JP6069698B2 - エンジンの制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Description

この発明は内燃機関(以下「エンジン」という。)の制御装置及び制御方法、特にEGR装置を備えるものに関する。
EGR通路にあって炭化水素添加手段により添加された炭化水素を水素分子に改質する改質触媒と、EGR通路を流れる排気に所定の電圧を印加することで水素イオンを含むプラズマを生成させるプラズマ生成装置とを備えるものがある(特許文献1参照)。このものでは、EGR領域で改質触媒及びプラズマ生成装置によってエンジン燃焼を活性化する成分(水素及び水素イオン)を生成し、この成分を酸化することなく燃焼室に供給する。この燃焼活性化成分の供給で燃焼安定性を良くし、その燃焼安定性を良くした分だけEGR率を大きくして高EGR率の燃焼を成立させ、高EGR率とすることによって燃費を向上させるようにしている。
特開2005−98226号公報
ところで、エンジンの運転条件によっては改質触媒で必要な水素分子の量(改質成分量)が得られず、水素分子の量が不足することがある。こうした場合に、プラズマ生成装置を作動させて水素イオンを生成し、これによって水素分子の不足を補うことができる。一方、プラズマ生成装置の作動には電気エネルギーが消費されるので、EGR率の限界向上による燃費向上効果よりもプラズマ生成装置の作動に消費する電気エネルギが大きくなったのでは、プラズマ生成装置を設けている意味がなくなってしまう。つまり、どれだけ水素分子を生成し得るかという改質触媒の改質能力をみながらプラズマ生成装置を作動させるかどうかを判断しないと、無駄にプラズマ生成装置を作動させることになり無駄に電気エネルギーが消費されてしまう。言い換えると、エンジンの運転条件の相違を考慮してプラズマ生成装置の作動を制御する必要がある。しかしながら、上記特許文献1の技術では、こうした点については一切記載がない。
そこで本発明は、エンジンの運転条件が相違しても、プラズマ生成装置の無駄な作動を排除しつつ必要な改質成分量を確保し得る制御装置を提供することを目的とする。
本発明のエンジンの制御装置は、理論空燃比の混合気が得られるように吸気管を流れる空気量及び燃料量を調整する空気量・燃料量調整手段と、前記理論空燃比の混合気が燃焼した後のガスである排気の一部を前記吸気管に還流するEGR通路と、前記EGR通路を流れる排気に炭化水素を添加する炭化水素添加手段と、前記EGR通路にあって前記添加された炭化水素を水素分子に改質する改質触媒と、前記EGR通路を流れる排気に所定の電圧を印加することで水素イオンを含むプラズマを生成させるプラズマ生成装置とを備えている。本発明のエンジンの制御装置は、さらに前記改質触媒による改質で得る水素分子の量に対する前記プラズマ生成装置により得る水素イオンの量の比率を前記改質触媒の改質能力に応じて変化させる比率変更手段とを備えるものである。
改質触媒による改質で得る水素分子の量はエンジンの運転条件により定まる改質触媒の改質能力によって相違するので、運転条件によっては必要な水素分子の量が得られず、水素分子の量が不足することがある。この場合に、本発明によれば、改質触媒による改質で得る水素分子の量に対するプラズマ生成装置により得る水素イオンの量の比率を増加させることで、プラズマ生成装置により得る水素イオンの量が増え水素分子の量の不足が補われる。一方、運転条件によっては改質触媒による改質だけで必要な水素分子の量が得られることがある。この場合に、本発明によれば、今度は比率を減少させることで、プラズマ生成装置の作動を停止して電気エネルギーが消費されないようにする。このように、本発明によれば、改質触媒の改質能力に応じた比率制御を行うので、エンジンの運転条件が相違しても、プラズマ生成装置の無駄な作動を排除しつつ必要な改質成分量を確保できる。
本発明の第1実施形態のガソリンエンジンの概略構成図である。 プラズマ生成装置を付属させた改質触媒の斜視図及び断面図である。 HC改質触媒の触媒温度に対する特性図である。 HC改質触媒のEGRガス流量に対する特性図である。 エンジンの運転領域図である。 第1実施形態のプラズマ生成電圧、改質燃料インジェクタの燃料噴射パルス幅、メイン燃料噴射パルス幅の算出を説明するためのフローチャートである。 目標エンジントルクの特性図である。 第1実施形態のプラズマ生成電圧の特性図である。 第2実施形態のプラズマ生成電圧、改質燃料インジェクタの燃料噴射パルス幅、メイン燃料噴射パルス幅の算出を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態のプラズマ生成電圧の特性図である。 第3実施形態のガソリンエンジンの概略構成図である。 第3実施形態のプラズマ生成電圧、改質燃料インジェクタの燃料噴射パルス幅、メイン燃料噴射パルス幅の算出を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態のガソリンエンジン1の概略構成図である。図1において、空気(新気)は吸気管2の一部である吸気コクレタ3、吸気マニフォルド4を経て燃焼室5(シリンダ)に供給される。空気の量は電制スロットル弁11(空気量調整手段)により調整される。燃料は吸気マニフォルド4に設けた各気筒の燃料インジェクタ12(燃料量調整手段)より各気筒の吸気ポートに向けて噴射供給される。この噴射された燃料は、吸気ポートを流れる空気と混合しつつ気化し、燃焼室5に流入して混合気を形成する。なお、本発明では、後述するように改質触媒31の上流にも燃料インジェクタ33を設けるので、両者を区別するため、各吸気ポートに設ける燃料インジェクタ12を「メイン燃料インジェクタ」という。
