JP6068374B2 - 多分岐中継装置 - Google Patents
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Description
局側装置に搭載された光トランシーバは、各加入者側装置に向けて送信する下り方向の電気信号を光信号に変換し、また、各加入者側装置からの上り方向の光信号を電気信号に変換する。
これにより、光スプリッタでは、入力した光信号の強度が減衰して出力されるため分岐数の上限が制限されるが、本発明にかかる多分岐中継装置によれば、入力された光信号は電気信号に変換されてディジタル信号として分岐・選択の処理が行われるため、信号強度の減衰によって多分岐中継装置内での分岐数の上限が制限されることがなくなり、より多く加入者側装置4を接続することができる。
したがって、N個の加入者側光トランシーバを具備する多分岐中継装置では、最大32×N台の加入者側装置と接続することができ、加入者側装置1台あたりのコストを大幅に削減することが可能となる。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるPONシステム10および多分岐中継装置2について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかるPONシステムおよび多分岐中継装置の構成を示すブロック図である。
この多分岐中継装置2は、局側光トランシーバ21、信号中継部23、およびN個の加入者側光トランシーバ22−1〜22−Nを備え、信号中継部23には、下り信号分配部24と上り信号選択部25とが設けられている。本実施の形態は、光スプリッタ3が上り方向の光信号を合波する作用と同等の機能を、電気回路を用いて多分岐中継装置2により実現したものである。
上り信号選択部25は、上り信号選択制御部25Aと上り信号スイッチ部25Bとから構成されている。
次に、図4を参照して、第1の実施の形態にかかる多分岐中継装置2の動作について説明する。図4は、上り信号選択制御部における上り信号選択信号生成処理を示すフローチャートである。
続いて、上り信号選択制御部25Aは、各受信断信号RDmの値を確認して保持する(ステップ101)。
また、いずれの受信断信号RDmについても立ち下がりが検出されなかった場合(ステップ102:NO)、ステップ101へ戻る。
上り信号スイッチ部25Bは、この上り信号選択信号USELの値に基づき、対応する上り受信信号URmを選択し、上り送信信号US0として局側光トランシーバ21へ出力する。
これにより、加入者側装置4−2から送信された上り受信信号UR2は、光スプリッタ3−2を介して加入者側光トランシーバ22−2で受信されて、信号中継部23により上り送信信号US0として選択出力され、局側光トランシーバ21から局側装置1へ送信される。
このように、本実施の形態は、下り信号分配部24が、局側光トランシーバ21から出力された電気信号からなる下り受信信号LR0を電気信号からなる複数の下り送信信号LS1〜LSNに分岐して、各加入者側光トランシーバ22(22−1〜22−N)に分配し、上り信号選択部25が、各加入者側光トランシーバ22から出力された電気信号からなる上り受信信号RU1〜URNと受信断信号RD1〜RDNとを入力し、当該受信断信号RDmが受信中であることを示す場合には、当該受信断信号RDmと対応する上り受信信号RUmを選択し、電気信号からなる上り送信信号US0として局側光トランシーバ21に出力するようにしたものである。
したがって、光スプリッタ3では、入力した光信号の強度が減衰して出力されるため分岐数の上限が制限されるが、本実施の形態にかかる多分岐中継装置2によれば、入力された光信号は電気信号に変換されてディジタル信号として分岐・選択の処理が行われるため、信号強度の減衰によって多分岐中継装置2内での分岐数の上限が制限されることがなくなり、より多く加入者側装置4を接続することができる。
したがって、N個の各加入者側光トランシーバ22を具備する多分岐中継装置2では、最大32×N台の加入者側装置と接続することができ、加入者側装置1台あたりのコストを大幅に削減することが可能となる。
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるPONシステム10および多分岐中継装置2について説明する。図6は、第2の実施の形態にかかるPONシステムおよび多分岐中継装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、図6に示すように、局側装置1に局側光スプリッタ5を介して複数の多分岐中継装置2−2が接続されている点において第1の実施の形態と相違する。
