JP6064799B2 - 溶接トーチおよび多電極サブマージアーク内面溶接機ならびに大径溶接鋼管の内面溶接方法 - Google Patents

溶接トーチおよび多電極サブマージアーク内面溶接機ならびに大径溶接鋼管の内面溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6064799B2
JP6064799B2 JP2013127169A JP2013127169A JP6064799B2 JP 6064799 B2 JP6064799 B2 JP 6064799B2 JP 2013127169 A JP2013127169 A JP 2013127169A JP 2013127169 A JP2013127169 A JP 2013127169A JP 6064799 B2 JP6064799 B2 JP 6064799B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
roll
welding wire
tip
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013127169A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015000424A (ja
Inventor
健太 荻原
健太 荻原
敏彦 坂本
敏彦 坂本
昭夫 海原
昭夫 海原
塚田 豊
豊 塚田
征哉 田村
征哉 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2013127169A priority Critical patent/JP6064799B2/ja
Publication of JP2015000424A publication Critical patent/JP2015000424A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6064799B2 publication Critical patent/JP6064799B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)
  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)

Description

本発明は、溶接トーチおよびそれを用いた多電極サブマージアーク内面溶接機ならびに大径溶接鋼管の内面溶接方法に関し、UOE鋼管などの大径溶接鋼管の内面シーム溶接に適用して好適なものに関する。
主としてラインパイプに用いられる大径溶接鋼管の代表例としてUOE鋼管が挙げられる。UOE鋼管は、Uプレス、Oプレスで鋼板の幅方向の端部が互いに向き合うように鋼板を円筒形に成形後、円筒形の内面側(内面開先)、外面側(外面開先)の順に溶接して鋼管とし、その後、拡管装置で内面側から塑性変形を与えて製造する。また、上記UプレスやOプレスの代わりに、一対のダイとパンチとによる3点曲げを繰り返して鋼板を円筒形に成形しその後に溶接して鋼管とするプレスベンド法も用いられる。これら大径溶接鋼管の互いに向き合った鋼板の幅方向端部の溶接には、通常、サブマージアーク溶接が用いられる。
図6は多電極サブマージアーク内面溶接機とそれを用いた内面溶接法を説明する図で、多電極サブマージアーク内面溶接機13は、台車上に、パイプの内部に挿通するブーム14と溶接ワイヤ2を供給するワイヤパック12を有し、ブーム14はその先端に取り付けた2つの溶接トーチ1とワイヤ送給モータ11を有する。
溶接トーチ1は、両端部がワイヤパック12から水平方向に送給されてくる溶接ワイヤ2を取り込むための直線部と、鉛直方向にチップ4を取り付けるための直線部で、両直線部の間は、溶接ワイヤ2をチップ4の軸芯方向を向くように曲げる屈曲部(曲がり部とも言う)となっている。図6は、2電極のサブマージアーク内面溶接機の場合を示し、2つの溶接トーチは、走行方向の先頭側から第1電極5、第2電極6と称される。台車の走行方向を矢印dで示す。また、図6では、パイプ10はその内部がわかりやすいように透視図としている。
内面溶接する際は、開先部、すなわち、鋼板の幅方向端部が突き合わされた部分が真下になるように停止させたパイプ10の内部に、台車を移動させてブーム14を挿入した後、溶接ワイヤ2をワイヤパック12からブーム先端の溶接トーチ1のチップ4までワイヤ送給モータ11で送給しつつ、ブーム14をパイプ10から引き出すように台車を走行させて連続溶接する。
多電極サブマージアーク内面溶接機の溶接トーチはチップ4の軸芯が鉛直方向を向き、かつ、溶接ワイヤ受入部では溶接ワイヤがほぼ水平になっている、という屈曲した形状なので、溶接ワイヤ交換時にワイヤ先端がスムーズに通線するように、トーチ内に送給ロール列を設けている。
送給ロール(ガイドロールという場合がある)として図7に示す溝付ロール3bが一般的に使用されている。送給ロール幅方向中央部に溶接ワイヤを誘導する目的で、溝形状としては、ロール幅方向中央部が深い溝が用いられ、球面などの曲面やV字形状の溝などが一般的である。ワイヤ径に対して溝付ロール間の隙間(図ではワイヤ径4mm、隙間8mm)が大きい場合、溶接ワイヤ2が当該空隙内で振れ動き、送給ロール列やチップで引っ掛かりを生じる場合がある。
