(A)第1の実施形態
以下、本発明による機器状態制御システム、機器状態制御方法、車載器、自動車及び機器の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
第1の実施形態の機器モード制御システムは、携帯電話機のマナーモードを自動的に切替制御する携帯電話機モード制御システムである。例えば、携帯電話網を運営・管理しているキャリアが、携帯電話機に対する付加サービスとして、第1の実施形態に係る携帯電話機モード制御システムを構築する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る携帯電話機モード制御システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
図1において、携帯電話機モード制御システム1は、携帯電話機10、地図情報・地図記号提供サーバ30及びモード制御サーバ50を有する。図1では省略しているが、GPS人工衛星も、携帯電話機モード制御システム1の構成要素と見ることができる。
携帯電話機10は、そのマナーモードが自動的に切替制御される対象である。携帯電話機10は、位置情報取得・通知手段11、マナーモード管理手段12、マナーモード制御データ取得手段13、マナーモード自動切替手段14及び動作制御情報取得手段15を有する。例えば、これら各手段における通信処理に係るハードウェア構成以外は、CPUと、CPUとが実行するソフトウェアとによって実現することができる。
位置情報取得・通知手段11は、例えば、当該携帯電話機10が非通話状態において、定期的に当該携帯電話機10の位置情報を取得し、予め定められているネットワークを介して、モード制御サーバ50に通知するものである。位置情報取得・通知手段11における位置情報取得構成として、例えば、複数のGPS人工衛星からの到来電波に基づいて位置情報(経度、緯度、高度情報)を取得する既存のGPS受信機構成を適用することができる。なお、位置情報を取得できるのであれば、GPS人工衛星を利用しない他の方法を適用しても良い。また、地図情報・地図記号提供サーバ30が提供している地図情報の構成によっては、位置情報取得・通知手段11は、高度情報を伴わない位置情報(経度、緯度情報)を取得するものであっても良く、また、高度情報を含む位置情報(経度、緯度、高度)を取得してもモード制御サーバ50へは、緯度及び経度だけを位置情報として通知するようにしても良い。
位置情報取得・通知手段11がGPS人工衛星を利用するものであった場合には、地下道や建物内では衛星電波を捕捉できない。そのため、位置情報取得・通知手段11が3方向の加速度センサ等を内蔵し、衛星電波を捕捉できなくなった以降は、加速度センサ等の出力に基づいて移動方向及び移動距離を得て、衛星電波に基づいて得た位置情報を修正して現時点の位置情報を把握可能とするようにしても良い。
マナーモード管理手段12は、当該携帯電話機10において、マナーモードが設定されているか否かを管理するものである。マナーモードの設定や、マナーモードの設定解除は、モード制御サーバ50からの切替指示によってのみ行うことができるようにしても良いが、利用者の自主性を尊重し、利用者の操作によっても、マナーモードの設定や、マナーモードの設定解除を実行させることが好ましい。モード制御サーバ50側でマナーモードの状態を管理させた場合、利用者の操作による切替に対応できず、又は、利用者の操作毎にモード制御サーバ50に通知することを要する。そのため、マナーモードの実際の状態を携帯電話機10のマナーモード管理手段12で管理することとした。
マナーモード制御データ取得手段13は、予め定められているネットワークを介して、モード制御サーバ50から到来したマナーモード制御データを受信して取得し、そのデータ内容をマナーモード自動切替手段14に通知するものである。マナーモード制御データは、マナーモードの設定を指示するデータか、若しくは、マナーモードの設定の解除を指示するデータである。
マナーモード自動切替手段14は、マナーモードの設定を指示するデータを受信したときに、マナーモード管理手段12がマナーモードの設定解除状態を管理していればマナーモードの設定状態に切替え、一方、マナーモード管理手段12がマナーモードの設定状態を管理していれば設定状態を継続させるものである。また、マナーモード自動切替手段14は、マナーモードの設定の解除を指示するデータを受信したときに、マナーモード管理手段12がマナーモードの設定状態を管理していればマナーモードの設定解除状態に切替え、一方、マナーモード管理手段12がマナーモードの設定解除状態を管理していれば設定解除状態を継続させるものである。
動作制御情報取得手段15は、モード制御サーバ50におけるマナーモードの設定要否を決定する動作方法を制御するための動作制御情報を利用者から取得して管理するものである。動作制御情報は、例えば、地図情報のズーム値(拡大縮小規定値)や、地図記号探索範囲に関する設定値(範囲サイズ等)等である。
なお、図1では記載を省略しているが、携帯電話機10は、着信時においてマナーモード管理手段12の管理状態を把握し、通常の着信処理若しくはマナーモードの着信処理のいずれかを実行させる呼処理手段が設けられている。
例えば、携帯電話機10とモード制御サーバ50のコネクションには、HTTPを利用する。モード制御サーバ50にはHTTPサーバ(RFC2068で規定されるサーバと同様)が含まれ、携帯電話機10にはHTTPクライアント(RFC2068で規定されるクライアントと同様)が含まれており、携帯電話機10とモード制御サーバ50との間でHTTP通信する。ここで、モード制御サーバ50のHTTPサーバにはサーブレット(Servlet)やSSI(Server Side Includes)、CGI(Common Gateway Interface)に対応する機能を含んでいても良い。
