JP6073578B2 - 電力線搬送通信システム - Google Patents

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Description

本発明は電力線搬送通信システムに関し、特に、電力線に高周波信号を重畳させるために誘導結合方式を用いる電力線搬送通信システムに関する。
近年、電力線に10kHz以上の高周波信号を重畳して通信を行う電力線搬送通信(PLC,Power Line Communications)が注目されている。以前は、電力線搬送通信の周波数帯域としては10kHz〜450kHzの帯域(以下、「低周波数帯域」という。)のみが認められていたが、2006年10月の電波法令改正により、屋内限定ではあるものの2MHz〜30MHzのより高帯域を用いることが認められた。これに伴い、数十〜数百Mbpsの高速通信が可能になったことから、特に家庭内やオフィス内での利用に注目が集まっている。
しかし、従来通りの低周波数帯域を用いる電力線搬送通信システムも引き続き多用されている。具体的には、集合住宅内の各戸の電力量計(電気メーター)の検針(データ収集)や遠隔地からの機器制御に用いる例が挙げられる。
ところで、電力線に高周波信号を重畳させるための技術のひとつとして、並走する電力線と信号線とをトロイダルコアで挟み込むことにより、信号線に流れる高周波信号を電力線にインジェクションする方式(誘導結合方式)が知られている。特許文献1には、誘導結合方式を用いる電力線搬送通信システムが開示されている。トロイダルコアの構成材料としては、特許文献1にも示されるように、フェライトが用いられる。
特許第4708068号公報
しかしながら、従来の誘導結合方式には、上述した低周波数帯域で損失が大きくなってしまうという問題がある。つまり、特許文献1の図2にも示されるように、概ね10MHzを下回る帯域では、周波数が低くなるにつれて高周波信号の減衰量が急激に増加する。この急激な増加のため、10kHz〜450kHzの低周波数帯域では、効率のよい通信を行うことが困難となっている。
上記低周波数帯域における信号のインジェクションには容量結合方式が一般的であるが、容量結合方式のインジェクション部を電力線に接続する際、活線状態のままで工事することができない。一方、誘導結合方式の場合には、いわゆる二分割型トロイダルコアを用いれば、活線状態の電力線に一対のコアを挟み込むだけでインジェクション部を容易に接続可能である。このような事情から、低周波数帯域においても所望の通信品質を実現できる誘導結合方式のインジェクション部が強く求められている。
また、特許文献1に開示される技術では、電力線のうち、インジェクション部(トロイダルコア)から見て対向モデムの反対側に位置する部分に、ヒューズとキャパシタからなるバイパス部が設けられている。このバイパス部は、インジェクション部から電力線に注入された高周波信号のうち、対向モデムから離れる方向に流れていく分を対向モデム側に誘導するために設けられるもので、バイパス部を用いることにより、特許文献1の図2に示されるように、全帯域にわたって減衰量を低下させることができる。
しかしながら、特許文献1の図2からも明らかなように、バイパス部を用いることによる減衰量の低減効果は、低周波数帯域での減衰量の増加を補うには十分でない。結果として、バイパス部を用いてもやはり、10kHz〜450kHzの低周波数帯域において効率のよい通信を行うことは困難となっている。
したがって、本発明の目的の一つは、10kHz〜450kHzの低周波数帯域において効率の良い通信を行える、誘導結合方式の電力線搬送通信システムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、バイパス部による減衰量低下効果を維持しつつ、10kHz〜450kHzの低周波数帯域において効率の良い通信を行える、誘導結合方式の電力線搬送通信システムを提供することにある。
本願発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、アモルファス系材料又はナノクリスタル系材料のトロイダルコアを用いた場合には、10〜450kHzの低周波数帯域においても誘導結合方式による信号のインジェクションが可能であり、電力線搬送通信システムの通信効率を高めることができることを見出した。
上記目的を達成するための本発明による電力線搬送通信システムは、第1の電力線と、前記第1の電力線に沿って配置される信号線と、前記信号線に高周波信号を供給するモデムと、前記第1の電力線及び前記信号線が貫通するよう配置された第1のトロイダルコアとを備え、前記第1のトロイダルコアは、アモルファス系材料又はナノクリスタル系材料によって構成されることを特徴とする。
