JP6067913B1 - 変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝導効率が良く、高トルク伝導及び正確な回転比での伝導を可能にすると共に、小型化・軽量化も図ることができる変速機を提供すること。【解決手段】可撓性を有する巻掛け体200と、一対の回転体20,40の間に巻掛け体200を巻掛ける巻掛け溝80を設けてなるプーリー10と、一対の回転体20,40を相対的に回転軸L1方向に移動して巻掛け溝幅を変更させる移動手段90と、巻掛け溝80内に設置され、巻掛け溝幅の変更に応じて半径方向の位置を変更するスライド体60と、を具備する。スライド体60に、巻掛け体200を係止して荷重を受ける歯(動力伝達部)63を設ける。移動手段90によって巻掛け溝幅を変更することで、スライド体60の半径方向の位置を変更して変速を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、高トルク対応・高伝導効率を可能とする変速機に関するものである。
従来、「Vベルト(チェーン)+プーリー式」の無段変速機(CVT)は、多くの自動車・機械装置に使用されている。
特開2014−16024号公報
しかし、上記従来型の無段変速機は、伝統的な有段変速機よりも変速機単体としては伝導効率が悪い等、以下のような問題があった。
(1)滑りが発生してしまうため、高トルク伝導には不向きであった。
(2)滑りが発生してしまうため、正確な回転比での伝導には不向きであった。
(3)上記滑りを防止する対策として、ベルトをプーリーに高荷重で押し付ける、ベルトとプーリーの接触面積を増やす、という方法が考えられるが、その結果、伝導に伴うエネルギーロスが増大する、変速機構造の強度強化、大型化を招く、といった問題が生じる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、伝導効率が良く、高トルク伝導及び正確な回転比での伝導を可能にすると共に、小型化・軽量化も図ることができる変速機を提供することにある。
本発明にかかる変速機は、可撓性を有する巻掛け体と、一対の回転体の間に前記巻掛け体を巻掛ける巻掛け溝を設けてなるプーリーと、前記一対の回転体を相対的に回転軸方向に移動して巻掛け溝幅を変更させる移動手段と、前記巻掛け溝内に設置され、前記巻掛け溝幅の変更に応じて半径方向の位置を変更するスライド体と、を具備し、前記スライド体は一対のみであって、回転方向に180度対向する位置に配置され、且つ両スライド体は何れも、板状の本体部と、前記本体部の上端辺中央から上方向に向かって突出して前記巻掛け体を係止して荷重を受ける歯とを有し、これら本体部と歯とを一体に固定して構成し、前記両回転体の対向面は、中央に向かって前記巻掛け溝幅を狭くする傾斜面で構成され、一方前記巻掛け体の左右両側面は対向する前記回転体の傾斜面に当接して巻掛け溝内に保持され、前記巻掛け体は、前記プーリーに対して180°以上の巻掛け角度で巻掛けられ、前記巻掛け体が一方のスライド体のみに係止されている際に、前記移動手段によって前記巻掛け溝幅を変更させることで、前記スライド体の半径方向の位置を変更して変速を行う制御手段を有することを特徴としている。
スライド体のに巻掛け体を係止するので、プーリーと巻掛け体間の動力伝達を確実に行わせることが可能となる。
また、スライド体を半径方向に移動することで、プーリーと巻掛け体間の変速を、容易且つ無段階に行うことができる。
またスライド体の歯を巻掛け体に係止するので、プーリーと巻掛け体間に強い負荷が印加されても、滑りなく、確実に動力を伝達することができる。
また複数のスライド体に巻掛け体が係止している際に変速を行うと、係止しているスライド体間の巻掛け体に、弛みや緊張が生じ、変速動作を行えなくなる虞があるが、本発明によれば、そのような問題が生じず、スムーズな変速動作を行うことができる。
なお、制御手段としては、例えば、プーリーの回転位置を検出する位置検出手段を設置し、この位置検出手段からの検出信号によって巻掛け体が一方のスライド体のみに係止されているか否かを算出し、一方のスライド体のみに係止されていると判断したときのみ変速動作を行わせる構成等が考えられる。