地図情報・地図記号提供サーバ30は、モード制御サーバ50に対して地図記号を伴う地図情報を提供するものである。地図情報・地図記号提供サーバ30は、物理上、1台のサーバで構成されていても良く、複数台のサーバで構成されていても良い。複数台のサーバで構成されている場合において、分散配置されていても良い。地図情報・地図記号提供サーバ30は、例えば、地図情報の提供会社のサーバや、ISPのサーバ等、地図情報の提供サービスを実行する機関のサーバであって良い。
地図情報は、各地点の位置情報(経度、緯度、高度情報)を2次元平面上に表現したものであり、施設(裁判所、病院、学校、老人ホーム等)や土地(田畑、森林等)を特定するための情報も適宜盛り込まれている。この第1の実施形態の場合、少なくとも地図記号が盛り込まれていることを要する。地図記号は、施設(裁判所、病院、学校、老人ホーム等)や土地(田畑、森林等)の種別を記号で表すものであり、例えば、総務省の国土地理院が規定しているものを適用できる。図2には、地図記号の一部を示している。なお、総務省の国土地理院が規定している地図記号に加え、地図情報の提供サービスを実行する機関が独自に地図情報に盛り込んでいる記号を、地図記号として適用するようにしても良い。例えば、地図情報の中には、コンビニエンスストアやレストラン等を特定するマークが盛り込まれた地図情報があるが、このようなコンビニエンスストアやレストラン等を特定するマークを地図記号と見なして処理するようにしても良い。
モード制御サーバ50は、携帯電話機10から与えられた位置情報に応じたマナーモード制御データを、地図情報・地図記号提供サーバ30から提供されている地図情報及び地図記号を参照して形成して携帯電話機10に与えるものである。モード制御サーバ50は、地図情報・地図記号取得手段51、地図記号/モード内容登録手段52、地図照合手段53及びマナーモード制御データ決定・通知手段54を有する。モード制御サーバ50は、物理上、1台のサーバで構成されていても良く、複数台のサーバで構成されていても良いが、機能的には、上述の各手段51〜54を有する。各手段51〜54における通信処理に係るハードウェア構成以外は、CPUと、CPUとが実行するソフトウェアとによって実現することができる。なお、地図情報・地図記号提供サーバ30とモード制御サーバ50とが物理上で同一のサーバによって構成されていても良い。
地図情報・地図記号取得管理手段51は、モード制御サーバ50が対応し得る範囲の地図情報を、地図情報・地図記号提供サーバ30から取得して格納、管理するものである。
地図情報は、実際の変化に応じて適宜更新されているものである。地図情報・地図記号取得手段51は、できるだけ最新の地図情報を取得する。例えば、地図情報・地図記号取得手段51が定期的に地図情報・地図記号提供サーバ30から取得するようにしても良い。
また例えば、地図情報・地図記号提供サーバ30が地図情報を更新した際に更新した地図情報をモード制御サーバ50に送信し、これを、地図情報・地図記号取得手段51が受信して取り込むようにしても良い。地図情報・地図記号取得手段51の取得時の処理を軽減するように、地図情報・地図記号提供サーバ30が更新前後の地図情報の差分情報だけをモード制御サーバ50に送信するものであっても良い。
地図記号/モード内容登録手段52は、地図記号と、マナーモードの要否(設定、設定解除)との対応関係を登録するものである。より厳密に言うと、携帯電話機10が、地図記号が表す施設や土地に位置している場合に、マナーモードを設定するか設定解除するかを登録するものである。登録内容は、例えば、携帯電話機モード制御システム1の管理者や運営者が設定する。
図3は、地図記号/モード内容登録手段52の登録内容例を示す説明図である。図3の例は、裁判所、病院、寺の地図記号にはマナーモードON(設定)が対応付けられ、田、畑・牧草地の地図記号にはマナーモードOFF(設定解除)が対応付けられている。このような地図記号とマナーモードの要否との対応関係が、全ての地図記号について記述される。なお、図3とは異なり、マナーモードONの地図記号だけを記述し、記述されていない地図記号についてはマナーモードOFFが設定されていると取り扱うようにしても良い。
この第1の実施形態におけるマナーモードは、着信音を鳴動させず、バイブレータを振動させるものとする。但し、マナーモードとして、着信音を鳴動させず、しかも、バイブレータを振動させないものを適用するようにしても良い。また、これら2種類のマナーモードを共に適用し、いずれのマナーモードを適用(ON)するかを、地図記号/モード内容登録手段52に記述するようにしても良い。さらに、図3では、マナーモードの設定(ON)、設定解除(OFF)を記述するものを示したが、「今までのマナーモードの状態を継続する」を、登録し得る選択肢の一つとするようにしても良い。
地図照合手段53は、携帯電話機10の位置情報を地図情報と照合し、その位置情報の近傍に地図記号が存在するかを判別するものである。
マナーモード制御データ決定・通知手段54は、携帯電話機10の位置情報の近傍に地図記号が存在する場合、その地図記号についての地図記号/モード内容登録手段52の登録内容を取出してマナーモードの要否を決定し、決定した内容を反映したモード制御データを形成して携帯電話機10に送信するものである。
地図照合手段53及びマナーモード制御データ決定・通知手段54の詳細機能については、後述する動作説明で明らかにする。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る携帯電話機モード制御システム1の動作を説明する。
まず、携帯電話機10のマナーモードに対する自動切替制御動作の前処理動作を説明する。