本発明によれば、第1のトロイダルコアをアモルファス系材料又はナノクリスタル系材料によって構成したので、約2000kHz以下の周波数帯域において、第1のトロイダルコアをフェライトで構成した場合に比べて高周波信号の減衰量が低下する。したがって、10kHz〜450kHzの低周波数帯域での通信効率が改善される。
また、上記電力線搬送通信システムは、第2の電力線と、前記第2の電力線及び前記信号線が貫通するよう配置された第2のトロイダルコアとをさらに備え、前記信号線は、両端で前記第1のモデムに接続され、かつ前記第1のトロイダルコアと前記第2のトロイダルコアを順次通過するよう配線され、前記第2のトロイダルコアは、アモルファス系材料又はナノクリスタル系材料によって構成されることが好ましい。
なお、上記電力線搬送通信システムにおいて、前記アモルファス系材料は、鉄系のアモルファス合金であることが好ましい。また、前記ナノクリスタル系材料は、鉄系の超微細結晶軟磁性合金であることが好ましい。これらの材料を用いた場合には上記低周波数帯域において所望の通信品質を確保することができる。
また、上記電力線搬送通信システムは、前記第1及び第2の電力線の間に接続されたキャパシタを含むバイパス部をさらに備えることが好ましい。これによれば、バイパス部による減衰量低下効果を維持しつつ、10kHz〜450kHzの低周波数帯域において効率の良い通信を行える、誘導結合方式の電力線搬送通信システムを提供することが可能になる。
この場合、前記キャパシタの静電容量は、該キャパシタが前記高周波信号のバイパスとして機能する一方、前記第1及び第2の電力線の間で、該第1及び第2の電力線を通じて送られる交流電力の漏えいが実質的に発生しない値であることが好ましい。また、前記第1及び第2の電力線と結合し、該第1及び第2の電力線を通じて到来する前記高周波信号を受信する第2のモデムをさらに備え、前記バイパス部は、前記第1及び第2の電力線のうち、前記第1及び第2のトロイダルコアから見て前記第2のモデムとは反対側の部分に接続されることが好ましい。
また、上記電力線搬送通信システムにおいて、前記高周波信号は、10kHz以上450kHz以下の帯域の信号であることが好ましい。
本発明によれば、トロイダルコアをアモルファス系材料又はナノクリスタル系材料によって構成したので、約2000kHz以下の周波数帯域において、第1のトロイダルコアをフェライトで構成した場合に比べて高周波信号の減衰量が低下する。したがって、10kHz〜450kHzの低周波数帯域での通信効率が改善される。
本実施の形態による電力線搬送通信システム1のシステム構成図である。 送電線における高周波信号の伝送特性の測定結果(0Hz〜40MHz)を示すグラフである。 送電線における高周波信号の伝送特性の測定結果(0Hz〜3000kHz)を示すグラフである。 送電線における高周波信号の伝送特性の測定結果(0Hz〜500kHz)を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態による電力線搬送通信システム1のシステム構成図である。同図に示すように、電力線搬送通信システム1は、第1及び第2の電力線2a,2bからなる単相2線式の送電線2を有している。送電線2は、商用の交流電力(周波数50Hz又は60Hz)を送電するためのものである。電力線搬送通信システム1は、この送電線2を通じて高周波信号を送受信するよう構成される。
図1に示すように、電力線搬送通信システム1は、信号線3、第1及び第2のモデム4,5、インジェクション部6、容量結合部7、及びバイパス部8を有して構成される。電力線搬送通信システム1では、第1のモデム4と第2のモデム5との間で、10kHz〜450kHzの高周波信号の送受信が行われる。電力線搬送通信システム1の具体的な適用例は、例えば図1に示す電力量計10の検針システムである。この場合、第1のモデム4は電力量計10の検針データを受信し、これに基づいて高周波信号を生成して信号線3に供給する機能を有する。第1のモデム4は、各家庭の電力量計10の一次側に設置される。一方、第2のモデム5は例えば電柱上の柱上トランス近傍に設置され、各家庭のモデム4が生成した上記高周波信号を受信する。そして、送電線と並行して敷設されている光ファイバ網12を介して、検針データを電力会社に対して送出する。
