JP2005310922A - Euv光用集光器及び光源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大出力EUV光源装置に用いる高集光率で、寿命の長いEUV光用集光器等を提供する。
【解決手段】最外側に配置された第1のミラー2と、第1のミラー2と同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した回転楕円体からなる第2のミラー3から構成されている。第2のミラー3のEUV光出射側端部3aには、スパイダーと呼ばれるミラーの固定用部材4が配置されている。第1のミラー2のEUV光出射端部2a側には冷却体23が形成され、流入用パイプ7a、排出用パイプ7bとが設けられている。第2のミラーの中央裏面の入射側よりに冷却体22が形成され、流入用パイプ6a、排出用パイプ6bとが設けられている。放電プラズマによるEUV光放射源S1から放射され集光点S2までの光路を仮想線P1、P2、P3、P4で示している。
【選択図】図2
【解決手段】最外側に配置された第1のミラー2と、第1のミラー2と同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した回転楕円体からなる第2のミラー3から構成されている。第2のミラー3のEUV光出射側端部3aには、スパイダーと呼ばれるミラーの固定用部材4が配置されている。第1のミラー2のEUV光出射端部2a側には冷却体23が形成され、流入用パイプ7a、排出用パイプ7bとが設けられている。第2のミラーの中央裏面の入射側よりに冷却体22が形成され、流入用パイプ6a、排出用パイプ6bとが設けられている。放電プラズマによるEUV光放射源S1から放射され集光点S2までの光路を仮想線P1、P2、P3、P4で示している。
【選択図】図2
Description
本発明は、EUV光用集光器及び該集光器を有する大出力EUV光源装置に関するものであり、更に詳しくは、特に、大出力EUVを高い光利用率で集光可能とするミラーの冷却機構に特徴をもつEUV光用集光器、及び該集光器を利用したEUV光源装置に関するものである。
近年、半導体回路の微細化の新しい手法として、例えば、極端紫外光(EUV光:13.5nm)を利用したリソグラフィー技術が有望視されている。該EUV光を発生する機構としては、レーザ光を利用した方法と、放電プラズマを利用した方法とが提案されており、これらの方法では、該EUV光の集光点で、例えば、80〜120Wといった大出力が要求されている。特に、放電プラズマを利用した光源装置(DPP)においては、EUV光を効率良く集光させるために、斜入射型のEUV光用ミラー(集光器)が開発されている。
尚、斜入射型ミラーとは、X線望遠鏡やX線蛍光顕微鏡で使用されているウォルターミラーに代表される形態のミラーで、反射面の全反射を利用したものである。EUV域において、Ru、Moなどの平滑な金属面に対し、より小さい角度で入射させると高反射率を得ることができる。
尚、斜入射型ミラーとは、X線望遠鏡やX線蛍光顕微鏡で使用されているウォルターミラーに代表される形態のミラーで、反射面の全反射を利用したものである。EUV域において、Ru、Moなどの平滑な金属面に対し、より小さい角度で入射させると高反射率を得ることができる。
例えば、先行技術文献には、放電プラズマを用いてEUV光を発生させる装置について記載されており、該装置のEUV光用ミラーとして、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した径の異なる回転楕円体、又は回転放物体を複数枚用いたミラーを用いることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このミラーは斜入射型ミラーと呼ばれ、Ni等からなる非常に良好な平滑面を有する基体材料の反射面側に、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、及びロジウム(Rh)などの金属を緻密にコーティングすることで、0°〜25°の斜入射角度(反射面と成す角であって、反射面に平行の時、斜入射角度は0°、反射面に対する法線方向では斜入射角度は90°となる)のEUV光を良好に反射できるようにしたものである。
このDPPの構成と、前記ミラーの形状について、図面に基づいて具体的に説明する。図8−a)には、従来の光源装置(DPP)が示されている。このDPPでは、プラズマピンチ用電極8と、斜入射型のEUV光用ミラー4とが真空チャンバー2内に配置され、該真空チャンバー2にはターボ吸引ポンプ12が接続され、該真空チャンバー2中の圧力を約500Pa程度に保持している。該プラズマピンチ用電極8には、パルス電源10から高電圧パルスを供給している。また、該プラズマピンチ用電極8は、プラズマ発生時に非常に高温になる。そのため、このプラズマピンチ用電極8は冷却されている。また、該プラズマピンチ用電極8には、作業ガスとして、ヘリウム・リチウムの混合ガス等が噴射される。この作業ガスは、該真空チャンバー2からターボ吸引ポンプ12により吸引され、静電フィルター22で清浄化された後、熱交換器20により温度管理され、再度利用される。
