JP6067450B2 - 蒸気タービン発電プラント - Google Patents

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Description

本発明は蒸気タービン発電プラントに関する。
風力発電や太陽光発電に代表される再生可能エネルギーの電力系統への接続により、系統電力の不安定化を抑制すべく蒸気タービン発電プラントの起動時間の更なる短縮が求められている。しかし、蒸気タービンの起動時には蒸気の温度や流量が急激に上昇する結果、タービンロータの表面が内部に比較して急激に昇温し、半径方向の温度勾配が大きくなって熱応力が増大する。過大な熱応力はタービンロータの寿命を縮め得る。また、蒸気の温度変化が大きい場合、タービンロータとケーシングの間に熱容量の違いによる熱伸び差が生じる。この熱伸び差が大きくなると、回転するタービンロータと静止するケーシングが接触し損傷し得る。そのため、蒸気タービンはタービンロータの熱応力やケーシングとの熱伸び差が制限値を超えないように起動制御する必要がある(特許文献1−3等参照)。
特許4208397号 特許4723884号 特開2009−281248号公報
蒸気の状態量が変化した場合、蒸気タービンのロータやケーシング等には熱応力や熱伸び差等の複数の熱影響量に変化が生じる。ところが、熱影響量の種類によって蒸気状態量の変化に対する応答遅延時間が異なり、例えば熱伸び差と比較して熱応力の応答遅延時間は短い。そのため、熱応力の予測値に基づいてプラントを制御する場合、熱伸び差が遅れて変化して制限値を超過し得る。反対に熱伸び差の予測値に基づいてプラントを制御する場合、現在時刻に対してより長い時間だけ進んだ未来時刻の値を予測する必要があるため予測精度が低下する。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、複数の熱影響量を精度良く先行制御して効率的に起動することができる蒸気タービン発電プラントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、熱源媒体で低温流体を加熱して高温流体を生成する熱源装置と、前記熱源装置で生成した高温流体により蒸気を発生させる蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置で発生した蒸気で駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転動力を電力に変換する発電機と、プラント負荷を調整する調整装置と、前記蒸気タービンにおける蒸気状態量の変化による熱影響量を予測して当該予測値を基に前記調整装置を制御する蒸気タービン起動制御装置とを備え、前記蒸気タービン起動制御装置が、蒸気状態量の変化に対する応答遅延時間が短い基礎的熱影響量について前記基礎的熱影響量用の予測期間分の値を前記調整装置の操作量を基に計算する基礎的熱影響量予測装置と、前記基礎的影響量予測装置で計算した予測値が対応する制限値を超えないように前記調整装置の基準目標操作量を計算する基準目標操作量計算装置と、前記基礎的熱影響量よりも応答遅延時間が長い他の熱影響量について前記他の熱影響量用の予測期間分の値を当該予測期間分の前記基準目標操作量に基づいて計算する他の熱影響量予測装置と、前記他の熱影響量予測装置で計算した予測値が対応する制限値を超えないように前記調整装置の他の目標操作量を計算する他の目標操作量計算装置と、前記基準目標操作量と前記他の目標操作量から選択された値に従って前記調整装置に指令値を出力する制御信号出力装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、複数の熱影響量を精度良く先行制御して効率的に起動することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る蒸気タービン発電プラントの概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る蒸気タービン発電プラントの起動制御手順を表すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る蒸気タービン発電プラントの起動制御手順の補足説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る蒸気タービン発電プラントの概略構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る蒸気タービン発電プラントの起動制御手順を表すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る蒸気タービン発電プラントの概略構成図である。
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
1.蒸気タービン発電プラント
図1は本発明の第1の実施の形態に係る蒸気タービン発電プラントの概略構成図である。
