JP6065710B2 - 回転式ホイルトラップ及びこのホイルトラップを用いた光源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、極端紫外光源である高温プラズマから放出されるデブリから集光鏡等を保護する回転式ホイルトラップ及びこのホイルトラップを用いた光源装置に関する。
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、露光用光源の短波長化が進められ、次世代の半導体露光用光源として、特に波長13.5nmの極端紫外光(以下、EUV(Extreme Ultra Violet)光ともいう)を放射する極端紫外光光源装置(以下、EUV光源装置ともいう)の開発が進められている。
EUV光源装置において、EUV光を発生させる方法はいくつか知られているが、そのうちの一つに極端紫外光放射種(以下、EUV放射種)を加熱して励起することにより高温プラズマを発生させ、この高温プラズマからEUV光を取り出す方法がある。
このような方法を採用するEUV光源装置は、高温プラズマの生成方式により、LPP(LaserProduced Plasma:レーザ生成プラズマ)方式EUV光源装置とDPP(DischargeProduced Plasma:放電生成プラズマ)方式EUV光源装置とに大きく分けられる。
〔DPP方式のEUV光源装置〕
図5は、特許文献1記載されたDPP方式のEUV光源装置を簡易的に説明するための図である。
EUV光源装置は、放電容器であるチャンバ1を有する。チャンバ1内には、一対の円板状の放電電極2a,2bなどが収容される放電部1aと、ホイルトラップ5や集光光学手段であるEUV集光鏡9などが収容されるEUV集光部1bとを備えている。
1cは、放電部1a、EUV集光部1bを排気して、チャンバ1内を真空状態にするためのガス排気ユニットである。
2a,2bは円盤状の電極である。電極2a,2bは所定間隔だけ互いに離間しており、それぞれ回転モータ16a,16bが回転することにより、16c,16dを回転軸として回転する。
14は、波長13.5nmのEUV光を放射する高温プラズマ原料である。高温プラズマ原料14は、加熱された溶融金属(meltedmetal)例えば液体状のスズ(Sn)であり、コンテナ15a、15bに収容される。
上記電極2a,2bは、その一部が高温プラズマ原料14を収容するコンテナ15a、15bの中に浸されるように配置される。電極2a,2bの表面上に乗った液体状の高温プラズマ原料14は、電極2a,2bが回転することにより、放電空間に輸送される。上記放電空間に輸送された高温プラズマ原料14に対してレーザ源17aよりレーザ光17が照射される。レーザ光17が照射された高温プラズマ原料14は気化する。
電極2a,2bに、電力供給手段3からパルス電圧が印加された後、高温プラズマ原料14がレ−ザ光17の照射により気化されることにより、両電極2a,2b間にパルス放電が開始し、高温プラズマ原料14によるプラズマPが形成される。放電時に流れる大電流によりプラズマが加熱励起され高温化すると、この高温プラズマPからEUVが放射される。
高温プラズマPから放射したEUV光は、EUV集光鏡9により集光鏡9の集光点(中間集光点ともいう)fに集められ、EUV光取出部8から出射し、EUV光源装置に接続された点線で示した露光機40に入射する。
上記したEUV集光鏡9は、一般に、複数枚の薄い凹面ミラーを入れ子状に高精度に配置した構造からなる。各凹面ミラーの反射面の形状は、例えば、回転楕円面形状、回転放物面形状、ウォルター型形状であり、各凹面ミラーは回転体形状である。ここで、ウォルター型形状とは、光入射面が、光入射側から順に回転双曲面と回転楕円面、もしくは、回転双曲面と回転放物面からなる凹面形状である。
〔LPP方式のEUV光源装置〕
図6は、LPP方式のEUV光源装置を簡易的に説明するための図である。
LPP方式のEUV光源装置は、光源チャンバ1を有する。光源チャンバ1には、EUV放射種である原料(高温プラズマ原料)を供給するための原料供給ユニット10および原料供給ノズル20が設けられている。原料供給ノズル20からは、原料として、例えば液滴状のスズ(Sn)が放出される。
光源チャンバ1の内部は、真空ポンプ等で構成されたガス排気ユニット1cにより真空状態に維持されている。
レーザビーム照射手段である励起用レーザ光発生装置21からのレーザ光(レーザビーム)22は、レーザ光集光手段24により集光されながらレーザ光入射窓部23を介してチャンバ1内部へ導入され、EUV集光鏡9の略中央部に設けられたレーザ光通過穴25を通って、原料供給ノズル20から放出される原料(例えば液滴状のスズ)に照射される。ここで用いられる励起用レーザ光発生装置21は、例えば、繰り返し周波数が数kHzであるパルスレーザ装置であり、炭酸ガス(CO)レーザ、YAGレーザなどが使用される。
原料供給ノズル20から供給された原料は、レーザ光22の照射により加熱・励起されて高温プラズマとなり、この高温プラズマからEUV光が放射される。放射されたEUV光は、EUV集光鏡9によりEUV光取出部に向けて反射されてEUV集光鏡の集光点(中間集光点)に集光され、EUV光取出部8から出射し、EUV光源装置に接続された点線で示した露光機4入射する。
ここで、EUV集光鏡9は、例えばモリブデンとシリコンの多層膜でコーティングされた球面形状の反射鏡であり、励起用レーザ光発生装置21およびレーザ光入射窓部23の配置によっては、レーザ光通過穴25を必要としない場合もある。