シリンダ5内に供給された混合気に対して各気筒の点火プラグ13で火花点火を行うことで、混合気が燃焼し、その燃焼圧力がピストンを押し下げる仕事をしてクランクシャフトを回転駆動する。燃焼の終わったガスは排気として排気管6に出される。排気に含まれる有害三成分は三元触媒7によって浄化した後に大気に放出する。三元触媒7は、排気中の有害三成分(CO、HC、NOx)を無害の成分(CO2、H2O及びN2)にする触媒である。例えばPtとRhの混合物またはPtとPdとRhの混合物をアルミナに担持させたもので構成する。
排気の一部は三元触媒7の上流で分岐するEGR通路8を介して吸気コレクタ3に戻される。EGR通路8を流れるEGRガスの流量を調整するためEGR弁9を備える。EGR弁9はアクチュエータ10により駆動される。
エンジンコントローラ21には、アクセルセンサ22からのアクセル開度ACC、クランク角センサ23からのクランク角、エアフローメータ24からの吸入空気量Qaの信号が入力されている。エンジンコントローラ21(空気量・燃料量調整手段)では、電制スロットル弁11を介してエンジン1に供給する空気の量を、各気筒のメイン燃料インジェクタ12を介してエンジン1に供給する燃料供給量を調整(制御)する。また、各気筒の点火プラグ13を介して点火時期を制御する。上記の三元触媒7は、排気の空燃比が理論空燃比付近で振れることによって排気中の有害三成分を効率よく浄化できるため、理論空燃比の混合気が得られるように各気筒のメイン燃料インジェクタ12に与える燃料噴射パルス幅Tm[ms]を定めている。
また、エンジンコントローラ21では、エンジンの負荷と回転速度Neとから定まる運転条件がEGR領域にある場合に、アクチュエータ10を介してEGR弁9を開くと共に目標EGR率が得られるようにEGR弁開度(EGRガスの流量)を制御する。
EGR弁9上流のEGR通路8には、図2にも示したように、プラズマ生成装置41を付属させた改質触媒31を備える。ここで、図2(a)はプラズマ生成装置41を付属させた改質触媒31の斜視図、図2(b)はプラズマ生成装置41を付属させた改質触媒31の断面図である。改質触媒31は円柱状に形成され、EGR通路8に介装されている。改質触媒31の直ぐ上流には、改質触媒31に炭化水素を噴射供給するための燃料インジェクタ33を備える。この燃料インジェクタ33を上記のメイン燃料インジェクタ12と区別するため、「改質燃料インジェクタ」という。
改質燃料インジェクタ33(炭化水素添加手段)よりEGR通路8を流れる排気(EGRガス)に添加する燃料としては、ガソリン、軽油、メタノール等の任意の液状の炭化水素を使用でき、例えばガソリンエンジンの場合には液状のガソリンを使用できる。ただし、改質燃料インジェクタ33に供給する液状の炭化水素と、メイン燃料インジェクタ12に供給する液状の炭化水素とが異なる炭化水素であってもよい。
EGR通路8を流れる排気に炭化水素を添加する炭化水素添加手段として燃料噴射弁を示したが、ベンチュリを用いた燃料霧化手段であってよい。あるいは液状のガソリンを加熱することで蒸発させるガソリン気化手段等でよい。また、EGR通路8を流れる排気に添加する液状の炭化水素の気化を排気の熱を利用して行ってもよい。
改質触媒31は、EGR通路8を流れる排気中に添加した炭化水素(HC)にクラッキング、ラジカル化、CO生成水素生成等の軽質化を行わせることによって水素分子(H2)を得る任意の触媒でよい。こうした改質触媒31として、例えばRh/ZrO2系触媒やRh/CeO2系触媒といったHC改質触媒を用いることができる。
以下では、改質触媒31がHC改質触媒である場合で説明する。ここで、HC改質触媒とは、次の(1)式の反応に対して触媒作用を有する任意の触媒をいう。
HC+H2O→CO2+H2 …(1)
HC改質触媒31は、当該技術分野で知られる任意の適当な量で、ウォッシュコート等の任意の手段によって、粉末のまたは成型された担体に担持させることができる。また触媒を担持した担体をスラリーとして用いて、ハニカム状に成型された基材にコーティングして乾燥及び焼成したもの、この担体をペレット状に成型したものとしても使用できる。
プラズマ生成装置41は、図2にも示したように2つのメッシュ状電極41a、41b、電源42、電源スイッチ43で構成される。HC改質触媒は31は、例えばコージェライト製であるストレートフロー形絶縁性ハニカム31aにHC改質触媒を担持させてある。この絶縁性ハニカム31aの上流端及び下流端にメッシュ状電極41a及び41bをそれぞれ配置し、これらの電極間に電源42によって電圧を印加する。電源スイッチ43をONにすることで、電源42からの電圧を印加し、メッシュ状電極31b及び31cの間に放電を起こさせ、それによって放電プラズマを発生させる。本発明では、プラズマ生成装置41の作動によって、特に水素イオン(H+)を生成させるものとする。なお、図2において矢印は排気の流れ方向を示している。
メッシュ状電極41a及び41bは、導電性の材料や半導体等の材料、特にCu、W、ステンレス、Fe、Pt、Al等のような金属でできていてよい。
