JP6074146B2 - 3次元変位量計測装置 - Google Patents
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Description
固定装置101にZ軸用センサ103とZ軸ガイド110を設けて、Z軸センサ103が伸縮のみ自在にされる。次いで、Z軸ガイド110にユニバーサルジョイント107を設ける。ユニバーサルジョイント108、109を設けて、その中に、X軸センサ104、Y軸センサ105を装着する。
そして、X軸センサ104、Y軸センサ105を取り付けるユニバーサルジョイントの直交する軸のそれぞれに、伝達プレート111、112を取り付け、X軸センサ104、Y軸センサ105の軸に伝達駒113、114を取り付ける。このとき、どちらかのセンサは重力に対して垂直にする。さらに、ユニバーサルジョイント108の最終端に測定位置102を設置する。固定位置101の外周部と測定位置102の外周部との間に、カバー115を設けて防滴構造とする。なお、106は、各センサからの出力を取り出す信号線である。
ところが、この従来のものでは、X軸、Y軸の計測値が、ユニバーサルジョイント108、109上に設けられた回転伝達駒113、114を介してX軸センサ104、Y軸センサ105にセンサに伝達されるため、X軸、Y軸の2軸のセンサが、同一面上に設置することができず、しかも、ユニバーサルジョイント108、109上に設置しなければならないため、ユニバーサルジョイント108、109が長くなる結果、3軸変位計全体の長さが長くなり、設置スペースに制約を生じるおそれがあった。
さらに、ロッド部を球面状かつフォーク状に囲んで構成する一対のリンクを設け、一方のリンクにはX軸ポテンショセンサを、他方のリンクにはY軸ポテンショセンサを固定することにより、これらのX軸センサ、Y軸センサを略同一平面上に配置し、Z軸センサ、X軸センサ、Y軸センサにより、3軸の変位を同時に計測できるようにした。
またリンクを介して設置されるX軸センサ、Y軸センサは略同一平面上に配設することにより、X軸、Y軸の変位を略同一平面内に配設されリンクを介したセンサを使用した計測が可能となるので、Z軸方向の高さを効率よく減少させて3軸変位計をコンパクトに構成することができる。
また、一端側にZ軸ポテンショセンサ、他端側にX軸ポテンショセンサ、Y軸ポテンショセンサが配置されるため、不動点と変位計測ポイント間の長い配線が必要となり、さらなるコストアップを招くことになる。しかも、地滑りにより、他端側が固い岩盤などに激突し、大きな衝撃力が加わると、ロッドの根元部で屈曲してしまうことがあり、このような場合には、X軸ポテンショセンサ、Y軸ポテンショセンサの検出値に屈曲に伴う誤差が発生し、3軸の変位を正確に計測できない場合が生じ得る。
特にこうした計測装置を使用して警報を出したり、立ち入り制限をかけるような緊急性の高い現場では、地滑り用の過小評価が対応の遅れを招き、重大な災害につながりかねない。
すなわち、
(1)不動点と地滑り等による地表面の変位を計測する計測点とをワイヤで接続し、ワイヤの変位により、計測点の変位量を計測する計測装置において、前記不動点及び計測点の一方に、前記ワイヤの長さ方向の変位量を計測するセンサと、該ワイヤの鉛直方向軸(X軸)回り及び水平軸(Y軸)回りの角度変位量を計測するセンサを設け、ワイヤの長さ方向の変位量、鉛直方向軸(X軸)回りの角度変位量及び水平方向軸(Y軸)回りの角度変位量に基づいて、前記不動点に対する計測点の3次元変位量を演算するようにした。
