以下、本発明の吸収性物品の製造方法を実施するための形態について具体的に説明する。
[実施形態1]
以下、本発明の吸収性物品の製造方法の実施形態1について説明する。実施形態1の吸収性物品の製造方法は、図1〜図4に示すような吸収性物品100を製造する方法である。収性物品100は、吸収性本体2と、環状の胴回りバンド4と、吸収性本体2を着用者20に密着保持する補助バンド3と、を備えている。吸収性本体2は、液透過性シート(例えば、トップシート)と液不透過性シート(バックシート)とが吸収体9を挟持した状態で積層され、着用者20の前身頃から股下部までを覆うものである。また、胴回りバンド4は、胴回りバンド4の一部4eが、吸収性本体2の長さ方向の一端2a側に固定されたものである。また、補助バンド3は、補助バンド3の一方の端3bが、吸収性本体2の長さ方向の他端2b側に着脱可能又は着脱不能に固定されるとともに、補助バンド3の他方の端3aが、胴回りバンド4に固定されたものである。
ここで、図1は、吸収性物品の製造方法の実施形態1によって製造される吸収性物品の一例を模式的に示す正面図である。図2は、図1に示す吸収性物品を斜め前方から見た斜視図である。図3は、図1に示す吸収性物品を斜め後方から見た斜視図である。図4は、図1に示す吸収性物品を展開した状態を模式的に示す平面図である。本明細書において、「吸収性本体2の長さ方向」とは、吸収性本体2と胴回りバンド4とが固定される吸収性本体2の一端2aから、吸収性本体2と補助バンド3とが固定される吸収性本体2の他端2bに向かう方向のことを意味する。また、「吸収性本体2の長さ方向の一端2a側」のことを、「吸収性本体2の前側端部」ということがあり、「吸収性本体2の長さ方向の他端2b側」のことを、「吸収性本体2の後側端部」ということがある。これは、「吸収性本体2の前側端部」が、着用者20の前半身側に主に位置し、「吸収性本体2の後側端部」が、着用者20の股下部から後半身側に主に位置することによる。
実施形態1の吸収性物品の製造方法は、図5に示すように、伸縮部を設けた帯状のバンド104を形成する工程と、帯状のバンド104を環状にして胴回りバンド4を形成する工程と、伸縮部を設けた補助バンド103を形成する工程と、補助バンド103の片端を、帯状のバンド104(胴回りバンド4)の、吸収性本体102の両側に間隔をあけて固定する工程と、を有する。図5は、吸収性物品の製造方法の実施形態1を概念的に示した平面図である。このような製造方法によれば、図1〜図4に示すような吸収性物品100を簡便に得ることができる。ここで、図1〜図4に示す吸収性物品100の構成について説明する。
図1〜図4に示すように、着用者20は、少なくとも吸収性本体2及び補助バンド3によって区画された領域(脚周り開口部18)に脚を通し、吸収性物品100を着用する。図1〜図4に示す吸収性物品100においては、吸収性本体2、少なくとも補助バンド3、及び胴回りバンド4によって区画される領域に、脚周り開口部18が形成される。このような構造にすることによって、吸収性本体2を、着用者20の体に良好に当接させて着用することができる。したがって、吸収性物品100は、吸収性物品100の上に更に着用する下着(図示せず)の種類によらず、吸収性物品100単独で軽失禁ケアが可能となる。また、胴回りバンド4は臍より股下側の胴回りにおいて着用者に巻きつくため、一般的な布製の下着の中に隠して着用することが容易であり、上述したように、着用する下着の種類は限定されず、吸収性物品100を使用していることを他人に知られ難くなる。このため、心理的も機能的にも円滑に吸収性物品を使用することができる。このように、吸収性物品100は、通常の布製の下着と併用しやすいものである。
実施形態1の吸収性物品の製造方法においては、図5に示すような伸縮部を設けた帯状のバンド104を形成する工程を有する。この工程により、図1〜図4に示す吸収性物品100の胴回りバンド4を構成するための、帯状のバンド104が形成される。帯状のバンド104は、伸縮性素材からなることが好ましい。伸縮性素材としては、不織布で弾性伸縮体を挟持した部材や、伸縮性不織布などを挙げることができる。伸縮性不織布とは、不織布自体が伸縮性を有する機能性不織布のことであり、例えば、熱可塑性合成樹脂のエラストマーやウレタン等からなる弾性糸を使用した不織布を挙げることができる。また、このような伸縮性不織布としては、例えば、メルトブロー法により形成された繊維層を有するシート状基材に、クレープ加工による波状のしわが多数形成されたものなどであってもよい。
帯状のバンド104に使用する伸縮性素材は、長さ方向(環状の胴回りバンド4の周方向)に、伸張前の長さに対して1.2倍の長さまで伸張することができるものであることが好ましい。更に、伸縮性素材は、3倍の長さまで伸張することができ、且つ、その後の回復が元の長さの1.5倍以上であることが好ましい。このような伸縮弾性を有する素材であれば、着用時に拡幅しやすく、また、着用中に緩んでずれ落ちしてしまうことを有効に防止することができる。
実施形態1の吸収性物品の製造方法においては、図5に示すような帯状のバンド104を環状にして胴回りバンド4を形成する固定を有する。ただし、実施形態1の吸収性物品の製造方法においては、帯状のバンド104を環状にして胴回りバンド4を形成する工程が、帯状のバンド104のそれぞれの端4a,4bに、当該端4a,4b同士を着脱可能にするための機能を付与する工程であってもよい。すなわち、帯状のバンド104を環状にして胴回りバンド4を形成する工程は、帯状のバンド104を、当該帯状のバンド104の両端4a,4b同士が機械的結合などにより着脱可能な構成とするための工程を広く含むものであり、帯状のバンド104を環状に固定する工程のみに限定されるものではない。例えば、帯状のバンド104(胴回りバンド4)の両端4a,4bに、当該両端4a,4b同士を機械的結合などによって固定可能な固定手段を配設する工程であってもよい。このような工程によって得られた胴回りバンド4は、製品の形態では、両端4a,4bに固定手段が付与された帯状の胴回りバンド4となっており、吸収性物品100を使用する使用者が、固定手段を用いて胴回りバンド4を環状にすることができる。