電源42は、パルス状又は定常の直流又は交流電圧を発生させるものでよい。任意の様式で電圧を印加することができるが、特に直流パルス電圧が、コロナ放電を良好に起こさせることができるために好ましい。プラズマ生成装置41への印加電圧及びパルス周期としては、プラズマを発生させるのに一般的な値を使用でき、例えばパルス電圧50kV及びパルス周期2,000Hzを使用できる。直流電圧をメッシュ状電極41a及び41bに印加する場合には、上流端のメッシュ状電極41aをカソードとすることも、またアノードとすることもできる。またメッシュ状電極41a及び41bのいずれかを接地し、他方を電源42に接続することもできる。
さて、エンジンの運転条件によってはHC改質触媒31の改質能力が低下し、必要な水素分子(H2)の量(改質成分量)が生成されず、水素分子の量が不足することがある。
ここで、「HC改質触媒の改質能力」とは、HC改質触媒による改質で得る水素分子の量であるとする。従って、改質能力が相対的に低下すればHC改質触媒による改質で得る水素分子の量が相対的に減少する。一方、改質能力が必要な水素分子量が得られるほど十分である場合には、HC改質触媒による改質で得る水素分子の量が必要な水素分子の量を満たすこととなる。
こうした場合に、プラズマ生成装置41を作動させて水素イオンを生成し、これによって水素分子の不足を補うことができる。一方、プラズマ生成装置41の作動には電気エネルギーが消費されるので、EGR率の上限向上による燃費向上効果よりもプラズマ生成装置41が消費する電気エネルギーが大きくなったのでは、プラズマ生成装置41を設けている意味がなくなってしまう。どれだけ水素分子を生成し得るかというHC改質触媒31の改質能力をみながらプラズマ生成装置41を作動させるかどうかを判断しないと、無駄にプラズマ生成装置41を作動させることになり無駄に電気エネルギーが消費されてしまうのである。従って、エンジンの運転条件の相違を考慮してプラズマ生成装置41の作動を制御する必要がある。
そこで第1実施形態では、HC改質触媒31による改質で得る水素分子の量に対するプラズマ生成装置41により得る水素イオンの量の比率をHC改質触媒31の改質能力に応じて変化させる比率変更手段を備えさせる。改質触媒31による改質で得る水素分子とプラズマ生成装置41により得る水素イオンとは、いずれもエンジン燃焼を活性化する成分であり、燃料の発熱量を増加させる成分であるので、本発明では、両者を同等に扱うものとする。以下、HC改質触媒31による改質で得る水素分子の量に対するプラズマ生成装置41により得る水素イオンの量の比率を「水素イオン/水素分子比率」という。あるいは単に「比率」ともいう。
水素イオン/水素分子比率についてさらに説明する。プラズマ生成装置41を非作動としたとき、プラズマ生成装置41により得る水素イオンの量はゼロとなるので、水素イオン/水素分子比率は最小のゼロである。一方、プラズマ生成装置41を作動させたとき、プラズマ生成装置41により得る水素イオンの量はゼロでない正の値を採るので、水素イオン/水素分子比率は正の値となる。このように、プラズマ生成装置41の作動、非作動で水素イオン/水素分子比率が変化する。
さらに、プラズマ生成装置の作動状態において、HC改質触媒による改質で得る水素分子の量が同じでも、2つのメッシュ状電極41a、41bに印加する電圧(以下、「プラズマ生成装置の印加電圧」ともいう。)プラズマ生成装置の印加電圧を相対的に高くするほうが印加電圧を相対的に低くする場合よりプラズマ生成装置により得る水素イオンの量が大きくなる。つまり、プラズマ生成装置の印加電圧を相対的に高くするほうが相対的に低くする場合より水素イオン/水素分子比率が大きくなる。このように、プラズマ生成装置の印加電圧によっても水素イオン/水素分子比率が変化させることができる。
印加電圧を変化させるため、電圧調整装置44を電源42に付属させ、エンジンコントローラ21からの信号によって印加電圧を変更し得るようにする。これによって、電圧調整装置44とエンジンコントローラ21から比率変更手段を構成する。
次に、比率の制御を図3、図4に示したHC改質触媒31の特性図を用いて説明する。まず、図3は、横軸にHC改質触媒31の触媒温度Tcatを、縦軸に水素分子の生成量を採っている。図3において破線の特性がHC改質触媒31による改質で得られる水素分子の量の特性、実線の特性がこの水素分子の量にプラズマ生成装置41により得られる水素イオンの量を加算した特性である。
図3に破線で示したように、HC改質触媒31による改質で得られる水素分子の量(つまり、改質能力)は、閾値Tth1を超える温度域で必要な水素分子の量を満たしている。しかしながら、閾値Tth1以下の温度域では、触媒温度Tcatが低下するほど改質で得られる水素分子の量が低下し、水素分子の不足が生じている。
これに対処するためにエンジンコントローラ21では、閾値Tth1以下の温度域で(改質触媒31の改質能力が相対的に低い場合に)プラズマ生成装置41を作動させることによって水素イオン/水素分子比率を上げる。改質能力の相対的低下によりHC改質触媒による改質で得る水素分子の量が相対的に減少するので、比率を上げることで、改質触媒による改質で得る水素分子の量が不足しても、その不足分をプラズマ生成装置により得る水素イオンの量の増加で補うのである。