(6)ワイヤの長さ方向の変位量を検出する計測装置の基台に対し、鉛直方向に固定される第1コの字型部材と、前記第1のコの字型部材に対し、鉛直軸回りに回転自在に連結される中間部材と、前記中間部材に対し、水平軸回りに回転自在に連結される第2コの字型部材と、前記中間部材の鉛直軸回りの回転角度変量を計測するX軸変位センサと、前記第2コの字型部材の水平軸回りの回転角度変量を計測するY軸変位センサと、前記X軸変位センサとY軸変位センサの計測値を出力する出力端子からなり、前記計測装置によるワイヤの長さ方向の変位量をZ軸方向として、計測点の3次元変位量を計測可能とした。
また、不動点及び計測点との一方に、ワイヤの長さ方向の変位量を計測するセンサ、ワイヤの鉛直方向軸(X軸)回り及び水平軸(Y軸)回りの角度変位量を計測するセンサをすべて集約できるので、設置コストを低減することができる。
特に上記(3)によれば、Z軸センサロッドにより計測し得る変位量をさらに拡大することができる。
上記(4)〜(7)によれば、ワイヤの長さ方向の変位量を検出する既存の計測装置と組み合わせることにより、さらにコスト低減を図ることができる。
図4は、本実施例の3軸相対変位計を不動点側からみた俯瞰図を示し、水平面に対し鉛直方向をX軸、水平方向をY軸、そして、X軸とY軸の交点を原点として、一端が自在継ぎ手に結合されるワイヤ1の長さ方向をZ軸としている。なお、インバー線などからなるワイヤ1の他端は、変位計測ポイントに埋設された杭等の固定部材(図示せず)に連結されている。
不動点側の本体2の内部には、X軸、Y軸、Z軸回りに自由に回転できる自在継ぎ手3が設けられており、この自在継ぎ手3に、ロッド4を介して、円筒状のケース5が連結されている。ケース5の内部には、Z軸センサロッド6を軸方向にスライド可能に案内する案内部7が形成されており、この案内部7に、一端がワイヤ1に連結されたZ軸センサロッド6が挿通されている。
なお、ロッド4のケース5側端部と、本体2に設けられた円形開口部との間には、ゴムや合成樹脂で形成されたブーツ9が設けられ、防水性を維持しながら、ロッド4が、自在継ぎ手3との連結点を基点としてスムースに円錐運動できるようになっている。
一方、Z軸方向、すなわちワイヤ1の長さ方向のずれは、戻しバネ6に抗したZ軸センサロッド6の軸方向の移動に伴い、回転するZ軸変位センサ10Zにより検出される。
なお、X軸角度センサ10X、Y軸角度センサ10Y、Z軸変位センサ10Zとしては、ロータリエンコーダや、ポテンショメータ等を利用することができる。
ΔX=(L±ΔL)*(√(sin2Δθy*cosΔθx2/(sin2Δθy*cos2Δθx+cos2Δθy)) (1)
ΔY=(L±ΔL)*(√(sin2Δθx*cos2Δθy/(sin2Δθx*cos2Δθy+cos2Δθx)) (2)
ΔZ=(L±ΔL)*(√(cos2Δθx*cos2Δθy/(sin2Δθx*cos2Δθy+cos2Δθx))−L (3)
なお、上記の演算式において、
ΔX:X軸移動量
ΔY:Y軸移動量
ΔZ:Z軸移動量
L±ΔL:全長±Z軸ポテンショセンサ変化量
Δθx:X軸ポテンショセンサ変化量
Δθy:Y軸ポテンショセンサ変化量
であり、Δθx、Δθyはポテンショセンサからの出力で角度の変化を表し、ΔLはポテンショセンサからの出力で長さの変化を表している。
これらの変化量を上式(1)〜(3)に代入することで、三次元のΔX、ΔY、ΔZの変化(長さ)を表すことができる。
X軸角度センサ10X、Y軸角度センサ10Y、Z軸変位センサ10Zからなるセンサ部10の出力変化量Δθx、Δθy、ΔZは、これらを電圧信号あるいは抵抗値信号を、マイコン等の制御部11内の演算処理部12で処理できるよう、制御シグナルコンディショナー(インターフェース)13を介して信号処理(AD変換)がなされる。なお、14、15、16は、それぞれメモリ、外部PCやLANに接続するための通信機、所定以上の地滑りが発生した場合に警報を発するためのランプ、ブザーを作動させる外部出力機である。
