JP6072154B2 - タービン用フレキシブルパッキンリング - Google Patents
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Description
この種のタービンは、回転子と固定子との間から漏出する流体によって効率が低下し、燃料コストが上昇するため、タービンには流体を密閉する技術が非常に重要である。
この理由から、本発明者らは、下記の特許文献4を出願している。以下、特許文献4を従来の技術と称する。
まず、第一の問題点として、ポンプシールは、基本的に、タービンのローターに対する最適な動作性能が得られる形状に設計されるが、パッキンプレートが付設されたことによって、ポンプシールの形状が基本的な設計形状から変形されるため、最初の設計時に予測されたローターの動作性能が得られない場合がある。
たとえば、パッキンプレートとローターとの間の摩擦に過度な摩擦力及び摩擦熱が発生した場合、このような摩擦力は、ローターの回転性能を低下させ、摩擦熱は、ポンプシールの全体に伝わって熱的変形を引き起こし易いという問題がある。これによって、発電タービンの性能及びエネルギー効率が低下するという問題がある。
更に、前記可動シールリングは、第1の固定シールリング及び第2の固定シールリングのうちの少なくとも一方に形成された嵌入孔に、弧方向に摺動されて嵌め込まれる可動胴体と、可動胴体の内側面に突設された可動三角刃と、を備えることを特徴とする。
特に、本発明は、密閉力を向上させるための可動シールリングを固定シールリングの中央部に配設することによって、ローター軸の動作特性を保証するとともに、可動シールリングと関連する構成要素が外部に露出したり引き抜かれたりすることを防ぐことができるという特徴がある。
更に、本発明は、パッキンリングを構成する2つのシールリングハウジング間の組み合わせ面積を最小化させることによって、密閉性を大幅に向上させることができ、しかも、長期に亘っての使用時にも十分な密閉性を持続的に保証し続けることができるという特徴がある。
以下、添付図面に基づき、本発明の最適な実施形態について説明する。
また、各図面について後述するのに当たって、タービン用のフレキシブルパッキンリングAを基準として、ローター軸RSが係着される側を内側とし、その反対側を外側とし、軸受けなどが設けられる装置の内部を内部側とし、装置の外部を外部側とする。
結果的に、本発明のタービン用のフレキシブルパッキンリングAは、内側にローター軸RSが係着され、内部のスチームや空気、ガスなどが装置の外部に漏れ出ることを防止し、外部の異物が装置の内部に流入することを防止する機能を有する。
図1に示すように、タービン用のフレキシブルパッキンリングAは、円形の少なくとも一部に対応する弧状に係成された第1のシールリングハウジング100、及び円形の少なくとも他の一部に対応する弧状に形成された第2のシールリングハウジング200を備える。
このとき、第1のシールリングハウジング100及び第2のシールリングハウジング200の形状は、必ずしも同じであるとは限らない。
もし、2点を結ぶ線分が円の直径ではなければ、2つの円弧の長さは異なり、短い弧を劣弧とし、長い弧を優弧とする。
このため、例えば、第1のシールリングハウジング100が劣弧である場合には第2のシールリングハウジング200が優弧になり、各弧の長さも種々に変更可能であるということはいうまでもない。
このような第1の固定シールリング110、第2の固定シールリング210、及び可動シールリング300間の係合構造及び配置関係の詳細については、後述する。
このため、第1のシールリングハウジング100と第1の固定シールリング110、及び第1の固定シールリング110と可動シールリング300は、それぞれが弧方向に摺動自在に係合される。
第2のシールリングハウジング200と第2の固定シールリング210との間、及び第2の固定シールリング210と可動シールリング300との間の係合関係も、これと同様である。
図2に示すように、第1の固定シールリング110は、第1のシールリングハウジング100の内側(図2における下方)に嵌合される。
具体的に説明すると、可動シールリング300は、図2に示すように、第1の固定シールリング110に形成された嵌入孔113に弧方向に摺動自在に嵌め込まれる可動胴体310と、可動胴体310の内側面から突設された可動三角刃320と、を備える。
このような可動三角刃320の形状は、タービン用のフレキシブルパッキンリングAの最初の設計時に最適な形状に形成された三角刃の形状に対応する。