詳細には、閾値Tth1以下の温度域で触媒温度Tcatが低下するほど水素分子の必要量からの不足分が増加するので、プラズマ生成装置41により得られる水素イオンの量を、触媒温度Tcatが低下するほど増加させる必要がある。一方、プラズマ生成装置により得られる水素イオンの量は、プラズマ生成装置の印加電圧に依存し、印加電圧が高いほどプラズマ生成装置により得られる水素イオンの量が増加する。
このため、エンジンコントローラ21では、電圧調整装置43を介して、閾値Tth1以下の温度域で触媒温度Tcatが低下するほどプラズマ生成装置41の印加電圧が高くなるように制御する。これによって、プラズマ生成装置41により得られる水素イオンの量を加算した、つまり水素分子と水素イオンとの総量は図3に示したように破線から実線へと増加する。触媒温度Tcatに応じたプラズマ生成装置41の印加電圧の制御によって、閾値Tth1以下の温度域においてHC改質触媒31のみの場合より、必要量からの水素分子の不足分を適切に補なうことができるのである。
一方、エンジンコントローラ21では閾値Tth1を超える温度域で(改質触媒31の改質能力が必要な水素分子の量が得られるほど十分である場合に)プラズマ生成装置41の作動を停止する。これは、閾値Tth1を超える温度域でもプラズマ生成装置41を作動させたのでは、無駄にプラズマ生成装置41を作動させ、電気エネルギーが無駄に消費されてしまうためである。
次に、図4では横軸にHC改質触媒31を流れるEGRガス流量QEGRを、縦軸に水素分子の生成量を採っている。図4において破線の特性がHC改質触媒31による改質で得られる水素分子の量の特性、実線の特性がこの水素分子の量にプラズマ生成装置41により得られる水素イオンの量を加算した特性である。
図4に破線で示したように、HC改質触媒31による改質で得られる水素分子の量(つまり、改質能力)は、閾値Qth1未満の流量域で必要な水素分子の量を満たしている。しかしながら、閾値Qth1以上の流量域では、EGRガス流量QEGRが増加するほど改質で得られる水素分子の量が低下し、水素分子の不足が生じている。
これに対処するためにエンジンコントローラ21では、閾値QEGRth1以上の流量域で(改質触媒31の改質能力が相対的に低い場合に)プラズマ生成装置41を作動させることによって水素イオン/水素分子比率を上げる。改質能力の相対的低下によりHC改質触媒による改質で得る水素分子の量が相対的に減少するので、比率を上げることで、改質触媒による改質で得る水素分子の量が不足しても、その不足分をプラズマ生成装置により得る水素イオンの量の増加で補うのである。
詳細には、閾値Qth1以上の流量域で、EGRガス流量QEGRが増加するほど水素分子の必要量からの不足分が増加するので、プラズマ生成装置41により得られる水素イオンの量を、EGRガス流量QEGRが増加するほど増加させる必要がある。一方、プラズマ生成装置により得られる水素イオンの量は、プラズマ生成装置の印加電圧に依存し、印加電圧が高いほどプラズマ生成装置により得られる水素イオンの量が増加する。
このため、エンジンコントローラ21では、電圧調整装置43を介して、閾値Qth1以上の流量域でEGRガス流量QEGRが増加するほどプラズマ装置41の印加電圧が高くなるように制御する。これによって、プラズマ生成装置41により得られる水素イオンの量を加算した、つまり水素分子と水素イオンとの総量が図4に示したように破線から実線へと増加する。EGRガス流量QEGRに応じたプラズマ生成装置41の印加電圧の制御によって、閾値EGRth1以上の流量域においてHC改質触媒31のみの場合より、必要量からの水素分子の不足分を適切に補なうことができるのである。
一方、エンジンコントローラ21では閾値Qth1未満の流量域で(改質触媒31の改質能力が必要な水素分子の量が得られるほど十分である場合に)プラズマ生成装置41の作動を停止する。これは、閾値Qth1未満の流量域でもプラズマ生成装置41を作動させたのでは、無駄にプラズマ生成装置41を作動させ、電気エネルギーが無駄に消費されてしまうためである。
さらに述べると、HC改質触媒31による燃料改質は吸熱反応であり排気(EGRガス)の熱を回収しつつ水素分子を生成し、この水素分子を燃焼室5に供給することで燃料の発熱量を増加させている。これによって熱効率が上がるので、水素分子によりEGR率の上限を向上させる効果と合わせて燃費を向上させる効果を大きくすることができる。一方、プラズマ生成装置41では電源42に蓄えている電気エネルギを使って水素イオンを生成するので、EGR率の上限を向上させる効果には寄与するものの、HC改質触媒31による燃料改質に比べると燃費を向上させる効果は小さい。従って、基本的には、燃料改質により得られる水素分子の量が必要量に足りないときに、プラズマ生成装置の作動に消費する電気エネルギーがEGR率の上限向上による燃費向上効果分よりも小さくなる範囲内でのみプラズマ生成装置を作動させるのである。
このように、HC改質装置による燃料改質と、HC改質触媒の改質能力に応じたプラズマ生成装置の印加電圧の制御とを組み合わせることにより、燃料改質のみでは達成できないEGR率での運転を可能としつつ、運転条件が相違しても燃費を向上できる。
また、図3において閾値Tth1以下の温度域においてもHC改質装置31による燃料改質のみで水素分子の必要量を確保しようとすれば、必要な水素分子の量を超える水素分子が得られるように触媒容量を大きくしなければならない。同様に、図4において閾値QEGRth1以上の流量域においてもHC改質装置31による燃料改質のみで水素分子の必要量を確保しようとすれば、必要な水素分子の量を超える水素分子が得られるように触媒容量を大きくしなければならない。
