JP6071653B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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本発明は、例えば金属シートや炭素繊維シート等の導電性板材を誘導加熱する誘導加熱装置に関するものである。
従来、金属シートや炭素繊維シート等をソレノイドコイル方式又はトランスバースコイル方式の誘導加熱装置によって誘導加熱するものがある。
しかしながら、この誘導加熱装置を用いて、金属シートを50Hz〜1000Hzの中周波電源で誘導加熱する場合、比較的磁気抵抗が小さい磁気回路を構成する必要がある。磁気抵抗が大きいほど力率は低くなり、加熱効率が悪くなるからである。
また、従来の誘導加熱装置で金属シート等の導電性板材を誘導加熱するものでは、金属シートの搬送方向に直交する方向(幅方向)の両端部は温度上昇が押さえられて低温となってしまうという問題がある。
特開平4−147596号公報
上記の問題に対して、本願発明者は、図11に示すように、導電性板材が通過する搬送経路の上下に平面視円形状をなす複数の平板状コイルを搬送方向に直交する幅方向に配置することで、導電性板材を誘導加熱する誘導加熱装置の開発を進めている。
図11には、直径6の平面視円形状をなす3個の平板状コイルを幅方向に配置したときの発熱分布を示しており、導電性板材の発熱有効幅を両側のコイルの外側端部よりも内側に設定することによって、導電性板材の両端部を好適に加熱することができる。
ところが、互いに隣り合う平板状コイルの接続点においては、発熱量が零となってしまい、導電性板材を幅方向全体に亘って均一に加熱することが難しいという問題がある。
そこで本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、金属シート等の導電性板材を幅方向全体に亘って均一に加熱できる誘導加熱装置を提供することをその主たる所期課題とするものである。
すなわち本発明に係る誘導加熱装置は、導電性板材を周波数50Hz〜1000Hzの中周波で誘導加熱するものであって、前記導電性板材が搬送される搬送通路と、前記搬送通路の上側に配置された第1の平板状コイル群と、前記搬送通路の下側に配置された第2の平板状コイル群とを備え、前記第1の平板状コイル群及び前記第2の平板状コイル群が、中心部及び外周部に前記搬送通路に直交する上下方向に沿って磁路が設けられ、平面視において長手方向を有する形状である複数の平板状要素コイルを有し、前記複数の平板状要素コイルが、前記搬送方向に直交する幅方向に配列されるとともに、前記複数の平板状要素コイルの長手方向が前記搬送方向に対して傾斜して配置されていることを特徴とする。
このようなものであれば、第1の平板状コイル群及び第2の平板状コイル群において、各平板状要素コイルで発生した磁束は、当該平板状要素コイルの中心磁路から外周磁路を通って循環することになり、第1の平板状コイル群及び第2の平板状コイル群の間にある導電性板材に誘導電流が誘起されて導電性板材が加熱される。ここで、各平板状要素コイルの外周部に磁路を設けているので、各平板状要素コイルで発生した磁束の磁路における磁気抵抗を小さくすることができる。
また、複数の平板状要素コイルが、搬送方向に直交する幅方向に配列されるとともに、複数の平板状要素コイルの長手方向が搬送方向に対して傾斜して配置されているので、幅方向において発熱量が零となる部分が無くなり、導電性板材を幅方向全体に亘って均一に加熱することができる。
平板状要素コイルにより生じる磁束は、導電性板材を上下方向に貫通して循環するため、前記第1の平板状コイル群を構成する複数の平板状要素コイルと前記第2の平板状コイル群を構成する複数の平板状要素コイルとが対向して配置されるとともに、上下方向において互いに対向する平板状要素コイルの電圧位相差が零であることが望ましい。これならば、導電性板材を上下方向に貫通した磁束のロスを低減することができる。