地図情報・地図記号提供サーバ30が提供可能な、モード制御サーバ50が対応し得る範囲の地図情報は、定期的に若しくは更新されたタイミングで、地図情報・地図記号提供サーバ30からモード制御サーバ50に与えられ、モード制御サーバ50の地図情報・地図記号取得管理手段51に格納されて管理される。モード制御サーバ50が対応し得る範囲は、携帯電話機モード制御システム1の管理者若しくは運営者が、モード制御サーバ50に接続した図示しない保守端末を用いて、若しくは、外部装置からの転送処理により、モード制御サーバ50に設定しておくものであり、一旦、設定した以降においても、適宜更新し得るようにしても良い。
また、携帯電話機モード制御システム1の管理者若しくは運営者は、システムの運営開始前や、新たな地図記号が制定された場合、モード制御サーバ50に接続した図示しない保守端末を用いて、若しくは、外部装置からの転送処理により、モード制御サーバ50に、地図記号とマナーモードの要否との対応関係を入力し、モード制御サーバ50の地図記号/モード内容登録手段52は、入力された対応関係を登録する。
地図情報・地図記号取得管理手段51に地図情報が格納、管理され、地図記号/モード内容登録手段52に地図記号とマナーモードの要否との対応関係が登録されている状況において、携帯電話機10のマナーモードに対する自動切替制御動作を実行することができる。
図4は、携帯電話機10のマナーモードに対する自動切替制御動作を示すシーケンス図である。
携帯電話機10(の位置情報取得・通知手段11)は、定期的に、複数のGPS人工衛星からの捕捉電波を処理し、当該携帯電話機10の位置情報(経度、緯度、高度)を取得する(ステップS100)。ここで、定期的な周期を、携帯電話機10の利用者が任意に設定できるようにしても良い(但し、デフォルト値は定まっている)。そして、携帯電話機10(の位置情報取得・通知手段11)は、携帯電話機10の位置情報と、動作制御情報とをモード制御サーバ50に転送する(ステップS101)。上述したように、転送する動作制御情報は、動作制御情報取得手段15が予め利用者から取得して管理しているものである。
携帯電話機10が地下道や建物内奥部に位置する場合など、GPS人工衛星からの電波によって位置情報を得ることができない場合には、位置情報を通知することなく、今回の周期の処理を終了させる。但し、加速度センサ等の出力に基づいて、電波が到来しない状態でも位置情報を検出、管理できる場合には、位置情報の転送を実行すれば良い。
上述のような位置情報の転送には、例えば、HTTPを利用することができる。図5は、HTTP要求メッセージの一例「http://192.168.10.10/map1.asp?position=35.68121314194681,139.76707935333252&zoom=+2&size=300x300」に盛り込まれている情報の説明図である。
HTTP要求メッセージは、例えば、図5に示すように、(1)HTTPプロトコル宣言、(2)モード制御サーバ50のアドレス、(3)モード制御サーバ50におけるマナーモードの要否を決定するプログラムの名称、(4)位置情報(経度、緯度)、(5)拡大縮小制御情報、(6)地図記号探索範囲のサイズ、等を含んでいる。図5の例では、拡大縮小制御情報は2倍であり、地図記号探索範囲のサイズは300×300画素である。
図4では、携帯電話機10における位置情報の取得周期と、携帯電話機10からモード制御サーバ50への位置情報の通知周期とが同じ場合を示しているが、位置情報の通知周期を位置情報の取得周期より長いものであっても良い。例えば、位置情報の取得周期が携帯電話機10の機種によって固定的に定まっているが、位置情報の通知周期を利用者が任意設定できる場合に両周期が異なる場合が生じる。
モード制御サーバ50の地図照合手段53は、携帯電話機10から動作制御情報を伴う位置情報が与えられると、動作制御情報に基づいて地図情報を操作しながら、携帯電話機10の地図上での位置を把握し、地図記号の探索範囲を決定する(ステップS102)。
図6は、地図照合手段53のかかる処理の処理イメージを示す説明図である。携帯電話機10から与えられた位置情報(経度、緯度)を中心とし、予め定まっているズーム1倍の矩形の大きさで、地図情報を切り出す。得られた地図情報を、動作制御情報における拡大縮小制御情報(ズーム)が指示している倍率で拡大又は縮小する。上述したHTTP要求メッセージの場合であれば、切り出された地図情報部分が縦横共に2倍される。拡大縮小処理後の地図情報部分から、携帯電話機10から与えられた位置情報(経度、緯度)を中心とし、動作制御情報の地図記号探索範囲のサイズでさらに切り出す。上述したHTTP要求メッセージの場合であれば、縦横300×300画素で切り出しが実行される。
図7は、地図情報の拡大前後における地図記号の見え方を示す説明図である。図7(A)は拡大前の地図情報部分を示し、図7(B)はそれを縦横に2倍した地図情報部分を示しており、この地図情報部分には裁判所の地図記号が含まれている。なお、図7における「+」は携帯電話機10の位置を表している。当然に、拡大した後の地図情報部分における地図記号は大きくなり(多数の画素で表現されたものとなり)、基準となる地図記号(地図記号画像)との照合で認識が適切になされる度合いが大きく高まる。
モード制御サーバ50の地図照合手段53は、決定された探索範囲の地図情報と、基準となる地図記号画像との照合により、探索範囲内に地図記号が存在するか否かを判別する(ステップS103)。ここで、照合に用いられる基準地図記号画像も、受信した動作制御情報における拡大縮小制御情報(ズーム)が指示している倍率のものを適用する。
モード制御サーバ50のマナーモード制御データ決定・通知手段54は、探索範囲に対する探索結果に応じて、位置情報を送出してきた携帯電話機10のマナーモード制御データの内容を決定する(ステップS104)。
