JP6070822B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
現在、携帯電話などの携帯機器向けに利用される、リチウムイオン二次電池をはじめとする非水電解質二次電池が商品化されている。非水電解質二次電池は、一般的に、正極活物質などを集電体に塗布した正極と、負極活物質などを集電体に塗布した負極とが、セパレータに非水電解液または非水電解質ゲルを保持した電解質層を介して接続された構成を有している。そして、リチウムイオンなどのイオンが電極活物質中に吸蔵・放出されることにより、電池の充放電反応が起こる。
ところで、近年、地球温暖化に対処するために二酸化炭素量を低減することが求められている。そこで、環境負荷の少ない非水電解質二次電池は、携帯機器などだけでなく、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)、および燃料電池自動車などの電動車両の電源装置にも利用されつつある。
電動車両への適用を指向した非水電解質二次電池は、高出力および高容量であることが求められる。電動車両用の非水電解質二次電池の正極に使用する正極活物質としては、層状複合酸化物であるリチウムコバルト系複合酸化物が、4V級の高電圧を得ることができ、かつ高いエネルギー密度を有することから、既に広く実用化されている。しかし、その原料であるコバルトは、資源的にも乏しく高価であるため、今後も大幅に需要が拡大してゆく可能性を考えると、原料供給の面で不安がある。また、コバルトの原料価格が高騰する可能性もある。そこで、コバルトの含有比率の少ない複合酸化物が望まれている。
リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)はスピネル構造を有し、λ−MnOとの組成間で4V級の正極材料として機能する。スピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物はLiCoOなどが有するような層状構造とは異なる3次元のホスト構造を有することから、理論容量のほとんどが使用可能であり、サイクル特性に優れることが期待されている。
しかしながら、実際にはリチウムマンガン複合酸化物を正極材料として用いたリチウムイオン二次電池は、充放電を繰り返すことによって徐々に容量が低下していく容量劣化が避けられず、その実用化には大きな問題が残されていた。
このようなリチウムマンガン複合酸化物の容量劣化の課題を解決する技術として、例えば特開2000−77071号公報には、正極材料として、リチウムマンガン複合酸化物に加えて、所定の比表面積を有するリチウムニッケル系複合酸化物(LiNiO、LiNiO、LiNi、LiNi、LiNi1−xMxOなど)をさらに用いる技術が開示されている。特開2000−77071号公報によれば、かような構成とすることで、リチウムマンガン複合酸化物からのMn溶出や電解液中のLi濃度変化が抑制される結果、充放電サイクル特性(特に高温における充放電寿命)が大きく改善された非水電解液二次電池を提供することができるとされている。
しかしながら、特開2000−77071号公報に関する技術は、電動車両用大型電池の要求性能を考慮したものではなかった。そして、本発明者らの検討によれば、従来民生用途において提案されている技術を電動車両用大型電池にそのまま適用しても、十分な電池性能が発揮されるわけではないことを見出した。より詳細には、電動車両用大型電池では高出力で、大容量の二次電池が必要とされているが、特開2000−77071号公報に開示された二次電池は、高出力条件下では放電深度の進行に伴う抵抗変化が大きく、放電末期では取り出せる電気量が減少してしまうことを見出した。
そこで本発明は、電動車両の駆動用などの用途に用いられうる大型の非水電解質二次電池のうち、特に高出力での使用が想定される(内部抵抗が10mΩ/Ah(SOC50%)以下と小さい)電池において、放電深度に伴う抵抗変化を抑制し、放電レート特性を向上させうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を積み重ねた。その結果、スピネル系マンガン正極活物質とリチウムニッケル系複合酸化物とを含む正極活物質において、前記リチウムニッケル系複合酸化物の混合比率を特定の範囲とすることにより、上記課題が解決されることを見出した。
非水電解質二次電池の一実施形態である、扁平型(積層型)の双極型でない非水電解質リチウムイオン二次電池の基本構成を示す断面概略図である。 非水電解質二次電池の代表的な実施形態である扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。 実施例1〜5および比較例1〜2で作製したフルセルの充電深度SOC50%からSOC20%における電池内部抵抗変化率(DCR20/DCR50)および0.2Cアンペアと2Cアンペアで得られた放電容量から求めた放電レート特性(2C/0.2C)を示すグラフである。 実施例6〜7および比較例3で作製したフルセルの充電深度SOC50%からSOC20%における電池内部抵抗変化率(DCR20/DCR50)および0.2Cアンペアと2Cアンペアで得られた放電容量から求めた放電レート特性(2C/0.2C)を示すグラフである。 実施例8〜9および比較例4で作製したフルセルの充電深度SOC50%からSOC20%における電池内部抵抗変化率(DCR20/DCR50)および0.2Cアンペアと2Cアンペアで得られた放電容量から求めた放電レート特性(2C/0.2C)を示すグラフである。 実施例10〜11および比較例5で作製したフルセルの充電深度SOC50%からSOC20%における電池内部抵抗変化率(DCR20/DCR50)および0.2Cアンペアと2Cアンペアで得られた放電容量から求めた放電レート特性(2C/0.2C)を示すグラフである。 実施例12〜13および比較例6で作製したフルセルの充電深度SOC50%からSOC20%における電池内部抵抗変化率(DCR20/DCR50)および0.2Cアンペアと2Cアンペアで得られた放電容量から求めた放電レート特性(2C/0.2C)を示すグラフである。 実施例1および14〜17で作製したフルセルの充電深度SOC50%からSOC20%における電池内部抵抗変化率(DCR20/DCR50)および0.2Cアンペアと2Cアンペアで得られた放電容量から求めた放電レート特性(2C/0.2C)を示すグラフである。 実施例1および18〜21で作製したフルセルの充電深度SOC50%からSOC20%における電池内部抵抗変化率(DCR20/DCR50)および0.2Cアンペアと2Cアンペアで得られた放電容量から求めた放電レート特性(2C/0.2C)を示すグラフである。
本発明の一形態によれば、正極集電体の表面に正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極と、負極集電体の表面に負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極と、セパレータと、を含む発電要素を有し、前記正極活物質が、スピネル系マンガン正極活物質と、リチウムニッケル系複合酸化物とを含み、かつ前記正極活物質100重量%に対する前記リチウムニッケル系複合酸化物の混合比率が30重量%以上であり、内部抵抗が10mΩ/Ah以下(SOC50%)である、非水電解質二次電池が提供される。本発明の構成によれば、放電末期にもリチウムニッケル系複合酸化物が十分に放電に寄与することから、放電深度に伴う抵抗変化を抑制でき、放電末期においても取り出せる電気量を向上できる。その結果、大型の非水電解質二次電池のうち、特に内部抵抗が10mΩ/Ah(SOC50%)以下と小さいものにおいて、放電レート特性に優れる非水電解質二次電池が提供されうる。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[非水電解質二次電池]
図1は、本発明の電池の一実施形態である積層型電池の概要を模式的に表した断面概略図である。なお、本明細書においては、図1に示す扁平型(積層型)の双極型でないリチウムイオン二次電池を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。
まず、本発明の非水電解質二次電池の全体構造について、図面を用いて説明する。
[電池の全体構造]
図1は、扁平型(積層型)の双極型ではない非水電解質リチウムイオン二次電池(以下、単に「積層型電池」ともいう)の基本構成を模式的に表した断面概略図である。図1に示すように、本実施形態の積層型電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、外装体である電池外装材29の内部に封止された構造を有する。ここで、発電要素21は、正極と、セパレータ17と、負極とを積層した構成を有している。なお、セパレータ17は、非水電解質(例えば、液体電解質)を内蔵している。正極は、正極集電体12の両面に正極活物質層15が配置された構造を有する。負極は、負極集電体11の両面に負極活物質層13が配置された構造を有する。具体的には、1つの正極活物質層15とこれに隣接する負極活物質層13とが、セパレータ17を介して対向するようにして、負極、電解質層および正極がこの順に積層されている。これにより、隣接する正極、電解質層および負極は、1つの単電池層19を構成する。したがって、図1に示す積層型電池10は、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するとも言える。