同図に示した蒸気タービン発電プラントは、熱源装置1、蒸気発生装置2、蒸気タービン3、発電機4、熱源媒体調整装置12、低温流体調整装置14、蒸気タービン起動制御装置31を備えている。本実施の形態では、熱源装置1がガスタービンである場合(つまり蒸気タービン発電プラントがコンバインドサイクル発電プラントである場合)を例に挙げて説明する。
熱源装置1では、熱源媒体(本例ではガス燃料、液体燃料、水素含有燃料等の燃料)に保有される熱量により低温流体(本例では燃料とともに燃焼される空気)が加熱され、高温流体(本例ではガスタービンを駆動した燃焼ガス)として蒸気発生装置2に供給される。蒸気発生装置2(本例では排熱回収ボイラ)では、熱源装置1で生成した高温流体の保有熱との熱交換器により給水が加熱されて蒸気が発生する。そして、蒸気発生装置2で発生した蒸気によって蒸気タービン3が駆動する。蒸気タービン3には発電機4が同軸に連結されていて、蒸気タービン3の回転駆動力が発電機4により電力に変換される。発電機4の発電出力は、例えば電力系統(不図示)に出力される。
熱源媒体量調整装置12(本例では燃料調整弁)は、熱源装置1に対する熱源媒体の供給経路に設けられていて、この熱源媒体量調整装置12によって熱源装置1に供給する熱源媒体量が調整される。低温流体量調整装置14(本例ではIGV)は、熱源装置1に対する低温流体の供給経路に設けられていて、この低温流体量調整装置14によって熱源装置1に供給する低温流体量が調整される。調整装置12,14は蒸気タービン発電プラントのプラント負荷を調整する調整装置として機能する。これら調整装置12,14には操作量計測器11,13がそれぞれ備えられていて、操作量計測器11,13によって調整装置12,14の操作量(本例では弁開度)が計測される。操作量計測器11,13で計測された調整装置12,14の操作量は、蒸気タービン起動制御装置31に入力される。
また、蒸気発生装置2と蒸気タービン3とを接続する主蒸気配管には、蒸気タービン3に供給する蒸気流量を調整する主蒸気加減弁15が設けてある。主蒸気配管からは、蒸気発生装置2で発生した蒸気の一部を他系統へ排出するバイパス系統が分岐している。バイパス系統の分岐位置は蒸気発生装置2と主蒸気加減弁15の間である。このバイパス系統には、バイパス流量を調整するためのバイパス弁16が設けてある。また、主蒸気配管におけるバイパス系統の分岐位置よりも下流側(蒸気タービン3側)の位置には圧力計17及び温度計18が設けてある。圧力計17及び温度計18は、主蒸気配管を流れる主流蒸気の圧力及び温度をそれぞれ計測して蒸気タービン起動制御装置31に出力する。なお、主蒸気加減弁15及びバイパス弁16も蒸気タービン発電プラントのプラント負荷を調整する調整装置として機能し得る。
2.蒸気タービン起動制御装置
蒸気タービン起動制御装置31は、蒸気タービン3における蒸気状態量の変化による熱影響量を予測して当該予測値を基に調整装置12,14を制御するものである。この蒸気タービン起動制御装置31は、操作量記憶装置19、状態量記憶装置20、基礎的熱影響量予測装置32、基準目標操作量設定装置33、基準目標操作量代入装置34、他の熱影響量予測装置35a,35b、他の目標操作量設定装置36a,36b、目標操作量決定装置39及び制御信号出力装置40−43の各要素を含んでいる。各要素について次に順次説明していく。
(1)操作量記憶装置
操作量記憶装置19は、操作量計測器11,12で計測された調整装置12,14の操作量を入力して時刻情報とともに時系列的に記憶する。
(2)状態量記憶装置
状態量記憶装置20は、圧力計17及び温度計18で計測された主流蒸気の圧力及び温度を入力して時刻情報とともに時系列的に記憶する。
(3)基礎的熱影響量予測装置
基礎的熱影響量予測装置32では、蒸気タービン発電プラントの起動運転時において、操作量記憶装置19から読み出した調整装置12,14の操作量の計測値、及び状態量記憶装置20か読み出した主流蒸気の圧力及び温度の計測値を入力する。そして、調整装置12,14の操作量を基にして蒸気タービン3の熱影響量について現在時刻から設定期間が経過した未来の値を予測し、予測値を基準目標操作量設定装置33(本例ではガスタービン制御装置)に出力する。また、主流蒸気の圧力及び温度の計測値を基にして現在の熱影響量を計算し、同様にして基準目標操作量設定装置33に出力する。
上記の設定期間とは、最大予測期間(後述)かそれよりも長くとった期間をいう。また、熱影響量とは、起動運転時に蒸気タービン3のタービンロータにかかる熱応力や、タービンロータ及びこれを収容するケーシングの軸方向の熱伸び差等、起動時の蒸気温度や蒸気圧力等の急激な上昇により蒸気タービン3に現れる状態量変化をいう。以下、単に「熱応力」といった場合にはタービンロータに係る熱応力をいい、単に「熱伸び差」といった場合にはタービンロータ及びケーシングの軸方向の熱伸び差をいう。また、上記の予測期間とは、調整装置12,14、主蒸気加減弁15及びバイパス弁16を制御して主流蒸気の蒸気条件に変化を与えてから蒸気タービン3の熱影響量が変化するまでの応答遅延時間を包含する時間であって応答遅延時間かそれよりも長めに設定した時間である。予測期間は熱影響量の種類で異なる。例えば、伝熱遅れ等によって熱応力が変化し始める所要時間は、伝熱遅れ等によって熱伸び差が生じ始める所要時間より短い。