また、高温プラズマ生成用のレーザ光22は、迷光としてEUV光取出部に到達することもある。よって、EUV光取出部の前方(高温プラズマ側)にEUV光を透過して、レーザ光22を透過させない不図示のスペクトル純度フィルタを配置することもある。
〔ホイルトラップ〕
上述したEUV光源装置において、高温プラズマPからは種々のデブリが発生する。それは、例えば、高温プラズマPと接する金属(例えば、一対の円板状の放電電極2a,2b)が上記プラズマによってスパッタされて生成する金属粉等のデブリや、高温プラズマ原料14であるSnに起因するデブリである。
これらのデブリは、プラズマの収縮・膨張過程を経て、大きな運動エネルギーを得る。すなわち、高温プラズマPから発生するデブリは高速で移動するイオンや中性原子であり、このようなデブリはEUV集光鏡9にぶつかって反射面を削ったり、反射面上に堆積したりして、EUV光の反射率を低下させる。
そのため、EUV光源装置において、放電部1aとEUV光集光部1bに収容されたEUV集光鏡9との間には、EUV集光鏡9のダメージを防ぐために、ホイルトラップ5が設置される。ホイルトラップ5は、上記したようなデブリを捕捉してEUV光のみを通過させる働きをする。
ホイルトラップは、その一例が特許文献2、特許文献3に示され、特許文献3では「フォイル・トラップ」として記載されている。
図7に、特許文献2に示されるようなホイルトラップの概略構成を示す。
ホイルトラップ5は、ホイルトラップ5の中心軸(図7ではEUV光の光軸に一致)を中心として、半径方向に放射状に配置された、複数の薄膜(ホイル)または薄い平板(プレート)(以下薄膜と平板を合せて「ホイル5a」と呼ぶ)と、この複数のホイル5aを支持する、同心円状に配置された中心支柱5bとリング状支持体である外側リング5cのとから構成されている。
ホイル5aは、その平面がEUV光の光軸に平行になるように配置され支持されている。そのため、ホイルトラップ5を極端紫外光源(高温プラズマP)側から見ると、中心支柱5bと外側リング5cの支持体の部分を除けば、ホイル5aの厚みしか見えない。したがって、高温プラズマPからのEUV光のほとんどは、ホイルトラップ5を通過することができる。
一方、ホイルトラップ5の複数のホイル5aは、配置された空間を細かく分割することにより、その部分のコンダクタンスを下げて圧力を上げる働きをする。そのため、高温プラズマPからのデブリは、ホイルトラップ5により圧力が上がった領域で衝突確率が上がるために速度が低下する。速度が低下したデブリは、ホイルやホイルの支持体により捕捉されるものもある。
なお、DPP方式EUV光源装置においては、光軸上の光(高温プラズマPから0°の角度(放射角が0°)で出射する光)や、EUV集光鏡の最も内側に位置する凹面ミラーが反射可能な入射角(以下、最小入射角ともいう)より小さい入射角でEUVミラーに入射する光は、露光には使用されず、むしろ存在しないほうが好ましい。そのため、中心支柱は存在しても問題はなく、むしろ中心支柱により積極的に遮光することもある。なお中心支柱は、EUV集光鏡の構成から定まる最小入射角以下の光を遮光する形状となるので、一般的にはコーン形状となる。よって、以下、中心支柱のことをコーン(cone)とも呼ぶ。
なお、ホイルトラップは、高温プラズマの近くに配置されるので、受ける熱負荷も大きい。よって、ホイルトラップを構成するホイルやコーンは、例えば、モリブデン(Mo)などの高耐熱材料から形成される。
上記したホイルトラップは、主としてDPP方式のEUV光源装置に採用されることが多い。LPP方式のEUV光源装置の場合、磁界によりデブリ進行方向を制御してEUV集光鏡への衝突を抑制したり、EUV集光鏡に付着したデブリを、水素ガス等のクリーニングガスにより除去したりしている。しかしながら、図6に示すように、上記したようなホイルトラップ5を高温プラズマPとEUV集光鏡9との間に配置することもある。すなわち、ホイルトラップはDPP方式のEUV光源装置のみならず、LPP方式のEUV光源装置にも採用されうる。
〔回転式ホイルトラップ、固定式ホイルトラップ〕
近年、特許文献4に記載されているように、ホイルトラップを2つ、直列に設けるとともに、一方のホイルトラップを回転させる構成が知られている。
図8に概略構成を示す。図8に示す例では、高温プラズマPに近い方のホイルトラップが回転する機能を有する。以下、この回転機能を有するホイルトラップを回転式ホイルトラップ、回転せず固定型のホイルトラップを固定式ホイルトラップとも言う。
回転式ホイルトラップ4は、コーン(中心支柱4c)が図示を省略した回転駆動機構の回転軸と同軸状に接続されている。そして、回転駆動機構の回転軸が回転すると、上記回転式ホイルトラップ4はコーン4cの回転軸を中心に回転する。
回転式ホイルトラップ4の各ホイル4aは、同図のろう付け部分4bにおいて、コーン4cに例えばろう付け等で固定されており、各ホイル4aはコーン4cの回転軸を中心に放射状に伸びる。なお、回転式ホイルトラップ4は、コーン4cに固定されていればよい。
回転式ホイルトラップ4は、複数のホイル4aがコーン4cの回転軸を中心に回転することにより、プラズマから飛来するデブリを捕捉するものである。例えば、高温プラズマ原料14であるSnに起因するデブリは、回転式ホイルトラップ4の各ホイル4aに捕捉されたり、進行方向がEUVミラー側とは異なる方向となるように偏向される。すなわち、EUV集光鏡9の各凹面ミラーへのデブリの堆積は、回転式ホイルトラップ4を使用することにより抑制される。
