JP6065217B2 - 放射線撮影装置 - Google Patents

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本発明は被検体に対して放射線を照射して透視像をイメージングする放射線撮影装置に関し、特に放射線源と放射線検出器とがCアームによって一体的に支持されてるタイプの放射線撮影装置に関する。
医療機関には放射線で被検体Mの画像を取得する放射線撮影装置が備えられている。この様な従来装置の構成について説明する。従来構成によれば、図14に示すように放射線を照射する放射線源53と放射線を検出するFPD54を有している。この放射線源53とFPD54とはCアーム57により支持されている。撮影対象の被検体Mは、放射線源53とFPD54とに挟まれる位置にある天板52に載置される(例えば特許文献1参照)。
このような放射線撮影装置は、Cアーム57を停止させた状態で被検体Mの透視を繰り返して行い、動画(ライブ像)を生成できるようになっている。術者はこのライブ像を視認しながらカテーテルを被検体Mの血管に挿入することにより各種の治療を行うことができる。
この様な放射線撮影装置は、従来より被検体Mの断層画像を生成することができる。すなわち、放射線源53およびFPD54とを互いの位置関係を保ちながら被検体Mを中心に一回転させ、その間に連写された放射線画像を用いて断層画像の再構成を行うのである。この様な断層画像の取得原理は、ガントリを有するCT装置における断層画像の取得原理と同じである。そこで、この様な断層画像の取得方法をCT装置に準じた方法と呼ぶことにする。
ところで、被検体Mの断層画像の取得方法には、上述のようなCT装置が利用している方法以外に、トモシンセシスによる取得方法がある。すなわち、放射線源53およびFPD54を被検体Mに対して互いに反対方向に移動させ、その間に連写された放射線画像を重ね合わせることで特定の平面で被検体Mを切断したときの断層画像を得る方法である。両者の方法は、被検体Mを異なる方向から連写する点においては類似しているが、トモシンセシスによる方法の方が、放射線源および放射線検出器を被検体Mに対して一回転させる必要がない点、および生成できる裁断面が限られる点が上述のCT装置に準じた方法とは異なる。また、このトモシンセシスによる方法は、CT装置に準じた方法とは違い、画像を重ね合わせればよいだけなので、断層画像を生成するときの演算が比較的低負荷であり、それだけ鮮明な断層画像が取得できるという利点がある。
特開2010−188112
しかしながら、従来構成においては次のような問題点がある。
すなわち、放射線源53とFPD54とはCアーム57により支持されるタイプ(Cアームタイプ)の放射線撮影装置にトモシンセシスによる方法で断層画像を生成しようとすると、生成される断層画像が術者の想定通りとならないのである。
トモシンセシスによる断層画像の取得は、本来はCアームタイプの装置では行われず、図15に示されるような装置で行われる。この様な撮影装置は、被検体Mを載置する天板52の上側にある放射線源53と下側にあるFPD54とが互いに反対方向に移動しながら放射線画像を連写することで断層画像を取得する。被検体Mを載置する天板52は、放射線源53およびFPD54の移動の妨げとならないように設置されている。したがって、放射線源53およびFPD54は、撮影の際、確実に規定の移動様式に従って移動することができる。
この様なトモシンセシス撮影の様式を図14で説明したCアームタイプの装置に適用しようと考えた場合、Cアーム57を傾斜させることにより放射線源53およびFPD54を被検体Mに対して互いに反対方向に移動させる様式を採用することになる。具体的に、FPD54が放射線源53の鉛直上側の位置にあるときのCアーム57の傾斜を0°とすると、例えば、Cアーム57が−30°から30°まで傾斜されながら放射線画像が連写されるということになる。
ところが、図14で説明したCアームタイプの装置は、そもそも外科手術用である。したがってCアーム57は、被検体Mを載置した天板52に対して移動ができるようになっているのである。この点が図15で説明した装置と異なる。図14に係るCアームタイプの装置を用いてトモシンセシスによる断層画像を取得しようとすると、Cアーム57と天板52の位置関係によっては、放射線源53およびFPD54が移動できる範囲に制約が出てしまう。つまり、Cアーム57が規定通りの−30°から30°まで傾斜できない場合が出てくるのである。この様な制約は、Cアーム57を傾斜させ過ぎると放射線源53やFPD54が天板52などに衝突してしまうという理由により生じる。
このようなCアーム57の傾斜の制約が次のような問題を生じさせる。いま、Cアーム57の傾斜が0°の状態で被検体Mの透視をしていた術者が、透視の撮影視野についての断層画像を取得しようとしたとする。このとき術者が観察している透視像は、被検体Mを水平な平面に投影した像である。したがって、術者は、生成される断層画像は、被検体Mを水平な平面で切断したときに得られる像であると予想する。