一方、本発明では閾値Tth1以下の温度域ではプラズマ生成装置により水素分子の不足が補われるので、閾値Tth1を超える温度域で水素分子の必要量を確保するだけの触媒容量で足りる。同様に、閾値Qth1以上の流量域ではプラズマ生成装置により水素分子の不足が補われるので、閾値Qth1未満の流量域で水素分子の必要量を確保するだけの触媒容量で足りる。つまり、本発明によれば、閾値Tth1以下の温度域でもHC改質装置31による燃料改質のみで水素分子の必要量を確保する場合よりも触媒サイズを縮小できる。同様に、閾値QEGRth1以上の流量域でもHC改質装置31による燃料改質のみで水素分子の必要量を確保する場合よりも触媒サイズを縮小できる。触媒サイズが小さくなると、HC改質触媒31の暖機完了時間を短縮できると共に、HC改質触媒の貴金属担持量が減少しコストを低減できる。また、HC改質触媒31にプラズマ生成装置41を付属させている(一体化している)ことから、エンジンルーム内でのレイアウトの成立自由度を拡大できる。
次に、HC改質触媒31の改質能力の推定について説明する。図3に示したように、HC改質触媒31による改質で得る水素分子の量(HC改質触媒31の改質能力)は触媒温度Tcatに応じて変化するので、HC改質触媒による改質で得る水素の量を触媒温度Tcatを用いて推定する。
ここで、触媒温度としては、HC改質触媒の入口、出口、内部の少なくとも一つの温度であればよく、HC改質触媒の入口ガス温度、出口ガス温度の少なくとも一つの温度であってもよい。触媒温度は温度センサ25により検出する。図1にはHC改質触媒31の内部温度を触媒温度Tcatとして検出する温度センサ25を示している。HC改質触媒の入口、出口、内部の温度は、1点で検出しても多数点で検出してもかまわない。
図5はエンジンの運転領域図である。EGR領域は、図5に示したようにように、低回転速度域、低負荷域、高回転速度域、高負荷域を除いた残りの領域に予め設定している。このEGR領域の中の限られた領域にHC改質触媒が燃料改質を行うと共に、これに加えてプラズマ生成装置を作動させる領域(この領域を以下単に「改質領域」という。)を設定している。
エンジンコントーラ21で行われるこの制御を図6のフローチャートに基づいて説明する。図6のフローは、プラズマ生成電圧Vp、改質燃料インジェクタの燃料噴射パルス幅Tr、メイン燃料噴射パルス幅Tmを算出するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。なお、図6のフローは図3に対応するものである。後述するように図4に対応するのは、図9のフローである。
ステップ1では目標エンジントルクtTe[Nm]とエンジン回転速度Ne[rpm]を読み込む。ここで、目標エンジントルクtTeはアクセルセンサ22により検出されるアクセル開度ACCから図7を内容とするテーブルを検索することにより算出する。図7に限らず、アクセル開度ACCとエンジン回転速度Neから所定のマップを検索することにより目標エンジントルクtTeを算出するようにしてもかまわない。エンジン回転速度Neはクランク角センサ23により検出されるクランク角に基づいて算出する。
ステップ2ではこれら目標エンジントルクtTeとエンジン回転速度Neから図5を内容とするマップを検索することにより、tTeとNeから定まるエンジンの運転条件がEGR領域にあるか否かをみる。運転条件がEGR領域にないときには同時に改質領域でもないので、HC改質触媒31による燃料改質を行わせること及びプラズマ生成装置41を作動させることがいずれも必要でないと判断し、ステップ10、11、12に進む。
ステップ10ではプラズマ装置41を非作動とするためプラズマ生成電圧Vp[V]にゼロを入れ、ステップ11ではHC改質触媒31による燃料改質を行わせないため改質燃料インジェクタ33の燃料噴射パルス幅Trにゼロを入れる。
ステップ12では、基本メイン燃料噴射パルス幅Tm0[ms]をそのままメイン燃料噴射パルス幅Tm[ms]に入れる。基本メイン燃料噴射パルス幅Tm0は、基本的にエアフローメータ24により検出される吸入空気量Qaとエンジン回転速度Neとから、理論空燃比の混合気が得られるように定めている値である。
ステップ2で運転条件がEGR領域にあるときにはステップ3に進み運転条件が改質領域にあるか否かをみる。運転条件がEGR領域にあるが改質領域にないときにはステップ3よりステップ10〜12に進み、ステップ10〜12の操作を実行する。
ステップ3で運転条件が改質領域にあるときにはステップ4に進み、温度センサ25(図1参照)により検出されるHC改質触媒31の触媒温度Tcat[℃]と閾値Tth1[℃]を比較する。閾値Tth1は、図3に示したように必要な水素分子の量を生成できない上限の触媒温度で、予め定めておく。触媒温度Tcatが閾値Tth1を超えているときにはHC改質触媒31による燃料改質のみで必要な水素分子の量を生成でき、従ってプラズマ装置41の作動は必要ないと判断し、ステップ5、6、7に進む。
ステップ5ではプラズマ生成装置41を非作動とするためプラズマ生成電圧Vp[V]にゼロを入れる。ステップ6では、HC改質触媒31による燃料改質を行わせるため改質燃料インジェクタ33の燃料噴射パルス幅Tr[ms]に改質用燃料噴射パルス幅TrA[ms]を入れる。改質用燃料噴射パルス幅TrAは予め定めておく。