なお、発電要素21の両最外層に位置する最外層正極集電体には、いずれも片面のみに負極活物質層13が配置されているが、両面に活物質層が設けられてもよい。すなわち、片面にのみ活物質層を設けた最外層専用の集電体とするのではなく、両面に活物質層がある集電体をそのまま最外層の集電体として用いてもよい。また、図1とは正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層正極集電体が位置するようにし、該最外層正極集電体の片面正極活物質層が配置されているようにしてもよい。
正極集電体12および負極集電体11は、各電極(正極および負極)と導通される正極集電板(タブ)27および負極集電板(タブ)25がそれぞれ取り付けられ、電池外装材29の端部に挟まれるようにして電池外装材29の外部に導出される構造を有している。正極集電板27および負極集電板25はそれぞれ、必要に応じて正極リードおよび負極リード(図示せず)を介して、各電極の正極集電体12および負極集電体11に超音波溶接や抵抗溶接などにより取り付けられていてもよい。
なお、図1では、扁平型(積層型)の双極型ではない積層型電池を示したが、集電体の一方の面に電気的に結合した正極活物質層と、集電体の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層と、を有する双極型電極を含む双極型電池であってもよい。この場合、一の集電体が正極集電体および負極集電体を兼ねることとなる。
以下、本発明の一実施形態である非水電解質リチウムイオン二次電池を構成する各部材について説明する。
[正極]
本発明に係る正極は、正極集電体の表面に正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる構成を有する。
前記正極集電体は、導電性材料から構成される。前記導電性材料は、導電性を有するものであれば特に制限されず、たとえば、金属や導電性高分子など従来公知のものを適宜利用することができる。具体的には、Fe、Cr、Ni、Mn、Ti、Mo、V、Nb、Al、Cu、Ag、Au、Ptおよびカーボンからなる群より選択されてなる少なくとも1種以上、たとえば、2種以上の合金からなるステンレスなどその集電体材料が好ましく用いられうる。また本実施形態では、NiとAlのクラッド材、CuとAlのクラッド材、あるいはこれらの集電体材料の組み合わせのめっき材なども好ましく使える。また、上記集電体材料である金属(Alを除く)表面に、他の集電体材料であるAlを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、2つ以上の上記集電体材料である金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。
前記正極集電体の厚さは、特に限定されないが、通常は1〜100μm、好ましくは1〜50μm程度である。
本発明は、大電流の場合において、電池放電レート特性の急激な低下を抑える観点から、正極の片面の目付量を、30mg/cm以下にすることが好ましく、25mg/cm以下にすることがより好ましい。なお、電池放電レート特性の観点からは電極の目付量の下限を特に規定しないが、電極作成工程または電池エネルギー密度の観点からは、10mg/cm以上にすることがより好ましい。また、電極の両面の目付量は、同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることがより好ましい。
また、本発明は、大電流の場合において、電池放電レート特性の急激な低下を抑える観点から、正極の充填密度を、2.5〜3.5g/cmにすることが好ましく、2.7〜3.3g/cmにすることがより好ましい。
さらに、本発明に係る正極において、上記目付量の好適範囲および充填密度の好適範囲の少なくとも一方を満たすことが好ましく、上記目付量の好適範囲および充填密度の好適範囲の双方を満たすことがより好ましい。
(正極活物質)
本発明において、正極活物質は、スピネル系マンガン正極活物質とリチウムニッケル系複合酸化物とを含む。
スピネル系マンガン正極活物質は、特に制限されず、従来のスピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物が用いられる。
次いで、リチウムニッケル系複合酸化物について説明する。
本発明に係るリチウムニッケル系複合酸化物は、リチウムとニッケルとを含有する複合酸化物からなるものである限り、その組成は具体的に限定されない。リチウムとニッケルとを含有する複合酸化物の典型的な例としては、リチウムニッケル系複合酸化物(LiNiO)が挙げられる。ただし、リチウムニッケル系複合酸化物のニッケル原子の一部が他の金属原子で置換された複合酸化物がより好ましく、好ましい例として、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)、またはリチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物などが挙げられる。ここで、NMC複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属(Mn、NiおよびCoが秩序正しく配置)原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を持ち、遷移金属Mの1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。加えて、LiNiOより高い熱安定性を有しているため、正極活物質として用いられるニッケル系複合酸化物の中でも特に有利である。
本発明において、NMC複合酸化物は、遷移元素の一部が他の金属元素により置換されている複合酸化物も含む。その場合の他の元素としては、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Cr、Fe、B、Ga、In、Si、Mo、Y、Sn、V、Cu、Ag、Znなどが挙げられ、好ましくは、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Crであり、より好ましくは、Ti、Zr、P、Al、Mg、Crであり、サイクル特性向上の観点から、さらに好ましくは、Ti、Zr、Al、Mg、Crである。
前記リチウムニッケル系複合酸化物は、理論放電容量が高いことから、好ましくは、一般式(1):LiNiCo(但し、式中、a、b、c、dは、0.9≦a≦1.2、0<b<1、0<c≦0.5、0<d≦0.5、b+c+d=1を満たす。Mは、Mn、Al、Ti、Zr、Nb、W、P、Mg、V、Ca、Sr、Crから選ばれる元素で少なくとも1種類である)で表される。ここで、aは、Liの原子比を表し、bは、Niの原子比を表し、cは、Mの原子比を表し、dは、Coの原子比を表す。サイクル特性の観点からは、一般式(1)において、0.4≦b≦0.6であることが好ましい。なお、各元素の組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定できる。
一般に、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)及びマンガン(Mn)は、材料の純度向上及び電子伝導性向上という観点から、容量及び出力特性に寄与することが知られている。Tiなどは、結晶格子中の遷移金属を一部置換するものである。サイクル特性の観点からは、遷移元素の一部が他の金属元素により置換されていることが好ましく、特に一般式(1)において0<c≦0.5であることが好ましい。Mn、Al、Ti、Zr、Nb、W、P、Mg、V、Ca、SrおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種が固溶することにより結晶構造が安定化されるため、その結果、充放電を繰り返しても電池の容量低下が防止でき、優れたサイクル特性が実現し得ると考えられる。
また、前記リチウムニッケル系複合酸化物において、本願発明者らは、例えば、LiNi0.5Mn0.3Co0.2のように、ニッケル、マンガンおよびコバルトの金属組成が不均一であると、上記充放電時の複合酸化物のひずみ/割れの影響が大きくなることを見出した。これは、金属組成が不均一であるために、膨張収縮時に粒子内部にかかる応力にひずみが生じ、複合酸化物に割れがより生じやすくなるためであると考えられる。したがって、例えば、Niの存在比がリッチである複合酸化物(例えば、LiNi0.8Mn0.1Co0.1)や、Ni、MnおよびCoの存在比率が均一である複合酸化物(例えば、LiNi0.3Mn0.3Co0.3)と比較して、長期サイクル特性の低下が顕著となる。本発明においては、LiNi0.5Mn0.3Co0.2のように金属組成が不均一である複合酸化物においても、驚くべきことに、特定の真密度にある複合酸化物を用いると、サイクル特性の低下が抑制されることを見出したものである。