しかし、被検体Mを水平な平面で切断するような断層画像は、Cアーム57が例えば−30°から30°まで傾斜させることにより得られる画像なのである。つまり、被検体Mの水平面での断層画像を得るには、Cアーム57を0°を中心に同じ大きさだけ正方向および負方向に移動させなければならない。例えば、Cアーム57が−20°から30°までの範囲しか傾斜ができない状態で断層画像の取得がなされると、得られる断層画像は、水平な平面から傾いた平面で被検体Mを裁断したときの像となる。つまり、得られる断層画像は、術者の予想通りとはならず、断層画像を観察した術者が混乱を来してしまう。
この様な術者の混乱を抑制するには、断層画像の取得方法を工夫すればよいのではないかという疑問が浮かぶ。すなわち、断層画像を取得しようとする際に、Cアーム57が−20°から30°までの範囲しか傾斜ができない状態で放射線画像の連写がなされた場合、Cアーム57の傾斜角度が−20°から20°までの間に撮影された放射線画像を重ね合わせることで断層画像を生成するようにし、Cアーム57の傾斜角度が20°から30°までの範囲の間に撮影された放射線画像は断層画像の生成に用いないようにすればいいのではないかというのである。
この様な方法によれば、確かにCアーム57の傾斜角度の制約により断層画像の裁断面が傾いてしまう不具合はなくなる。しかし、トモシンセシスによる断層画像の取得には、Cアーム57をある程度大きく傾斜させなければならない。撮影方向を十分に変化させないで放射線画像を連写し、それを重ね合わせたとしても、得られる結果は、単なるスポット撮影で得られる像に近いものであり、ある特定の裁断面における被検体像のみを表した断層画像とは呼べないのである。
従って、上述の例では、Cアーム57の傾斜角度が−20°から20°までの間に撮影された放射線画像を選んで重ね合わせたほうがより透視像との矛盾がない断層画像が得られ、Cアーム57の傾斜角度が−20°から30°までの間に撮影された放射線画像の全てを重ね合わせたほうがより特定の裁断面における被検体像のみを表した断層画像が得られるということになる。いずれの様式で断層画像を生成すればよいのかは一概に判断できるものではない。
とはいえ、断層画像を生成するには、どちらかの様式に従う必要がある。従来構成に係るCアームタイプの装置は、トモシンセシス撮影が想定された構成となっておらず、断層画像を具体的にどのように生成するかについてまでは、考慮が及んでいない。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、Cアームを有する放射線撮影装置において、術者の思惑通りの断層画像を取得することができる放射線撮影装置を提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線撮影装置は、放射線を被検体に照射する放射線源と、被検体を透過してきた放射線を検出して画像を取得する検出手段と、放射線源および検出手段を、これらが結ぶ撮影方向軸被検体の周りに回転可能に保持する保持機構と、撮影方向軸を回転させながら、初期角度から終了角度までの複数の撮影方向からの放射線画像を生成する画像生成手段と、撮影された複数の放射線画像に基づいて断層画像を生成する断層画像生成手段と、初期角度及び終了角度の中間の角度における撮影方向に直交する平面における断層画像を断層画像生成手段に生成させる第1のモードと、あらかじめ設定された第1のモードとは異なる平面における断層画像を断層画像生成手段に生成させる第2のモードとを選択させるモード選択手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明の放射線撮影装置は、放射線源と検出手段が保持機構によって支持される構成となっている。そして、本発明によれば、断層画像を生成する際に2つのモードを選択できるようになっている。2つのモードとは、鮮明な断層画像を取得できる第1のモードと術者にとって理解のしやすい裁断面における断層画像を取得できる第2のモードである。
第1のモードが選択された場合、連写された放射線画像の全てを重ね合わせることにより断層画像が生成される。この様にすることにより、裁断面以外の被検体像は確実にぼかされ、より鮮明な断層画像が生成できる。しかし、このときの裁断面は、断層画像を生成する前に行っていた透視像の撮影における撮影方向に準じているわけではない。透視像を見ていた術者が断層画像を見た場合、術者は画像に写り込む被検体像同士に矛盾を感じてしまう。
また、第2のモードが選択された場合、あらかじめ設定された平面を裁断面とした断層画像が生成される。したがって、透視像を見ていた術者が断層画像を見た場合、術者は画像に写り込む被検体像同士に矛盾を感じない。しかし、このときの断層画像は、連写された放射線画像の一部を重ね合わせて生成されたものなので必ずしも鮮明であるとは限らない。
本発明の構成によれば、術者は撮影の目的に合わせてこの2つのモードを使い分けることができる。この様にすることで術者の思惑通りの断層画像を確実に生成できる放射線撮影装置が提供できる。
また、上述の放射線撮影装置において、第2のモードが選択された場合、断層画像生成手段は、透視像撮影時の保持機構を一方向および逆方向に同じだけ回転させたときに得られる一連の放射線画像を重ね合わせて断層画像を生成すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の放射線撮影装置のより具体的な構成を表したものとなっている。すなわち、第2のモードが選択された場合、断層画像生成手段は、透視像撮影時の保持機構を一方向および逆方向に同じだけ回転させたときに得られる一連の放射線画像を重ね合わせて断層画像を生成すれば、確実に透視像撮影時の撮影方向に直交する平面を裁断面として断層画像を生成することができる。