また本発明によれば、巻掛け溝はV字状(又は台形状)に構成される。これによって、プーリーに巻掛けられてはいるが前記スライド体に係止していない巻掛け体の部分についても、スライド体と同一半径位置に保持され、スムーズな動力伝達と変速動作を行うことができる。
巻掛け体としては、V字状(又は台形状)の巻掛け溝の対向する両面に当接する、例えば歯付きVベルトやローラチェーン、サイレントチェーン等がある。
また本発明は、前記両回転体の対向面に、半径方向に向かって延び、前記スライド体の両側に設けたスライド部をそれぞれスライド自在に挿入するレール部を形成したことを特徴としている。
これによって、両回転体を相対的に回転軸方向に移動した際に、容易に、スライド体を半径方向にスライド移動させることが可能になる。
また本発明は、前記両回転体の対向面に当接する前記巻掛け体の当接面に、摩擦軽減手段を設けたことを特徴としている。
これによって、回転体と巻掛け体間の摩擦抵抗が減少し、スムーズな変速動作を行うことができる。
本発明によれば、伝導効率が良く、高トルク伝導及び正確な回転比での伝導が可能になると共に、小型化・軽量化を図ることもできる。
変速機1−1を示す図である。 スライド体60を示す図である。 変速機1−1の動作説明図である。 変速機1−1の動作説明図である。 スライド体60−2を示す斜視図である。 変速機1−3を示す図である。 変速機1−4を示す図である。 変速機1−1の一応用例を示す概略図である。 変速機1−1を自転車の動力伝達機構に応用した応用例を示す概略図である。 変速機1−1をチェーンブロックの動力伝達機構に応用した応用例を示す概略図である。 スライド体60−5を示す斜視図である。 スライド体60−3を示す斜視図である。 巻掛け体200−6を示す要部断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる変速機1−1を示す図であり、図1(a)は断面図(図1(b)のA−A断面図)、図1(b)は側面図(図1(a)のB矢視図)、図1(c)は断面図(図1(a)のC−C断面図)である。同図に示すように、変速機1−1は非摩擦伝導型変速機であり、一対の回転体20,40を具備するプーリー10と、前記両回転体20,40の対向面に、回転軸L1方向への相対的移動位置に応じて半径方向R1の位置を変更するスライド体60と、これら一対の回転体20,40の少なくとも一方(この例では回転体20)を、回転軸L1方向に移動させる移動手段90と、移動手段90を駆動制御する制御手段100とを具備して構成されている。一対の回転体20,40の間には、可撓性を有する巻掛け体200を巻掛ける巻掛け溝80が形成されている。
回転体20は、略円板形状の回転体本体部21と、回転体本体部21の一方の面(回転体40側を向く面)の回転中心部分から突出する柱状の第1回転軸23とを具備している。回転体本体部21の回転体40側を向く面は、中央が突出する傾斜面25となっている。さらに詳細に言えば、傾斜面25は、回転軸L1から半径方向外側に向かって、前記回転体40から離れる方向に傾斜する形状に形成されている。また、第1回転軸23に近い部分は傾斜面25ではなく、回転軸L1に対して垂直な平面26となっている。
傾斜面25中には2本のレール部27が形成されている。各レール部27は、回転体20の回転方向に180度対向する位置に形成され、何れも、中心軸L1近傍から外周近傍まで、傾斜面25上を半径方向に向かって直線状に形成されている。何れのレール部27も同一形状であり、その横断面は略凸形状となっている。即ち、幅の狭い挿通孔27aと、挿通孔27aに比べて左右に幅の広い案内部27bとを有する形状となっている。
回転体40は、略円板形状の回転体本体部41と、回転体本体部41の一方の面(回転体20側を向く面)の回転中心部分から筒状に突出する第2回転軸43とを具備している。回転体本体部41の回転体20側を向く面は、中央が突出する傾斜面45となっている。さらに詳細に言えば、傾斜面45は、回転軸L1から半径方向外側に向かって、前記回転体20から離れる方向に傾斜する形状に形成されている。また、回転軸L1に近い部分は傾斜面45ではなく、回転軸L1に対して垂直な平面46となっている。傾斜面45と傾斜面25の傾斜角度は同一である。また平面46と平面26は同一直径である。
