JP6077710B2 - がん療法のためのリポソームシスプラチン組成物 - Google Patents

がん療法のためのリポソームシスプラチン組成物 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月13日に出願された米国仮特許出願第61/780,272号に対する優先権の利益を請求し、その内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
連邦政府による支援を受けた研究開発下でなされた発明に対する権利に関する陳述
適用されず
「配列表」、表、またはコンパクトディスクで提出されたコンピュータプログラム一覧の添付書類に対する言及
適用されず
本発明の背景
白金ベースの薬物(または「プラチン」)は効果的な抗がん薬物であり、がん細胞におけるDNAおよびRNA合成を遮断するDNA付加物を形成し、アポトーシスを誘導する。シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチンは、卵巣、肺、結腸直腸、精巣、膀胱、胃、メラノーマ、および頭頸部がんを含めた、多数の固形腫瘍を処置するために用いられる主要なプラチンである。しかしながら、プラチンの主な欠点は毒性である。一般的な副作用は、腎臓および神経の損傷、ハイエンドの(high−end)聴力喪失、長期間の吐き気、および嘔吐を含む。
シスプラチン(シス−PtCl(NH;式Iとして以下に示される)は、種々のがんの処置のために1978年にFDAによって認可され、それ以来、がん処置のために用いられてきた。シスプラチンは、平面状分子構造を呈し、25〜37℃において0.9%食塩水に対して約1〜2mg/mLの溶解度を有する(65℃において8mg/mL)。シスプラチンは、食塩水(塩化ナトリウム溶液)において患者に静脈内投与され、受動的拡散またはその他の促進輸送メカニズムのいずれかによって細胞に入る。一旦細胞質の内部に入ると、シスプラチンは加水分解を受ける。塩化物リガンドは、各々、水の分子によって置き換えられ、正電荷を持つ分子を生じる。荷電していない種は反応性ではないが、一価カチオン種および二価カチオン種は最も反応性である。
シスプラチンは特に毒性の薬物である。該薬物の使用に関していくつかの欠点がある:a)主要な投与量制限因子である、腎毒性、神経毒性および催吐性などの、その重篤な毒性;b)短い循環半減期をもたらす、腎臓を介したその迅速な排出、c)血漿タンパク質に対するその強い親和性;およびd)室温における約1mg/mLの制限された水溶解度。腫瘍部位において局所的にシスプラチンの濃度を増加させるであろう製剤を開発することが望ましい。他の組織におけるシスプラチンの蓄積を減少させて、毒性副作用を最小化することも望ましい。
リポソームは、薬物の毒性を低下させる試みにおいて、プラチン用の送達ビークルとして用いられてきた。リポソームは、外部の水相と内部の水相とを分離するリン脂質二重層を含む小胞である。リポソームは、脂質二重層中の疎水性薬物および/または薬物送達用の水性コア中の親水性薬物の両方を保持することができる。リポソームの大きさは、典型的には、直径が50〜250nmの範囲であり、50〜150nmの直径が、ある種の適用のために特に好ましい。シスプラチンを含めたリポソームプラチンの使用は、かなりの難題を提示してきた。リポソームプラチンは、遊離薬物と比較して、分布、代謝、および体からの排出の独特なパターン、ならびに様々な毒性レベルおよび独特な副作用を示す。特に、リポソームプラチンの放出速度を最適化することは、安全性と有効性との間の難しい均衡を保つ行為である。一般に、漏洩性リポソームは、封入薬物をより利用しやすくするであろうが、天然の薬物と同様に、毒性におけるより高い危険性を引き起こす。他方、漏洩性の低いリポソームは毒性を低下させ得るが、適切な有効性のための十分な薬物放出を提供できないことがある。
米国特許第6,126,966号(‘966特許)は、立体的に安定化されたリポソームシスプラチンを記載する。具体的には、リポソーム組成物は、1〜20モル%の、荷電していないキャップを有する親水性ポリマーを持つビークル形成脂質誘導体(例えば、ポリ(エチレングリコール)修飾リン脂質)を含む小胞形成性脂質(例えば、ホスファチジルコリン)のものとして記載されており、前記リポソームは、親水性ポリマーが、リポソームの内側と外側の両方の表面に親水性ポリマー鎖のコーティングを形成するように形成される。しかしながら、別の報告は、種々の濃度でポリ(エチレングリコール)−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE−PEG5000)を含有するジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)分散液の低温TEM画像を含むものであった(Biophysical Journal Volume 85、2003年12月、3839−3847頁)。該画像は、7.1モル%の低いDSPE−PEG5000 DSPCを含有する混合物が、‘966特許で特許請求されるリポソームとは反対に、大部分がミセルであったことを示した。さらに、‘966特許に記載された立体的に安定化されたリポソームシスプラチンは、第II相試験において限定されたイン・ビボ有効性を示した(Fengら、Cancer Chemother.Pharmacol.54:441−448、2004)。明らかに、イン・ビボ半減期および薬物放出プロフィールを含めた、リポソームの構造および物理的特性は、リポソームの構成に基づいて単純には予測できない。
既知の製剤の欠点を考えると、既存のリポソームおよび非リポソームプラチン治療剤と比較して改善された特性を備えたリポソームシスプラチンを開発することが望ましい。有効性と安全性とが均衡しており、標的とするがん細胞に対するシスプラチンの生物学的利用性を改善する製剤に対する要望が存在する。本発明は、これらおよび他の要望に取り組む。
米国特許第6,126,966号明細書
Biophysical Journal Volume 85、2003年12月、3839−3847頁 Fengら、Cancer Chemother.Pharmacol.54:441−448、2004
1つの態様において、本発明は、がんの処置用の組成物を提供する。該組成物は、(a)50〜75モル%のホスファチジルコリン脂質またはホスファチジルコリン脂質の混合物、20〜45モル%のコレステロール、および2〜8モル%のPEG−脂質より実質的になる双性イオン性リポソーム;および(b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約95:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含む。
第二の態様において、本発明は、がんの処置用の組成物を提供する。該組成物は、(a)50〜65モル%のホスファチジルコリン脂質またはホスファチジルコリン脂質の混合物、30〜45モル%のコレステロール、および2〜8モル%のPEG−脂質より実質的になる双性イオン性リポソーム;および(b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約65:1〜約95:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含む。
別の態様において、本発明は、がんを処置する方法を提供する。該方法は、本発明の組成物を、投与を必要とする被験体に投与することを含む。
本発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
(a)約50モル%〜約75モル%のホスファチジルコリン脂質またはホスファチジルコリン脂質の混合物、約20モル%〜約45モル%のコレステロール、および約2モル%〜約8モル%のPEG−脂質より実質的になる双性イオン性リポソーム;および
(b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約95:1であるような量の、該リポソームに封入したシスプラチン
を含む、がんの処置用の組成物。
(項目2)
前記ホスファチジルコリン脂質が、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)およびジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)よりなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記ホスファチジルコリン脂質がPOPCである、項目1に記載の組成物。
(項目4)
前記ホスファチジルコリン脂質がDSPCおよびDPPCを含む、項目1に記載の組成物。
(項目5)
前記ホスファチジルコリン脂質がDSPCである、項目1に記載の組成物。
(項目6)
前記PEG−脂質が、ジアシル−ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)]、N−アシル−スフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)]}、およびそれらの混合物よりなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目7)
前記PEG−脂質が、ジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)およびジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−5000](DSPE−PEG−5000)よりなる群から選択される、項目6に記載の組成物。
(項目8)
前記双性イオン性リポソームが、約40〜50モル%のDSPC、約15〜25モル%のDPPC、約25〜35モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む、項目1に記載の組成物。
(項目9)
前記双性イオン性リポソームが、約46モル%のDSPC、約19モル%のDPPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む、項目1に記載の組成物。
(項目10)