基礎的熱影響量予測装置32では、蒸気タービン起動制御装置31が予測対象とする熱影響量のうち最も応答遅延時間の短いものを予測対象とする。以下、基礎的熱影響量予測装置32で予測計算する熱影響量を「基礎的熱影響量」といい、本実施の形態では熱応力を基礎的熱影響量とする場合を例示する。また、基礎的熱影響量の予測用に設定した予測期間を「基準予測期間」と呼ぶが、蒸気タービン起動制御装置31が予測対象とする熱影響量のうち基礎的熱影響量は応答遅延時間が最短であるため、各熱影響量の予測期間の中で基準予測期間は最短である。
基礎的熱影響量予測装置32による熱応力の計算手順は次のA1−A4の通りである。
・手順A1
調整装置12,14の操作量は、熱源装置1への熱源媒体と低温流体の供給量に対応するため熱源装置1の熱的負荷状態に密接に関連する。そこで、まず操作量計測器11,13で計測された調整装置12,14の操作量を基に、熱源装置1から蒸気発生装置2を介して蒸気タービン3に至る熱と物質の伝播過程を計算し、この計算結果を基にして設定期間後の蒸気タービン3の入口蒸気の流量、圧力、温度等のプラント状態量を計算する。予測計算に際しては、例えば現在の熱源媒体量や低温流体量の変化率(すなわち調整装置12,14、主蒸気加減弁15及びバイパス弁16の操作量の変化率)が現在時刻から設定期間後の時刻までは変化しないものと割り切って変化の想定パターンを1つに絞れば、操作量計測器11,13の計測値から設定期間後のプラント状態量を簡便に計算することができる。
このとき、操作量計測器11,13の計測値を基に予測したプラント状態量を圧力計17及び温度計18の計測値を基に補正すると予測精度がより向上する。例えば、プラントの運用に伴って蒸気圧力及び蒸気温度の予測値と計測値との間に一定の相関関係が生じ得る。予測値が計測値に対して一定の値又は割合だけ高く又は低く計算される等である。このような相関関係を関係式又はテーブルとして基礎的熱影響量予測装置32の記憶領域に格納しておき、上記手順で計算した予測値を上記相関関係に従って圧力計17及び温度計18の計測値を基に補正する。
・手順A2
次に手順A1の計算結果を基にして、蒸気タービン3の初段における圧力降下を考慮して蒸気タービン3の各段落の圧力、温度、熱伝達率等を計算する。
・手順A3
手順A2の計算結果を基にして、タービンロータへの蒸気の伝熱計算によりタービンロータの半径方向の温度分布を計算する。
・手順A4
最後に、手順A3の計算結果を基にして、線膨張率、ヤング率、ポアソン比等を用いた材料工学則により設定期間後の熱応力を計算する。
基礎的熱影響量予測装置32は、上記手順により基礎的熱影響量を所定のサンプリング周期で計算し、基準目標操作量設定装置33に逐次出力していく。
(4)基準目標操作量設定装置
基準目標操作量設定装置33では、基礎的熱影響量予測装置32から逐次入力される基礎的熱影響量の予測値及び現在値を記憶していく。そして、基礎的熱影響量予測装置32から入力した基準予測期間分の時系列データを用い、蒸気タービン発電プラントの起動過程で基礎的熱影響量がその制限値(設定値)を超えないように調整装置12,14の基準目標操作量を計算する。例えば、基準目標操作量は、基礎的熱影響量について計算した予測値(例えば基準予測期間分の時系列データのピーク値)と制限値との差分を小さくするような値として計算される。併せて、基礎的熱影響量の現在値を制限値に近付けるような主蒸気制御弁15及びバイパス弁16の基準目標操作量が計算される。ここで計算された基準目標操作量は、基準目標操作量代入装置34に出力される。なお、基準目標操作量設定装置33では、基礎的熱影響量のサンプリング周期で時間をずらして基準目標操作量が順次計算され、基準目標操作量代入装置34に逐次出力される。
(5)基準目標操作量代入装置
基準目標操作量代入装置34では、逐次入力される基準目標操作量を記憶していき、最大予測期間分の基準目標操作量が蓄積されたらその分の基準目標操作量の時系列データを他の熱影響量予測装置35a,35bに並列的に出力する。ここでいう最大予測期間とは、蒸気タービン起動制御装置31が予測対象とする熱影響量のうち最も応答遅延時間の長いものについて設定した予測期間を意味する。基礎的熱影響量予測装置32と異なり、他の熱影響量予測装置35a,35bには操作量計測器11,13で計測された調整装置12,14の操作量は入力されず、代わりに基準目標操作量設定装置33で計算された調整装置12,14の基準目標操作量が入力される。
(6)他の熱影響量予測装置
他の熱影響量予測装置35a,35bは、基礎的熱影響量以外の熱影響量のうち対象とするものについて対応する予測期間分の予測値を計算する。勿論、他の熱影響量予測装置35aで予測計算する熱影響量は基準熱影響量に比べて応答遅延時間が長く、対応する予測期間も基準予測期間に比べて長い。また、他の熱影響量予測装置35bで予測計算する熱影響量は他の熱影響量予測装置35aで予測計算する熱影響量に比べて応答遅延時間が長く、対応する予測期間もそれだけ長い。従って、蒸気タービン起動制御装置31で予測計算する熱影響量が2種類である場合、他の熱影響量予測装置35bで用いる予測期間が最大予測期間となる。但し、他の熱影響量予測装置35a,35bで予測する熱影響量の応答遅延時間の長短関係に技術的な意味はなく、逆になっても問題ない。