したがって、一般式(1)において、b、cおよびdが、0.44≦b≦0.51、0.27≦c≦0.31、0.19≦d≦0.26である複合酸化物の正極活物質であると、本願発明の効果が顕著に得られることから好ましい。
本発明に係るリチウムニッケル系複合酸化物は、共沈法、スプレードライ法、など、種々公知の方法を選択して調製することができる。本発明の複合酸化物の調製が容易であることから、共沈法を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開2011−105588号に記載の方法のように、共沈法によりニッケル−マンガン−コバルト複合水酸化物を製造した後、ニッケル−マンガン−コバルト複合水酸化物と、リチウム化合物とを混合して焼成することにより得ることができる。
以下、具体的に説明する。
本発明のリチウムニッケル系複合酸化物の原料化合物、例えば、Ni化合物、Co化合物、およびMn化合物またはAl化合物などを、所望の活物質材料の組成となるように水などの適用な溶媒に溶解させる。Ni化合物、Co化合物、Mn化合物、およびAl化合物としては、例えば、当該金属元素の硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物などが挙げられる。具体的には、Ni化合物、Mn化合物およびCo化合物としては、例えば、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガン、硫酸アルミニウム、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸マンガン、酢酸アルミニウムなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。この過程で、必要に応じて、さらに所望の活物質材料の組成になるように、活物質材料を構成する層状のリチウム金属複合酸化物の一部を置換する金属元素として、例えば、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、SrおよびCrなどの少なくとも1種の金属元素を含む化合物を更に混入させてもよい。
上記原料化合物とアルカリ溶液とを用いた中和、沈殿反応により共沈反応を行うことができる。これにより、上記原料化合物に含まれる金属を含有する金属複合水酸化物、金属複合炭酸塩が得られる。アルカリ溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアなどの水溶液を用いることができるが、中和反応用に水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム又はそれらの混合溶液を用いることが好ましい。加えて、錯体反応用にアンモニア水溶液やアンモニウム塩を用いることが好ましい。
中和反応に用いるアルカリ溶液の添加量は、含有する全金属塩の中和分に対して当量比1.0でよいが、pH調整のためにアルカリ過剰分を合わせて添加することが好ましい。
錯体反応に用いるアンモニア水溶液やアンモニウム塩の添加量は、反応液中のアンモニア濃度が0.01〜2.00mol/lの範囲で添加することが好ましい。反応溶液のpHは10.0〜13.0の範囲に制御することが好適である。また、反応温度は30℃以上が好ましく、より好ましくは30〜60℃である。
共沈反応で得られた複合水酸化物は、その後、吸引ろ過し、水洗して、乾燥することが好ましい。
次いで、ニッケル−マンガン−コバルト複合水酸化物、またはニッケル−コバルト−アルミニウム複合水酸化物などをリチウム化合物と混合して焼成することによりリチウム−ニッケル−マンガン−コバルト複合水酸化物、またはリチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合水酸化物を得ることができる。Li化合物としては、例えば、水酸化リチウムまたはその水和物、過酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウムなどがある。
焼成処理は、2段階(仮焼成および本焼成)で行うことが好ましい。2段階の焼成により、効率よく複合酸化物を得ることができる。仮焼成条件としては、特に限定されるものではないが、昇温速度は室温から1〜20℃/分であることが好ましい。また、雰囲気は、空気中ないし酸素雰囲気下であることが好ましい。また、焼成温度は、700〜1000℃であることが好ましく、650〜750℃であることがより好ましい。さらに、焼成時間は3〜20時間であることが好ましく、4〜6時間であることがより好ましい。本焼成の条件としては、特に限定されるものではないが、昇温速度は室温から1〜20℃/分であることが好ましい。また、雰囲気は、空気中ないし酸素雰囲気下であることが好ましい。また、焼成温度は、700〜1000℃であることが好ましく、850〜1100℃であることがより好ましい。さらに、焼成時間は3〜20時間であることが好ましく、8〜12時間であることがより好ましい。
必要に応じて、活物質材料を構成する層状のリチウム金属複合酸化物の一部を置換する金属元素を微量添加する場合、該方法としては、あらかじめニッケル、コバルト、マンガン酸塩またはアルミニウム酸塩と混合する方法、ニッケル、コバルト、マンガン酸塩またはアルミニウム酸塩と同時に添加する方法、反応途中で反応溶液に添加する方法、Li化合物とともに、ニッケル−コバルト−マンガン複合水酸化物またはニッケル−コバルト−アルミニウム複合水酸化物に添加する方法などいずれの手段を用いても構わない。
本発明の複合酸化物は、反応溶液のpH、反応温度、反応濃度、添加速度、撹拌出力、撹拌速度などの反応条件を適宜調整することにより製造することができる。
本発明者らは、上述した特開2000−77071号公報(WO0013250A1に相当する)に記載のような民生用途の二次電池では十分な放電レート特性が達成できないことについて鋭意検討した結果、以下のようにその原因を特定した。すなわち、スピネル系マンガン正極活物質とリチウムニッケル系複合酸化物とを含む正極を有するリチウムイオン二次電池では、前記二種類の正極活物質におけるリチウムイオンの脱挿入反応が進む反応電位プロファイルが異なる。具体的には、放電初期では、スピネル系マンガン正極活物質の反応比率が大きくなるが、反応末期では、リチウムニッケル系複合酸化物の反応比率が大きくなる。特に、SOC20%以下の領域においては、ほぼリチウムニッケル系複合酸化物のみが反応している状態となる。このため、リチウムニッケル系複合酸化物の混合比率が小さい二次電池では、リチウムニッケル系複合酸化物に流れる電流が非常に大きくなり、見かけ上の内部抵抗が著しく増加し、放電作動電圧が急激に低下してしまう。その結果、取り出せる電気量が減少してしまい、放電レート特性が悪くなることが見出されたのである。
その上で、本発明者らは、高出力条件での使用が想定される、内部抵抗が10mΩ/Ah以下(SOC50%)の非水電解質二次電池において、上記課題を解決すべく検討を進めた。ここで、電池の内部抵抗は、その出入力性能を示す指標の一つである。特に、自動車などに使用される大型二次電池の内部抵抗は、設計可能な範囲で値が小さければ小さいほどが好ましい。この点で、本発明者らは、高出力条件での使用が想定される電池として、本発明が対象とする非水電解質二次電池を、内部抵抗が10mΩ/Ah(SOC50%)以下のものに特定して、検討を進めたのである。
その結果、正極活物質100重量%に対する前記リチウムニッケル系複合酸化物の混合比率を30重量%以上にすることによって、優れる放電レート特性が得られることを見出し本発明を完成させたものである。なお、本発明に係る正極活物質がスピネル系マンガン正極活物質とリチウムニッケル系複合酸化物の2種類の活物質のみから構成されてもよく、本発明の効果を損なわない限り他の正極活物質を含んでもよい。スピネル系マンガン正極活物質とリチウムニッケル系複合酸化物の2種類の活物質のみから構成されている場合では、前記正極活物質100重量%に対する前記リチウムニッケル系複合酸化物の混合比率を30重量%にするということは、リチウムニッケル系複合酸化物とスピネル系マンガン正極活物質との重量比を30:70にすることと同義である。
また、前記正極活物質100重量%に対する前記リチウムニッケル系複合酸化物の混合比率は、30〜90重量%が好ましく、より好ましくは50〜80重量%である。上述したように、前記リチウムニッケル系複合酸化物の混合比率が30重量%未満であると、特に、内部抵抗が10mΩ/Ah以下(SOC50%)の二次電池において、放電末期にリチウムニッケル系複合酸化物の反応比率が大きくなり、放電レート特性が悪化してしまう。
