JP6058931B2 - 永久磁石式発電機 - Google Patents
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Description
しかしながら、従来の発電機は回転子の電磁石のコイルにも電流を流すので電力を消費してしまい効率がそれほど高くないことが問題となる。特に冷凍機のコンプレッサーは電力消費量が大きいためアイドリング時にはエンジンに対する負荷が大きく、冷凍機のコンプレッサーの出力を小さなものにせざるを得ない。その結果、外気温が高い真夏では冷凍機の冷却性能が不足するといった問題が生じていた。さらに回転子の接点(ブラシ)が磨耗するので定期的な保守が必要であった。
しかしながら、従来の発電機では回転子の電磁石のコイルに流す電流の量を変化させて磁界の大きさを変えることで発電量を調整できるが、永久磁石を用いた回転子では磁界の大きさを変えられないため発電量を調整できないという問題があった。すなわち永久磁石式発電機の電力は回転数に比例するので、低い回転数では電圧が低く、高い回転数では電圧が高くなり、どんな回転数でも一定となるような電圧を得ることが難しかった。
(1)永久磁石からなる回転子、ステータ及び整流回路を備える永久磁石式発電機において、前記ステータはn相(nは2以上の整数)に区分され、前記各相には、それぞれm個(mは2以上の整数)の巻線が直列に配置され、総計n×m個の巻線が前記ステータに配置されており、前記整流回路は、直列につないだ2個のダイオードを並列にm個接続された複数の整流器を備えており、前記複数の整流器は、前記各相の直列接続された巻線のうち異なる巻線数が接続されるように、それぞれ前記巻線の直列接続の分岐点又は末端と接続されており、前記各整流器のプラス極側及びマイナス極側はそれぞれスイッチを介して出力端子と接続されていることを特徴とする永久磁石式発電機。
(3)前記回転子は中心に配置され、前記ステータは外周部に配置され、前記nは3、前記mは3である上記(1)または(2)に記載の永久磁石式発電機。
(4)前記巻線の巻数が巻線によって異なることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の永久磁石式発電機。
(5)前記nは3、前記mは4であって、三相における4個の巻線の巻き数の比率がそれぞれ2:2:1:1であることを特徴とする請求項4に記載の永久磁石式発電機。
図1に示すように、回転子11の外側には回転軸60とは独立したステータ66が配置されている。ステータ66は積層した磁性板と銅線68からなる。磁性板は珪素鋼板が使われることが多い。ステータ66は、磁性板に外側から内側に向かって櫛状に形成され、その櫛状のティース67(突起部)の周囲にそれぞれ銅線68を巻いて巻線としたものである。
0 本発明の実施形態の永久磁石式発電機は、三相交流を直流に変換する三相式発電機に限らず、三相交流以外、例えば二相や四相であっても整流器とスイッチの数や構成を適宜設計変更することにより可能であり、基本的にn相(nは2以上の整数)式発電機に適用可能である。
本発明の整流回路の第一の実施態様を図4に示した。巻線から出力される電流は交流なので、整流器を通すことにより直流に変換される。整流器は三相全波整流回路であり、6つの整流素子(ダイオード)からなる。図4に示すように6つの整流素子からなる整流器43に対して、u1、u2及びu3の3つの直列接続された巻線が接続されるように、u1、u2及びu3の直列接続の末端を、整流器43の中間接続点33に接続する。同様に、v1、v2及びv3の直列接続の末端と、w1、w2及びw3の直列接続の末端も整流器43の中間接続点32、31にそれぞれ接続する。これによって、整流器43には、直列に接続されたu1、u2及びu3と、直列に接続されたv1、v2及びv3と、直列に接続されたw1、w2及びw3がそれぞれ接続されている。すなわち、整流器43には各相の3個の直列接続された巻線が接続されている。
以上のように、整流器の数は巻線の段数と同数とするのが好ましい。本実施態様では巻線の段数が3段であるので整流器は3つ配置されている。
以上のように、巻線は直列接続の数ごとに三相全波整流器につながれており、各整流器に対するプラス極側とマイナス極側のそれぞれにスイッチが接続されている。複数のスイッチによってU相、V相、W相のそれぞれに接続された巻線の数を自由に選択することができるため、各相の直列接続された巻線の数をより細かく変化させることができる。
回転子の回転数が低いときには、巻線1つあたりの発電量が少ないため、大きな発電量を得るためにすべての巻線の電力を出力する。具体的には図4のスイッチS1、S2をオンにする。例えば主にU相に起電力が発生するとき、u1、u2及びu3に電流が流れ、整流器43のダイオードD3に電流が流れる。このとき、スイッチS2に接続されたダイオードD11とv3、v2、v1と、さらに、ダイオードD10を通りw3、w2及びw1にも電流が流れることになる。このときV相とW相でも起電力が発生し、V相、W相の電流は中間点10を通ってU相に流れることになる。したがって、V相とW相を足した起電力はU相とほぼ同じとなり、発電量は実効値でU相は巻線約3個分、V及びW相で巻線約3個分の、合計巻線約6個分の電力が得られる。電圧は回路の負荷に応じて変化するので負荷が一定であれば電圧は回転数に比例して高くなる。
特許文献1の発電機もスイッチによって直列に繋げる巻線の数を変更できるが、その選択肢は6個分、4個分、2個分の3種類しかない。従って回転数や消費電力に応じて発電量を変更させると突然6個から4個、4個から2個へと急激に変更せざるを得なかった。したがって、特許文献1の発電機では、回転数の増加に伴って、発電量を変え300Vを超える高電圧を避けようとすると、図5に示されるように大幅な電圧変動が生じてしまう。