前記双性イオン性リポソームが、約55〜75モル%のDSPC、約20〜40モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む、項目1に記載の組成物。
(項目11)
前記双性イオン性リポソームが、約65モル%のDSPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む、項目1に記載の組成物。
(項目12)
前記双性イオン性リポソームが、約57モル%のPOPC、約38モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む、項目1に記載の組成物。
(項目13)
前記全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜90:1である、項目1に記載の組成物。
(項目14)
前記全脂質重量対シスプラチン重量の比が約90:1である、項目1に記載の組成物。
(項目15)
前記双性イオン性リポソームが、約75〜約125nmの平均粒径(体積平均)を有する、項目1に記載の組成物。
(項目16)
前記双性イオン性リポソームが、約90nmの平均粒径(体積平均)を有する、項目1に記載の組成物。
(項目17)
前記双性イオン性リポソームが、
a)前記ホスファチジルコリン脂質、前記コレステロール、前記PEG−脂質、およびC1−4アルカノールおよびC1−4アルカノール/水混合物よりなる群から選択される溶媒を含む脂質溶液を形成し;
b)該脂質溶液を水性緩衝液と混合して、多層小胞(MLV)を形成し;
c)該MLVを多孔性フィルターを通して押し出して、小型単層小胞(SUV)を形成し;
それにより、前記双性イオン性リポソームを形成することを含む方法によって調製される、項目1に記載の組成物。
(項目18)
前記シスプラチンの封入が、前記MLVの形成中に前記水性緩衝液中に前記シスプラチンを含ませ、封入されていないシスプラチンを除去することによって行われる、項目17に記載の組成物。
(項目19)
前記方法が、さらに;
d)前記双性イオン性リポソームを滅菌濾過すること
を含む、項目17に記載の組成物。
(項目20)
がんを処置する方法であって、該方法が、項目1に記載の組成物を、投与を必要とする被験体に投与することを含む方法。
(項目21)
前記組成物が:
a)約46モル%のDSPC、約19モル%のDPPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)より実質的になる双性イオン性リポソーム;および
b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約90:1であるような量の、該リポソームに封入したシスプラチン
を含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記組成物が:
a)約57モル%のPOPC、約38モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)より実質的になる双性イオン性リポソーム;および
b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約70:1〜約90:1であるような量の、該リポソームに封入したシスプラチン
を含む、項目20に記載の方法。
(項目23)
前記組成物が:
a)約65モル%のDSPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)より実質的になる双性イオン性リポソーム;および
b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約90:1であるような量の、該リポソームに封入したシスプラチン
を含む、項目20に記載の方法。
図1は、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン−PEG2000(DSPE−PEG2000)を含む、および含まない、リポソームシスプラチン製剤のTEM顕微鏡写真を示す。
図2は、様々な量のDSPE−PEG2000を含有するリポソームシスプラチン製剤のTEM顕微鏡写真を示す。
図3は、様々な量のDSPE−PEG5000を含有するリポソームシスプラチン製剤のTEM顕微鏡写真を示す。
図4は、マウスKB腫瘍モデルにおける種々のリポソームシスプラチン製剤の投与から得られた最大耐性用量(MTD)およびDNA/Pt付加物レベルを示す。
図5は、経時的なマウスKB腫瘍モデルにおけるDNA/Pt付加物の形成を示す。
図6は、リポソームシスプラチン製剤の投与後における、経時的なヌードマウスでのKB腫瘍のメジアン成長を示す。
図7は、リポソームシスプラチン製剤の投与の後における、経時的なヌードマウスでのA427腫瘍の平均成長を示す。
I.概要
本発明は、がん療法用のリポソームシスプラチン組成物に関する。本明細書に記載されるリポソーム組成物は、ホスファチジルコリン、コレステロール、ポリエチレングリコール(PEG)コンジュゲート化脂質、および封入したシスプラチンより実質的になる。当業者であれば、該組成物は、しばしば、封入媒体または緩衝液、および外部媒体を含むと認識する。該組成物を調製する方法および該組成物でのがんの処置も記載される。該組成物は、がん細胞において細胞内シスプラチンの生物学的利用性を増強し、がん処置のための全体的な安全性を改善するために特に有用である。該組成物は、がんを予防し、制御し、多数の利点を患者および臨床家に提供するために広く適用可能である。
II.定義
本明細書中で用いる場合、用語「リポソーム」は、脂質二重層によって包まれたあらゆる区画を含む。用語リポソームは、単一の脂質二重層よりなり、一般には、約20〜約400nmの範囲の直径を有する単層小胞を含む。リポソームは、一般に、1〜10μmの範囲の直径を有する多層であってもよい。いくつかの実施態様において、リポソームは、多層小胞(MLV;大きさは約1μm〜約10μm)、大型単層小胞(LUV;大きさは数百ナノメートル〜約10μm)、および小型単層小胞(SUV;大きさは約20nm〜約200nm)を含むことができる。
本明細書中で用いる場合、用語「双性イオン性リポソーム」とは、同じ脂質分子中に正電荷を持つ官能基と負電荷を持つ官能基の両方を持つ脂質を含有するリポソームをいう。双性イオン性リポソームの全体的な表面電荷は、外部媒体のpHに応じて変化する。一般に、双性イオン性リポソームの全体的な表面電荷は、生理学的pH(すなわち、pH約7.4)において中性または負である。
本明細書中で用いる場合、用語「リポソームの大きさ」および「平均粒径」とは、リポソームの外径をいう。平均粒径は、動的光散乱(DLS)、準弾性光散乱(QELS)、および電子顕微鏡観察を含めた多数の技術によって決定することができる。
本明細書中で用いる場合、用語「モルパーセント(molar percentage)」および「モル%」とは、リポソームの所定の脂質成分のモル数を全ての脂質成分の合計モル数で割ったものをいう。明示的に述べない限り、リポソームの脂質成分についてモル%を計算する場合に、活性剤、希釈剤、または他の成分の量は含まれない。
本明細書中で用いる場合、用語「ホスファチジルコリン脂質」とは、コリン頭部基(すなわち、1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)を有するジアシルグリセリドリン脂質をいう。ホスファチジルコリン脂質中のアシル基は、一般に、6〜24個の炭素原子を有する脂肪酸に由来する。ホスファチジルコリン脂質中の2つのアシル基は、同じ数の炭素原子または異なる数の炭素原子を有することができる。ホスファチジルコリン脂質は、合成および天然由来の1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンを含むことができる。
本明細書中で用いる場合、用語「コレステロール」とは、2,15−ジメチル−14−(1,5−ジメチルヘキシル)テトラシクロ[8.7.0.02,7.011,15]ヘプタコス−7−エン−5−オール(Chemical Abstracts Services登録番号57−88−5)をいう。
本明細書中で用いる場合、用語「PEG−脂質」とは、疎水性または両親媒性脂質部分に共有結合したポリ(エチレングリコール)ポリマーをいう。脂質部分は、脂肪、ワックス、ステロイド、脂溶性ビタミン、モノグリセリド、ジグリセリド、リン脂質、およびスフィンゴ脂質を含むことができる。好ましいPEG−脂質は、ジアシル−ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)]およびN−アシル−スフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)]}を含む。PEG−脂質中のPEGの分子量は、一般に、約500〜約5000ダルトン(Da;g/モル)である。PEG−脂質中のPEGは、線状または分岐状構造を有することができる。
本明細書中で用いる場合、用語「シスプラチン」とは、(SP−4−2)−ジアンミンジクロリド白金(II)(Chemical Abstracts Services登録番号15663−27−1)をいう。
本明細書中で用いる場合、用語「組成物」とは、特定量の特定成分を含む生成物、ならびに特定量の特定成分の組合せから直接的にまたは間接的に得られるあらゆる生成物をいう。本発明の医薬組成物は、一般に、本明細書に記載されたリポソームシスプラチンおよび薬学的に許容され得る担体、希釈剤、または賦形剤を含有する。「薬学的に許容され得る」とは、担体、希釈剤、または賦形剤が製剤の他の成分と適合しなければならず、かつその受容者にとって有害であってはならないことを意味する。
本明細書中で用いる場合、用語「アルカノール」とは、少なくとも1つのヒドロキシ基を有するC1−4アルカンをいう。アルカノールは、限定されるものではないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびt−ブタノールを含む。
本明細書中で用いる場合、用語「多孔性フィルター」とは、規定された直径(例えば、30〜1000nm)を持つ孔を含有するポリマー膜または無機膜をいう。多孔性フィルターは、限定されるものではないが、ポリカーボネートおよびポリエステルを含むポリマー、ならびに限定されるものではないが、多孔性アルミナを含む無機基材で作製することができる。
