JP6061147B2 - パネル取付型コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、パネル取付型コネクタに関する。
従来この種のコネクタとして、下記特許文献1に記載のものが知られている。このものは、パネルの裏側のハーネスに接続された雄側ハウジング(第1ハウジング)と、パネルの表側のハーネスに接続された雌側ハウジング(第2ハウジング)とが備えられ、第1ハウジングが、パネルに開口された取付孔を貫通して複数の弾性部材により待ち受け状態で装着され、この第1ハウジングに対し、第2ハウジングが同第2ハウジングに装着された倍力機構であるスライドレバーの操作によって嵌合されるようになっている。
特開2008−103325号公報
上記従来のものでは、最終嵌合状態が、パネルの取付孔の表面側に第2ハウジングが比較的大きく突出した構造であるため、その分パネルの表面側に大きな配設スペースを確保せねばならないという問題があった。また、両ハウジングが正規に嵌合されないまま、すなわち半嵌合状態のままにパネルに装着されることは芳しくなく、その防止策も急務となっていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、省スペースの実現と、ハウジングの半嵌合検知を簡単にかつ正確に行えるようにするところにある。
本発明のパネル取付型コネクタは、フォロアピンを有し、パネルの裏側のハーネスに接続され同パネルに開口された取付孔を貫通可能に配される第1ハウジングと、カム溝が形成された板を有し、前記フォロアピンが前記カム溝に沿って移動することにより前記第1ハウジングを移動させるレバーと、前記レバーの前記板を挿通可能な挿通路を有し、前記レバーが第1位置と第2位置との間で移動されることにより前記第1ハウジングとの嵌合と離脱がされるようになっており、前記パネルの表側のハーネスに接続され、かつ前記取付孔に挿通可能な第2ハウジングと、が具備され、前記第2ハウジングには、同第2ハウジングが正規位置まで挿通されたところで同第2ハウジングを前記パネルに対して保持する保持手段が設けられ、前記保持手段は、前記挿通路の外壁に形成された一対のスリットの間において片持ち状に延出形成され、その延出端側が前記挿通路内に撓み変位可能となっており、前記レバーの前記板の外面には、前記保持手段の延出端の撓み変位を許容する変位許容溝が凹み形成され、前記レバーは、前記両ハウジングが嵌合された前記第2位置にある場合に限って前記第2ハウジングとともに前記取付孔を通過可能な設定となっているところに特徴を有する。
レバーが第1位置に装着された形態の第2ハウジングが第1ハウジングに嵌合され、続いてレバーを第2位置に向けて移動されることに伴って嵌合が進み、第2位置に至ったところでは両ハウジングが正規嵌合された状態にある。その後、第2ハウジングが、正規嵌合された第1ハウジング、並びに第2位置にあるレバーともども取付孔に挿通され、正規位置まで挿通されたところで第2ハウジングの保持手段によってパネルに対して保持される。
両ハウジングが半嵌合状態に留められている場合は、レバーが第2位置の手前に留まっているため、第2ハウジングを取付孔に挿通する際にレバーが取付孔を通過できず、正規位置まで挿通できない。これによりハウジングの半嵌合が検知でき、その場合はレバーを第2位置まで改めて移動させればよい。
最終嵌合状態では、両ハウジングがパネルの裏側に収容された形態にできるから、パネルの取付孔の表側の省スペース化を図ることができる。また、レバーが取付孔を通過できるか否かにより、両ハウジングが正規嵌合されているか否かを簡単にかつ正確に検知することができる。
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記第2ハウジングにおける前記取付孔の裏側に挿通される領域には、同取付孔に緊密に嵌合可能な外周面が形成されている一方、前記レバーは、前記第2位置に至る手前では前記挿通領域の前記外周面よりも外方に突出し、前記第2位置に達して初めて前記挿通領域の前記外周面以内に退避するようになっている。
この構成では、両ハウジングが半嵌合状態にあるときには、レバーが第2ハウジングにおける挿通領域の外周面から突出しており、これを目視することで半嵌合が検知できる。目視により検知できなかったとしても、第2ハウジングを取付孔に挿通した場合に、突出したレバーが取付孔の孔縁に当たって挿通が規制され、これにより半嵌合が検知できる。