他の熱影響量予測装置35a,35bは、代入された最大予測期間分の基準目標操作量の時系列データ(予測期間が最大予測期間より短い場合は最大予測期間の初めの予測期間分の時系列データ)を基にして、対応する予測期間分の各熱影響量の予測値の時系列データを計算し、それぞれ他の目標操作量設定装置36a,36bに出力する。予測値の計算方法は、基礎とする操作量が計測値ではなく計算値である点を除いて基礎的熱影響量の予測計算と同様であり、熱影響量毎に公知の計算方法を適用することができる。また、基礎的熱影響量の予測値と同じように、他の熱影響量予測装置35a,35bにおいても圧力計17及び温度計18の計測値を用いて予測値を補正することができる。また、主流蒸気の圧力及び温度の計測値を基にして各熱影響量についても現在値が計算され、同様にしてそれぞれ他の目標操作量設定装置36a,36bに出力される。
例えば、他の熱影響量予測装置35aで熱伸び差を予測計算する場合、その計算手順については下記手順B1−B5の通り例示できる。
・手順B1
熱応力の計算の場合と同様に設定期間後の蒸気タービン3の入口蒸気の流量、圧力、温度等を計算する。
・手順B2
手順B1の計算結果に基づいて、タービンロータとケーシングの部位毎の圧力降下を考慮してタービンロータとケーシングの部位毎の圧力、温度、熱伝達率等を計算する。
・手順B3
手順B2の計算結果を基に、伝熱計算によりタービンロータとケーシングのタービン軸方向に分割した部位毎の温度を計算する。
・手順B4
手順B3の計算結果を基にして、タービンロータとケーシングの部位毎の軸方向への熱伸び量を計算する。
・手順B5
手順B4の計算結果を基にして、例えば線膨張率を用いた材料工学則に従ってタービンロータとケーシングの設定期間後の熱伸び差を計算する。
(7)他の目標操作量設定装置
他の目標操作量設定装置36a,36bでは、他の熱影響量予測装置35a,35bから入力された各予測期間分のデータを基に、各熱影響量の予測値を各閾値に近付けるような調整装置12,14の目標操作量をそれぞれ計算し設定する。併せて、各熱影響量について現在値を制限値に近付けるような主蒸気制御弁15及びバイパス弁16の目標操作量がそれぞれ計算される。計算方法は基準目標操作量と同様である。
(8)目標操作量決定装置
目標操作量決定装置39では、目標操作量設定装置33,36a,36bで設定した各目標操作量から各熱影響量が全て閾値を超えない条件を満足する設定を選択し、出力する目標操作量として決定をする。ここでは、例えば低値選択により目標操作量を選択する。また、図1では基準目標操作量代入装置34を介して基準目標操作量を一選択肢として目標操作量決定装置39に入力する構成を例示しているが、他の目標操作量設定装置36a,36bで計算される目標操作量は基準目標操作量を基礎として計算されているので、基礎的熱影響量が閾値を超えない条件が必然的に満たされている。したがって、基準目標操作量は目標操作量決定装置39に入力される選択肢から除外しても良い。
(9)制御信号出力装置
制御信号出力装置40−43は、基準目標操作量と他の目標操作量から選択された値に従って調整装置12,14、主蒸気加減弁15及びバイパス弁16に指令値を出力するものである。目標操作量決定装置39で選択された目標操作量のうち、熱源媒体調整装置12に対する目標操作量は制御信号出力装置40に、低温流体調整装置14に対する目標操作量は制御信号出力装置41に、主蒸気加減弁15に対する目標操作量は制御信号出力装置43に、バイパス弁16に対する目標操作量は制御信号出力装置42にそれぞれ出力される。
制御信号出力装置40では、入力した目標操作量を基に熱源媒体調整装置12に対する指令値が計算され、熱源媒体調整装置12に出力される。熱源媒体調整装置12に対する指令値は、数表化した機器特性により決定される。例えば本実施の形態では、ガスタービン負荷指令(MWD)を満たす燃料流量を基にして指令値が計算される。その結果、熱源媒体調整装置12では操作量計測器11で計測される操作量が目標操作量に近付くようにPID制御によって操作量が調整される。
一方、制御信号出力装置41では、入力した目標操作量を基に低温流体調整装置14に対する指令値が計算され、低温流体調整装置14に出力される。低温流体調整装置14に対する指令値も数表化した機器特性により決定される。例えば本実施の形態の場合には、ガスタービン回転数指令を満たす空気流量を基にして指令値が計算される。その結果、低温流体調整装置14では操作量計測器13で計測される操作量が目標操作量に近付くようにPID制御によって操作量が調整される。
制御信号出力部42,43でも同様に、入力した目標操作量を基にバイパス弁16及び主蒸気加減弁15に対する指令値が計算され、バイパス弁16及び主蒸気加減弁15にそれぞれ出力される。その結果、バイパス弁16及び主蒸気加減弁15では操作量計測器(不図示)で計測される操作量が目標操作量に近付くようにPID制御によって操作量が調整される。
3.起動制御手順