より具体的には、実施形態1の吸収性物品の製造方法によって製造される吸収性物品100の胴回りバンド4は、吸収性物品100を着用した状態において、環状に構成されたものであればよい。すなわち、「環状の胴回りバンド4」とは、環状になった胴回りバンドということであって、環状に組み立てられた(別言すれば、環状となるようにあらかじめ製造された)ものは勿論のこと、着用者20が、着用前又は着用中に、環状に組み立てるように構成されたものも含まれる。具体的には、胴回りバンド4は、図4に示すような、帯状の胴回りバンド4の一方の端4aと他方の端4bと接合することで、あらかじめ環状にすることができる(図1〜図3参照)。胴回りバンド4の一方の端4aと他方の端4bと接合する接合手段としては、超音波シール、ヒートシール、ホットメルト接着剤などから好適な接合手段を適宜選択することができる。また、胴回りバンド4の一方の端4aと他方の端4bに、メカニカルファスナーのフック材(図示せず)とループ材(図示せず)が配設されたものであってもよい。このように構成された胴回りバンド4においては、着用者又は介護者が、吸収性物品100を着用する(又は着用させる)際に、上記フック材とループ材とを係合させて、胴回りバンド4の一方の端4aと他方の端4bを接合させる。ここで、「フック材」とは、メカニカルファスナー(面状ファスナーとも称される)の凸部材であり、凹部材であるループ材との機械的結合により固定を行うことができるものである。一方、「ループ」としては、表面にループ状の繊維が配置されたもの等が用いられることが多い。また、胴回りバンド4の一方の端4aと他方の端4bには、上述したメカニカルファスナー以外の固定手段が配設されていてもよい。例えば、粘着剤、衣類などに用いられる留め金(ホック)、ボタン、などの固定手段を配設して、着用者又は介護者が、胴回りバンド4を環状に組み立てる(すなわち、一方の端4aと他方の端4bとを固定する)ように構成されていてもよい。
帯状のバンド104(胴回りバンド4)の長さについては、特に制限はなく、着用者20の胴回りのサイズに合わせて、適宜設定することができる。また、帯状のバンド104(胴回りバンド4)の一方の端4aと他方の端4bに、メカニカルファスナーのフック材とループ材が配設されたものの場合には、ループ材を胴回りの周方向に長めに配設し、フック材との係合範囲を広めに設けてもよい。このように構成することによって、環状の胴回りバンド4の胴回りのサイズを、フック材の係合位置によって調節することができる。
帯状のバンド104の幅t1(胴回りバンド4の周方向に直交する幅t1(図4参照))については、特に制限はない。ただし、帯状のバンド104の幅t1が広すぎると、吸収性物品100の上に下着を着用した場合に、吸収性物品100(特に、胴回りバンド4)が隠れ難くなることがある。このため、帯状のバンド104の幅t1は、5〜150mmであることが好ましく、10〜100mmであることが更に好ましく、20〜80mmであることが特に好ましい。帯状のバンド104の幅t1が5mm未満であると、胴回りバンド4の強度が弱くなりやすく、また、胴回りに食込んで着用感が悪くなることがある。一方、胴回りバンド4の幅t1が150mm超であると、下着を着用した場合に、胴回りバンド4が露出し易くなることがある。
図5及び図6に示すように、吸収性本体102は、液透過性シートと液不透過性シートとが吸収体9を挟持した状態で積層されたものである。ここで、図6は、図5のX−X’断面を模式的に示す断面図である。図6に示すように、吸収性本体102は、液透過性シートとしてのトップシート10、吸収体9、及び液不透過性シートとしてのバックシート11を有している。
実施形態1の吸収性物品の製造方法においては、長尺液透過性シートと長尺液不透過性シートとが複数の吸収体を長手方向に所定間隔で挟持した状態で積層された長尺吸収性本体を得る工程を更に有していてもよい。例えば、吸収性本体102は、2反のシート(長尺液透過性シートと長尺液不透過性シート)と間に、間隔をあけて吸収体9を配置、固定して吸収性本体102の連続体を作製し、間隔をあけて配置した吸収体9の間で、吸収性本体102の連続体を切断することによって得ることができる。ただし、吸収性本体102は、個々の吸収性本体102の状態にて既に作製されたものを使用してもよい。
2反のシートと間に、間隔をあけて吸収体9を配置する際に、吸収体9の両側縁に、伸縮弾性体12を配置する工程を更に有していてもよい。伸縮弾性体12は、吸収性本体102の両側縁を縁取って、着用者の体の線に合わせて、個々の吸収性本体2の両側縁をカーブさせるための役割をする。このような伸縮弾性体12を配置することで、個々の吸収性本体2のフィット性が向上する。伸縮弾性体12は、吸収体9と液不透過性シートとの間に配置させるのが好ましい。例えば、吸収体9と液透過性シートとの間に配置させた場合には、着用者の肌面側において、液透過性シート越しに伸縮弾性体12が配置されることになる。このため、伸縮弾性体12が収縮して形成されるギャザーが、吸収体9の厚みの分強く皮膚に押しつけられることとなり、スキントラブルなどを招きやすくなることがある。このようなことから、吸収性本体102を作製する際に、シート間に伸縮弾性体12を配置する場合は、吸収体9の両側縁か、又は、吸収体9の裏側に配置することが好ましい。
