JP6066451B2 - 生体情報検出装置及び生体情報検出方法、生体情報検出プログラム - Google Patents

生体情報検出装置及び生体情報検出方法、生体情報検出プログラム Download PDF

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本発明は、生体情報検出装置及び生体情報検出方法、生体情報検出プログラムに関し、特に、運動時に人体に装着して脈拍を測定する脈拍測定機能を備えた生体情報検出装置及び生体情報検出方法、生体情報検出プログラムに関する。
近年、健康志向の高まりにより、日常的にランニングやウォーキング、サイクリング等の運動を行って健康状態を維持、増進する人々が増えている。このような人々の間では、自らの健康状態や運動状態の把握ために種々の生体情報を計測したり、記録したりすることが行われている。人体の状態を把握するための生体情報としては種々の生理指標があるが、その一つとして、例えば1分間の心臓の鼓動数である心拍数がよく知られている。心拍数の計測方法としては、一般に心電図方式が知られているが、この方式においては、胸部に複数の電極を取り付ける必要があるため、日常生活や運動時の行動を制約したり、電極の取り付けが煩雑であったりして、測定機器の利用者(ユーザ)に多くの負担を与える場合がある。そのため、今日においては、より簡便に計測を行うことができる生理指標として、心拍に替えて脈拍を計測する手法がよく利用されている。
脈拍の計測手法としては、例えば光電脈波法(又は、光学式脈波検出法)が知られている。光電脈波法の原理は、概略、血液中のヘモグロビンの光吸収特性を利用して脈波に対応する観測信号を検出するというものである。すなわち、脈波は、心拍によって起きる動脈内の圧力変化が末梢動脈に波動として伝わったものであり、赤外線等の光を、皮膚を透過させて末梢動脈中の血液に照射し、その血液により散乱された光による反射光の強度の時間的な変化を観測信号として計測することによって、末梢動脈の血流の波動的な流量変化を示す脈波を検出することができる。このような光電脈波法によれば、指や耳朶、手首等から脈波を取得し、それに基づいて脈拍を簡易に求めることができる。
しかしながら、血流は日常生活時や運動時の人体の動作に伴って変化するため、光電脈波法ではこの血流変化(体動ノイズ)の影響を大きく受けてしまい、観測信号にこの体動ノイズが混入するという問題を有している。これに対し、従来、脈波信号と体動ノイズが混合した観測信号から脈波信号を得る方法の一つとして、例えば特許文献1に記載されているように、体動ノイズを加速度計で取得される加速度信号とみなし、観測信号と加速度信号との差分信号を脈波信号とする手法が知られている。
特開2003−102694号公報
上述したような観測信号から脈波信号を取得する手法においては、加速度信号が体動ノイズに等しいとみなして信号処理しているため、比較的簡易な信号処理により脈波信号を取得することができる。しかしながら、本願発明者の検証によれば、脈波を観測する部位が異なると、観測信号に含まれる体動ノイズも異なることが分かったが、上記のような手法ではこのような点について何ら考慮されておらず、そのため、正確な脈波信号を検出することができていなかった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、脈波信号を含みユーザの動作に伴うノイズ成分ができるだけ少ない観測信号を取得して、正確な脈拍数を計測することができる生体情報検出装置及び生体情報検出方法、生体情報検出プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る生体情報検出装置は、
利用者の互いに異なる複数の観測部位の各々の脈波に基づいて検出される観測信号を出力する検出部と、
情報が記録される記録部と、
前記記録部に記録されている前記情報と前記観測信号とに基づいて前記利用者の脈拍数を算出する信号処理部と、
を備え、
前記信号処理部は、
前記利用者の前記脈拍数の算出を行う前に、前記利用者予め設定した複数の動作状態の各々にあるときに、前記検出部が出力する前記観測信号を取得し、前記複数の動作状態の各々において、前記複数の観測部位に対する複数の前記観測信号の信号波形、脈波が前記観測信号に反映されている度合いを表していると推定される特定の指標相対的に評価し、前記各観測部位に関連付けた、前記複数の動作状態の各々における前記評価の結果を前記情報として前記記録部に記録させ
前記利用者の前記脈拍数の算出を行うときに、前記複数の観測部位の何れかに対する前記観測信号に基づいて、前記利用者の状態が前記複数の動作状態の何れに対応するかを判別前記利用者の状態が前記複数の動作状態のうちの特定の動作状態に対応すると判別したとき、前記記録部に記録されている前記情報における前記特定の動作状態での前記評価の結果と前記各観測部位との関係に基づき、前記複数の観測部位のなかで、前記特定の動作状態において、前記観測信号に前記脈波が相対的に良好に反映されると推定される1つの前記観測部位を特定の観測部位として選択
前記検出部が前記特定の観測部位に対して出力する前記観測信号を特定の観測信号として取得し、該特定の観測信号に基づいて前記脈拍数を算出する、
ことを特徴とする。
本発明に係る生体情報検出方法は、
利用者の脈拍数の算出を行う前に、前記利用者予め設定した複数の動作状態の各々にあるときに、当該利用者の互いに異なる複数の観測部位の各々で脈波に基づく観測信号を取得し、
前記複数の動作状態の各々において、前記複数の観測部位に対する複数の前記観測信号の信号波形を、脈波が前記観測信号に反映されている度合いを表していると推定される特定の指標相対的に評価し、前記各観測部位に関連付けた、前記複数の動作状態の各々における前記評価の結果を情報として記録部に記録し、
前記利用者の前記脈拍数の算出を行うときに、前記複数の観測部位の何れかに対する前記観測信号に基づいて前記利用者の状態が前記複数の動作状態の何れに対応するかを判別し、
当該利用者の状態が特定の動作状態に対応すると判別したとき、前記記録部に記録された前記情報における前記特定の動作状態での前記評価の結果と前記各観測部位との関係に基づき、前記複数の観測部位のなかで、前記特定の動作状態において、前記観測信号に前記脈波が相対的に良好に反映されると推定される1つの前記観測部位を特定の観測部位として選択し、
前記特定の観測部位に対する前記観測信号を特定の観測信号として取得し、該特定の観測信号に基づいて前記脈拍数を計算する、
ことを特徴とする。
本発明に係る生体情報検出プログラムは、
コンピュータに、
利用者の脈拍数の算出を行う前に、前記利用者予め設定した複数の動作状態の各々にあるときに、当該利用者の互いに異なる複数の観測部位の各々で脈波に基づく観測信号を取得させ、
前記複数の動作状態の各々において、前記複数の観測部位に対する複数の前記観測信号の信号波形を、脈波が前記観測信号に反映されている度合いを表していると推定される特定の指標相対的に評価させ、前記各観測部位に関連付けた、前記複数の動作状態の各々における前記評価の結果を情報として記録部に記録させ、
前記利用者の前記脈拍数の算出を行うときに、前記複数の観測部位の何れかに対する前記観測信号に基づいて前記利用者の状態が前記複数の動作状態の何れに対応するかを判別させ、
当該利用者の状態が特定の動作状態に対応すると判別したとき、前記記録部に記録させた前記情報における前記特定の動作状態での前記評価の結果と前記各観測部位との関係に基づき、前記複数の観測部位のなかで、前記特定の動作状態において、前記観測信号に前記脈波が相対的に良好に反映されると推定される1つの前記観測部位を特定の観測部位として選択させ、
前記特定の観測部位に対する前記観測信号を特定の観測信号として取得させ、該特定の観測信号に基づいて前記脈拍数を計算させる、
ことを特徴とする。
本発明によれば、脈波信号を含みユーザの動作に伴うノイズ成分ができるだけ少ない観測信号を取得して、正確な脈拍数を計測することができる。
本発明に係る生体情報検出装置の装着例及び外観構成例を示す概略図である。 本発明に係る生体情報検出装置の計測面の構成例を示す概略図である。 第1の実施形態に係る生体情報検出装置の一構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る生体情報検出装置の生体情報検出方法において実行される動作モードを示す概略フローチャートである。 第1の実施形態に係る生体情報検出方法において実行される予備測定動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る予備測定動作において実行される脈波の多点観測の一例を示す概念図である。 第1の実施形態に係る予備測定動作において取得される観測信号の信号波形の評価値の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る生体情報検出装置の生体情報検出方法において実行される通常測定動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る通常測定動作において計測される極値間隔を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る生体情報検出方法において実行される通常測定動作を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る生体情報検出方法において実行される通常測定動作の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る生体情報検出方法において実行される通常測定動作の他の例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る生体情報検出装置及び生体情報検出方法、生体情報検出プログラムについて、実施形態を示して詳しく説明する。
<第1の実施形態>
(生体情報検出装置)