傾斜面45中には2本のレール部47が形成されている。両レール部47は、前記回転体20に設けた両レール部27にそれぞれ対向する位置に配置され、形状も同一である。即ち各レール部47は、回転体40の回転方向に180度対向する位置に形成され、何れも、中心軸L1近傍から外周近傍まで、傾斜面45上を半径方向に向かって直線状に形成されている。何れのレール部47も同一形状であり、その横断面は略凸形状となっている。即ち、幅の狭い挿通孔47aと、挿通孔47aに比べて左右に幅の広い案内部47bとを有する形状となっている。
前記回転体20の第1回転軸23は、前記回転体40の第2回転軸43にスプライン嵌合されている。即ち両回転体20,40は一体に回転すると共に、回転軸L1方向には相対的に接近・離間できる構造となっている。そしてこの例の場合、第1回転軸23が移動手段90によって回転軸L1方向に移動自在とされ、一方第2回転軸43は回転軸L1方向には移動が規制されて移動しない構造となっている。移動手段90は、第1回転軸23を回転軸L1方向に連続的にスライド移動させることができる手段であれば良く、例えば、油圧アクチュエータやラック&ピニオン機構等を用いる。前記両回転体20,40の間に形成される巻掛け溝80は、横断面V字状(または台形状)である。
図2はスライド体60を拡大して示す図であり、図2(a)は斜視図、図2(b)は正面図である。同図に示すように、スライド体60は、平板状で横長形状の本体部61と、本体部61の上端辺中央から上方向に向かって突出する略矩形平板状の歯(動力伝達部)63と、本体部61の左右両側部に設けられる平板状のスライド部65とを具備して構成されている。スライド部65の面は、本体部61の面に対して直交していて、且つ上部よりも下部が本体部61側に向けて近づくように、垂直方向から所定角度傾斜して設置されている。左右両スライド部65の傾斜角度は同一であり、また図1(a)に示すように、両レール部27,47の傾斜角度と同一に形成されている。
そして図1に示すように、一対のスライド体60の左右のスライド部65は、それぞれ一対のレール部27,47の各案内部27b,47b内に収納される。また回転体40の外周側面近傍には、位置検出センサ(位置検出手段)101が設置され、その出力信号は、制御手段100に入力される構成となっている。位置検出センサ101としては、例えば、光によって検出するフォトセンサ・光電センサ・レーザセンサや、磁力によって検出する近接センサや、機械的な歯車等を用いた位置センサ等、種々の構成のものがある。制御手段100は、位置検出センサ101やその他の制御信号に基づいて、移動手段90を駆動する。
次に、上記変速機1−1の動作を説明する。図1は、移動手段90を駆動することで、両回転体20,40間を最も近づけた状態を示している。即ちこのとき両平面26,46は当接している。同時に両スライド体60は、両レール部27,47内をスライド部65が移動することで、最も外周側に位置している。言い換えれば、両レール部27,47の最も外周側における両案内部27b,47b間の距離と、前記両スライド部65間の距離とが一致している。
一方、図1(a)に示す移動手段90を駆動することで、図3に示すように、両回転体20,40間を最も引き離すと、両スライド体60は、両レール部27,47内をスライド部65が移動することで、半径方向の最も内側位置に移動する。言い換えれば、両レール部27,47の最も内周側における両案内部27b,47b間の距離と、前記両スライド部65間の距離とが一致している。つまり、移動手段90によって移動する回転体20の位置、即ち、両回転体20,40の回転軸L1方向への相対的移動位置に応じて両スライド体60の半径方向の位置が無段階に変わる。