また、上述の放射線撮影装置において、断層画像生成手段は、連写された放射線画像をずらしながら重ね合わせることにより、裁断面を裁断面に直交する方向に移動させて断層画像を生成すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の放射線撮影装置のより具体的な構成を表したものとなっている。断層画像生成手段が連写された放射線画像をずらしながら重ね合わせれば、裁断面を裁断面に直交する方向に移動に移動させることができ、より術者の思惑通りの断層画像を生成できるようになる。
また、上述の放射線撮影装置において、断層画像生成手段は、トモシンセシス画像を生成すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の放射線撮影装置のより具体的な構成を表したものとなっている。断層画像生成手段は、トモシンセシス画像を生成するようにすれば、放射線源および検出手段が被検体を中心に一回転させなくても確実に断層画像を生成することができる。
また、上述の放射線撮影装置において、外科手術用となっていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の放射線撮影装置のより具体的な構成を表したものとなっている。本発明は外科手術用の放射線撮影装置に適用が可能である。
本発明の放射線撮影装置は、放射線源と検出手段が保持機構によって支持される構成となっている。そして、本発明によれば、断層画像を生成する際に2つのモードを選択できるようになっている。2つのモードとは、鮮明な断層画像を取得できる第1のモードと、術者にとって理解のしやすい裁断面における断層画像を取得できる第2のモードである。本発明によれば、術者は撮影の目的に合わせてこの2つのモードを使い分けることができるので術者の思惑通りの断層画像を確実に生成できる放射線撮影装置が提供できる。
実施例1に係るX線撮影装置の全体構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係るCアームの傾斜を説明する模式図である。 実施例1に係るCアームの傾斜を説明する模式図である。 実施例1に係る操作卓を説明する平面図である。 実施例1に係る断層画像の取得原理を説明する模式図である。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明するフローチャートである。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係るX線撮影装置の動作を説明する模式図である。 従来構成の放射線撮影装置を説明する模式図である。 従来構成のトモシンセシス装置を説明する模式図である。
以降、本発明の実施例を説明する。実施例におけるX線は、本発明の放射線に相当する。また、FPDは、フラット・パネル・ディテクタの略である。なお、本発明の放射線撮影装置は、外科手術用となっている。
<X線撮影装置の構成>
実施例1に係るX線撮影装置1は、図1に示すように被検体Mを載置する天板2と、天板2の下側に設けられたX線を照射するX線管3と、天板2の上側に設けられた被検体Mを透過してきたX線を検出するFPD4と、X線管3の管電流、管電圧を制御するX線管制御部6と、X線管3,FPD4を支持するCアーム7と、Cアーム7を支持する支柱8と、Cアーム7を傾斜させるCアーム傾斜機構21と、これを制御するCアーム傾斜制御部22とを備えている。Cアーム傾斜機構21がCアーム7を傾斜させると、X線管3およびFPD4は、このCアーム7の移動に追従して移動する。なお、図1における符号Aは被検体Mの体軸方向を表し、符号Sは被検体Mの体側方向を表している。X線管3は、本発明の放射線源に相当し、FPD4は、本発明の検出手段に相当する。Cアーム7は、X線管3及びFPD4を結ぶ撮影方向軸を被検体Mの周りに回転可能に保持し、本発明の保持機構に相当する。Cアーム傾斜機構21は、本発明のアーム傾斜手段に相当し、Cアーム傾斜制御部22は、本発明のアーム傾斜制御手段に相当する。
Cアーム7は、Cアーム傾斜機構21により傾斜することもできる。すなわち、Cアーム7は、図2の左側に示すように、Cアーム7の両端が支柱8から突き出す方向を突出方向としたとき、Cアーム7は、突出方向と直交する平面上の仮想円VAに両端が沿うように傾斜することができる。すなわち、Cアーム7は、X線管3が鉛直上側、FPD4が鉛直下側にあるとき、Cアーム7が存在する平面に垂直なCアーム7の曲率中心を通過する軸を中心軸としてCアーム7が傾斜される。Cアーム傾斜機構21は、Cアーム7を駆動させることによりX線管3およびFPD4を傾斜させる。なお、図2の右側に示すようにFPD4が突き出るようにしてCアーム7が傾斜された場合をCアーム7が一方向に傾斜されたものとし、Cアーム7は負の方向に傾斜されたものとする。また、図3に示すようにX線管3が突き出るようにしてCアーム7が傾斜された場合をCアーム7が逆方向に傾斜されたとし、Cアーム7は正の方向に傾斜されたものとする。