大容量の場合には、平板状要素コイルに接続される電源は、三相電源が通常である。そうすると、隣り合う平板状要素コイルに流れる電流には、120度の位相差があるので、それぞれの磁束が相互干渉して発熱効率を低下させることになる。つまり、位相差が120度の場合には、互いに隣り合う2つのコイル間部分の磁束の75%が消滅し、発熱量は約94%減少してしまう。この問題を解決するためには、前記第1の平板状コイル群及び前記第2の平板状コイル群を構成する複数の平板状要素コイルがそれぞれ6N個(但し、Nは1以上の整数である。)であり、前記第1の平板状コイル群を構成する平板状要素コイルと前記第2の平板状コイル群を構成する平板状要素コイルとが対向して配置されるとともに、上下方向において互いに対向する平板状要素コイルの電圧位相差が零であり、前記第1の平板状コイル群及び前記第2の平板状コイル群それぞれにおいて互いに隣り合う平板状要素コイルの電圧位相差が30度となるように三相電源を接続していることが望ましい。このように互いに隣り合う平板状要素コイルを流れる電流の位相差が30度であれば、互いに隣り合う2つのコイル間部分の磁束の消滅は6.7%となり、発熱量の減少を約13%に抑えることができる。
前記平板状要素コイルの長手方向に直交する幅寸法をa、前記平板状要素コイルの長手方向寸法をbとし、前記導電性板材が搬送方向に沿って上下それぞれ(n+1)個又はn個(但し、nは2以上の整数とする。)を通過するための前記平板状要素コイルの傾き角度をθとしたときに、前記傾き角度θが、(b−a)×sinθ+a=na/cosθを満たすθよりも大きな角度をなすことが望ましい。ここで、nは、大きい数を選択するほど、導電性板材が通過するコイル数の差が少なくなり、発熱分布が良くなる。しかし、同じ幅内に配置するコイル数が増えることにもなり、コイル製作工数が増加する。そこで、nは、導電性板材の幅と製作コイル数と発熱分布を考慮して適正数を選択することになる。
このように構成した本発明によれば、金属シート等の導電性板材の幅方向端部の温度低下を抑えて、導電性板材の幅方向の均温化を図ることができる。
本実施形態の誘導加熱装置の構成を模式的に示す縦断面図。 同実施形態の誘導加熱装置の構成を模式的に示す平面図。 同実施形態の平板状要素コイルの構成を模式的に示す横断面図及び縦断面図。 同実施形態の平板状要素コイルの配置を示す模式図。 6個の平板状要素コイルと三相電源との結線状態を示す図。 12個の平板状要素コイルと三相電源との結線状態を示す図。 6個の平板状要素コイルの配置例と導電性板材の各点の合計発熱量を示す模式図。 12個の平板状要素コイルの配置例と導電性板材の各点の合計発熱量を示す模式図。 6個の平板状要素コイルの配置例と導電性板材の各点の合計発熱量を示す模式図。 変形実施形態の誘導加熱装置の構成を示す模式図。 従来の誘導加熱装置の構成及び導電性板材の各点の合計発熱量を示す模式図。
以下に本発明に係る誘導加熱装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る誘導加熱装置100は、導電性板材Wを搬送しながら、周波数50Hz〜1000Hzの中周波で、連続的に誘導加熱するものである。導電性板材Wとしては、例えばアルミニウム等の金属又は炭素繊維からなる板状又はシート状をなすものである。なお、アルミニウムシート等は、従来の中周波誘導加熱装置において誘導加熱しにくいものである。
具体的にこの誘導加熱装置100は、図1に示すように、導電性板材Wが搬送される搬送通路2と、この搬送通路2の上側に配置された第1の平板状コイル群3と、搬送通路2の下側に配置された第2の平板状コイル群4とを備えている。
第1の平板状コイル群3及び第2の平板状コイル群4は、図1及び図2に示すように、搬送通路2を介して上下対称となる構成であり、中心部及び外周部に磁路が設けられた6つの平板状要素コイル10を有する。具体的には、第1の平板状コイル群3を構成する複数の平板状要素コイル10と、第2の平板状コイル群4を構成する複数の平板状要素コイル10とがそれぞれ対向して配置されている。なお、平板状要素コイル10は、後述するコイルユニットCUを構成している。