本明細書中で用いる場合、用語「滅菌濾過」とは、微生物および/またはウィルスを濾液から排除する能力を持つフィルターに組成物を通すことによる組成物の滅菌をいう。一般に、滅菌に用いられるフィルターは、フィルターを通ってリポソームが濾液へと通過することを可能とするのに十分大きいが、細菌または真菌などの生物の通過を遮断するのに十分小さな孔を含有する。
本明細書中で用いる場合、用語「がん」とは、ヒトのがんおよび癌、肉腫、腺癌、リンパ腫、白血病、および固形がんおよびリンパ性がんを含めた状態をいう。様々なタイプのがんの例としては、限定されるものではないが、肺がん(例えば、非小細胞肺がんまたはNSCLC)、卵巣がん、前立腺がん、結腸直腸がん、肝臓がん(すなわち、肝癌)、腎臓がん(すなわち、腎臓細胞癌)、膀胱がん、乳がん、甲状腺がん、胸膜がん、膵臓がん、子宮がん、子宮頸がん、精巣がん、肛門がん、膵臓がん、胆管がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃(胃の)がん、中枢神経系のがん、皮膚がん、絨毛がん、頭頸部がん、血液がん、骨原性肉腫、線維肉腫、神経芽細胞腫、膠腫、メラノーマ、B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、小細胞リンパ腫、大細胞リンパ腫、単球性白血病、骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、および多発性骨髄腫が挙げられる。
本明細書中で用いる場合、用語「処置する」、「処置すること」および「処置」とは、症状の緩和;軽快;縮小、またはがんまたはがん症状を患者にとってより許容できるものとするようなあらゆる客観的または主観的パラメータを含めた、がんまたはがんの症状の処置または軽減における成功のあらゆる兆候をいう。症状の処置または軽減は、例えば、理学的検査または臨床検査の結果を含めた、あらゆる客観的または主観的パラメータに基づくことができる。
本明細書中で用いる場合、用語「投与する」、「投与された」、または「投与すること」とは、本発明のリポソーム組成物を投与する方法をいう。本発明のリポソーム組成物は、非経口、静脈内、皮内、筋肉内、または腹腔内を含めた種々の方法で投与することができる。リポソーム組成物は、組成物または製剤の一部として投与することもできる。
本明細書中で用いる場合、用語「被験体」とは、一生のいずれかの段階におけるいずれかの哺乳動物、特にヒトをいう。
本明細書中で用いる場合、用語「約」は、特定の値を修飾するのに用いられる場合、その数値の前後の近い範囲を示す。「X」が値である場合、例えば、「約X」は、0.9X〜1.1Xの値、より好ましくは、0.95X〜1.05Xの値を示す。「約X」へのあらゆる言及は、少なくとも値X、0.9X、0.91X、0.92X、0.93X、0.94X、0.95X、0.96X、0.97X、0.98X、0.99X、1.01X、1.02X、1.03X、1.04X、1.05X、1.06X、1.07X、1.08X、1.09X、および1.1Xを具体的に示す。
III.本発明の実施態様
リポソーム
1つの態様において、本発明は、がんの処置用の組成物を提供する。該組成物は、(a)約50モル%〜約75モル%のホスファチジルコリン脂質またはホスファチジルコリン脂質の混合物、約20モル%〜約45モル%のコレステロール、および約2モル%〜約8モル%のPEG−脂質より実質的になる双性イオン性リポソーム;および(b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約95:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含む。
別の態様において、本発明は、がんの処置用の組成物を提供する。該組成物は、(a)約50モル%〜約65モル%のホスファチジルコリン脂質またはホスファチジルコリン脂質の混合物、約30モル%〜約45モル%のコレステロール、および約2モル%〜約8モル%のPEG−脂質より実質的になる双性イオン性リポソーム;および(b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約65:1〜約95:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含む。
本発明のリポソームは、あらゆる適切なホスファチジルコリン脂質(PC)またはPCの混合物を含有することができる。適切なホスファチジルコリン脂質は、飽和PCおよび不飽和PCを含む。
飽和PCの例としては、1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DLPC)、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(ジミリストイルホスファチジルコリン;DMPC)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(ジステアロイルホスファチジルコリン;DSPC)、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(ジパルミトイルホスファチジルコリン;DPPC)、1−ミリストイル−2−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(MPPC)、1−パルミトイル−2−ミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(PMPC)、1−ミリストイル−2−ステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(MSPC)、1−パルミトイル−2−ステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(PSPC)、1−ステアロイル−2−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(SPPC)、および1−ステアロイル−2−ミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(SMPC)が挙げられる。
不飽和PCの例としては、限定されるものではないが、1,2−ジミリストレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジミリステライドイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジパルミトレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジパルミテライドイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC)、1,2−ジエライドイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジペトロセレノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジリノレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン;POPC)、1−パルミトイル−2−リノレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−ステアロイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(SOPC)、1−ステアロイル−2−リノレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−オレオイル−2−ミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(OMPC)、1−オレオイル−2−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(OPPC)、および1−オレオイル−2−ステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(OSPC)が挙げられる。
卵PC、心臓抽出物、脳抽出物、肝臓抽出物、大豆PC、および水素添加大豆(HSPC)などの脂質抽出物もまた本発明で有用である。
いくつかの実施態様において、ホスファチジルコリン脂質は、POPC、DSPC、DMPC、およびDPPCから選択される。いくつかの実施態様において、ホスファチジルコリン脂質はPOPCである。いくつかの実施態様において、ホスファチジルコリン脂質はDSPCおよびDPPCを含む。
一般に、本発明の組成物は、50〜75モル%のホスファチジルコリン脂質またはホスファチジルコリン脂質の混合物を含有するリポソームを含む。リポソームは、例えば、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、または75モル%のホスファチジルコリンを含有することができる。いくつかの実施態様において、リポソームは50〜55モル%のホスファチジルコリンを含有する。一般に、本発明の組成物は、50〜65モル%のホスファチジルコリン脂質またはホスファチジルコリン脂質の混合物を含有するリポソームを含む。いくつかの実施態様において、リポソームは、55〜65モル%のホスファチジルコリンを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、65〜75モル%のホスファチジルコリンを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、約75モル%のホスファチジルコリンを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、約70モル%のホスファチジルコリンを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、約65モル%のホスファチジルコリンを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、約60モル%のホスファチジルコリンを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、約55モル%のホスファチジルコリンを含有する。