(2)前記第1ハウジングには、同第1ハウジングを前記パネルの前記取付孔を貫通した形態で仮保持する仮保持手段が設けられるとともに、前記第2ハウジングには、同第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して正規嵌合された際には前記仮保持手段による仮保持を解除して前記第2ハウジングを前記第1ハウジングともども前記取付孔に挿通可能とする仮保持解除手段が設けられている。
この構成では、パネルに待ち受け状態で仮保持された第1ハウジングに対して第2ハウジングを嵌合し、レバー操作により正規嵌合したのち第1ハウジングともども第2ハウジングを取付孔に挿通して保持する形式のコネクタについて、ハウジング同士の半嵌合を検知することができる。
本発明のパネル取付型コネクタによれば、省スペースの実現と、ハウジングの半嵌合検知を簡単にかつ正確に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る両ハウジングの嵌合前の状態を示す斜視図 同側面図 図2のIII−III線断面図 両ハウジングの嵌合前の状態における嵌合側ハウジング側から視た背面図 図4のV−V線断面図 嵌合側ハウジングの正面側から視た斜視図 スライドレバーの斜視図 同側面図 両ハウジングが初期嵌合された状態の側面図 図9のX−X線断面図 両ハウジングが初期嵌合された状態における図4のV−V線切断相当の断面図 両ハウジングが正規嵌合された状態の側面図 図12のXIII−XIII線断面図 図12のXIV−XIV線断面図 両ハウジングが正規嵌合された状態の図4のV−V線切断相当の断面図 嵌合側ハウジングの取付孔内への押し込み終盤の状態における図12のXIII−XIII線切断相当の断面図 嵌合側ハウジングが本保持された状態の斜視図 同側面図 図18のXIX−XIX線断面図 嵌合側ハウジングが本保持された状態の図4のV−V線切断相当の断面図 両ハウジングが半嵌合に留まった状態の側面図 図21のXXII−XXII線断面図 図21のXXIII−XXIII線断面図 両ハウジングが半嵌合に留まった状態の図4のV−V線切断相当の断面図
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図24によって説明する。この実施形態では、自動車のドアの配設部分に設けられるコネクタを例示している。このコネクタは、スライドレバー形式の防水コネクタであって、図1に示すように、車両のホディ側に張設されたパネル1に待ち受け状態で配される待ち受け側ハウジング10(本発明の第1ハウジングに相当)と、ドア側から引き出されたハーネスの端末に接続されて上記の待ち受け側ハウジング10に対して嵌合される嵌合側ハウジング30(本発明の第2ハウジングに相当)とを備えている。
以下では、各ハウジング10,30において、互いに対向した嵌合面側を前側として説明する。
待ち受け側ハウジング10は雄型ハウジングであって、合成樹脂材により概ね縦長のブロック状に形成され、詳細には、図1ないし図3に示すように、端子収容部11の前面に、一回り小さい外形のフード部12が突出形成された構造である。
端子収容部11内には複数のキャビティ14が縦横に並んで列設され、ボディ側に配された機器等から引き出されたハーネスの各電線の端末に接続された雄端子(図示せず)が、対応するキャビティ14内に後方から挿入され、先端のタブをフード部12内に突出させた形態で抜け止めされて収容されている。
パネル1には、待ち受け側ハウジング10の端子収容部11が略緊密に嵌合される縦長の長方形をなす取付孔2が開口されている。
一方、端子収容部11における前端寄りの位置の外周には、上記した取付孔2よりも一回り大きい外形のフランジ15が全周に亘って張り出し形成され、すなわちフランジ15は、取付孔2の裏面側(図3の左側)の孔縁部3Rに当接可能となっている。
端子収容部11の前端周縁には、短寸の周壁16が延出形成されている。但し、左右の側壁には、上下両端部を除いて切欠凹部16Aが形成されている。周壁16の上面の中央幅位置と、左右の側面の下端部寄りの位置(切欠凹部16Aの下端部)の都合3箇所に、仮保持片20(本発明の仮保持手段に相当)が設けられている。仮保持片20は、先端に取付孔2の表面側(図3の右側)の孔縁部3Sに係止する係止部21を備え、前方に向けて片持ち状に突出形成されており、先端が内方に向けて弾性変位可能となっている。仮保持片20の係止部21は、後面が切り立った係止面22となっている一方、前面側が緩やかな上り勾配のガイド面23となっている。係止部21の係止面22とフランジ15との間には、パネル1の厚さに略等しい間隙が開けられている。