6つの平板状要素コイル10は、互いに同一構成及び同一形状をなすものである。各平板状要素コイル10は、図3に示すように、平面視において長手方向を有する形状である。具体的に各平板状要素コイル10は、長手方向に延びる長方形状部分101と、当該長方形状部分101の長手方向両端部に形成された半円形状部分102とからなるレーストラック状をなすものである。
各平板状要素コイル10の中心部に形成された長手方向に延びる空間内には、搬送通路2に直交する上下方向に沿ってコイル中心磁路を形成する内部鉄心11が設けられている。また、各平板状要素コイル10の外周部には、その周方向の全体に亘って、搬送通路2に直交する上下方向に沿ってコイル外周磁路を形成する外部鉄心12が設けられている。このように外部鉄心12を平板状要素コイル10の周方向全体に亘って設けているので、平板状要素コイル10による発生した磁束の磁路における磁気抵抗を小さくことができる。
これら平板状要素コイル10、内部鉄心11及び外部鉄心12は、図3に示すように、一面に開口を有する概略直方体形状をなす箱体14内に収容されている。この箱体14は、絶縁性を有する非磁性体材料から構成されている。なお、箱体14の発熱を避けるために、箱体14に、短絡電流防止用のスリットを形成しても良い。その他、箱体14の発熱を避けるために、箱体14を、珪素鋼鉄等の絶縁薄板磁性体を積層して構成しても良い。
また、箱体14の底面と、平板状要素コイル10、内部鉄心11及び外部鉄心12との間には、底部鉄心13が設けられている。この底部鉄心13は、内部鉄心11及び外部鉄心12を磁気的に接続するものであり、平板状要素コイル10による発生した磁束の磁路における磁気抵抗を小さくものである。
さらに、箱体14の開口部には、平板状要素コイル10及び各種鉄心11〜13を収容した状態で、箱体14の開口部を閉塞するための蓋体15が設けられている。なお、蓋体15は、箱体14と同様に絶縁性を有する非磁性体材料から構成されている。この蓋体15により、平板状要素コイル10と導電性板材Wとの間の短絡を防止している。また、この蓋体15は、前記平板状要素コイル10及び各種鉄心11〜13とともに、前記箱体14に締結ねじ機構16によって固定される。これにより、1つの平板状要素コイル10毎にコイルユニットCUが形成される。
さらに、図1に示すように、上下に対向する2つの平板状要素コイル10の外部鉄心12において、上側の外部鉄心12の下端部と、下側の外部鉄心12の上端部とは、互いに対向している。これにより、上下に対向する2つの平板状要素コイル10により発生した磁束が通る磁路の磁気抵抗を小さくし、力率を高くして加熱効率を改善している。
しかして本実施形態の誘導加熱装置100は、図2に示すように、複数の平板状要素コイル10が、搬送方向に直交する幅方向に配列されるとともに、複数の平板状要素コイル10の長手方向が搬送方向に対して傾斜して配置されている。
具体的には、各平板状コイル群3、4を構成する複数の平板状要素コイル10は、各平板状要素コイル10の長手方向中心部が幅方向に一列となるように配置されるとともに、各平板状要素コイル10の長手方向が搬送方向に対して互いに同じ傾斜角度となるように配置されている。なお、本実施形態では、各平板状要素コイル10は、直方体状の箱体14に収容されているため、互いに隣接する箱体14の長手側面が接触するように配置されている。
また、図4に示すように、平板状要素コイル10の長手方向に直交する幅寸法をa、平板状要素コイル10の長手方向寸法をbとし、導電性板材Wが搬送方向に沿って上下それぞれ(n+1)個又はn個(但し、nは2以上の整数とする。)を通過するための平板状要素コイル10の傾き角度をθとしたときに、当該傾き角度θが、(b−a)×sinθ+a=na/cosθを満たすθよりも大きな角度をなすように配置されている。なお、図4においては、箱体14を省略している。
