JP6072397B1 - 走査型内視鏡装置 - Google Patents

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Abstract

走査型内視鏡装置は、照明光を導光し、先端から出射する導光部と、駆動電圧が印加されることによりに導光部の先端を揺動する駆動部と、を有し、駆動電圧の周波数に応じた揺動の振幅が温度変化のために変化する走査部と、導光部の先端から出射される照明光を被検体に向けて集光するレンズと、レンズを保持する保持部と、温度変化によるレンズ部の膨張又は収縮により、被検体における照明光の照射位置の変化を、温度変化による導光部先端の振幅の周波数特性の変化により抑制する周波数に設定された駆動電圧を駆動部に印加する印加部とを有する。

Description

本発明は、照明光を走査して内視鏡画像を生成する走査型内視鏡装置に関する。
近年、被検体に対して照明光を2次元的に走査し、被検体からの反射光を検出することにより、被検体の画像を取得する走査型内視鏡が実用化されている。
走査型内視鏡は、この走査型内視鏡が使用される環境温度により、走査範囲が変化する。
例えば、第1の従来例としての日本国特開2011−4920号公報は、光ファイバ先端部を駆動する駆動部を有し、照明光を観察対象に向けて螺旋状に走査する走査型内視鏡装置において、内視鏡先端部の温度を検出する第1の温度検出部と、外気温度を検出する第2の温度検出部とを設け、検出される内視鏡先端部の温度及び外気温度に応じた駆動部の駆動特性に基づき、位置ずれのある画素位置を本来の位置に変換するリマッピング処理を、実行することにより、内視鏡作業中の温度環境に関係なく、歪みのない観察画像を得るための内容を開示している。
また、第2の従来例としての日本国特開2014−145942号公報は、走査型内視鏡装置において、揺動部の近傍に温度センサを設け、温度センサが検出した温度に基づいて、揺動部を駆動する駆動周波数を変更することにより、周囲の温度変化による画角の変動を抑制する内容を開示している。
上記第1の従来例は、内視鏡先端部の温度及び外気温度に応じて駆動部の駆動特性が変化することを開示し、その開示内容に沿って、第1及び第2の温度検出部を設け、検出される内視鏡先端部の温度及び外気温度により駆動特性の影響を解消する手段を設けている。
また、第2の従来例は、温度等の外部環境の変化は、歪みを生じさせるのみならず、画角に変動を生じさせ得ると記載し、温度センサが検出した温度に基づいて、揺動部を駆動する駆動周波数を変更することにより、周囲の温度変化による画角の変動を抑制する内容を開示している。
このように第1の従来例及び第2の従来例とも、温度変化に影響される特性として実質的に1つの主要な特性のみが原因としている。そのため、温度変化の影響を検出する温度センサと、温度センサの検出結果に応じて温度変化に影響される特性を低減ないしは解消する手段と、が不可欠になってしまう。
これに対して、温度変化に影響される特性として複数の部材や特性等が関与することを有効に利用することにより、温度センサ等を不可欠な構成要素とすることなく、少なくとも実際に使用する温度環境において、温度変化の影響を小さくでき、画質の良い画像を取得できる走査型内視鏡装置が望まれる。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、実際に使用する温度環境において、(温度センサを設けることを必要としないで)温度変化の影響を小さくでき、画質の良い画像を取得できる走査型内視鏡装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の走査型内視鏡装置は、光源部が発生した照明光を導光し、先端から出射する導光部と、所定の周波数の駆動電圧が印加され、印加された駆動電圧の周波数で振動し前記導光部の前記先端を前記所定の周波数で揺動する駆動部と、を有する走査部と、前記導光部から出射された前記照明光を被検体に向かって集光させるレンズと、前記レンズを保持し、内部に前記走査部を内包する空間を有する保持部と、を有するレンズ部と、前記所定の周波数に設定された前記駆動電圧を前記駆動部に印加する印加部と、を有し、前記レンズ部が温度変化に応じて膨張または収縮することにより、前記被検体における前記照明光の照明位置は、視野の周辺方向または中心方向のいずれかの第1方向に変化し、前記所定の周波数で揺動された前記導光部の前記先端の振幅が温度変化に応じて変化することにより、前記照明位置は、前記周辺方向または前記中心方向のいずれかの第2方向に変化し、前記所定の周波数は、前記第2方向が第1方向と逆になるように設定されている。
図1は本発明の第1の実施形態の走査型内視鏡装置の全体構成を示す図。 図2は図1における挿入部の先端部周辺の構成を示す図。 図3は図1におけるA−A線断面による走査部の構造を示す断面図。 図4は駆動部を駆動する駆動電圧の波形を示す図。 図5は図4の駆動電圧により光ファイバの先端が揺動されて描く軌跡を示す図。 図6は挿入部の先端部の周囲の温度の変化により、照明レンズから出射される照明光の方向が変化する特性を示す図。 図7は挿入部の先端部の周囲の温度の変化により、走査部により光ファイバの先端を共振周波数を含む周波数範囲で振動させた場合の振幅が変化する周波数特性を示す図。 図8は実際に内視鏡検査を行う温度においてレンズ部による温度依存性と、走査部による温度依存性とを相殺する場合の説明図。 図9は内視鏡検査を行う温度においてレンズ部による温度依存性と、走査部による温度依存性とを相殺する特定の周波数を示す図。 図10は第1の実施形態の動作内容を示すフローチャート。 図11はレンズ部による温度依存性と走査部による温度依存性とを閾値以内に相殺するように設定する場合の周波数範囲を示す図。 図12は図9又は図11の周波数範囲を検出する場合の構成を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように本発明の第1の実施形態の走査型内視鏡装置1は、走査型光プローブを形成する走査型内視鏡2と、走査型内視鏡2が着脱自在に接続される本体装置(又は走査型内視鏡制御装置)3と、本体装置3に接続される表示装置としてのモニタ4と、を有する。