X線管制御部6は、所定の管電流、管電圧、パルス幅でX線管3を制御する目的で設けられている。X線管制御部6の制御によりX線がX線管3から発せられると、X線は、被検体Mを透過してFPD4の検出面に入射する。FPD4は入射したX線を検出して検出信号を生成する。この検出信号は、画像生成部11(図1参照)に送出され、そこで被検体Mが写り込んだ画像が生成される。画像生成部11は、本発明の画像生成手段に相当する。
画像生成部11は、FPD4から出力される検出信号を基に画像を生成する。このとき生成される画像をX線画像P1と呼ぶことにする。X線画像P1は、FPD4の有するX線を検出する検出面と同一形状の矩形となっており、検出面上で検出したX線の強度をマッピングしたものとなっている。X線画像Pは、本発明の放射線画像に相当する。X線画像P1は、X線管3及びFPD4を結ぶ撮影方向軸が回転されながら、複数の撮影方向から撮影される。
図4は、本発明に係る操作卓31を表している。操作卓31には、X線管3の管電圧、管電流などの設定値を表示する表示パネルや、撮影開始の指示を行うボタンなどが配列されている。実施例1の構成において特徴的なのは、断層画像を生成するときの裁断面を術者に選択させる選択ボタン31aが設けられていることにある。この選択ボタン31aの機能の詳細は、後述のものとする。操作卓31は、本発明の入力手段に相当し、選択ボタン31aは、本発明のモード選択手段に相当する。
また、主制御部34(図1参照)は、各制御部を統括的に制御する目的で設けられている。この主制御部34は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することによりX線管制御部6および各部11,12,22を実現している。また、上述の各部は、それらを担当する演算装置に分割されて実行されてもよい。記憶部28(図1参照)は、撮影に用いられるパラメータ等のX線撮影装置1の制御に関するパラメータの一切を記憶する。
本発明に係るX線撮影装置1は、外科手術用であるので、主な用途としては、手術が進行する様子をX線撮影して、動画Vを表示することにある。本発明に係るX線撮影装置1は、このような動画撮影の他の撮影が可能である。すなわち、本発明の装置は、被検体Mをある裁断面で切断したときの断層画像を取得できるようになっている。この断層画像は、静止画であり、動画撮影とは異なる様式で撮影される。すなわち、動画撮影は、Cアーム7が停止された状態でなされるのに対し、断層画像撮影では、Cアーム7が傾斜されながらX線画像P1……Pnの撮影を連写することでなされる。動画Vは、本発明の透視像に相当する。
<断層画像の取得原理>
この断層画像の取得原理について説明する。実施例1の構成では、被検体Mを平面上で裁断したときの画像である断層画像を複数生成することにより断層画像を生成する。図5は、実施例1に係るX線撮影装置の断層画像の取得方法を説明する図である。例えば、天板2に平行な(鉛直方向に対して水平な)仮想平面(基準裁断面MA)について説明すると、図5に示すように、基準裁断面MAに位置する点P,Qが、常にFPD4のX線検出面の不動点p,qのそれぞれに投影されるように、X線管3によるコーン状のX線ビームBの照射方向に合わせてFPD4をX線管3の反対方向に同期移動させながら一連のX線画像P1……Pnが画像生成部11にて生成される。一連のX線画像P1……Pnを撮影するときのX線管3およびFPD4の同期移動は、Cアーム7を傾斜させることにより実現される。
この様にして得られた一連のX線画像P1……Pnには、被検体Mの投影像が位置を変えながら写り込んでいる。そして、この一連のX線画像P1……Pnを断層画像生成部12にて再構成すれば、基準裁断面MAに位置する像(たとえば、不動点p,q)が集積され、X線断層画像としてイメージングされることになる。一方、基準裁断面MAに位置しない点Iは、FPD4における投影位置を変化させながら一連の被検体M画像に点iとして写り込んでいる。この様な点iは、不動点p,qとは異なり、断層画像生成部12でX線投影画像を重ね合わせる段階で像を結ばずにボケる。このように、一連の投影画像の重ね合わせを行うことにより、被検体Mの基準裁断面MAに位置する像のみが写り込んだX線断層画像が得られる。このように、投影画像を単純に重ね合わせると、基準裁断面MAにおける断層画像が得られる。断層画像生成部12は、本発明の断層画像生成手段に相当する。
さらに、断層画像生成部12は、基準裁断面MAに水平な任意の裁断面においても、同様な断層画像を得ることができる。撮影中、FPD4において上記点iの投影位置は移動するが、投影前の点Iと基準裁断面MAとの離間距離が大きくなるにしたがって、この移動速度は増加する。これを利用して、取得された一連の被検体M画像を所定のピッチで体軸方向Aにずらしながら再構成を行うようにすれば、基準裁断面MAに平行な裁断面における断層画像が得られる。このような一連の断層画像の再構成は、断層画像生成部12が行う。このようにして、断層画像生成部12は、トモシンセシス画像を生成する。
<X線撮影装置の動作>
続いて、X線撮影装置1の動作について説明する。後述の動作説明は、被検体Mの透視像(動画)を取得していた状態から被検体Mの断層画像が必要となった状態を想定している。したがって、後述の動作説明においては、被検体Mの動画撮影がいったん中止され、引き続いて断層画像の撮影がなされる。以降、X線撮影装置の動作を説明する図6の各ステップの詳細を順を追って説明する。