本発明の組成物中のリポソームは、20〜45モル%のコレステロール(すなわち、2,15−ジメチル−14−(1,5−ジメチルヘキシル)テトラシクロ[8.7.0.02,7.011,15]ヘプタコス−7−エン−5−オール)も含有する。リポソームは、例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、または45モル%のコレステロールを含有することができる。いくつかの実施態様において、リポソームは、20〜30モル%のコレステロールを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、30〜40モル%のコレステロールを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、30〜45モル%のコレステロールを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、40〜45モル%のコレステロールを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、約20モル%のコレステロールを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、約25モル%のコレステロールを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、約30モル%のコレステロールを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、約35モル%のコレステロールを含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、約40モル%のコレステロールを含有する。
本発明のリポソームは、任意の適切なポリ(エチレングリコール)−脂質誘導体(PEG−脂質)を含むことができる。いくつかの実施態様において、PEG−脂質は、ジアシル−ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)]、N−アシル−スフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)]}、およびそれらの混合物から選択される。PEG−脂質中のポリ(エチレングリコール)の分子量は、一般に、約500Da〜約5000Daの範囲である。ポリ(エチレングリコール)は、例えば、750Da、1000Da、2000Da、または5000Daの分子量を有することができる。いくつかの実施態様において、PEG−脂質はジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)およびジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−5000](DSPE−PEG−5000)から選択される。いくつかの実施態様において、PEG−脂質はDSPE−PEG−2000である。
一般に、本発明の組成物は、2〜8モル%のPEG−脂質を含有するリポソームを含む。リポソームは、例えば、約2、約3、約4、約5、約6、約7、または約8モル%のPEG−脂質を含有することができる。いくつかの実施態様において、リポソームは、4〜6モル%のPEG−脂質を含有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、約5モル%のPEG−脂質を含有する。
いくつかの実施態様において、双性イオン性リポソームは、約55モル%のPOPC、約40モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む。いくつかの実施態様において、双性イオン性リポソームは、約60モル%のPOPC、約35モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む。いくつかの実施態様において、双性イオン性リポソームは、約65モル%のPOPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む。いくつかの実施態様において、双性イオン性リポソームは、約57モル%のPOPC、約38モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む。
いくつかの実施態様において、双性イオン性リポソームは、約40〜50モル%のDSPC、約15〜25モル%のDPPC、約25〜35モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む。いくつかの実施態様において、双性イオン性リポソームは、約46モル%のDSPC、約19モル%のDPPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む。
いくつかの実施態様において、双性イオン性リポソームは、約55〜75モル%のDSPC、約20〜40モル%のコレステロール、および約2〜8モル%のDSPE−PEG(2000)を含む。いくつかの実施態様において、双性イオン性リポソームは、約55〜75モル%のDSPC、約20〜40モル%のコレステロール、約2〜8モル%のDSPE−PEG(2000)を含み、DPPCは含まない。いくつかの実施態様において、双性イオン性リポソームは、約65モル%のDSPC、約30モル%のコレステロール、および5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む。
いくつかの実施態様において、双性イオン性リポソームは、約45モル%のDSPC、約20モル%のDPPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む。いくつかの実施態様において、双性イオン性リポソームは、約46モル%のDSPC、約19モル%のDPPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む。
一般に、本発明の組成物は、治療上有効投与量のシスプラチンを好都合な投与体積で被験体に送達することができるような量のリポソームに封入したシスプラチンを含有する。所定の製剤のシスプラチン含有量は、絶対濃度(例えば、mg/mL)として、またはリポソーム中の脂質に対する相対的な量として表すことができる。一般に、全脂質重量対シスプラチン重量の比は、約40:1〜約95:1である。いくつかの実施態様において、全脂質重量対シスプラチン重量の比は、約65:1〜約95:1である。脂質:シスプラチン比は、例えば、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1、65:1、70:1、75:1、80:1、85:1、90:1、または95:1であり得る。いくつかの実施態様において、本発明の組成物は、全脂質重量対シスプラチン重量の比が約70:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含有するリポソームを含む。いくつかの実施態様において、本発明の組成物は、全脂質重量対シスプラチン重量の比が約90:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含有するリポソームを含む。
リポソームの大きさは、当業者に知られた多数の方法によって決定することができる。リポソームの大きさは、例えば、動的光散乱(DLS)、準弾性光散乱(QELS)、分析超遠心、または電子顕微鏡観察によって決定することができる。いくつかの実施態様において、本発明の組成物は、約75〜約125nm(直径、体積平均)の平均粒径を有する双性イオン性リポソームを含む。例えば、リポソームは、75、85、90、95、100、105、110、115、120、または125nmの直径を有することができる。いくつかの実施態様において、リポソームは、80〜120nmの平均粒径を有する。いくつかの実施態様において、リポソームは、90〜120nmの平均粒径を有する。いくつかの実施態様において、本発明の組成物は、90nm(体積平均)の平均粒径を有するリポソームを含有する。
リポソームシスプラチンを調製する方法
リポソームは、当業者に知られた多数の技術を用いて調製し、シスプラチンを負荷することができる。脂質小胞は、例えば、(適切な容器中の脂質と有機溶媒との混合物の蒸発によって調製された)乾燥した脂質フィルムを水または水性緩衝液で水和することによって調製することができる。脂質フィルムの水和は、典型的には、多層小胞(MLV)の懸濁液をもたらす。別法として、MLVは、C1−4アルカノールなどの適切な溶媒中の脂質の溶液を水または水性緩衝液で希釈することによって形成することができる。単層小胞は、超音波処理、または規定された細孔径を持つ膜を通す押出しによってMLVから形成することができる。シスプラチンの封入は、MLV形成中にフィルム水和または脂質希釈に用いられる水溶液に薬物を含めることによって行うことができる。シスプラチンは、予め形成された小胞に封入することもできる。
従って、本発明のいくつかの実施態様は、上記の双性イオン性リポソームを含有する組成物を提供し、ここで、リポソームは;a)ホスファチジルコリン脂質、コレステロール、PEG−脂質、およびC1−4アルカノールおよびC1−4アルカノール/水混合物から選択される溶媒を含有する脂質溶液を形成し;b)該脂質溶液を水性緩衝液と混合して、多層小胞(MLV)を形成し;c)該MLVを多孔性フィルターを通して押し出して、小型単層小胞(SUV)を形成し;d)透析濾過して、封入されていないシスプラチンを除去することを含む方法によって調製される。いくつかの実施態様において、封入されていないシスプラチンの除去は、遠心分離によって行うこともできる。いくつかの実施態様において、シスプラチンの封入は、MLVの形成中にシスプラチンを水性緩衝液に含めることによって行われる。いくつかの実施態様において、リポソームの調製は、さらに、双性イオン性リポソームを滅菌濾過することを含む。
製剤および投与