嵌合側ハウジング30は雌型ハウジングであって、同じく合成樹脂材により縦長のブロック状に形成されており、詳細には、図3及び図6に示すように、上記した待ち受け側ハウジング10のフード部12内に嵌合する端子収容部31の回りに、厚肉の周壁32(本発明の挿通領域に相当)が設けられた2重構造となっている。この周壁32は、待ち受け側ハウジング10の端子収容部11と同じく、パネル1の取付孔2に略緊密に嵌合する外形を有しており、周壁32と端子収容部31との間には、待ち受け側ハウジング10のフード部12が略緊密に嵌る嵌合溝33が形成されている。なお、同周壁32における端子収容部31の後面から後方に突出した部分は、内面側が削成された薄壁部32A(図3参照)となっている。
嵌合側ハウジング30の端子収容部31には、複数のキャビティ34が、待ち受け側ハウジング10の端子収容部31に設けられたキャビティ14と対向した配列で形成されている。ドア側に配された機器等から引き出されたハーネスの各電線の端末に接続された雌端子(図示せず)が、対応するキャビティ34内に後方から挿入され、抜け止めされて収容されている。
嵌合側ハウジング30には、スライドレバー50(本発明のレバーに相当)が装着されている。スライドレバー50は合成樹脂製であって、図7及び図8に示すように、左右一対のスライド板51の基端(上端)同士を操作板52で繋いだ門形形状に形成されている。操作板52の両端はスライド板51よりも外方に突出している。
一方、端子収容部31の回りの周壁32のうち左右の側壁には、図3及び図5に示すように、スライドレバー50の両スライド板51を上方から挿通可能な一対の挿通路35が形成されているとともに、上壁には、操作板52を面一に収める収容凹部36が形成されている。
スライドレバー50における両スライド板51の先端側(図5の下側)には、所定の曲線形状をなすカム溝53が左右対称に形成されている。カム溝53の下端側(始端側)に設けられた出入口54は、スライド板51の手前側の端縁に開口している。各挿通路35の前壁における略中央高さ位置には、導入口37が開口されている。
一方、待ち受け側ハウジング10のフード部12における左右の外側面の前縁寄りの位置には、中央高さ位置において、各カム溝53に嵌合可能な左右一対のフォロワピン25が立てられている。
各スライド板51の前縁部には、下部位置に第1ロック片57が、上部位置に第2ロック片58がそれぞれ設けられている。両ロック片57,58は先端にロック部57A,58Aを有し、前後方向に弾性変位可能に上向きの姿勢で設けられている。
一方、各挿通路35の前壁における上端寄りの所定位置には、図5に示すように、上記の第1ロック片57のロック部57A、並びに第2ロック片58のロック部58Aが弾性的に嵌合可能なロック孔38が形成されている。なお、第2ロック片58のロック部58Aの係止面は順テーパ面に形成され、セミロック構造となっている。
スライドレバー50(スライド板51)が挿通路35に上方から挿通されると、図5に示すように、まず下側の第1ロック片57のロック部57Aがロック孔38に弾性的に嵌ることで、上方に抜け止めされる。この位置がスライドレバー50の初期位置であって、カム溝53の出入口54と、挿通路35の導入口37とが整合した状態となる。
スライドレバー50が上記の初期位置にある状態で、嵌合側ハウジング30が待ち受け側ハウジング10に嵌合されると、図11に示すように、待ち受け側ハウジング10のフォロワピン25が挿通路35の導入口37を通って、出入口54からカム溝53の始端に臨む。続いて、スライドレバー50が押し込まれると、フォロワピン25がカム溝53に沿って移動することに伴うカム作用により、両ハウジング10,30が互いに引き寄せられるようにして次第に嵌合され、フォロワピン25がカム溝53の終端に達したところで両ハウジング10,30が正規嵌合される。
最後は、図15に示すように、フォロワピン25がカム溝53の遊び部55を移動しつつスライドレバー50が押し込まれ、操作板52が収容凹部36に面一に収まったところで押し込みが停止される。このとき上側の第2ロック片58のロック部58Aがロック孔38に弾性的に嵌ることで上方に抜け止めされ、この位置がスライドレバー50のロック位置となる(但しセミロック)。