図8、図9は、溶接トーチ内における溶接ワイヤ経路を説明する図で、図8は溶接ワイヤ2が撓んで、屈曲部の外側に沿って配置された送給ロール3bに押し付けられた場合を、図9は、溶接ワイヤ2の撓んだ状態が解消された場合を示す。撓んだ状態が解消される前後で、溶接ワイヤ2のチップ4からの突き出し部22の長さが変化し、被溶接体7と溶接ワイヤ先端の間隔で決定される溶接電圧が変動し、溶接ビード幅が狭くなるネックビードやアンダーカットなどの溶接表面欠陥が発生する。
溶接ワイヤ2の振れ動きを防止するため、溝付ロール3bの溝の深さを浅くすると、図10に示すように、対向する溝付ロール3b間に溶接ワイヤ2が噛み込まれて、溶接ワイヤ2の撓みのある場合と同様に、被溶接体と溶接ワイヤ先端との間隔が変動し、溶接電圧の変動により、溶接表面欠陥が発生する。
このように、溶接ワイヤ送給のスムーズさが損なわれると、アークが不安定になり、溶接不良が発生するため、溶接ワイヤの通線性を向上させた溶接トーチが検討提案されている。
例えば、特許文献1は、建築鉄骨の狭隘な箇所にも溶接トーチの先端を到達させることが可能な先端部を湾曲させた溶接トーチに関し、溶接ワイヤをスムーズに送給できるように湾曲部の内側と外側にそれぞれワイヤをガイドするローラ列を設けた先端湾曲溶接トーチが記載されている。
特許文献2は、トンネル内に敷設される都市ガスなどのパイプライン用パイプ円周自動溶接機に用いられる溶接トーチに関し、溶接ヘッドの高さが低くなるように屈曲した形状で、且つ溶接ワイヤの送給がスムーズなように、屈曲部の形状に沿ってトーチ内に多数のガイドローラを取り付けた溶接トーチが記載されている。
特開平3−297568号 特開平11−179548号
しかしながら、特許文献1、2に記載の溶接トーチは溶接ワイヤをスムーズに送給できるものの、ガイドローラによる溶接ワイヤの拘束力が強いため、溶接ワイヤの交換時にワイヤ先端の通線に多大な時間を要し、溶接機の稼働率を大幅に低下させるという問題があった。
そこで、本発明は、溶接ワイヤの溶接時の通線性と、溶接ワイヤ交換時の先端部の通線性を向上させた、UOE鋼管の多電極サブマージアーク内面溶接機用の溶接トーチおよびそれを用いた多電極サブマージアーク内面溶接機ならびに大径溶接鋼板の内面溶接方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため、溶接トーチ内における溶接ワイヤの撓みによるガイドローラ間での振れ動きが溶接電圧(溶接トーチのチップ先端からの溶接ワイヤの突き出し長さで決定される)に及ぼす影響について鋭意検討し、以下の知見を得た。
1.溶接トーチ内の溶接ワイヤの撓みによる振れ動きを縦方向(鉛直方向に相当)と横方向(水平方向に相当)に分解した場合、縦方向に振れると、被溶接体と溶接ワイヤ先端間の距離が変動し、それに伴い溶接電圧が変動して溶接表面欠陥を引き起こすが、横方向(水平方向に相当)の振れは被溶接体と溶接ワイヤ先端間の距離にほとんど影響を与えない。
2.溶接トーチの屈曲部で溶接ワイヤの縦方向の振れを抑制すれば、屈曲部からチップ間で溶接ワイヤの縦方向の振れは発生しない。
3.チップ入口での溶接ワイヤの横方向の振れを抑制すれば、ワイヤのチップ入口での引っ掛りを防止することができる。
本発明は、上記知見をもとに更に検討を加えてなされたもので、すなわち本発明は、
(1)送給されてくる溶接ワイヤをチップの軸芯方向に屈曲させる屈曲部を有する溶接トーチであって、前記溶接トーチはその内部に溶接ワイヤをチップに案内する送給ロール列を有し、前記送給ロール列は溶接ワイヤの前記屈曲部における経路の内側に沿って配置された送給ロール列と前記経路の外側に沿って配置された送給ロール列で構成され、前記経路の内側に沿って配置された送給ロール列と前記経路の外側に沿って配置された送給ロール列は、いずれも、フラットロールおよび溝付きロールで構成され、前記それぞれの送給ロール列における前記フラットロールの個数と配置が、溶接ワイヤのチップからの突き出し長さが、溶接中に変動しないで、且つ溶接ワイヤの通線性を損なわないように決定されていることを特徴とする溶接トーチ。
(2)(1)記載の溶接トーチを少なくとも第1電極に用いたことを特徴とする多電極サブマージアーク内面溶接機。
(3)(2)記載の多電極サブマージアーク内面溶接機によりシーム溶接を行うことを特徴とする大径溶接鋼管の内面溶接方法。
本発明によれば、UOE鋼管などの大径溶接鋼管の内面サブマージアーク溶接用として好適な、溶接表面欠陥の原因となる溶接電圧の変動を抑制し、溶接ワイヤの通線性に優れる溶接トーチが得られ産業上極めて有用である。
本発明の一実施例に係る溶接トーチの構造を説明する模式図。 対向配置したフラットロールと溶接ワイヤの位置関係を模式的に示す図。 対向配置した溝付きロールと溶接ワイヤの位置関係を模式的に示す図。 実施例の内面溶接で本発明に係る溶接トーチを第1電極に用いた場合の溶接電圧の変化を示す図。 実施例の内面溶接で比較例として従来の溶接トーチを第1電極に用いた場合の溶接電圧の変化を示す図。 多電極サブマージアーク内面溶接機とそれを用いた内面溶接法を説明する図。 対向する溝付きロールの空隙とワイヤ径の寸法関係を説明する模式図。 溶接トーチにおける溶接ワイヤ経路を説明する模式図(溶接ワイヤが撓んで、屈曲部の外側に沿って配置された送給ロールに押し付けられた場合を示す図)。 溶接トーチにおける溶接ワイヤ経路を説明する模式図(図8に示す、溶接ワイヤの撓んだ状態が解消された場合を示す図)。 溝付きロール間に溶接ワイヤが噛み込まれた状態を示す模式図。