図2は蒸気タービン起動制御装置31による蒸気タービン発電プラントの起動制御手順を表すフローチャート、図3はその補足説明図である。
・工程101,S102
図2に示したように工程101,S102は、基礎的熱影響量予測装置32により実行される手順であり、基礎的熱的影響量の予測データのサンプリング手順である(図3中(i)参照)。すなわち、蒸気タービン起動制御装置31は、蒸気タービン発電プラントの起動時に同図の手順を開始し、まず基礎的熱影響量予測装置32によって設定期間後のプラント状態量を計算し、プラント状態量から設定期間後の基礎的熱影響量を予測計算する(工程S101)。また、主流蒸気の圧力及び温度の計測値を基に基礎的熱影響量の現在値も計算しておく。プラント状態量の計算手順、熱影響量の計算手順については前述した通りである。また、本実施の形態では処理を軽くするため、前述した通り現在の変化率で調整装置12,14の操作量が線型に推移する想定パターンに限定して基礎的熱影響量(本例では熱応力)を計算する。そして、基礎的熱影響量を計算したら、続いて処理開始(スタート)から基準予測期間が経過したか否かを判定し(工程S102)、基準予測期間が経過するまで工程S101,S102を繰り返し一定周期(工程S101,S102の処理周期)で基礎的熱影響量の予測値及び現在値をサンプリングしていく。
・工程103
工程S103は基準目標操作量設定装置33により実行される手順であり、基礎的熱影響量から基準目標操作量を計算し設定する手順である(図3中(ii)参照)。具体的には、基準予測期間分の基礎的熱影響量の予測値がサンプリングされたら、基準予測期間分の基礎的熱影響量の予測値(例えば時系列データのピーク値)を制限値に近付けるような調整装置12,14の目標操作量を計算し設定する。主蒸気制御弁15及びバイパス弁16の目標操作量については、基礎的熱影響量の現在値を制限値に近付けるように計算し設定する。
・工程S104,S105
工程S104,S105は基準目標操作量代入装置34により実行される手順であり、他の熱影響量の予測計算の基礎とすべく最大予測期間分の基準目標操作量の予測値を継続してサンプリングして他の熱影響量予測装置35a,35bに代入する手順である(図3中(iii)参照)。具体的には、基準目標操作量代入装置34は、処理開始(スタート)から最大予測期間が経過したか否かを判定し(工程S104)、最大予測期間分の基準目標操作量の予測値をサンプリングする。これによって、後続して入力されてくる基準目標操作量を入力済みの基準予測期間分の基準目標操作量に加えた最大予測期間分の基準目標操作量の時系列データを、熱影響量の予測計算の基礎として他の熱影響量予測装置35a,35bに出力する(工程S104)。
・工程S106a,S106b
工程S106a,S106bは他の熱影響量予測装置35a,35bにより実行される手順であり、基準目標操作量を基にして対応する熱影響量を予測計算する手順である。例えば他の熱影響量予測装置35aでは最大予測期間よりも予測期間が短いので、入力された基準目標操作量の時系列データの始めの対応予測期間分の値を基にして対応予測期間分の熱影響量の予測値の時系列データを計算する(図3中(iv)参照)。他の熱影響量予測装置35bでは予測移時間が最大予測期間に等しいので、入力された全期間分の基準目標操作量の値を基にして最大予測期間分の熱影響量の予測値の時系列データを計算する。熱影響量の予測計算方法は前述した通りである。また、主流蒸気の圧力及び温度の計測値を基に現在値も計算しておく。
・工程S107a,S107b
工程S107a,S107bは他の目標操作量設定装置36a,36bにより実行される手順であり、対応する熱影響量の予測値の時系列データを基にしてそれぞれの熱影響量の予測値が制限値に近付くような調整装置12,14の目標操作量を計算し設定する手順である。主蒸気制御弁15及びバイパス弁16の目標操作量についても計算し設定する。これら目標操作量の計算手順は基準目標操作量の計算手順に等しい。
・工程S108
工程S108は目標操作量決定装置39により実行される手順であり、各熱影響量の制限を満たす目標操作量を選択して制御信号出力装置40−43に出力する手順である。手順の内容は前述した通りであり、例えば他の目標操作量設定装置36a,36bで計算された両目標操作量から低値選択によって最終的な目標操作量を決定する。図2に示した手順では、基準目標操作量を選択肢に入れていないが、他の目標操作量設定装置36a,36bで計算された目標操作量は基準目標操作量を基礎として計算されているため、二者択一でも基礎的熱影響量を選択肢に入れた場合と同じ結果が得られる。
・工程S109
工程S109は制御信号出力部40−43により実行される手順であり、入力した目標操作量に従って調整装置12,14、主蒸気加減弁15及びバイパス弁16に指令値を出力する手順である。手順の内容は前述した通りである。これによって蒸気タービン3に流入する主流蒸気の温度及び流量が先行制御され、各種熱影響量がその後制限値に達することを回避することができる。
