JP6059563B2 - アルミナ皮膜、アルミナゾル、及びアルミナ皮膜の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、前記シランカップリング剤は、繊維状アルミナ粒子の表面に存在するヒドロキシル基を修飾するのに用いられ、これによってアルミナ複合分離膜の表面や細孔内の極性を変えることにより、膜を通過できる物質を制御することが開示されている。
しかしながら、特許文献1には、アルミナ複合分離膜の硬度に関する記載はない。
また、特許文献2に記載の透明アルミナ皮膜は、鉛筆硬度が5H以上とするために600℃以上の温度で加熱処理する必要がある。したがって、特許文献2に記載の透明アルミナ皮膜は、耐熱性に劣る材料例えばプラスチックで形成された基板上に作製することができない。
(1) アスペクト比が30〜5000であるアルミナナノファイバーと下記式(1)に示すシリコン化合物におけるR1〜R3の少なくとも一つ及びR4〜R6の少なくとも一つとが反応することにより、少なくとも二つのアルミナナノファイバーが架橋されてなる架橋アルミナナノファイバーを含有することを特徴とするアルミナ皮膜である。
別の前記課題を解決するための手段は、
(2) アスペクト比が30〜5000であるアルミナナノファイバーと下記式(1)に示すシリコン化合物とを含有することを特徴とするアルミナゾルである。
この発明に係るアルミナ皮膜は、アルミナナノファイバー特にアルミナにおける水酸基と前記式(1)に示すシリコン化合物におけるR1〜R3の少なくとも一つ及びR4〜R6の少なくとも一つとが反応することにより、少なくとも二つのアルミナナノファイバーが架橋されてなる架橋アルミナナノファイバーを含有する。
この発明に係るアルミナ皮膜は、この発明に係るアルミナゾルを用いて形成することができる。
アルミナゾルは、アスペクト比が30〜5000であるアルミナナノファイバーと下記式(1)に示すシリコン化合物とを含有する。
まず、前述したアルミナナノファイバーを含有するナノファイバー状アルミナゾルを調製する。ナノファイバー状アルミナゾルは、30〜5000のアスペクト比(平均繊維長/平均繊維幅)を有するアルミナナノファイバーを溶液中、例えば水中に分散したゾルを形成させることのできる方法で調製することができ、その一例として、酸水溶液中で加水分解性アルミニウム化合物を加水分解し、次いで、解膠して調製する方法(以下において、ゾル調製方法と称することがある。)が挙げられる。ナノファイバー状アルミナゾルの固形分濃度は、0.1〜20質量%に調整することが好ましい。
この発明のアルミナ皮膜は、例えば以下のようにして製造することができる。
この発明のアルミナ皮膜は、前記アルミナゾルを基板上に塗布することにより形成された塗布膜を、紫外線照射により硬化することにより製造することができる。
フラスコに、イオン交換水300g、酢酸6.2g(0.1mol)を取り、撹拌しながら液温を75℃に上昇させた。これにアルミニウムイソプロポキシド68g(0.34mol)を滴下し、発生するイソプロピルアルコールを留出させたのち、反応液をオートクレーブに移し、120℃で3時間反応を行った。反応液を40℃以下に冷却し、反応を終了した。得られたアルミナゾルに含有されているアルミナを前記のようにして透過型顕微鏡(TEM)及び走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、平均繊維長が1400nmであり、平均繊維幅が4nmであり、アスペクト比が350であり、Al2O3の含有量が4.8質量%であるアルミナナノファイバーが分散していた。
得られたアルミナゾル1.0gに純水 9.0gを混合し、調製アルミナゾルとした。
この塗布膜に高圧水銀灯(H1000L、東芝ライテック株式会社製)を用いて紫外線を10分間照射して、アルミナ皮膜を作製した。
アルミナゾル1.0gに代えて、アルミナゾル3.0gを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてアルミナ皮膜を作製した。
TSOエタノール溶液2.12gに代えて、TSOエタノール溶液4.24gを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてアルミナ皮膜を作製した。
TSOエタノール溶液2.12gに代えて、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(以下においてTHOと称する。)をエタノールに添加することにより調整された、全質量に対して2質量%のTHOを含有するTHOエタノール溶液3.20gを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてアルミナ皮膜を作製した。
TSOエタノール溶液2.12gに代えて、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン(以下においてTEOと称する。)をエタノールに添加することにより調整された、全質量に対して2質量%のTEOを含有するTEOエタノール溶液4.10gを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてアルミナ皮膜を作製した。
シリコン化合物を用いずに、実施例1における調製アルミナゾルを塗布液として無アルカリガラス基板に塗布膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてアルミナ皮膜を作製した。
TSOエタノール溶液2.12gに代えて、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランをエタノールに添加することにより調整された2質量%の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランエタノール溶液2.28gを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてアルミナ皮膜を作製した。
得られたアルミナ皮膜の鉛筆硬度は、鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(株式会社東洋精機製作所製、P−TYPE)を用いて測定した。測定方法は、鉛筆硬度試験JIS K 5600−5−4に準じて測定した。6B〜9Hの硬さの鉛筆をアルミナ皮膜に対して角度45°、荷重750gで押し付けて、7mm以上の距離を3本走査した。肉眼でアルミナ皮膜の表面を検査し、少なくとも3mm以上の傷跡が2本生じるまで、硬度を上げて試験を繰り返した。傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を、そのアルミナ皮膜の鉛筆硬度とした。結果を表1に示す。
得られたアルミナ皮膜の外観は、目視により調べた。
実施例1及び比較例1でそれぞれ作製したアルミナ皮膜のXPSスペクトルを、複合型電子分光分析装置(アルバック・ファイ株式会社製、PHI ESCA−5800)を用いて測定し、Si2pスペクトルを観測した。
実施例1のアルミナ皮膜では、101.7eVにピークを示すSi2pスペクトルが観測された。
比較例1のアルミナ皮膜では、Si2pスペクトルが観測されなかった。
実施例1のアルミナ皮膜のXPSスペクトルをカーブ解析し、結合エネルギーが既知である標準試料のXPSスペクトルを用いて結合状態を調べた。その結果を図1に示す。カーブ解析の結果、101.9eVにAl−O−Si−アルキル基に起因するピークが得られた。この結果から、実施例1のアルミナ皮膜には、Al−O−Si−アルキル基結合の存在することが示され、これによってアルミナナノファイバーとシリコン化合物とが結合していることが分る。実施例1で使用したシリコン化合物がオクタンの両端にトリエトキシシリルという反応性の高いシリコン含有基が結合していることから、シリコン化合物の両端にアルミナナノファイバーが結合していることが分る。
Claims (3)
- 請求項2に記載のアルミナゾルを基板上に塗布することにより形成された塗布膜に、紫外線照射することを特徴とするアルミナ皮膜の製造方法。
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