ステップ7では、メイン燃料噴射パルス幅Tm[ms]に改質時のメイン燃料噴射パルス幅TmA[ms]を入れる。改質時のメイン燃料噴射パルス幅TmAは基本メイン燃料噴射パルス幅Tm0と同じであってもよいし、相違させてもよい。
一方、ステップ4で触媒温度Tcatが閾値Tth1以下のときにはHC改質触媒31による燃料改質のみでは必要な水素分子の量が不足し、従ってプラズマ装置41を作動させる必要があると判断し、ステップ8、9に進む。ステップ8では触媒温度Tcatと閾値Tth1の差温度ΔT[℃]を、
ΔT=Tth1−Tcat …(2)
の式により算出する。(2)式の差温度ΔTはゼロまたは正の値である。
ステップ9ではこの差温度ΔTから図8を内容とするテーブルを検索することによりプラズマ生成電圧Vp[V]を算出する。図8に示したようにプラズマ生成電圧Vpは差温度ΔTがゼロのときゼロで、差温度ΔTが正の値で大きくなるほど大きくなる値である。
ステップ13ではプラズマ生成電圧Vp、改質燃料インジェクタの燃料噴射パルス幅Tr、メイン燃料噴射パルス幅Tmを出力する。
図示しないフローでは、プラズマ生成電圧Vpを印加電圧として電圧調整装置44に与える。これによって、プラズマ生成装置41にプラズマ生成電圧Vpが印加されるように電圧調整装置44が電源42からの電圧を調整する。
図示しないフローでは、改質燃料インジェクタ33の燃料噴射パルス幅Trを改質燃料インジェクタ33に与える。これによって、改質燃料インジェクタ33が所定のタイミングで燃料噴射パルス幅Trだけ開く。図示しないフローでは、メイン燃料噴射パルス幅Tmを各気筒のメイン燃料インジェクタ12に与える。これによって、各気筒のメイン燃料インジェクタ12が所定のタイミングでメイン燃料噴射パルス幅Tmだけ開く。
ここで、第1実施形態の作用効果を説明する。
第1実施形態では、理論空燃比の混合気が得られるように吸気管2を流れる空気量及び燃料量を調整する空気量・燃料量調整手段(11、12、21)と、理論空燃比の混合気が燃焼した後のガスである排気の一部を吸気管2に還流するEGR通路8と、EGR通路8を流れる排気に炭化水素を添加する改質燃料インジェクタ33(炭化水素添加手段)と、EGR通路8にあって前記添加された炭化水素を水素分子に改質するHC改質触媒31(改質触媒)と、EGR通路8を流れる排気に所定の電圧を印加することで水素イオンを含むプラズマを生成させるプラズマ生成装置41と、水素イオン/水素分子比率(HC改質触媒31による改質で得る水素分子の量に対するプラズマ生成装置41により得る水素イオンの量の比率)をHC改質触媒31の改質能力に応じて変化させる比率変更手段(図6のステップ4、8、9参照)とを備えている。HC改質触媒31による改質で得る水素分子の量はエンジンの運転条件により定まるHC改質触媒31の改質能力によって相違するので、運転条件によっては必要な水素分子の量が得られず、水素分子の量が不足することがある。この場合に、第1実施形態によれば、水素イオン/水素分子比率を増加させることで、プラズマ生成装置41により得る水素イオンの量が増え水素分子の量の不足が補われる。一方、運転条件によってはHC改質触媒31による改質だけで必要な水素分子の量が得られることがある。この場合に、第1実施形態によれば、今度は水素イオン/水素分子比率を減少させてゼロとすることで(図6のステップ4、5参照)、プラズマ生成装置41の作動を停止して電気エネルギーが消費されないようにする。このように、第1実施形態によれば、HC改質触媒31の改質能力に応じた比率制御を行うので、エンジンの運転条件が相違しても、プラズマ生成装置41の無駄な作動を排除しつつ必要な改質成分量を確保できる。
第1実施形態によれば、閾値Tth1以下の温度域で(改質触媒の改質能力が相対的に低い場合に)、水素イオン/水素分子比率を上げるので(図6のステップ4、8、9、図8参照)、HC改質触媒31による改質で得る水素分子の量が必要な水素分子の量より不足しても、その不足分をプラズマ生成装置41により得る水素イオンの量の増加で補うことができ(図3参照)、これによってエンジンの運転条件が相違しても、必要な改質成分量を確保できる。
第1実施形態によれば、閾値Tth1を超える温度域で(改質触媒の改質能力が必要な水素分子の量が得られるほど十分である場合に)、プラズマ生成装置41の作動を停止するので(図6のステップ4、5参照)、無駄にプラズマ生成装置41が作動されることがなく、電気エネルギーの消費を抑制できる。
第1実施形態によれば、HC改質触媒31(改質触媒)の改質能力を、触媒温度Tcat(改質触媒の入口、出口、内部の少なくとも一つの温度、改質触媒の入口ガス温度、出口ガス温度の少なくとも一つの温度)を用いて推定するので(図6のステップ8、9、図8参照)、触媒温度Tcatが相違してもHC改質触媒31の改質能力を精度良く推定することができる。
第1実施形態によれば、HC改質触媒31とプラズマ生成装置41を一体化するので、システムを小型化することが可能となり、レイアウトの自由度を向上させることができる。
(第2実施形態)
図9のフローは第2実施形態のプラズマ生成電圧Vp、改質燃料インジェクタの燃料噴射パルス幅Tr、メイン燃料噴射パルス幅Tmを算出するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。図9のフローは第1実施形態の図6と置き換わるもので、図6と同一部分には同一の符号を付している。なお、図9のフローは図4に対応するものである。