<被検体載置ステップS1>
X線撮影装置1を用いて被検体Mの撮影を行うには、まず、被検体Mが天板2に載置される。そして、術者の指示に従って支柱8が駆動され、被検体Mに対する支柱8の位置が調整される。この支柱8の移動に追従してCアーム7も移動し、術者は、被検体Mにおける撮影目的の部位である関心部位をX線撮影装置1の撮影視野に合わせることができる。
<動画撮影開始ステップS2>
術者が操作卓31を通じて透視像の撮影の指示を行うと、X線管3からX線が間歇的に照射され、X線の照射の度に被検体Mの透視像を写し込んだフレームが撮影される。撮影された複数のフレームは、撮影順に表示部32に次々と表示される。この様にして表示部32には、被検体Mの透視像の動画Vが表示される。フレームは、画像生成部11により生成される。このように、画像生成部11は、術者による動画Vを生成する旨の指示がなされると、被検体MをX線管3からFPD4に向かう方向である撮影方向から透視したときの動画Vを生成する。
このときの動画Vの撮影は、説明の便宜上、図7に示すようにFPD4がX線管3の鉛直上向きにある状態でなされ、被検体Mを鉛直上向きに透視した撮影であるものとする。このときのCアーム7の傾斜角度を0°とする。ところで、Cアーム7は、傾斜可能となっているので、被検体Mを斜め方向から透視するような撮影も可能ではある。また、動画Vの撮影が開始される際、動画撮影時の撮影方向(X線管3からFPD4に向かう方向)の傾斜角度を示す情報として、Cアーム7の傾斜角度が記憶部28に記憶される。
<動画撮影終了ステップS3,断層画像撮影開始ステップS4>
ここで、術者が断層画像の取得の必要性を認識したとする。X線撮影装置1は、図15で説明したような断層画像を生成する専用の撮影装置を用いなくとも、天板2上の被検体Mをそのまま断層撮影することができるように工夫がされている。断層画像の取得に先立って、まずは術者が操作卓31を通じて透視像の撮影を終了させる。こうして、動画撮影は中止される。そして、術者は、断層画像を取得する旨を操作卓31を通じてX線撮影装置1に通知する。
断層画像を取得するには、Cアーム7を傾斜させながら複数枚のX線画像P1……Pnを連写しなければならない。ここで問題となるのは、X線管3およびFPD4が天板2および被検体Mに衝突する可能性である。このような衝突を防ぐには、X線画像P1……Pnの連写をする前にCアーム7が傾斜できる角度を予め設定しておく必要がある。
しかしながら、Cアーム7の傾斜に伴いX線管3およびFPD4が天板2にどのように近づいて衝突するのかは、予想するのが困難である。動画撮影の度に天板2とCアーム7の位置関係が異なるからである。例えば、天板2がCアーム7の回転中心の付近にあれば、Cアーム7を傾斜させたとしてもX線管3およびFPD4が天板2に近づくことがなく、衝突は生じにくい。しかし、例えば図7に示すように、天板2の一部がCアーム7の傾斜の軌跡を示す仮想円VA上にある場合、Cアーム7の傾斜の仕方によっては、X線管3およびFPD4が天板2に近づいてしまい、衝突が生じてしまう。
この様な衝突を確実に防止する目的で、実施例1の構成によれば、X線画像P1……Pnの連写に先立ってCアーム7を実際に傾斜させてみるようにしている。このようにしてCアーム7がどの程度傾斜できるかを確実に知ることができるのである。具体的には、術者がCアーム7を可能な限り傾斜させてみて、Cアーム7が傾斜できる範囲の設定がなされる。つまり、術者は、Cアーム7を一方向に可能な限り傾斜させ、このときの傾斜を連写時におけるCアーム7の初期角度としてX線撮影装置1に認識させる。つづいて、術者は、Cアーム7を逆方向に可能な限り傾斜させ、このときの傾斜を連写時におけるCアーム7の終了角度としてX線撮影装置1に認識させる。Cアーム7の傾斜は、術者による操作卓31を通じた指示により行われる。すなわち、Cアーム傾斜制御部22は、術者の指示に従いCアーム7を傾斜するようにCアーム傾斜機構21を制御する。
<傾斜角度初期値入力ステップS5>
図8は、術者が初期角度をX線撮影装置1に認識させようとして、Cアーム7を一方向にいっぱいまで傾斜させた状態を表している。このときのCアーム7の傾斜角度は、−45°であるものとする。術者が操作卓31を通じてCアーム7の傾斜角度の初期値の設定の指示を行うと、傾斜角度−45°がCアーム7の傾斜の初期値として設定される。なお、このときX線管3からはX線は照射されていない。
<傾斜角度終了値入力ステップS6>
図9は、術者が終了角度をX線撮影装置1に認識させようとして、Cアーム7を逆方向にいっぱいまで傾斜させた状態を表している。このときのCアーム7の傾斜角度は、+15°であるものとする。術者が操作卓31を通じてCアーム7の傾斜角度の終了値の設定の指示を行うと、傾斜角度+15°がCアーム7の傾斜の終了値として設定される。なお、このときX線管3からはX線は照射されていない。以上のように操作卓31は、断層画像の生成に伴うX線画像P1……Pnの連写の間に傾斜されるCアーム7の傾斜角度の初期値と終了値とを術者に入力させる構成となっている。