また、本発明の正極活物質層において、前記リチウムニッケル系複合酸化物を含むコア部と、前記リチウムニッケル系複合酸化物と異なるリチウム金属系複合酸化物を含むシェル部とを有する正極材料を含んでもよい。かようなコア−シェル構造によって、非水電解質二次電池のサイクル特性がより向上する。本発明者らの研究において、サイクル耐久試験後のリチウムニッケル系複合酸化物の粒子を分析したところ、粒子表層部のみNi価数の低下が確認された。このことから、本発明者らは、粒子表層部においてはNiが不活性化して実質的に充放電に寄与できなくなっている可能性があるとの仮説を設定した。そのうえで、この劣化し易い局所部にNi濃度の低いNMC複合酸化物やNi以外の材料を配置することがサイクル特性の一層の向上に繋がると考え、これを実証したのである。このようなコア−シェル型正極活物質は、特開2007−213866号に記載の方法により製造することができる。
本発明の正極活物質は、1次粒子が凝集して2次粒子を形成している。2次粒子中には各1次粒子同士の間の空隙が存在する。本発明においては、サイクル特性および体積エネルギー密度の観点から、2次粒子における空隙率が2〜10%未満であることが好ましい。ここで、空隙率は、2次粒子の断面における1次粒子の存在部分と空隙部分の面積の合計に対する空隙部分の面積比を指す。
正極活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは2次粒子径で6〜11μm、より好ましくは7〜10μmである。また、1次粒子の平均粒子径は、0.4〜0.65μm、より好ましくは0.45〜0.55μmである。なお、本明細書における「粒子径」とは、粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。また、「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
また、本発明の正極活物質は、比表面積が0.30〜1.0m/gであることが好ましい。活物質の比表面積がかような範囲にあることで、活物質の反応面積が確保され、電池の内部抵抗が小さくなるため、電極反応時の分極発生を最小限に抑えることができる。分極の発生により、電解液の分解や、電極材料の表面が酸化分解など、副反応が生じるため、分極の発生を最小限に抑えることが好ましい。より好ましくは、比表面積が0.30〜0.7m/gである。
本発明のリチウムニッケル系複合酸化物は、(1)真密度が4.40〜4.80g/cmである、または(2)比表面積が0.30〜1.0m/gである、の少なくとも一方を満たすことが好ましく、(1)および(2)の双方を満たすことがより好ましい。
本発明において、正極活物質層中、正極活物質の含有量は、85〜99.5重量%であることが好ましい。
本発明に係る正極活物質層は、上述した活物質の他、必要に応じて、導電助剤、バインダー、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩などのその他の添加剤をさらに含む。
(バインダー)
正極活物質層に用いられるバインダーとしては、特に限定されないが、例えば、以下の材料が挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびその塩、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)などのフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)などのビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのバインダーは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
正極活物質層中に含まれるバインダー量は、活物質を結着することができる量であれば特に限定されるものではないが、好ましくは活物質層に対して、0.5〜15重量%であり、より好ましくは1〜10重量%である。
導電助剤とは、正極活物質層または負極活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
電解質塩(リチウム塩)としては、Li(CSON、Li(CFSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSOなどが挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。
正極活物質層および後述の負極活物質層中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。各活物質層の厚さについても特に制限はなく、電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、各活物質層の厚さは、2〜100μm程度である。
[負極]
本発明に係る負極は、負極集電体の表面に負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる構成を有する。負極集電体は、導電性材料から構成される。負極集電体を構成する導電性材料の種類やその厚さについては、正極集電体について上述したのと同様の形態が採用されうるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(負極活物質層)
負極活物質層は活物質を含み、必要に応じて、導電助剤、バインダー、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩などのその他の添加剤をさらに含む。導電助剤、バインダー、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩などのその他の添加剤については、上記正極活物質層の欄で述べたものと同様である。
負極活物質層においては、少なくとも水系バインダーを含むことが好ましい。水系バインダーは、結着力が高い。また、原料としての水の調達が容易であることに加え、乾燥時に発生するのは水蒸気であるため、製造ラインへの設備投資が大幅に抑制でき、環境負荷の低減を図ることができるという利点がある。
水系バインダーとは水を溶媒もしくは分散媒体とするバインダーをいい、具体的には熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマー、水溶性高分子など、またはこれらの混合物が該当する。ここで、水を分散媒体とするバインダーとは、ラテックスまたはエマルジョンと表現される全てを含み、水と乳化または水に懸濁したポリマーを指し、例えば自己乳化するような系で乳化重合したポリマーラテックス類が挙げられる。
水系バインダーとしては、具体的にはスチレン系高分子(スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル共重合体など)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル-ブタジエンゴム、(メタ)アクリル系高分子(ポリエチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリメチルメタクリレート(メタクリル酸メチルゴム)、ポリプロピルメタクリレート、ポリイソプロピルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリエチルヘキシルアクリレート、ポリエチルヘキシルメタクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリラウリルメタクリレートなど)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブタジエン、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリビニルピリジン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂;ポリビニルアルコール(平均重合度は、好適には200〜4000、より好適には、1000〜3000、ケン化度は好適には80モル%以上、より好適には90モル%以上)およびその変性体(エチレン/酢酸ビニル=2/98〜30/70モル比の共重合体の酢酸ビニル単位のうちの1〜80モル%ケン化物、ポリビニルアルコールの1〜50モル%部分アセタール化物など)、デンプンおよびその変性体(酸化デンプン、リン酸エステル化デンプン、カチオン化デンプンなど)、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびこれらの塩など)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸(塩)、ポリエチレングリコール、(メタ)アクリルアミドおよび/または(メタ)アクリル酸塩の共重合体[(メタ)アクリルアミド重合体、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸塩共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜4)エステル−(メタ)アクリル酸塩共重合体など]、スチレン−マレイン酸塩共重合体、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性体、ホルマリン縮合型樹脂(尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂など)、ポリアミドポリアミンもしくはジアルキルアミン−エピクロルヒドリン共重合体、ポリエチレンイミン、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白、並びにマンナンガラクタン誘導体などの水溶性高分子などが挙げられる。これらの水系バインダーは1種単独で用いてもよいし、2種以上併用して用いてもよい。