具体的に図4には、2個又は3個の平板状要素コイル10を導電性板材Wが通過する場合と、2個又は1個の平板状要素コイル10を導電性板材Wが通過する場合との境界における平板状要素コイル10の傾斜角度をθとして示している。なお、nは2である。
図4において、平板状要素コイル10の半円中心間距離は、b−aであり、半円中心間距離の幅方向に沿った寸法は、(b−a)×sinθである。したがって、平板状要素コイル10の幅方向に沿った寸法は、(b−a)×sinθ+aとなる。
また、導電性板材Wの幅方向に沿った寸法は、互いに隣り合う平板状要素コイル10の半円中心間距離であるa/cosθの2倍であるから、(b−a)×sinθ+a=2a/cosθとなる。
したがって、n個又は(n+1)個の平板状要素コイル10を通過する場合と、n個又は(n−1)個の平板状要素コイル10を通過する場合との境界における傾斜角度θは、(b−a)×sinθ+a=na/cosθの関係式を満たす。ここで、nは2以上の整数であって、大きな数を選択するほど導電性板材Wが通過するコイル数の差が幅方向において小さくなり、発熱分布が良くなる。しかし、同じ導電性板材Wの幅内に設置するコイル数が増えることにもなり、コイル製作工数が増加する。したがって、nは、導電性板材Wの幅と製作コイル数及び発熱分布を考慮して適正数を決定することになる。
さらに本実施形態の誘導加熱装置100においては、上下方向において互いに対向する平板状要素コイル10の電圧位相差が零であり、第1の平板状コイル群3及び第2の平板状コイル群4それぞれにおいて互いに隣り合う平板状要素コイル10の電圧位相差が30度となるように、Eu相電源、Ev相電源、Ew相電源を有する三相交流電源が接続されている。
具体的には、各平板状コイル群3、4を構成する6個の平板状要素コイル10を、幅方向の左側から、平板状要素コイルa、平板状要素コイルb、平板状要素コイルc、平板状要素コイルd、平板状要素コイルe、平板状要素コイルfとすると、図5に示すように接続されている。ここで、図5は、平板状要素コイルa〜fと三相交流電源との結線状態を示す図である。なお、上記配列状態において、各平板状要素コイルa〜fの図示左側端部を一端と言い、右側端部を他端と言う。
平板状要素コイルaの他端と平板状要素コイルeの他端と平板状要素コイルcの他端とを共通に接続し、平板状要素コイルaの一端と平板状要素コイルbの他端とを接続してEu相電源に接続し、平板状要素コイルbの一端と平板状要素コイルcの一端と平板状要素コイルdの他端とを接続してEw相電源に接続し、平板状要素コイルdの一端と平板状要素コイルeの一端とを接続してEv相電源に接続し、平板状要素コイルfの一端を、Eu相電源に接続し、平板状要素コイルfの他端を、Ev相電源に接続する。
このように各平板状要素コイルa〜fを配線することにより、互いに隣接する平板状要素コイル10に印加される電圧の位相差を30度とすることができるので、互いに隣り合う2つのコイル間部分の磁束の消滅を低減することができ、導電性板材Wの発熱量の減少を抑えることができる。
なお、平板状要素コイルaの一端及び平板状要素コイルbの他端の接続点と、Eu相電源との間に、サイリスタや可飽和リアクトルなどの電流制御手段を設けても良い。また、平板状要素コイルbの一端、平板状要素コイルcの一端及び平板状要素コイルdの他端の接続点と、Ew相電源との間に電流制御手段を設けても良い。さらに、平板状要素コイルdの一端及び平板状要素コイルeの一端の接続点と、Ev相電源との間に電流制御手段を設けても良い。
また、三相交流電源の電源周波数としては、肉厚が数ミリから数十ミリある導電性板材Wに対して電流浸透度が深い商用周波数、もしくは高周波の中でも比較的低い周波数である61〜1000Hzの中周波とする。また、変圧器を用いる場合には、商用電源周波数の9倍又は15倍の周波数が好適である。