該プラズマピンチ用電極8から放射されるEUV光は、EUV光用ミラー4により集光され、中空光パイプ6を介して、被照射物に照射されるが、該中空光パイプ6の内部には、リチウム・ヘリウム分離器14により分離されたヘリウムの一部が導入される。図8−b)には、前記EUV光用ミラーの具体的な構成が示されている。該EUV光用ミラーは、同一回転中心軸上に配置された径の異なる複数枚の回転楕円体からなるミラーを重ねて構成されている。該EUV光用ミラーの出射側には、複数のミラーを固定する固定部品(スパイダーと呼ばれる)が配置され、各ミラーの端部を保持することによりこれらを固定している。
しかしながら、図8−b)で示すような複数枚の回転楕円体等からなるミラーを同一軸上で重ねて使用する集光システムにおいては、内径方向に配置されたミラーは、冷却されず、非常に高温となる。何故ならば、該EUV光用のミラーは、真空中、又は非常に希薄な雰囲気ガス中で使用されるために、ガスによる熱伝達は期待できない。また、輻射による熱放出が主たる伝熱手段となるが、赤熱しない程度の低温域では、輻射での放熱もあまり期待できない。更には、内側ミラーからの輻射熱は、外側のミラーで反射され、再び、内側ミラーの外壁に入射される等により、高温となる。加えて、最も外側に配置されたミラーの外側の壁面には、光路を気にする事無く冷却部材を配置できると考えられるが、該内径方向に配置されたミラーに無作為に冷却部材を配置すれば該EUV光の妨げとなるので、かかる冷却部材は使用できない。そのため、このようなEUV用ミラーは、温度上昇が著しく、該ミラー自身の熱膨張による形状変形を引き起こしたり、伸びによる他のミラーとの相対配置のズレにより、該EUV光を高い光利用率で集光することができない等の問題を有していた。
更には、ミラーの温度上昇により、該ミラーにコーティングされる反射膜にクラックや剥離の不具合が発生する場合があり、該ミラーの耐久性、つまりミラーの寿命が短くなるといった問題もあった。ところが、これらの問題を解決するために、冷却風を送る等の手段を取ることはできない。これは、該EUV光は、その波長が13.5nmと短く、雰囲気ガスによって高い効率で吸収されるため、EUV光用ミラーは、ごく希薄なガス雰囲気、又は真空中で使用されるためである。一方、本発明者らが検討したところ、当初、複数ミラーの最外部に位置するミラーの端部に冷却ブロック等を配置して、熱伝導を利用した冷却をすることは可能であると考えたが、内部に配置されたミラーをそれと同一の方法で冷却すれば、放射された該EUV光が該冷却ブロックの影となり、光の利用効率が低下するといった問題があることが分かった。
前記ミラーにとって、EUV光入射側の端部が単位面積当りに最も高いエネルギーを受ける部分になる。これは、EUV光放射源からの距離が遠くなるにつれて、放射された光エネルギーは減衰するためである。つまり、EUV光放射源からの距離が遠くなるにつれて、同一面積に入射されるEUV光放射源からの立体角が小さくなるので、前記ミラーの単位面積あたりに入射されるエネルギーが小さくなるためである。また、前記ミラー側から見れば、EUV光放射源から、例えば、該放射源からの立体角が幅5°の角度で入射する光を比べると、前記ミラーの入射側端部近くより、出射側の端部に近い側の方が、光を受ける面積が大きくなっている。つまり、前記ミラーにおいて、入射側端部が受ける単位面積あたりの入射エネルギーの方が高いこととなる。更には、ミラーの入射側端部になるほど、斜入射角度が大きくなり、ミラーの反射率が低くなっているため、同じ放射量であっても、入熱する割合が多くなっている。
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、前記EUV光用集光器の複数のミラーを冷却して前記EUV光用ミラーにおける諸問題を確実に解決することを可能とする新しい前記ミラーの冷却方法及び手段を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、前記複数のミラーの外壁の所定の位置に冷却体を設けることで所期の目的を達成し得ることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
本発明は、大出力のEUV光を高い光利用率で、集光、又は反射することを可能とし、且つ、耐久性が有り、長寿命を実現する新しいEUV光用集光器を提供することを目的とするものである。