図1は、本発明に係る生体情報検出装置の装着例及び外観構成例を示す概略図である。ここで、図1(a)は、本発明に係る生体情報検出装置を人体に装着した状態を示す概略図であり、図1(b)は、本発明に係る生体情報検出装置の正面及び側面を示す概略構成図である。また、図2は、本発明に係る生体情報検出装置の計測面の構成例を示す概略図である。
本発明に係る生体情報検出装置100は、例えば図1(a)に示すように、ユーザの手首等に装着する腕時計型(又は、リストバンド型)の外観形状を有している。生体情報検出装置100は、例えば図1(b)に示すように、大別して、ユーザの脈拍を計測するとともに、ユーザに所定の情報を提供する機能を備えた機器本体101と、ユーザの手首UShに巻き付けることにより、上記機器本体101を手首UShに装着して密着させるためのベルト部102と、を有している。
機器本体101の手首UShに接触する面側(図1(b)右図の、右面側)には光電脈波法により脈波を検出するための計測面が設けられ、例えば図2に示すように、計測面の所定の領域(以下、便宜的に「計測領域」と記す)MSに、複数個の発光素子E1〜E9と、複数個の受光素子R1〜R4と、が所定のパターンで二次元配列されている。
ここで、図2においては、4個の受光素子R1〜R4の各々の周囲に、9個の発光素子E1〜E9が取り囲むように配置されている。すなわち、発光素子と受光素子が複数対複数の関係で交互に配列されている。なお、計測領域MSに配列される発光素子と受光素子の個数や配置は、図2に示した配列パターンに限定されるものではなく、例えば、発光素子と受光素子が1対複数の関係、又は、複数対1の関係で配列されているものであってもよい。すなわち、本発明においては、1乃至複数個の発光素子及び1乃至複数個の受光素子のうちの、少なくともいずれか一方が複数個配置された構成を有しているものであればよい。また、発光素子と受光素子の配置は、図2に示したパターンに限定されるものではなく、複数個の発光素子の各々の周囲に、複数個の受光素子が取り囲むように配置されているものであってもよいし、任意の個数の発光素子や受光素子を、千鳥状や格子状、円弧状等、任意のパターンで交互に配列したものであってもよい。
図3は、本実施形態に係る生体情報検出装置の一構成例を示すブロック図である。
生体情報検出装置100は、具体的には、例えば図3に示すように、大別して、発光部(検出部)10と、発光制御部15と、受光部(検出部)20と、加速度計測部30と、信号増幅部40と、フィルタ部50と、メモリ部60と、脈波評価記録部(記録部)65と、信号処理部(観測信号評価部、動作状態判別部、観測部位選択部、脈拍数算出部)70と、表示部80と、操作部90と、を備えている。
発光部10は、上述した1乃至複数個の発光素子E1〜E9を有し、図2に示したように、機器本体101の手首UShに接触する面側の計測領域MSに、所定のパターンで配列されている。発光素子E1〜E9は、例えば発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)等を適用することができ、後述する発光制御部15による駆動制御に従って、所定の発光強度(又は、発光量)で可視光を発光し、手首UShの皮膚面(体表面)SFの、脈波を観測する領域(観測部位Pm)に照射する。ここで、可視光を用いる反射式の脈波検出法においては、可視光の体内における透過性が低いため、体内深部に存在する静脈や動脈の血流からの反射光の影響を受けにくく、それぞれの血管において発生する血流路長による拍動の伝搬タイムラグの影響を受けにくいという特長を有している。なお、発光素子から発光される可視光としては、例えば波長525nm前後の緑色可視光を良好に適用することができる。
発光制御部15は、後述する信号処理部70からの制御に従って、発光部10を構成する1乃至複数個の発光素子E1〜E9を、所定の点灯パターン(すなわち、所定の順序、かつ、所定の発光強度)で個別に発光させる。
受光部20は、上述した1乃至複数個の受光素子R1〜R4を有し、図2に示したように、機器本体101の計測領域MSに、所定のパターンで配列されている。受光素子R1〜R4は、例えばフォトトランジスタや照度センサ等を適用することができ、上記の1乃至複数個の発光素子E1〜E9から個別に発光され、皮膚面SFの、脈波を観測する観測部位Pmに照射されて、観測部位Pmの近傍の血管中の血液により散乱された光の一部を反射光として受光することにより、受光量に応じた出力信号(観測信号)を出力する。
加速度計測部30は、例えば3軸加速度センサを有し、ユーザの動作中に生体情報検出装置100に加わる移動速度の変化の割合(加速度)を、加速度信号として出力する。この加速度計測部30から出力される加速度信号は、3軸加速度センサを有している場合には、x軸、y軸、z軸からなる、相互に直交する3軸方向の各々に対応して出力される。
信号増幅部40は、受光部20により取得された観測信号、及び、加速度計測部30により計測された加速度信号を、後述する信号処理部70における信号処理に適した所定の信号レベルに増幅する。フィルタ部50は、信号増幅部40により増幅された上記観測信号及び加速度信号のうち、所定の周波数帯域の信号成分を通過させて、信号処理部70に供給する。
メモリ部60は、例えばデータ保存用メモリ(以下、「データメモリ」と記す)やプログラム保存用メモリ(以下、「プログラムメモリ」と記す)、作業データ保存用メモリ(以下、「作業用メモリ」と記す)を有している。
データメモリは、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを有し、ユーザの動作時や運動時に、上述した受光部20により取得された観測信号や、加速度計測部30により計測された加速度信号が所定の記憶領域に保存される。プログラムメモリは、ROM(読み出し専用メモリ)を有し、生体情報検出装置100の各構成(発光部10や受光部20、加速度計測部30、後述する表示部80や操作部90等)における所定の機能を実現するための制御プログラムや、上述した観測信号や加速度信号に基づいて、脈拍数を算出する機能を実現するためのアルゴリズムプログラムを保存する。作業用メモリは、RAM(ランダムアクセスメモリ)を有し、上記の制御プログラム及びアルゴリズムプログラムを実行する際に使用、又は、生成される各種データを一時的に保存する。なお、データメモリは、その一部又は全部が、例えばメモリカード等のリムーバブル記憶媒体としての形態を有し、生体情報検出装置100の機器本体101に対して着脱可能に構成されているものであってもよい。
脈波評価記録部65は、ユーザの脈拍を計測する通常の測定動作に先立って実行される予備測定動作により取得される脈波の評価値が、所定の記憶領域に保存(記録)される。ここで、脈波の評価値は、後述するように、上述した発光素子と受光素子の組み合わせにより規定される各観測部位における、動作状態ごとの評価値が、例えば参照テーブルのデータ形態で保存される。
信号処理部70は、CPU(中央演算装置)やMPU(マイクロプロセッサユニット)であり、上記のメモリ部60に保存された制御プログラムに従って処理を行うことにより、メモリ部60における各種データの保存や読出し動作、表示部80における各種の情報の表示動作、操作部90における入力操作の検出動作等を制御する。また、信号処理部70は、上記のメモリ部60に保存されたアルゴリズムプログラムに従って処理を行うことにより、後述する生体情報検出方法に示すように、発光部10を所定のパターンで点灯(発光)させて受光部20により取得された観測信号や、ユーザの動作状態に応じて加速度計測部30により計測された加速度信号に基づいて、脈拍数を算出する動作等を実行する。なお、信号処理部70において実行される制御プログラムやアルゴリズムプログラムは、予め信号処理部70の内部に組み込まれているものであってもよい。
表示部80は、例えばカラーやモノクロ表示が可能な液晶表示パネルや有機EL表示パネル等の表示装置を有し、少なくとも信号処理部70により算出された脈拍数を表示する。なお、表示部80は、脈拍数に加え、又は、脈拍数に替えて、脈波(脈の波形データ)や移動速度、歩数、現在時刻等を文字や数字情報、画像情報等で表示するものであってもよい。ここで、例えば、脈拍の波形データ(脈波データ)には、血流に関連する種々の情報が含まれている。すなわち、脈拍データを、例えば、健康や体調(血管の詰まりや血管年齢、緊張状態の判定等)、運動状態等を判定するための重要なパラメータとして適用して、これらに対する判定結果を特定の文字や数字情報、画像情報、発光パターン等で、表示部80に表示するものであってもよい。なお、本実施形態においては、ユーザに各種情報を提供又は通知する出力インターフェースとして、表示部80のみを示したが、これに限定されるものではなく、表示部80に加えて、例えば特定の音色や音声メッセージを発生するブザーやスピーカ等の音響部や、特定の振動パターンで振動する振動部等の、他のインターフェースを備えているものであってもよい。
操作部90は、ボタンスイッチやスライドスイッチ、キーボード、表示部80の前面に配置又は一体的に形成されたタッチパネル等を有し、生体情報検出装置100における電源のオン、オフ動作や、脈波や加速度の計測動作、表示部80における表示動作等、各種動作の選択や実行、設定値等の入力操作に用いられる。
(生体情報検出方法)
次に、上述した生体情報検出装置における生体情報検出方法について説明する。
図4は、本実施形態に係る生体情報検出装置の生体情報検出方法において実行される動作モードを示す概略フローチャートである。
上述したような構成を有する生体情報検出装置における生体情報検出方法は、図4に示すように、概略、所定の静止状態及び動作状態におけるユーザの脈波の観測信号を事前に取得するための予備測定動作(S100)と、ユーザの通常の動作時に取得した脈波の観測信号と加速度信号に基づいて、脈拍数を算出する通常測定動作(S200)と、が実行される。
(予備測定動作モード)