いくつかの実施態様において、本発明の組成物は、上記のリポソームおよび生理学的に(すなわち、薬学的に)許容され得る担体を含むことができる。用語「担体」とは、リポソームシスプラチンのための希釈剤またはビークルとして用いられる典型的には不活性な物質をいう。該用語は、粘着性の性質を組成物に付与する典型的には不活性な物質も含む。典型的には、生理学的に許容され得る担体は、液体形態で存在する。液体担体の例としては、生理食塩水、リン酸緩衝液、規定濃度の緩衝化食塩水(135〜150mM NaCl)、水、緩衝化水、0、4%食塩水、0.3%グリシン、0.3Mスクロース(および他の炭水化物)、安定性の増強を提供するための糖タンパク質(例えば、アルブミン、リポタンパク質、グロブリン等)等が挙げられる。生理学的に許容され得る担体は、部分的には、投与される特定の組成物によって、ならびに組成物を投与するのに用いられる特定の方法によって決定されるので、本発明の医薬組成物の多種多様な適切な製剤がある(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、1989参照)。
本発明の組成物は、慣用的なよく知られた滅菌技術によって滅菌してよく、または滅菌条件下で生産してよい。水溶液は、使用のために無菌条件下で包装することができるか、または無菌条件下で濾過して、凍結乾燥することができ、凍結乾燥した調製物は、投与に先立って滅菌水溶液と合わせられる。必要に応じて、組成物は、pH調整および緩衝化剤、等張性調整剤、湿潤剤等、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、およびトリエタノールアミンオレエートなどの、薬学的に許容され得る補助物質を含有して、生理学的条件に近似することができる。凍結乾燥したリポソーム組成物のための安定化剤など、組成物を安定化させるために糖を含めることもできる。
例えば、関節内、静脈内、筋肉内、腫瘍内、皮内、腹腔内、および皮下経路によるなどの、非経口投与に適した製剤は、水性および非水性の等張滅菌注射溶液を含む。注射溶液は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を意図した受容者の血液と等張にする溶質、および懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、および保存剤を含むことができる水性および/または非水性滅菌懸濁液を含有することができる。注射溶液および懸濁液は、凍結乾燥したリポソームなどの滅菌粉末から調製することもできる。本発明の実施において、組成物は、例えば、静脈内注入によって、腹腔内、膀胱内、または髄腔内投与することができる。非経口投与および静脈内投与は、投与の好ましい方法である。リポソーム組成物の製剤は、アンプルおよびバイアルなどの、単位用量(unit−dose)または複数回用量の密閉された容器中で与えることができる。
医薬調製物は、好ましくは、単位投与形態で存在する。そのような形態において、調製物は、適切な量の活性成分、例えば、リポソーム組成物を含有する単位用量にさらに分割される。単位投与形態は、包装された調製物であってよく、該包装は個別の量の調製物を含有する。組成物は、所望であれば、他の適合する治療剤を含有することもできる。
がんを処置する方法
別の実施態様において、本発明は、がんを処置する方法を提供する。該方法は、上記のリポソームシスプラチンを含有する組成物を、投与を必要とする被験体に投与することを含む。いくつかの実施態様において、該方法は、(a)約50モル%〜約75モル%のホスファチジルコリン脂質またはホスファチジルコリン脂質の混合物、約20モル%〜約45モル%のコレステロール、および約2モル%〜約8モル%のPEG−脂質より実質的になる双性イオン性リポソーム;および(b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約95:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含有する組成物を投与することを含む。いくつかの実施態様において、該方法は、(a)約50モル%〜約65モル%のホスファチジルコリン脂質またはホスファチジルコリン脂質の混合物、約30モル%〜約45モル%のコレステロール、および約2モル%〜約8モル%のPEG−脂質より実質的になる双性イオン性リポソーム;および(b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約65:1〜約95:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含有する組成物を投与することを含む。いくつかの実施態様において、該方法は、a)約46モル%のDSPC、約19モル%のDPPC;約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)より実質的になる双性イオン性リポソーム;およびb)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約90:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含有する組成物を投与することを含む。いくつかの実施態様において、該方法は、a)約46モル%のDSPC、約19モル%のDPPC;約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)より実質的になる双性イオン性リポソーム;およびb)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約70:1〜約90:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含有する組成物を投与することを含む。いくつかの実施態様において、該方法は、a)約57モル%のPOPC、約38モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)より実質的になる双性イオン性リポソーム;およびb)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約90:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含有する組成物を投与することを含む。いくつかの実施態様において、該方法は、a)約57モル%のPOPC、約38モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPC−PEG(2000)より実質的になる双性イオン性リポソーム;およびb)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約70:1〜約90:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含有する組成物を投与することを含む。いくつかの実施態様において、該方法は、a)約65モル%のDSPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)より実質的になる双性イオン性リポソーム;およびb)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約90:1であるような量の、リポソームに封入したシスプラチンを含有する組成物を投与することを含む。

がんの処置のための治療的使用において、本発明のリポソーム組成物は、シスプラチンの初期投与量が、毎日約0.001mg/kg〜約1000mg/kgの範囲であるように投与することができる。約0.01〜500mg/kg、または約0.1〜200mg/kg、または約1〜100mg/kg、または約10〜50mg/kg、または約10mg/kg、または約5mg/kg、または約2mg/kg、または約1mg/kgの日用量範囲を用いることができる。
投与量は、患者の要求、処置されるがんの重症度、および使用されるリポソーム組成物に応じて変化し得る。例えば、投与量は、特定の患者において診断されたがんのタイプおよびステージを考慮して経験的に決定することができる。患者に投与される投与量は、経時的に患者における有益な治療的応答に影響を及ぼすのに十分なものとすべきである。投与量の大きさは、特定の患者における特定のリポソーム組成物の投与に伴うあらゆる有害な副作用の存在、性質、および程度によっても決定されるであろう。特定の状況のために適切な投与量の決定は、開業医の技量の範囲内のものである。一般に、処置は、リポソーム組成物の最適投与量未満であるより小さな投与量で開始される。その後、投与量を状況下での最適な効果に到達するまで、小さな増分ずつ増加させる。便宜上、毎日の投与量の合計を、所望であれば、該日の間に少量ずつに分割して投与してよい。
組成物は、本発明の方法において単独で、または他の治療剤と組み合わせて投与してよい。追加の剤は、限定されるものではないが、アバスチン、ドキソルビシン、オキサリプラチン、カルボプラチン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、またはパクリタキセルおよびドセタキセルなどのタキサンを含む抗がん剤または細胞毒性剤であり得る。