実施形態1の吸収性物品の製造方法においては、吸収性本体102の長さ方向の一端2a側と、胴回りバンド4(帯状のバンド104)の一部4eとを固定する。このようにして、吸収性本体2が、着用者の前身頃から股下部までを覆う位置にて、胴回りバンド4(帯状のバンド104)に固定される。吸収性本体102と胴回りバンド4との固定は、胴回りバンド4が、帯状のバンド104の状態、又は、固定手段が両端4a,4bに付与された胴回りバンド4にあっては、一方の端4aと他方の端4bとが固定手段によって固定されていない状態で、行われることが好ましい。吸収性本体102と胴回りバンド4(帯状のバンド104)との固定方法については特に制限はなく、ホットメルト接着剤などの公知の接着剤を用いて接着固定することが好ましい。
吸収体9は、着用者の尿を吸収し保持するために、吸収性材料によって構成される。吸収性材料としては、例えば、パルプ、合成繊維、吸水性ポリマー、吸水性繊維などを採用することができる。また、吸収体9から吸水性ポリマーが飛び出したり、吸収体9が型崩れしたりしないように、吸収体9は、ティシュや親水性不織布からなる吸収体保持シート8a,8bで包まれていることが好ましい。また、吸収体9は、トップシート10とバックシート11の間に挟み込まれ、両シートの周縁部が封着されることによって、トップシート10とバックシート11との間に封入されていることが好ましい。
トップシート10は、吸収体9の肌当接面側を被覆するように配置される液透過性のシートである。トップシート10は、尿などの液体を吸収体9に浸透させる。トップシート10を構成する液透過性材料として、例えば、織布、不織布、多孔性フィルを採用することができる。特に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンのような熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
バックシート11は、吸収体9を肌非当接面側から被覆するように配置される液不透過性のシートである。バックシート11は、吸収体9により保持されている液体が、吸収性本体2の外に漏洩してしまうことを防止する。バックシート11を構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を採用することができる。微多孔性ポリエチレンフィルムを用いてもよい。
吸収体9の両側縁(吸収性本体2の側縁部分2d)には伸縮弾性体12を配置してもよい。このように構成することによって、吸収性本体2の側縁部分2dにハリができて、着用者に吸収性本体2が密着し易くなる。更に、着用者と吸収性本体2とに隙間ができ難くなるため、着用者の排泄した尿が、吸収性本体2の周縁から漏れ出してしまうことを有効に防止することができる。また、伸縮弾性体12は、吸収性本体2を凹状の形状で保ち易くする。伸縮弾性体12は、吸収体9の両側縁に沿って、伸長状態で配置され、トップシート10とバックシート11の間に挟み込まれて固定されることが好ましい。伸縮弾性体12としては、ウレタン糸ゴム、天然ゴム、合成ゴム、ウレタンフォーム、ウレタンフィルム、エラストマーなどを用いることができる。
バックシート11の外側には、カバーシート13(図6参照)が配設されていてもよい。カバーシート13としては、液不透過性の不織布を用いることができる。このようなカバーシート13を配設することにより、バックシート11を補強し、吸収性物品100の手触りを良くすることができる。更に、カバーシート13は、カバーシート13の外周部分13aが吸収性本体2の肌当接面側に折り返されて、トップシート10の両端を覆うように構成されていてもよい。このような構造をとると、トップシート10を伝って拡散した尿の横漏れを有効に防止することができる。
吸収性本体102は、着用者の前半身側においては、排泄した尿を良好に吸収できる程度の幅を有しつつ、着用者の股下部分においては、吸収性本体102の他端2b側が着用者の股下に良好に収まるような形状であることが好ましい。吸収性本体102の形状は、以下のよう形状であることが好ましい。具体的には、吸収性本体102が胴回りバンド4に固定される一端2a側とは反対側の他端2b側において、吸収性本体102の少なくとも吸収体9の他端側が複数に分割された他端分割吸収性本体を得る工程と、他端分割吸収性本体の吸収体9の分割された部位(即ち、吸収体9の他端2b側の部位)の隣り合った辺同士を合掌状又は積層状にして接合する工程によって得られる形状である。このような工程を経て得られる吸収性本体102は、吸収性本体102が胴回りバンド4に固定される一端2a側とは反対側の他端2b側における少なくとも先端部分の幅が、他端2b側に向かうに従って漸減する、先細り形状である。即ち、上述した工程によって、吸収体の分割された部分(別言すれば、吸収体の枝分かれした部分)の間隔が詰まって、分割された吸収体間が、接近又は当接することとなる。したがって、他端分割吸収性本体の他端側においては、実質的に吸収体が密に存在するため、このような吸収性(別言すれば、吸収性本体)においても、良好に尿を吸収することができる。更に、吸収性本体102は、少なくとも吸収性本体102の他端2b側が、着用者と接触する面を内側面とした凹型に形成されたものであることがより好ましい。このように構成することによって、男性の着用者20が吸収性物品100を使用した場合に、凹型の吸収性本体2によって男性器全体を被包することができる。
なお、上述した他端分割吸収性本体は、液透過性シートと液不透過性シートとに挟持された吸収体の他端側が複数に分割されたものであってもよい。即ち、上記構成は、液透過性シートと液不透過性シートとは分割されておらず、これらのシートに挟持された吸収体の他端側のみが複数に分割されたものである。また、上述した他端分割吸収性本体は、吸収性本体を構成する液透過性シート及び液不透過性シートとともに吸収体の他端側が複数に分割されたものであってもよい。即ち、上記構成は、液透過性シートと液不透過性シートとを含めた吸収性本体の他端側が分割されたものである。