本発明は、大出力のEUV光を高い光利用率で、集光、又は反射することを可能とし、且つ、耐久性が有り、長寿命を実現する新しいEUV光用集光器を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した、径の異なる、複数の回転曲面体によって構成された複数の斜入射型ミラーからなる、EUV光用集光器において、前記複数の斜入射型ミラーの外壁の所定の位置に設けられた冷却体を有することを特徴とするEUV光用集光器。
(2)前記複数の斜入射型ミラーの外から2番目に配置されている第2のミラーの外壁における、最も外側に配置された第1のミラーから放射利用される光の光路より該第2のミラー側に形成される光利用角外部の空間に設けられた冷却体を有することを特徴とする前記(1)に記載のEUV光用集光器。
(3)前記冷却体が、該第2のミラーの回転中心軸方向の長さの1/2よりEUV光入射側に配置されていることを特徴とする前記(1)に記載のEUV光用集光器。
(4)前記冷却体に、冷却媒体を流す流路が設けられていることを特徴とする前記(1)から(3)のいずれかに記載のEUV光用集光器。
(5)前記冷却体が、該ミラーの回転中心軸上に設けれらた固定部材に固定されていることを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載のEUV光用集光器。
(6)前記(1)から(5)のいずれかに記載のEUV光用集光器を有することを特徴とするEUV光源装置。
(7)EUV光を放射するEUV光発生源と前記EUV光用集光器の入射側端部との間にデブリ除去機構を設けたことを特徴とする前記(6)に記載のEUV光源装置。
(1)同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した、径の異なる、複数の回転曲面体によって構成された複数の斜入射型ミラーからなる、EUV光用集光器において、前記複数の斜入射型ミラーの外壁の所定の位置に設けられた冷却体を有することを特徴とするEUV光用集光器。
(2)前記複数の斜入射型ミラーの外から2番目に配置されている第2のミラーの外壁における、最も外側に配置された第1のミラーから放射利用される光の光路より該第2のミラー側に形成される光利用角外部の空間に設けられた冷却体を有することを特徴とする前記(1)に記載のEUV光用集光器。
(3)前記冷却体が、該第2のミラーの回転中心軸方向の長さの1/2よりEUV光入射側に配置されていることを特徴とする前記(1)に記載のEUV光用集光器。
(4)前記冷却体に、冷却媒体を流す流路が設けられていることを特徴とする前記(1)から(3)のいずれかに記載のEUV光用集光器。
(5)前記冷却体が、該ミラーの回転中心軸上に設けれらた固定部材に固定されていることを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載のEUV光用集光器。
(6)前記(1)から(5)のいずれかに記載のEUV光用集光器を有することを特徴とするEUV光源装置。
(7)EUV光を放射するEUV光発生源と前記EUV光用集光器の入射側端部との間にデブリ除去機構を設けたことを特徴とする前記(6)に記載のEUV光源装置。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明のEUV光用集光器、及び光源装置は、EUV光放射源から放射される大出力のEUV光を同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した複数枚の径の異なる回転楕円体等からなる凹面ミラーを用い、該ミラーで反射され、利用可能な光の光路外の空間に熱伝導による冷却機構を備えたことを特徴とするものである。
本発明のEUV光用集光器、及び光源装置は、EUV光放射源から放射される大出力のEUV光を同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した複数枚の径の異なる回転楕円体等からなる凹面ミラーを用い、該ミラーで反射され、利用可能な光の光路外の空間に熱伝導による冷却機構を備えたことを特徴とするものである。
本発明では、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した、径の異なる、複数の回転曲面体によって構成された複数のミラーからなる、EUV光用集光器において、前記複数の各ミラーの外側の壁面に冷却体が設置される。本発明において、複数の回転曲面体によって構成された複数のミラーとは、例えば、複数の回転楕円体又は回転放物体によって構成されたミラー、パラボラミラー、ウォルターミラー等の1種又は2種以上で構成された複数の凹面ミラーを意味するものであり、本発明では、前記ミラーの形状、構造、枚数等は特に制限されるものではない。