追加の抗がん剤は、限定されるものではないが、20−エピ−1,25−ジヒドロキシビタミンD3,4−イポメアノール、5−エチニルウラシル、9−ジヒドロタキソール、アビラテロン、アシビシン、アクラルビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン、アシルフルベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、全−tkアンタゴニスト、アルトレタミン、アンバムスチン、アンボマイシン、酢酸アメタントロン、アミドックス、アミホスチン、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラフォリド、血管新生阻害剤、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリクス、アントラマイシン、抗背側化形態形成タンパク質−1(anti−dorsalizing morphogenetic protein−1)、抗エストロゲン、抗ネオプラストン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、グリシン酸アフィジコリン、アポトーシス遺伝子調節剤、アポトーシス制御因子、アプリン酸、ARA−CDP−DL−PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザシチジン、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、アゼテパ、アゾトマイシン、バッカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、ベンゾクロリン、ベンゾデパ、ベンゾイルスタウロスポリン、ベータラクタム誘導体、ベータ−アレチン、ベタクラマイシンB、ベツリン酸、BFGF阻害剤、ビカルタミド、ビサントレン、塩酸ビサントレン、ビスアジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ジメシル酸ビスナフィド、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、BRC/ABLアンタゴニスト、ブレフレート、ブレキナールナトリウム、ブロピリミン、ブドチタン、ブスルファン、ブチオニンスルホキシミン、カクチノマイシン、カルシポトリオール、カルホスチンC、カルステロン、カンプトテシン誘導体、カナリポックスIL−2、カペシタビン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルボキサミド−アミノ−トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、カレストM3、カルムスチン、カム700、軟骨由来阻害剤、塩酸カルビシン、カルゼレシン、カゼインキナーゼ阻害剤、カスタノスペルミン、セクロピンB、セデフィンゴール、セトロレリクス、クロラムブシル、クロリン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シロレマイシン、シスプラチン、シス−ポルフィリン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類似体、コナゲニン、クランベスシジン816、クリスナトール、メシル酸クリスナトール、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、クラシンA、シクロペンタントラキノン(cyclopentanthraquinone)、シクロホスファミド、シクロプラタム、シペマイシン、シタラビン、シタラビンオクホスファート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダカルバジン、ダクリキシマブ、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、デシタビン、デヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキシホスファミド、デキソルマプラチン、デクスラゾキサン、デクスベラパミル、デザグアニン、メシル酸デザグアニン、ジアジコン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ−5−アザシチジン、ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ドロナビノール、デュアゾマイシン(duazomycin)、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エダトレキセート、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロミチン、塩酸エフロミチン、エレメン、エルサミトルシン、エミテフール、エンロプラチン、エンプロマート、エピプロピジン、エピルビシン、塩酸エピルビシン、エプリステリド、エルブロゾール、赤血球遺伝子療法ベクター系、塩酸エソルビシン、エストラムスチン、エストラムスチン類似体、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、エキセメスタン、ファドロゾール、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フロクスウリジン(floxuridine)、フルアステロン、フルダラビン、リン酸フルダラビン、塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin hydrochloride)、フルオロウラシル、フルオロシタビン、ホルフェニメクス、フォルメスタン、フォスキドン、フォストリエシン、フォストリエシンナトリウム、フォテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリクス、ゼラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセタミド、ヒドロキシ尿素、ヒペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、塩酸イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イホスファミド、イルモホシン、イロマスタット、イミダゾアクリドン、イミキモド、免疫刺激ペプチド、インスリン様成長因子−1受容体阻害剤、インターフェロンアゴニスト、インターフェロンアルファ−2A、インターフェロンアルファ−2B、インターフェロンアルファ−N1、インターフェロンアルファ−N3、インターフェロンベータ−IA、インターフェロンガンマ−IB、インターフェロン、インターロイキン、イオベングアン、ヨードドキソルビシン、イプロプラチン、イリノテカン、塩酸イリノテカン、イロプラクト、イルソグラジン、イソベンガゾール、イソホモハリコンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン−Nトリアセテート、ランレオチド、酢酸ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病阻害因子、白血球アルファインターフェロン、酢酸ロイプロリド、ロイプロリド/エストロゲン/プロゲステロン、ロイプロレリン、レバミゾール、リアロゾール、塩酸リアロゾール、線状ポリアミン類似体、親油性二糖ペプチド、親油性白金化合物、リソクリナミド7(lissoclinamide 7)、ロバプラチン、ロムブリシン、ロメトレキソール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、ロニダミン、ロソキサントロン、塩酸ロソキサントロン、ロバスタチン、ロキソリビン、ルルトテカン、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解性ペプチド、メイタンシン(maitansine)、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリリシン阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メイタンシン(maytansine)、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルバロン、メルカプトプリン、メテレリン、メチオニナーゼ、メトトレキセート、メトトレキセートナトリウム、メトクロプラミド、メトプリン、メツレデパ、微細藻類プロテインキナーゼC阻害剤、MIF阻害剤、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミチンドミド、ミトカルシン(mitocarcin)、ミトクロミン(mitocromin)、ミトギリン(mitogillin)、ミトグアゾン(mitoguazone)、ミトラクトール(mitolactol)、ミトマルシン(mitomalcin)、マイトマイシン、マイトマイシン類似体、ミトナフィド、ミトスペル(mitosper)、ミトタン、マイトトキシン線維芽細胞成長因子−サポリン、ミトキサントロン、塩酸ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチム、モノクローナル抗体、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン、モノホスホリル脂質a/ミオバクテリア細胞壁SK、モピダモール、多剤耐性遺伝子阻害剤、多発性腫瘍サプレッサー1ベースの療法、マスタード抗がん剤、ミカペルオキシドB、マイコバクテリア細胞壁抽出物、ミコフェノール酸、ミリアポロン、n−アセチルジナリン、ナファレリン、ナグレスチップ(nagrestip)、ナロキソン/ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン、一酸化窒素調節剤、ニトロキシド抗酸化剤、ニトルリン、ノコダゾール、ノガラマイシン、n−置換ベンズアミド、06−ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オラシン、経口サイトカインインデューサ、オルマプラチン、オサテロン、オキサウノマイシン、オキシスラン、パクリタキセル、パクリタキセル類似体、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペグアスパルガーゼ(pegaspargase)、ペルデシン、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペントサンポリ硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール、硫酸ペプロマイシン、ペルフルブロン、ペルフォスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、酢酸フェニル、ホスファターゼ阻害剤、ピシバニール、塩酸ピロカルピン、ピポブロマン、ピポスルファン、ピラルビシン、ピリトレキシム、塩酸ピロキサントロン、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノーゲンアクチベータ阻害剤、白金錯体、白金化合物、白金−トリアミン錯体、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、塩酸プロカルバジン、プロピルビス−アクリドン、プロスタグランジンJ2、前立腺癌抗アンドロゲン、プロテアソーム阻害剤、タンパク質Aベースの免疫調節剤、プロテインキナーゼC阻害剤、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤、ピューロマイシン、塩酸ピューロマイシン、プルプリン、ピラゾフリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート、RAFアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、RASファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、RAS阻害剤、RAS−GAP阻害剤、脱メチル化レテリプチン、レニウムRE186エチドロネート、リゾキシン、リボプリン、リボザイム、RIIレチナミド、RNAi、ログレチミド、ロヒツキン、ロムルチド、ロキニメクス(roquinimex)、ルビギノンB1、ルボキシル、サフィンゴール、塩酸サフィンゴール、サイントピン、サルクヌ(sarcnu)、サルコフィトールA、サルグラモスチム、SDI 