上記水系バインダーは、結着性の観点から、スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、およびメタクリル酸メチルゴムからなる群から選択される少なくとも1つのゴム系バインダーを含むことが好ましい。さらに、結着性が良好であることから、水系バインダーはスチレン−ブタジエンゴムを含むことが好ましい。
水系バインダーとしてスチレン−ブタジエンゴムを用いる場合、塗工性向上の観点から、上記水溶性高分子を併用することが好ましい。スチレン−ブタジエンゴムと併用することが好適な水溶性高分子としては、ポリビニルアルコールおよびその変性体、デンプンおよびその変性体、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびこれらの塩など)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸(塩)、またはポリエチレングリコールが挙げられる。中でも、バインダーとして、スチレン−ブタジエンゴムと、カルボキシメチルセルロース(塩)とを組み合わせることが好ましい。スチレン−ブタジエンゴムと、水溶性高分子との含有重量比は、特に制限されるものではないが、スチレン−ブタジエンゴム:水溶性高分子=1:0.1〜10であることが好ましく、0.5〜2であることがより好ましい。
負極活物質層に用いられるバインダーのうち、水系バインダーの含有量は80〜100重量%であることが好ましく、90〜100重量%であることが好ましく、100重量%であることが好ましい。
負極活物質としては、例えば、グラファイト(黒鉛)、ソフトカーボン、ハードカーボンなどの炭素材料、リチウム−遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12)、金属材料、リチウム合金系負極材料などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、炭素材料またはリチウム−遷移金属複合酸化物が、負極活物質として用いられる。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
負極活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜20μmである。
[セパレータ(電解質層)]
セパレータは、電解質を保持して正極と負極との間のリチウムイオン伝導性を確保する機能、および正極と負極との間の隔壁としての機能を有する。
セパレータの形態としては、例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータや不織布セパレータなどを挙げることができる。
ポリマーないし繊維からなる多孔性シートのセパレータとしては、例えば、微多孔質(微多孔膜)を用いることができる。該ポリマーないし繊維からなる多孔性シートの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン;これらを複数積層した積層体(例えば、PP/PE/PPの3層構造をした積層体など)、ポリイミド、アラミド、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)などの炭化水素系樹脂、ガラス繊維などからなる微多孔質(微多孔膜)セパレータが挙げられる。
微多孔質(微多孔膜)セパレータの厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできない。1例を示せば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、単層あるいは多層で4〜60μmであることが望ましい。前記微多孔質(微多孔膜)セパレータの微細孔径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが望ましい。
不織布セパレータとしては、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル;PP、PEなどのポリオレフィン;ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを、単独または混合して用いる。また、不織布のかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により十分な電池特性が得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。さらに、不織布セパレータの厚さは、電解質層と同じであればよく、好ましくは5〜200μmであり、特に好ましくは10〜100μmである。
また、上述したように、セパレータは、電解質を含む。電解質としては、かような機能を発揮できるものであれば特に制限されないが、液体電解質またはゲルポリマー電解質が用いられる。ゲルポリマー電解質を用いることにより、電極間距離の安定化が図られ、分極の発生が抑制され、耐久性(サイクル特性)が向上する。
液体電解質は、リチウムイオンのキャリヤーとしての機能を有する。電解液層を構成する液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。用いられる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネートなどのカーボネート類が例示される。また、リチウム塩としては、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CFSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiCFSOなどの電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。液体電解質は、上述した成分以外の添加剤をさらに含んでもよい。かような化合物の具体例としては、例えば、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、ジフェニルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート、1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1−メチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−2−ビニルエチレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、ビニルオキシメチルエチレンカーボネート、アリルオキシメチルエチレンカーボネート、アクリルオキシメチルエチレンカーボネート、メタクリルオキシメチルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、プロパルギルエチレンカーボネート、エチニルオキシメチルエチレンカーボネート、プロパルギルオキシエチレンカーボネート、メチレンエチレンカーボネート、1,1−ジメチル−2−メチレンエチレンカーボネートなどが挙げられる。なかでも、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートが好ましく、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートがより好ましい。これらの環式炭酸エステルは、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
ゲルポリマー電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマー(ホストポリマー)に、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。電解質としてゲルポリマー電解質を用いることで電解質の流動性がなくなり、各層間のイオン伝導性を遮断することで容易になる点で優れている。マトリックスポリマー(ホストポリマー)として用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HEP)、ポリ(メチルメタクリレート(PMMA)およびこれらの共重合体などが挙げられる。
ゲル電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合などの重合処理を施せばよい。