なお、操作板52の両端を摘んで第2ロック片58によるセミロックを解除しつつスライドレバー50を引き上げると、フォロワピン25が上記とは逆向きにカム溝53に沿って移動することで、両ハウジング10,30が次第に離脱され、スライドレバー50が、図11に示すように、初期位置に至ったところで引き上げ操作が停止される。
嵌合側ハウジング30の周壁32における前縁には、図3及び図6に示すように、上面の中央幅位置と、左右の側面の下端部寄りの位置、すなわち待ち受け側ハウジング10の各仮保持片20と対向する位置ごとに、仮保持解除板40(本発明の仮保持解除手段に相当)が形成されている。仮保持解除板40には、外面側が先細りとなるようにテーパ面40Aが形成されている。
図10に示す状態から、待ち受け側ハウジング10に対して嵌合側ハウジング30が次第に嵌合されると、仮保持解除板40が対向する仮保持片20に乗り上げて同仮保持片20を内方に弾性撓みさせ、両ハウジング10,30が正規嵌合した状態になると、図14に示すように、仮保持片20は、その係止部21の頂上が周壁16の外面の位置に退避するまで変位するようになっている。これにより、仮保持片20によるパネル1の取付孔2への係止が解除される。
嵌合側ハウジング30の周壁32における左右の外側面には、図3及び図6に示すように、上下2箇所ずつの対称位置に、本保持片45(本発明の保持手段に相当)が形成されている。詳細には、本保持片45は、挿通路35の外壁35Aの前後方向の略中央位置から薄壁部32Aの後縁に亘って形成された一対のスリット44の間において、後方を向いた片持ち状に延出形成され、延出端側が内方に向けて撓み変位可能となっている。挿通路35の後壁には、撓み変位した本保持片45の延出端を嵌めて逃がす逃がし凹部42が形成されている。
本保持片45の基端寄りの外面には、パネル1の取付孔2の裏面側の孔縁部3Rに係止する係止部46が突出形成されている(図19参照)。本保持片45の係止部46は、図3に示すように、後面が切り立った係止面47Aとなっている一方、前面側が上り勾配のガイド面47Bとなっている。
嵌合側ハウジング30の周壁32における薄壁部32Aの後縁には、フランジ48が全周に亘って張り出し形成されている。フランジ48の前面と、本保持片45の係止部46の係止面47Aとの間には、所定の間隔(パネル1の厚さの6〜7倍程度)が採られている。
また、図7に示すように、スライドレバー50の左右のスライド板51における外面の後縁部の上下2位置、詳細には、同スライドレバー50がロック位置まで押し込まれた場合における各本保持片45の内方に対応する位置ごとに、同本保持片45の延出端の撓み変位を許容する変位許容溝59が凹み形成されている。この変位許容溝59は、本保持片45が略緊密に嵌る幅を有し、また溝底が後方に向けて深くなるテーパ状に形成されている。
嵌合側ハウジング30には、図1及び図5に示すように、グロメット60が装着されるようになっている。グロメット60はゴム製であって、嵌合側ハウジング30の後面を覆う長方形の漏斗状をなす本体部61と、嵌合側ハウジング30の後面に引き出されたのち一纏めにされたハーネス(図示せず)を挿通するべく本体部61の中心から突設されたコルゲートチューブ状の電線挿通部62と、を備えて構成されている。
グロメット60の本体部61の開口縁部には、嵌合側ハウジング30の上記したフランジ48に対する取付部64が形成されている。取付部64は、厚肉で長方形の枠状をなして形成されており、同取付部64の内周面には、フランジ48が嵌る嵌合溝65が全周に亘って形成されている。
グロメット60の取付部64の前面には、前方に向けてラッパ状に広がった密着部66が形成されているとともに、同密着部66の内周側には、リップ67が全周に亘って形成されている。
本実施形態のコネクタは上記のような構造であって、続いてその作用について説明する。
まず、待ち受け側ハウジング10がパネル1に対して待ち受け状態で仮保持される。それには、待ち受け側ハウジング10がパネル1の裏側から取付孔2に嵌合されて、仮保持片20を弾性撓みさせつつ押し込まれ、図3に示すように、フランジ15が取付孔2の裏面側の孔縁部3Rに当たるまで押し込まれたところで、仮保持片20が復元変位して係止部21が取付孔2の表面側の孔縁部3Sに係止する。これにより待ち受け側ハウジング10は、図2及び図3に示すように、取付孔2を貫通してフード部12をパネル1の表面側に突出させた形態において、待ち受け状態で仮保持される。