探索範囲内に地図記号が存在しないという探索結果の場合には、マナーモード制御データ決定・通知手段54は、マナーモード制御データの内容を、マナーモード否(設定解除)に決定する。なお、この場合に、マナーモード制御データの内容を、直前のマナーモードの状態を継続するように決定しても良い。
探索範囲内に地図記号が存在するという探索結果の場合には、マナーモード制御データ決定・通知手段54は、存在した地図記号に係る施設、土地のエリアを特定し、携帯電話機10の位置が、その特定エリア内か否かを判別する。携帯電話機10の位置が特定エリア内に位置している地図記号が1つもない場合には、マナーモード制御データ決定・通知手段54は、マナーモード制御データの内容を、マナーモード否(設定解除)に決定する。
これに対して、携帯電話機10の位置が特定エリア内に位置している地図記号が1つ以上ある場合には、マナーモード制御データ決定・通知手段54は、携帯電話機10の位置が特定エリア内に位置している地図記号について、その地図記号に対応付けられているマナーモードの要否(図3参照)を、地図記号/モード内容登録手段53から取出し、取出したマナーモードの要否を反映させたマナーモード制御データを形成する。携帯電話機10の位置が特定エリア内に位置している地図記号がただ1つの場合には、その地図記号に対応するマナーモードの要否をそのまま、マナーモード制御データの内容とする。携帯電話機10の位置が特定エリア内に位置している地図記号が複数の場合には、マナーモード制御データ決定・通知手段54は、携帯電話機10の位置に最も近い地図記号だけを有効としてマナーモードの要否を決定するようにしても良く、また、複数の地図記号毎にマナーモードの要否を取出し、取出した複数のマナーモードの要否が全て否の場合のみ最終的にマナーモード否と決定し、取出した複数のマナーモードの要否の中に一つでも要がある場合には最終的にマナーモード要と決定するようにしても良い。
図8は、地図記号に係る施設、土地の特定エリアの設定方法の説明図である。図8(A)は第1の設定方法を示し、図8(B)は第2の設定方法を示している。
特定エリアの第1の設定方法は、地図記号に係る施設や土地の中央の点(中央の点の位置情報が地図情報に含まれていない場合には、地図記号の画素群の重心点を用いる)(x,y)から、半径XXm以内を特定エリアとする方法である。半径は、システムとして設定されたものであっても良く、利用者が半径を指定できるものであっても良い。また、半径を、地図記号毎に指定できるものであっても良い。例えば、寺の地図記号と、高等学校の地図記号とで、特定エリアの大きさを規定する半径を変えるようにしても良い。
特定エリアの第2の設定方法は、地図記号に係る施設や土地の区画の全ての頂点の位置(x1,y1)〜(x4,y4)を把握し、これら頂点を結んでできるエリアを特定エリアとする方法である。頂点の位置は、地図情報に含まれたものを利用しても良い。また、頂点の位置が地図情報に含まれていない場合には、地図情報に含まれている施設や土地の区画を表すハッチ等から頂点の位置を得て特定エリアを設定するようにしても良い。
なお、特定エリアの大きさは、拡大縮小制御情報によらずに一定である。また、第1及び第2の設定方法のいずれを適用するかを、利用者が選択できるようにしても良い。さらに、地図情報として、経度、緯度、高度を用いている場合には特定エリアを3次元的に設定するようにしても良い。
マナーモード制御データ決定・通知手段54は、マナーモード制御データの内容を決定すると、マナーモード制御データを携帯電話機10に通知する(ステップS105)。マナーモード制御データ決定・通知手段54は、例えば、携帯電話機10からのHTTP要求メッセージに対するHTTP応答メッセージにマナーモード制御データを含めて通知する。
マナーモード制御データが通知された携帯電話機10においては、マナーモード制御データ取得手段13が、マナーモード制御データを受信して取得し、そのデータ内容をマナーモード自動切替手段14に通知し、マナーモード自動切替手段14は、自動切替動作(切替えない場合を含む)を実行する(ステップS106)。マナーモード自動切替手段14は、マナーモード制御データがマナーモードの設定を指示していると、マナーモード管理手段12の管理状態が設定解除状態であることを確認してマナーモードの設定状態に切替える。また、マナーモード自動切替手段14は、マナーモード制御データがマナーモードの設定解除を指示していると、マナーモード管理手段12の管理状態が設定状態であることを確認してマナーモードの設定解除状態に切替える。
なお、図4とは異なり、マナーモード制御データを受信したこと、又は、受信したマナーモード制御データに基づいてマナーモードの状態を切り替えたことを、携帯電話機10がモード制御サーバ50に報告するようにしても良い。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、携帯電話機の位置の近傍にある地図情報中の地図記号を自動的に認識し、認識した地図記号に応じて、携帯電話機のマナーモードの設定、設定解除を自動的に切り換えるようにしたので、エリア毎にマナーモードの要否を設定するような繁雑な前処理は不要となり、また、地図情報が提供される全域でマナーモードの自動切替制御を実行することができるようになる。
ここで、マナーモードの要否を地図記号毎に登録できるので、登録のための作業性や管理効率は良好である。
また、第1の実施形態によれば、多くの地図記号の中から自動的に認識した地図記号に応じて、携帯電話機のマナーモードの設定、設定解除を自動的に切り換えるようにしたので、しかも、マナーモード要に係る地図記号が反映された領域は概ね建物単位の小領域であるので、マナーモードの設定、解除を適切に実行させることができる。
