光用支持管3に受光用ガイドパイプ11を固定するよう構成したものである。(例えば、特許文献1参照。)
【0009】
前記投光用支持管2の先端部における円周方向複数箇所には、投光用ガイドパイプ10を所要位置で仮止めするためのボルト12とワッシャ13を取り付けると共に、受光用支持管3の先端部における円周方向複数箇所には、受光用ガイドパイプ11を所要位置で仮止めするためのボルト14とワッシャ15を取り付けてあり、試運転時に前記ボルト12,14を緩めたり締付けたりすることにより、投光用ガイドパイプ10の先端と受光用ガイドパイプ11の先端との間の距離を調節するようにし、調節完了後は、投光用支持管2に投光用ガイドパイプ10を溶接して固定し、受光用支持管3に受光用ガイドパイプ11を溶接して固定し、前記ボルト12,14とワッシャ13,15については、運転中に脱落することを防ぐために取り外すようにしてある。
【0010】
又、石炭焚の火力発電用ボイラにおいては、煙道1内は負圧に保持されているため、投光用支持管2の基端部所要位置には、先端にボールバルブ16が取り付けられた短管17を接続することにより大気吸入口18を形成すると共に、受光用支持管3の基端部所要位置には、先端にボールバルブ19が取り付けられた短管20を接続することにより大気吸入口21を形成し、投光用ガイドパイプ10の内部と受光用ガイドパイプ11の内部にそれぞれ煤塵が堆積しないようにしてある。
【0011】
図6に示される煤塵濃度測定装置においては、ボルト12を緩めた状態で投光用支持管2に対し投光用ガイドパイプ10をその軸線方向へ摺動させると共に、ボルト14を緩めた状態で受光用支持管3に対し受光用ガイドパイプ11をその軸線方向へ摺動させ、投光用ガイドパイプ10の先端と受光用ガイドパイプ11の先端との間の距離を広げれば、投光器4と受光器5との間における煤塵粒子の絶対数が増加する一方、前記投光用ガイドパイプ10の先端と受光用ガイドパイプ11の先端との間の距離を狭めれば、投光器4と受光器5との間における煤塵粒子の絶対数が減少するため、試運転時に、前記投光用ガイドパイプ10の先端と受光用ガイドパイプ11の先端との間の距離を調節すれば、煤塵濃度が高い場合にも測定が行える位置を確認することが可能となり、その位置で、投光用支持管2に投光用ガイドパイプ10を溶接して固定し、且つ受光用支持管3に受光用ガイドパイプ11を溶接して固定することにより、実際の運転時に、光透過率が不足するようなことはなくなり、煤塵濃度を測定することが可能となる。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−111475号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示されるような煤塵濃度測定装置においては、投射される光軸調整作業を、煙道1に対する設置現場で直接実施しなければならず、工場等で予め実施しておくことが困難となり、測定精度の低下やコストアップにつながる一方、煙道1に経年的に歪が生じた場合、その影響を投光用支持管2や受光用支持管3が受け、光軸が一定に保たれずにずれやすくなり、メンテナンスコストも嵩むこととなる。
【0014】
本発明は、斯かる実情に鑑み、大口径の煙道或いは高濃度の煤塵を含む流体に対しても煤塵濃度を確実に測定でき、且つ光軸調整作業を工場等で予め実施し得、測定精度の向上並びにコスト削減を図ることができ、更に、煙道に生じる経年的な歪の影響を受けることなく、光軸を常に一定に保持し得、メンテナンスコストの削減をも図り得る煤塵濃度測定装置を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、煤塵を含む流体が流通される煙道内の煤塵濃度を測定する煤塵濃度測定装置において、
管状で中間部に流体流通空間が形成された光通過管状体を、その軸線が煙道の流体流通方向と略直交する方向に延び且つ流体流通空間が煙道内に位置するよう、煙道の壁面を貫通させて配置し、前記光通過管状体の一端側から流体流通空間を流れる流体に対し光を投射して光透過率から煤煙濃度を求めるよう構成したことを特徴とする煤塵濃度測定装置にかかるものである。
【0016】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0017】
煙道が大口径で投射した光が届きにくいような場合、或いは、投射される光の強度に対し煤塵濃度が高く光透過率が著しく低くなってしまうような場合に対しても、光通過管状体の流体流通空間の長さを予め調整しておくことにより、充分な光透過率が得られ、煤塵濃度を測定することが可能となる。しかも、投射される光軸調整作業を、煙道に対する設置現場ではなく、工場等で予め実施しておくことが可能となり、測定精度の向上やコスト削減につながることとなる。又、煙道に経年的に歪が生じたとしても、その影響を光通過管状体が受ける心配はなく、光軸が常に一定に保たれ、メンテナンスコストの削減も可能となる。
【0018】
前記煤塵濃度測定装置においては、光通過管状体の一端側に投光器を接続し、他端側に受光器を接続したり、或いは光通過管状体の一端側に投受光器を接続し、他端側に反射器を接続したりすることができる。
【0019】
又、前記煤塵濃度測定装置においては、光通過管状体の煙道の壁面貫通部にシール部材を設けると共に、光通過管状体を煙道に対し弾性部材を介して弾性支持することができ、このようにすると、煙道が例えばFRP製で変形量が大きいような場合に、特に有効となる。
【0020】
更に又、前記煤塵濃度測定装置においては、二本のパイプを各々の先端開口が所要間隔をあけて対向配置されるよう連結部材を介して連結することにより、光通過管状体を構成したり、或いは所要間隔をあけて並設される支柱の長手方向一側部間に板を掛け渡すように取り付けると共に、前記支柱の長手方向他側部間に板を掛け渡すように取り付けることにより、光通過管状体を構成したりすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0022】