また、本発明において、前記冷却体としては、前記ミラーの外側の壁面に設置されて、ミラーを熱伝導を利用して所定の温度に冷却する機能を有するものであれば、その形状、構造、大きさ、及び材質等に制限されることなく、使用することができる。本発明では、冷却体として、好適には、例えば、冷却媒体を流す流路を有する冷却ブロックないし冷却プレートが例示される。本発明において、前記冷却体は、前記複数のミラーの任意のミラーの外側の壁面の任意の部位に設置することが可能であるが、好適には、例えば、前記複数のミラーの外から2番目に配置されている第2のミラーの回転中心軸方向の長さ1/2よりEUV光入射側に配置される。しかし、これに制限されるものではない。
本発明において、EUV光放射源から放射され、該EUV光用集光器のミラーに投入される光のエネルギーは、外側に配置されたミラーになるほど高くなる。この理由の一つとして、同じ長さのミラーに対しては、外側に配置されたミラーの方が入射される立体角は大きくなることがあげられる。その結果として、該ミラーの単位面積あたりの投入エネルギーは大きくなり、最外のミラーほど高温になる。また、該ミラーは、斜入射型のミラーであり、斜入射角が大きいほど、反射率が低くなる傾向にある。このため、外側に配置されたミラーほど斜入射角が大きく、該ミラーに熱として取り込まれる割合も大きくなる。これらは、外側に配置されたミラーほど高温に成ることを示している。
本発明において、最外に配置されたミラーには、その外側の壁面のどの位置であっても冷却体を配置することが可能である。このため、通常、最外から2番目に配置された第2のミラーが最も高温になる。本発明では、最外から2番目に配置された第2のミラーを選択的に冷却することができ、且つ集光利用される光の光路外に冷却体を配置できる。それにより、集光効率を下げることなく該ミラーの長寿命化が実現できる。ここで、集光利用される光の光路外とは、最外から2番目に配置された第2のミラーの入射側端部と出射側端部との両端を結ぶ第2のミラーの裏面と、該ミラーの焦点(放射源側)と最外に位置する第1のミラーの有効開口端とを結ぶ直線、及び該最外に位置する該第1のミラーの入射側端部の有効端と該ミラーの集光点とを結ぶ直線で形成される略3角形で示される空間を意味している。
また、本発明では、例えば、冷却体を、前記第2のミラーの回転中心軸方向の長さの1/2よりEUV光入射側端部に配置することができる。それにより、特にEUV光放射源部からの輻射を多く受けて高温になる該ミラーの光入射側を効率良く冷却することができる。これは、該EUV光放射源に近い方が、該ミラーの受けるエネルギーが高くなり、且つ該ミラーにおいては、入射側端部に近い方が単位面積あたりに該EUV光放射源から入射される立体角が大きくなり、エネルギーが集中し、高温になるためである。また、それは、出射側端部は、スパイダーと呼ばれる固定部材を介して発生した熱は伝熱されるため、入射側に比べると温度が低くなるためである。
また、本発明では、前記冷却体に、冷却媒体を流す流路を設けることができる。それにより、効率の良い冷却が可能であり、該ミラーに高出力の放射光が照射されても異常な加熱によって熱膨張や熱変形を起こす割合が少なくなり、高い集光効率を確保することができる。また、本発明では、冷却体を、例えば、ミラーの回転中心軸上に設けられた固定部材にネジ等で固定して設置すること、また、ミラーの外側の壁面に固定補助部を設けて、この固定補助部を介して冷却体を設置することにより、冷却体をミラーの所定の位置に設置することができる。この場合、上記固定部材や固定補助部の形状、構造、及びそれらの固定方法及び手段は特に制限されるものではなく、適宜の方法及び手段を利用することができる。本発明においては、EUV光用集光器のミラーの枚数、材質、ミラー固定用部材(スパイダー)、その取付け具、その形状、構造等は、特に制限されるものではなく、任意に設計することができる。
前記冷却体は、例えば、前記複数のミラーの外から2番目に配置されている第2のミラーの外側の壁面に、最も外側に配置された第1のミラーから放射利用される光の光路より第2ミラー側に形成される「光利用角外部の空間」に設けられる。また、冷却体を固定するための固定用部材は、例えば、回転中心軸上の「光利用角外部の空間」に設けられる。本発明では、例えば、光路としてまったく利用されない該ミラーの回転中心軸上に設けられた固定用部材を用いて冷却体を固定するので、冷却体等を配置することによる該ミラー自身への余分な加重を掛かけることが無い。更には、該ミラーに、冷却体を取り付ける加工時に、該ミラー自身が変形等することが無いので、高い集光効率を確保できるといった利点がある。