その結果、利用者は、自分の居場所を気にせずに携帯電話機を持ち運ぶことができる。
因みに、従来技術の場合、縦横に所定の大きさを有するエリア単位にマナーモードの要否を設定していたため、例えば、病院を出た場所も病院と同じエリアの場合、病院を出てもマナーモードが解除されず、利用者がマナーモードを解除する操作を行うようなことも生じていた。
第1の実施形態では、携帯電話機10の位置情報をモード制御サーバ50に通知する際に併せて、拡大縮小制御情報(ズーム)をモード制御サーバ50に通知し、地図情報を拡大した上で、地図記号の認識を実行できるようにしたので、地図記号の認識精度を高めることができる。
また、第1の実施形態では、携帯電話機10の位置情報をモード制御サーバ50に通知する際に併せて、地図記号探索範囲のサイズをモード制御サーバ50に通知し、探索範囲を狭く抑えることも可能としたので、探索時間等を短くすることができる。すなわち、位置に応じたマナーモードの切替制御のリアルタイム性を向上させることができる。
例えば、地図情報に地図記号が多い街中や、地図情報に地図記号が少ない海や山等によって、利用者が、拡大縮小制御情報(ズーム)や地図記号探索範囲のサイズを変更し、居る場所によって、動作制御情報を最適化して当該システムを利用することができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明による機器状態制御システム、機器状態制御方法、車載器、自動車及び機器の第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第2の実施形態の機器モード制御システムも、携帯電話機のマナーモードを自動的に切替制御する携帯電話機モード制御システムである。
(B−1)第2の実施形態の構成
図9は、第2の実施形態に係る携帯電話機モード制御システムの全体構成を示す機能ブロック図であり、第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
図9において、第2の実施形態の携帯電話機モード制御システム1Aは、携帯電話機10A、地図情報・地図記号提供サーバ30及びモード制御サーバ50Aを有する。
第2の実施形態の携帯電話機10Aは、第1の実施形態と同様な位置情報取得・通知手段11、マナーモード管理手段12、マナーモード制御データ取得手段13、マナーモード自動切替手段14及び動作制御情報取得手段15に加え、マナーモード手動操作通知手段16を有する。
第2の実施形態で新たに設けられたマナーモード手動操作通知手段16は、当該携帯電話機10Aの利用者がマナーモードの切替操作を実行した場合に、操作がなされた位置情報と共に、切替後のマナーモードの状態情報とをモード制御サーバ50Aに通知するものである。
第2の実施形態のモード制御サーバ50Aは、地図情報・地図記号取得手段51、地図記号/モード内容登録手段52、地図照合手段53A、マナーモード制御データ決定・通知手段54A及び地図情報拡張用情報取得・管理手段55を有する。
地図情報拡張用情報取得・管理手段55は、加入者毎に、その加入者に係る携帯電話機10Aのマナーモード手動操作通知手段16から通知された位置情報と切替後のマナーモードの状態情報との対情報(以下、拡張地図記号と呼ぶ)を受信して管理するものである。
第2の実施形態の地図照合手段53Aは、地図情報拡張用情報取得・管理手段55で管理されている拡張地図記号に基づいて、地図情報を修正(拡張)した後に、第1の実施形態と同様な地図記号の探索を実行するものである。
第2の実施形態のマナーモード制御データ決定・通知手段54Aは、地図情報に本来盛り込まれている地図記号より、拡張地図記号を優先させてマナーモード制御データを決定するものである。マナーモード制御データ決定・通知手段54Aは、例えば、携帯電話機10Aの位置が、過去においてマナーモードONに手動で設定操作された位置に近い場合には、マナーモード制御データの内容をマナーモード要に決定する。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態に係る携帯電話機モード制御システム1Aの動作を説明する。以下では、第2の実施形態について特有な動作を説明する。
図10は、第2の実施形態におけるマナーモードの手動操作の通知動作を示すシーケンス図である。
なお、携帯電話機10Aは、マナーモードの状態を切り替える手動操作がなされたときに常に通知するものであっても良く、また、マナーモードの状態を切り替える手動操作がなされたときに通知するか否かを利用者が携帯電話機10Aに設定でき、通知する設定状態でマナーモードの状態を切り替える手動操作がなされたときに通知するものであっても良い。
携帯電話機10Aのマナーモード手動操作通知手段16は、マナーモードの状態を切り替える手動操作がなされたことを認識すると(ステップS200)、位置情報取得・通知手段11が取得した位置情報を取り込んだ後、通知用情報を形成してモード制御サーバ50Aに通知する(ステップS201)。
このような通知にもHTTP通信を適用できる。図11は、手動操作通知用のHTTP要求メッセージの一例「http://192.168.10.10/map2.asp?position=35.68121314194681,39.76707935333252&control=manners_on」に盛り込まれている情報の説明図である。
この手動操作通知用のHTTP要求メッセージは、例えば、図11に示すように、(1)HTTPプロトコル宣言、(2)モード制御サーバ50Aのアドレス、(3)モード制御サーバ50Aにおける拡張地図記号の登録、解除用のプログラムの名称、(4)位置情報(経度、緯度)、(5)手動操作の内容、等を含んでいる。図11の例では、手動操作によってマナーモードが設定(ON)された場合である。