走査型内視鏡2は、被検体5の体内又は体腔内に挿入可能な細長の形状及び可撓性を備える挿入部6を有し、挿入部6の基端(後端)には、走査型内視鏡2を本体装置3のコネクタ受け8に着脱自在に接続するためのコネクタ7が設けられている。
また、挿入部6は、硬質の先端部11と、その後端からコネクタ7に延びる、可撓性を有する可撓管部12と、を有する。なお、先端部11と可撓管部12との間に、湾曲自在の湾曲部を設け、可撓管部12の基端とコネクタ7との間に湾曲部を湾曲する操作ノブ等を設けた操作部を設けるようにしても良い。
先端部11は、硬質の保持部を形成する円筒部材13を有し、この円筒部材13の後端に可撓性の可撓管部12を形成する円筒チューブの先端が連結され、この円筒チューブの後端は、コネクタ7に固定されている。なお、円筒部材13は、ステンレススチール等の硬質の部材を用いて形成される。また、円筒部材13は、後述する照明レンズ16を保持するレンズ保持筒である。
挿入部6内には、照明光を導光する導光部を形成する光ファイバ15が挿通され、この光ファイバ15の基端(後端)は、コネクタ7において本体装置3内部の光ファイバ15bと接続される。そして、本体装置3内部の光源部を形成する光源ユニット31において発生した照明光が光ファイバ15bを経て光ファイバ15の基端に入射される。光ファイバ15の基端に入射された照明光は、この光ファイバ15の出射端となる先端(又は先端面)に導光(伝送)され、先端から、該先端に対向して円筒部材13の先端に取り付けられた集光する照明レンズ16を経て、被検体5内の観察対象部位に向けて照明光が出射される。
図2は先端部11付近の構成を示す。図2においては、先端部11の円筒部材13の内側部分の構成を示す。
円筒部材13の内側には、光ファイバ15の先端側を、該光ファイバ15の長手方向(図1ではZ軸方向)と直交する方向に揺動する如くに走査する走査部(又は走査ユニット)14における駆動部を形成するアクチュエータ17が配置されている。なお、走査部14は、導光部を形成する光ファイバ15(の先端側部分)と、光ファイバ15の先端を、印加される駆動電圧に応じて揺動する駆動部を形成するアクチュエータ17とにより形成される。
また、光ファイバ15の先端から出射される照明光を被検体5側に向かって集光させるレンズを形成する照明レンズ16と、この照明レンズ16を保持し、内部に走査部14を内包する空間を有する保持部を形成する円筒部材13とは、レンズ部21を形成する。照明レンズ16は、図2に示すように光ファイバ15の先端から間隔(又は距離)dの位置の先端側に配置された凸レンズ16aと、この凸レンズ16aの更に先端側に配置された凸レンズ16bとから構成される。なお、間隔dは、例えば25°C程度の常温(その温度をT1で表す)での値である。
先端部11が被検体5内に挿入され、内視鏡検査が行われ場合の環境温度となる場合の35°C程度の体内の温度(その温度をT2で表す)になると、レンズ部21を形成する照明レンズ16と、円筒部材13(及び保持部材19)が温度上昇による影響を受け、被検体5側に形成される照明光の照射位置(又は照明位置)が温度T1の場合の照射位置から、視野が拡大する周辺側方向の照射位置に変化する。なお、本明細書においては、照射位置と照明位置は同じ意味である。
図2の場合、光ファイバ15の先端を(温度変化に対して)、例えば最大視野に対応する最大振幅に近い状態となる一定の振幅値で、例えば上下方向に振動させた状態を維持して、先端部11を温度T1から温度T2に変化させると、円筒部材13及び照明レンズ16を有するレンズ部21は、温度T1の場合の被検体5上での照射位置P1、P2を、矢印で示すように視野(又は視野角)が拡大する周辺側の照射位置に変化(移動)させるような温度依存性を示す。
なお、本実施形態においては、最大視野の内側の範囲を表す語句として、視野を用いる。この視野は、最大視野の場合の照射位置(渦巻き形状の走査を行う場合には、最大の渦巻き(近似的に最大円となる最大画角)を形成する場合の照射位置)よりも内側となる範囲を走査している場合の照射位置に相当する。後述するように走査部14も温度変化に対して、光ファイバ15の先端を振動させる振幅、又は照明レンズ16を経て被検体5側に照射した場合の照明光の照射位置が変化する温度依存性を有する。
上記走査部14を構成するアクチュエータ17は、挿入部6内を挿通された駆動線18a,18bを介して本体装置3内部の駆動ユニット32から交流の駆動電圧(又は駆動信号)が印加されることにより、長手方向に伸縮する。
このアクチュエータ17は、その基端が保持部材19により保持され、この保持部材19の円板状の外周面は円筒部材13の内面に固定されている。光ファイバ15とアクチュエータ17は、接合部材又は支持部材としてのフェルール20(図3参照)により接合されている。
図3は図1のA−A線断面によりアクチュエータ17の周辺部の構成を示す。図3に示すように(円筒部材13における)中心軸Oに沿って配置される断面が正方形の直方体形状の硬質の接合部材としてのフェルール20は、例えば、ジルコニア(セラミック)またはニッケル等により形成されている。
フェルール20は、その中心軸Oに沿った孔に配置された光ファイバ15を固定し、Z軸と直交するY軸方向(紙面の上下又は垂直方向)の両側面と、X軸方向(紙面の左右又は水平方向)の両側面とにアクチュエータ17を形成するアクチュエータ素子17a、17bと17c、17dが取り付けられている。
各アクチュエータ素子は、例えば圧電素子により構成され、圧電素子の両面の電極(図示略)への駆動電圧の印加により、長手方向に伸縮する。従って、基端が保持又は固定された状態で、例えばアクチュエータ素子17a,17bに駆動線18aを介して(一方を伸張、他方を収縮させる)駆動電圧(又は駆動信号)を印加することにより、図1において点線で示すように光ファイバ15の先端側を上下方向に揺動(又は振動)させることができる。例えば、図1においては、アンプ32d,32eの出力信号が駆動線18a,18bを介してアクチュエータ17(を形成するアクチュエータ素子17a、17bと17c、17d)に印加される。また、図2においても光ファイバ15の先端側を上下方向に揺動(振動)させた場合を示している。