本発明のEUV光用集光器では、上記構成を採用することにより、ミラー集光点のEUV出力を上げても、例えば、第2ミラーの入射側端部の温度上昇は小さく、上記冷却体の設置によるミラーの温度上昇の抑制効果は顕著であることが分かった。以上のように、本発明では、大出力のEUV光源装置で高効率の集光特性を持つEUV光用ミラーを用いた場合でも、充分な冷却がなされるので、熱変形や各ミラーの位置ズレを小さくし、且つ、集光性を落とすことなく該ミラーの寿命を長くでき、結果として、装置全体の耐久寿命が延長されるといった利益が得られる。また、本発明では、EUV光生成時に、高密度の放電プラズマにさらされ蒸発する電極物質等、いわゆるデブリを除去する装置を該ミラーの入射側に取り付けることができる。それにより、該ミラーが、デブリの影響を受ける事無く、更なる装置の長寿命化が達成できる。
本発明により、1)熱伝導によるミラーの冷却機構を有するEUV光用集光器を提供することができる、2)特に、大出力のEUV光照射源部からの輻射を大きく受けて高温になるミラーの光入射側を効率良く冷却することができる、3)ミラーに高出力の放射光が照射されても異常な加熱によって熱膨張を起こす割合が少なくなり、それによって、高い集光効率を確保することができる、4)ミラーの寿命を長くでき、結果として、EUV光用集光器、及びEUV光源装置の耐久性を向上させることができ、装置全体の長寿命化を達成できる、という格別の効果が奏される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。また、光源装置の形態を放電プラズマを利用した方法に限定するものではない。
本発明のEUV光用集光器及び光源装置は、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した径の異なる回転楕円体、又は回転放物体等の回転曲面体によって構成された複数のミラーからなるEUV光用集光器において、該略焦点に集光利用される光の光路となる「光利用角外部の空間」に冷却機構を設けたものである。以下に、具体的な実施例を示す。
本発明のEUV光用集光器及び光源装置は、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した径の異なる回転楕円体、又は回転放物体等の回転曲面体によって構成された複数のミラーからなるEUV光用集光器において、該略焦点に集光利用される光の光路となる「光利用角外部の空間」に冷却機構を設けたものである。以下に、具体的な実施例を示す。
図1は、本発明の第1の実施例であるEUV光用集光器の光出射側端部の正面図であり、図2に示したEUV光出射側端部2a、3a方向から見た正面図を示している。図2に、その側面断面図(図1におけるA−A方向からみた断面図)、及び光路を示す。EUV光用集光器は、最外に配置された第1のミラー2と、該第1のミラー2と同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した回転楕円体からなる第2のミラー3から構成されている。これらのミラー、例えば、第2のミラー3のEUV光出射側端部3aには、スパイダーと呼ばれる該ミラーの固定用部材4が配置されている。また、第1のミラー2のEUV光出射側端部2a側には冷却体23が形成され、該冷却体23には冷却媒体を流すための流路として、流入用パイプ7a、排出用パイプ7bとが設けられている。また、第2のミラーの中央裏面の入射側よりに冷却体22が形成され、該冷却体22には冷却媒体を流すために流路として、流入用パイプ6a、排出用パイプ6bとが設けられており、該第2のミラー3の外側の壁面に設けられた該冷却体22は、該固定用部材4の中心に連結された固定用棒材24にネジ21を用いて固定されている。
更に、図2には、放電プラズマによるEUV光放射源S1から放射され集光点S2までの光路を示す仮想線P1、P2、P3、P4を示している。例えば、仮想線P1、P2について説明すると、EUV光放射源S1から放射された光は最外に配置された該第1のミラー2のEUV光入射側端部2b側の内面である入射側開口有効端(集光点S2に集光可能な最も入射側の端)点Qで反射され集光点S2に集光される。また、P2では、S1からEUV光出射側端部2a側の内面である出射側開口有効端(集光点S2に集光可能な最も出射側の端)点Rで反射され点S2に集光される。この時、仮想線上のS1とRを結ぶ線と、点Qと点S2とを結ぶ線と、この2つの線分の交点である点Tと、該第2のミラー3とで囲まれる空間が「光利用角外部の空間」となる。該第2のミラー3については、前述の最外に配置された該第1のミラー2における該第2のミラーの代わりに回転中心軸cと仮想線P3、P4とで「光利用角外部の空間」が構成される。この「光利用角外部の空間」に固定用棒材24が配置されている。