第1実施形態では、図3に示したように、HC改質触媒31による改質で得る水素分子の量(改質触媒31の改質能力)は触媒温度Tcatに応じて変化するので、HC改質触媒による改質で得る水素分子の量を触媒温度Tcatを用いて推定した。一方、第2実施形態では、図4に示したように、HC改質触媒31による改質で得る水素分子の量(改質触媒31の改質能力)がEGRガス流量QEGRに応じて変化するので、HC改質触媒による改質で得る水素分子の量をEGRガス流量QEGRを用いて推定する。
第1実施形態と相違する部分を主に述べる。図9において、ステップ3で目標エンジントルクtTeとエンジン回転速度Neにより定まるエンジンの運転条件が改質領域にあるときにはステップ21に進み、EGRガス流量QEGRと閾値Qth1を比較する。ここで、EGRガス流量QEGRは目標エンジントルクtTeとエンジン回転速度から所定のマップを検索することにより算出する。閾値Qth1は、図4に示したように必要な水素分子の量を生成できない下限のEGRガス流量で、予め定めておく。EGRガス流量QEGRが閾値Qth1未満であるときにはHC改質触媒31による燃料改質のみで必要な水素分子の量を生成でき、従ってプラズマ装置41の作動は必要ないと判断し、ステップ5〜7に進む。ステップ5ではプラズマ生成装置41を非作動とするためプラズマ生成電圧Vp[V]にゼロを入れる。ステップ6では、HC改質触媒31による燃料改質を行わせるため改質燃料インジェクタ33の燃料噴射パルス幅Tr[ms]に改質用燃料噴射パルス幅TrA[ms]を入れる。ステップ7では、メイン燃料噴射パルス幅Tm[ms]に改質時のメイン燃料噴射パルス幅TmA[ms]を入れる。
一方、ステップ21でEGRガス流量QEGRが閾値Qth1以上のときにはHC改質触媒31による燃料改質のみでは必要な水素分子の量が不足し、従ってプラズマ装置41を作動させる必要があると判断し、ステップ22、23に進む。ステップ22ではEGRガス流量QEGRと閾値Qth1の差流量ΔQを、
ΔQ=QEGR−Qth1 …(3)
の式により算出する。(3)式の差流量ΔQはゼロまたは正の値である。
ステップ23ではこの差流量ΔQから図10を内容とするテーブルを検索することによりプラズマ生成電圧Vp[V]を算出する。図10に示したようにプラズマ生成電圧Vpは差流量ΔQがゼロのときゼロで、差流量ΔQが正の値で大きくなるほど大きくなる値である。
第2実施形態によっても第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、第2実施形態によれば、HC改質触媒31(改質触媒)の改質能力を、EGRガス流量QEGR(HC改質触媒31を通過する排気の量)で推定するので(図9のステップ22、23、図10参照)、EGRガス流量QEGRが相違してもHC改質触媒31の改質能力を精度良く推定することができる。
第1実施形態と第2実施形態を組み合わせ、閾値Tth1以下の温度域または閾値Qth1以上の流領域でプラズマ生成装置41を作動させるようにしてもよい。さらに、閾値Tth1以下の温度域かつ閾値Qth1以上の流領域で、2つの各実施形態で算出したプラズマ生成電圧を足し算した値を最終のプラズマ生成電圧として、またはいずれか大きい方を最終のプラズマ生成電圧として選択させることもできる。
(第3実施形態)
図11は第3実施形態のガソリンエンジン1の概略構成図、図12のフローは第3実施形態のプラズマ生成電圧Vp、改質燃料インジェクタの燃料噴射パルス幅Tr、メイン燃料噴射パルス幅Tmを算出するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。図11、図12は第1実施形態の図1、図6と置き換わるもので、図1、図6と同一部分には同一の符号を付している。
第1実施形態では、閾値Tth1以下の温度域で閾値Tth1と触媒温度Tcatの差温度ΔTに基づいてプラズマ生成電圧Vpを算出した。一方、第3実施形態は、閾値Tth1以下の温度域で必要な水素分子の量を目標値として、実際の水素分子と水素イオンの総量がこの目標値と一致するようにプラズマ生成電圧Vpをフィードバック制御するものである。実際の水素分子と水素イオンの総量を検出するため、図11に示したように水素センサ51を例えばHC改質触媒31の出口に設けておく。つまり、第3実施形態は、HC改質触媒31による改質で得る水素分子の量(改質触媒の改質能力)を、HC改質触媒31の出口に設置した水素センサ51により検出される水素分子と水素イオンの総量に基づいて推定するものである。
図12において第1実施形態の図6のフローと相違する部分を主に述べると、ステップ4で触媒温度Tcatが閾値Tth1以下であるときには、HC改質触媒31による燃料改質のみでは必要な水素分子の量が不足し、従ってプラズマ装置41を作動させる必要があると判断し、ステップ31〜35に進む。