手動操作が通知されたモード制御サーバ50Aの地図情報拡張用情報取得・管理手段55は、送信元加入者を認識し、今まで管理している拡張地図記号を取り出す(ステップS202)。その後、通知された手動操作がマナーモードのOFFへの切替えかONへの切替えかを判別する(ステップS203)。
通知された手動操作がマナーモードのOFFへの切替えの場合には、その手動操作された位置と同様な場所と見なせる程度の近傍に、マナーモードのONへの切替えを示している拡張地図記号があるか否かを判別する(ステップ204)。今回の手動操作位置の近傍に、マナーモードのONへの切替えを示している拡張地図記号がある場合には、その拡張地図記号を削除し、管理対象から除外する(ステップ205)。今回の手動操作位置の近傍に、マナーモードのONへの切替えを示している拡張地図記号がない場合には、今回の通知を無視する(管理内容を今までのままとする)。なお、無視に代えて、OFFへの切替えを示す拡張地図記号を管理するようにしても良い。
通知された手動操作がマナーモードのONへの切替えの場合には、その手動操作された位置と同様な場所と見なせる程度の近傍に、マナーモードのONへの切替えを示している拡張地図記号があるか否かを判別する(ステップ206)。今回の手動操作位置の近傍に、マナーモードのONへの切替えを示している拡張地図記号がない場合には、ONへの切替えを示す拡張地図記号を新たに管理するようにする(ステップS207)。今回の手動操作位置の近傍に、マナーモードのONへの切替えを示している拡張地図記号がある場合には、今回の通知を無視し、又は、今まで管理していた拡張地図記号に代えて、今回の通知に係る拡張地図記号(位置情報が少し異なっている)を新たに管理するようにする(図10は無視するように記述している)。
手動操作の通知に対する一連の動作が終了すると、地図情報拡張用情報取得・管理手段55は動作終了を携帯電話機10Aに返信する(ステップS208)。
図12(B)は、拡張地図記号を、図12(A)に示す地図情報と同様に、記号図形(黒四角)を該当位置に配置して表現したもの(拡張地図情報)である。但し、地図情報拡張用情報取得・管理手段55が管理する拡張地図記号の情報としての表現形式は、これに限定されるものではない。仮に、拡張地図情報を、地図情報の上に重ねると(後述する動作の項で重ねる場合を説明する)、図12(C)に示すように、地図情報の一部の情報は、拡張地図記号に係る記号図形によって見えなくなる。ここで、拡張地図情報を地図情報の上に重ねる場合において、拡張地図記号に係る記号図形の周囲に陰面領域を設け、重ね合わせた後でも、拡張地図記号に係る記号図形が単独で識別可能な状態を保持するようにしておく。図12(C)において、裁判所地図記号と拡張地図記号との間の細い白の帯状部分が陰面領域である。
図13は、携帯電話機10Aのマナーモードに対する自動切替制御動作を示すシーケンス図であり、第1の実施形態に係る図4との同一、対応ステップには同一符号、対応符号を付して示している。
携帯電話機10A(の位置情報取得・通知手段11)は、定期的に、複数のGPS人工衛星からの捕捉電波を処理し、当該携帯電話機10の位置情報(経度、緯度、高度)を取得し(ステップS100)、取得した位置情報と、動作制御情報とをモード制御サーバ50Aに転送する(ステップS101)。
モード制御サーバ50Aの地図照合手段53Aは、携帯電話機10から動作制御情報を伴う位置情報が与えられると、与えられた位置情報を中心とした所定範囲の地図情報を取り出し(ステップS150)、また、上記所定範囲内の拡張地図記号を取出して拡張地図情報を形成し(ステップS151)、その後、取出した地図情報と拡張地図情報とを拡張地図情報を上に重ね合わせた重ね合せ地図情報を形成する(ステップS152)。そして、地図照合手段53Aは、通知された動作制御情報に基づいて重ね合せ地図情報を操作しながら、携帯電話機10Aの重ね合せ地図上での位置を把握し、地図記号や拡張地図記号の探索範囲を決定する(ステップS102A)。
地図照合手段53Aは、決定された探索範囲の重ね合せ地図情報と、基準となる地図記号画像や拡張地図記号画像との照合により、探索範囲内に地図記号や拡張地図記号が存在するか否かを判別する(ステップS103A)。そして、マナーモード制御データ決定・通知手段54Aは、探索範囲に対する探索結果に応じて、位置情報を送出してきた携帯電話機10Aのマナーモード制御データの内容を決定する(ステップS104A)。
マナーモード制御データ決定・通知手段54Aは、携帯電話機10Aの位置の近傍に拡張地図記号が存在すれば、他の地図記号の存在有無に関わらず、マナーモード制御データの内容を、マナーモード要(設定)に決定する。携帯電話機10Aの位置の近傍に拡張地図記号が存在しない場合には、マナーモード制御データ決定・通知手段54Aは、第1の実施形態と同様にして、マナーモード制御データの内容を決定する。
マナーモード制御データ決定・通知手段54Aは、マナーモード制御データの内容を決定すると、マナーモード制御データを携帯電話機10Aに通知する(ステップS105)。
マナーモード制御データが通知された携帯電話機10Aにおいては、マナーモード制御データ取得手段13が、マナーモード制御データを受信して取得し、そのデータ内容をマナーモード自動切替手段14に通知し、マナーモード自動切替手段14は、自動切替動作(切替ない場合を含む)を実行する(ステップS106)。