1ミメティックス、セムスチン、老化由来阻害剤1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害剤、シグナル伝達調節剤、シムトラゼン、一本鎖抗原結合タンパク質、シゾフラン、ソブゾキサン、ボロカプテートナトリウム(sodium borocaptate)、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン、スパルホサートナトリウム、スパルホス酸、スパルソマイシン、スピカマイシンD、塩酸スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、スプレノペンチン、スポンギスタチン1、スクアラミン、幹細胞阻害剤、幹細胞分裂阻害剤、スチピアミド、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、
ストロメリシン阻害剤、スルフィノシン、スロフェヌル(sulofenur)、超活性血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ、スラミン、スワインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリソマイシン、タリムスチン、タモキシフェンメチオダイド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフール、テルラピリリウム、テロメラーゼ阻害剤、塩酸テロキサントロン、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、サリブラスチン、サリドマイド、チアミプリン、チオコラリン、チオグアニン、チオテパ、トロンボポエチン、トロンボポエチンミメティック、チマルファシン、チモポエチン受容体アゴニスト、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、チアゾフリン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、二塩化チタノセン、塩酸トポテカン、トプセンチン、トレミフェン、クエン酸トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳阻害剤、酢酸トレストロン、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、リン酸トリシリビン、トリメトトレキセート、グルクロン酸トリメトトレキセート、トリプトレリン、トロピセトロン、塩酸ツブロゾール、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チルフォスチン、UBC阻害剤、ウベニメクス、ウラシルマスタード、ウレデパ、尿生殖洞由来成長阻害因子、ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト、バプレオチド、バリオリンB、ベラレソール、ベラミン、ベルジン、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシネート、硫酸ビンロイロシン、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン、ビンキサルチン、硫酸ビンゾリジン、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、または塩酸ゾルビシンを含むことができる。いくつかの実施態様においては、該方法はフルオロウラシル、ロイコボリン、およびそれらの混合物から選択される薬物の投与を含むことができる。
IV.実施例
実施例1 リポソームシスプラチン組成物を調製するための一般的な方法
リポソーム中へのシスプラチンの封入は、溶媒希釈法によって行った。脂質混合物(変化する脂質比の500mgの部分)を、1mLのt−BuOH/EtOH(1/1、v/v比)、またはt−BuOH/EtOH/水(49/49/2 v/v比)に溶解させ、透明になるまで70℃で加熱した。90mgのシスプラチンを9mLの緩衝液(145mM NaCl、10mMヒスチジン緩衝液pH6.5)中に70℃で溶解させた。脂質溶液を、迅速に混合しながら、シスプラチン溶液に加えて、多層小胞(MLV)を形成した。70℃まで加熱したLIPEXTM押出機(Northern Lipid Inc.)を用いて、MLVを2つの重ねた80nmポリカーボネートフィルターに通した。小胞の大きさおよびサイズ分布を、それぞれ通過させた後、準弾性光散乱の原理(QELS)に基づいて粒径アナライザーを用いて決定し、90〜120nmの体積平均径に到達した後に押出しを停止した。押出しに続いて、リポソームを冷(2〜15℃)145mM NaClで10倍希釈した。この工程は、シスプラチンの濃度を低下させ、シスプラチンの沈殿の形成を防止する。加えて、この工程は、溶媒濃度を低下させる。溶媒濃度を低下させなければシスプラチンの小胞からの放出を促進し得る。
(交差流濾過としても知られる)透析濾過を、Spectrum Laboratoriesカートリッジ(500kD、145cmの表面積、カタログ番号X3−500−300−02N)で行った。それを用いて、封入されていないシスプラチンおよび残存する有機溶媒を除去し、外部緩衝液を交換し、リポソームを濃縮した。典型的には、製剤は限外濾過を経て、50mg/mLの脂質濃度を達成し、引き続いて、10洗浄体積の示された緩衝液に対して透析濾過され、続いて、70〜90mg/mLの脂質およびほぼ1mg/mLのシスプラチンまで限外濾過された。調製物の滅菌濾過を、酢酸セルロース膜を備えたSartorius 0.2μmシリンジフィルター(カタログ番号16534−K、約28mmの直径、6.2cmの表面積)で、親指で押して行った。薬物製剤を滅菌した発熱物質除去バイアルに充填し、2〜8℃で貯蔵した。
実施例2 リポソームの形態はPEG化脂質含有量によって異なる
DSPC、コレステロール、およびDSPE−PEG(2000、または5000)を含有する一連のリポソームを調製した。DSPC/コレステロールの比を55/45(モル%)に固定し、PEG化脂質は、各々、0、5、10、20、30モル%の全脂質組成物であった。リポソーム組成物を表1に示す。低温TEM画像を以下の図1、2、および3に示す。これらの画像は、リポソームの形態が、リポソーム中のPEG化脂質のレベルによって異なることを明瞭に示す。約5モル%を超えると、本質的には、リポソームは不安定であり、大きな円盤状の粒子が形成された。7モル%よりも大きなレベルは、特に高い形態学的不均一性をもたらした。
実施例3 種々のリン脂質を用いたリポソームの調製
上記の方法に従って一連の14のリポソーム試料を調製した。リポソーム組成物を表2に列挙する。比較の目的で、試料1を米国特許第6,126,966号の実施例5(SPI−077組成物)に従って調製した。試料3、4、14および10を、0モル%〜40モル%の範囲であるコレステロールレベルで、DSPCリン脂質を用いて調製した。DSPCとDPPCとの二元混合物を試料5〜9で用いた。試料5、6、および7は、より高いコレステロールレベル(30〜40モル%)を有し、試料8〜9は、より低いコレステロールレベル(10〜20モル%)を有した。試料10を、HSPCが用いられた試料1および2との具体的な比較のために、主要なリン脂質成分としてDSPCを用いて調製した。試料11および12を、主要なリン脂質成分としてDPPCおよびDMPCを用いて調製し、ここで、DMPCは14個の炭素原子の脂肪酸鎖を有する。試料13は、主要なリン脂質成分としてPOPCを用いており、そこでは、脂肪酸鎖は飽和および不飽和脂肪酸を含有する。
実施例4 リポソームシスプラチン製剤の安定性および有効性
本実施例は、実施例2において表2に与えられたリポソーム組成物の中で、試料7、13、および14の優れた有効性および安全性を説明する。
リポソーム製剤を、KB腫瘍動物においてPK研究のために評価した。動物研究を、以下のプロトコルに従って行った。KB腫瘍をヌードマウスに注射し、約10日間成長させた。18匹の動物にリポソーム調製物を注射した。動物を、処置前、5分、4時間、24時間、48時間、および96時間の時点において3つの群において殺した。組織試料を回収し、腫瘍中のPt/DNA付加物を分析した。試料分析中にエクス・ビボで生じたPt/DNA付加物の可能性を、シスプラチンを与えたナイーブ腫瘍を用いて評価した。
組織からのDNAを、QiagenのDNeasyプロトコルから採用された手法によって単離した。溶出画分を、DNA/Pt付加物Pt分析のために回収した。誘導結合質量分析(ICPMS)によってPt定量を行い、DNA定量をPicogreen蛍光法によって行った。