ここで、図2に示した手順を実行するプログラムは、目標操作量の決定周期で複数個が時間差で作動している。そのため、時間差で動く各プログラムにより目標操作量の決定周期で新たに調整装置12,14、主蒸気加減弁15及びバイパス弁16に対して指令値が与えられる。これにより、熱影響量の応答遅延時間以上の長さをとった予測期間分の熱影響量の予測データに基づく指令値が、予測期間よりも短い周期で調整装置12,14、主蒸気加減弁15及びバイパス弁16に与えられる。
以上の手順が繰り返し実行されることによって、蒸気発生装置2による蒸気発生量が先行制御される。
なお、本実施例では各目標操作量設定装置で決定されるプラント操作量を熱源媒体量指令値と主蒸気流量指令値としたが、どちらか一方としてもよい。
4.効果
本実施の形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)蒸気タービンの高速起動
本実施の形態によれば、蒸気発生装置2の前段の熱源装置1に対する熱源媒体量及び低温流体量の少なくとも一方を制御することにより、蒸気発生装置2による蒸気の発生量及び温度を制御することができる。例えば、熱源媒体調整装置12を操作して熱源媒体量を調整することで、主に蒸気温度を制御することができる。蒸気温度は、蒸気発生装置2に供給される高温流体の温度で変化するためである。また、低温流体調整装置14を操作して低温流体量を調整することで、主に蒸気流量を制御することができる。低温流体量を調節することによって高温流体量が調整され、蒸気発生装置2における蒸気発生量が変化するためである。
このように、熱応力や熱伸び差等の熱影響量と密接に関連する物理量である蒸気の流量及び温度の双方が調整できるので、蒸気タービン3の状態に応じて蒸気流量及び蒸気温度を柔軟に制御し、適正な方法で蒸気タービン3を高速起動させることができる。
また、蒸気発生量自体を増加させることができるので、例えば主蒸気加減弁15のみで主流蒸気の流量を制御する場合に比べ、蒸気発生量自体を増減させることができるので蒸気条件の調整代が広い。これも高速起動に寄与し得る。
(2)エネルギー損失の抑制
本実施の形態では蒸気発生装置2における蒸気発生量自体を調整することができるので、運転状況に応じて柔軟に蒸気温度や蒸気発生量を制御することができる。そのため、特に必要でなければパイパス弁16を介して既に発生した蒸気の余剰分を他系統に排出する必要がなく、それだけエネルギー損失を抑制することができる。
(3)先行制御の精度向上
複数の熱影響量に対してそれぞれ応答遅延時間に応じた予測期間を設定し、各予測期間分の熱影響量を基に目標操作量が決定される。その後の各熱影響量の変化を見越して操作量を決定することができるので、蒸気タービンの起動運転時に問題となる複数の熱影響量について、応答遅延時間の長い熱影響量を含めて先行制御の精度を向上させることができる。特に、複数の熱影響量のうち応答遅延時間が最短の基礎的熱影響量について予測計算し、比較的高い計算精度が期待できる基準目標操作量を基礎として、応答遅延時間の長い熱影響量について予測計算することによって、応答遅延時間の長い熱影響量についても高精度に予測計算することができる。
(4)調整装置12,14による熱源装置1の制御と主蒸気加減弁15の制御を連携することで、熱影響量の目標値への追従性をより向上させることができる。例えば調整装置12,14による熱源装置1の制御のみでも、上記制御態様によれば制限値を満たすように熱影響量を制御することはできる。しかし、プラント運転条件や機器の状態により外乱が生じた場合には熱影響量の制御精度が低下し得る。それに対し、本実施の形態では、熱影響量の予測値が制限値に近付くように調整装置12,14の目標操作量を決定する一方で、現在の熱影響量の計算値が制限値に近付くように主蒸気加減弁15の目標操作量を決定する。このように、予測値に基づく熱源装置1の先行制御に現在値に基づく主蒸気弁15の制御を加えることで、熱影響量の目標値への追従性を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
図4は本発明の第2の実施の形態に係る蒸気タービン発電プラントの概略構成図である。第1の実施の形態と同様の部分については同図において既出図面と同符号を付して説明を省略する。
同図に示したように、本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、基礎的熱影響量を複数種選択し、複数の基礎的熱影響量について基礎的熱影響量予測装置及び基準目標操作量計算装置を各一組備えている点である。具体的には、本実施の形態における蒸気タービン起動制御装置31には、基礎的熱影響量予測装置32a,32b及び基準目標操作量計算装置33a,33bが備わっている。基礎的熱影響量予測装置32a,32bでは調整装置12,14の操作量からそれぞれ対象とする熱影響量が予測計算され、基準目標操作量計算装置33a,33bではそれぞれ基礎的熱影響量予測装置32a,32bで計算された予測値から調整装置12,14の基準目標操作量が計算される。また、対象とする熱影響量の現在値から主蒸気加減弁15及びバイパス弁16の基準目標操作量が計算される。これらの計算方法は第1の実施の形態における基準目標操作量の計算方法と同様である。