また、セパレータとしては多孔質基体に耐熱絶縁層が積層されたセパレータ(耐熱絶縁層付セパレータ)であることが好ましい。耐熱絶縁層は、無機粒子およびバインダーを含むセラミック層である。耐熱絶縁層付セパレータは融点または熱軟化点が150℃以上、好ましくは200℃以上である耐熱性の高いものを用いる。耐熱絶縁層を有することによって、温度上昇の際に増大するセパレータの内部応力が緩和されるため熱収縮抑制効果が得られうる。その結果、電池の電極間ショートの誘発を防ぐことができるため、温度上昇による性能低下が起こりにくい電池構成になる。また、耐熱絶縁層を有することによって、耐熱絶縁層付セパレータの機械的強度が向上し、セパレータの破膜が起こりにくい。さらに、熱収縮抑制効果および機械的強度の高さから、電池の製造工程でセパレータがカールしにくくなる。
耐熱絶縁層における無機粒子は、耐熱絶縁層の機械的強度や熱収縮抑制効果に寄与する。無機粒子として使用される材料は特に制限されない。例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタンの酸化物(SiO、Al、ZrO、TiO)、水酸化物、および窒化物、ならびにこれらの複合体が挙げられる。これらの無機粒子は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来のものであってもよいし、人工的に製造されたものであってもよい。また、これらの無機粒子は1種のみが単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。これらのうち、コストの観点から、シリカ(SiO)またはアルミナ(Al)を用いることが好ましく、アルミナ(Al)を用いることがより好ましい。
耐熱性粒子の目付けは、特に限定されるものではないが、5〜15g/mであることが好ましい。この範囲であれば、十分なイオン伝導性が得られ、また、耐熱強度を維持する点で好ましい。
耐熱絶縁層におけるバインダーは、無機粒子どうしや、無機粒子と樹脂多孔質基体層とを接着させる役割を有する。当該バインダーによって、耐熱絶縁層が安定に形成され、また多孔質基体層および耐熱絶縁層の間の剥離を防止される。
耐熱絶縁層に使用されるバインダーは、特に制限はなく、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリロニトリル、セルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、アクリル酸メチルなどの化合物がバインダとして用いられうる。このうち、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アクリル酸メチル、またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることが好ましい。これらの化合物は、1種のみが単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
耐熱絶縁層におけるバインダーの含有量は、耐熱絶縁層100重量%に対して、2〜20重量%であることが好ましい。バインダーの含有量が2重量%以上であると、耐熱絶縁層と多孔質基体層との間の剥離強度を高めることができ、セパレータの耐振動性を向上させることができる。一方、バインダーの含有量が20重量%以下であると、無機粒子の隙間が適度に保たれるため、十分なリチウムイオン伝導性を確保することができる。
耐熱絶縁層付セパレータの熱収縮率は、150℃、2gf/cm条件下、1時間保持後にMD、TDともに10%以下であることが好ましい。このような耐熱性の高い材質を用いることで、正極発熱量が高くなり電池内部温度が150℃に達してもセパレータの収縮を有効に防止することができる。その結果、電池の電極間ショートの誘発を防ぐことができるため、温度上昇による性能低下が起こりにくい電池構成になる。
[正極集電板および負極集電板]
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などの金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板27と負極集電板25とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
[正極リードおよび負極リード]
また、図示は省略するが、集電体11と集電板(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器など)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
[電池外装体]
電池外装体29としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルムなどを用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。また、外部から掛かる発電要素への群圧を容易に調整することができ、所望の電解液層厚みへと調整容易であることから、外装体はアルミラミネートがより好ましい。
[セルサイズ]
図2は、二次電池の代表的な実施形態である扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図2に示すように、扁平なリチウムイオン二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素57は、リチウムイオン二次電池50の電池外装材52によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素57は、正極タブ58および負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素57は、先に説明した図1に示すリチウムイオン二次電池10の発電要素21に相当するものである。発電要素57は、正極(正極活物質層)15、電解質層17および負極(負極活物質層)13で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
なお、上記リチウムイオン二次電池は、積層型の扁平な形状のものに制限されるものではない。巻回型のリチウムイオン二次電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。好ましくは、発電要素がアルミニウムラミネートフィルムで外装される。当該形態により、軽量化が達成されうる。
また、図2に示すタブ58、59の取り出しに関しても、特に制限されるものではない。正極タブ58と負極タブ59とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、図2に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
自動車用途などにおいては、昨今、大型化された電池が求められている。そして、高出力条件下で放電した場合の放電末期における内部抵抗の上昇を抑制して放電レート特性を向上させるという本願発明の効果は、大面積電池の場合により効果的にその効果が発揮される。したがって、本発明において、発電要素を外装体で覆った電池構造体が大型であることが本発明の効果がより発揮されるという意味で好ましい。具体的には、負極活物質層が長方形状であり、当該長方形の短辺の長さが100mm以上であることが好ましい。かような大型の電池は、車両用途に用いることができる。ここで、負極活物質層の短辺の長さとは、各電極の中で最も長さが短い辺を指す。電池構造体の短辺の長さの上限は特に限定されるものではないが、通常250mm以下である。
また、電極の物理的な大きさの観点とは異なる、大型化電池の観点として、電池面積や電池容量の関係から電池の大型化を規定することもできる。例えば、扁平積層型ラミネート電池の場合には、定格容量に対する電池面積(電池外装体まで含めた電池の投影面積)の比の値が5cm/Ah以上であり、かつ、定格容量が3Ah以上である電池においては、単位容量当たりの電池面積が大きいため、高出力条件下での放電に有利となる。したがって、本形態に係る非水電解質二次電池は、上述したような大型化された電池であることが、本願発明の作用効果の発現によるメリットと合わせて、より好ましい。また、本形態に係る非水電解質二次電池としては、自動車用大型リチウムイオン二次電池であることが、本願発明の作用効果の発現によるメリットと合わせて、さらにより好ましい。
さらに、体積エネルギー密度や単セル定格容量などによって電池の大型化を規定することもできる。例えば、一般的な電気自動車では、一回の充電による走行距離(航続距離)は100kmが市場要求である。かような航続距離を考慮すると、単セル定格容量は20Wh以上であることが好ましく、かつ、電池の体積エネルギー密度は153Wh/L以上であることが好ましい。なお、体積エネルギー密度および定格放電容量は下記実施例に記載の方法で測定される。さらに、矩形状の電極のアスペクト比は1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。なお、電極のアスペクト比は矩形状の正極活物質層の縦横比として定義される。アスペクト比をかような範囲とすることで、充電時に発生したガスが面方向に均一に排出されることが可能となるため、好ましい。