図5に示すように、例えば、製造過程における吸収性本体102(すなわち、他端分割吸収性本体)の他端2b側は、中央部が切り欠かれた形状をしており、吸収性本体102の分割部分2C同士の辺又は面を、合掌状又は積層状にして接合することによって、吸収性本体102の他端の端部を形成することが好ましい。この際、吸収体9の肌当接面側の切り欠きの量を大きくし、少なくとも吸収性本体102の他端側が、着用者と接触する面を内側面とした凹型に形成されることが更に好ましい。このような構造にすることによって、股下部分で着用者の体のラインに沿って吸収性本体102が凹型(お椀型)の立体形状になり、着用者の体と吸収性本体102の間の隙間を減らすことができる。なお、図5においては、吸収性本体102の他端2b側の中央部に切り欠き部分を形成しているが、例えば、吸収性本体102の他端2b側に、複数の切り欠き部分を形成し、これらの切り欠き部分を順次接合することによって、肌当接面を内側面とした凹型に形成してよい。
また、図示は省略するが、吸収性本体の液不透過性シートとして、凹型に成形されたものを用いることもできる。すなわち、吸収性本体が胴回りバンドに固定される一端側とは反対側の他端側における少なくとも先端部分の幅が、他端側に向かうに従って漸減する、先細り形状であり、且つ、吸収性本体は、少なくとも吸収性本体の他端側が、着用者と接触する面を内側面とした凹型にあらかじめ形成された成型体であってもよい。例えば、液不透過性シートとして、凹型に成形された発泡成形体を用い、この発泡成形体の内側面に、吸収体、及び液透過性シート(すなわち、トップシート)を配設して、吸収性本体を作製してもよい。このような構造にすることによって、肌当接面を内側面とした凹型の吸収性本体を極めて簡便に得ることができる。
また、図示は省略するが、吸収性本体が、平面状のシートの積層体からなり、着用者の股下部分に相当する面同士を接合して、吸収性本体の股下部分を留めることにより、肌当接面を内側面とした凹型となるように成形してもよい。更に、吸収性本体が、平面状のシートの積層体からなり、シートにタックを寄せて股下部分の幅を細くしてもよい。上記したタックを広げることにより、吸収性本体が、肌当接面を内側面とした凹型の形状となる。吸収性本体は、着用者の体のラインに沿って立体的な形状に形成(例えば、成形)されたものであることがより好ましい。
実施形態1の吸収性物品の製造方法においては、図5に示すように、伸縮部を設けた補助バンド103を形成する工程を有する。補助バンド103は、吸収性本体102を着用者に密着保持するためのものである。特に、この補助バンド103は、吸収性物品100における脚周り開口部18(図1参照)を形成するための重要な部材である。例えば、図1〜図3に示すように、補助バンド3は、吸収性本体2の後側端部(他端2b側の端部)と連結して、脚周り開口部18を形成するとともに、吸収性本体2の後側端部(他端2b側の端部)を、着用者20の腰側に吊り上げて隙間を作らないように作用するものである。
そして、本実施形態1の吸収性物品の製造方法においては、補助バンド103の片端3aを、胴回りバンド3(帯状のバンド104)の、吸収性本体102の両側に間隔をあけて固定する工程と、を有する。補助バンド103と胴回りバンド4との固定は、胴回りバンド4が、帯状のバンド104の状態、又は、固定手段が両端4a,4bに付与された胴回りバンド4にあっては、一方の端4aと他方の端4bとが固定手段によって固定されていない状態で、行われることが好ましい。補助バンド103と胴回りバンド4(帯状のバンド104)との固定方法については特に制限はなく、ホットメルト接着剤などの公知の接着剤を用いて接着固定することが好ましい。なお、胴回りバンド4(帯状のバンド104)に補助バンド103を固定する位置は、吸収性本体102の両側(吸収性本体102が配置される位置の両側を含む)に相互に間隔をあけた位置である。
補助バンド103は、その片側の端3aを、胴回りバンド4に固定することで、吸収性物品100の脚周り開口部を形成するための帯体である。補助バンド103のもう一方の端3bは、吸収性本体2の長さ方向の他端2b側に着脱可能又は着脱不能に固定してもよい。
補助バンド103は、伸縮性素材からなることが好ましい。伸縮性素材としては、不織布で弾性伸縮体を挟持した部材や、伸縮性不織布などを挙げることができる。伸縮性不織布としては、熱可塑性合成樹脂のエラストマーやウレタン等からなる弾性糸を使用した公知の伸縮性不織布を用いることができる。また、伸縮性不織布としては、メルトブロー法により形成された繊維層を有するシート状基材に、クレープ加工による波状のしわが多数形成されたものなどを用いることもできる。
補助バンド103に使用する伸縮性素材は、その一方の端3bから他方の端3aに向かう方向に、伸張前の長さに対して1.2倍の長さまで伸張することができるものであることが好ましい。更に、伸縮性素材は、3倍の長さまで伸張することができ、且つ、その後の回復が元の長さの1.5倍以上であることが好ましい。このような伸縮弾性を有する素材であれば、着用時に拡幅しやすく、また、着用中に緩んでずれ落ちしてしまうことを有効に防止することができる。