インジェクション部6は、第1及び第2のトロイダルコア6a,6bを含んで構成される。また、信号線3は、両端で第1のモデム4に接続され、かつ第1のトロイダルコア6aと第2のトロイダルコア6bを順次通過するよう配線される。信号線3のうち各トロイダルコアを通過する部分は、図示するように、対応する電力線に沿って配置される。このような構成により、信号線3はトロイダルコア6a,6bを介して第1及び第2の電力線2a,2bと磁気結合しており、したがって、第1のモデム4から信号線3に供給された10kHz〜450kHzの高周波信号を、第1及び第2の電力線2a,2bにインジェクションする(重畳する)ことが実現される。
本発明の主たる特徴は、これら第1及び第2のトロイダルコア6a,6bの材料を工夫した点にある。これについては、後ほど別途詳しく説明する。
容量結合部7は、第2のモデム5と第1及び第2の電力線2a,2bそれぞれとの間に設けられたキャパシタからなる。第2のモデム5は、この容量結合部7を介して第1及び第2の電力線2a,2bと結合することで、これらに重畳された高周波信号を受信する。
図1では、第1のモデム4から信号線3に供給される高周波信号のうち、第2の電力線2bにインジェクションされる成分を信号S1として表している。信号S1は、図1に示すように、第2の電力線2bにインジェクションされた後、モデム5に向けて進む信号S2と、モデム5から離れる方向に進む信号S3とに分かれる。図示していないが、第1の電力線2aにインジェクションされる成分も同様であり、二手に分かれて第1の電力線2aを流れる。第2のモデム5から離れる方向に進む信号は、従来は、第2のモデム5に受信されないことから損失となっていたものである。これに対し、電力線搬送通信システム1では、バイパス部8を設けているので、このような信号も第2のモデム5で受信できる。以下、バイパス部8について詳しく説明する。
バイパス部8は、第1及び第2の電力線2a,2bの間における高周波信号のバイパスとして機能する一方、第1及び第2の電力線2a,2bの間での交流電力の漏えいが実質的に発生しないよう設計された回路である。具体的には、図1に示すように、直列接続されたキャパシタ及びヒューズによって構成される。ヒューズは、第1及び第2の電力線2a,2bの間に短絡が発生することを防止するために設けられているものである。
バイパス部8を構成するキャパシタの静電容量は、送電線2を通じて送られる交流電力がこのキャパシタを実質的に通過できず、一方で信号線3に供給される高周波信号がこのキャパシタを実質的に通過できる程度の値に設計される。具体的には、送電線2を通じて送られる交流電力の周波数(50Hz又は60Hz)と、信号線3に供給される高周波信号の周波数(10kHz〜450kHz)との間にカットオフ周波数を有するよう、キャパシタの静電容量を設計すればよい。これにより、図1に示すように、インジェクションされた当初は第2のモデム5から離れる方向に進んでいた信号S3が、バイパス部8で反射されて第2のモデム5に向かい、通信に寄与するようになる。その結果、電力線搬送通信システム1の通信効率が高められることになる。
なお、バイパス部8は、電力線搬送通信システム1における通信の安定度を向上させる効果も有している。すなわち、近年の家電製品にはインバータ化されたものが多く、そのような家電製品は一般に、電源が放出するノイズを低減するための大容量のコンデンサを一次側に有している。このような大容量のコンデンサは、電力線搬送通信システム1から見ればそれ自体がノイズ源となり、電力線搬送通信システム1における通信が安定しない要因となる。バイパス部8は、こうして宅内で発生するノイズN(図1)を反射する役割も果たすので、バイパス部8を設けることで、電力線搬送通信システム1における通信の安定度を向上させることが可能になる。
次に、第1及び第2のトロイダルコア6a,6bの材料について説明する。本実施の形態では、第1及び第2のトロイダルコア6a,6bをアモルファス系材料又はナノクリスタル系材料によって構成する。具体的には、アモルファス系材料として鉄系のアモルファス合金を、ナノクリスタル系材料として鉄系の超微細結晶軟磁性合金を用いることが好適である。こうすることで、約2000kHz以下の周波数帯域において、トロイダルコアをフェライトで構成した場合に比べて高周波信号の減衰量を低下させることが可能になる。したがって、10kHz〜450kHzの低周波数帯域での通信効率が改善される。以下、詳しく説明する。
まず鉄系のアモルファス合金としては、飽和磁束密度1550mT、透磁率50000kHz、高周波鉄損40mW/g、キュリー温度400℃、結晶化温度550℃のものが好適である。この鉄系のアモルファス合金を用いることで、よい効果を得ることができる。この種の鉄系のアモルファス合金は、従来、出力平滑チョークコイル、コモンモードチョークコイル、高周波トランスの用途で用いられている。