図4は、アクチュエータ素子17a,17bと17c,17dとに印加される駆動電圧の波形を示し、光ファイバ15の先端は図5に示すように渦巻き(又は螺旋)形状の経路(又は軌跡)を描く。図4に示すようにX軸方向とY軸方向への駆動電圧の位相は90°ずれた状態でアクチュエータ素子17a,17bと17c,17dに印加され、駆動電圧を時間と共に少しずつ変化させることにより、光ファイバ15の先端は円形から渦巻き形状の軌跡を描くようになる。
なお、本実施形態においては、直交する2つの方向に揺動(振動)させるために、それぞれ対となるアクチュエータ素子17a,17bとアクチュエータ素子17c,17dを用いてアクチュエータ17を形成しているが、それぞれ1つのアクチュエータ素子(例えば17aと17c)にした場合にも適用できる。
上記走査部14を構成するアクチュエータ17は、温度変化により、光ファイバ15の先端を揺動(又は振動)させた場合の振幅が変化する特性を持つ。この場合、温度変化による影響は、アクチュエータ17を駆動する(極性が変化する交流の)駆動電圧の駆動周波数(単に周波数とも言う)によってその依存性が変化する。通常、アクチュエータ17を駆動する(交流の)駆動電圧の駆動周波数は、走査部14の共振周波数frの周辺部に設定される(このように設定すると、印加する駆動電圧により効率良く、光ファイバ15の先端を大きく揺動させることができる)。
本実施形態においては、後程、詳細に説明するように走査部14を構成するアクチュエータ17を駆動する駆動周波数を適切に設定することにより、レンズ部21が温度変化によって被検体5における照明光の照射位置が変化する影響を相殺するようにして照明光の照射位置が温度変化によりずれることを抑制する。
図1に示すように円筒部材13及び円筒チューブの外周面に沿って、被検体5の検査部位側で反射された照明光を受光するための受光用光ファイバ束(受光用光ファイバと略記)23がリング状に複数本、配置され、受光用光ファイバ23により受光された(被検体5における観察対象部位側からの)戻り光(又は反射光)は、コネクタ7を経て本体装置3内部の受光用光ファイバ23bに導光される。この受光用光ファイバ23bに導光された戻り光は、検出ユニット33に入射され、電気信号に変換される。
リング状に配置された受光用光ファイバ23は、可撓性を有する外装部材24により覆われ、保護されている。
また、各走査型内視鏡2には、アクチュエータ17により、光ファイバ15の先端を渦巻き形状の所定の走査パターンに沿って駆動させるための駆動データ及び駆動した場合の照射位置(又は走査位置)に対応する2次元の座標位置データ(マッピングデータとも言う)等の情報を格納したメモリ25を有する。このメモリ25に格納された情報は、コネクタ7の接点、信号線を経て本体装置3内部のコントローラ34に入力される。コントローラ34は、入力された上記情報を例えばメモリ35に格納し、メモリ35に格納した情報を参照して、光源ユニット31や駆動ユニット32等を制御する。
また、被検体5側に照射された照明光の照射位置において反射された戻り光(又は反射光)は、上記受光用光ファイバ23により検出され、検出ユニット33により光電変換された戻り光信号としてコントローラ34内の画像生成部34cに入力される。そして、画像生成部34cは、メモリ25から読み出してメモリ35に格納したマッピング用データを参照して、戻り光信号は照明光の照射位置に対応付けた画素信号に変換される。
このため、例えば温度T1においてマッピングデータを生成した場合、温度T1から温度T2に変化した場合に、照明光の照射位置が変化すると温度T1において生成したマッピングデータを用いると、実際の照射位置からずれた照射位置として画像を生成するため、画質が劣化する。これに対して、温度T2においての照明光の照射位置が、温度T1の場合と実質的に同じ位置となるように設定すると、温度T1において生成したマッピングデータを用いても照明光の照射位置が変化しないため、画質の良い画像を生成することが可能になる。
本実施形態においては、以下に説明するように、複数の構成要素における異なる温度特性を有効に利用し、少なくとも実際に内視鏡検査を行う環境温度となる体内の温度T2において、マッピングデータを生成した温度(本実施形態ではT1)での照明光の照射位置とが実質的に一致するように設定することにより、画質の良い画像を生成又は取得することができるようにしている。
また、各走査型内視鏡2内に設けられたメモリ25は、工場出荷時等において、各走査型内視鏡2に搭載されたアクチュエータ17を駆動する場合の特定の周波数fdの情報を予め格納している。このため、メモリ25は、特定の周波数fdの情報を格納する格納部又は記憶部を形成する。なお、特定の周波数fdを検出して、メモリ25に格納する構成は、図12において後述する。
本体装置3は、光源ユニット31と、駆動ユニット32と、検出ユニット33と、本体装置3の各ユニットを制御するコントローラ34と、コントローラ34と接続され、各種の情報を格納するメモリ35と、を有する。また、本体装置3のコントローラ34には、ユーザが各種の入力指示を行う入力部(又は入力ユニット)36が接続されている。なお、入力部36は、キーボードやマウス等により構成される。
光源ユニット31は、赤色の波長帯域の光(R光とも言う)を発生するR光源31aと、緑色の波長帯域の光(G光とも言う)を発生するG光源31bと、青色の波長帯域の光(B光とも言う)を発生するB光源31cと、R光、G光及びB光を合波(混合)する合波器31dと、を有する。
R光源31a、G光源31b及びB光源31bは、例えばレーザ光源等を用いて構成され、それぞれR光、G光、B光を合波器31dへ出射する。コントローラ34は、R光源31a、G光源31b及びB光源31bのパルス発光を制御する中央演算装置(CPUと略記)などから構成される発光制御部(又は発光制御回路)34aを有する。