そして、本実施の形態では、基準目標操作量計算装置33a,33bで計算された種類の異なる基礎的熱影響量に係る複数の基準目標操作量を基準目標操作量代入装置34に入力し、一の目標操作量を選択する。選択方法は例えば低値選択である。そして、選択した基準目標操作量の最大予測期間分の時系列データを他の熱影響量予測装置35a,35bに出力する。
ここで、基礎的熱影響量予測装置32a,32bで予測する熱影響量が他の熱影響量予測装置35a,35bで予測する熱影響量よりも応答遅延時間が短い点は第1の実施の形態と同様である。すなわち、複数の基礎的熱影響量予測装置32a,32bで予測する熱影響量のうち応答遅延時間が最も長い熱影響量は、複数の他の熱影響量予測装置35a,35bで予測する熱影響量のうち応答遅延時間が最も短い熱影響量よりも応答遅延時間が短い。
他の構成は第1の実施の形態と同様である。
図5は本実施の形態の蒸気タービン起動制御装置31による蒸気タービン発電プラントの起動制御手順を表すフローチャートである。
同図に示したように、本実施の形態では、処理開始(スタート)後、複数の熱影響量に関する対応する予測期間分の予測計算(工程S101a,S101b,S102a,S102b)、及び調整装置12,14の基準目標操作量の設定(工程S103a,S103b)が、基礎的熱影響量予測装置32a,32b及び基準目標操作量計算装置33a,33bによって並列的に実行される。工程S101a−S103aの手順、及び工程S101b−S103bの手順は、第1の実施の形態における工程S101−S103(図2参照)とそれぞれ同様の手順である。そして、主蒸気加減弁15及びバイパス弁16の基準目標操作量を合わせてそれぞれ最大予測期間分の値がサンプリングされたら(工程S104)、基準目標操作量代入装置34でいずれかの基準目標操作量が選択されて他の熱影響量予測装置35a,35bに出力される(工程S105)。以降の工程S106−S109は第1の実施の形態(図2参照)と同様である。
このように、応答遅延時間の最も短い(他の熱影響量に比べて短い)一群の熱影響量を基礎的熱影響量として、それぞれ計算された基準目標操作量から適当な一の目標操作量を選択することにより基準操作量の妥当性が向上し、これを基礎として他の熱影響量を予測することにより、熱影響量の制御の精度をより向上させることができる。
(第3の実施の形態)
図6は本発明の第3の実施の形態に係る蒸気タービン発電プラントの概略構成図である。説明済みの実施の形態と同様の部分については同図において既出図面と同符号を付して説明を省略する。
本実施の形態が前に説明した各実施の形態と相違する点は、現実の蒸気タービン発電プラントではなく、蒸気タービン発電プラントの特性を模擬したプラントシミュレータ46に蒸気タービン起動制御装置31を接続した点である。蒸気タービン起動制御装置31は第1の実施の形態と同様とするが、第2の実施の形態のものを適用しても良い。
本実施の形態では、プラントシミュレータ46によって、蒸気タービン起動制御装置31との間で信号を授受して蒸気タービン起動制御装置31で計算された起動運転期間分の調整装置12,14に対する指令値をサンプリングする。具体的には、蒸気タービン起動制御装置31から出力された調整装置12,14、主蒸気加減弁15及びバイパス弁16(いずれも図1参照)を想定した仮想の調整装置に対する各指令値がプラントシミュレータ46に入力される。プラントシミュレータ46は、熱力学や伝熱の式、流体力学の式等を組み合わせて構築されたプログラムである。蒸気タービン起動制御装置31に対しては、プラントシミュレータ46で計算された調整装置12,14の少なくとも一方に相当する仮想の調整装置の操作量が、計算された主流蒸気の圧力及び温度の少なくとも一方とともに入力される。信号を授受する相手がプラントシミュレータ46である点を除き、蒸気タービン起動制御装置31の構成や制御手順は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、このようにして計算した各指令値の経時データを蒸気タービンの起動運転の開始から完了までの期間にわたって蓄積することで、蓄積したデータを基にして実際の蒸気タービン発電プラントの計画起動曲線を作成することができる。作成した計画起動曲線の値を指令値として、実際の蒸気タービン発電プラントを運用することもできる。
(その他)
以上の各実施の形態においては、他の熱影響量を2種類設定した場合を例示したが、他の熱影響量を1種類又は3種類以上にすることもできる。同様に、基礎的熱影響量を1種類又は2種類設定した場合を例示したが、基礎的熱影響量を3種類以上にすることもできる。応答遅延時間の長短の関係さえ満足していれば、基礎的熱影響量と他の熱影響量の分類数は任意に設定できる。
また、主流蒸気の状態量を計測する装置として圧力計17及び温度計18を設けた場合を例に挙げて説明したが、計算方法によって熱影響量の計算や補正に双方の値を必要としない場合には、圧力計17又は温度計18を省略することができる。
また、コンバインドサイクル発電プラントに発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、汽力発電プラント、太陽熱発電プラントに代表される蒸気タービンを包含する発電プラントの全てに本発明は適用可能である。プラントの起動手順は同様である。