[組電池]
組電池は、電池を複数個接続して構成した物である。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
電池が複数、直列に又は並列に接続して装脱着可能な小型の組電池を形成することもできる。そして、この装脱着可能な小型の組電池をさらに複数、直列に又は並列に接続して、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に適した大容量、大出力を持つ組電池を形成することもできる。何個の電池を接続して組電池を作製するか、また、何段の小型組電池を積層して大容量の組電池を作製するかは、搭載される車両(電気自動車)の電池容量や出力に応じて決めればよい。
[車両]
本発明の非水電解質二次電池は、長期使用しても放電容量が維持され、サイクル特性が良好である。さらに、体積エネルギー密度が高い。電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの車両用途においては、電気・携帯電子機器用途と比較して、高容量、大型化が求められるとともに、長寿命化が必要となる。したがって、上記非水電解質二次電池は、車両用の電源として、例えば、車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
具体的には、電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を車両に搭載することができる。本発明では、長期信頼性および出力特性に優れた高寿命の電池を構成できることから、こうした電池を搭載するとEV走行距離の長いプラグインハイブリッド電気自動車や、一充電走行距離の長い電気自動車を構成できる。電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を、例えば、自動車ならばハイブリット車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いることにより高寿命で信頼性の高い自動車となるからである。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両、例えば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
以下、実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに何ら限定されるわけではない。
[実施例1]
(1)正極活物質の作製
硫酸ニッケル、硫酸コバルト、および硫酸マンガンを溶解した水溶液(1.0mol/L)にpH11.0となるように水酸化ナトリウムおよびアンモニアを連続的に供給し、共沈法によりニッケルとコバルトとマンガンのモル比が50:20:30で固溶してなる金属複合水酸化物を作製した。
この金属複合酸化物と炭酸リチウムを、Li以外の金属(Ni、Co、Mn)の合計のモル数とLiのモル数の比が1:1となるように秤量した後、十分混合し、昇温速度5℃/minで昇温し、空気雰囲気で900℃、2時間仮焼成した後、昇温速度3℃/minで昇温し、920℃で10時間本焼成し、室温まで冷却して化学組成LiNi0.50Mn0.30Co0.20のリチウムニッケル系複合酸化物を得た。当該リチウムニッケル系複合酸化物(LiNi0.50Mn0.30Co0.20)の平均1次粒子径は0.5μmであり、平均2次粒子径は10.0μmであった。
次いで、電解二酸化マンガン、水酸化アルミニウムを混合し、750℃で熱処理し、三二酸化マンガンとした後、Li/(Mn+Al)モル比が0.55となるように炭酸リチウムを加えて混合し、850℃で20時間焼成して化学組成LiMnのスピネルマンガン酸リチウムを得た。当該スピネルマンガン酸リチウム(LiMn)の平均2次粒子径は10.0μmであった。
その後、得られたリチウムニッケル系複合酸化物(LiNi0.50Mn0.30Co0.20)とスピネルマンガン酸リチウム(LiMn)とを30:70(重量比)で混合させ、正極活物質を作製した。
(2)正極の作製
上記(1)で得られた正極活物質95重量%、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒子径:38nm)2重量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3重量%、およびスラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量混合して、正極活物質スラリーを作製し、得られた正極活物質スラリーを、目付量が15mg/cm(片面)となるように、集電体であるアルミニウム箔(厚さ:20μm)の片面に塗布し乾燥させた。十分乾燥させた後、ロールプレス機を用いて電極合材充填密度が3.0g/cmとなるように電極厚さを調整し、正極活物質層を両面に有する正極を作製した。
(3)負極の作製
負極活物質として表面をアモルファス炭素で被覆した天然黒鉛(平均粒径20μm)用いた炭素負極活物質を調製し、負極活物質94重量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)6重量%、およびスラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量混合して、負極スラリーを調製した。
このスラリーを負極集電体となる銅箔(厚さ10μm)の両面に塗布し、単位面積当たりの塗工量は、それぞれ正極に対して、AC比(負極充電容量/正極充電容量)が1.2となるように設定した。十分乾燥させた後、ロールプレス機を用いて電極合材充填密度が1.4g/cmとなるように電極厚さを調整し、負極活物質層を両面に有する負極を作製した。
(4)電解液の調製
1.0M LiPFをエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合溶媒(体積比1:1)に溶解した溶液を作成した。これにビニレンカーボネートを電解液重量に対して2重量%に相当する量で添加して電解液とした。なお、「1.0MのLiPF」とは、当該混合溶媒およびリチウム塩の混合物におけるリチウム塩(LiPF)濃度が1.0Mであるという意味である。
(5)フルセルの作製
上記(1)で作製した正極を一辺20cmの正方形、上記(2)で作製した負極を一辺20.5cmの正方形、セパレータ(ポリエチレン/ポリプロピレン微多孔質膜、厚さ25μm)を一辺21cmの正方形となるように裁断し、交互に積層(正極5層、負極6層、セパレータ10層)し、この際、両端が負極であり、正極と負極との間にセパレータを介在させた。各層のタブを接続して並列型のセルをスタックした。得られた発電要素をアルミラミネート外装体に入れて、上記(1)で調合した電解液を注入し、真空封止して評価用フルセルを作製した。得られたフルセルのアルミラミネート外装体まで含めた電池の投影面積は484cmであった。
[実施例2〜5、比較例1〜2]
実施例1に記載の正極活物質の作製において、リチウムニッケル系複合酸化物(LiNi0.50Mn0.30Co0.20)とスピネルマンガン酸リチウム(LiMn)との混合比を表1に記載のように変更して作製した正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれの評価用フルセルを作製した。
[実施例6〜7、比較例3]
実施例1に記載のリチウムニッケル系複合酸化物の作製において、共沈法によりニッケルとコバルトとマンガンとのモル比が1/3:1/3:1/3となるように調製条件を変更し、さらに表1に記載のリチウムニッケル系複合酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)とスピネルマンガン酸リチウム(LiMn)との混合比率に従って作製した正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれの評価用フルセルを作製した。
[実施例8〜9、比較例4]
実施例1に記載のリチウムニッケル系複合酸化物の作製において、共沈法によりニッケルとコバルトとマンガンとのモル比が80:10:10となるように調製条件を変更し、さらに表1に記載のリチウムニッケル系複合酸化物(LiNi0.8Mn0.1Co0.1)とスピネルマンガン酸リチウム(LiMn)との混合比率に従って作製した正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれの評価用フルセルを作製した。
[実施例10〜11、比較例5]