ここで、上記したように、回転式ホイルトラップ4は高温プラズマPと対向するので、高温プラズマPにより加熱されたり、デブリが衝突することによる加熱を受けることになる。よって、回転式ホイルトラップ4の受ける熱負荷は高い。
よって、回転式ホイルトラップ4は、コーン4c内部に冷却管を設けて、当該冷却管に水などの冷媒を流すことによりコーン4cを冷却している。なお、ホイル4aはろう付け等によりコーンと熱的に接続されているので、コーン4cを冷却することにより、ホイル4aも冷却される。
固定式ホイルトラップ5は、回転式ホイルトラップ4により捕捉しきれなかった高速で進行するデブリを捕捉する。固定式ホイルトラップ5により圧力が上がった領域での上記デブリの衝突確率が上がるため、高速で移動するデブリの速度が低下する。速度が低下したデブリは、ホイルやホイルの支持体により捕捉されるものもある。すなわち、EUV集光鏡の各凹面ミラーの高速デブリによるスパッタリングは、固定式ホイルトラップ4を使用することにより抑制される。
なお、必要に応じて固定式ホイルトラップのコーンも冷却してもよい。
特表2007−505460号公報 特表2002−504746号公報 特表2004−214656号公報 特表2012−513653号公報
回転式ホイルトラップ4の回転動作は、高温プラズマを生成して当該高温プラズマからEUVを放出させる前に開始される。すなわち、図示を省略した回転駆動機構の回転動作が開始されて、回転駆動機構の回転軸と接続されている回転式ホイルトラップ4の回転動作が開始する。
回転ホイルトラップ4の回転数は、回転動作の開始時点より徐々に増大し、予め定められた所定の回転数である定常回転数に到達する。なお、所定の回転数とは、回転式ホイルトラップ4が高温プラズマから飛来するデブリを効果的に捕捉するように、実験的に求めた回転数である。
一方、回転式ホイルトラップ4は、各ホイル4aの長さや弾性係数等で決定付けられる固有振動数を有する。回転式ホイルトラップ4の回転数が回転式ホイルトラップの固有振動数と共振を起こす条件に一致すると、回転式ホイルトラップ4の振動が増大し、振動による音が発生する。そして、この共振時に発生する振動によって、回転式ホイルトラップ4に機械的な力が加わり、回転式ホイルトラップ4や回転軸等が破損するという問題が発生する。特に複数枚のホイル4aの振動により、各ホイル同士が衝突してホイル4aが破損したり、ホイル4aが変形して高温プラズマから放出されるEUVの一部を遮光してしまうという不具合が無視できない。
ここで、回転式ホイルトラップ4の回転数は、静止状態から定常回転数まで増大する際、回転式ホイルトラップの固有振動数と共振を起こす回転数を通過することが分かった。回転式ホイルトラップの各ホイル4aの長さ等の形状は、デブリを効果的に捕捉するように定められた形状である。また、回転ホイルトラップの各ホイル4aの材質は、高温プラズマに対する耐熱性を考慮して選択される。そのため、回転式ホイルトラップの固有振動数の変更に関する自由度は低い。同様に、定常回転数も多少の変更は可能だが、変更可能範囲は大きくない。よって、回転式ホイルトラップ4を駆動する際、この回転式ホイルトラップは上記したような共振の影響を必ず受けざるを得ず、その結果寿命が短くなるという不具合を回避できない。
そこで、固定式ホイルトラップと同様、図9に示すように、回転ホイルトラップ4の外周部分にホイル4aを等間隔に保持するためのリング状の構造である外側リング6を設け、外側リング6の効果を調査した。具体的には、チャンバ内での使用状況を再現するために、外側リング6を設けた回転式ホイルトラップと外側リング6が設けられていない回転式ホイルトラップをそれぞれ真空容器中に配置して回転させ、共振の影響を調べた。
外側リング6が設けられていない従来の回転式ホイルトラップの場合、当該回転式ホイルトラップの回転数が共振を起こす回転数に到達したとき複数枚のホイルが振動し、この振動に起因する音(ノイズ)が発生した。
一方、外側リング6を設けた回転式ホイルトラップの場合、当該回転式ホイルトラップの回転数が共振を起こす回転数に到達したとき、回転式ホイルトラップ自体の共振が発生し、回転軸への応力は発生するものの、複数枚のホイル4a自体は外側リング6によって等間隔に固定されているので、複数枚のホイル4aの振動や当該振動に起因するノイズが抑制された。すなわち、ホイル4aの振動によって発生する各ホイル同士の衝突による当該ホイル4aの破損や、ホイル4aが変形して高温プラズマから放出されるEUVの一部を遮光してしまうという不具合を抑制することができる。
また、複数枚のホイル4aの外周に外側リング6を設けることにより、各ホイル4aが機械的に安定し、回転式ホイルトラップの交換や持ち運びの取り扱いも容易になるという利点もある。
ここで、上記したように、回転式ホイルトラップは高温プラズマと対向するので、高温プラズマにより加熱されたり、デブリが衝突することによる加熱を受けることになる。そのため、回転式ホイルトラップの受ける熱負荷は高い。
よって、回転式ホイルトラップは、コーン4c内部に冷却管を設けて、当該冷却管に水などの冷媒を流すことによりコーンを冷却している。なお、ホイル4aはろう付け等によりコーン4cと熱的に接続されているので、コーン4cを冷却することにより、ホイルも冷却される。
しかしながら、各ホイル4aは冷却されてはいるものの、当該各ホイル4aの温度は高温プラズマ原料である錫(Sn)の融点である250°Cを上回る温度となる。よって、図10に示すように、ホイルに捕捉されたSnに起因するデブリは、やがて液化し、回転式ホイルトラップ4の回転により生じる遠心力によって、各ホイル4aに沿って半径方向に移動する。