補助バンド103は、補助バンド103のもう片側の端3b(帯状のバンド104と固定する片側の端3aとは反対側の端)を、吸収性本体2の長さ方向の他端2b側に着脱不能に固定してもよいし、着脱可能に固定してもよい。例えば、補助バンド103の端3bは、図7に示すように、吸収性本体102の長さ方向の他端2b側に着脱可能又は着脱不能に固定することができる。ここで、図7は、吸収性物品の吸収性本体に、補助バンドの一方の端を固定した状態を模式的に示す平面図である。上述した「着脱可能に固定」とは、補助バンド103の片側の端3bが、吸収性本体102の長さ方向の他端2b側に対して、着脱自在に接続されることを意味する。したがって、製品としての吸収性物品100において、着脱可能に構成された補助バンド3の端3bは、吸収性本体2の長さ方向の他端2b側に固定されていなくともよい。例えば、補助バンド103の端3bに、メカニカルファスナーのフック材を配設し、吸収性本体102の外側面を、当該フック材と係合可能な素材とすればよい。この場合、着用者が、自分の脚周りに合わせて、フック材の係合位置を調節して着用することができるため、吸収性物品100のフィット性が向上する。このため、吸収性物品100からの漏れを有効に抑制することができる。
補助バンド103の幅t2については、特に制限はない。ただし、補助バンド103の幅t2が広すぎると、製造された吸収性物品100の装着感が低下したり、吸収性物品100の上に下着を着用した場合に、下着の下から補助バンド103がはみ出したりすることがある。このため、補助バンド103の幅t2は、5〜100mmであることが好ましく、10〜50mmであることが更に好ましく、15〜35mmであることが特に好ましい。補助バンド103の幅t2が5mm未満であると、補助バンド103の強度が弱くなりやすく、また、補助バンド103が体に食込んでしまい着用感が悪くなることがある。補助バンド103の幅が100mmを超えると、下着からはみ出たり、補助バンド103が股下で折れたりひねられたりして着用感を著しく損なうことがある。
また、図8に示すように、一対の補助バンド103のそれぞれの一方の端3bに、テープ部27を固定し、このテープ部27にフック材を配設する工程を更に有していてもよい。ここで、図8は、補助バンドの一方の端にテープ部が配設された例を模式的に示す一部拡大平面図である。テープ部27によって形成される接合タブ27aには、テープ部27を持ち易くするために、把持タブ26を更に配設してもよい。このようなテープ部27を設けることによって、補助バンド103を1本ずつ吸収性本体の固定する必要がなく、左右の長さも合わせやすいため、製品の吸収性物品100において補助バンド3の着脱が容易になる。
[実施形態2]
次に、本発明の吸収性物品の製造方法の実施形態2について、図9〜図11を参照しつつ詳細に説明する。ここで、図9は、本発明の吸収性物品の製造方法の実施形態2によって製造される吸収性物品を展開した状態を模式的に示す平面図である。図10は、本発明の吸収性物品の製造方法の実施形態2における補助バンド形成工程の一例を概念的に示した平面図である。図11は、図10に示す補助バンド形成工程後の工程の一例を概念的に示した平面図である。実施形態2の吸収性物品の製造方法によれば、図9に示すように、吸収性本体32と、環状の胴回りバンド4と、吸収性本体32を着用者に密着保持する補助バンド33と、を備えた吸収性物品200を製造することができる。吸収性本体32は、液透過性シート(例えば、トップシート)と液不透過性シート(バックシート)とが吸収体を挟持した状態で積層されたものである。また、胴回りバンド4は、胴回りバンド4の一部4eが、吸収性本体32の長さ方向の一端32a側に固定されたものである。
実施形態2の吸収性物品の製造方法においては、これまでに説明した実施形態1の吸収性物品の製造方法と同様に、伸縮部を設けた帯状のバンドを形成する工程と、帯状のバンドを環状にして胴回りバンドを形成する工程と、伸縮部を設けた補助バンドを形成する工程と、補助バンドの片端を、胴回りバンドの、吸収性本体の両側に間隔をあけて固定する工程と、を有する。そして、実施形態2の吸収性物品の製造方法においては、補助バンドを形成する工程が、以下のような、「補助バンド形成第1工程」、「補助バンド形成第2工程」、「補助バンド形成第3工程」、及び「補助バンド形成第4工程」を有する。
補助バンド形成第1工程は、長尺液透過性シートと長尺液不透過性シートとが複数の吸収体を長手方向に所定間隔で挟持した状態で積層された長尺吸収性本体を用意し、伸縮性不織布シートを、長尺吸収性本体の両側に固定する工程である。この伸縮性不織布シートが、後に、吸収性物品の補助バンドとなる。長尺吸収性本体は、長尺液透過性シートと長尺液不透過性シートとによって複数の吸収体を長手方向に所定間隔で挟持して積層する工程によって作製することができる。また、長尺吸収性本体が作製済みの状態で入手可能な場合には、作製済みの長尺吸収性本体を用いて補助バンド形成第1工程を行ってもよい。
補助バンド形成第2工程は、長尺吸収性本体の両側に固定されたそれぞれの伸縮性不織布シートの中央部分に開口部を設ける工程である。この開口部が、吸収性物品における脚周り開口部となる。
補助バンド形成第3工程は、伸縮性不織布シートの開口部に沿って、それぞれの伸縮性不織布シートを切り欠く工程である。この工程によって、開口部の周縁に残る伸縮性不織布シートによって、補助バンドが形成される。
補助バンド形成第4工程は、伸縮性不織布シート及び長尺吸収性本体を、長尺吸収性本体の各吸収体間で切断する工程である。これにより、吸収性本体の両側縁側に補助バンドが配設された、吸収性本体と補助バンドの連結体が形成される。そして、この連結体には、吸収性物品における脚周り開口部が、上述補助バンド形成第2工程によって既に形成された状態となっている。
実施形態2の吸収性物品の製造方法について更に詳しく説明する。ここで、図10及び図11において、製造時に用いる各種シート(例えば、長尺液透過性シート110や液不透過性長尺シート111などの長尺シート)の搬送過程における流れ方向Pを、「シートの長手方向P」という。また、製造時に用いる各種シート(例えば、長尺液透過性シート110や液不透過性長尺シート111などの長尺シート)の搬送過程における流れ方向Pに直交する方向Qを、「シートの幅方向Q」という。