R光源31a、G光源31b及びB光源31bに対する発光制御を行う発光制御部34aは、発光させた場合のR光、G光、B光(の照明光)を、光ファイバ15の出射端からさらに照明レンズ16を経て、観察部位側に出射させる。
コントローラ34の発光制御部34aは、R光源31a、G光源31b及びB光源31bに対して同時にパルス的に発光させる制御信号を送り、R光源31a、G光源31b及びB光源31bは同時にR光、G光、B光を発生し、合波器31dへ出射する。
合波器31dは、R光源31aからのR光と、光源31bからのG光と、光源31cからのB光と、を合波して光ファイバ15bの光入射面に供給し、光ファイバ15bは、合波されたR光、G光、B光を照明光として光ファイバ15に供給する。
駆動ユニット32は、正弦波に近いデジタルの交流信号を発生する信号発生器32aを有し、信号発生器32aの2つの出力端から出力されるデジタルの交流信号は2つのD/A変換器32b、32cに入力される。また、2つのD/A変換器32b、32cにより変換された2つのアナログの交流信号は、アンプ32d,32eによりそれぞれ増幅されて、2つの駆動電圧(又は駆動信号)となり、駆動線18a,18bを介してアクチュエータ素子17a,17bと、17c,17dとにそれぞれ印加される。
なお、信号発生器32aは、例えば入力端から入力される電圧値により、その発振周波数を可変できる電圧制御発振器(VCO)32fを内蔵している。
コントローラ34内に設けた駆動制御部34bは、駆動ユニット32の信号発生器32aの発振周波数等を制御する。駆動制御部34bと、駆動ユニット32は、走査部14のアクチュエータ17に対して、特定の周波数fdを駆動周波数とした駆動電圧を印加し、光ファイバ15の先端を揺動させる印加部を形成する。
印加部を構成する駆動制御部34bは、温度変化によるレンズ部21の膨張または収縮により生じる被検体5における照明光の照明位置の変化を、走査部14が前記温度変化により光ファイバ15の先端を揺動させた場合の振幅が変化する(ことによりその振幅変化に伴って変化する照明光の照射位置が変化する)駆動電圧の周波数特性を利用して相殺させるようにして抑制する。印加部の機能を説明するために、まずレンズ部21における温度変化による照明光の照射位置の変化を説明する。
前述したようにレンズ部21を形成する照明レンズ16と、円筒部材13(及び保持部材19)が温度上昇による影響を受け、被検体5側に形成される照明光の照射位置が温度T1の場合の照射位置から、視野が拡大する周辺側方向の照射位置に変化する。
実際には、温度変化により、レンズ部21における保持部を形成する円筒部材13が膨張や収縮して、光ファイバ15の先端から凸レンズ16aまでの間隔dを変化させることが、温度変化により照射位置が変化する場合の主要な要因となる。円筒部材13は、温度変化により、主に長手方向に膨張や収縮し、その結果光ファイバ15の先端から凸レンズ16aまでの間隔dを変化させる。
図2の場合においては、温度T1から温度T2に変化すると、2点鎖線で示すように円筒部材13が長手方向に膨張(伸張)することにより凸レンズ16a,16bの位置も2点鎖線で示すように変化し、(温度T1での)間隔dがd′で示すように大きくなる。そして、P1,P2の照射位置は、視野を拡大する周辺側(又は外側)方向の照射位置に変化(移動)する。
レンズ部21が温度変化により照射位置又は視野が変化する様子を図6に示す。図6に示すように、温度T1での例えばY軸方向の照射位置P(又は視野θ)は、温度変化した場合の変化特性Vとして、温度が上昇した場合、視野が拡大する方向となる周辺側の照射位置に変化(移動)する。図6は、例えば光ファイバ15の先端を、図2等において説明したようにY軸方向での走査範囲又は最大視野に近い一定の振幅に設定した状態において、温度を上げた場合での照射位置又は視野の変化の様子を示す(実際には走査部14側も温度に依存する特性を有する)。
なお、Y軸方向の場合に限らず、X軸方向等においても同様に照射位置が変化する。つまり、レンズ部21は、照明レンズ16の光軸又は光ファイバ15の中心軸を通る該中心軸に垂直な面内における任意の方向に対して、図6に示すような変化特性Vを示す。
また、温度T1からT2への温度変化による照射位置P又は視野θの変化の割合は、走査範囲又は最大視野付近において5%程度であり、走査範囲又は最大視野の端付近よりも内側又は中心寄りの照射位置又は視野においてはその影響は小さくなり、その影響は、振幅の値又は視野の大きさにほぼ比例すると近似できる。
従って、最大の振幅又はこれに近い場合に対応する照射位置Pにおいて、例えば温度T1から温度T2に温度を変化させた場合において両温度での照射位置Pのずれを解消するように工夫(設定)すると、最大の振幅よりも小さい状態の振幅で照明光を走査している場合においても実質的に両温度での照射位置のずれを解消することができることになる。
換言すると、最大の振幅又は走査範囲の端又は最大視野付近において、温度変化による影響を抑制又は解消するように設定することにより、走査範囲の周辺側から走査範囲よりも内側の照射位置又は視野における温度変化による影響を実質的に抑制又は解消することができるようになる。
一方、図7は、温度T1において、アクチュエータ17の例えばアクチュエータ素子17a,17bを駆動する駆動周波数を、共振周波数fr(T1)を含む周波数範囲で掃引(スイープ)した場合の光ファイバ15の先端のY軸方向での振幅Aの変化曲線C1(T1)を示す。
同様に、温度T2において、アクチュエータ17の例えばアクチュエータ素子17a,17bを駆動する駆動周波数を、共振周波数fr(T2)を含む周波数範囲で掃引(スイープ)した場合の光ファイバ15のY軸方向での先端の振幅Aの変化曲線C2(T2)も示す。なお、アクチュエータ素子17c,17dを駆動した場合にも、図7に示す特性と殆ど同じ特性となる。つまり、光ファイバ15の中心軸を通る該中心軸に垂直な面内における任意の方向において、図7に示すような特性となる。