図5は、本実施形態に係る生体情報検出方法において実行される予備測定動作を示すフローチャートである。図6は、本実施形態に係る予備測定動作において実行される脈波の多点観測の一例を示す概念図である。図7は、本実施形態に係る予備測定動作において取得される観測信号の信号波形の評価値の一例を示す図である。
予備測定動作においては、ユーザが運動等の動作を行っていない静止状態(又は安静状態)での測定モードと、静止状態で例えば指だけを動かすような動作だけを行っている体組織運動状態での測定モードと、例えば腕を軽く振るような動作を行っている体動状態での測定モードと、の各測定モードにおいて、複数の観測部位で脈波の観測信号を取得し、それぞれの信号波形を周波数解析することにより、各観測部位における評価値を決定して記録する。
具体的には、第1の予備測定動作において、図5に示すように、まず、信号処理部70からの制御に従って発光制御部15は、発光部10の各発光素子を所定の点灯パターンで順次発光させる動作を開始する(ステップS101)。また、この発光部10における発光動作の開始後、あるいは、発光動作の開始と並行して、信号処理部70は表示部80にユーザの動作状態を指定するメッセージを表示する(ステップS102)。具体的には、例えば「手を軽く握りじっとしてください」等の、ユーザに対して静止状態を保持するように誘導するメッセージを表示する。そして、発光部10の各発光素子E1〜E9から所定の点灯パターンでユーザの手首UShに照射されて反射した反射光を、受光部20の各受光素子R1〜R4により受光することにより、静止状態での脈波の観測信号を計測する(ステップS103)。
ここで、本実施形態に適用される発光部10の点灯パターンと各観測部位における脈波の観測信号の計測処理(多点観測)について、図2に示した発光素子E1〜E9と受光素子R1〜R4の配列パターンを有する場合を例にして詳しく説明する。
本実施形態に適用される脈波の観測信号の計測処理は、図2に示した発光素子E1〜E9と受光素子R1〜R4の配列パターンを有する構成において、まず、信号処理部70が、受光部20の全ての受光素子R1〜R4を受光可能な駆動状態(オン状態)に設定する。次いで、例えば図6(a)に示すように、信号処理部70からの制御に従って発光制御部15が、発光部10の発光素子E1〜E9のうちの、図面の四隅に配置された発光素子E1、E3、E7、E9のみを選択して、所定の発光強度で発光させる(第1の点灯パターン)。そして、各発光素子E1、E3、E7、E9から手首UShの皮膚面SFの各観測部位Pm1、Pm2、Pm3、Pm4に照射され、反射した反射光を、各発光素子E1、E3、E7、E9の近傍に配置された各受光素子R1、R2、R3、R4により受光することにより、各受光量に応じた出力信号が、信号増幅部40及びフィルタ部50を介して信号処理部70に観測信号として出力される。これにより、皮膚面SFの各観測部位Pm1、Pm2、Pm3、Pm4における静止状態での脈波の観測信号が計測され、当該観測信号が各観測部位Pm1〜Pm4に関連付けられて、メモリ部60の所定の記憶領域に保存される。
次いで、例えば図6(b)に示すように、信号処理部70からの制御に従って発光制御部15は、発光部10の発光素子E1〜E9のうちの、図面の中央に配置された発光素子E5のみを選択して、所定の発光強度で発光させる(第2の点灯パターン)。そして、発光素子E5から手首UShの皮膚面SFの各観測部位Pm5、Pm6、Pm7、Pm8に照射され、反射した反射光を、発光素子E5の近傍に取り囲むように配置された各受光素子R1、R2、R3、R4により受光することにより、各受光量に応じた出力信号が、信号増幅部40及びフィルタ部50を介して信号処理部70に観測信号として出力される。これにより、皮膚面SFの各観測部位Pm5、Pm6、Pm7、Pm8における静止状態での脈波の観測信号が計測され、当該観測信号が各観測部位Pm5〜Pm8に関連付けられて、メモリ部60の所定の記憶領域に保存される。
次いで、例えば図6(c)に示すように、信号処理部70からの制御に従って発光制御部15は、発光部10の発光素子E1〜E9のうちの、図面の上方及び下方に配置された発光素子E2、E8のみを選択して、所定の発光強度で発光させる(第3の点灯パターン)。そして、発光素子E2、E8から手首UShの皮膚面SFの各観測部位Pm9、Pm10、Pm11、Pm12に照射され、反射した反射光を、発光素子E2、E8の近傍に配置された各受光素子R1、R2、R3、R4により受光することにより、各受光量に応じた出力信号が、信号増幅部40及びフィルタ部50を介して信号処理部70に観測信号として出力される。これにより、皮膚面SFの各観測部位Pm9、Pm10、Pm11、Pm12における静止状態での脈波の観測信号が計測され、当該観測信号が各観測部位Pm9〜Pm12に関連付けられて、メモリ部60の所定の記憶領域に保存される。
次いで、例えば図6(d)に示すように、信号処理部70からの制御に従って発光制御部15は、発光部10の発光素子E1〜E9のうちの、図面の左方及び右方に配置された発光素子E4、E6のみを選択して、所定の発光強度で発光させる(第4の点灯パターン)。そして、発光素子E4、E6から手首UShの皮膚面SFの各観測部位Pm13、Pm14、Pm15、Pm16に照射され、反射した反射光を、発光素子E4、E6の近傍に配置された各受光素子R1、R2、R3、R4により受光することにより、各受光量に応じた出力信号が、信号増幅部40及びフィルタ部50を介して信号処理部70に観測信号として出力される。これにより、皮膚面SFの各観測部位Pm13、Pm14、Pm15、Pm16における静止状態での脈波の観測信号が計測され、当該観測信号が各観測部位Pm13〜Pm16に関連付けられて、メモリ部60の所定の記憶領域に保存される。
信号処理部70は、上述した各点灯パターンにおける脈波の観測信号の計測処理を、所定の時間間隔で切り替えながら繰り返して、予め設定された設定時間だけ継続して実行する(ステップS104)。ここで、時間間隔は例えば0.01秒に設定され、設定時間は例えば5秒間に設定される。このような一連の計測処理(多点観測)により、計測領域MS内に配列された、隣接する発光素子E1〜E9と受光素子R1〜R4との間の各観測部位Pm1〜Pm16における脈波の観測信号が取得される。すなわち、図2に示した発光素子E1〜E9と受光素子R1〜R4の配列パターンを有する構成においては、上述した各点灯パターンにおける観測信号の計測処理を実行することにより、計16箇所の観測部位Pm1〜Pm16における設定時間(例えば5秒間)の観測信号を、極力少ない数(ここでは計13個)の発光素子及び受光素子により、略同時並行して取得することができる。
なお、図2に示した発光素子E1〜E9と受光素子R1〜R4の配列パターンや、図6に示した各点灯パターンにおける観測信号の計測処理は、本実施形態に適用可能な一例を示したものに過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、計測領域MS内に配置された1乃至複数個の発光素子に対して、近接して、あるいは、取り囲むように配列された複数の受光素子により、発光素子と受光素子との間に形成される観測部位における観測信号を一定時間計測して取得するものであれば、他の配列パターンや点灯パターンを適用するものであってもよい。また、上述した脈波の観測信号の計測処理においては、点灯パターンを順次切り替えながら当該計測処理を、設定時間として例えば5秒間継続して実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、この設定時間は、取得した観測信号に脈波を示す波形が、少なくとも数個乃至十数個程度含まれる程度の時間であればよく、例えば数秒間であってもよいし、10秒間程度であってもよい。
次いで、信号処理部70は、上記の一連の計測処理において取得した、各観測部位Pm1〜Pm16における脈波の観測信号の信号波形について周波数解析を行い、各観測部位Pm1〜Pm16について特定の指標に基づいて評価を行う(ステップS105)。ここで、本実施形態においては、以下に示すように、各観測部位Pm1〜Pm16における観測信号の信号波形を評価するための指標として、観測信号の振幅とS/Nを適用する。この指標は、各観測部位において脈波が観測信号に反映されている度合いを表していると推定されるものであり、各観測部位の間で相対的に評価され、後述する評価値の点数が高いほど、脈波が観測信号に良好に反映されていると推定される。
具体的には、信号処理部70は、メモリ部60から各観測部位Pm1〜Pm16における観測信号の信号波形を読み出し、各信号波形について、人体の静止状態又は安静状態における通常の脈拍に相当する、例えば0.8Hz〜1.4Hzの周波数範囲を本来の脈波に対応する信号成分(以下、脈波信号成分と記す)とし、この脈波信号成分において、信号波形の極大値と極小値の差分である振幅の最大値(又は、波形高さの最高値)をそれぞれ抽出する。そして、各信号波形から抽出された振幅(又は波形高さ)について、例えば最大(又は最高)のものを5点、最小(又は最低)のものを1点として、相対的な順位に応じて5段階で傾斜配分した評価値を決定する点数付けを行う。ここでは、振幅が大きいほど体動ノイズ等による信号波形の乱れが少ないと考えられる。このため、この振幅に対する評価値の点数が大きいほど、体動ノイズ等の影響が少なく、脈波が観測信号に良好に反映されていると推定される。