Cアーム7の傾斜の初期値が−45°であることからすると、Cアーム7の傾斜の初期値は本来は+45°であることが望ましい。この様にCアーム7を大きく傾斜させながらX線画像P1……Pnを撮影するようにすれば、裁断面以外の被検体Mの像が適切にぼかされ視認性に優れた断層画像が得られるからである。しかし、図9を見れば分かるように、Cアーム7を+15°からこれ以上傾斜させると、X線管3が天板2に衝突してしまう。術者はこの様な事情に鑑みて、Cアーム7の傾斜の終了値を+15°に設定せざるを得なかったのである。
<連写開始ステップS7>
Cアーム7の傾斜の初期値と終了値が設定された後、術者が操作卓31を通じてX線画像P1……Pnの連写の指示を行うと、Cアーム傾斜制御部22は、Cアーム7を傾斜の初期値である−45°だけ傾斜するようにCアーム傾斜機構21を制御する。これにより、Cアーム7は、図8に示した状態となる。そして、X線画像P1……Pnの連写に合わせてCアーム7の傾斜が開始される。X線画像P1……Pnの連写は、Cアーム7の傾斜角度が終了値の+15°となるまで行われる。図10は、こうして得られたX線画像P1……Pnを表している。このうち、X線画像P1は、Cアーム7の傾斜角度が−45°であるときに撮影されたものであり、X線画像Pnは、Cアーム7の傾斜角度が+15°であるときに撮影されたものである。また、X線画像Pmは、Cアーム7の傾斜角度が−15°であるときに撮影されたものであるとする。
<モード選択ステップS8:本発明における特徴的な構成>
続いて、本発明における特徴的な構成である、モード選択ステップS8について説明する。X線画像P1……Pnの連写が終了すると、操作卓31は、術者に2つのモードを選択するように促す。術者は、操作卓31の選択ボタン31aを通じてこのモードのうちの一つを選択することにより、断層画像の裁断面を選択することができる。術者が選ぶ2つのモードとは、具体的には裁断深さ優先モードと視野優先モードとである。この選択ボタン31aは、術者による断層画像を生成する旨の指示がなされたとき、断層画像の裁断面を透視像生成時の撮影方向に直交する平面に設定する視野優先モードとするか、それともCアーム7の傾斜角度が術者が入力した2つの値の中間の値にあるときの撮影方向に直交する平面に設定する裁断深さ優先モードとするかを術者に選択させる。裁断深さ優先モードは、本発明の第1のモードに相当する。
<裁断深さ優先モードについて>
図11は、裁断深さ優先モードにおける断層画像Qaの生成方法について説明している。裁断深さ優先モードでは、図11に示すように、X線画像P1……Pnの全てを重ね合わせて断層画像Qaが生成される。可能な限り多くのX線画像を重ね合わせることにより生成された断層画像Qaは、視認性に優れた画像となっている。裁断面da以外の被検体像が画像の重ね合わせにより確実にぼかされるからである。X線画像P1……Pnの重ね合わせは断層画像生成部12が行う。
しかし、この裁断深さ優先モードは、裁断面daの向きに問題がある。すなわち、裁断面daは、天板2に対し傾斜してしまっている。すなわち裁断面daは、天板2を−15°だけ傾斜させた平面となっているである。裁断面daがこの様に傾斜してしまう理由について説明する。断層画像Qaの裁断面daの傾斜は、X線画像P1……Pnを連写する際のCアーム7の初期角度と終了角度によって決定される。すなわち、裁断面daは、−45°と+15°との中間の角度である−15°だけ傾斜した状態となってしまう。ここでいう中間の角度とは、−45°から+15°までの間にある任意の角度という意味ではない。むしろ、中間の角度とは、鉛直方向から−45°だけ傾斜した線分と+15°だけ傾斜した線分とを考えたとき、互いの線分のなす角を二等分することができる線分の傾斜角度である。このように、裁断深さ優先モードとは、X線画像Pを連写したときの各撮影方向に対応するCアーム7の移動角度の最大値及び最小値の中間の角度における撮影方向に直交する平面における断層画像を生成するモードである。
裁断深さ優先モードで得られる断層画像Qaは、視野優先モードと比較してより深い裁断面での断層画像を得ることができるものの、動画Vとは食い違う画像となってしまう。動画Vの撮影は、図7で説明したように、被検体Mを鉛直下向きから見上げるようにして行われる。これに対して断層画像Qaは、被検体Mを斜め方向から裁断したときの画像となってしまっている。断層画像の撮影目的によっては、裁断深さを犠牲にしても動画Vとの間で食い違いが生じないような断層画像を得たい場合もある。そこで、本発明におけるX線撮影装置1には、裁断深さ優先モードとは別に視野優先モードが用意されている。
<視野優先モードについて>
図12は、視野優先モードにおける断層画像Qbの生成方法について説明している。裁断深さ優先モードでは、図12に示すように、X線画像Pm……Pnを重ね合わせて断層画像Qbが生成される。すなわち、視野優先モードにおいて重ね合わせられるX線画像は、Cアーム7の傾斜角度が−15°となっているときに撮影されたX線画像Pmをはじめとして、それからCアーム7の傾斜角度が+15°となるまでに連写されたものとなっている。このときの断層画像Qbの裁断面dbは、天板2に平行となり、これはあらかじめ設定されている。すなわち、視野優先モードとは、あらかじめ設定された平面における断層画像を生成するモードである。裁断面dbは、−15°と+15°との中間の角度である0°だけ傾斜した状態(すなわち、傾斜していない状態)となる。ここでいう中間の角度とは、−15°から+15°までの間にある任意の角度という意味ではない。むしろ、中間の角度とは、−15°だけ鉛直方向から傾斜した線分と+15°だけ傾斜した線分とを考えたとき、互いの線分のなす角を二等分することができる線分の傾斜角度である。X線画像Pm……Pnの重ね合わせは断層画像生成部12が行う。