振幅Aは、被検体5上における照明光の照射位置又は視野に対応し、振幅Aが大きい程、周辺側の照射位置又は大きい視野となる。図2に示した照明レンズ16又はこれと同じ特性のレンズを採用すること(例えばシミュレーションによる解析、又は評価)により、振幅Aの変化を照明光の照射位置の変化量に変換することができる。
図7の変化曲線C1(T1),C2(T2)から分かるように、温度T1から温度T2に温度が上昇する温度変化に対して、共振周波数fr(T1)は、周波数が低い方の共振周波数fr(T2)に変化する。この場合、変化曲線C2(T2)は、変化曲線C1(T1)を、周波数が低い方にシフト(平行移動)した特性に近い。
図7の変化曲線C1(T1),C2(T2)の場合においては、例えば共振周波数fr(T1)の周波数でアクチュエータ素子17a,17bを駆動した場合の振幅A1は、温度TをT1からT2に変化すると、振幅A2に低下してしまう。
一方、共振周波数fr(T1)よりも若干高い周波数でアクチュエータ素子17a,17bを駆動した場合の例えば振幅A3は、温度TをT1からT2に変化すると、振幅A4に低下する。この場合の特性を照射位置を用いて表現すると、温度が上昇すると、照射位置が視野を小さくする方向の照射位置(又は中心側方向の照射位置)に変化する特性となる。
換言すると、温度が上昇した場合、レンズ部21における照明レンズ16を保持した円筒部材13が膨張して照明レンズ16との間隔dを広くすることが要因で、図6に示したように照射位置Pが視野を拡大する周辺側方向の照射位置に変化させるように機能するのに対して、例えば共振周波数fr(T1)よりも高い駆動周波数の駆動電圧をアクチュエータ17に印加した場合の機能は、照射位置を視野を狭くする中心側方向の照射位置に変化させる。
従って、印加部により、アクチュエータ17に印加する駆動電圧の駆動周波数を適宜の周波数に設定することにより、温度T2においてレンズ部21による温度T1からの照射位置の変化を、相殺することができる。
図8は、図6の変化特性Vと、図7の変化曲線C1(T1),C2(T2)を代表する変化特性Cとを示し、温度T1での照射位置P又は視野θが温度T2において同じ照射位置又は視野となるように、変化特性Cを調整した図を示す。なお、図8においては、図7における温度により振幅が変化する変化曲線C1(T1),C2(T2)を温度により照射位置が変化する変化特性Cに変換したもので示している。
図8において変化特性Vは、温度が上昇すると照射位置Pが視野を拡大する周辺側方向の照射位置にずれる特性を示す。また、変化特性Vにおいて、温度T1から温度T2に変化させた場合の温度T1の照射位置Pからの変化量をΔ1で表わしている。一方、変化特性Cは、温度が上昇すると照射位置が視野を小さくする中心側方向の照射位置にずれる特性を示す。また変化特性Cにおいて、温度T1から温度T2に変化させた場合の温度T1の照射位置Pからの変化量を−Δ2で表わしている。
変化量Δ1と−Δ2とは極性が異なる。従って、温度T2において変化量Δ1と−Δ2の和、Δ1−Δ2又は絶対値|Δ1|と|−Δ2|とを等しくすることにより温度T2付近において温度変化により照射位置が変化、又は視野が変化することを相殺して抑制することができる。
図9は温度T2において変化量Δ1と−Δ2との和を0にする場合の特定の周波数fdを示す。走査型内視鏡2のメモリ25には、温度T2においてこの走査型内視鏡2のアクチュエータ17に印加する駆動電圧の駆動周波数として、特定の周波数fdの情報が予め格納される。
なお、メモリ25には、例えば温度T1において走査型内視鏡2のアクチュエータ17を渦巻き状の走査軌跡に沿って、走査する場合の発光させるタイミングと、発光させたタイミングの場合の照射位置とを関係付けたデータとしてのマッピングデータも格納している。
そして、走査型内視鏡2が本体装置3に接続されると、本体装置3内のコントローラ34は、メモリ25に格納されたマッピングデータと、特定の周波数fdの情報を読み出し、メモリ35に格納する。そして、コントローラ34は、本体装置3に接続された走査型内視鏡2のアクチュエータ17に印加する駆動電圧の駆動周波数として、特定の周波数fdに設定して、アクチュエータ17を駆動する。
本発明の第1の実施形態の走査型内視鏡装置1は、光源部を形成する光源ユニット31が発生した照明光を導光し、先端から出射する導光部を形成する光ファイバ15と、駆動電圧が印加され、印加された駆動電圧の周波数で振動し前記導光部の前記先端を揺動する駆動部を形成するアクチュエータ17と、を有し、(第1の温度からの)温度変化により前記駆動電圧の周波数に応じて前記導光部の前記先端の揺動の振幅が変化する走査部14と、前記導光部から出射された前記照明光を被検体5に向かって集光させるレンズを形成する照明レンズ16と、前記レンズを保持し、内部に前記走査部14を内包する空間を有する保持部を形成する円筒部材13及び保持部材19と、を有するレンズ部21と、(前記走査部14及び前記レンズ部21が設けられた走査型内視鏡2の先端部11が内視鏡検査の際に設定される前記第1の温度とは異なる第2の温度ないしは当該第2の温度近傍においての)前記温度変化による前記レンズ部21の膨張または収縮により生じる前記被検体5における前記照明光の照明位置の変化を、前記温度変化による前記導光部先端の振幅の周波数特性の変化により抑制する周波数に設定された前記駆動電圧を前記駆動部に印加する印加部を形成する駆動制御部34b及び駆動ユニット32と、を有することを特徴とする。
次に、本実施形態の作用を説明する。図10は、本実施形態における代表的な動作の場合の処理内容を示す。
術者は、最初のステップS1に示すように走査型内視鏡2を本体装置3に接続し、本体装置3の電源を投入する。すると、ステップS2においてコントローラ34は、動作状態となり、本体装置3に接続された走査型内視鏡2内のメモリ25から、情報を読み出す。つまり、コントローラ34は、マッピングデータと共に、レンズ部21における主要な温度依存性を示す円筒部材13が温度上昇した場合の照射位置が変化する特性に対して、温度T2においてその特性を相殺する周波数となる特定の周波数fdの情報を読み出し、メモリ35に格納する。