加えて、各観測信号の信号波形を、脈波信号成分と、それ以外の要素(例えば、体動、各種の外乱ノイズ等)に起因する信号成分(以下、ノイズ信号成分と記す)とに分ける。そして、この脈波信号成分のノイズ信号成分に対する比率を評価し、この脈波信号成分のノイズ信号成分に対する比であるS/N(又はSN比)に基づく評価を行う。具体的には、信号処理部70は、メモリ部60から読み出した各観測部位Pm1〜Pm16における観測信号の信号波形について、上記の0.8Hz〜1.4Hzの周波数範囲が脈波に対応するとみなし、この周波数範囲における波形により形成される面積成分(信号高さの積算である面積)を脈波信号成分とし、1.4Hz〜10Hzの周波数範囲における波形により形成される面積成分をノイズ信号成分とし、この脈波信号成分とノイズ信号成分との比(S/N)をそれぞれ算出する。そして、各観測信号の信号波形から算出されたS/Nの値について、例えば最大のものを5点、最小のものを1点として、相対的な順位に応じて5段階で傾斜配分した評価値を決定する点数付けを行う。ここでは、観測信号においてS/Nの値が大きいほど脈波信号成分以外のノイズ信号成分が少なく、観測信号が本来の脈波に近い波形となっていると考えられる。このため、このS/Nに対する評価値の点数が大きいほど、脈波が観測信号に良好に反映されていると推定される。
なお、上記においては、静止状態、体組織運動状態、体動状態の何れにおいても0.8Hz〜1.4Hzの周波数範囲を脈波信号成分として、振幅の値やS/Nの値を求めることとした。しかし、体組織運動状態や体動状態等の運動状態では、脈拍数が静止状態や安静状態での脈拍数より増加することが考えられるため、体組織運動状態や体動状態で脈波信号成分とする周波数範囲を、静止状態で脈波信号成分とする周波数範囲とは異なる周波数範囲とし、例えば上記の周波数範囲より多少高い周波数範囲としてもよい。更には、体組織運動状態と体動状態とで脈波に対応するとみなす周波数範囲を異ならせるようにしてもよい。
上述したように、観測信号の信号波形の振幅及びS/Nについて、観測部位Pm1〜Pm16ごとに点数付けされた評価値は、図7に示すように、静止状態(静止時)における振幅及びS/Nの評価値として、脈波評価記録部65にテーブル形式で保存(記録)される(ステップS106)。
次いで、上述した第1の予備測定動作に示した一連の処理(ステップS102〜S106)を繰り返して、体組織運動状態(体組織運動時)における脈波の観測信号の取得と信号波形の評価を行う第2の予備測定動作、及び、体動状態(体動時)における脈波の観測信号の取得と信号波形の評価を行う第3の予備測定動作を、順次実行する(ステップS107)。
ここで、第2の予備測定動作においては、まず、ステップS102において、信号処理部70は表示部80に、例えば「腕を動かさず指だけを動かしてください」等の、ユーザに対して体組織運動状態を保持するように誘導するメッセージを表示する。その後、上述した第1の予備測定動作と同様に、ステップS103〜S106の一連の処理を実行することにより、体組織運動状態において各観測部位Pm1〜Pm16における脈波の観測信号が取得され、その周波数解析の結果に基づいて評価値の点数付けが行われる。そして、図7に示すように、観測部位Pm1〜Pm16ごとに体組織運動状態(体組織運動時)における振幅及びS/Nの評価値が、脈波評価記録部65にテーブル形式で保存(記録)される。
また、第3の予備測定動作においては、まず、ステップS102において、信号処理部70は表示部80に、例えば「軽く腕を振ってください」等の、ユーザに対して体動状態を保持するように誘導するメッセージを表示する。その後、上述した第1の予備測定動作と同様に、ステップS103〜S106の一連の処理を実行することにより、体動状態において各観測部位Pm1〜Pm16における脈波の観測信号が取得され、その周波数解析の結果に基づいて評価値の点数付けが行われる。そして、図7に示すように、観測部位Pm1〜Pm16ごとに体動状態(体動時)における振幅及びS/Nの評価値が、脈波評価記録部65にテーブル形式で保存(記録)される。
ここで、第2及び第3の予備測定動作においては、ユーザが行う体組織運動状態や体動状態における動作が、脈波の周期と一致しないようにして測定を行う必要がある。これは、脈波と同じ周期で動作を行った場合、脈波とユーザの動作に起因するノイズ成分との区別(判別)が困難になるため、このような現象を回避するためのものである。具体的には、体組織運動や体動の周期を誘導するためのアニメーションを表示部80に表示したり、リズム音を発生させたりすること等により、脈波の周期とユーザの動作が一致しないようにする。
そして、全ての測定モードにおける処理が終了した後、信号処理部70からの制御に従って発光制御部15は、発光部10における所定の点灯パターンでの発光動作を終了して(ステップS108)、予備測定動作を完了する。このように、上述した第1乃至第3の予備測定動作において、静止状態、体組織運動状態及び胎動状態における脈波の測定を行う前に、表示部80に予備測定動作の対象となる各動作状態を保持するように誘導するメッセージを表示することにより、予備測定動作の煩雑さを軽減するとともに、ユーザに適切な動作をさせることができる。
なお、上述した予備測定動作においては、観測部位Pm1〜Pm16ごとに取得された観測信号の信号波形の振幅及びS/Nについて、それぞれ最大のものを5点、最小のものを1点として、相対的な順位に応じて5段階で評価値を決定する点数付けを行う場合について説明した。このような評価値の点数付けを行うことにより、後述する通常測定動作において取得する脈波の観測信号の評価判断や演算処理を簡易な手法で実現することができる。なお、観測信号の点数付けについては、この手法に限定されるものではなく、例えば、観測部位Pm1〜Pm16ごとに取得された観測信号の信号波形の振幅やS/Nの値に基づいて、所定の重み付け関数等を用いて算出した値を、評価値とする手法を適用するものであってもよい。
(通常測定動作モード)
図8は、本実施形態に係る生体情報検出装置の生体情報検出方法において実行される通常測定動作を示すフローチャートである。図9は、本実施形態に係る通常測定動作において計測される極値間隔を説明するための概念図である。
通常測定動作においては、ユーザの動作状態を判別して、判別した動作状態に応じて、脈波が良好に反映されていると推定される信号波形を有する観測信号を取得することができる観測部位を選択し、当該観測部位における観測信号に基づいて脈拍数を算出する。
具体的には、図8に示すように、まず、上述した予備測定動作モードの第1の予備測定動作において、図7に示したように、脈波評価記録部65にテーブル形式で保存された静止状態(静止時)の観測信号の評価値のうち、最も評価値が高くなった観測部位を抽出(選択)して、通常測定動作における脈波の観測部位として設定する(ステップS201)。ここで、観測部位の選択処理は、例えば、図7に示した静止状態における振幅とS/Nの評価値の単純合計が最高(図中、点線枠囲み参照)となる観測部位Pm2を抽出する。なお、観測部位の選択処理は、この手法に限定されるものではなく、例えば振幅とS/N比の各項目について、所定の重み付け処理を施した評価値を用いて、それらの合計が最高となる観測部位を抽出するものであってもよい。なお、上記のステップS201における選択処理で選択する観測部位は、上記のように最も評価値が高い観測部位とすることが最も好ましいが、これに限らず、複数の観測部位のなかで相対的に評価が高い観測部位としてもよく、その場合でも比較的良好に脈拍数を検出することが出来る。
次いで、ステップS201において選択された観測部位Pm2を挟む位置関係(当該観測部位に光を照射する位置、及び、その反射光を受光する位置;図6参照)に配置された発光素子E3及び受光素子R2について、信号処理部70からの制御に従って発光制御部15が発光素子E3を所定の発光強度で発光させるとともに、受光素子R2を受光可能な駆動状態(オン状態)に設定する。そして、発光素子E3から皮膚面SFの観測部位Pm2に照射されて反射した反射光を、受光素子R2により受光することにより脈波の観測信号を一定時間計測する。また、信号処理部70は、この脈波の観測信号の計測処理に並行して、加速度計測部30によりユーザの動作状態に応じた加速度信号を計測させて、信号増幅部40及びフィルタ部50を介して取得する(ステップS202)。ここで、脈波の観測信号の計測処理、及び、加速度信号の取得処理は、例えば上述した予備測定動作の場合と同様に、5秒間継続して実行される。そして、この計測処理により取得された観測部位Pm2における脈波の観測信号、及び、当該計測処理中のユーザの動作状態に応じた加速度信号は、相互に関連付けられてメモリ部60の所定の記憶領域に保存される。
次いで、上記の計測処理(ステップS202)において取得した脈波の観測信号について、信号波形に含まれる一波ごと(一波形分)の時間を計測し、その変化が所定の閾値以下か否かが判定される(ステップS203)。具体的には、ステップS202において取得された観測信号が、例えば図9に示すような信号波形を有している場合、信号処理部70は、例えば、観測信号に含まれる各波形における波形高さが最低(極小値Pmin)となる時間Ta、Tbを計測し、当該時間Ta、Tb相互の差分となる時間を算出することにより、各波形における一波形分の時間(極値間隔)を算出する。そして、観測信号から計測された各波形の極値間隔の変化が、例えば当該極値間隔の±20%以内であるか否かを判定することにより、ユーザの動作状態が脈波の観測信号の信号波形に影響を及ぼす程度の運動状態(体組織運動状態又は体動状態)にあるか否かを判定する。一般に、体動の影響を受けた脈波信号は、上記の極値間隔が変動することが判明しているので、上述した判定処理を行うことにより、ユーザが静止状態(又は、それに近似する動作状態)にあるか否かを判定することができる。なお、上述した判定処理においては、閾値範囲として極値間隔の±20%以内に設定した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユーザの運動状態を判別することができる任意の数値を適宜設定するものであってもよい。
上記ステップS203において、観測信号の各波形の極値間隔の変化が所定の閾値以下であると判定した場合には、信号処理部70は、算出された極値間隔に基づいて、単位時間当たり(例えば1分間)の脈拍数を計算する(ステップS204)。具体的には、信号処理部70は、ユーザが静止状態(又は、それに近似する動作状態)にあって、ユーザの動作に起因するノイズの影響をほとんど受けておらず、観測信号が真(本来)の脈波信号に近似するものと判断する。そして、観測信号から算出された極値間隔の時間単位が秒である場合には、60を当該極値間隔で割る(除する)ことにより1分間の脈拍数に換算する。ここで、脈拍数の計算処理においては、観測信号に含まれる各波形の極値間隔を算出して脈拍数に換算し、それらの複数の脈拍数について平均値や中央値等をとるものであってもよいし、複数の脈拍数の中から、例えば最も高い脈拍数を抽出するものであってもよい。