そして、図1,図3に点線で示すように、前記巻掛け溝80に巻掛け体200を巻掛ける。この例では、巻掛け体200として歯付きVベルトを用いているが、その他の例として、V字プーリーに対応したローラチェーン、サイレントチェーン等を用いても良い。これによって、巻掛け体200の左右の側面が、対向する回転体20,40の傾斜面25,45に当接し、巻掛け溝80内の所定の位置に保持される。同時に、巻掛け体200に設けた歯が、一対のスライド体60の歯63にそれぞれ係合する。
そして、巻掛け体200を駆動すれば、その動力がプーリー10に伝達され、回転駆動される。また逆に、プーリー10を回転すれば、その動力が巻掛け体200に伝達され、駆動される。両者間の動力伝達は、スライド体60の歯63に巻掛け体200の歯が噛み合うことで行われるので、動力伝達に滑りが生じることはなく、確実な変速比で動力を伝達することができる。
一方、前記移動手段90を駆動することで、両回転体20,40の回転軸L1方向への相対的移動位置を変更すれば、変更した相対的移動位置に応じて、スライド体60の位置が無段階に変わり、同時にプーリー10に対する巻掛け体200の半径方向の位置も無段階に変わり、これによって無段階変速(変速の最小幅が巻掛け体200の歯単位(チェーンの場合は駒単位)となり、厳密には無段変速ではないが、超多段変速となる。中途半端な変速幅(歯が噛み合わない)にならない様に変速幅を制御する。)が可能になる。
但し、上記両回転体20,40の相対的移動位置の変更は、一対のスライド体60の歯63の内、一方のスライド体60の歯63のみが巻掛け体200の歯に係合している際に行う。これは、以下の理由による。即ち、図4(a)に示すように、一方のスライド体60の歯63のみが巻掛け体200の歯に係合している場合は、スライド体60の位置を半径方向に移動しても、問題なく変速できる。しかし、図4(b)に示すように、両スライド体60の歯63が巻掛け体200の歯に係合している場合に、スライド体60の位置を半径方向に移動しようとすると、両スライド体60によって係止されている巻掛け体200の部分x1は一定で変更できないため、例えば巻掛けた巻掛け体200の半径を小さくすると、前記両スライド体60によって係止されている巻掛け体200の部分x1が余ってしまい、スムーズな動力伝達ができなくなる。一方、巻掛けた巻掛け体200の半径を大きくしようとすると、前記両スライド体60によって係止されている巻掛け体200の部分x1が引っ張られるため、前記半径を大きくすることができない。これらの理由から、上述のように、変速動作は一つのスライド体60の歯63のみが巻掛け体200の歯に係合している際に行うことが好ましい。また上記例のように、スライド体60が一対、180°対向する位置にある場合は、巻掛け体200はプーリー10に対して180°以上の巻掛け角度で巻掛けておく必要がある。これは一方のスライド体60が必ず巻掛け体200に係止されるためである。
上述のように、変速動作を一つのスライド体60の歯63のみが巻掛け体200の歯に係合している際に行うようにするため、制御手段100は、前記位置検出センサ101からその回転位置情報を入力し、一つのスライド体60の歯63のみが巻掛け体200の歯に係合している際に、変速動作を行わせるように、移動手段90を制御する。
図5は本発明の参考例に係るスライド体60−2を示す斜視図である。同図に示すスライド体60−2において、前記図2に示すスライド体60と同一又は相当部分には同一符号を付す(但し符号「−2」を付す)。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1〜図4に示す実施形態と同じである。
スライド体60−2において、前記スライド体60と相違する点は、歯63−2の部分を片方向可倒式とするため、可倒機構67−2を設けた点である。即ちこのスライド体60−2は、歯63−2を別体として構成し、一方本体部61−2の上端辺中央に設けた凹部69−2のさらに上端辺中央に、コ字状に屈曲する歯保持部71−2を設け、歯保持部71−2の一方の面側に形成された凹部73−2内に歯63−2の下部を収納し、歯保持部71−2の左右両側部外側から係止用ビス75−2(一方のみ図示する)を挿入して歯63−2を矢印E方向に揺動自在に支持し、さらに図示はしないが凹部73−2内に歯63−2を元の立設位置に自動復帰させる復帰バネを内蔵して構成されている。可倒機構67−2は、凹部69−2と歯保持部71−2と凹部73−2と係止用ビス75−2と復帰バネとによって構成されている。この可倒機構67−2によれば、歯63−2は、係止用ビス75−2による支持軸を中心として、矢印Eで示す一方の方向のみに傾く(揺動する)構成となる。なお可倒機構はこの構造に限定されず、歯が片方向に傾く機構であれば、どのような機構であってもよい。そしてスライド体60−2は、このスライド体60−2が進行していく方向(矢印G方向)に向かって歯63−2が傾くように設置される。