実施例2からのリポソーム試料1〜14を、上記のプロトコルに従って、イン・ビボ動物研究で用いた。全ての製剤を、DNA/Pt付加物アッセイにおいて、8mg/kgシスプラチンで投薬した。1マイクログラム(ug)DNA当たりのピコグラム(pg)Ptによって測定した、ピーク腫瘍DNA/Pt付加物、および最大耐性用量(MTD)の値を図4に示されるようにプロットした。より高いレベルのDNA/Pt付加物およびより高いMTD値は、それぞれのリポソーム組成物について、より良好な有効性および安全性を示す。時間の関数としてのDNA/Pt付加物値を図5に示す。試料7を、A427肺異種移植片腫瘍を持つマウスでの腫瘍有効性試験で評価した。
試料7、13、および14は、他の試料と比較して明らかに優れている。注目すべきことに、試料1は、8mg/kg未満の非常に低いMTD、および20pg未満のPt/μgのDNAのピークDNA/Pt付加物値を呈する。試料7、13および14は、米国特許第6,126,966号に記載された例である試料1よりも明らかに優れる。さらに、天然シスプラチンを用いた場合、そのMTDは10mg/kg未満であり、DNA/Pt付加物値は1μgのDNA当たり10pgのPt未満であった。
試料7は、試料5、6、8、9および11と比較した場合に優れている。試料7は、30モル%のコレステロールレベル、および2倍よりも大きなモル比を持つDSPC/DPPCの二元混合物を有する。この傾向は試料14によってさらに裏付けられ、試料14では、組成物は30モル%の高いコレステロールレベルを有するが、DPPCを有さず、そしてDPPCがDSPCなしで単独で用いられた試料11よりも良好である。試料5は、試料7および14と同様に30モル%のコレステロールを有するが、試料5は46.25%のDPPCと共にたった18.75%のDSPCを含有し、より低いDNA/Pt付加物を生じた。
図5において、試料7、13、および14は、時間の関数としての、イン・ビボでDNA/Pt付加物を形成するそれらの能力について明らかに優れている。試料1は、20pg Pt/μgのDNA未満のピークDNA/Pt付加物値を呈することに注意すべきである。
有効性を、KBヒトモデルにおいて研究した。実験を、KBモデルについて先に記載されたように行った。図6は、試料14が、KBヒト異種移植片を持つマウスにおいて、同等のシスプラチンレベルで投薬された、シスプラチンまたは試料2(HSPCの比較対象)よりも高いイン・ビボでの有効性を生じたことを示す。
有効性を、A427ヒトNSCLCモデルにおいても研究した。実験を、上記KBモデルについて記載されたように行った。図6は、試料7が、A427ヒトNSCLC異種移植片を持つマウスにおいて、同等のシスプラチンレベルで投薬されたシスプラチンよりも高いイン・ビボ有効性を有することを示す。試料7での単回の処置の結果、遊離シスプラチンについての30%と比較して、注射から14日後に、61%の腫瘍成長阻害がもたらされた。
ここまで、明瞭性および理解の目的で、説明および実施例によって幾分詳細に記載してきたが、当業者であれば、ある種の変形および変更を添付の特許請求の範囲内で実施することができることを十分に理解するはずである。加えて、本明細書中で提供された各文献は、あたかも各文献が参照により個々に組み込まれるのと同等な程度に、参照によりその全体が組み込まれる。

Claims (25)

  1. (a)約55モル%〜約75モル%のホスファチジルコリン脂質またはホスファチジルコリン脂質の混合物、約20モル%〜約45モル%のコレステロール、および約2モル%〜約8モル%のPEG−脂質より実質的になる双性イオン性リポソーム;および
    (b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約95:1であるような量の、該リポソームに封入したシスプラチン
    を含む、がんの処置用の組成物であって、
    該組成物は、約10mg/kgより高い最大耐性用量および/または1μgのDNA当たり約20pgのPtより高いピークDNA/白金(Pt)付加物値を有する、組成物
  2. 前記ホスファチジルコリン脂質が、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)およびジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)よりなる群から選択される、請求項1記載の組成物。
  3. 前記ホスファチジルコリン脂質がPOPCである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記ホスファチジルコリン脂質がDSPCおよびDPPCを含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記ホスファチジルコリン脂質がDSPCである、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記PEG−脂質が、ジアシル−ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)]、N−アシル−スフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)]}、およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記PEG−脂質が、ジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)およびジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−5000](DSPE−PEG−5000)よりなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記双性イオン性リポソームが、約40〜50モル%のDSPC、約15〜25モル%のDPPC、約25〜35モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記双性イオン性リポソームが、約46モル%のDSPC、約19モル%のDPPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記双性イオン性リポソームが、約55〜75モル%のDSPC、約20〜40モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記双性イオン性リポソームが、約65モル%のDSPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む、請求項1に記載の組成物。
  12. 前記双性イオン性リポソームが、約57モル%のPOPC、約38モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)を含む、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜90:1である、請求項1記載の組成物。
  14. 前記全脂質重量対シスプラチン重量の比が約90:1である、請求項1に記載の組成物。
  15. 前記双性イオン性リポソームが、約75〜約125nmの平均粒径(体積平均)を有する、請求項1に記載の組成物。
  16. 前記双性イオン性リポソームが、約90nmの平均粒径(体積平均)を有する、請求項1に記載の組成物。
  17. 請求項1に記載の組成物を調製するための方法であって、
    前記双性イオン性リポソームが、
    a)前記ホスファチジルコリン脂質、前記コレステロール、前記PEG−脂質、ならびに1−4アルカノールおよびC1−4アルカノール/水混合物よりなる群から選択される溶媒を含む脂質溶液を形成し;
    b)該脂質溶液を水性緩衝液と混合して、多層小胞(MLV)を形成し;
    c)該MLVを多孔性フィルターを通して押し出して、小型単層小胞(SUV)を形成し;
    それにより、前記双性イオン性リポソームを形成することを含む工程によって調製される、方法
  18. 前記シスプラチンの前記双性イオン性リポソームによる封入が、前記MLVの形成中に前記水性緩衝液中に前記シスプラチンを含ませ、封入されていないシスプラチンを除去することによって行われる、請求項17に記載の方法
  19. 前記方法が、さらに;
    d)前記双性イオン性リポソームを滅菌濾過する工程
    を含む、請求項17に記載の方法
  20. がんを処置するための医薬の製造における、請求項1に記載の組成物の使用。
  21. 前記組成物が:
    a)約46モル%のDSPC、約19モル%のDPPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)より実質的になる双性イオン性リポソーム;および
    b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約90:1であるような量の、該リポソームに封入したシスプラチン
    を含む、医薬の製造における、請求項20に記載の組成物の使用。
  22. 前記組成物が:
    a)約57モル%のPOPC、約38モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)より実質的になる双性イオン性リポソーム;および
    b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約70:1〜約90:1であるような量の、該リポソームに封入したシスプラチン
    を含む、医薬の製造における、請求項20に記載の組成物の使用。
  23. 前記組成物が:
    a)約65モル%のDSPC、約30モル%のコレステロール、および約5モル%のDSPE−PEG(2000)より実質的になる双性イオン性リポソーム;および
    b)全脂質重量対シスプラチン重量の比が約40:1〜約90:1であるような量の、該リポソームに封入したシスプラチン
    を含む、医薬の製造における、請求項20に記載の組成物の使用。
  24. 約10mg/kgより高い最大耐性用量および1μgのDNA当たり約20pgのPtより高いピークDNA/白金(Pt)付加物値を有する、請求項1に記載の組成物
  25. 平均腫瘍体積を減少させる、シスプラチンよりも高いイン・ビボ有効性を有する、請求項1に記載の組成物。
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