次いで、信号処理部70は、計算された脈拍数を、表示部80に数値情報や画像情報等により表示してユーザに提供又は通知する(ステップS205)。次いで、引き続き脈拍数の計測を継続する場合には、ステップS202に戻り、計測を継続しない(計測を終了する)場合には、通常測定動作を終了する。
一方、上記ステップS203において、観測信号の各波形の極値間隔の変化が所定の閾値よりも大きいと判定した場合には、ユーザの動作状態が静止状態でなく、少なくとも体の一部が動いている運動状態にあって、ユーザの動作により脈波の観測信号に影響を及ぼす程度のノイズが生じていると判定して、次に示すようなノイズの影響を低減する処理が実行される。具体的には、まず、信号処理部70は、上記ステップS202において取得された加速度信号をメモリ部60から読出し(ステップS207)、当該加速度信号に含まれる3軸方向の信号成分の合成値である加速度が所定の閾値以下か否かを判定する(ステップS208)。加速度信号が閾値以下の場合には、信号処理部70は、ユーザの運動状態が、指を動かす等の体組織運動状態に対応していると判断する。これにより、信号処理部70は、上述した第2の予備測定動作において体組織運動状態で取得した観測信号の評価値のうち、最高の評価値となる観測部位を選択する(ステップS209)。ここでは、例えば、図7に示した体組織運動状態(体組織運動時)における振幅とS/Nの評価値の単純合計が最高(図中、点線枠囲み参照)となる観測部位Pm1を選択する。
一方、ステップS208において、加速度信号が閾値よりも大きいと判定した場合には、信号処理部70は、ユーザの運動状態が、四肢を動かしたり体幹が揺れたりする等の体動状態に対応していると判断する。これにより、信号処理部70は、上述した第3の予備測定動作において体動状態で取得した観測信号の評価値のうち、最高の評価値となる観測部位を選択する(ステップS210)。ここでは、例えば、図7に示した体動状態(体動時)における振幅とS/Nの評価値の単純合計が最高(図中、点線枠囲み参照)となる観測部位Pm4を選択する。なお、上記のステップS209、S210における選択処理で選択する観測部位は、上記のように各運動状態で最も評価値が高い観測部位とすることが最も好ましいが、これに限らず、複数の観測部位のなかで相対的に評価が高い観測部位としてもよく、その場合でも比較的良好に脈拍数を検出することが出来る。
このように、上記のステップS208においては、脈波の観測信号と同時に取得される加速信号に基づいて、ユーザの動作状態が体組織運動状態にあるか、あるいは、体動状態にあるかが判別される。すなわち、この判別処理においては、加速度信号に対して体組織運動状態と体動状態を区別することができる任意の閾値が設定される。
次いで、ステップS209において選択された観測部位Pm1を挟む位置関係(当該観測部位に光を照射する位置、及び、その反射光を受光する位置;図6参照)に配置された発光素子E1及び受光素子R1、又は、ステップS210において選択された観測部位Pm4を挟む位置関係(図6参照)に配置された発光素子E9及び受光素子R4を駆動させて、当該観測部位Pm1又はPm4における脈波の観測信号を一定時間計測して、メモリ部60の所定の記憶領域に保存する(ステップS211)。このように、ユーザの動作状態(運動状態)に応じて、脈波の観測信号が最適となる観測部位に切り替えて、再度脈波を計測することにより、現時点における(又は最新の)脈波の観測信号が取得される。
次いで、上記ステップS211において取得した脈波の観測信号について、上述したステップS204以降と同等の処理が実行される。すなわち、信号処理部70は、取得した観測信号について、信号波形に含まれる各波形における極値間隔を算出し、当該極値間隔に基づいて単位時間当たり(例えば1分間)の脈拍数を計算して(ステップS204)、表示部80に表示する(ステップS205)。ここで、脈拍数の計算処理においては、上述したように、観測信号に含まれる各波形の極値間隔に基づいて脈拍数を計算し、それらの平均値や中央値等をとるものであってもよいし、複数の脈拍数の中から、最高値を抽出するものであってもよい。
以上のように、本実施形態においては、光電脈波法により取得した脈波の観測信号に基づいて脈拍数を算出する手法において、予備測定動作によりユーザの静止状態、体組織運動状態及び体動状態における脈波の観測信号が、複数の観測部位で取得され、その信号波形を周波数解析した結果に基づいて、ユーザの動作状態ごとに各観測部位の評価値が記録される。ここで、静止状態、体組織運動状態及び体動状態における脈波の計測時には、表示部へのメッセージの表示等によりユーザに対して、必要な動作状態が誘導される。次いで、通常測定動作によりユーザの動作時の脈波の観測信号及び加速度信号に基づいて、その動作状態が判別され、その判別結果に応じて予備測定動作において取得した評価値が最高となる観測部位が選択される。そして、当該観測部位に対応する発光素子及び受光素子の組み合わせにより脈波の観測信号が再度取得されて脈拍数が算出され、表示部への表示によりユーザに提供又は通知される。
このように、本実施形態においては、予めユーザの動作状態(静止状態、体組織運動状態及び体動状態)ごとに脈波の各観測部位の評価値が記録され、ユーザの動作時の脈波の観測信号及び加速度信号に基づいて判別された動作状態に応じて、脈波の観測部位が、複数の観測部位のうちの、それぞれの動作状態において脈波が観測信号に最も良好に反映されていると推定される観測部位に切り替えられる。これにより、当該動作状態に起因するノイズの影響が低減されて、脈波が最も良好に反映されていると推定される最適な信号波形を有する観測信号を取得することができるので、運動時の脈拍数を正確に計測することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る生体情報検出方法の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態に示した生体情報検出方法においては、通常測定動作により取得された脈波の観測信号の信号波形における極値間隔の変化が所定の閾値を超えている場合には、加速度信号に基づいてユーザの動作が体組織運動状態か体動状態かを判別して、その結果に応じて脈波が最も良好に反映されていると推定される最適な信号波形を有する観測信号を取得することができる観測部位を選択し、当該観測部位における観測信号に基づいて脈拍数を算出する手法を示した。第2の実施形態においては、第1の実施形態に加えて、体動時の観測信号の評価値が最高の観測部位を選択し、当該観測部位で観測信号を取得しているときに、取得した観測信号に体組織運動と体動との両方に起因するノイズ成分が含まれているか否かを判定して、その結果に応じて最適な信号波形を有する観測信号を取得することができる観測部位を再度選択し、当該観測部位において取得した観測信号を、脈拍数の計算に用いる手法を有している。
図10は、第2の実施形態に係る生体情報検出方法において実行される通常測定動作を示すフローチャートである。ここで、第1の実施形態と同等の構成又は動作については、上述した記載及び図面を適宜参照して説明を簡略化する。
第2の実施形態に係る生体情報検出方法は、上述した第1の実施形態に示した生体情報検出装置及び生体情報検出方法において、次に示すような処理がさらに実行される。具体的には、図10に示すように、上述したステップS208〜S210において、脈波の観測信号と同時に取得される加速信号に基づいて、ユーザの動作状態が体組織運動状態にあるか、あるいは、体動状態にあるかが判別される。この判別結果に応じて、予備測定動作において、体組織運動状態又は体動状態で取得した評価値が最高となる観測部位(図7においては観測部位Pm1又はPm4)が選択される。そして、ステップS211、S212において選択された観測部位に対応する発光素子及び受光素子の組み合わせにより脈波の観測信号が再度取得される。
ここで、上記ステップS208において、ユーザの動作状態が体組織運動状態にあると判別された場合には、ステップS211において観測部位Pm1で取得した最新の脈波の観測信号について、上述したステップS204以降と同等の処理が実行される。すなわち、取得した観測信号について、信号波形に含まれる各波形における極値間隔を算出し、当該極値間隔に基づいて脈拍数を計算して(ステップS204)、表示部80に表示する(ステップS205)。
一方、上記のステップS208において、ユーザの動作状態が体動状態にあると判別された場合には、ステップS212において観測部位Pm4で取得した最新の脈波の観測信号について、信号処理部70は、特定の周波数範囲における波形により形成される面積成分の比に基づいてS/Nを再度算出する(ステップS221)。そして、信号処理部70は、算出されたS/Nが、所定値よりも大きく良好であるか否かを判定する(ステップS222)。これにより、観測部位Pm4で取得した脈波の観測信号に、体動に起因するノイズ成分に加え、体組織運動に起因するノイズ成分も含まれているか否かを判断する。
ステップS222において、S/Nが所定値よりも大きく良好であると判定した場合には、信号処理部70は、取得した脈波の観測信号に、体動に起因するノイズ成分が主として生じている(すなわち、主に体動に起因するノイズ成分が観測信号に影響を与えている)と判断する。そして、信号処理部70は、観測部位Pm4で取得した脈波の観測信号について、上述したステップS204以降と同等の処理を実行して、信号波形に含まれる各波形における極値間隔に基づいて脈拍数を計算して(ステップS204)、表示部80に表示する(ステップS205)。