スライド体60−2をこのように構成すれば、上述の、「両回転体20,40の相対的移動位置の変更は、一対のスライド体60の歯63の内、一方のスライド体60の歯63のみが巻掛け体200の歯に係合している際に行う」、という制限を無くすことができる。即ち、例えば、図4(b)に示すように、巻掛け体200−2に2つのスライド体60−2が同時に係止された状態で、例えば巻掛けた巻掛け体200−2の半径を小さくすると、前記両スライド体60−2によって係止されている巻掛け体200−2の部分x1が余ろうとするが、その時は、下側のスライド体60−2の歯63−2が傾倒することで、余った分の巻掛け体200を逃がすことができる。一方、巻掛けた巻掛け体200−2の半径を大きくすると、前記両スライド体60−2によって係止されている巻掛け体200−2の部分x1が引っ張られるが、その時は、上側のスライド体60−2の歯63−2が傾倒することで、足りない分の巻掛け体200を導入することができる。またこのように構成すると、逆回転方向への動力の伝達はできなくなるので、逆回転方向へ動力を伝達したくない場合にも好適な機構となる。
図6は本発明の参考例に係る変速機1−3を示す図である。同図に示す変速機1−3において、前記図1に示す実施形態にかかる変速機1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す(但し符号「−3」を付す)。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1〜図4に示す実施形態と同じである。
変速機1−3において、前記変速機1−1と相違する点は、スライド体60−3として、歯を設ける代わりに、電磁石(励磁手段)を用いた点と、巻掛け体200−3として磁石に吸着する材料を用いた点である。図12はスライド体60−3の一例を拡大して示す斜視図である。同図に示すように、スライド体60−3は磁性体によって構成され、中央にコイル取付部83−3を設け、その左右両側に平板状の連結部85−3を接続した本体部61−3と、本体部61−3の左右両側部に設けられる平板状のスライド部65−3とを具備して構成されている。スライド部65−3の構成は、上記スライド部65の構成と同一である。コイル取付部83−3は、上下に板状の端面部を有し、上側(半径方向外側)の端面部の外面を吸着部63−3としている。両端面部間には、励磁用のコイル87−3が巻かれている。コイル取付部83−3とコイル87−3によって電磁石が構成される。一方、両スライド部65−3の外側面には、前記コイルから引き出したブラシ部89−3,89−3(図では一方のみ示す)が露出しており、図示しない回転体の案内部(図1の回転体20,40の案内部27b,47b参照)内の表面に設けた半径方向(スライド部65−3の移動方向)に向かう電流供給パターン91−3,91−3上を摺動するように構成されている。従って、電流供給パターン91−3、91−3からブラシ部89−3,89−3を介してコイル87−3に電流を供給すると、コイル87−3が励磁され、吸着部63−3がN極又はS極に励磁される。そして図6において、巻掛け体200−3がスライド体60−3に巻掛けを始める位置a1において、スライド体60−3の電磁石を励磁し、巻掛け体200−3がスライド体60−3から離れる位置a2において、スライド体60−3の電磁石を消磁する。つまりこの例では歯の代りに電磁石(さらに言えば吸着部63−3)が、巻掛け体200−3を係止して荷重を受ける動力伝達部となる。このように構成しても、歯が電磁石に代わるだけで、上記変速機1−1と同様の作用効果を生じる。このように構成すれば、変速タイミング及び変速幅の制限がない、無段変速が可能となる。