ステップS3においてコントローラ34(の駆動制御部34b)は、駆動ユニット32からアクチュエータ17に印加する駆動電圧の駆動周波数として、読み出した特定の周波数fdに設定する。
ステップS4に示すように術者は、挿入部6を先端部11側から被検体5内に挿入する。ステップS5に示すように被検体5内に先端部11が挿入されることにより、先端部11付近の温度は、T2近傍の温度になる。
ステップS6に示すようにコントローラ34の駆動制御部34bは、駆動ユニット32が、特定の周波数fdの駆動電圧でアクチュエータ17を駆動するように制御する。アクチュエータ17は、光ファイバ15の先端を渦巻き形状に揺動し、被検体5上に照射された照明光の照射位置が渦巻き形状に移動する。
上述したように温度が上昇すると、円筒部材13が膨張し、図2に示す光ファイバ15の先端から照明レンズ16における第1の凸レンズ16aまでの間隔dが広く(又は大きく)なり、図2に示す照射位置が周辺側に矢印で示すようにずれるが、上述したように印加部は、駆動周波数を特定の周波数fdに設定することにより、照射位置のずれを相殺する。つまり、ステップS7に示すように印加部は、温度T1からT2への温度変化に対して、照射位置のずれを相殺するように機能する。
ステップS8に示すように被検体5の照射位置において反射された反射光又は戻り光は、検出ユニット33に入力され、光電変換された戻り光信号として検出される。
ステップS9に示すように戻り光信号は、コントローラ34内の画像生成部34cに入力される。画像生成部34cは、マッピングデータを参照して、戻り光信号を照射位置の信号値に変換する。換言すると、画像生成部34cは、マッピングデータを参照して、戻り光信号の信号値をその2次元位置を表す画素位置の画素信号又は画像信号データに変換し、更にラスタスキャンの画像信号に変換してモニタ4に出力する。
ステップS10に示すようにモニタ4は、入力された画像信号の画像を内視鏡画像として表示する。そして、図10の処理を終了する。
なお、ステップS3とS4との順序を入れ替えても良い。次に図10におけるステップS7の処理内容を補足説明する。
上述したようにレンズ部21は、温度が上昇すると、図2等に示すように照明レンズ16を経て被検体5上に照射された照明光の照射位置を視野を拡大する方向となる周辺側の照射位置に変化(移動)させる。なお、この場合の主要な要因として図2に示すように温度が上昇すると円筒部材13が長手方向に伸張(膨張)するため、光ファイバ15の先端から凸レンズ16aまでの間隔dが広くなり、そのために被検体5上での照射位置(図2ではP1,P2)は、矢印で示すように視野を拡大させる方向となる周辺側(外側)に移動(変化)する。
一方、アクチュエータ17に印加する駆動電圧の駆動周波数を、温度を上昇させる前の温度(例えばT1)における共振周波数fr(T1)よりも高い周波数に設定して光ファイバ15の先端を揺動させると、光ファイバ15の先端の振幅は、温度が上昇すると、その振幅が小さくなるように変化する。
そして、本実施形態においては、図9に示すようにアクチュエータ17に印加する駆動電圧の駆動周波数を図8に示す変化量Δ1−Δ2が0になる場合の特定の周波数fdに設定することにより、走査型内視鏡2を被検体5内に挿入して内視鏡検査を行う場合の照射位置が温度T1から被検体5内での温度T2に温度上昇した場合に照明光の照射位置が温度T1での照射位置からずれてしまうことを有効に防止できる。
つまり本実施形態によれば、実際に使用する温度環境において、温度変化の影響が少なく、画質の良い画像を取得できる走査型内視鏡装置1を実現できる。
また、本実施形態によれば、被検体5に挿入して内視鏡検査する場合の先端部11の温度が分かっているような場合には、先端部11付近に温度センサを設ける必要がなく先端部11を細径化し易い。
なお、図9においては、温度T2において変化量Δ1−Δ2が0になる場合の特定の周波数fdに設定する例を示しているが、図11に示すように温度T2付近の体温環境下において、変化量Δ1−Δ2が許容できる範囲内となる駆動周波数に設定できるように閾値を設けるようにしても良い。
図11に示すように変化量Δ1−Δ2が、体温の環境下で、正の閾値th1以下で負の閾値−th1以上となる範囲の周波数f1〜f2以内の駆動周波数に設定しても良い。
次に図12を参照して、上述した特定の周波数fd、又はf1〜f2以内の駆動周波数を検出するための構成を説明する。
図12に示す走査型内視鏡装置1Bは、図1の走査型内視鏡装置1において、更に先端部11付近を温度T1から少なくとも温度T2付近の温度に加温するヒータ51と、先端部11の長手方向に対向して、光ファイバ15の中心軸と垂直な平面を有する照射位置検出用(又は視野検出用)の基準スクリーン(又はチャート)52と、この基準スクリーン52の背面に配置され、基準スクリーン52に照射された照明光の照射位置の2次元的位置を検出する二次元位置センサ(以下単にセンサと略記)53と、センサ53の出力により、駆動周波数と照射位置との関係を解析する駆動周波数/照射位置(又は視野)解析装置54とを有する。なお、駆動周波数/照射位置解析装置54は、パーソナルコンピュータ等により構成することができる。
また、駆動周波数/照射位置解析装置54は、本体装置3のコントローラ34と通信線により接続され、コントローラ34(の駆動制御部34b)が駆動周波数を掃引するように変化させる場合、その駆動周波数の情報を駆動周波数/照射位置解析装置54を送信する。
また、メモリ25とコントローラ34とを接続する信号線55は、駆動周波数/照射位置解析装置54とも接続されている。そして、駆動周波数/照射位置解析装置54は、駆動周波数と照射位置との関係を解析して、特定の周波数fdを検出した場合には、信号線55を介してメモリ25に特定の周波数fdの情報を書き込む。なお、駆動周波数/照射位置解析装置54が特定の周波数fdを検出した場合、その情報をコントローラ34に送信し、コントローラ34が特定の周波数fdの情報をメモリ25に書き込むようにしても良い。 以下の説明において、例えば温度T1は、マッピングデータを生成した場合の温度であるとする。