一方、ステップS222において、S/Nが所定値以下で良好な観測信号が得られていないと判定した場合には、信号処理部70は、取得した脈波の観測信号に、体動に起因するノイズ成分に加え、体組織運動に起因するノイズ成分も含まれている(すなわち、体動及び体組織運動の両方に起因するノイズ成分が観測信号に影響を与えている)と判断する。そして、信号処理部70は、上述した第2の予備測定動作において体組織運動状態で取得した観測信号の評価値、及び、第3の予備測定動作において体動状態で取得した観測信号の評価値の総合計(単純合計でもよいし、所定の重み付け処理を行ったものであってもよい)うち、最高値となる観測部位を選択する(ステップS223)。ここでは、例えば、図7に示した体組織運動状態(体組織運動時)及び体動状態(体動時)における振幅とS/Nの評価値の単純合計が最高(図中、点線枠囲み参照)となる観測部位Pm2を選択する。そして、ステップS223において選択された観測部位Pm2に対応する発光素子及び受光素子の組み合わせにより脈波の観測信号が再度取得される(ステップS224)。次いで、ステップS224において観測部位Pm2で取得した最新の脈波の観測信号について、上述したステップS204以降と同等の処理が実行される。すなわち、取得した観測信号について、信号波形に含まれる各波形における極値間隔を算出し、当該極値間隔に基づいて脈拍数を計算して(ステップS204)、表示部80に表示する(ステップS205)。
このように、本実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様に、ユーザの動作状態に応じて、脈波の観測部位が切り替えられて、ノイズの影響が低減されて脈波が最も良好に反映されていると推定される最適な信号波形を有する観測信号を取得することができるので、運動時の脈拍数を正確に計測することができる。特に、本実施形態においては、上述した第1の実施形態に示した生体情報検出方法に基づいて、ユーザの動作状態に応じて、脈波の観測部位を切り替えて取得した観測信号に、体組織運動と体動の双方に起因する複合的なノイズ成分が影響を与えている場合であっても、S/Nに基づいて当該ノイズ成分に対応した最適な観測部位に再度切り替えて、上記の複合的なノイズの影響を低減した最適な信号波形を有する観測信号を取得することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る生体情報検出方法の第2の実施形態について説明する。
上述した第1及び第2の実施形態に示した生体情報検出方法においては、加速度信号に基づいてユーザの動作が体組織運動状態か体動状態かを判別し、また、S/N比に基づいて体組織運動と体動との両方に起因するノイズ成分が観測信号に含まれているか否かを判定して、その結果に応じて最適な観測部位を選択し、再度脈波の観測信号を取得して脈拍数を計算する手法を示した。第3の実施形態においては、第1及び第2の実施形態において、現在の観測信号の信号波形が静止状態の信号波形に類似するか否かを随時監視して、その結果に応じて最適な観測部位を再度選択し、当該観測部位において取得した観測信号を、脈拍数の計算に用いる手法を有している。
図11は、第3の実施形態に係る生体情報検出方法において実行される通常測定動作の一例を示すフローチャートである。また、図12は、第3の実施形態に係る生体情報検出方法において実行される通常測定動作の他の例を示すフローチャートである。ここで、第1又は第2の実施形態と同等の構成又は動作については、上述した記載及び図面を適宜参照して説明を簡略化する。
第3の実施形態に係る生体情報検出方法は、上述した第1の実施形態に示した生体情報検出装置及び生体情報検出方法において、次に示すような処理がさらに実行される。具体的には、まず、上述した予備測定動作において、信号処理部70は、静止状態(静止時)において各観測部位で取得した脈波の観測信号について、周波数解析により得られた振幅及びS/Nの評価値を記憶する際に、当該観測信号の信号波形を各観測部位に関連付けて、脈波評価記録部65又はメモリ部60の所定の記憶領域に保存する。ここで、観測信号の波形は、例えば単位時間ごとに波形高さを計測したものが保存される。
次いで、図11に示すように、上述した通常測定動作のステップS204、S205において、信号処理部70は、ユーザの動作状態に応じて選択された観測部位で取得した観測信号の信号波形における極値間隔に基づいて脈拍数を計算して(ステップS204)、表示部80に表示する(ステップS205)。その後、現在選択されている観測部位における観測信号の信号波形と、静止状態における観測信号の信号波形と、の類似度が所定値以上であるか否か判定される(ステップS231)。
具体的には、信号処理部70は、まず、現在選択されている観測部位について、上述した予備測定動作において、脈波評価記録部65又はメモリ部60に保存されている静止状態における観測信号の信号波形を読み出す。次いで、信号処理部70は、現在選択されている観測部位において取得された観測信号の信号波形と、読み出された静止状態における観測信号の信号波形とを比較して、その類似度が所定値以上であって、現在の観測信号が静止状態の信号波形に近似するか否かを判定する。ここで、類似度は2つの波形の相関の程度を示す値であり、2つの波形が互いに類似している波形である場合には大きな値になり、波形が類似していない場合には小さな値となる。この類似度の算出には公知の様々な演算手法を用いることができる。ステップS231において、現在の観測信号が静止状態の信号波形に近似すると判定された場合には、ユーザの動作状態が静止状態に戻ったものと判断して、信号処理部70は、ステップS201に戻り、上述した予備測定動作において、静止状態で取得した観測信号の評価値のうち、最高の評価値となる観測部位を選択して(ステップS201)、脈波の観測信号及び加速度信号の計測を継続する(ステップS202)。
一方、ステップS231において、現在の観測信号が静止状態の信号波形に近似しないと判定された場合には、現在選択されている観測部位において、脈波の観測信号及び加速度信号の計測を継続する(ステップS206、S202)。
なお、図11においては、第1の実施形態に示した生体情報検出方法(図8)において、現在の観測信号と静止状態の信号波形との類似性を判定する処理(ステップS231)を行う場合について説明した。本発明はこれに限定されるものではなく、図12に示すように第2の実施形態に示した生体情報検出方法(図10)において、同等の処理を行うものであってもよい。
このように、本実施形態においても、上述した第1及び第2の実施形態と同様に、ユーザの動作状態に応じて、脈波の観測部位が切り替えられて、ノイズの影響が低減されて脈波が最も良好に反映されていると推定される最適な信号波形を有する観測信号を取得することができるので、運動時の脈拍数を正確に計測することができる。特に、本実施形態においては、上述した第1又は第2の実施形態に示した生体情報検出方法に基づいて、脈波の観測部位を切り替えた後に、ユーザの動作状態が例えば静止状態に変化した場合であっても、予備測定動作において取得した観測信号の信号波形との類似度に基づいて最適な観測部位に再度切り替えることができるので、常に最適な信号波形を有する観測信号を取得することができる。
なお、上述した各実施形態においては、生体情報検出装置100が腕時計型の形状を有し、機器本体101の計測領域MSをユーザの手首UShの手の甲側に密着するように装着する場合について説明したが、手首UShの手の平側に密着するように装着するものであってもよい。ここで、上述した実施形態に示したように、手首の手の甲側に装着した場合には、手の平側に装着した場合に比較して、手首の筋の浮き上がり等による装着状態(計測領域の皮膚面への密着状態)の変化の影響を受けにくくなるので、良好に脈波の観測信号を取得することができる。
また、上述した各実施形態においては、生体情報検出装置100をユーザの手首UShに装着する場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、生体情報検出装置が人体の動作中の脈波を観測できる部位に密着して装着されているものであればよく、例えば上述した手首や上腕等の腕部のほか、指先を除く指部、耳朶、足首等の観測部位に、ベルト等により巻き付けたり、挟み込んだりして装着する形状を有するものであってもよい。
また、上述した各実施形態においては、脈拍数を算出するための観測信号を検出する方式として光電脈波法を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限るものではない。観測信号を検出する方式として、例えば、ユーザの胸部付近に取り付けた電極により心臓の拍動により発生した電気信号に基づく心拍信号を観測信号として検出し、この観測信号により脈拍数を算出する方式を適用してもよい。ここで、チェストベルトにより2個の電極を一組としてユーザの胸部に取り付けて、この一組の2つの電極間の電位差を観測信号として検出する構成が、例えば特開2008−054795に記載されている。このような構成に対して、2個の電極の組を胸部付近の互いに異なる複数の観測部位に設け、そして、上記各実施形態と同様に、予めユーザの各動作状態で各組の電極で検出された観測信号に対して上記と同様の評価を行って、評価値の点数付けを行い、ユーザの動作時に、観測信号及び加速度信号に基づいて動作状態を判別し、観測信号を検出する観測部位を、判別した動作状態で評価値の点数が最も高い観測部位に切り替える構成としてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
[1]
利用者の互いに異なる観測部位の各々の脈波に基づいて検出される観測信号を出力する検出部と、
前記利用者の予め設定した複数の動作状態の各々において、前記検出部が出力する前記観測信号を取得し、前記各観測部位に対する前記観測信号の信号波形に対して、脈波が前記観測信号に反映されている度合いを表していると推定される特定の指標で、前記各観測部位の間で相対的に評価し、該評価した結果を前記各観測部位と前記各動作状態とに関連付けて記録部に記録する観測信号評価部と、