また、本実施の形態では、便宜上、多分岐中継装置2−sごとにN台ずつ光スプリッタ3−s−nが接続されている場合を例として説明するが、多分岐中継装置2−sごとに接続される光スプリッタ3−s−nの台数は、すべてN台に制限されるものではなく、多分岐中継装置2ごとに2台以上の別個の台数だけ光スプリッタ3−s−nが接続されていてもよい。
この多分岐中継装置2(2−s)は、前述した図2と同様に、局側光トランシーバ21(21−s)、信号中継部23(23−s)、およびN個の加入者側光トランシーバ22−1〜22−N(22−s−n)を備え、信号中継部23には、下り信号分配部24と上り信号選択部25とが設けられている。
これに加えて、局側光トランシーバ21は、本実施の形態にかかる独特の機能として、上り送信有効信号USEを入力し、この上り送信有効信号USEが送信有を示す期間に光信号の送信を行い、上り送信有効信号USEが送信無を示す期間に光信号の送信を停止する機能を有している。
上り信号選択部25は、上り信号選択制御部25A、上り信号スイッチ部25B、および上り送信制御部25Cから構成される。
上り送信制御部25Cは、受信断信号RDnを入力し、受信断信号RDnに基づいて上り送信信号US0の有効有無を示す上り送信有効信号USEを生成し、局側光トランシーバ21に向けて出力する機能を有している。
次に、図9を参照して、第2の実施の形態にかかる多分岐中継装置2の動作について説明する。図9は、第2の実施の形態にかかる上り信号選択部の動作を示すタイムチャートである。ここでは、前述した図5と同様、加入者側光トランシーバ22の数Nを「2」とした場合における、上り信号選択部25の入出力信号および上り信号選択信号USELの変化が示されている。なお、上り信号選択制御部25Aにおける上り信号選択信号生成処理は、前述した図4とほぼ同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
上り信号スイッチ部25Bは、この上り信号選択信号USELの値に基づき、対応する上り受信信号URmを選択し、上り送信信号US0として局側光トランシーバ21へ出力する。
これと並行して、上り送信制御部25Cは、これら受信断信号RDmを値を論理反転した後、論理和をとることにより得られた上り送信有効信号USEを局側光トランシーバ21へ出力する。
これにより、加入者側装置4−2から送信された上り受信信号UR2は、光スプリッタ3−2を介して加入者側光トランシーバ22−2で受信されて、信号中継部23により上り送信信号US0として選択出力され、局側光トランシーバ21から局側装置1へ送信される。
このように、本実施の形態によれば、局側装置1は、局側光スプリッタ5を介してS台の多分岐中継装置2と接続される。この際、光信号の受信強度は、光トランシーバが正常に受信可能な光信号強度の下限まで可能であり、出力される光信号の強度は光トランシーバの出力強度である。このため、局側光スプリッタ5において、当該局側光スプリッタ5に接続された各多分岐中継装置2との間で下り方向の光信号が分岐され、上り方向の光信号が合波される。これにより、居側装置1に対してPONシステムで規定されている最大32台の多分岐中継装置2を接続することが可能となる(K≦32)。
次に、図10を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるPONシステム10および多分岐中継装置2について説明する。図10は、第3の実施の形態にかかる多分岐中継装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態にかかるPONシステム10の構成は、前述の図6と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
図10に示すように、本実施の形態は、多分岐中継装置2の信号中継部23に、監視部26が設けられている点において、第2の実施の形態と相違する。
次に、図11を参照して、第3の実施の形態にかかる多分岐中継装置2の動作について説明する。図11は、第3の実施の形態にかかる上り信号選択部の動作を示すタイムチャートである。ここでは、前述した図5および図9と同様、加入者側光トランシーバ22の数Nを「2」とした場合における、上り信号選択部25の入出力信号および上り信号選択信号USELの変化が示されている。なお、上り信号選択制御部25Aにおける上り信号選択信号生成処理は、前述した図4とほぼ同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