実施例1に記載のリチウムニッケル系複合酸化物の作製において、共沈法によりニッケルとコバルトとマンガンとのモル比が60:20:20となるように調製条件を変更し、さらに表1に記載のリチウムニッケル系複合酸化物(LiNi0.6Mn0.2Co0.2)とスピネルマンガン酸リチウム(LiMn)との混合比率に従って作製した正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれの評価用フルセルを作製した。
[実施例12〜13、比較例6]
実施例1に記載のリチウムニッケル系複合酸化物の作製において、硫酸マンガンの代わりに硫酸アルミニウムを用いて、共沈法によりニッケルとコバルトとアルミニウムとのモル比が80:10:10となるように調製条件を変更し、さらに表1に記載のリチウムニッケル系複合酸化物(LiNi0.8Co0.1Al0.1)とスピネルマンガン酸リチウム(LiMn)との混合比率に従って作製した正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれの評価用フルセルを作製した。
[実施例14〜17]
実施例1に記載の正極の作製において、正極の目付量(片面)を表2の記載に従って変更したこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれの評価用のフルセルを作製した。
[実施例18〜21]
実施例1に記載の正極の作製において、正極の充填密度を表3の記載に従って変更したこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれの評価用フルセルを作製した。
[評価方法]
本発明において、特別な記載がない限り、下記各種の測定などは、全て25℃で行ったものである。
(1)電池内部抵抗(DCR)の変化率
まず、各実施例および比較例で作製したフルセルを充電深度(SOC:state of charge)SOC50%まで充電し、0.2Cアンペア、0.5Cアンペア、および1Cアンペアの電流値で10秒間放電し、それぞれの放電後の電圧を測定した。そして、これらの電流値を横軸に、計測された電圧を縦軸にとった直線のグラフの傾きから内部抵抗DCR50を求め、結果を表1に示す。
次いで、充電深度SOC20%まで充電し、上記したSOC50%の場合と同様な操作をし、DCR20を求め、結果を表1に示す。
その後、各実施例および比較例で作製したフルセルにおける電池内部抵抗変化率(ΔDCR=DCR20/DCR50)を求め、結果を表1〜3に示す。また、比較しやすくするために、実施例1〜5および比較例1〜2の結果を図3−1に示し、実施例6〜7および比較例3の結果を図3−2に示し、実施例8〜9および比較例4の結果を図3−3に示し、実施例10〜11および比較例5の結果を図3−4に示し、実施例12〜13および比較例6の結果を図3−5に示し、実施例1および14〜17の結果を図4に示し、実施例1および18〜21の結果を図5に示す。
なお、本発明において、4.15V満充電状態をSOC100%とし、3V完全放電状態をSOC0%とし、完全放電状態から20%分の容量を充電した状態をSOC20%とし、完全放電から50%分の容量を充電した状態をSOC50%とする。
(2)放電レート特性
まず、各実施例および比較例で作製したフルセルを、1Cアンペアの定電流にて充電を開始し、電圧が4.15Vになった時点で引き続き定電圧4.15Vにて充電を続行し、電流値が0.02Cアンペアとなった時点を充電完了(カットオフ)として、1Cアンペアでの充電容量を測定した。次いで、定電流0.2Cアンペアおよび2Cアンペアにてそれぞれ放電を開始し、電圧が3.0Vになった時点を放電完了(カットオフ)とし、0.2Cアンペアおよび2Cアンペアでのそれぞれの放電容量を測定した。
そして、それぞれの放電レートで得られた放電容量の比率%(「2C/0.2C」と略記)を求め、それらの結果を表1〜3に示す。また、比較しやすいために、実施例1〜5および比較例1〜2の結果を図3−1に示し、実施例6〜7および比較例3の結果を図3−2に示し、実施例8〜9および比較例4の結果を図3−3に示し、実施例10〜11および比較例5の結果を図3−4に示し、実施例12〜13および比較例6の結果を図3−5に示し、実施例1および14〜17の結果を図4に示し、実施例1および18〜21の結果を図5に示す。
なお、各実施例および比較例で作製したフルセルの定格容量は、以下により求めた。
定格容量は、試験用電池について、電解液を注入した後で、10時間程度放置し、電池電圧が2.0V以上になってから初期充電を行う。その後、温度25℃、3.0Vから4.15Vの電圧範囲で、次の手順1〜4によって測定される。
手順1:0.2Cアンペアの定電流充電にて4.15Vに到達した後、定電圧充電にて1.5時間充電し、5分間休止する。
手順2:0.2Cアンペアの定電流放電によって3.0Vに到達後、5分間休止する。
手順3:1Cアンペアの定電流充電によって4.15Vに到達後、定電圧充電にて2.5時間充電し、その後、5分間休止する。
手順4:0.2Cアンペアの定電流放電によって3.0Vに到達するまで放電する。
定格容量:手順4における定電流放電から得られる放電容量を定格容量とする。
上記のように測定された各フルセルの定格放電容量(Ah)および定格容量に対する電池面積の比(cm/Ah)を表1に示す。
以上の結果より、内部抵抗が10mΩ/Ah以下(SOC50%)である電池では、いずれのリチウムニッケル系複合酸化物においても、混合比率30重量%以上の正極を用いた実施例1〜21のフルセルにおいて、放電末期の抵抗増加が抑えられて、優れた放電レート特性が得られた。
また、フルセルにおいて、正極の目付量を30mg/cm以下、充填密度を2.5〜3.5g/cmに制御することにより、優れた放電レート特性を得ることができた。
本出願は、2013年3月15日に出願された日本特許出願番号2013−054103号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
10、50 リチウムイオン二次電池、
11 負極集電体、
12 正極集電体、
13 負極活物質層、
15 正極活物質層、
17 セパレータ、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
25 負極集電板、
27 正極集電板、
29、52 電池外装材、
58 正極タブ、
59 負極タブ。

Claims (7)

  1. 正極集電体の表面に正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極と、
    負極集電体の表面に負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極と、
    セパレータと、
    を含む発電要素を有し、
    前記正極活物質が、スピネル系マンガン正極活物質と、リチウムニッケル系複合酸化物とを含み、かつ前記正極活物質100重量%に対する前記リチウムニッケル系複合酸化物の混合比率が30重量%以上であり、
    内部抵抗が10mΩ/Ah以下(SOC50%)であり、
    前記リチウムニッケル系複合酸化物は、一般式:LiNiCo(但し、式中、a、b、c、dは、0.9≦a≦1.2、0.44≦b≦0.51、0.27≦c≦0.31、0.19≦d≦0.26、b+c+d=1を満たす。Mは、Mn、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、SrおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種である)で表される組成を有し、
    定格容量に対する電池面積(電池外装体まで含めた電池の投影面積)の比の値が5cm/Ah以上であり、かつ、定格容量が3Ah以上であり、ラミネートフィルムからなる電池外装体に前記発電要素が封入されてなる構成を有する、扁平積層型の非水電解質二次電池。
  2. 前記正極の目付量(片面)が30mg/cm以下ある、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記正極の充填密度が2.5〜3.5g/cmである、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記セパレータが耐熱絶縁層付セパレータである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 矩形状の正極活物質層の縦横比として定義される電極のアスペクト比が1〜3である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記正極と、前記負極と、前記正極と前記負極との間に介在し、液体電解質またはゲル電解質を保持するセパレータと、
    を有する発電要素が、アルミニウムを含むラミネートフィルムである外装体の内部に封入されてなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 自動車用大型リチウムイオン電池である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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