回転ホイルトラップ4の外周部分に外側リング6を設けた場合、この遠心力により移動する液化したデブリは外側リング6に到達する。外側リング6に到達した液化したデブリは、そのまま外側リング6に堆積したり、外側リング6に衝突後跳ね返り不所望な方向に移動してしまう。その結果、高温プラズマから放出されるEUVの一部を遮光してしまうという不具合などが発生するおそれもある。
本発明は上記したような事情に鑑みなされたものであり、その課題は、回転式ホイルトラップの回転数が当該回転式ホイルトラップの回転数が共振を起こす回転数に到達したときに共振が発生しても、複数枚のホイルの振動や当該振動に起因するノイズが抑制され、ホイルの振動によって発生する各ホイル同士の衝突による当該ホイルの破損を回避可能であるとともに、各ホイルに付着したデブリが回転式ホイルトラップに滞留せず、各ホイル上に付着して液化したデブリの流れが妨げられない回転式ホイルトラップを提供することである。
本発明においては、回転式ホイルトラップの周縁部であって各ホイルの長手方向の辺と接する部分に、各ホイル同士を相互に固定する円環形状の外側リングを取り付ける。該円環形状の外側リングは、EUV集光鏡による集光範囲(集光角)外になるように設けられ、外側リングの平面方向は、ホイルトラップの回転軸に対してほぼ垂直方向となるように設定される。
これにより、回転数が共振を起こす回転数に到達したとき発生する上記共振による複数枚のホイルの振動や当該振動に起因するノイズを抑制することができ、また、外側リングの平面方向は、ホイルトラップの回転軸に対してほぼ垂直方向となるように設定されるので、各ホイルに付着したデブリは回転式ホイルトラップに滞留することがない。
すなわち、本発明においては、以下のようにして前記課題を解決する。
(1)プラズマと、該プラズマから放射される光を集光する集光ミラーの間に配置され、主軸から放射状に伸びる複数のホイルを備え、上記光は通過するが上記プラズマからのデブリは捕捉するホイルトラップであって、上記複数のホイルは、主軸上に配置された中心支柱により支持され、上記中心支柱と連結した回転機構により上記中心支柱を回転軸として回転可能に構成されている回転式ホイルトラップにおいて、各ホイルの周縁部であって各ホイルの長手方向の辺と接する部分に、各ホイル同士を相互に固定する円板形状である円環形状の外側リングを設ける。当該円板形状の円環形状の外側リングの平面方向回転軸に対してほぼ垂直方向になるように設定され、また、当該外側リングはプラズマと集光ミラーから定まる当該集光ミラーによる集光範囲(集光角)外に設けられる。
(2)上記(1)において、上記外側リングは複数設けられる。例えば、該複数の外側リングを、少なくとも上記ホイルもしくはその一部を挟むように、該ホイルのプラズマ側及び集光ミラー側に対向させて設ける。
(3)上記(1)(2)において、各ホイルの外側リングが固定される位置には主軸方向に突出する突起部がそれぞれ設けられ、外側リングの上記突起部に対応する位置には、挿入穴部が設けられ、上記外側リングの各挿入穴部に挿入され当該各挿入穴部より外側へ突出した上記ホイルの突起部に、一部が曲げられた曲げ部が構成され、上記外側リングと上記各ホイルとが固定される。
(4)上記(1)(2)(3)において、各ホイルの外側リングが固定される位置に、各ホイルが放射状に伸びる放射方向(半径方向)に突出する突起部がそれぞれ設けられ、上記突起部の突起方向と垂直な2つの辺にそれぞれ各ホイル同士を相互に固定する円環形状の第1の外側リングと第2の外側リングが当該突起部を挟むように設けられる。
(5)上記(4)において、上記突起部の2つの辺のそれぞれに矩形状の切り欠き部が設けられ、上記第1の外側リングと第2の外側リングのそれぞれの内周側及び外周側の辺であって、上記切り欠き部の放射方向外側と放射方向内側の各辺に対応する位置に、切り欠き溝が設けられ、上記第1および第2の外側リングに設けられた上記各切り欠き溝に、各ホイルの上記切り欠き部の放射方向外側と放射方向内側の各辺を挿入させることにより上記第1および第2の外側リングが上記ホイル上に位置決めされる。
また、上記第1および第2の外側リングには(上記切り欠き溝が形成された部分の間の領域の一部には、)互いに対向する挿入穴部が設けられ、この対向する挿入穴部において、一方の外側リングの挿入穴部から他方の外側リングの挿入穴部を貫通するようにクリップが挿入されていて、該クリップにより上記第1および第2の外側リングが固定される。
(6)上記(1)(2)(3)(4)(5)において、上記ホイルの厚さは、0.2−0.5mmの範囲に規定されている。
(7)上記(1)(2)(3)(4)(5)(6)の回転ホイルトラップを、容器と、上記容器内にプラズマ原料を供給するプラズマ原料供給手段と、上記プラズマ原料を加熱して励起しプラズマを発生させる一対の放電電極からなる放電部材と、上記プラズマから放射される光を集光する集光ミラーと、上記放電部材と上記集光ミラーとの間に設けられるホイルトラップと、上記集光された光を取り出す上記容器に形成された光取り出し部と、上記容器内を排気し容器内の圧力を調整する排気手段とを備えた光源装置に適用する。