断層画像生成部12の具体的な動作について説明する。術者により視野優先モードが選択されると、断層画像生成部12は、動画撮影時の撮影方向(X線管3からFPD4に向かう方向)を示すCアーム7の傾斜角度を記憶部28から読み出す。本動作説明の場合、読み出される傾斜角度は、0°である。続いて、断層画像生成部12は、X線画像P1……Pn連写時におけるCアーム7の初期角度および終了角度とのうち、いずれが動画撮影時のCアーム7の傾斜角度に近いかを判定する。本動作説明の場合、動画撮影時のCアーム7の傾斜角度が0°であり、初期角度が−45°、終了角度が+15°であるから、傾斜角度がより動画撮影時のCアーム7の傾斜角度に近いのは、終了角度であることになる。すなわち、動画撮影時のCアーム7の傾斜(0°)を初期角度とするまでCアーム7を−45°も傾斜させなければならないのに対し、動画撮影時のCアーム7の傾斜(0°)を終了角度とするまでCアーム7を+15°だけ傾斜させればよいというわけである。視野優先モードは、本発明の第2のモードに相当する。
続いて、断層画像生成部12は、動画撮影時のCアーム7の傾斜(0°)から、終了角度の大きさだけ終了角度とは逆方向にCアーム7を傾けるときの角度を算出する。今回、算出される角度は−15°である。この角度を断層画像生成上の初期角度と呼ぶことにする。そして、断層画像生成部12は、Cアーム7が断層画像生成上の初期角度から終了角度まで傾斜されながら撮影されたX線画像Pm……Pnを重ね合わせて、断層画像Qbを生成する。
本動作説明の場合、傾斜角度がより動画撮影時のCアーム7の傾斜角度に近いと判定されたのは、終了角度である。これが逆に初期角度が近いと判定された場合であっても断層画像生成部12は上述と同様な動作を行う。すなわち、断層画像生成部12は、動画撮影時のCアーム7の傾斜から、初期角度の大きさだけ初期角度とは逆方向にCアーム7を傾けるときの角度を算出する。この角度を断層画像生成上の終了角度と呼ぶことにする。そして、断層画像生成部12は、Cアーム7が初期角度から断層画像生成上の終了角度まで傾斜されながら撮影されたX線画像Pを重ね合わせて、断層画像Qbを生成する。
この視野優先モードは、裁断深さ優先モードと比較して、裁断深さが稼げないという問題点がある。断層画像Qbを生成するときに重ね合わせられるX線画像Pm……Pnの枚数が裁断深さ優先モードのときと比べて少なく、裁断面db以外の被検体像が画像の重ね合わせにより確実にぼかされるとは限らないからである。とはいえ、視野優先モードで得られる断層画像Qbは、裁断面が天板2に平行となっているので、動画撮影時と同じ方向から観察したときの被検体Mを写し込んでいる。したがって、動画Vと断層画像Qbとの間に画像上の食い違いが発生しない。断層画像の撮影目的によっては、撮影視野の整合性を犠牲にしてもより深い裁断面での断層画像を得たい場合もある。そこで、本発明におけるX線撮影装置1には、視野優先モードとは別に上述の裁断深さ優先モードが用意されている。
<断層画像生成ステップS9>
断層画像生成部12は、X線画像P1……Pnを基に、術者が選択したモードに応じて断層画像Qa,Qbを生成する。すなわち、術者が裁断深さ優先モードを選択した場合、断層画像生成部12は、X線画像P1……Pnの全てを重ね合わせて断層画像Qaを生成し、術者が視野優先モードを選択した場合、Cアーム7が初期角度から断層画像生成上の終了角度、または断層画像生成上の初期角度から終了角度まで傾斜される間に連写されたX線画像Pを重ね合わせて断層画像Qa,Qbを生成する。断層画像Qa,Qbが表示部32に表示されて、本発明に係る動作は終了となる。このように、断層画像生成部12は、視野優先が選択された場合、連写されたX線画像P1……Pnの一部(X線画像Pm……Pn)を重ね合わせ、裁断深さ優先が選択された場合、連写されたX線画像P1……Pnの全てを重ね合わせることにより断層画像を生成する。また、断層画像生成部12は、視野優先モードが選択された場合、透視像撮影時のCアーム7を一方向および逆方向に同じだけ傾斜させたときに得られる一連のX線画像Pを重ね合わせて断層画像を生成する。
断層画像Qa,Qbを生成する際、術者は、操作卓31を通じて、断層画像Qa,Qbの裁断面da,dbを平行移動させることができる。すなわち、術者は、操作卓31を通じて裁断面da,dbの移動方向と移動量を入力すると、単にX線画像Pを重ね合わせていた断層画像生成部12は、X線画像Pをずらしながら重ね合わせるように動作するようになる。この様にすることで、裁断面da,dbは、裁断面da,dbに直交する方向に移動する。このとき移動前の裁断面da,dbと移動後の裁断面da,dbとを比較すると、裁断面同士は互いに平行となっている。この様な構成とすることで、術者が所望の位置で被検体Mを裁断したときの断層画像Qa,Qbが取得できるようになる。図13は、術者の操作卓31を通じた入力により、裁断面daが移動されている様子を表している。