スライド体60−3の磁化タイミングとしては、変速動作時は、巻掛け体200−3と接触中の1つのスライド体60−3だけを励磁し、一方、非変速動作時は、巻掛け体200−3と接触中の1又は複数のスライド体60−3を励磁する。またスライド体60−3は、上記のように巻掛け体200−3との接触開始時に励磁させ、離れる時に消磁させるのが好ましく、また、伝達トルクの大小に合わせて、磁力(電流量)を変更することが好ましい。これによってスライド体60−3と巻掛け体200−3間の最適な吸着力の維持が容易になり、無駄なエネルギーロスを防げる。例えば、加速時(伝達トルク大)のときは電流量を増やして吸着力を強くし、定速時(伝達トルク小)のときは電流量を減らして吸着力を弱くする、等である。
図7は本発明の他の参考例に係る変速機1−4を示す図であり、図7(a)は一対の変速機1−4を示す概略図(図1(c)に相当する図)、図7(b)は断面図(図1(a)に相当する図)である。同図に示す変速機1−4において、前記図1に示す変速機1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す(但し符号「−4」を付す)。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1〜図4に示す実施形態と同じである。
変速機1−4において、前記変速機1−1と相違する点は、一対の回転体20−4,40−4の対向する傾斜面25−4,45−4に、放射状に複数本(12本)のレール部27−4,47−4を形成した点と、これら各レール部27−4,47−4にそれぞれスライド体60−4を設置した点である。スライド体60−4は、歯を設けず、その外周側面を巻掛け体200−4の当接面としている。スライド体60−4の本体部61−4は電磁石となっており、励磁することで、巻掛け体200−4を吸着して係止する。巻掛け体200−4は磁石に吸着する材料で構成されている。
この例では、一対の変速機1−4を用いており、両変速機1−4は、何れも同一構造であり、両者のスライド体60−4の半径方向の位置を変更することで、無段変速を行うことができる。変速機1−4をこのように構成すれば、巻掛け体200−4のスライド体60−4への接触面積が増大し、より確実に動力を伝達することができる。また、接触面積を増大するために、巻掛け溝80−4の幅寸法を大きくすると、巻掛け体200−4が撓み易くなる(巻掛け体200−4の中央部分が中心軸L1−4方向に撓み易い)が、多数のスライド体60−4を設置してこれを支持するように構成しているので、巻掛け体200−4が撓みにくくなり、これによっても高トルク伝導に対応することができる。
上記説明では、スライド体60−4の本体部61−4を電磁石としたが、電磁石を用いないで、通常の摩擦式の動力伝達機構として構成しても良い。
図8は上記図1に示す変速機1−1の一応用例を示す概略図である。この応用例の場合、一対の同一構造の変速機1−1に巻掛けた巻掛け体200の中間位置に、テンションを与えると共に、両プーリー10への巻掛け体200の巻掛け角度範囲(この例の場合180°以上)を維持するために、プーリー110を設置している。プーリー110は巻掛け体200に弾接し、また弾接したまま巻掛け体200に接近・離間する方向に移動することで弾接力を一定にしている。
図9は上記図1に示す変速機1−1を自転車の動力伝達機構に応用した応用例を示す概略図である。この応用例の場合、一対の同一構造(但し外径寸法の異なる)の変速機1−1に巻掛けた巻掛け体200の中間位置に、テンションを与えると共に、両プーリー10への巻掛け体200の巻掛け角度範囲(この例の場合180°以上)を維持するために、プーリー群120を設置している。プーリー群120は巻掛け体200を常に一定の力で緊張させる。
図10は上記図1に示す変速機1−1をチェーンブロックの動力伝達機構に応用した応用例を示す概略図である。この応用例の場合、1つの変速機1−1に巻掛けた巻掛け体200をハンドチェーンとして用いている。スライド体60の半径方向の位置を変更することで、巻掛け体200を駆動する力を無段階に変更することができる。