本発明は、屈曲部を有する溶接トーチを対象とし、溶接トーチ内の送給ロール列をフラットロールと溝付きロールで構成して、フラットロールの配置と個数を、溶接ワイヤのチップからの突き出し長さが、溶接中に変動しないように、且つ溶接ワイヤの通線性を損なわないよう決定することを特徴とする。
なお、本発明において、フラットロールとは、送給ロールのロール外面の断面が平らであり、かつ、ロール軸心方向についてその前記平らな部分の両側に外縁部が設けられている、いわば、溝形状がほぼ矩形であるロールを指すものとする。このようなフラットロールを対向させその隙間に溶接ワイヤを通す場合、溶接ワイヤは、ロール軸心方向には自由に移動可能である。また、本発明において、溝付きロールとは、送給ロールのロール外面の断面形状として、溝幅の中央部がもっとも溝が深い、たとえばU字あるいはV字のような凹形状の溝を有するロールを指すものとする。このような溝付きロールにおいては、溶接ワイヤの溝幅中央から左右への移動が制約されている。
図1は本発明の一実施形態に係る溶接トーチの構造を説明する模式図で、図において1aは溶接ワイヤ2の受給部、1bはチップ4の取り付け部、1cは溶接トーチの胴部、2は溶接ワイヤ、3aはフラットロール、3bは溝付きロール、4はチップ、20、21は送給ロール列を示す。
図示した溶接トーチは、送給されてくる溶接ワイヤ2をチップ4の軸芯方向に屈曲させるため、胴部1cは、受給部1aと取り付け部1bの近傍の直線部を除いた部分を円弧形状(以下、屈曲部)とする。サブマージアーク溶接の場合、下向き溶接のため、チップ4の軸芯方向は鉛直方向で、溶接ワイヤ2は溶接トーチに水平方向に送給されてくる。
溶接トーチの内部には、溶接ワイヤ2をチップ4に案内する送給ロール列が設けられている。送給ロール列は溶接ワイヤ2の屈曲部における経路(図中、溶接ワイヤ2を示す太線に相当)の内側と外側のそれぞれに沿って配置された送給ロール列20、21で構成され、各送給ロール列20、21は、いずれも、フラットロール3aおよび溝付きロール3bで構成されている。
図2に対向配置したフラットロール3aと溶接ワイヤ2の位置関係を、図3に対向配置した溝付きロール3bと溶接ワイヤ2の位置関係を模式的に示す。
溝付きロール3bの溝部は、凹となる弧状のロール面31bと外縁部32bで構成されている。このため、対向する二つの溝付きロール3bの溝部で形成される空間に溶接ワイヤを通す場合、溶接ワイヤの位置は溝付きロールの溝形状に倣い、ロール幅中央部へと誘導される。このように、溶接ワイヤはロールの幅方向には移動しにくいので、溶接ワイヤが溝付きロールに引っかかったり挟まったりするのを防止するためには、間隙Gbを十分大きく確保しておくことが必要となる。これは、溶接ワイヤの縦方向の位置変動が大きくなる要因であるため、溶接電圧の変動発生を誘発し、ひいては、溶接部の品質不良の原因となりかねない。
これに対して、フラットロール3aの溝部はフラットなロール面31aと外縁部32aで構成されている。このため、対向する二つのフラットロール3aの溝部で形成される空間に溶接ワイヤを通す場合、溶接ワイヤはロールの溝幅方向には自由に移動可能であるから、対向する二つのフラットロール間の距離が近く、間隙Gaが小さくなっても、溶接ワイヤがフラットロール3aに引っかかったり挟まったりして溶接ワイヤの通線性が阻害されることはない。したがって、溶接ワイヤをスムーズに送給するとともに、溶接ワイヤの縦方向の位置変動を十分に抑制することができるので、溶接電圧など変動も少なく、溶接部の品質も向上する。
一方、ロール面31の幅方向での動きは、溝付きロール3b間を通過する場合、円弧状のロール面31bで拘束されて、フラットロール3a間を通過する場合より小さくなる。なお、フラットロール3aは、縦方向の隙間Gaが小さくなるが、横方向の隙間(ロール面の幅Wb)は大きくすることができるため、開口部面積としては、溶接ワイヤ交換時の通線性を損なわない程度の十分な面積を確保できる。
本発明では、溶接トーチの胴部1において、溶接ワイヤ2の経路の振れ動きが最も大きくなる屈曲部において、溶接ワイヤの屈曲部における経路の内側に沿って配置された送給ロール列20と経路の外側に沿って配置された送給ロール列21にフラットロールを配置して、振れ動きをチップの軸芯方向となる縦方向(鉛直方向に相当)と横方向(水平方向に相当)に分解した場合の、縦方向の動きを抑制し、溶接電圧の変動の原因となる溶接中における溶接ワイヤのチップからの突き出し長さの変動を防止する。