まず、図10に示すように、補助バンド形成第1工程において、長尺液透過性シート110と長尺液不透過性シート111とが複数の吸収体109を長手方向に所定間隔で挟持した状態で積層された長尺吸収性本体132を用意する。図10においては、液透過性長尺シート110に、間隔をあけて吸収体109を配置し、その後、液不透過性長尺シート111を重ねて固定することによって、長尺吸収性本体132を作製している。また、図10においては、吸収体109の両側縁に、伸縮弾性体112を伸長状態で配置している。液透過性長尺シート110が、吸収性本体32(図9参照)のトップシートとなり、液不透過性長尺シート111が、吸収性本体32(図9参照)のバックシートとなる。また、図10においては、吸収体109として、吸収体109の長手方向Pの片側の端部に、切り欠き部分が形成されたものを用いている。
次に、伸縮性不織布シート133を、長尺吸収性本体132の両側に固定する。伸縮性不織布シート133は、長尺吸収性本体132の液不透過性シート111の両側縁に固定することが好ましい。上述したように、この伸縮性不織布シート133によって、補助バンド33が形成される。伸縮性不織布シート133の幅方向Qの長さについては特に制限はないが、後述する補助バンド形成第2工程において開口部118を形成することで、図9に示すような、吸収性物品200の展開状態において、補助バンド33によって、当該開口部118が、吸収性物品200の脚周り開口部18となり得る幅を有していることが好ましい。伸縮性不織布シート133を固定する方法については特に制限はなく、例えば、ホットメルト接着剤などの公知の接着剤を用いて接着固定することが好ましい。
このように伸縮性不織布シート133を長尺吸収性本体132の両側に固定した後、長尺吸収性本体132を、その幅方向Qの中央部で、二つに折りに折り曲げることが好ましい。この際、吸収体109の片側の端部に形成した切り欠き部分を接合して、接合部106を形成することが好ましい。この接合部106は、吸収性本体132の股下側の端部を構成するものであり、図9に示す吸収性本体32のように、吸収性本体32の股下側を、着用者と接触する面を内側面とした凹型にすることができる。
次に、図10に示すように、補助バンド形成第2工程において、長尺吸収性本体132の両側に固定されたそれぞれの伸縮性不織布シート133の中央部分に開口部118を設ける。すなわち、開口部118に相当する部分の伸縮性不織布シート133を、切断・除去する。
次に、補助バンド形成第3工程において、伸縮性不織布シート133の開口部118に沿って、それぞれの伸縮性不織布シート133を切り欠く。この開口部118に沿って切り欠いた残りの輪郭部(伸縮性不織布シート133の輪郭部)によって、補強バンド103の連続体が形成される。
次に、補助バンド形成第4工程において、伸縮性不織布シート133及び長尺吸収性本体132を、長尺吸収性本体132の各吸収体109間で切断する。長尺吸収性本体132の切断は、長尺吸収性本体132の個々の吸収性本体32の一端となる端(端132a)と、個々の吸収性本体32の他端となる端(端132b)とで長尺吸収性本体132を切断することが好ましい。これにより、吸収性本体32の両側縁側に補助バンド33が配設された、吸収性本体32と補助バンド33の連結体140が形成される。そして、この連結体には、吸収性物品における脚周り開口部18が、上述補助バンド形成第2工程によって既に形成された状態となっている。
このようにして吸収性本体32と補助バンド33の連結体140を作製した後、図11に示すような方法によって、吸収性物品200を製造することができる。図11においては、まず、帯状の第一バンド104aを作製する。第一バンド104aは、不織布シート114と不織布シート115との間に弾性伸縮体105を配置し、不織布シート114と不織布シート115とを重ね合わせた状態で接合する。これにより、不織布シート115及び不織布シート115で弾性伸縮体105を挟持した帯状の第一バンド104aを製造することができる。
次に、この帯状の第一バンド104aの一部に、吸収性本体32と補助バンド33の連結体140を配置する。連結体140を配置する際には、吸収性本体32の長さ方向の一端32aが、第一バンド104aと重なるようにすることが好ましい。この際、連結体140の補助バンド33の端33aも、第一バンド104aと重なっていることがより好ましい。
次に、連結体140を配置した帯状の第一バンド104aの上に、第二バンド104bを配置して、第一バンド104aと第二バンド104bとで、連結体140を挟持して固定する。第二バンド104bは、第一バンド104aと同様に構成された、2枚の不織布シートとの間に弾性伸縮体を配置したものであってもよいし、単なる、不織布シートであってもよい。このようにして、第一バンド104aと第二バンド104bとが接合した、帯状のバンド104を作製しつつ、この帯状のバンド104の一部に、吸収性本体32の長さ方向の一端32aと補助バンド33の片側の端33aとがそれぞれ接合される。このようにして、図9に示す吸収性物品200が、長手方向に連続した吸収性物品200の連続体200aを作製する。
次に、吸収性物品200の連続体200aを、各吸収性物品200毎に、切断して、吸収性物品200を製造する。この切断は、吸収性本体32と補助バンド33の連結体140の両端又は当該両端より外側にて、帯状のバンド104を切断することによって行うことが好ましい。その後、帯状のバンド104の一端と他端とを接合して、胴回りバンド4を環状に形成してもよいし、或いは、帯状のバンド104の一端と他端とに、胴回りバンド4を環状に接合するための固定手段を配設してもよい。胴回りバンド4を形成する工程は、実施形態1の吸収性物品の製造方法に準じて、適宜変更可能である。また、実施形態2の製造方法においては、不織布で弾性伸縮体を挟持した胴回りバンド4を作製する場合の例を説明したが、帯状のバンド104として、長尺伸縮性不織布を用いてもよい。なお、実施形態2の吸収性物品の製造方法における各構成部材の固定方法については、ホットメルト接着剤などの公知の接着剤を用いて接着固定することが好ましい。