図11は、本発明に用いるスライド体60−5の他の例を示す斜視図である。このスライド体60−5において、前記図2に示すスライド体60と相違する点は、両スライド部65−5のそれぞれ外表面77−5にボール79−5(一方のみ図示する)を取り付けた点である。ボール79−5を設置することで、回転体の傾斜面との接触面での摩擦を軽減でき、よりスムーズなスライド体60−5の移動を可能とする。ボール79−5の代りに、ローラ等、他の摩擦低減手段を用いても良い。また両スライド部65−5のそれぞれ内表面81−5に摩擦低減手段を取り付けても良い。
図13は、本発明に用いる巻掛け体200−6の他の例を示す斜視図である。この巻掛け体200−6において、前記図1に示す巻掛け体200と相違する点は、両回転体20−6,40−6の対向面に当接する巻掛け体200−6の一対の当接面201−6にボール203−6を取り付けた点である。ボール203−6を設置することで、回転体20−6,40−6の対向面との当接面での摩擦を軽減でき、よりスムーズな変速を可能とする。従来のVベルト巻掛け機構では、前記巻掛け体と回転体の当接面との間は、動力を伝達するために高摩擦であることが求められたが、本発明においては、歯などの動力伝達部を用いて動力を伝達するので、前記高摩擦は必要とされず、逆にスムーズな変速動作の妨げになる。ボール203−6の代りに、ローラ等、他の摩擦軽減手段を用いても良い。
本発明に係る変速機の応用例としては、上記各例に限定されず、例えば、工作機器、運搬機器、さらには自動車、オートバイ等にも利用可能である。また例えば、前記歯を具備するスライド体を用いた変速機構と、前記電磁石を具備するスライド体を用いた変速機構とをそれぞれ1系統ずつ2系統設け、これらを状況に応じて切り換えるように構成しても良い。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
1(1−1〜1−4) 変速機
10 プーリー
L 回転軸
20 回転体
25 傾斜面
27 レール部
40 回転体
45 傾斜面
47 レール部
60 スライド体
63 歯(動力伝達部)
65 スライド部
80 巻掛け溝
90 移動手段
100 制御手段
200 巻掛け体

Claims (3)

  1. 可撓性を有する巻掛け体と、
    一対の回転体の間に前記巻掛け体を巻掛ける巻掛け溝を設けてなるプーリーと、
    前記一対の回転体を相対的に回転軸方向に移動して巻掛け溝幅を変更させる移動手段と、
    前記巻掛け溝内に設置され、前記巻掛け溝幅の変更に応じて半径方向の位置を変更するスライド体と、を具備し、
    前記スライド体は一対のみであって、回転方向に180度対向する位置に配置され、
    且つ両スライド体は何れも、板状の本体部と、前記本体部の上端辺中央から上方向に向かって突出して前記巻掛け体を係止して荷重を受ける歯とを有し、これら本体部と歯とを一体に固定して構成し、
    前記両回転体の対向面は、中央に向かって前記巻掛け溝幅を狭くする傾斜面で構成され、一方前記巻掛け体の左右両側面は対向する前記回転体の傾斜面に当接して巻掛け溝内に保持され、
    前記巻掛け体は、前記プーリーに対して180°以上の巻掛け角度で巻掛けられ、
    前記巻掛け体が一方のスライド体のみに係止されている際に、前記移動手段によって前記巻掛け溝幅を変更させることで、前記スライド体の半径方向の位置を変更して変速を行う制御手段を有することを特徴とする変速機。
  2. 請求項1に記載の変速機であって、
    前記両回転体の対向面には、半径方向に向かって延び、前記スライド体の両側に設けたスライド部をそれぞれスライド自在に挿入するレール部を形成したことを特徴とする変速機。
  3. 請求項1又は2に記載の変速機であって、
    前記両回転体の対向面に当接する前記巻掛け体の当接面に、摩擦軽減手段を設けたことを特徴とする変速機。
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