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図5及び図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図5及び図6に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1及び図2に示す如く、管状で中間部に流体流通空間22が形成された光通過管状体23を、その軸線が煙道1の流体流通方向と略直交する方向に延び且つ流体流通空間22が煙道1内に位置するよう、煙道1の壁面を貫通させて配置し、前記光通過管状体23の一端側から流体流通空間22を流れる流体に対し光を投射して光透過率から煤煙濃度を求めるよう構成した点にある。
【0023】
本図示例の場合、前記光通過管状体23の一端側に投光器4を接続し、他端側に受光器5を接続してあるが、前記光通過管状体23の一端側に投受光器を接続し、他端側に反射器を接続し、投受光器から投射した光を反射器で反射させて投受光器で受光するようにしても良い。
【0024】
又、前記光通過管状体23の煙道1の壁面貫通部には、流体の外部への漏洩を防ぐためのシール部材24を設けると共に、光通過管状体23を煙道1に対しスプリング等の弾性部材25を介して弾性支持するようにしてある。尚、前記シール部材24は、例えば、蛇腹状に形成し、伸縮自在となるようにすることが好ましい。
【0025】
更に又、前記光通過管状体23は、図1及び図2に示す如く、二本のパイプ26を各々の先端開口が所要間隔をあけて対向配置されるよう連結部材27を介して連結することにより構成してあるが、例えば、図3及び図4に示すように、所要間隔をあけて並設されるアングル等の形鋼で形成された支柱28の長手方向一側部間に板29を掛け渡すように取り付けると共に、前記支柱28の長手方向他側部間に板29を掛け渡すように取り付けることにより、光通過管状体23を構成するようにしても良い。
【0026】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0027】
煙道1が大口径で投射した光が届きにくいような場合、或いは、投射される光の強度に対し煤塵濃度が高く光透過率が著しく低くなってしまうような場合に対しても、光通過管状体23の流体流通空間22の長さを予め調整しておくことにより、充分な光透過率が得られ、煤塵濃度を測定することが可能となる。しかも、投射される光軸調整作業を、煙道1に対する設置現場ではなく、工場等で予め実施しておくことが可能となり、測定精度の向上やコスト削減につながることとなる。又、煙道1に経年的に歪が生じたとしても、その影響を光通過管状体23が受ける心配はなく、光軸が常に一定に保たれ、メンテナンスコストの削減も可能となる。
【0028】
又、本図示例においては、光通過管状体23の煙道1の壁面貫通部にシール部材24を設けると共に、光通過管状体23を煙道1に対しスプリング等の弾性部材25を介して弾性支持するようにしてあるため、煙道1が例えばFRP製で変形量が大きいような場合に、特に有効となる。
【0029】
こうして、大口径の煙道1或いは高濃度の煤塵を含む流体に対しても煤塵濃度を確実に測定でき、且つ光軸調整作業を工場等で予め実施し得、測定精度の向上並びにコスト削減を図ることができ、更に、煙道1に生じる経年的な歪の影響を受けることなく、光軸を常に一定に保持し得、メンテナンスコストの削減をも図り得る。
【0030】
尚、本発明の煤塵濃度測定装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、光通過管状体23の断面形状は、円形や矩形に限らず三角形やそれ以外の多角形としても良いこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の煤塵濃度測定装置によれば、大口径の煙道或いは高濃度の煤塵を含む流体に対しても煤塵濃度を確実に測定でき、且つ光軸調整作業を工場等で予め実施し得、測定精度の向上並びにコスト削減を図ることができ、更に、煙道に生じる経年的な歪の影響を受けることなく、光軸を常に一定に保持し得、メンテナンスコストの削減をも図り得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の断面図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例における光通過管状体の斜視図である。
【図3】光通過管状体の変形例を示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】従来例の断面図である。
【図6】他の従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 煙道
4 投光器
5 受光器
22 流体流通空間
23 光通過管状体
24 シール部材
25 弾性部材
26 パイプ
27 連結部材
28 支柱
29 板
Claims (6)
- 煤塵を含む流体が流通される煙道内の煤塵濃度を測定する煤塵濃度測定装置において、
管状で中間部に流体流通空間が形成された光通過管状体を、その軸線が煙道の流体流通方向と略直交する方向に延び且つ流体流通空間が煙道内に位置するよう、煙道の壁面を貫通させて配置し、前記光通過管状体の一端側から流体流通空間を流れる流体に対し光を投射して光透過率から煤煙濃度を求めるよう構成したことを特徴とする煤塵濃度測定装置。 - 光通過管状体の一端側に投光器を接続し、他端側に受光器を接続した請求項1記載の煤塵濃度測定装置。
- 光通過管状体の一端側に投受光器を接続し、他端側に反射器を接続した請求項1記載の煤塵濃度測定装置。
- 光通過管状体の煙道の壁面貫通部にシール部材を設けると共に、光通過管状体を煙道に対し弾性部材を介して弾性支持するようにした請求項1〜3いずれかに記載の煤塵濃度測定装置。
- 二本のパイプを各々の先端開口が所要間隔をあけて対向配置されるよう連結部材を介して連結することにより、光通過管状体を構成した請求項1〜4いずれかに記載の煤塵濃度測定装置。
- 所要間隔をあけて並設される支柱の長手方向一側部間に板を掛け渡すように取り付けると共に、前記支柱の長手方向他側部間に板を掛け渡すように取り付けることにより、光通過管状体を構成した請求項1〜4いずれかに記載の煤塵濃度測定装置。
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- 2003-04-11 JP JP2003107578A patent/JP2004317148A/ja active Pending
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