嵌合側ハウジング30は、図1及び図6に示すように、グロメット60が被着されるとともに、スライドレバー50が初期位置に装着された形態で準備される。この嵌合側ハウジング30が、図3の矢線に示すように、待ち受け状態に仮保持された待ち受け側ハウジング10に対して正面から嵌合される。初期嵌合状態では、図11に示すように、フォロワピン25が対応するカム溝53の始端に臨み、続いてスライドレバー50を押し込むと、既述したカム作用によって、嵌合側ハウジング30が待ち受け側ハウジング10に引き寄せられて嵌合が進み、両ハウジング10,30が正規嵌合されたのち、図15に示すように、スライドレバー50がロック位置に至ってロックされる。
この間に、嵌合側ハウジング30に設けられた仮保持解除板40が、待ち受け側ハウジング10のパネル1に係止している仮保持片20に乗り上げて内方に次第に撓み変位させ、両ハウジング10,30が正規嵌合したところで、図14に示すように、パネル1の取付孔2の表面側の孔縁部3Sに対する係止が解除される。
続いて、嵌合側ハウジング30が待ち受け側ハウジング10ともども取付孔2を通って押し込まれ、終盤になると、図16に示すように、嵌合側ハウジング30に設けられた本保持片45の係止部46が取付孔2の孔縁部3Sに当たることで、同本保持片45が内方に撓み変位しつつ押し込まれ、併せてグロメット60の密着部66が取付孔2の表面側の孔縁部3Sに当たる。
さらに嵌合側ハウジング30が押し込まれると、図19に示すように、グロメット60の密着部66並びにリップ67が弾縮して取付孔2の表面側の孔縁部3Sに押し付けられるとともに、係止部46が取付孔2を通過することで、本保持片45が復元変位して同係止部46が取付孔2の裏面側の孔縁部3Rに係止する。これにより、待ち受け側ハウジング10と正規嵌合された嵌合側ハウジング30が、パネル1に対して本保持され、併せて取付孔2の表面側の孔縁部3Sがシールされることになる。
なお、スライドレバー50がロック位置まで正規に押し込まれないと、図21ないし図24に示すように、両ハウジング10,30が正規嵌合には至らず、いわゆる半嵌合状態に留まるおそれがある。しかしながらこの場合は、スライドレバー50の操作板52が嵌合側ハウジング30の周壁32の上面から突出しているから、嵌合側ハウジング30を取付孔2内に押し込もうとした場合に、図24に示すように、操作板52が取付孔2の孔縁部3Sに当たることで嵌合側ハウジング30の押し込み操作ができず、スライドレバー50がロック位置まで押し込まれていないことが確認できる。
仮に、スライドレバー50がロック位置に至っていない状態で、パネル1の取付孔2に押し込まれたとしても、スライドレバー50がロック位置の手前に留まっている限りは、図22及び図23に示すように、嵌合側ハウジング30に設けられた本保持片45の内方において、スライド板51の変位許容溝59が整合して対応していないから、本保持片45の係止部46が取付孔2の孔縁部3Sに当たって同本保持片45を内方に撓み変位させようとしても、本保持片45の延出端の下面が変位許容溝59の側縁部に当たって撓み変位することが規制され、嵌合側ハウジング30がそれ以上押し込まれることが阻止される。これにより、スライドレバー50がロック位置まで押し込まれていないことが確認できる。
上記いずれの場合も、スライドレバー50を改めてロック位置まで押し込んだのち、既述した要領により、嵌合側ハウジング30を取付孔2に押し込んで本保持するようにすればよい。
本実施形態によれば、最終嵌合状態において、両ハウジング10,30がパネル1の裏側に押し込まれた形態となるから、パネル1の取付孔2の表側の省スペース化を図ることができる。また両ハウジング10,30の嵌合力を助勢するために嵌合側ハウジング30にスライドレバー50を設けているが、最終嵌合状態においてスライドレバー50もパネル1の裏側に収容されてパネル1の表側に露出しないから、見栄えが良く、また異物がスライドレバー50の操作板52に当たる等に起因した誤作動も未然に防止できる。
両ハウジング10,30が半嵌合状態に留められた場合は、スライドレバー50がロック位置まで至っておらず、操作板52が嵌合側ハウジング30の周壁32の上面から突出しているから、これを目視することで半嵌合が検知できる。目視により検知できなかったとしても、嵌合側ハウジング30を取付孔2内に押し込もうとした場合に、操作板52が取付孔2の孔縁部3Sに当たることで嵌合側ハウジング30の押し込み操作ができず、スライドレバー50がロック位置まで押し込まれていないこと、すなわち両ハウジング10,30の半嵌合が検知できる。