送給ロール列20、21のそれぞれをフラットロール3aのみで構成すると、横方向(水平方向に相当)の動きを抑制することが困難となり、ワイヤ交換時の溶接ワイヤの通線性を損なうようになるので、溝付きロール3bも配置する。送給ロール列20、21のそれぞれにおけるフラットロールと溝付きロールの個数、その比率および配置位置は、所望する溶接電圧の変動幅と溶接ワイヤ交換時の通線性より、適宜決定すればよく、本発明では特に規定しない。たとえば、溶接ワイヤ受入側から、屈曲部出側までの全段のロールをフラットロールとすることが、溶接ワイヤの縦方向の振れや撓みを防止する観点から好ましい。
図1に示した溶接トーチで、ワイヤ径4.0mmΦの溶接ワイヤを使用する場合、屈曲部にロール面31aの幅Waが7mmのフラットロール3aを、対向ロール間の隙間Gaがたとえば4.5mmになるように配置すると、溶接ワイヤ2の縦方向の振れを抑制でき、溶接ワイヤ交換時のワイヤ先端のチップ4への通線性も確保することができる。ここで、対向ロール間の間隙とは、2つの送給ロールが溶接ワイヤ越しに正対している場合には、フラットロール3aのロール面31a同士の距離を指し、また、送給ロールが溶接ワイヤ越しに正対しておらず、片側に単独で設置される場合には、設計上の溶接ワイヤ送給路の中心から前記単独設置されたフラットロール3aのロール面31aまでの距離の2倍の長さを指すものとする。
図1では、送給ロール列20の場合、受給部1a側から取り付け部1b側へ5個のフラットロール3a、2個の溝付きロール3bの順に配置し、送給ロール列21の場合、受給部1a側から取り付け部1b側へ3個のフラットロール3a、3個の溝付きロール3bの順に配置している。フラットロール3aは、ロール面31aの幅Waを7mmとした。溝付きロール3bは、ロール面31bの幅Wbを5mmとした。尚、屈曲部以降の溝付ロール3bは、取り付け部1bから胴部1cへ少なくとも1段あれば横方向の振れを抑制してワイヤ先端のチップ4への通線性を損なうことがない。
本発明に係る溶接トーチによれば、屈曲部の送給ロール列にフラットロールを用いることで、溶接ワイヤの拘束力が高まり、溶接ワイヤ経路の縦方向の振れが防止され、被溶接体と溶接ワイヤ先端の距離を一定に保つことができ、溶接電圧の変動を抑制して、溶接表面欠陥が抑制される。屈曲部の送給ロール列をフラットロールにすることにより発生する溶接ワイヤの横方向の振れは、屈曲部以降の送給ロール列に溝付きロールで防止されるので、チップ入口での引っ掛かりが抑制される。
溶接トーチの屈曲部における曲率が大きくなると溶接ワイヤ経路の縦方向の振れは大きくなるため、図6に示した多電極サブマージアーク内面溶接機の場合、少なくとも第1電極を本発明に係る溶接トーチとすることが好ましく、UOE鋼管などの大径溶接鋼管の内面溶接に適用すると、パイプと溶接ワイヤ先端距離の変動すなわち、溶接電圧の変動を発生させることなく、溶接品質の優れた大径溶接鋼管を製造することができる。
本発明に係る溶接トーチは、UOE鋼管などの大径溶接鋼管の外面溶接機や、他の対象物へのサブマージアーク溶接機にも適用することができる。
全長12mのUOE鋼管の内面シーム溶接を、第1電極のみに本発明に係る溶接トーチを取り付けた2電極サブマージアーク内面溶接機により行った。第1電極で用いた溶接トーチは、図1に示したものである。ここで、ワイヤ径4.0mmΦの溶接ワイヤを用い、溶接トーチの屈曲部の送給ロール列では、フラットロールを使用し、フラットロール間の間隔はフラットロールが送給ロールが溶接ワイヤ越しに正対して対向するとした場合の間隙Gaの値として4.5mmとした。フラットロールが溶接ワイヤ越しに正対して対向していない場合には、設計上の溶接ワイヤ送給路の中心からフラットロール3aのロール面31aまでの距離を2.25mmとした。
屈曲部の外周側の送給ロール列20の場合、受給部1a側から取り付け部1b側へ5個のフラットロール3a、2個の溝付きロール3bの順に配置し、屈曲部の内周側の送給ロール列21の場合、受給部1a側から取り付け部1b側へ3個のフラットロール3a、3個の溝付きロール3bの順に配置した。フラットロール3aは、ロール面31aの幅Waを7mmとした。溝付きロール3bは、ロール面31bの幅Wbを5mmとした。
また、取り付け部1b側から一段目に、溝付きロールを対向させて使用して溶接ワイヤの横方向の振れを抑制してチップ入口での溶接ワイヤの引っ掛かりを防止した。
図4に第1電極の溶接電圧の変動を示す。溶接電圧が安定し、溶接表面欠陥が発生することなく、健全な溶接部を得ることができた。また、屈曲部のフラットロールで溶接ワイヤの縦方向の振れを抑制できたため、取り付け部1b側から一段目に、溝付きロールを対向させた箇所においても、溶接ワイヤの引っ掛かりは発生しなかった。
一方、同様の溶接を従来の2電極サブマージアーク内面溶接機(送給ロール列を溝付きロールのみで構成し、そのロール間隙が8mm、ロール溝幅が5mmである場合)で行った際の第1電極の溶接電圧は図5に示すように大きく変動し、溶接表面欠陥が発生した。
1 溶接トーチ
1a 受給部
1b 取り付け部
1c 胴部
2 溶接ワイヤ
3a フラットロール
3b 溝付きロール
4 チップ
5 第1電極
6 第2電極
7 被溶接体
10 パイプ
11 ワイヤ送給モータ
12 ワイヤパック
13 多電極サブマージアーク内面溶接機
14 ブーム
20、21 送給ロール列
22 突き出し部
31a、31b ロール面
32a、32b 外縁部
Ga、Gb 隙間
Wa、Wb 幅
Da、Db 深さ
d 走行方向