なお、図13では、重ね合せ地図情報を用いることにより、手動操作を反映させた拡張地図記号を一般的な地図記号より優先させる場合を示したが、手動操作の情報を優先させる方法は、これに限定されるものではない。例えば、地図情報拡張用情報取得・管理手段55が管理している情報と、位置情報を通知してきた携帯電話機10Aの位置との照合によって、携帯電話機10Aの位置の近傍にマナーモードをONにした位置があるか否かを判断し、あれば、マナーモード要のマナーモード制御データを形成し、なければ、第1の実施形態と同様な方法によってマナーモード制御データを形成する。
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
第2の実施形態によれば、モード制御サーバ50Aに、携帯電話機10Aの利用者が手動操作でマナーモードに設定した旨を示す拡張地図記号が操作位置に対応付けられて登録されるため、過去の操作地点近傍に携帯電話機10Aが進入する度に、拡張地図記号も含めてマナーモードの要否が自動判断され、その結果、過去の操作地点を2回目以降に訪れた利用者の携帯電話機10Aは、常に正確なマナーモード設定の自動制御が可能となる。
すなわち、マナーモードの自動切替制御の精度を一段と向上させることができる。
(C)他の実施形態
上記各実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
上記各実施形態においては、地図記号毎のマナーモードの要否はシステム全体に共通なものであったが、携帯電話機の加入者毎に、地図記号毎のマナーモードの要否を登録し得るようにしても良い。
上記各実施形態においては、マナーモードの自動切替制御を示したが、他の動作モードであっても良い。例えば、留守番電話機能のON、OFFの自動切替制御であっても良く、転送電話機能のON、OFFの自動切替制御であっても良く、電源のOFFへの自動切替制御であっても良い。また、複数の動作モードを切替対象としたものであっても良い。
上述のように、携帯電話機の加入者毎に動作モードの要否等を登録し得るようにした場合、同じ地図記号でも加入者によってマナーモードの設定で対応したり、転送電話機能で対応したりすることができる。
また、第2の実施形態の変形例として、留守番電話機能の手動切替操作を行った位置や、転送電話機能の手動切替操作を行った位置に対応付けて拡張地図記号を登録することを挙げることができる。
ここで、留守番電話機能や転送電話機能は、携帯電話機が切替を実行するものであっても良く、また、携帯電話網側の装置が実行するものであっても良い。後者の場合、モード制御サーバは、モード切替データを携帯電話網側の装置に送出することとなる。
上記各実施形態においては、拡大縮小制御情報(ズーム倍率)や地図記号探索範囲のサイズを、携帯電話機の利用者が選択するものを示したが、拡大縮小制御情報若しくは地図記号探索範囲のサイズをシステムが自動的に決定するものであっても良い。
例えば、地図上で比較的人口密度が高い市街地は地図記号が集中し、比較的人口密度が低い過疎地は地図記号が少なく、そのため、人口密度の高低に応じて拡大縮小制御情報を自動的に変更することは有効である。若しくは、人口密度の高低に応じて、地図記号探索範囲のサイズを自動的に変更することは有効である。
以下に、人口密度の高低を判断する方法を説明する。この人口密度判断方法は、携帯電話機側で行う方法であり、当該携帯電話機が通信可能な基地局(若しくはセクタ)の数によって判断しようとするものである。
第3世代移動通信システム(3G)では、各基地局がそれぞれ構成するセル(又は複数のセクタのいずれか)と移動端末は、個別にチャネルを接続し、同一の情報データを下りリンクでは1以上のセル(セクタ)経由で移動端末(携帯電話機)に送信し、上りリンクでは1以上のセル(セクタ)で受信するソフトハンドオーバを用いることにより、ダイバーシチ効果を得るようになっている。例えば、株式会社エヌ・ティ・ティドコモのFOMAは最大で3つの基地局と同時に通信する場合がある。
基地局は、利用者数や利用率等に基づくトラヒックを加味しつつ配備されている。すなわち、人口密度が高い地域では、基地局が多く、端末は複数セル(セクタ)との間で通信する可能性が高く(FOMAの場合たいてい3基地局を捕捉する)、一方、人口密度が低い地域では、基地局が少なく、端末は単数セル(セクタ)との間で通信する可能性がある(FOMAの場合1〜2基地局を捕捉する)。
従って、携帯電話機の通信状態に応じて動作制御情報を自動設定することで地図記号の認識向上を図ることができる。
例えば、携帯電話機が3基地局を捕捉している場合には、人口密度が高い(地図記号が過密である)として、拡大縮小制御情報を拡大を指示するものとすることにより、適用範囲に含める地図領域を狭めつつ地図記号を拡大することでマナーモードの要否の決定精度を向上させる。また例えば、携帯電話機が1基地局を捕捉している場合には、人口密度が低い(地図記号が過疎である)として、拡大縮小制御情報を縮小を指示するものとすることにより、適用範囲に含める地図領域を広げつつ地図記号によるマナーモードの決定精度を向上させる。例えば、携帯電話機に、基地局捕捉数(又は端末が保持するチャネル数)と地図の拡大縮小比率を対応付けたテーブルを用意しておき、自動的に拡大縮小制御情報を決定する。
上記各実施形態では、拡大縮小制御情報(ズーム倍率)や地図記号探索範囲のサイズ等の動作制御情報を、携帯電話機からモード制御サーバに与えるものを示したが、モード制御サーバが動作制御情報を自動的に決定するものであっても良い。例えば、地図における所定の大きさ(例えば縦横1Km×1Km)のエリアごとに人口密度(又は動作制御情報そのまま)を設定しておいて、携帯電話機の位置が属するエリアに応じて適用する動作制御情報を定めるようにしても良い。
上記各実施形態においては、携帯電話機が日本国内に位置することを前提としたシステムを示したが、地図記号を利用する国や地域は世界にも数多く存在しており、そのような国や地域では、本発明によるシステムを適用することができる。