実施形態2の吸収性物品の製造方法は、吸収性本体32と補助バンド33の連結体140を作製し、この連結体140を、帯状のバンド104に固定して吸収性物品200を製造するため、吸収性本体32及び補助バンド33を、帯状のバンド104に固定する工程が簡便であるとともに、吸収性本体32と補助バンド33との位置合わせも極めて簡単となる。
[実施形態3]
次に、吸収性物品の製造方法の実施形態3について、図12及び図13を参照しつつ詳細に説明する。ここで、図12は、吸収性物品の製造方法の実施形態3を概念的に示した平面図である。図13は、吸収性物品の製造方法の実施形態3における吸収性本体の作製方法の一例を概念的に示した平面図である。実施形態3の吸収性物品の製造方法は、伸縮部を設けた帯状のバンドを形成する工程と、帯状のバンドを環状にして胴回りバンドを形成する工程と、伸縮部を設けた補助バンドを形成する工程と、補助バンドの片端を、前記胴回りバンドの、吸収性本体の両側に間隔をあけて固定する工程と、を有する。実施形態3の吸収性物品の製造方法によれば、図12に示すように、吸収性本体2と、環状の胴回りバンド4と、吸収性本体2を着用者20に密着保持する補助バンド3と、を備えた吸収性物品100を製造することができる。この吸収性物品100は、図1〜図4に示す吸収性物品100と同様に構成されたものである。以下、実施形態3の吸収性物品の製造方法について説明する。
実施形態3の吸収性物品の製造方法においては、まず、図12に示すように、伸縮部を設けた帯状のバンド104を形成する工程を有する。具体的には、まず、帯状の第一バンド104aを作製する。第一バンド104aは、不織布シート114と不織布シート115との間に弾性伸縮体105を配置し、不織布シート114と不織布シート115とを重ね合わせた状態で接合する。これにより、不織布シート115及び不織布シート115で弾性伸縮体105を挟持した帯状の第一バンド104aを製造することができる。
次に、第一バンド104aとは別の工程で、伸縮部を設けた補助バンド103を形成する。補助バンドを形成する工程としては、伸縮弾性体を、伸張状態で、補助バンドを構成する不織布シートに挟持して固定する工程を挙げることができる。このような工程によって、図12に示すような補助バンド103を作製する。補助バンド103は、1個の吸収性物品100に対して、一対(すなわち、2個)作製する。このような補助バンド103は、実施形態1の吸収性物品の製造方法によって説明した方法と同様の方法で作製することができる。
また、更に別の工程で、液透過性シートと液不透過性シートとが吸収体を挟持した状態で積層され、着用者の前身頃から股下部までを覆うように構成された吸収性本体を作製する。具体的には、図13に示すように、液透過性長尺シート110に、間隔をあけて吸収体109を配置し、その後、液不透過性長尺シート111を重ねて固定することによって、長尺吸収性本体102nを作製する。図13においては、吸収体109の両側縁に、伸縮弾性体112を伸長状態で配置している。液透過性長尺シート110が、吸収性本体2(図6参照)のトップシート10(図6参照)となり、液不透過性長尺シート111が、吸収性本体32(図6参照)のバックシート11(図6参照)となる。また、図13においては、吸収体109として、吸収体109の長手方向Pの片側の端部に、切り欠き部分が形成されたものを用いている。
次に、図13に示すように、長尺吸収性本体102nを、その幅方向Qの中央部で、二つに折りに折り曲げることが好ましい。この際、吸収体109の片側の端部に形成した切り欠き部分を接合して、接合部106を形成することが好ましい。この接合部106は、吸収性本体102の股下側の端部を構成するものであり、このような接合部106を形成することにより、吸収性本体2の股下側を、着用者と接触する面を内側面とした凹型にすることができる。
次に、長尺吸収性本体102nを、長尺吸収性本体102nの各吸収体109間で切断する。このようにして個々の吸収性本体2を作製することができる。長尺吸収性本体102nの切断は、長尺吸収性本体102nの個々の吸収性本体102の一端となる端(端102a)と、個々の吸収性本体102の他端となる端(端102b)とで長尺吸収性本体102nを切断することが好ましい。なお、吸収性本体102の作製方法については、上述した作製方法に限定されることはない。
次に、図12に示すように、先に作製した帯状の第一バンド104aの一部に、吸収性本体102と補助バンド103を配置する。吸収性本体102を配置する際には、吸収性本体102の長さ方向の一端102aが、第一バンド104aと重なるようにすることが好ましい。また、補助バンド103の片側の端103aも、第一バンド104aと重なっていることがより好ましい。
次に、吸収性本体102と補助バンド103を配置した帯状の第一バンド104aの上に、第二バンド104bを配置して、第一バンド104aと第二バンド104bとで、吸収性本体102と補助バンド103を挟持して固定する。第二バンド104bは、第一バンド104aと同様に構成された、2枚の不織布シートとの間に弾性伸縮体を配置したものであってもよいし、単なる、不織布シートであってもよい。このようにして、第一バンド104aと第二バンド104bとが接合した、帯状のバンド104を作製しつつ、この帯状のバンド104の一部に、吸収性本体102の長さ方向の一端102aと補助バンド103の片側の端103aとがそれぞれ接合される。このようにして、図1〜図4に示す吸収性物品100が、長手方向に連続した吸収性物品100の連続体100aを作製する。