また、可動シールリング300には、抜け止め爪114に係止される係止突起330が形成される。
特に、固定三角刃には、図2に示すように、ローター軸RSの形状に対応して、相対的に高い第1の固定三角刃111と相対的に低い第2の固定三角刃112とがそれぞれ形成される。
次いで、ローター軸RSの動作によって第1の固定三角刃111に摩耗が発生すると、第1の固定三角刃111とローター軸RSとの間に隙間が生成する。
より具体的に、第1の固定シールリング110には、可動シールリング300が内外側の方向(図2における上下方向)に摺動自在に係着される嵌入孔113が形成され、嵌入孔113には、可動シールリング300を内側に押し付ける(図2におけるボックス状矢印)弾性具400が設けられる。
このため、弾性具400の嵌合部410が嵌合溝301に嵌め込まれた状態で、可動シールリング300が第1の固定シールリング110の嵌入孔113に嵌合される。
このとき、可動シールリング300が過度に移動して第1の固定シールリング110の他方の方向に引き抜かれることを防ぐために、第1の固定シールリング110の他方の方向(図3における右下方向)にストッパー500が設けられる。
更に、ストッパー500は第1の固定シールリング110の内部に設けられ、第1の固定シールリング110及び第2の固定シールリング120の間の係合時に内部に嵌入されるので、タービンの動作時にローター軸RSの振動などによって取り外されて外部に引き抜かれることを防ぐことができる。
図4に示すように、板ばねの弾性具400が弧状の曲面に形成された嵌入孔113に位置すると、接点部分に反発力(押付力)が発生する。
具体的には、図4に示すように、可動シールリング300の嵌合溝301に嵌合部410が嵌着された場合、弾性具400の嵌合部410には、可動シールリング300を内側に押し付ける力が発生し、弾性具400の、嵌合部410と対向する端部(図4における左側)には第1の固定シールリング110を外側に押し付ける力が発生する。
結果的に、これらの2つの力が合わせられて可動シールリング300を内側に押し付けることができる。
このように、可動シールリング300を複数に分割して構成すると、図5に示すように、フレキシブルパッキンリングAの内部に組み込まれるローター軸RSの中心に向かって所定の角度ごとに均一な押付力(図5におけるボックス状の矢印)を発生させることができるので、一つの可動シールリング300を半円形に形成する場合に比べて密閉性を更に向上させることができる。
また、図5に示すように、弾性具400は、直線状の板ばね400だけではなく、波形の板ばね400´によって形成され、また当業者の要求に応じて、図7に示すように、複数のコイル状ばね450を配置して、弾性具400と同じ機能及び効果を得ることができる。
ガイドピン600は、図5及び図6に示すように、一方の端が折り曲げられて、何れか一つの単位シールリング300aに固定され、他方の端が他の単位シールリング300bに摺動自在に嵌め込まれる。
図9に示すように、可動シールリング300は、ローター軸RSの外部面の形状や第1の固定シールリング110に形成された固定三角刃111、112の配置などに応じて様々に変更可能である。
他の例によれば、可動シールリング300の係合位置が第2の固定三角刃112の形成位置である場合、可動シールリング300の可動胴体310に図9の(b)に示す複数の可動三角刃320が形成される。
図9の(c)の場合は、図10に示すように、第1の固定シールリング110の固定三角刃112’が傾斜した場合に形成される。
加えて、当業者の要求に応じて様々な形状の可動三角刃320が形成可能であるということはいうまでもない。
よって、上述した実施形態はあらゆる面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解さるべきである。
100: 第1のシールリングハウジング
110: 第1の固定シールリング
111: 第1の固定三角刃
112: 第2の固定三角刃
113: 嵌入孔
114: 抜け止め爪
200: 第2のシールリングハウジング
210: 第2の固定シールリング
300: 可動シールリング
301: 嵌合溝
310: 可動胴体
320: 可動三角刃
330: 係止突起
400: 弾性具
410: 嵌合部
Claims (10)
- 円形の少なくとも一部に対応する弧状に形成された第1のシールリングハウジングと、円形の少なくとも他の一部に対応する弧状に形成された第2のシールリングハウジングと、が組み合わせられて一つの円形をなし、