(8)上記(1)(2)(3)(4)(5)(6)の回転ホイルトラップを、容器と、上記容器内にプラズマ原料を供給するプラズマ原料供給手段と、上記プラズマ原料にレーザビームを照射して当該プラズマ原料を加熱して励起し高温プラズマを発生させるレーザビーム照射手段と、上記プラズマから放射される光を集光する集光ミラーと、上記高温プラズマと上記集光ミラーとの間に設けられるホイルトラップと、上記集光された光を取り出す上記容器に形成された光取り出し部と、上記容器内を排気し容器内の圧力を調整する排気手段とを備えた光源装置に適用する。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)各ホイルの周縁部であって各ホイルの長手方向の辺と接する部分に、各ホイル同士を相互に固定する円環形状の外側リングを設けたので、共振が発生しても、複数枚のホイルの振動や当該振動に起因するノイズが抑制され、ホイルの振動によって発生する各ホイル同士の衝突による当該ホイルの破損等を回避することができる。
また、外側リングの平面方向を回転軸に対してほぼ垂直方向になるように設定したので、各ホイルに付着したデブリが回転式ホイルトラップに滞留せず、各ホイル上に付着して液化したデブリの流れが妨げられることがない。
(2)上記外側リングを複数設け、ホイルのブラズマ側及び集光ミラー側に対向させて配置することにより、径が大きな回転式ホイルトラップであっても各ホイル同士を相互に強固に固定することができ、ホイルの振動や当該振動に起因するノイズを抑制することができる。
(3)各ホイルの外側リングが固定される位置に主軸方向に突出する突起部をそれぞれ設け、外側リングの上記突起部に対応する位置に挿入穴部を設け、上記外側リングの各挿入穴部に、上記突起部を挿入して、各挿入穴部より外側へ突出した上記ホイルの突起部に、曲げ部を構成して外側リングと上記各ホイルとを固定することにより、各ホイルに対してろう付け等の溶接や接着を行うことなく外側リングを固定することができ、外側リングが破損した場合等において、外側ホイルを容易に交換することができる。
また、突起部の長さを、外側リングの挿入穴部の長さより短くし、挿入穴部内で突起部がホイルトラップの半径方向に移動可能としておくことにより、各ホイルが熱膨張しても、各ホイルは外側リングにより応力を受けず、熱膨張に起因する座屈が発生するのを防ぐことができる。
(4)各ホイルの外側リングが固定される位置に、各ホイルに、ホイルトラップの半径方向に突出する突起部をそれぞれ設け、突起部の突起方向と垂直な2つの辺に、各ホイル同士を相互に固定する円環形状の第1、第2の外側リングを、当該突起部を挟むように設けることにより、各ホイル同士を相互に強固に固定することができ、径が大きな回転式ホイルトラップであっても複数枚のホイルの振動や当該振動に起因するノイズを抑制することができる。
(5)突起部の2つの辺のそれぞれに矩形状の切り欠き部を設け、また、第1の外側リングと第2の外側リングのそれぞれの内周側及び外周側に切り欠き溝を設け、上記各切り欠き溝に、各ホイルの上記切り欠き部の放射方向外側と放射方向内側の各辺を挿入させて、第1および第2の外側リングを上記ホイル上に位置決めし、さらに、上記第1および第2の外側リングに互いに対向する挿入穴部を設け、この対向する挿入穴部にクリップを挿入して、各挿入穴部より外側へ突出したクリップに、曲げ部を構成して該クリップを第1および第2の外側リングを固定する構成とすることにより、外側リングを、各ホイルに対してろう付け等の溶接や接着を行うことなく固定することができ、外側リングが破損等した場合に、容易に交換することができる。
また、突起部に形成された矩形状の切り欠き部に対して、第1の外側リングと第2の外側リングが、ホイルトラップの半径方向に少し移動可能としておくことにより、各ホイルが熱膨張しても、各ホイルは外側リングにより応力を受けず、熱膨張に起因する座屈が発生するのを防ぐことができる。
(6)ホイルの厚さを、0.2−0.5mmの範囲にすることにより、各ホイルの熱変形等にともなうEUV光の透過率低下が起こりにくくなる。また、ホイル自体の厚みにより遮蔽されるEUV光も少なくすることができる。
本発明の実施例の回転式ホイルトラップの概略構成図を示す図である。 本発明の回転式ホイルトラップの別の実施例を示す図である。 ホイルと外側リングとの固定構造について説明する図(1)である。 ホイルと外側リングとの固定構造について説明する図(2)である。 DPP方式のEUV光源装置を簡易的に説明するための図である。 LPP方式のEUV光源装置を簡易的に説明するための図である。 ホイルトラップの概略構成を示す図である。 2つのホイルトラップを直列に設け、一方を回転させるように構成した場合を示す図である。 回転ホイルトラップの外周部分にホイルaを等間隔に保持するためのリング状の構造である外側リングを設けた場合を説明する図である。 ホイルに捕捉されたデブリが、遠心力によって、各ホイルaに沿って半径方向に移動する様子を示す図である。
図1に本発明の実施例の回転式ホイルトラップの概略構成図を示す。本実施例の回転式ホイルトラップ4は、図9に示す回転式ホイルトラップと同様、各ホイル4aを等間隔に保持する外側リング6A,6Bを設ける。上記したように、図9に示す回転式ホイルトラップの場合、外側リング6は各ホイル4aの外周部分に設けられていた。
図1に示す本発明の第1の実施例の回転式ホイルトラップ4の場合、2枚の外側リングが設けられ、外側リング6A,6Bの形状は、円環形状(同心円状の穴があいた円板形状)であり、回転式ホイルトラップ4の周縁部であって、各ホイル4aの長手方向の辺と接する部分に設けられている。また、外側リング6A,6Bの平面方向は、ホイルトラップ4の回転軸(主軸)に対してほぼ垂直方向となるように設定されている。なお、上記したホイルの長手方向の辺とは、ホイルトラップの回転軸から放射状に伸びる方向に対応する辺である。