例えば、汽力発電プラントに本発明を適用した場合、熱源媒体には石炭や天然ガス、低温流体には空気や酸素、調整装置12,14には燃料調整弁、熱源装置1にはボイラ中の火炉、高温流体には燃焼ガス、蒸気発生装置2にはボイラ中の伝熱部(蒸気発生部)、基準目標操作量設定装置33にはボイラ負荷制御装置が対応する。
太陽熱発電プラントに本発明を適用した場合、熱源媒体には太陽光、熱源媒体調整装置12には集熱パネルの駆動装置、熱源装置1には集熱パネル、操作量計測器11には集熱パネルの向きや角度の計測器、低温流体及び高温流体には油や高温溶媒塩等の太陽熱エネルギーを変換して保有する媒体、低温流体調整装置14には油流量調整弁、基準目標操作量設定装置33には集熱量制御装置が相当する。
また、予測計算装置32に入力された上述の蒸気圧力・蒸気温度・燃料流量を、蒸気圧力あるいは蒸気温度のみとして熱応力の予測計算を実施してもよい。
更に、プラント状態量としては、蒸気タービン3に流入する蒸気(入口蒸気)の温度、圧力及び流量の他、出口蒸気の圧力、温度及び流量等を含めることもできる。プラント状態量の情報の種類を増やすことによって熱影響量の予測精度が向上し得る。また、熱影響量の予測計算に用いる調整装置12,14の操作量には操作量計測器11,13の計測値を用いたが、調整装置12,14に出力する指令値を用いることも考えられる。
1 熱源装置
2 蒸気発生装置
3 蒸気タービン
4 発電機
12 熱源媒体量調整装置
14 低温流体量調整装置
15 主蒸気加減弁(調整装置)
31 蒸気タービン起動制御装置
32,32a,32b 基礎的熱影響量予測装置
33,33a,33b 基準目標操作量計算装置
35a,35b 他の熱影響量予測装置
36a,36b 他の目標操作量計算装置
40−43 制御信号出力装置
46 プラントシミュレータ

Claims (5)

  1. 熱源媒体で低温流体を加熱して高温流体を生成する熱源装置と、
    前記熱源装置で生成した高温流体により蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    前記蒸気発生装置で発生した蒸気で駆動する蒸気タービンと、
    前記蒸気タービンの回転動力を電力に変換する発電機と、
    プラント負荷を調整する調整装置と、
    前記蒸気タービンにおける蒸気状態量の変化による熱影響量を予測して当該予測値を基に前記調整装置を制御する蒸気タービン起動制御装置とを備え、
    前記蒸気タービン起動制御装置が、
    蒸気状態量の変化に対する応答遅延時間が短い基礎的熱影響量について前記基礎的熱影響量用の予測期間分の値を前記調整装置の操作量を基に計算する基礎的熱影響量予測装置と、
    前記基礎的影響量予測装置で計算した予測値が対応する制限値を超えないように前記調整装置の基準目標操作量を計算する基準目標操作量計算装置と、
    前記基礎的熱影響量よりも応答遅延時間が長い他の熱影響量について前記他の熱影響量用の予測期間分の値を当該予測期間分の前記基準目標操作量に基づいて計算する他の熱影響量予測装置と、
    前記他の熱影響量予測装置で計算した予測値が対応する制限値を超えないように前記調整装置の他の目標操作量を計算する他の目標操作量計算装置と、
    前記基準目標操作量と前記他の目標操作量から選択された値に従って前記調整装置に指令値を出力する制御信号出力装置と
    を備えたことを特徴とする蒸気タービン発電プラント。
  2. 請求項1の蒸気タービン発電プラントにおいて、
    前記熱源装置に供給する熱源媒体量を調整する熱源媒体量調整装置と、
    前記蒸気タービンに供給する主流蒸気の流量を調整する主蒸気加減弁と
    を前記調整装置に含み、
    前記熱影響量の予測値が対応する制限値に近付くように前記熱媒体量調整装置を制御し、
    前記熱影響量の現在値が対応する制限値に近付くように前記主蒸気加減弁を制御する
    ことを特徴とする蒸気タービン発電プラント。
  3. 請求項1又は2の発電プラントにおいて、
    前記他の熱影響量を複数種選択し、前記複数の他の熱影響量について前記他の熱影響量予測装置及び前記他の目標操作量計算装置を各一組備えていることを特徴とする蒸気タービン発電プラント。
  4. 請求項3の発電プラントにおいて、
    前記基礎的熱影響量を複数種選択し、前記複数の基礎的熱影響量について前記基礎的熱影響量予測装置及び前記基準目標操作量計算装置を各一組備えていることを特徴とする蒸気タービン発電プラント。
  5. 請求項1の蒸気タービン起動制御装置と、
    前記蒸気タービン発電プラントの特性を模擬したプラントシミュレータであって、前記蒸気タービン起動制御装置との間で信号を授受して前記蒸気タービン起動制御装置で計算された起動運転期間分の前記調整装置に対する指令値をサンプリングするプラントシミュレータと
    を備えたことを特徴とする計画起動曲線策定システム。
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