次に、鉄系の超微細結晶軟磁性合金としては、飽和磁束密度1250mT、透磁率750000kHz、高周波鉄損20mW/g、キュリー温度570℃のものが好適である。この鉄系の超微細結晶軟磁性合金を用いることでも、鉄系のアモルファス合金を用いる場合と同様のよい効果を得ることができる。この種の超微細結晶軟磁性合金は、従来、コモンモードチョークコイル用として用いられている。
図2〜図4は、送電線2における高周波信号の伝送特性の測定結果を示すグラフである。いずれの図においても、横軸は周波数、縦軸は減衰量としている。また、図2は0kHzから40MHzの周波数帯域における伝送特性を示し、図3は、図2に示した伝送特性のうち0kHzから3000kHzの周波数帯域分のみを拡大して示し、図4は、図2に示した伝送特性のうち0kHzから500kHzの周波数帯域分のみを拡大して示している。なお、図2〜図4は、磁気ギャップのないトロイダルコアを用いて第1及び第2のトロイダルコア6a,6bを形成した場合の測定結果を示すものである。このようにしたのはトロイダルコアの材料による特性の違いを明確にするためであるが、磁気ギャップのあるトロイダルコアを用いても、相対的には同様の測定結果を得られることが確認されている。
図2〜図4に示す特性10は、本実施の形態による電力線搬送通信システム1での測定結果を示している。ただし、測定にあたり、第1及び第2のトロイダルコア6a,6bの材料としては、上述した鉄系のアモルファス合金(飽和磁束密度1550mT、透磁率50000kHz、高周波鉄損40mW/g、キュリー温度400℃、結晶化温度550℃)を用いた。図示していないが、上述した鉄系の超微細結晶軟磁性合金(飽和磁束密度1250mT、透磁率750000kHz、高周波鉄損20mW/g、キュリー温度570℃)を用いても、ほとんど同じ結果が得られた。
一方、特性11は、本実施の形態による電力線搬送通信システム1からバイパス部8を取り除いて測定した伝送特性を示している。第1及び第2のトロイダルコア6a,6bの材料は、特性10の場合と同様である。また、特性12,13はそれぞれ、第1及び第2のトロイダルコア6a,6bを従来通りフェライト(ニッケル系のフェライト)で構成した場合を示す比較例である。特性12は、特性10と同じくバイパス部8がある状態で、特性13は、特性11と同じくバイパス部8がない状態で測定した結果である。
まず特性11と特性13それぞれの減衰量を比較すると(バイパス部8がない状態)、概ね2000kHzを境に、それ以下では特性11の方が小さく、それ以上では特性13の方が小さくなっている。これは、概ね2000kHz以下の周波数帯では、第1及び第2のトロイダルコア6a,6bの材料としてアモルファス系材料又はナノクリスタル系材料を用いた方がよい特性が得られる一方、概ね2000kHz以上の周波数帯では、第1及び第2のトロイダルコア6a,6bの材料として従来通りのフェライトを用いた方がよい特性が得られることを示している。
次に特性10と特性12それぞれの減衰量を比較すると(バイパス部8がある状態)、やはり概ね2000kHzを境に、それ以下では特性10の方が小さく、それ以上では特性12の方が小さくなっている。これは、バイパス部8があっても、バイパス部8がない場合と同じように、概ね2000kHzを境に、それ以下では第1及び第2のトロイダルコア6a,6bの材料としてアモルファス系材料又はナノクリスタル系材料を用いた方がよい特性が得られ、それ以上では第1及び第2のトロイダルコア6a,6bの材料として従来通りのフェライトを用いた方がよい特性が得られることを示している。
次に、特性10と特性11とを比較すると、バイパス部8がある場合の特性10では、図示した全帯域にわたって、バイパス部8がない場合の特性11より小さな減衰量が得られている。特性12と特性13とを比較した場合も同様である。そして、特性10と特性11の間の減衰量の差は、特性12と特性13の間の減衰量の差とほぼ同程度となっている。これは、第1及び第2のトロイダルコア6a,6bの材料としてアモルファス系材料又はナノクリスタル系材料を用いることで、バイパス部8による減衰量低下効果を維持しつつ、10kHz〜450kHzの低周波数帯域において効率の良い通信を行えるようになる、ということを示している。
これらの結果から理解されるように、第1及び第2のトロイダルコア6a,6bの材料としてアモルファス系材料又はナノクリスタル系材料を用いることで、10kHz〜450kHzの低周波数帯域において、従来通りのフェライトを用いる場合に比べて効率の良い通信を行えるようになる。図4の例から具体的な数値を挙げておくと、例えば100kHzでは、特性10の減衰量(約−9dB)は、特性12の減衰量(約−20dB)に比べて、約11dB(=−9dB−(−20dB))改善されている。また、バイパス部8による減衰量低下効果も維持される。