また、平板状要素コイル10の数は6個に限られるものではなく、6個の整数倍としてもよい。たとえば、12個の平板状要素コイル10を配列する場合には、図6に示すように、コイル10を6個ずつスター結線及びデルタ結線する回路構成、つまり図5に示す点線部分のすべてに平板状要素コイル10を挿入すればよい。この場合、図5に示す平板状要素コイルの配列を繰り返したものと等価となる。
次に、複数の平板状要素コイル10の具体的な配置例について説明する。
図7は、搬送方向に対する平板状要素コイル10の傾斜角度θを45度とした両端半円形状の平板状要素コイル10を6個配置した例である。なお、図7において、平板状要素コイル10をNo.1〜No.6により示す。また、図8は、搬送方向に対する平板状要素コイル10の傾斜角度θを45度とした両端半円形状の平板状要素コイル10を12個配置した例である。なお、図8において、平板状要素コイル10をNo.1〜No.12により示す。また、図7及び図8においては、箱体14を省略している。
図7は、平板状要素コイル10の傾斜角度θが45度、半円直径であるコイル幅寸法aが、隣り合うコイル間中心距離と同じで、1.5√2、コイル長さ寸法bが、5.5√2としている。このとき、導電性板材Wは、(1.5√2−2)/2≒0.06幅部だけNo.1のコイルとNo.3のコイルとを通過して、No.2のコイルと合わせた3個のコイルを通過することになる。他の部分は、No.1のコイルとNo.2のコイル、又は、No.2のコイルとNo.3のコイルを通過する。つまり、傾斜角度θが45度の場合は、常に3個のコイル又は2個のコイルを通過することになる。ここでのnは2である。
また、図7のようにコイルを配置した場合、搬送通路2の左側端を、No.2のコイルの搬送上流側における半円中心と左側端との中間点とし、搬送通路の右側端を、No.5のコイルの搬送下流側における半円中心と右側端との中間点とした場合、搬送通路2を通過した導電性板材Wの各部の合計発熱量は、左から、3、4、4、2、4、4、2、4、4、2、4、4、2、4、4、3となる。
図8は、平板状要素コイル10の傾斜角度θが45度、半円直径であるコイル幅寸法aが、隣り合うコイル間中心距離と同じで、1.5√2/2、コイル長さ寸法bが、5.75√2としている。このとき、導電性板材Wは、(1.5√2/2−2)/2≒0.03幅部だけNo.1のコイルとNo.5のコイルとを通過して、No.2のコイル、No.3のコイル及びNo.4のコイルを合わせた5個のコイルを通過することになる。他の部分は、4個のコイルを通過する。つまり、傾斜角度θが45度の場合は、常に5個のコイル又は4個のコイルを通過することになる。ここでのnは4である。
また、図8のようにコイルを配置した場合、搬送通路2の左側端を、No.3のコイルの搬送上流側における半円中心とし、搬送通路2の右側端を、No.10のコイルの搬送下流側における半円中心とした場合、搬送通路2を通過した導電性板材Wの各部の合計発熱量は、左から、6、6、8、6、8、8、6、8、8、6、8、8、6、8、8、6、6となる。
なお、図9に、傾斜角度θを53度とした両端半円形状の平板状要素コイル10を6個配置した例を示す。この場合、nは2である。このとき、搬送通路2の左側端を、No.2のコイルの搬送上流側における左側端よりも内側とし、搬送通路2の右側端を、No.5のコイルの搬送下流側における右側端よりも内側とした場合、搬送通路2を通過した導電性板材Wの各部の合計発熱量は、左から、3、4、4、3、4、4、4、3、4、4、3、4、4、4、3、4、4、3となる。
このように構成した本実施形態の誘導加熱装置100によれば、第1の平板状コイル群3及び第2の平板状コイル群4において、各平板状要素コイル10で発生した磁束は、当該平板状要素コイル10の中心磁路から外周磁路を通って循環することになり、第1の平板状コイル群3及び第2の平板状コイル群4の間にある導電性板材Wに誘導電流が誘起されて導電性板材Wが加熱される。ここで、各平板状要素コイル10の外周部に磁路を設けているので、各平板状要素コイル10で発生した磁束の磁路における磁気抵抗を小さくすることができる。