図3は、第2のミラー3に冷却体42を直接ロウ付けしたものである。この場合、第2のミラー3の外側の壁面にフィン状の固定補助部41を設けている。また、特に図示はしないが、ロウ付けに代えて、ネジを用いて冷却媒体42を固定補助部41に固定しても良い。尚、その場合、固定補助部41との間に厚さ0.1mm程度のインジウム箔を介し、熱抵抗を小さくすることで、十分な冷却を行うことができる。
図4は、複数配置されたミラーの数が3枚の場合の実施例を示すものである。第2のミラーの外側の壁面に冷却体が設けられている。図5は、冷却体を、第1のミラーの外側の壁面と第2のミラーの外側の壁面に設けたものである。図6は、パラボラミラーを有する本発明のEUV光用集光器の他の実施例を示すものである。第2のミラーの外側の壁面に冷却体が設置されている。図7は、ウォルターミラーを有する本発明のEUV光用集光器の他の実施例を示すものである。
以上詳述したように、本発明は、EUV光用集光器及び光源装置に係るものであり、本発明により、熱伝導によるミラーの冷却手段を備えたEUV光用集光器を提供できる。該冷却手段により、EUV光用集光器のミラーを効率良く冷却して該ミラーが高温になることを防止できる。ミラー自身の熱膨張による形状変形を抑制し、EUV光を高い光利用率で集光、又は反射し、且つ、耐久性が有り、長寿命を実現する高性能のEUV光用集光器を提供できる。
(図1〜3の符号の説明)
1 EUV光用ミラー
2 第1のミラー
2a EUV光出射側端部
2b EUV光入射側端部
3 第2のミラー
3a EUV光出射側端部
3b EUV光入射側端部
4 固定用部材
6a 流入用パイプ
6b 排出用パイプ
7a 流入用パイプ
7b 排出用パイプ
21 ネジ
22 冷却体
23 冷却体
24 固定用部材
S1 EUV光放射源
S2 集光点
P1 仮想線
P2 仮想線
P3 仮想線
P4 仮想線
Q 点
R 点
T 点
41 固定補助部
42 冷却体
(図8の符号の説明)
2 真空チャンバー
4 EUV光用ミラー
6 中空光パイプ
8 プラズマピンチ用電極
10 パルス電源
12 ターボ吸引ポンプ
14 リチウム・ヘリウム分離器
20 熱交換器
22 静電フィルター
1 EUV光用ミラー
2 第1のミラー
2a EUV光出射側端部
2b EUV光入射側端部
3 第2のミラー
3a EUV光出射側端部
3b EUV光入射側端部
4 固定用部材
6a 流入用パイプ
6b 排出用パイプ
7a 流入用パイプ
7b 排出用パイプ
21 ネジ
22 冷却体
23 冷却体
24 固定用部材
S1 EUV光放射源
S2 集光点
P1 仮想線
P2 仮想線
P3 仮想線
P4 仮想線
Q 点
R 点
T 点
41 固定補助部
42 冷却体
(図8の符号の説明)
2 真空チャンバー
4 EUV光用ミラー
6 中空光パイプ
8 プラズマピンチ用電極
10 パルス電源
12 ターボ吸引ポンプ
14 リチウム・ヘリウム分離器
20 熱交換器
22 静電フィルター
Claims (7)
- 同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した、径の異なる、複数の回転曲面体によって構成された複数の斜入射型ミラーからなる、EUV光用集光器において、前記複数の斜入射型ミラーの外壁の所定の位置に設けられた冷却体を有することを特徴とするEUV光用集光器。
- 前記複数の斜入射型ミラーの外から2番目に配置されている第2のミラーの外壁における、最も外側に配置された第1のミラーから放射利用される光の光路より該第2のミラー側に形成される光利用角外部の空間に設けられた冷却体を有することを特徴とする請求項1に記載のEUV光用集光器。
- 前記冷却体が、該第2のミラーの回転中心軸方向の長さの1/2よりEUV光入射側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のEUV光用集光器。
- 前記冷却体に、冷却媒体を流す流路が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のEUV光用集光器。
- 前記冷却体が、該ミラーの回転中心軸上に設けれらた固定部材に固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のEUV光用集光器。
- 請求項1から5のいずれかに記載のEUV光用集光器を有することを特徴とするEUV光源装置。
- EUV光を放射するEUV光発生源と前記EUV光用集光器の入射側端部との間にデブリ除去機構を設けたことを特徴とする請求項6に記載のEUV光源装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004123563A JP2005310922A (ja) | 2004-04-19 | 2004-04-19 | Euv光用集光器及び光源装置 |
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