また、この例では、X軸角度センサ10X、Y軸角度センサ10Y、Z軸変位センサ10Zを不動点側に設けたが、これらを計測点側に設け、内蔵するバッテリにより、各センサ及び通信を行うようにしてもよい。
実施例1では、装置をコンパクトにできるが、Z軸方向の検出範囲が戻しバネによりZ軸センサロッド6のストロークに限定されてしまうため、計測し得る変位量が限定されたものになってしまう。
そこで、この実施例では、図9に示されるように、Z軸の変位量を既存の伸縮計と同様にワイヤの巻き取り量で検出する。すなわち、本体2の円形開口部には、ゴムブーツ9を介してワイヤ案内部17が自在継ぎ手3との連結点を基点として円錐運動可能に取り付けられており、ワイヤ案内部17の一端から挿通されたワイヤ1は、自在継ぎ手3のX軸とY軸の交点に位置するワイヤ案内部17の他端を介して、ワイヤ巻き取り部18に巻き取られている。
ワイヤ巻き取り部18は、コイルスプリング等により、初期状態において、ワイヤ1に所定の張力を与えるようになっており、地滑り等により、ワイヤ1がワイヤ巻き取り部18に巻き取られたり、あるいは繰り出された場合、ロータリエンコーダやポテンショメータ等を利用したZ軸変位センサ10Zにより検出される。その他の構成は、実施例1と同様である。
この実施例では、X軸回転センサとY軸回転センサを結合した2角度検出ユニットを既存の伸縮計と組み合わせてより低コストを実現する。
すなわち、図10〜図11に示すように、既存の伸縮計19をZ軸センサとして使用し、その基台に、X軸回転センサ20XとY軸回転センサ20Yを結合した2角度検出ユニット20を配置し、ワイヤ1を、各センサ20X、20Yのワイヤ案内部に通した上で、既存の伸縮計19に連結する。
なお、第1コの字型部材20bの案内部20a先端は、ピン20fとピン20gを結ぶ線と、ピン20hとピン20iを結ぶ線の交点に一致するよう配置され、この先端が、X軸とY軸が交わる原点となっている。
そして、図17に示されるように、既存の伸縮計からのZ軸変位量ΔLを外部入力回路30を介してシグナルコンディショナーに取り込めば、実施例1と同様に、X軸移動量ΔX、Y軸移動量ΔY、Z軸移動量ΔZを正確に演算することが可能となる。その他の構成は、実施例1と同様である。
実施例3では、既存の伸縮計19を固設したが、本実施例では、この伸縮計19を固定する台座21をX回転軸及びY軸回転軸回りに回転自在に設けた。
すなわち、図18〜図20に示されるように、既存の伸縮計19を固定する台座21は、ベアリング22を介して、第1コ字型部材23の底面に取り付けられ、この第1コ字型23の底面と平行を維持しながらスムースに回転できるようになっている。
第1コの字型部材23と第2コの字部材24は、第1コの字型部材23のワイヤ1側の側面が、第2コの字型部材24先端を折り曲げることにより形成したストッパにより、両者が常に垂直を維持するよう連結されており、図20に示されるように、第1コの字型部材23の両部材23a、23bに形成されたスライド溝23cにより、第2コの字部材24に対し、第1コの字型部材23を上下方向に位置調整できるよう、ボルト23dにより固定される。
そして、台座21の底面に垂直方向に固設された回転軸21aにX軸回転センサ26X、第2コの字部材24の両端から延設された回転軸24aにY軸回転センサ26Yをそれぞれ取り付ける。
5:円筒状ケース 6:Z軸センサロッド 7 案内部
8:戻しバネ 9:ブーツ 10X:X軸変位センサ
10Y:Y軸変位センサ 11:制御部 12:演算処理部