また、複数の平板状要素コイル10が、搬送方向に直交する幅方向に配列されるとともに、複数の平板状要素コイル10の長手方向が搬送方向に対して傾斜して配置されているので、幅方向において発熱量が零となる部分が無くなり、導電性板材Wを幅方向全体に亘って均一に加熱することができる。
なお、本発明は前記各実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、各平板状コイル群3、4が6個の平板状要素コイルを幅方向に沿って一列に並べて構成しているが、図10に示すように、搬送方向に沿って2段配置したものであっても良い。この場合、1段目の平板状要素コイル列と2段目の平板状要素コイル列とを幅方向にずらして配置することが望ましい。1段目と2段目とのずれ量を調整して、導電性板材Wの幅方向における温度分布をより一層均一化することができる。また、搬送方向に沿って平板状要素コイル列を3段以上設けても良い。
また、前記実施形態の平板状要素コイルは、レーストラック状をなすものであったが、その他、長手方向に延びる長方形状部分と、当該長方形状部分の長手方向両端部に形成された多角形状部分とからなるものであっても良い。
さらに、平板状要素コイルの傾斜角度は、前記実施形態に示した角度に限られず、導電性板材の各部が搬送通路を通過する過程で、2つ以上の平板状要素コイルを通過するように傾いていれば良い。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・誘導加熱装置
W ・・・導電性板材
2 ・・・搬送通路
3 ・・・第1の平板状コイル群
4 ・・・第2の平板状コイル群
10 ・・・平板状要素コイル
11 ・・・内部鉄心
12 ・・・外部鉄心

Claims (4)

  1. 導電性板材を周波数50Hz〜1000Hzの中周波で誘導加熱するものであって、
    前記導電性板材が搬送される搬送通路と、
    前記搬送通路の上側に配置された第1の平板状コイル群と、
    前記搬送通路の下側に配置された第2の平板状コイル群とを備え、
    前記第1の平板状コイル群及び前記第2の平板状コイル群が、中心部及び外周部に前記搬送通路に直交する上下方向に沿って磁路が設けられ、平面視において長手方向を有する形状である複数の平板状要素コイルを有し、
    前記複数の平板状要素コイルが、前記搬送方向に直交する幅方向に配列されるとともに、前記複数の平板状要素コイルの長手方向が前記搬送方向に対して傾斜して配置されている誘導加熱装置。
  2. 前記第1の平板状コイル群を構成する複数の平板状要素コイルと前記第2の平板状コイル群を構成する複数の平板状要素コイルとが対向して配置されるとともに、上下方向において互いに対向する平板状要素コイルの電圧位相差が零である請求項1記載の誘導加熱装置。
  3. 前記第1の平板状コイル群及び前記第2の平板状コイル群を構成する複数の平板状要素コイルがそれぞれ6N個(但し、Nは1以上の整数である。)であり、
    前記第1の平板状コイル群を構成する平板状要素コイルと前記第2の平板状コイル群を構成する平板状要素コイルとが対向して配置されるとともに、上下方向において互いに対向する平板状要素コイルの電圧位相差が零であり、
    前記第1の平板状コイル群及び前記第2の平板状コイル群それぞれにおいて互いに隣り合う平板状要素コイルの電圧位相差が30度となるように三相電源を接続している請求項1又は2記載の誘導加熱装置。
  4. 前記平板状要素コイルの長手方向に直交する幅寸法をa、前記平板状要素コイルの長手方向寸法をbとし、前記導電性板材が搬送方向に沿って上下それぞれ(n+1)個又はn個(但し、nは2以上の整数とする。)を通過するための前記平板状要素コイルの傾き角度をθとしたときに、
    前記傾き角度θが、(b−a)×sinθ+a=na/cosθを満たすθよりも大きな角度をなす請求項1乃至3の何れかに記載の誘導加熱装置。
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