前記第1のシールリングハウジングの内側に第1の固定シールリングが係着され、前記第1の固定シールリングは前記第1のシールリングハウジングと係合する空間に設けられた弾性部材によって内側に押し付けられて支持され、
前記第2のシールリングハウジングの内側には第2の固定シールリングが係着され、前記第2の固定シールリングは、第2のシールリングハウジングと係合する空間に設けられた弾性部材によって内側に押し付けられて支持され、
前記第1の固定シールリング及び前記第2の固定シールリングそれぞれの内側に、少なくとも一つの可動シールリングが係着され、前記可動シールリングそれぞれは、弾性具によって内側に押し付けられた状態でタービン用ローター軸に係着されることを特徴とするタービン用フレキシブルパッキンリング。
- 前記第1のシールリングハウジングと前記第1の固定シールリング、前記第2のシールリングハウジングと前記第2の固定シールリング、前記第1の固定シールリングと前記可動シールリング、及び前記第2の固定シールリングと前記可動シールリングのうちの少なくとも一方は、弧方向に摺動自在に嵌合されることを特徴とする請求項1に記載のタービン用フレキシブルパッキンリング。
- 前記可動シールリングは、
前記第1の固定シールリング及び前記第2の固定シールリングの少なくとも一方の、一方から嵌合され、
前記第1の固定シールリング及び前記第2の固定シールリングの少なくとも一方の、他方の終端部には、前記可動シールリングの弧方向の移動を制限するストッパーが設けられることを特徴とする請求項2に記載のタービン用フレキシブルパッキンリング。 - 前記第1の固定シールリング及び前記第2の固定シールリングのうちの少なくとも一方には、前記可動シールリングが内外側方向に摺動自在に嵌合される嵌入孔が形成され、
前記嵌入孔には、前記可動シールリングを内側に押し付ける弾性具が設けられることを特徴とする請求項3に記載のタービン用フレキシブルパッキンリング。 - 前記可動シールリングの外側面には、少なくとも一つの嵌合溝が形成され、
前記弾性具は、前記嵌合溝に嵌め込まれる嵌合部が折り曲げられた板ばねによって形成されることを特徴とする請求項4に記載のタービン用フレキシブルパッキンリング。 - 前記可動シールリングは、
前記第1の固定シールリング及び前記第2の固定シールリングのうちの少なくとも一方に形成された嵌入孔に、弧方向に摺動されて嵌め込まれる可動胴体と、
前記可動胴体の内側面に突設された可動三角刃と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至5のうちの何れか1項に記載のタービン用フレキシブルパッキンリング。 - 前記第1の固定シールリング及び前記第2の固定シールリングのうちの少なくとも一方は、前記嵌入孔の内側の終端部に少なくとも一つの抜け止め爪が形成され、
前記可動シールリングには、前記抜け止め爪に係止される係止突起が形成されることを特徴とする請求項6に記載のタービン用フレキシブルパッキンリング。 - 前記第1の固定シールリング及び前記第2の固定シールリングのうちの少なくとも一方の内側面には、ローター軸の係合面の形状に対応して少なくとも一つの固定三角刃が形成され、
前記可動三角刃の高さは、ローター軸に設けられた状態で、前記嵌入孔の内部に設けられた弾性具によって前記可動胴体が嵌入される寸法に見合う分だけ前記固定三角刃よりも高くなるように形成されることを特徴とする請求項6に記載のタービン用フレキシブルパッキンリング。 - 前記第1の固定シールリング及び前記第2の固定シールリングのうちの少なくとも一方の内側面には、ローター軸の係合面の形状に対応して異なる高さの第1の固定三角刃及び第2の固定三角刃が形成され、
前記可動三角刃の高さは、前記第1の固定三角刃及び前記第2の固定三角刃のうちの何れか一方に比べて、ローター軸に設けられた状態で、前記嵌入孔の内部に設けられた弾性具によって前記可動胴体が嵌入される寸法に見合う分だけ高くなるように形成されることを特徴とする請求項6に記載のタービン用フレキシブルパッキンリング。 - 前記可動シールリングは、少なくとも2つ設けられ、
両側端が2つの可動シールリングにそれぞれ嵌入するガイドピンを更に備え、
前記可動シールリングが内方又は外方に移動する過程において、隣り合う2つの可動シールリングの移動が前記ガイドピンによる相互作用によってガイドされることを特徴とする請求項1乃至5のうちの何れか1項に記載のタービン用フレキシブルパッキンリング。
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