次に、吸収性物品100の連続体100aを、各吸収性物品100毎に、切断して、吸収性物品100を製造する。この切断は、吸収性本体102の両側に配置された一対の補助バンド103から所定長さ離れた位置にて行うことが好ましい。その後、帯状のバンド104の一端と他端とを接合して、胴回りバンド4を環状に形成してもよいし、或いは、帯状のバンド104の一端と他端とに、胴回りバンド4を環状に接合するための固定手段を配設してもよい。胴回りバンド4を形成する工程は、実施形態1の吸収性物品の製造方法に準じて、適宜変更可能である。また、実施形態3の吸収性物品の製造方法においては、不織布で弾性伸縮体を挟持した胴回りバンド4を作製する場合の例を説明したが、帯状のバンド104として、長尺伸縮性不織布を用いてもよい。なお、実施形態2の吸収性物品の製造方法における各構成部材の固定方法については、ホットメルト接着剤などの公知の接着剤を用いて接着固定することが好ましい。補助バンド103のもう片側の端103b(帯状のバンド104と固定する片側の端103aとは反対側の端)を、吸収性本体102の長さ方向の他端102b側に着脱不能に固定してもよいし、着脱可能に固定してもよい。また、補助バンド103の端103bに、メカニカルファスナーのフック材などの固定手段を配設してもよい。
実施形態3の吸収性物品の製造方法は、補助バンド103を形成する工程において、実施形態2の吸収性物品の製造方法のように、補助バンドを形成するためのトリムカット(切り欠き)を行わないため、製造工程において資材の無駄が生じ難い。
[変形例]
ここで、帯状のバンド(胴回りバンド4)と、補助バンド3との固定の方法(変形例)について説明する。
図14に示すように、胴回りバンド4が、伸縮性不織布7からなるものである場合には、伸縮性不織布7の内面7b(すなわち、肌当接面側)に、補助バンド3の他方の端3aを固定することが好ましい。なお、伸縮性不織布7の外面7aに補助バンド3の他方の端3aを固定することを妨げるものではないが、伸縮性不織布7の内面7bに、補助バンド3の他方の端3aを固定することで、吸収性物品100の外観が良好となる。胴回りバンド4と補助バンド3との固定方法については特に制限はなく、ホットメルト接着剤などの公知の接着剤を用いて接着固定することが好ましい。ここで、図14は、図4のQ−Q’断面を模式的に示す断面図である。
ここで、胴回りバンド4を構成する伸縮性素材の構成、及び補助バンド3の他方の端3aとの固定方法の他の変形例について、図15〜図19を参照しつつ説明する。図15〜図19は、胴回りバンドと補助バンドの固定部分における他の例及び更に他の例を模式的に示す断面図である。図15〜図19においては、図14に示す断面(図4におけるQ−Q’断面)と同じ箇所における断面を示す。図15においては、胴回りバンド4を構成する伸縮性不織布7が、その外面7aは1重であるが、内面側は2重に構成されている。この内面側が、内面7bと中間面7cからなり、図15においては、伸縮性不織布7の内面7bに、補助バンド3の他方の端3aを固定している。
図16においては、胴回りバンド4を構成する伸縮性不織布7が、その内面7bは1重であるが、外面側は2重に構成されている。この外面側が、中間面7cと外面7aからなり、この伸縮性不織布7の内面7bと中間面7cとの間に、補助バンド3の他方の端3aを挟み込んで固定している。このように、補助バンド3の他方の端3aを、伸縮性不織布7によって挟み込んで接着固定することで、補助バンド3の接合部の段差が、伸縮性不織布7によって緩和されるため、吸収性物品100の装着感が向上する。
図17〜図19においては、胴回りバンド4が、不織布17で弾性伸縮体16を挟持した部材によって構成された場合の例を示す。すなわち、図17においては、胴回りバンド4が、U字などに折り曲げた不織布17の間に、伸縮弾性体16を伸張状態で固定して挟持した伸縮性素材によって形成されている。伸縮弾性体16は、ホットメルト接着剤などの接着剤を用いて、不織布17に接着することが好ましい。図17においては、胴回りバンド4を構成する不織布17の内面17bに、補助バンド3の他方の端3aを固定している。伸縮弾性体16としては、ウレタン糸ゴム、天然ゴム、合成ゴム、ウレタンフォーム、ウレタンフィルム、エラストマーなどを用いることができる。
図18においては、不織布17の外面17aは1重であるが、内面側は2重になっており、この内面側が、内面17bと中間面17cからなり、中間面17cと外面17aによって伸縮弾性体16を挟持している。そして、図18においては、この不織布17の内面17bに、補助バンド3の他方の端3aを固定している。
図19においては、胴回りバンド4を構成する不織布17が、その内面17bは1重であるが、外面側は2重に構成されている。この外面側が、中間面17cと外面17aからなり、2重に構成された中間面17cと外面17aによって伸縮弾性体16を挟持している。そして、図19においては、この不織布17の内面17bと中間面17cとの間に、補助バンド3の他方の端3aを挟み込んで固定している。このように、補助バンド3の他方の端3aを、不織布17によって挟み込んで接着固定することで、補助バンド3の接合部の段差が、不織布17によって緩和されるため、吸収性物品100の装着感が向上する。
以上、本発明の吸収性物品の製造方法の各実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。例えば、これまでに説明した、胴回りバンドを形成する工程、吸収性本体を形成する工程、及び補助バンドを形成する工程は、各工程が連続してライン化した工程にされていてもよいし、その他の組立て形態として、吸収性物品の各構成要素を各工程で生産したものを、更に、組立て工程において、環状の胴回りバンドと吸収性本体と補助バンドを固定して組み立ててもよい。