前記観測信号に基づいて、前記利用者の状態が前記複数の動作状態の何れに対応するかを判別する動作状態判別部と、
前記動作状態判別部が、前記利用者の状態が前記複数の動作状態のうちの特定の動作状態に対応すると判別したとき、前記記録部に記録されている前記評価の結果と前記各観測部位と前記各動作状態との関係に基づき、前記特定の動作状態で脈波が、前記複数の観測部位のなかで相対的に良好に反映されていると推定される1つの前記観測部位を特定の観測部位として選択する観測部位選択部と、
前記検出部が前記特定の観測部位に対して出力する前記観測信号を特定の観測信号として取得し、該特定の観測信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部と、
を備えることを特徴とする生体情報検出装置である。
[2]
前記観測信号評価部は、前記信号波形を、安静時の人体の脈拍に対応する周波数範囲の脈波信号成分と、該脈波信号成分以外のノイズ信号成分とに分け、前記特定の指標として、前記脈波信号成分の最大振幅と、前記脈波信号成分と前記ノイズ信号成分の比と、を用い、前記各観測部位の間で、前記最大振幅の値が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定し、前記脈波信号成分の前記ノイズ信号成分に対する比が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定すると評価することを特徴とする[1]に記載の生体情報検出装置である。
[3]
前記観測部位選択部は、前記記録部に記録されている前記評価の結果と前記各観測部位と前記各動作状態との関係に基づき、前記複数の観測部のなかで、前記特定の動作状態で脈波が前記観測信号に最も良好に反映されていると推定される1つの前記観測部位を、前記特定の観測部位として選択することを特徴とする[1]又は[2]に記載の生体情報検出装置である。
[4]
前記複数の動作状態を、前記利用者が実質的に動作を行っていない静止状態と、前記利用者が動作を行っている運動状態とし、
前記動作状態判別部は、前記観測信号の信号波形の一波毎の極値間の時間の変化に基づいて、前記利用者の状態が、前記静止状態に対応するか前記運動状態に対応するかを判別することを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の生体情報検出装置である。
[5]
前記利用者の動作に伴って計測される加速度信号を出力する加速度計測部を備え、
前記運動状態を、更に、手足の指の一部だけを動かしている程度の体組織運動状態と、人体の四肢の少なくとも一部を動かしている程度の体動状態とし、
前記動作状態判別部は、前記極値間の時間の変化が所定値より大きいとき、前記加速度信号に基づいて、前記利用者の状態が、前記体組織運動状態に対応するか前記体動状態に対応するかを判別することを特徴とする[4]に記載の生体情報検出装置である。
[6]
前記観測部位選択部は、前記動作状態判別部が、前記利用者の状態が前記体動状態に対応すると判別し、これに対応した前記特定の観測部位を選択したとき、更に、当該特定の観測部位に対して前記検出部が出力する前記観測信号を取得し、該観測信号の信号波形を、安静時の人体の脈拍に対応する周波数範囲の脈波信号成分と、該脈波信号成分以外のノイズ信号成分とに分け、前記脈波信号成分の前記ノイズ信号成分に対する比の値を取得し、該比の値が所定値より小さいとき、前記評価において、前記体組織運動状態と前記体動状態とを総合した状態で脈波が最も正確に測定できていると評価された前記観測部位を前記特定の観測部位として選択し直すことを特徴とする[5]に記載の生体情報検出装置である。
[7]
前記観測部位選択部は、前記特定の観測部位で取得した前記特定の観測信号の信号波形の、前記利用者が前記静止状態であるときに前記観測信号評価部が取得した前記観測信号の信号波形に対する類似度が所定値より大きいとき、前記静止状態で脈波が最も正確に測定できていると評価された前記観測部位を前記特定の観測部位として選択し直すことを特徴とする[5]に記載の生体情報検出装置である。
[8]
前記観測信号評価部による前記観測信号の取得、前記観測信号の評価及び前記記録部への記録とは、前記動作状態判別部による前記動作状態の判別及び前記観測部位選択部による前記特定の観測部位の選択に先立って実行されることを特徴とする[1]乃至[7]のいずれかに記載の生体情報検出装置である。
[9]
前記検出部は、前記利用者の前記複数の観測部位の各々に対して光を照射する1乃至複数の発光素子を備える発光部と、該発光部から照射され前記各観測部位で反射された光を受光する1乃至複数の受光素子を備えて前記観測信号を出力する受光部と、を有し、該発光部及び該受光部は、少なくとも前記発光素子又は前記受光素子のいずれか一方を複数備え、
前記検出部は、前記発光部から照射され、前記利用者の前記複数の観測部位で反射された光を前記受光部で受光して、該複数の観測部位の各々に対応して前記観測信号を出力することを特徴とする[1]乃至[8]のいずれかに記載の生体情報検出装置である。
[10]
前記観測信号評価部が前記利用者の前記各動作状態での前記観測信号を取得する際に、前記利用者を対応する動作状態に誘導する表示を行う表示部を備えることを特徴とする[1]乃至[9]のいずれかに記載の生体情報検出装置である。
[11]
利用者の予め設定した複数の動作状態の各々において、当該利用者の互いに異なる複数の観測部位の各々で脈波に基づく観測信号を取得し、
前記各観測部位の前記各動作状態における複数の前記観測信号の信号波形を、脈波が前記観測信号に反映されている度合いを表していると推定される特定の指標で、前記各観測部位に対応する複数の前記観測信号の間で相対的に評価した結果を、前記各観測部位と前記各動作状態とに関連付けて記録部に記録し、
前記観測信号に基づいて前記利用者の状態が前記複数の動作状態の何れに対応するかを判別し、
当該利用者の状態が特定の動作状態に対応すると判別したとき、前記記録部に記録された前記評価の結果と前記各観測部位と前記各動作状態との関係に基づき、前記特定の動作状態で脈波が、前記複数の観測部のなかで相対的に良好に反映されていると推定される1つの前記観測部位を特定の観測部位として選択し、
前記特定の観測部位に対する前記観測信号を特定の観測信号として取得し、該特定の観測信号に基づいて脈拍数を計算する、
ことを特徴とする生体情報検出方法である。
[12]
前記評価を行う処理において、前記信号波形を、安静時の人体の脈拍に対応する周波数範囲の脈波信号成分と、該脈波信号成分以外のノイズ信号成分とに分け、前記特定の指標として、前記脈波信号成分の最大振幅と、前記脈波信号成分に対する前記ノイズ信号成分の比と、を用い、前記各観測部位の間で、前記最大振幅の値が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定し、前記脈波信号成分の前記ノイズ信号成分に対する比が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定すると評価することを特徴とする[11]に記載の生体情報検出方法である。
[13]
前記複数の動作状態を、前記利用者が実質的に動作を行っていない静止状態と、前記利用者が動作を行っている運動状態とし、
前記利用者の状態を判別する処理は、前記観測信号の信号波形の一波毎の極値間の時間の変化に基づいて、前記利用者の状態が、前記静止状態に対応するか前記運動状態に対応するかを判別することを特徴とする[11]又は[12]に記載の生体情報検出方法である。
[14]
前記運動状態を、更に、手足の指の一部だけを動かしている程度の体組織運動状態と、人体の四肢の少なくとも一部を動かしている程度の体動状態とし、
前記利用者の動作に伴う加速度信号を取得し、
前記利用者の状態を判別する処理は、前記極値間の時間の変化が所定値より大きいとき、前記加速度信号に基づいて、前記利用者の状態が、前記体組織運動状態に対応するか前記体動状態に対応するかを判別することを特徴とする[13]に記載の生体情報検出方法である。
[15]
コンピュータに、
利用者の予め設定した複数の動作状態の各々において、当該利用者の互いに異なる複数の観測部位の各々で脈波に基づく観測信号を取得させ、
前記各観測部位の前記各動作状態における複数の前記観測信号の信号波形を、脈波が前記観測信号に反映されている度合いを表していると推定される特定の指標で、前記各観測部位に対応する複数の前記観測信号の間で相対的に評価した結果を、前記各観測部位と前記各動作状態とに関連付けて記録部に記録させ、
前記観測信号に基づいて前記利用者の状態が前記複数の動作状態の何れに対応するかを判別させ、
当該利用者の状態が特定の動作状態に対応すると判別したとき、前記記録部に記録させた前記評価の結果と前記各観測部位と前記各動作状態との関係に基づき、前記特定の動作状態で脈波が、前記複数の観測部のなかで相対的に良好に反映されていると推定される1つの前記観測部位を特定の観測部位として選択させ、
前記特定の観測部位に対する前記観測信号を特定の観測信号として取得させ、該特定の観測信号に基づいて脈拍数を計算させる、
ことを特徴とする生体情報検出プログラムである。
[16]
前記コンピュータに、
前記評価において、前記信号波形を、安静時の人体の脈拍に対応する周波数範囲の脈波信号成分と、該脈波信号成分以外のノイズ信号成分とに分け、前記特定の指標として、前記脈波信号成分の最大振幅と、前記脈波信号成分に対する前記ノイズ信号成分の比と、を用い、前記各観測部位の間で、前記最大振幅の値が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定し、前記脈波信号成分の前記ノイズ信号成分に対する比が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定すると評価させることを特徴とする[15]に記載の生体情報検出プログラムである。