ステップ31では、水素センサ51により検出される水素分子と水素イオンの総量rHと閾値Hth1を比較する。閾値Hth1は必要な水素分子の量で、予め定めておく。水素分子と水素イオンの総量rHが閾値Hth1を超えているときには総量rHを減らすためステップ32に進み、Vpの前回値であるVpzから一定値ΔVpを減算した値を今回のプラズマ生成電圧Vpとする。一方、水素分子と水素イオンの総量rHが閾値Hth1より小さいときには総量rHを増やすためステップ31よりステップ33に進み、Vpの前回値であるVpzに一定値ΔVpを加算した値を今回のプラズマ生成電圧Vpとする。ここで、一定値ΔVpは、プラズマ生成電圧の漸減速度や漸増速度を定める値であり、予め設定しておく。
なお、プラズマ生成電圧Vpを漸減させる場合には、演算上、プラズマ生成電圧Vpが負の値になることがある。こうした事態を避けるため、ステップ34でプラズマ生成電圧Vpが負の値となったときにはステップ35に進んでプラズマ生成電圧Vpをゼロに制限する。
第3実施形態によっても第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、第3実施形態によれば、HC改質触媒31(改質触媒)の改質能力を、HC改質触媒の出口に設置した水素センサ51により検出される水素分子と水素イオンの総量rHに基づいて推定するので(図12のステップ31〜33参照)、水素分子と水素イオンの総量rHが相違してもHC改質触媒31の改質能力を精度良く推定することができる。
第3実施形態では、ステップ4において触媒温度Tcaと閾値Tth1を比較させたが、これに限られない。例えば、ステップ4でEGRガス流量QEGRと閾値Qth1を比較させ、EGRガス流量QEGRが閾値Qth1以上のときにステップ31〜35に進ませるようにすることもできる。
1 エンジン
2 吸気管
11 電制スロットル弁(空気量調整手段)
12 メイン燃料インジェクタ(燃料量調整手段)
21 エンジンコントローラ(空気量・燃料量調整手段、比率変更手段)
25 触媒温度センサ
31 HC改質触媒31(改質触媒)
33 改質燃料インジェクタ33(炭化水素添加手段)
41 プラズマ生成装置
42 電源
44 電圧調整装置(比率変更手段)
51 水素センサ

Claims (9)

  1. 理論空燃比の混合気が得られるように吸気管を流れる空気量及び燃料量を調整する空気量・燃料量調整手段と、
    前記理論空燃比の混合気が燃焼した後のガスである排気の一部を前記吸気管に還流するEGR通路と、
    前記EGR通路を流れる排気に炭化水素を添加する炭化水素添加手段と、
    前記EGR通路にあって前記添加された炭化水素を水素分子に改質する改質触媒と、
    前記EGR通路を流れる排気に所定の電圧を印加することで水素イオンを含むプラズマを生成させるプラズマ生成装置と、
    前記改質触媒による改質で得る水素分子の量に対する前記プラズマ生成装置により得る水素イオンの量の比率を前記改質触媒の改質能力に応じて変化させる比率変更手段と
    を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記改質触媒の改質能力が相対的に低い場合に、前記比率を上げることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記改質触媒の改質能力が必要な水素分子の量が得られるほど十分である場合に、前記プラズマ生成装置の作動を停止することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記改質触媒の改質能力を、前記改質触媒の入口、出口、内部の少なくとも一つの温度、前記改質触媒の入口ガス温度、出口ガス温度の少なくとも一つの温度のいずれか一方を用いて推定することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記改質触媒の改質能力を、前記改質触媒を通過する排気の量で推定することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記改質触媒の改質能力を、前記改質触媒の出口に設置した水素センサにより検出される水素分子と水素イオンの総量に基づいて推定することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  7. 前記改質触媒の改質能力は、前記改質触媒による改質で得る水素分子の量であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  8. 前記改質触媒と前記プラズマ生成装置を一体化することを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  9. 理論空燃比の混合気が得られるように吸気管を流れる空気量及び燃料量を調整する空気量・燃料量調整手段と、
    前記理論空燃比の混合気が燃焼した後のガスである排気の一部を前記吸気管に還流するEGR通路と、
    前記EGR通路を流れる排気に炭化水素を添加する炭化水素添加手段と、
    前記EGR通路にあって前記添加された炭化水素を水素分子に改質する改質触媒と、
    前記EGR通路を流れる排気に所定の電圧を印加することで水素イオンを含むプラズマを生成させるプラズマ生成装置と
    を備え、
    前記改質触媒による改質で得る水素分子の量に対する前記プラズマ生成装置により得る水素イオンの量の比率を前記改質触媒の改質能力に応じて変化させる比率変更処理手順を含むことを特徴とするエンジンの制御方法。
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