まず、ヒータ51を動作させる前の温度T1において、駆動制御部34bは、駆動周波数を掃引してアクチュエータ17に駆動電圧を印加し、基準スクリーン52に照射された照明光の照射位置はセンサ53により検出される。そしてセンサ53は、検出した照射位置の情報を駆動周波数/照射位置解析装置54に送る。駆動周波数/照射位置解析装置54は、駆動周波数と照射位置の関係の情報を解析し、温度T1の場合における駆動周波数と照射位置の関係の情報を算出し、駆動周波数/照射位置解析装置54内部のメモリに保存する。
上記の処理を、例えば最大視野付近の駆動電圧において駆動電圧の値を変えて繰り返し行う。
次に駆動周波数/照射位置解析装置54は、ヒータ51を動作させ、先端部11の温度を体内の温度T2に上昇させるように制御する。図示しない温度センサにより、駆動周波数/照射位置解析装置54は先端部11が温度T2に達したことを認識し、コントローラ34のその情報を駆動制御部34bに送る。
そして、温度T1の場合と同様に、温度T2において上記と同様の処理を繰り返し行う。
そして、温度T1と温度T2の場合において、駆動電圧が同じ値の場合において、照射位置が一致する駆動周波数を、特定の周波数fdとして決定する。
なお、図12に示す走査型内視鏡装置1Bにおいては、先端部11の温度を変えた場合、レンズ部21を形成する円筒部材13が膨張又は収縮して、基準スクリーン52に照射される照明光の照射位置が変化する影響と、走査部14により光ファイバ15の先端を揺動させた場合の(光ファイバ15の先端の)振幅が変化することにより、基準スクリーン52に照射される照明光の照射位置が変化する影響と、が同時に起こるために、温度T2において温度T1の場合と同じ駆動電圧で同じ照射位置となる駆動周波数が特定の周波数fdとなる。
そして、駆動周波数/照射位置解析装置54は、決定した特定の周波数fdの情報をメモリ25に直接書き込んだり、コントローラ34を介してメモリ25に書き込む。
なお、上述した実施形態においては、例えば温度上昇により、レンズ部21が照射位置を視野が拡大する方向に変化する場合に対して、アクチュエータ17に印加する駆動電圧の駆動周波数を、温度上昇させる前の共振周波数(図7の具体例ではfr(T1))よりも高い周波数に設定することにより、(走査部14及びレンズ部21が設けられた)先端部11が内視鏡検査の際に設定される温度T2において温度変化により照射位置が変化する影響を相殺することができる具体例を説明した。
しかし、本発明は、上記の具体例に限定されるものでなく、例えば温度上昇により、レンズ部21が照射位置を視野が縮小する方向に変化する場合に対しても、温度上昇させる前の共振周波数(図7の具体例ではfr(T1))よりも低い周波数に設定することにより、(走査部14及びレンズ部21が設けられた)先端部11が内視鏡検査の際に設定される温度T2において温度変化により照射位置が変化する影響を相殺することもできる。
但し、温度上昇させる前の共振周波数(図7の具体例ではfr(T1))よりも低い周波数範囲の一部の周波数範囲(図7においては、変化曲線C1(T1)とC2(T2)とが交差する駆動周波数以下の周波数範囲)において設定することにより、(走査部14及びレンズ部21が設けられた)先端部11が内視鏡検査の際に設定される温度T2において温度変化により照射位置が変化する影響を相殺することができる。なお、被検体内の温度が異なる場合にも対応できるように、複数の温度それぞれにおいて、Δ1−Δ2が0又は閾値以下の範囲となる複数の特定の周波数の情報をメモリ25等の記憶部に格納するようにしても良い。
また、本明細書の記載に基づき、以下の付記のようなクレーム内容にすることもできる。
[付記1]
光源部が発生した照明光を導光し、先端から出射する導光部と、駆動電圧が印加され、印加された駆動電圧の周波数で振動し前記導光部の前記先端を揺動する駆動部と、を有し、基準とする第1の温度T1からの温度変化により前記駆動電圧の周波数に応じて前記導光部の前記先端の揺動の振幅が変化する走査部と、
前記導光部から出射された前記照明光を被検体に向かって集光させるレンズと、前記レンズを保持し、内部に前記走査部を内包する空間を有する保持部と、を有するレンズ部と、
前記走査部と前記レンズ部とが前記被検体内部において到達する(前記温度T1とは異なる)温度T2において、前記温度変化による前記レンズ部の膨張または収縮により生じる前記被検体における前記照明光の照明位置の変化を、前記温度変化による前記導光部先端の振幅の周波数特性の変化により抑制する特定の周波数に設定された前記駆動電圧を前記温度T1の場合と同じ値に設定される前記駆動電圧を前記駆動部に印加する印加部と、
を有することを特徴とする走査型内視鏡装置。
[付記2]
前記第1の温度において、予め設定された渦巻き状の走査軌跡に沿って、前記走査部が走査するように前記駆動部を駆動した場合における前記レンズ部を経て前記被検体側に照明光を照射した際の各照明位置の2次元座標位置の情報を、マッピングデータとして予め格納したマッピングデータ格納部を有し、
前記印加部は、前記温度T2において、前記特定の周波数においての前記温度T1の場合と同じ条件の駆動電圧を前記駆動部に印加することを特徴とする付記1の走査型内視鏡装置。
[付記3]
前記特定の周波数における前記駆動電圧の印加により前記被検体に照射された照明光の戻り光を検出して戻り光信号を生成し、前記戻り光信号から(前記温度T1において生成された)前記マッピングデータを用いて画像信号に変換することを特徴とする付記2の走査型内視鏡装置。
本出願は、2015年6月22日に日本国に出願された特願2015−124908号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。

Claims (12)

  1. 光源部が発生した照明光を導光し、先端から出射する導光部と、所定の周波数の駆動電圧が印加され、印加された前記駆動電圧の周波数で振動し前記導光部の前記先端を前記所定の周波数で揺動する駆動部と、を有する走査部と、
    前記導光部から出射された前記照明光を被検体に向かって集光させるレンズと、前記レンズを保持し、内部に前記走査部を内包する空間を有する保持部と、を有するレンズ部と