上記各実施形態においては、地図記号や拡張地図記号の適用方法が曜日や時間帯を問わず一定であるものを示したが、曜日や時間帯によって、同一の地図記号や拡張地図記号等であってもマナーモードの要否を切り替えるようにしても良い。例えば、曜日や時間帯毎に、地図記号に対応付けたマナーモードの要否を登録しておき、携帯電話機から位置情報が転送されてきた時刻が属する曜日や時間帯に応じて、適用する登録内容を選択するようにすれば良い。例えば、通勤のためにA駅からB駅に電車を乗る場合にはA駅に入る直前でマナーモードを設定し、B駅を出た所でマナーモードを解除するが、会社から帰宅のためにB駅からA駅に電車を乗る場合にはB駅に入る直前でマナーモードを設定し、A駅を出た所でマナーモードを解除することが好ましく、通勤時と帰宅時とは同じ場所でもマナーモードの要否が逆転する。曜日や時間帯毎にマナーモードの要否を登録しておくことにより、通勤時と帰宅時とを共に満足させることができるようになる。
上記各実施形態においては、携帯電話機の位置に応じて、マナーモードの要否を決定するものを示したが、さらに、携帯電話機の移動方向をも加味してマナーモードの要否を決定するようにしても良い。例えば、モード制御サーバが前回受信した位置情報を記憶しておき、今回受信した位置情報との差分方向で概略の移動方向を捉えることができる。例えば、駅を表す地図記号(地図情報の提供サービス会社が任意に定めたものであっても良い)の場合、駅の構内に入る移動方向であればマナーモード要にすると共に、駅の構内から出る移動方向であればマナーモード否にするように登録しておき、携帯電話機からの今回の位置情報が駅の改札口近傍である場合においては前回受信した位置情報を参照して移動方向を定め、構内に向かうか否かでマナーモードの要否を変えるようにしても良い。
上記各実施形態においては、地図記号などの記号を探索してマナーモードの要否を制御するものを示したが、地図情報に含まれている特定の施設や土地を規定する他の情報を利用してマナーモードの要否を制御するようにしても良い。例えば、地図情報には「ABC保育園」や「XY公園」等の文字列も含まれているが、「保育園」や「公園」等を探索文字列に設定すると共に、それら探索文字列が探索された場合のマナーモードの要否を予め登録しておき、探索範囲内にそれら文字列があれば、マナーモードの自動切替制御を実行するようにすれば良い。このようにした場合、地図記号などの記号が用意されていない施設や土地についても、動作モードの自動切替制御が実行できるようになる。
ここで、探索文字列として用意しておく文字列は、「保育園」や「公園」等の施設や土地の種類を表すものに限定されず、「東京タワー」等のランドマークを示す文字列であっても良い。
上記各実施形態においては、マナーモードの設定も設定解除も自動的な切替対象としたが、マナーモードの設定への切替だけを地図記号に基づいて自動的に実行し、マナーモードの解除は手動操作のみを有効とするようにしても良い。
上記第2の実施形態では、利用者の手動操作の過去情報と、地図記号とから、マナーモードの要否を決定するものを示したが、利用者の手動操作の過去情報だけから、マナーモードの要否を決定するようにシステムを構築するようにしても良い。
上記各実施形態においては、携帯電話機の動作モードを自動切替制御する場合を示したが、移動し得る他の機器の動作モードを自動切替制御する場合にも、本発明の技術思想を適用できる。
例えば、位置情報の取得機能とサーバとの通信機能とを有する音楽プレーヤであれば、小音量要又は電源オフを登録している地図記号の近傍に、音楽プレーヤが位置するようになったときに、自動的に、音量を下げ又は電源を切るようにしても良い。ここで、システムを独自に構築するのではなく、上記各実施形態のモード制御サーバを流用し、モード制御サーバは音楽プレーヤの位置に応じてマナーモードの要否を自動的に決定して音楽プレーヤに返信し、音楽プレーヤは返信されたマナーモードの要否を、小音量の要否若しくは電源オフの要否と置換して、動作モードの自動切替を実行するようにしても良い。
また例えば、位置情報の取得機能とサーバとの通信機能とを有する自動車であれば、低速走行要(例えば徐行)を登録している地図記号の近傍に、自動車が位置するようになったときに、自動的に、走行スピードを低速に切り替えるようにしても良い。例えば、小学校、幼稚園などの教育施設の地図記号を認識した場合にこのような自動切替制御によって低速走行に変化させる。ここで、システムを独自に構築するのではなく、上記各実施形態のモード制御サーバを流用し、モード制御サーバは自動車の位置に応じてマナーモードの要否を自動的に決定して自動車に返信し、自動車は返信されたマナーモードの要否を、低速走行の要否と置換して、動作モードの自動切替を実行するようにしても良い。
また、自動車の場合であれば、地図情報を搭載している自動車もあり、そのような自動車の場合には、上記各実施形態のモード制御サーバの機能をも自動車に搭載することができる。上記各実施形態では携帯端末が携帯電話機であったが、ノートパソコンその他の処理能力の高い携帯端末であれば、上記と同様に、端末の機能とモード制御サーバの機能の両者を同一の機器に搭載するようにしても良い。
携帯電話機の位置に応じた自動制御機能は、宣伝活動に応用できる。例えば、携帯電話機が予め登録されているある地点に進入した場合、携帯電話機に、お得なクーポン情報や好みの宣伝フレーズを、音声やメールにて配信する。地図情報の中には、コンビニエンスストアやレストラン等を特定するマークが盛り込まれた地図情報があり、このようなコンビニエンスストアやレストラン等を特定するマークを地図記号と見なして宣伝活動するようにしても良く、また、地図記号の代わりに、配信したい内容と配信したい地点等の情報を予めサーバに登録しておいて宣伝活動するようにしても良い。