上記のように半嵌合が検知されたら、スライドレバー50を改めてロック位置まで押し込んだのち、両ハウジング10,30をパネル1に装着すればよく、結果、両ハウジング10,30が半嵌合のままパネル1に装着される事態が確実に防止される。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、待ち受け側ハウジングと嵌合側ハウジングとの嵌合力を助勢するレバーとしてスライドレバーを例示したが、回動式レバーを適用したものであってもよい。
(2)上記実施形態では、第1ハウジング(待ち受け側ハウジング)がパネルに対して待ち受け状態で仮保持される形式のコネクタを例示したが、第1ハウジングがパネルの表側に引き出された形態において、相手の第2ハウジング(嵌合側ハウジング)が嵌合され、正規嵌合されたのち、第2ハウジングを第1ハウジングともどもパネルの取付孔に挿通して同第2ハウジングをパネルに保持する形式のコネクタにも、本発明は同様に適用することができる。
(3)第1ハウジング(待ち受け側ハウジング)と第2ハウジング(嵌合側ハウジング)とは、雄雌が上記とは逆であってもよい。
(4)上記実施形態では防水形式のコネクタを例示したが、非防水のパネル取付型コネクタにも、本発明は同様に適用することができる。
1…パネル
2…取付孔
3S…(取付孔2の)表面側の孔縁部
3R…(取付孔2の)裏面側の孔縁部
10…待ち受け側ハウジング(第1ハウジング)
20…仮保持片(仮保持手段)
25…フォロワピン
30…嵌合側ハウジング(第2ハウジング)
32…周壁(挿通領域)
40…仮保持解除板(仮保持解除手段)
45…本保持片(保持手段)
50…スライドレバー(レバー)
51…スライド板
52…操作板
53…カム溝

Claims (3)

  1. フォロアピンを有し、パネルの裏側のハーネスに接続され同パネルに開口された取付孔を貫通可能に配される第1ハウジングと、
    カム溝が形成された板を有し、前記フォロアピンが前記カム溝に沿って移動することにより前記第1ハウジングを移動させるレバーと、
    前記レバーの前記板を挿通可能な挿通路を有し、前記レバーが第1位置と第2位置との間で移動されることにより前記第1ハウジングとの嵌合と離脱がされるようになっており、前記パネルの表側のハーネスに接続され、かつ前記取付孔に挿通可能な第2ハウジングと、が具備され、
    前記第2ハウジングには、同第2ハウジングが正規位置まで挿通されたところで同第2ハウジングを前記パネルに対して保持する保持手段が設けられ、
    前記保持手段は、前記挿通路の外壁に形成された一対のスリットの間において片持ち状に延出形成され、その延出端側が前記挿通路内に撓み変位可能となっており、
    前記レバーの前記板の外面には、前記保持手段の延出端の撓み変位を許容する変位許容溝が凹み形成され、
    前記レバーは、前記両ハウジングが嵌合された前記第2位置にある場合に限って前記第2ハウジングとともに前記取付孔を通過可能な設定となっていることを特徴とするパネル取付型コネクタ。
  2. 前記第2ハウジングにおける前記取付孔の裏側に挿通される領域には、同取付孔に緊密に嵌合可能な外周面が形成されている一方、前記レバーは、前記第2位置に至る手前では前記挿通領域の前記外周面よりも外方に突出し、前記第2位置に達して初めて前記挿通領域の前記外周面以内に退避するようになっていることを特徴とする請求項1記載のパネル取付型コネクタ。
  3. 前記第1ハウジングには、同第1ハウジングを前記パネルの前記取付孔を貫通した形態で仮保持する仮保持手段が設けられるとともに、
    前記第2ハウジングには、同第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して正規嵌合された際には前記仮保持手段による仮保持を解除して前記第2ハウジングを前記第1ハウジングともども前記取付孔に挿通可能とする仮保持解除手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパネル取付型コネクタ。
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