円環形状の外側リング6A,6Bは、EUV集光鏡9による集光範囲(集光角)外に設けられている。すなわち、円環状の外側リング6A,6Bの内側の円形の穴部分内に上記集光範囲が存在する。よって、外側リング6A,6Bによって、EUV集光鏡9により集光されるEUVが遮光されることはない。
本発明の回転式ホイルトラップ4における外側リング6A,6Bの平面方向は、上記したように、回転軸に対してほぼ垂直方向となるように設定されているので、各ホイル4aに捕捉され遠心力によって上記各ホイル4aに沿って移動する液化したデブリ(Snに起因するデブリ)は、外側リング6A,6Bに妨げられることなく、各ホイル4aの外縁部から離脱する。
すなわち、上記した液化したデブリは、外側リング6A,6Bに堆積することなく、各ホイル4aの外縁部から離脱する。そのため、本発明の回転式ホイルトラップ4によれば、高温プラズマから放出されるEUVの一部を遮光するといった不具合は回避される。
当然ながら、本発明の回転式ホイルトラップ4によれば、当該回転式ホイルトラップ4の回転数が共振を起こす回転数に到達したとき、回転式ホイルトラップ4自体の共振が発生し、回転軸への応力は発生するものの、複数枚のホイル4a自体は外側リング6A,6Bによって等間隔に固定されているので、複数枚のホイル4aの振動や当該振動に起因するノイズが抑制される。すなわち、ホイル4aの振動によって発生する各ホイル4a同士の衝突による当該ホイル4aの破損や、ホイル4aが変形して高温プラズマから放出されるEUVの一部を遮光してしまうという不具合を抑制することができる。
なお、必要に応じて、回転式ホイルトラップ4の外周部に当該回転式ホイルトラップ4のホイル4aの外周部分を包囲するホイルトラップカバー11を設けることが望ましい。このホイルトラップカバー11は回転式ホイルトラップ4の外縁部から離脱した液化したデブリ(Snに起因するデブリ)を捕捉し回収する。よって、チャンバ内の不所望な部分にデブリが付着することはない。
図1に示す例では、各ホイル4aの高温プラズマ側およびEUV出射側にそれぞれ外側リング6A,外側リング6Bが設けられている。しかしながら、回転式ホイルトラップ4の大きさが小さい場合には、一方を省略することが可能となる。その場合は、回転軸からの距離が近い、高温プラズマ側に設けた外側リング6Aを省略することが好ましい。
図2に、本発明の回転式ホイルトラップ4の別の実施例を示す。本実施例の回転式ホイルトラップ4は、各ホイル4aの高温プラズマ側に外側リング6Aを設けるとともに、各ホイル4aのEUV出射側周縁部(図2のB部)に突起部4dを設け、この突起部4dを2枚の外側リング(後で述べる外側リング6B1、外側リング6B2)によって挟み込んだ構造を有する。
回転式ホイルトラップ4の定常回転数は、例えば、4000rpm以上と高速であり、回転式ホイルトラップ4に作用する遠心力も大きくなる。よって、各外側リング(図1の外側リング6A,外側リング6B)にも大きな遠心力がかかり、場合によっては、外側リングによって固定されている各ホイル4aの変形等の不具合が発生することもある。
図2に示す回転式ホイルトラップ4は、各ホイル4aのEUV出射側周縁部に設けた突起部4dを2枚の外側リング6B1,6B2で挟み込んだ構造であるので、図1に示す回転式ホイルトラップより強固である。よって、大きな遠心力が回転式ホイルトラップ4に作用したとしても、外側リング6A,6B1,6B2によって固定されている各ホイル4aの変形等の不具合を抑制することができる。
次に、各ホイル4aに対する外側リングの固定構造について説明する。図3は、ホイル4aと外側リング6Aとの固定構造について説明する図である。
図3(a)に示すように各ホイル4aの高温プラズマ側には、高温プラズマに向けて突出した突起部4eが設けられている。一方、外側リング6Aの上記突起部4eに対応する位置には、ホイル4aの枚数に応じた数の挿入穴部61が設けられる。
図3(a)(b)に示すように、外側リング6Aの各挿入穴部61に各ホイル4aの突起部4eを挿入することにより、外側リング6Aは各ホイル4aの高温プラズマ側の所定位置に位置決めされる。なお、この所定の位置とは、高温プラズマに対向する各ホイル4aの長手方向の辺上において、EUV集光鏡による集光範囲(集光角)外の領域に相当する位置である。
図3(c)(d)は図3(b)のC方向から見た図である。
ホイル4aの突起部4eには、図3(a)に示すように切り込み41が設けられ、外側リング6Aへ突起部4eを挿入したのち、突起部4eの挿入穴部61より外側へ突出した部分の上記切り込み41部分を折り曲げて、図3(c)、図3(d)の拡大図に示すように、曲げ部42を構成する。
このような構成とすることにより、外側リング6Aは、各ホイル4aに対してろう付け等の溶接や接着を行うことなく、各ホイル4aに固定される。このように上記外側リング6Aは、溶接や接着等で固定されず上記曲げ部42によって固定されているので、上記外側リング6Aのみが破損した場合には容易に交換可能となる。
また、図3(d)に示すように、突起部4eのホイルトラップ半径方向(コーン4cの中心軸からの放射状方向)の長さは、外側リング6Aの挿入穴部61の上記半径方向の長さより短く構成されており、突起部4eを挿入穴部61に挿入したとき、突起部4eの上記半径方向内側(コーン4c側)の端部と、挿入穴部61の上記半径方向の内側の端部の間には少し隙間ができ、突起部4eの上記半径方向外側(コーン4cの反対側)の端部と、挿入穴部61の上記半径方向の外側の端部の間には少し隙間ができる。すなわち、挿入穴部61内で突起部4eが上記半径方向に少し移動可能な遊びdが生じている。