以上のように、本発明のX線撮影装置1は、X線管3とFPD4がCアーム7によって支持される構成となっている。そして、本発明によれば、断層画像Qa,Qbを生成する際に2つのモードを選択できるようになっている。2つのモードとは、鮮明な断層画像Qaを取得できる裁断深さ優先モードと術者にとって理解のしやすい裁断面における断層画像Qbを取得できる視野優先モードである。
裁断深さ優先モードが選択された場合、連写されたX線画像P1……Pnの全てを重ね合わせることにより断層画像Qaが生成される。この様にすることにより、裁断面以外の被検体像は確実にぼかされ、より鮮明な断層画像が生成できる。しかし、このときの裁断面は、断層画像Qaを生成する前に行っていた動画Vの撮影における撮影方向に準じているわけではない。動画Vを見ていた術者が断層画像Qaを見た場合、術者は画像に写り込む被検体像同士に矛盾を感じてしまう。
また、視野優先モードが選択された場合、断層画像生成前に行っていた動画Vの撮影方向に直交する平面を裁断面とした断層画像Qbが生成される。したがって、動画Vを見ていた術者が断層画像Qbを見た場合、術者は画像に写り込む被検体像同士に矛盾を感じない。しかし、このときの断層画像Qbは、連写されたX線画像Pの一部を重ね合わせて生成されたものなので必ずしも鮮明であるとは限らない。
本発明の構成によれば、術者は撮影の目的に合わせてこの2つのモードを使い分けることができる。この様にすることで術者の思惑通りの断層画像を確実に生成できるX線撮影装置1が提供できる。
また、視野優先モードが選択された場合、断層画像生成部12は、透視像撮影時のCアーム7を一方向および逆方向に同じだけ傾斜させたときに得られる一連のX線画像Pを重ね合わせて断層画像を生成すれば、確実に透視像撮影時の撮影方向に直交する平面を裁断面として断層画像を生成することができる。
そして、断層画像生成部12が連写されたX線画像Pをずらしながら重ね合わせれば、裁断面を裁断面に直交する方向に移動に移動させることができ、より術者の思惑通りの断層画像を生成できるようになる。
上述のように、断層画像生成部12は、トモシンセシス画像を生成するようにすれば、X線管3およびFPD4が被検体Mを中心に一回転させなくても確実に断層画像を生成することができる。
本発明は、上述の構成に限られず下記のように変形実施することができる。
(1)上述の視野優先モードの断層画像は天板2に平行な平面となるように設定されていたが本発明はこの構成に限られない。あらかじめ設定される平面は天板2に直交する物であってもよいし、天板2に対して所定の角度だけ傾斜していてもよい。
P X線画像(放射線画像)
Q 断層画像
V 動画(透視像)
3 X線管(放射線源)
4 FPD(検出手段)
7 Cアーム(アーム)
11 画像生成部(画像生成手段)
12 断層画像生成部(断層画像生成手段)
21 Cアーム傾斜機構(アーム傾斜手段)
22 Cアーム傾斜制御部(アーム傾斜制御手段)
31 操作卓(入力手段)
31a 選択ボタン(モード選択手段)

Claims (5)

  1. 放射線を被検体に照射する放射線源と、
    被検体を透過してきた放射線を検出して画像を取得する検出手段と、
    前記放射線源および検出手段を、これらが結ぶ撮影方向軸被検体の周りに回転可能に保持する保持機構と、
    前記撮影方向軸を回転させながら、初期角度から終了角度までの複数の撮影方向からの放射線画像を生成する画像生成手段と、
    撮影された複数の放射線画像に基づいて断層画像を生成する断層画像生成手段と、
    前記初期角度及び前記終了角度の中間の角度における撮影方向に直交する平面における断層画像を前記断層画像生成手段に生成させる第1のモードと、あらかじめ設定された前記第1のモードとは異なる平面における断層画像を前記断層画像生成手段に生成させる第2のモードとを選択させるモード選択手段とを備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮影装置において、
    前記第のモードが選択された場合、前記断層画像生成手段は、透視像撮影時の前記保持機構を一方向および逆方向に同じだけ回転させたときに得られる一連の前記放射線画像を重ね合わせて前記断層画像を生成することを特徴とする放射線撮影装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の放射線撮影装置において、
    前記断層画像生成手段は、連写された前記放射線画像をずらしながら重ね合わせることにより、裁断面を裁断面に直交する方向に移動させて前記断層画像を生成することを特徴とする放射線撮影装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の放射線撮影装置において、
    前記断層画像生成手段は、トモシンセシス画像を生成することを特徴とする放射線撮影装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射線撮影装置において、
    外科手術用となっていることを特徴とする放射線撮影装置。
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