図6は本実施態様において発電機の回転子の回転数が0から3000rpmまで変化するときの電圧の変化を示したものである。例えば回転数が0から始まって1000rpmの直前まで上昇して、電圧が300Vに達したときに、スイッチS1をオフにすることにより巻線約6個分から巻線約5個分の発電量になり、このとき電圧は300Vから約250Vに変化する。さらに回転数があがった場合も同様に各スイッチを操作することにより電圧が変化する。このグラフ中で最も低い電圧は約200Vである。
スイッチステージ03では、さらにスイッチS3をオフにすることにより、u3、v3、w3の巻き線に加えてu2、v2、w2のいずれかの巻き線が切り離されるので総発電量は巻き線約3個分となる。
S1〜S4までのスイッチをオフの状態にすることに加えて、S5、S6のどちらかをオフにすると全ての巻き線は発電しなくなる。そのためS5かS6のスイッチのどちらかを省略して常時接続にしてもよい。
以上のように、従来発電機の回路では、出力電圧範囲が約150Vから300Vであったのに対して、本発明の第一の実施態様によれば出力電圧範囲が250Vから300Vとなり出力電圧の変動範囲を小さくすることが出来る。
また、巻線を直列に接続する段数は3段(m=3)に限らず、さらに多くの段数にした場合にはより多くの組み合わせが可能となり、より適正に近い電圧を得ることができる。
また、上記実施態様では巻線の巻き数はすべて同じ巻き数としたが、巻線の巻き数は巻線によって異なってもよい。例えば、巻線の巻き数の比を2:2:1とか、2:2:2:1等とすることができる。
本明細書では、本発明の実施態様として、永久磁石回転子が中心に配置され、外周部にステータが配置される構成を述べてきたが、内部に巻線を配置してその外側に回転するロータいわゆるアウターローター方式でも、同様に複数の巻線の接続をすれば同じ効果が得られる。
02 整流器の中間接続点
03 整流器の中間接続点
10 スター結線の中性点
11 整流器の中間接続点
12 整流器の中間接続点
13 整流器の中間接続点
20 ケース
21 整流器の中間接続点
22 整流器の中間接続点
23 整流器の中間接続点
31 整流器の中間接続点
32 整流器の中間接続点
33 整流器の中間接続点
41 整流器
42 整流器
43 整流器
44 整流器
51 巻線分岐点
52 巻線分岐点
53 巻線分岐点
54 巻線分岐点
55 巻線分岐点
56 巻線分岐点
57 巻線分岐点
58 巻線分岐点
59 巻線分岐点
60 回転軸
61 回転子(ロータ)
62 永久磁石
63 永久磁石
64 永久磁石
65 永久磁石
66 ステータ
67 ティース
68 銅線
69 巻線
70 ローターコア
72 軸受け
80 プーリー
S1 スイッチ
S2 スイッチ
S3 スイッチ
S4 スイッチ
S5 スイッチ
S6 スイッチ
S7 スイッチ
S8 スイッチ
D1 整流子(ダイオード)
D2 整流子(ダイオード)
D3 整流子(ダイオード)
D4 整流子(ダイオード)
D5 整流子(ダイオード)
D6 整流子(ダイオード)
D7 整流子(ダイオード)
D8 整流子(ダイオード)
D9 整流子(ダイオード)
D10 整流子(ダイオード)
D11 整流子(ダイオード)
D12 整流子(ダイオード)
D13 整流子(ダイオード)
D14 整流子(ダイオード)
D15 整流子(ダイオード)
D16 整流子(ダイオード)
D17 整流子(ダイオード)
D18 整流子(ダイオード)
D19 整流子(ダイオード)
D20 整流子(ダイオード)
D21 整流子(ダイオード)
D22 整流子(ダイオード)
D23 整流子(ダイオード)
D24 整流子(ダイオード)
u1 巻線
u2 巻線
u3 巻線
u4 巻線
v1 巻線
v2 巻線
v3 巻線
v4 巻線
w1 巻線
w2 巻線
w3 巻線
w4 巻線
Claims (5)
- 永久磁石からなる回転子、ステータ及び整流回路を備える永久磁石式発電機において、前記ステータはn相(nは2以上の整数)に区分され、前記各相には、それぞれm個(mは2以上の整数)の巻線が直列に配置され、総計n×m個の巻線が前記ステータに配置されており、前記整流回路は、直列につないだ2個のダイオードを並列にm個接続された複数の整流器を備えており、前記複数の整流器は、前記各相の直列接続された巻線のうち異なる巻線数が接続されるように、それぞれ前記巻線の直列接続の分岐点又は末端と接続されており、前記各整流器のプラス極側及びマイナス極側はそれぞれ個別にオン・オフ可能なスイッチを介して出力端子と接続されていることを特徴とする永久磁石式発電機。
- 前記整流器の個数は、前記各相に配置される巻線の数と同じm個であることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式発電機。
- 前記回転子は中心に配置され、前記ステータは外周部に配置され、前記nは3、前記mは3である請求項1または2に記載の永久磁石式発電機。
- 前記巻線の巻数が巻線によって異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の永久磁石式発電機。
- 前記nは3、前記mは4であって、三相における4個の巻線の巻き数の比率がそれぞれ2:2:1:1であることを特徴とする請求項4に記載の永久磁石式発電機。
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