ホイルトラップは高温プラズマにより熱負荷を受け加熱され、各ホイル4aは熱膨張(コーンの中心軸からの放射状方向への線膨張)するが、上記構成とすることにより、各ホイル4aが熱膨張しても、上記各ホイル4aは外側リング6Aにより応力を受けず、熱膨張に起因する不所望な変形が発生しない。
ここで、ホイル4aの厚みは、曲げ加工による機械的な強度、熱的な耐性および光を遮蔽する断面等から0.2−0.5mm程度が好ましい。
上記したように、高温プラズマによりホイルトラップは熱負荷を受け加熱される。ここで高温プラズマに大きな電力が注入されると、ホイルトラップ4への入熱量が大きくなり、その結果、コーン部4cと接続された各ホイル4aにおいて大きな温度勾配が生じる。その結果として、各ホイル4a面内の熱膨張の差異により座屈と称する変形がホイル4aに生じる。
このことは、EUV光の少なくとも一部がホイルトラップを透過するのを妨げることとなり、結果としてEUV集光鏡の集光点である中間集光点に到達できるEUV光の量が減少する。発明者らの実験の結果、このようなホイル4aの座屈が発生しないような熱的な耐性を有するホイルトラップを構築するには、ホイル4aの厚みが0.2mm以上である必要があることが分かった。
なお、ホイル4aの厚みを0.5mm以上とするとホイル4aの厚み方向における断面積が大きくなり、同様にEUV光の一部のホイルトラップの透過が阻害するので、好ましくない。
図4は、ホイル4aと外側リング6B1、6B2との固定構造について説明する図である。上記したように、各ホイル4aのEUV出射側周縁部には突起部4dが設けられる。この突起部4dは、各ホイル4aの半径方向(コーン4cの中心軸からの放射状方向)に向かって突出した構造である。
この突起部4dの突起方向に対して垂直方向の突起部両側のそれぞれに、図4(b)に示すように矩形状の切り欠き部43が設けられている。なお、以下では、該切り欠き部43の上記半径方向のホイルトラップ内側の辺を内側辺43a、ホイルトラップ外側の辺を外側辺43bという。
一方、外側リング6B1,6B2のそれぞれの内周側及び外周側の辺における上記突起部4dに対応する位置には、図4(a)に示すように、ホイル4aの枚数に応じた数の内側切り欠き溝62a、外側切り欠き溝62bが設けられる。
上記外側リング6B1,6B2に設けられた上記各切り欠き溝62aに、各ホイル4aの上記切り欠き部43の内側辺43aを挿入し、また、上記各切り欠き溝62bに、上記切り欠き部43の外側辺43bを挿入することにより、図4(c)に示すように、外側リング6B1,6B2は、各ホイル4aのEUV出射側周縁部に設けられた突起部4dを挟むように、位置決めされる。
なお、この位置決めされた領域は、EUV出射側での各ホイル4aの長手方向の辺上において、EUV集光鏡による集光範囲(集光角)外の領域に相当する位置である。
図4(d)は図4(c)においてE方向からホイル4a,外側リング6B2を見た図、図4(e)は図4(d)のF部拡大図、図4(f)は図4(d)のH部のG−G方向断面図、図4(g)は図4(d)のH部の拡大図である。
図4(e)に示すように、外側リング6B1,6B2の切り欠き溝62a,62bに各ホイル4aの切り欠き部43の内側辺43a,外側辺43bを挿入したとき、外側リング6B1,6B2の各内側切り欠き溝62a及び各外側切り欠き溝62bの半径方向の端部(溝の底部)と、各ホイル4aの切り欠き部43の内側辺43a,外側辺43bとの間には、少し隙間ができるように構成されている。すなわち、外側リング6B1,6B2に対して、各ホイル4aの切り欠き部43の内側辺43a,外側辺43bは、上記半径方向に少し移動可能な遊びdが生じている。
このように構成することにより、各ホイル4aが熱膨張(コーンの中心軸からの放射状方向への線膨張)したとき、上記各ホイル4aは外側リング6B1,6B2により応力を受けないので、熱膨張に起因する座屈が発生しない。
一方、図4(d)のH部拡大図である図4(f)に示すように、外側リング6B1と外側リング6B2上の、半径方向に伸びるホイル4aに挟まれた領域(切り欠き溝62a,62bが形成された部分の間の領域)の対向する位置に、挿入穴部63a,63bが設けられ、この対向する挿入穴部63a,63bに、一方の外側リングの挿入穴部から他方の外側リングの挿入穴部を貫通するようにT字型のクリップ7が挿入される。
図4(f)に示すように、T字型のクリップ7の外側リング6B1側の挿入穴部62aより外側へ突出した部分には、切り込み71が設けられ、図4(g)に示すようにクリップ7の挿入穴部62aより外側へ突出した部分を、上記切り込み71部分で折り曲げて曲げ部72を構成することにより、クリップ7は外側リング6B1と外側リング6B2に固定される。
このように構成することにより、外側リング6B1と6B2は、各ホイル4aに対してろう付け等の溶接を行うことなく、各ホイル4aを挟むように固定される。
なお、回転式ホイルトラップ4は、高温プラズマの近くに配置されるので、受ける熱負荷も大きい。よって、中心支柱4c(コーン)、各ホイル4a、外側リング6A,6B1,6B2、クリップ7等の回転式ホイルトラップ4を構成する部材は、例えば、モリブデン、タングステン、モリブデン合金などの高耐熱材料から形成される。
1 チャンバ
1a 放電部
1b EUV集光部
1c ガス排気ユニット
2a,2b 放電電極
3 電力供給手段
4 回転式ホイルトラップ
4a ホイル
4b ろう付け部分
4c コ−ン(中心支柱)
4d 突起部
4e 突起部
41 切り込み
42 曲げ部
43 矩形状の切り欠き部
43a 切り欠きの内側辺
43b 切り欠きの外側辺
5 固定式ホイルトラップ