Claims (3)

  1. 送給されてくる溶接ワイヤをチップの軸芯方向に屈曲させる屈曲部を有する溶接トーチであって、前記溶接トーチはその内部に溶接ワイヤをチップに案内する送給ロール列を有し、前記送給ロール列は溶接ワイヤの前記屈曲部における経路の内側に沿って配置された送給ロール列と前記経路の外側に沿って配置された送給ロール列で構成され、前記経路の内側に沿って配置された送給ロール列と前記経路の外側に沿って配置された送給ロール列は、いずれも、フラットロールおよび溝付きロールで構成され、前記それぞれの送給ロール列における前記フラットロールの個数と配置が、溶接ワイヤのチップからの突き出し長さが、溶接中に変動しないで、且つ溶接ワイヤの通線性を損なわないように決定されており、
    前記送給ロール列において最も前記チップに近い側は前記溝付きロールを対向して配置することを特徴とする溶接トーチ。
    なお、前記フラットロールは送給ロールのロール外面の断面が平らであり、かつ、ロール軸心方向についてその前記平らな部分の両側に外縁部が設けられているロールであり、
    前記溝付きロールは送給ロールのロール外面の断面形状として、溝幅の中央部がもっとも溝が深い、U字あるいはV字の凹形状の溝を有するロールである。
  2. 請求項1記載の溶接トーチを少なくとも第1電極に用いたことを特徴とする多電極サブマージアーク内面溶接機。
  3. 請求項2記載の多電極サブマージアーク内面溶接機によりシーム溶接を行うことを特徴とする大径溶接鋼管の内面溶接方法。
JP2013127169A 2013-06-18 2013-06-18 溶接トーチおよび多電極サブマージアーク内面溶接機ならびに大径溶接鋼管の内面溶接方法 Active JP6064799B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013127169A JP6064799B2 (ja) 2013-06-18 2013-06-18 溶接トーチおよび多電極サブマージアーク内面溶接機ならびに大径溶接鋼管の内面溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013127169A JP6064799B2 (ja) 2013-06-18 2013-06-18 溶接トーチおよび多電極サブマージアーク内面溶接機ならびに大径溶接鋼管の内面溶接方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015000424A JP2015000424A (ja) 2015-01-05
JP6064799B2 true JP6064799B2 (ja) 2017-01-25