    前記所定の周波数に設定された前記駆動電圧を前記駆動部に印加する印加部と、
    を有し、
    前記レンズ部が温度変化に応じて膨張または収縮することにより、前記被検体における前記照明光の照明位置は、視野の周辺方向または中心方向のいずれかの第1方向に変化し、
    前記所定の周波数で揺動された前記導光部の前記先端の振幅が温度変化に応じて変化することにより、前記照明位置は、前記周辺方向または前記中心方向のいずれかの第2方向に変化し、
    前記所定の周波数は、前記第2方向が第1方向と逆になるように設定されている
    ことを特徴とする走査型内視鏡装置。
  2. 前記温度変化は、第1温度から前記第1温度よりも高い第2温度への温度上昇であり、
    前記走査部は、前記温度上昇により、前記駆動部に印加される前記駆動電圧の周波数を掃引した場合の前記導光部の振幅がピークとなる共振周波数が低くなる周波数特性を有し、
    前記レンズ部は、前記温度上昇により走査型内視鏡の視野が拡大する方向に前記照明光の照明位置が変化する位置変化特性を有し、
    前記印加部は、前記所定の周波数を、前記第1温度の前記共振周波数より大きい値に設定することを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。
  3. 前記走査部は、前記被検体の体内に挿入され、
    前記印加部は、前記被検体の体内への前記走査部の挿入による前記レンズ部の膨張または収縮により生じる前記被検体における前記照明光の照明位置の変化を相殺するように前記導光部の前記先端の揺動の振幅が変化する周波数に設定された前記駆動電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。
  4. 前記レンズ部は、前記温度上昇により前記保持部が膨張することにより前記導光部の先端と前記レンズとの間隔が広くなる特性を有し、
    前記印加部は、前記温度上昇による前記保持部の膨張によって生じる前記照明位置の変化を抑制する周波数を有する前記駆動電圧を前記駆動部に印加することを特徴とする請求項2に記載の走査型内視鏡装置。
  5. 前記走査部及び前記レンズ部は、走査型内視鏡における前記被検体内に挿入される挿入部の先端部に設けられ、
    前記印加部は、前記温度変化による前記レンズ部の膨張または収縮により生じる前記被検体における前記照明光の照明位置が変化する第1の変化特性Vに対して、前記温度変化により前記走査部が前記導光部の先端を揺動させる際の振幅が変化することにより、前記導光部の先端から出射され、前記被検体における前記照明光の照射位置が変化する第2の変化特性Cが、前記被検体内に前記先端部が挿入された状態においての前記先端部が到達する環境温度の近傍において、相殺する値となり、前記照明光の照明位置が変化しない前記所定の周波数に設定された前記駆動電圧を前記駆動部に印加することを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。
  6. 前記走査型内視鏡は、該走査型内視鏡に搭載された前記走査部及び前記レンズ部において、前記環境温度において、前記第1の変化特性Vを前記第2の変化特性Cにて相殺する場合の前記所定の周波数の情報を格納する記憶部を有することを特徴とする請求項5に記載の走査型内視鏡装置。
  7. 前記走査部は、前記駆動部に印加される前記駆動電圧の周波数を変化させた場合の前記導光部の振幅として、前記振幅がピークとなる場合の共振周波数が、温度上昇による前記温度変化に従って低くなる周波数特性を有し、
    前記レンズ部による前記被検体上における前記照明光の照射位置が、前記温度上昇に従って視野を拡大する周辺側の位置に変化させる特性の場合には、前記印加部は、前記駆動部に印加する駆動電圧として、前記温度上昇の前の前記共振周波数よりも高い周波数に設定された前記駆動電圧を印加し、
    前記レンズ部による前記被検体上における前記照明光の照射位置が、前記温度上昇により視野を小さくする中心側の位置に変化させる特性の場合には、前記印加部は、前記駆動部に印加する駆動電圧として、前記温度上昇の前の前記共振周波数よりも低い周波数に設定された前記駆動電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。
  8. 前記駆動部は、直交する2つの方向にそれぞれ駆動する2つの駆動電圧が印加されることにより前記導光部の前記先端を渦巻き形状の軌跡を描くように前記2つの方向に揺動し、
    基準となる第1の温度T1において、前記渦巻き形状の前記軌跡が最大となる場合の前記駆動電圧における前記被検体上における前記照明光の照射位置P1と、前記第1の温度T1から前記温度変化した第2の温度T2において、前記渦巻き形状の前記軌跡が最大となる場合の前記駆動電圧における前記被検体上における前記照明光の照射位置P2とのずれ量が閾値の範囲内となるように、前記印加部は、前記駆動部に印加する前記駆動電圧の周波数を特定の周波数に設定することを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。
  9. 前記第1の温度T1からの前記温度変化の値がそれぞれ異なる複数の前記第2の温度T2それぞれに対応する前記特定の周波数としての複数の周波数情報を格納する記憶部を有することを特徴とする請求項8に記載の走査型内視鏡装置。
  10. 前記記憶部は、更に、前記被検体における前記照明光の照射位置P1を特定する2次元座標位置の情報をマッピングデータとして格納することを特徴とする請求項9に記載の走査型内視鏡装置。
  11. 前記記憶部を、前記走査部及び前記レンズ部を備えた走査型内視鏡に設けたことを特徴とする請求項9に記載の走査型内視鏡装置。
  12. 前記記憶部を、前記走査部及び前記レンズ部を備えた走査型内視鏡に設けたことを特徴とする請求項10に記載の走査型内視鏡装置。
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