13:請求シグナルコンディショナー 14:メモリ 15:通信機
16:ランプ、ブザー 17:ワイヤ案内部 18:ワイヤ巻き取り部
19:伸縮計 20:2角度検出ユニット 21:台座
23:第1コの字型部材 24:第2コの字型部材
25:第3のコの字型部材、
Claims (7)
- 不動点と地滑り等による地表面の変位を計測する計測点とをワイヤで接続し、ワイヤの変位により、計測点の変位量を計測する計測装置において、
前記不動点及び計測点の一方に、前記ワイヤの長さ方向の変位量を計測するセンサと、該ワイヤの鉛直方向軸(X軸)回り及び水平軸(Y軸)回りの角度変位量を計測するセンサを設け、ワイヤの長さ方向の変位量、鉛直方向軸(X軸)回りの角度変位量及び水平方向軸(Y軸)回りの角度変位量に基づいて、前記不動点に対する計測点の3次元変位量を演算するようにしたことを特徴とする計測装置。 - 前記ワイヤの一端がワイヤの長さ方向にスライドするZ軸センサロッドに接続され、該Z軸センサロッドをスライド可能に収容するケースの基端部が、前記鉛直方向軸(X軸)回り及び水平方向軸(Y軸)回りに回転自在な連結機構に接続されており、前記Z軸センサロッドに前記ワイヤの長さ方向の変位量を検出するセンサ、そして、前記連結機構に前記鉛直方向軸(X軸)回り及び水平方向軸(Y軸)回りの角度変位量を検出するセンサをそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
- 前記ワイヤの長さ方向の変位量を検出するセンサは、前記ワイヤの巻き取り量により変位量を検出する請求項1に記載の計測装置。
- 前記ワイヤの長さ方向の変位量を検出する計測装置の基台に、前記鉛直方向軸(X軸)回り及び水平方向軸(Y軸)回りの角度変位量を検出するセンサを結合した2角度検出ユニットを取り付け、該2角度検出ユニットを通したワイヤを前記ワイヤの長さ方向の変位量を検出する計測装置に接続したことを特徴とする請求項1または3に記載の計測装置。
- 前記ワイヤの長さ方向の変位量を検出する計測装置の基台を、前記鉛直方向軸(X軸)回り及び水平方向軸(Y軸)回りに回転自在に支持する支持機構に取り付け、該支持機構に、前記鉛直方向軸(X軸)回り及び水平方向軸(Y軸)回りの角度変位量の計測する前記センサを取り付けたことを特徴とする請求項1または3に記載の計測装置。
- ワイヤの長さ方向の変位量を検出する計測装置の基台に対し、鉛直方向に固定される第1コの字型部材と、
前記第1のコの字型部材に対し、鉛直軸回りに回転自在に連結される中間部材と、
前記中間部材に対し、水平軸回りに回転自在に連結される第2コの字型部材と、
前記中間部材の鉛直軸回りの回転角度変量を計測するX軸変位センサと、
前記第2コの字型部材の水平軸回りの回転角度変量を計測するY軸変位センサと、
前記X軸変位センサとY軸変位センサの計測値を出力する出力端子と、
からなる2角度検出ユニット。 - ワイヤの長さ方向の変位量を検出する計測装置を固定する台座と、
該台座を鉛直軸回りに回転自在に支持する第1コの字型部材と、
前記第1コの字型部材を水平軸回りに回転自在に連結する第2コの字型部材と、
前記第2コの字型部材を前記鉛直軸回りに回転自在に連結する第3コの字型部材と、
前記第3コの字型部材を計測点に鉛直に固定するためのポールと、
前記第1コの字型部材の鉛直軸回りの回転角度変量を計測するX軸変位センサと、
前記第2コの字型部材の水平軸回りの回転角度変量を計測するY軸変位センサと、
前記X軸変位センサとY軸変位センサの計測値を出力する出力端子と、
からなる2角度検出ユニット。
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