Family

ID=52295270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013127169A Active JP6064799B2 (ja) 2013-06-18 2013-06-18 溶接トーチおよび多電極サブマージアーク内面溶接機ならびに大径溶接鋼管の内面溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6064799B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52111724U (ja) * 1976-02-20 1977-08-25
JPS5549916Y2 (ja) * 1976-08-11 1980-11-20
JP2000117440A (ja) * 1998-10-20 2000-04-25 Tokyo Gas Co Ltd 溶接トーチ
JP5223369B2 (ja) * 2008-02-22 2013-06-26 Jfeスチール株式会社 鋼材の多電極サブマージアーク溶接方法
CA2841121C (en) * 2011-07-08 2019-03-12 Elco Enterprises, Inc. Wire guide module with a housing and rollers method of guiding a wire and a wire dispensing system with such module

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015000424A (ja) 2015-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2973830C (en) Electric-resistance-welded stainless clad steel pipe and method of manufacturing the same
EP3088117B1 (en) Straightening device for welding wire
JP6607102B2 (ja) 溶接鋼管の成形方法および成形装置並びに溶接鋼管の製造方法および製造設備
JP6064799B2 (ja) 溶接トーチおよび多電極サブマージアーク内面溶接機ならびに大径溶接鋼管の内面溶接方法
JPWO2013080524A1 (ja) 鋼板のサブマージアーク溶接方法
KR102115731B1 (ko) 수평 필릿 용접 장치 및 수평 필릿 용접 방법
JP5809170B2 (ja) バンドを互いにそれらの縦縁に沿って接合するように案内するための装置及び方法
JP2019135066A (ja) 不連続溝付き金属管の製造装置及び方法
JP3763827B2 (ja) 角形鋼管の製造方法
KR20150021240A (ko) 티그 용접용 용가재 성형 송급 장치
JP2009039731A (ja) 電縫管の製造方法及び製造装置
JP2003326318A (ja) 二重管の製造方法および二重管
JP6115503B2 (ja) 開先倣いローラーおよびこれを備えた内面溶接機
KR101357223B1 (ko) 강관의 용접부 표시 장치
CN213196210U (zh) 一种卷管钢板对焊装置
JP6066291B2 (ja) 小径金属管の製造方法
JP2009226464A (ja) スパイラル鋼管の製造方法
KR20230001057U (ko) 용접자동화의 정밀도를 향상시킨 용접와이어 노즐
JP2006289446A (ja) 電縫鋼管の製造方法
JP6066290B2 (ja) 小径金属管の製造方法
JP2013132671A (ja) 厚肉電縫鋼管の製造方法
JP2009297720A (ja) 狭開先溶接方法及び溶接装置
JP2009119479A (ja) 耐座屈性能の良好な電縫管の製造方法
JP2001239314A (ja) 溶接管の製造方法及び装置
WO2017006499A1 (ja) 管の溶接方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160719

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160818

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6064799

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250