上り信号スイッチ部25Bは、この上り信号選択信号USELの値に基づき、対応する上り受信信号URmを選択し、上り送信信号US0として局側光トランシーバ21へ出力する。
これと並行して、上り送信制御部25Cは、これら受信断信号RDmを値を論理反転した後、論理和をとることにより得られた上り送信有効信号USEを局側光トランシーバ21へ出力する。
これにより、加入者側装置4−2から送信された上り受信信号UR2は、光スプリッタ3−2を介して加入者側光トランシーバ22−2で受信されて、信号中継部23により上り送信信号US0として選択出力され、局側光トランシーバ21から局側装置1へ送信される。
下り信号分配部24は、局側光トランシーバ21から出力された下り受信信号LR0から監視部26宛ての監視用下り信号を抽出して、監視部26に向けて出力する。
このように、本実施の形態によれば、局側装置1と監視部26との通信を実現でき、加入者側装置4と同様に、遠隔に配置された多分岐中継装置2での障害発生を、局側装置1が検知できる。また、局側装置1がある加入者側装置4での障害発生を検知したとき、局側装置1と多分岐中継装置2との間で発生したのか多分岐中継装置2と加入者側装置4の間で発生したのかを切り分けることが可能となる。
なお、監視部26の機能は、加入者側装置4が有する機能の一部であり、加入者側装置4に使用される電気回路を監視部26として流用できるため、監視部26として専用の電気回路を作成するよりも装置コストを削減することができる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
Claims (3)
- 光伝送路を介して局側装置と複数の加入者側装置との間でデータを転送するPONシステムで用いられる多分岐中継装置であって、
前記局側装置と光伝送路を介して接続され、当該局側装置からの光信号を受信して電気信号に変換し下り受信信号として出力し、入力された電気信号からなる上り送信信号を光信号に変換して当該局側装置へ送信する局側光トランシーバと、
光伝送路および光スプリッタを介してそれぞれ1個以上の加入者側装置と接続され、当該加入者側装置からの光信号を受信して電気信号に変換して上り受信信号として出力し、入力された電気信号からなる下り送信信号を光信号に変換してこれら加入者側装置へ送信し、当該加入者側装置からの光信号を受信中であるか否かを示す受信断信号を生成して出力する、複数の加入者側光トランシーバと、
前記局側光トランシーバから出力された電気信号からなる前記下り受信信号を電気信号からなる複数の前記下り送信信号に分岐して、前記各加入者側光トランシーバに分配する下り信号分配部と、
前記各加入者側光トランシーバから出力された電気信号からなる前記上り受信信号と前記受信断信号とを入力し、当該受信断信号が受信中であることを示す場合には、当該受信断信号と対応する上り受信信号を選択し、電気信号からなる前記上り送信信号として前記局側光トランシーバに出力する上り信号選択部と
を備えることを特徴とする多分岐中継装置。 - 請求項1に記載の多分岐中継装置において、
前記上り信号選択部は、少なくともいずれかの前記受信断信号が受信ありを示す期間に上り送信有効を示し、すべての前記受信断信号が受信なしを示す期間に上り送信無効を示す上り送信有効信号を生成して、前記局側光トランシーバに出力し、
前記局側光トランシーバは、前記上り信号選択部から出力された前記上り送信有効信号が上り送信有効を示す期間には、光信号の送信を行い、当該上り送信有効信号が上り送信無効を示す期間には、光信号の送信を停止する
ことを特徴とする多分岐中継装置。 - 請求項1または請求項2の多分岐中継装置において、
前記下り信号分配部から分配された前記下り受信信号から前記局側装置が送信した監視用下り信号を抽出し、当該監視用下り信号に含まれる監視用上り送信の指示に基づいて、監視用上り信号を生成して前記上り信号選択部に出力する監視部をさらに備え、
前記上り信号選択部は、前記監視部からの監視用上り信号を前記上り送信信号として前記局側光トランシーバに出力する
ことを特徴とする多分岐中継装置。
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