一方、2006年10月の電波法令改正により使用を認められた2MHz〜30MHzの周波数帯域では、第1及び第2のトロイダルコア6a,6bの材料として従来通りのフェライトを用いる方が、アモルファス系材料又はナノクリスタル系材料を用いる場合に比べて効率の良い通信を行える。別の言い方をすれば、2MHz〜30MHzの周波数帯域を利用して通信を行う誘導結合方式の電力線搬送通信システムにおけるインジェクション用のトロイダルコアの材料としては、アモルファス系材料又はナノクリスタル系材料は不適切である。
以上説明したように、本実施の形態による電力線搬送通信システム1によれば、第1及び第2のトロイダルコア6a,6bをアモルファス系材料又はナノクリスタル系材料によって構成したので、これらをフェライトで構成した場合に比べ、10kHz〜450kHzの低周波数帯域での通信効率を改善することができる。また、バイパス部8による減衰量低下効果を維持することも可能になる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態では単相2線式の送電線に本発明を適用した例を挙げたが、本発明は、その他のタイプの送電線、例えば単相3線式の送電線などにも好適に適用可能である。
また、上記実施の形態ではバイパス部を有する電力線搬送通信システムについて説明したが、図2〜図4を参照して説明した特性11と特性13の比較結果からも理解されるように、本発明は、バイパス部を有しない電力線搬送通信システムにも好適に適用可能である。
さらに、上記実施の形態では、各家庭の電力計の一次側に配置した第1のモデムに本発明を適用した例について説明したが、本発明は、電柱上の柱上トランス近傍に設置する第2のモデムにも適用可能である。
1 電力線搬送通信システム
2 送電線
2a,2b 電力線
3 信号線
4,5 モデム
6 インジェクション部
6a,6b トロイダルコア
7 容量結合部
8 バイパス部

Claims (5)

  1. 周波数50Hz又は60Hzの交流電力を送電する第1の電力線と、
    前記第1の電力線に沿って配置される信号線と、
    前記信号線に10kHz〜450kHzの帯域の高周波信号を供給する第1のモデムと、
    前記第1の電力線及び前記信号線が貫通するよう配置された第1のトロイダルコアとを備え、
    前記第1のトロイダルコアは、鉄系のアモルファス合金又は鉄系の超微細結晶軟磁性合金によって構成される
    ことを特徴とする電力線搬送通信システム。
  2. 周波数50Hz又は60Hzの交流電力を送電する第2の電力線と、
    前記第2の電力線及び前記信号線が貫通するよう配置された第2のトロイダルコアとをさらに備え、
    前記信号線は、両端で前記第1のモデムに接続され、かつ前記第1のトロイダルコアと前記第2のトロイダルコアを順次通過するよう配線され、
    前記第2のトロイダルコアは、鉄系のアモルファス合金又は鉄系の超微細結晶軟磁性合金によって構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力線搬送通信システム。
  3. 前記第1及び第2の電力線の間に接続されたキャパシタを含むバイパス部
    をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の電力線搬送通信システム。
  4. 前記キャパシタの静電容量は、該キャパシタが前記高周波信号のバイパスとして機能する一方、前記第1及び第2の電力線の間で、該第1及び第2の電力線を通じて送られる交流電力の漏えいが実質的に発生しない値である
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力線搬送通信システム。
  5. 前記第1及び第2の電力線と結合し、該第1及び第2の電力線を通じて到来する前記高周波信号を受信する第2のモデムをさらに備え、
    前記バイパス部は、前記第1及び第2の電力線のうち、前記第1及び第2のトロイダルコアから見て前記第2のモデムとは反対側の部分に接続される
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の電力線搬送通信システム。
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