6,6A,6B,6B1,6B2 外側リング
61 挿入穴部
62a,62b 切り欠き溝
63a,63b 挿入穴部
7 クリップ
71 切り込み
72 曲げ部
8 EUV光取出部
9 EUV集光鏡
10 原料供給ユニット
11 ホイルトラップカバー
14 高温プラズマ原料
15 コンテナ
16a,16b 回転モ−タ
16c,16d 回転軸
17 レ−ザ光
17a レ−ザ源
20 原料供給ノズル
22 レ−ザ光
21 励起用レ−ザ光発生装置
22 レ−ザ光(レ−ザビ−ム)
23 レ−ザ光入射窓部
24 レ−ザ光集光手段
40 露光機
P 高温プラズマ

Claims (8)

  1. プラズマと、該プラズマから放射される光を集光する集光ミラーの間に配置され、主軸から放射状に伸びる複数のホイルを備え、上記光は通過するが上記プラズマからのデブリは捕捉するホイルトラップであって、
    上記複数のホイルは、主軸上に配置された中心支柱により支持されていて、上記中心支柱と連結した回転機構により上記中心支柱を回転軸として回転可能に構成されている回転式ホイルトラップにおいて、
    各ホイルの周縁部であって各ホイルの長手方向の辺と接する部分に、各ホイル同士を相互に固定する円板形状である円環形状の外側リングが設けられ、当該円板形状の外側リングの平面方向は回転軸に対してほぼ垂直方向になるように設定されていて、当該外側リングはプラズマと集光ミラーから定まる当該集光ミラーによる集光範囲外に設けられている
    ことを特徴とする回転式ホイルトラップ。
  2. 上記外側リングが複数設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の回転式ホイルトラップ。
  3. 各ホイルの外側リングが固定される位置には主軸方向に突出する
    突起部がそれぞれ設けられ、
    外側リングの上記突起部に対応する位置には、挿入穴部が設けられ、
    上記外側リングの各挿入穴部に挿入され当該各挿入穴部より外側へ突出した上記ホイルの突起部に、一部が曲げられた曲げ部が構成され、上記外側リングと上記各ホイルとが固定されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の回転式ホイルトラップ。
  4. 各ホイルの外側リングが固定される位置には、各ホイルが放射状に伸びる放射方向に突出する突起部がそれぞれ設けられ、
    上記突起部の突起方向と垂直な2つの辺にそれぞれ各ホイル同士を相互に固定する円環形状の第1の外側リングと第2の外側リングが当該突起部を挟むように設けられている
    ことを特徴とする請求項1、2または請求項3のいずれかに記載の回転式ホイルトラップ。
  5. 上記突起部の2つの辺のそれぞれに矩形状の切り欠き部が設けられ、
    上記第1の外側リングと第2の外側リングのそれぞれの内周側及び外周側の辺であって、上記切り欠き部の放射方向外側と放射方向内側の各辺に対応する位置に、切り欠き溝が設けられ、
    上記第1および第2の外側リングに設けられた上記各切り欠き溝に、各ホイルの上記切り欠き部の放射方向外側と放射方向内側の各辺を挿入させることにより上記第1および第2の外側リングが上記ホイル上に位置決めされ、
    上記第1および第2の外側リングには、互いに対向する挿入穴部が設けられ、
    この対向する挿入穴部において、一方の外側リングの挿入穴部から他方の外側リングの挿入穴部を貫通するようにクリップが挿入され、該クリップにより上記第1および第2の外側リングが固定されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の回転式ホイルトラップ。
  6. 上記ホイルの厚さは、0.2−0.5mmの範囲に規定されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4および請求項5のいずれか一項に記載の回転式ホイルトラップ。
  7. 容器と、上記容器内にプラズマ原料を供給するプラズマ原料供給手段と、上記プラズマ原料を加熱して励起しプラズマを発生させる一対の放電電極からなる放電部材と、上記プラズマから放射される光を集光する集光ミラーと、上記放電部材と上記集光ミラーとの間に設けられるホイルトラップと、上記集光された光を取り出す上記容器に形成された光取り出し部と、上記容器内を排気し容器内の圧力を調整する排気手段とを備えた光源装置において、
    上記ホイルトラップは、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6のいずれか一項に記載の回転式ホイルトラップである
    ことを特徴とする光源装置。
  8. 容器と、上記容器内にプラズマ原料を供給するプラズマ原料供給手段と、上記プラズマ原料にレーザビームを照射して当該プラズマ原料を加熱して励起し高温プラズマを発生させるレーザビーム照射手段と、上記プラズマから放射される光を集光する集光ミラーと、上記高温プラズマと上記集光ミラーとの間に設けられるホイルトラップと、上記集光された光を取り出す上記容器に形成された光取り出し部と、上記容器内を排気し容器内の圧力を調整する排気手段とを備えた光源装置において、
    上記ホイルトラップは、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6のいずれか一項に記載の回転式ホイルトラップである
    ことを特徴とする光源装置。
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