[17]
前記コンピュータに、
前記複数の動作状態を、前記利用者が実質的に動作を行っていない静止状態と、前記利用者が動作を行っている運動状態とさせ、
前記利用者の状態を判別する処理において、前記観測信号の信号波形の一波毎の極値間の時間の変化に基づいて、前記利用者の状態が、前記静止状態に対応するか前記運動状態に対応するかを判別させることを特徴とする[15]又は[16]に記載の生体情報検出プログラムである。
[18]
前記コンピュータに、
前記運動状態を、更に、手足の指の一部だけを動かしている程度の体組織運動状態と、人体の四肢の少なくとも一部を動かしている程度の体動状態とさせ、
前記利用者の動作に伴う加速度信号を取得させ、
前記利用者の状態を判別する処理において、前記極値間の時間の変化が所定値より大きいとき、前記加速度信号に基づいて、前記利用者の状態が、前記体組織運動状態に対応するか前記体動状態に対応するかを判別させることを特徴とする[17]に記載の生体情報検出プログラムである。
10 発光部(検出部)
15 発光制御部
20 受光部(検出部)
30 加速度計測部
40 信号増幅部
60 メモリ部
65 脈波評価記録部(記録部)
70 信号処理部(観測信号評価部、動作状態判別部、観測部位選択部、脈拍数算出部)
80 表示部
100 生体情報検出装置
101 機器本体
USh 手首
SF 皮膚面
MS 計測領域
E1〜E9 発光素子
R1〜R4 受光素子
Pm 観測部位

Claims (10)

  1. 利用者の互いに異なる複数の観測部位の各々の脈波に基づいて検出される観測信号を出力する検出部と、
    情報が記録される記録部と、
    前記記録部に記録されている前記情報と前記観測信号とに基づいて前記利用者の脈拍数を算出する信号処理部と、
    を備え、
    前記信号処理部は、
    前記利用者の前記脈拍数の算出を行う前に、前記利用者予め設定した複数の動作状態の各々にあるときに、前記検出部が出力する前記観測信号を取得し、前記複数の動作状態の各々において、前記複数の観測部位に対する複数の前記観測信号の信号波形、脈波が前記観測信号に反映されている度合いを表していると推定される特定の指標相対的に評価し、前記各観測部位に関連付けた、前記複数の動作状態の各々における前記評価の結果を前記情報として前記記録部に記録させ
    前記利用者の前記脈拍数の算出を行うときに、前記複数の観測部位の何れかに対する前記観測信号に基づいて、前記利用者の状態が前記複数の動作状態の何れに対応するかを判別前記利用者の状態が前記複数の動作状態のうちの特定の動作状態に対応すると判別したとき、前記記録部に記録されている前記情報における前記特定の動作状態での前記評価の結果と前記各観測部位との関係に基づき、前記複数の観測部位のなかで、前記特定の動作状態において、前記観測信号に前記脈波が相対的に良好に反映されると推定される1つの前記観測部位を特定の観測部位として選択
    前記検出部が前記特定の観測部位に対して出力する前記観測信号を特定の観測信号として取得し、該特定の観測信号に基づいて前記脈拍数を算出する、
    ことを特徴とする生体情報検出装置。
  2. 前記信号処理部は、前記信号波形を、安静時の人体の脈拍に対応する周波数範囲の脈波信号成分と、該脈波信号成分以外のノイズ信号成分とに分け、前記特定の指標として、前記脈波信号成分の最大振幅と、前記脈波信号成分と前記ノイズ信号成分の比と、を用い、前記各観測部位の間で、前記最大振幅の値が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定し、前記脈波信号成分の前記ノイズ信号成分に対する比が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定すると評価することを特徴とする請求項1に記載の生体情報検出装置。
  3. 前記信号処理部は、前記記録部に記録されている前記評価の結果と前記各観測部位と前記各動作状態との関係に基づき、前記複数の観測部位のなかで、前記特定の動作状態で脈波が前記観測信号に最も良好に反映されていると推定される1つの前記観測部位を、前記特定の観測部位として選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の生体情報検出装置。
  4. 前記信号処理部は、
    前記複数の動作状態を、前記利用者が実質的に動作を行っていない静止状態と、前記利用者が動作を行っている運動状態とし、
    前記観測信号の信号波形の一波毎の極値間の時間の変化に基づいて、前記利用者の状態が、前記静止状態に対応するか前記運動状態に対応するかを判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の生体情報検出装置。
  5. 利用者の脈拍数の算出を行う前に、前記利用者予め設定した複数の動作状態の各々にあるときに、当該利用者の互いに異なる複数の観測部位の各々で脈波に基づく観測信号を取得し、
    前記複数の動作状態の各々において、前記複数の観測部位に対する複数の前記観測信号の信号波形を、脈波が前記観測信号に反映されている度合いを表していると推定される特定の指標相対的に評価し、前記各観測部位に関連付けた、前記複数の動作状態の各々における前記評価の結果を情報として記録部に記録し、
    前記利用者の前記脈拍数の算出を行うときに、前記複数の観測部位の何れかに対する前記観測信号に基づいて前記利用者の状態が前記複数の動作状態の何れに対応するかを判別し、
    当該利用者の状態が特定の動作状態に対応すると判別したとき、前記記録部に記録された前記情報における前記特定の動作状態での前記評価の結果と前記各観測部位との関係に基づき、前記複数の観測部位のなかで、前記特定の動作状態において、前記観測信号に前記脈波が相対的に良好に反映されると推定される1つの前記観測部位を特定の観測部位として選択し、
    前記特定の観測部位に対する前記観測信号を特定の観測信号として取得し、該特定の観測信号に基づいて前記脈拍数を計算する、
    ことを特徴とする生体情報検出方法。
  6. 前記評価を行う処理において、前記信号波形を、安静時の人体の脈拍に対応する周波数範囲の脈波信号成分と、該脈波信号成分以外のノイズ信号成分とに分け、前記特定の指標として、前記脈波信号成分の最大振幅と、前記脈波信号成分に対する前記ノイズ信号成分の比と、を用い、前記各観測部位の間で、前記最大振幅の値が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定し、前記脈波信号成分の前記ノイズ信号成分に対する比が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定すると評価することを特徴とする請求項5に記載の生体情報検出方法。
  7. 前記複数の動作状態を、前記利用者が実質的に動作を行っていない静止状態と、前記利用者が動作を行っている運動状態とし、
    前記利用者の状態を判別する処理は、前記観測信号の信号波形の一波毎の極値間の時間の変化に基づいて、前記利用者の状態が、前記静止状態に対応するか前記運動状態に対応するかを判別することを特徴とする請求項5又は6に記載の生体情報検出方法。
  8. コンピュータに、
    利用者の脈拍数の算出を行う前に、前記利用者予め設定した複数の動作状態の各々にあるときに、当該利用者の互いに異なる複数の観測部位の各々で脈波に基づく観測信号を取得させ、
    前記複数の動作状態の各々において、前記複数の観測部位に対する複数の前記観測信号の信号波形を、脈波が前記観測信号に反映されている度合いを表していると推定される特定の指標相対的に評価させ、前記各観測部位に関連付けた、前記複数の動作状態の各々における前記評価の結果を情報として記録部に記録させ、
    前記利用者の前記脈拍数の算出を行うときに、前記複数の観測部位の何れかに対する前記観測信号に基づいて前記利用者の状態が前記複数の動作状態の何れに対応するかを判別させ、
    当該利用者の状態が特定の動作状態に対応すると判別したとき、前記記録部に記録させた前記情報における前記特定の動作状態での前記評価の結果と前記各観測部位との関係に基づき、前記複数の観測部位のなかで、前記特定の動作状態において、前記観測信号に前記脈波が相対的に良好に反映されると推定される1つの前記観測部位を特定の観測部位として選択させ、
    前記特定の観測部位に対する前記観測信号を特定の観測信号として取得させ、該特定の観測信号に基づいて前記脈拍数を計算させる、
    ことを特徴とする生体情報検出プログラム。
  9. 前記コンピュータに、
    前記評価において、前記信号波形を、安静時の人体の脈拍に対応する周波数範囲の脈波信号成分と、該脈波信号成分以外のノイズ信号成分とに分け、前記特定の指標として、前記脈波信号成分の最大振幅と、前記脈波信号成分に対する前記ノイズ信号成分の比と、を用い、前記各観測部位の間で、前記最大振幅の値が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定し、前記脈波信号成分の前記ノイズ信号成分に対する比が相対的に大きいほど脈波が前記観測信号に良好に反映されていると推定すると評価させることを特徴とする請求項8に記載の生体情報検出プログラム。
  10. 前記コンピュータに、
    前記複数の動作状態を、前記利用者が実質的に動作を行っていない静止状態と、前記利用者が動作を行っている運動状態とさせ、
    前記利用者の状態を判別する処理において、前記観測信号の信号波形の一波毎の極値間の時間の変化に基づいて、前記利用者の状態が、前記静止状態に対応するか前記運動状態に対応するかを判別させることを特徴とする請求項8又は9に記載の生体情報検出プログラム。
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