JP6057574B2 - 造血幹細胞識別用プローブ - Google Patents

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Description

本発明は、造血幹細胞識別用プローブ、造血幹細胞識別用プローブを用いた方法、キットに関する。
造血幹細胞は、白血球(顆粒球、リンパ球、単球、マクロファージなど)、赤血球、血小板、肥満細胞、樹状細胞などすべての系列の血液細胞を作り出すことのできる多分化能と、自己複製能を有する細胞である。白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの血液癌や、再生不良性貧血などの造血機能が傷害される疾患の治療法として、化学療法・放射線療法を伴う造血幹細胞の移植療法が確立されている。
造血幹細胞移植を行うに当たっては、臍帯血、骨髄、あるいは末梢血等から、造血幹細胞を含む細胞を効率良く採取し、識別・分離・濃縮する必要がある。また、体性幹細胞の分化機構や未分化性維持機構を解明するモデルとしてヒト以外の哺乳動物(マウスやラットなど)の造血幹細胞を用いる研究も盛んに行われており、ここでも造血幹細胞の効率よい識別・分離・濃縮する方法が求められている。
造血幹細胞の分離方法としては、血液成分分離装置を用いて単核球成分を取り出し、さらに造血幹細胞の表面を磁気ビーズで標識し、非標識細胞と分離する方法や、セルソーターを用いた方法がある。
セルソーターを利用する際は、細胞表面マーカーにより標識された細胞を選択的にソーティングする方法や、色素を排出する性質を持つ細胞をソーティングする方法などが知られており、高精度な細胞の分離が可能である。
セルソーターによる細胞表面マーカーを用いた分画では、c−Kit陽性、Sca−1陽性かつlineage marker陰性という細胞表面抗原の発現パターンを持つ分画(KSL分画)、さらにマウスにおいてはCD34陰性を加えたCD34(−)−KSL分画、KSL−SP分画が造血幹細胞を高濃度に含んでいることが明らかにされており、これらの分画がしばしば造血幹細胞と同義に用いられている。c−Kitは、造血幹細胞に近い多分化能を有している造血前駆細胞のすべてに発現していることが知られており、造血幹細胞および造血前駆細胞を含む未分化造血細胞の簡易的なマーカーとして用いることができる。さらに、CD150陽性、CD48陰性の分画に造血幹細胞が濃縮されていることも報告されており、単独で、あるいはCD34(−)―KSLと併用して用いられる。
また、JAM−1をマーカーとして用いる方法(特許文献1)、Robo−4タンパク質をマーカーとして用いる方法(特許文献2)、細胞表面のヒアルロン酸に対するマーカーを用いる方法が開示されている(特許文献3)。
一方、色素を用いる方法としては、DNAに結合するHoechst 33342を特異的に排出する細胞であるSP(side population)を濃縮する方法が広く知られている(非特許文献1)。他にも、Rhodamine 123が造血幹細胞により排出されることが開示されている(非特許文献2)。
造血幹細胞を濃縮した細胞集団を容易が識別、分取できれば、例えば癌の化学療法のような造血を傷害する処置を受けた患者の造血能を再生させるために濃縮・分取した造血幹細胞を移植する際にも極めて有用となるだけでなく、造血幹細胞の画像解析や、造血幹細胞の挙動に影響を及ぼす生理活性物質の同定などが可能になる。
特開2004−242513号公報 WO2007/010586 特開2009−232853号公報 特開2010−095562号公報
Goodell MA et al., J Exp Med. 1996;183, 1797−1806 Wolf, NS et al.,Exp Hematol.1993; 21, 614−622
しかし、特許文献1から3などに開示されている細胞表面マーカーを用いた造血幹細胞の分離・濃縮方法は、高価なモノクローナル抗体などを複数組み合わせて使用するため費用がかかる、抗体により分離された細胞の機能が阻害される可能性がある、抗体の非特異的吸着を防ぐためのブロッキング操作が必要な場合があることなどの課題があった。
一方、色素を用いる方法の場合、試薬を抗体に較べて安価に入手できる点で優れているが、Hoechst 33342は350nmの波長付近で励起させる必要がある。この波長に対応するためには、紫外線レーザーが必要であるが、紫外線レーザーは高額であるので、一般的なセルソーター装置では搭載されておらず、したがって、Hoechst 33342は汎用的に使用することができなかった。更に、Hoechst 33342は、DNA結合性色素であるため、変異原性が懸念され、取扱いに注意が必要であるという課題もあった。非特許文献2に開示されているRhodamine 123は500nmの波長付近で励起させ、廉価な解析装置でも蛍光を検出可能である。しかし、Rhodamine 123造血幹細胞以外の多くの血球系細胞によっても排出されるため、造血幹細胞の濃縮に用いるには効率が低かった。
発明者らは、前記した課題を解決すべく鋭意検討の結果、下記一般式(1)で表される化合物は、造血幹細胞への取り込みが、他の血球系細胞と比べ低いことを見出し、本発明の造血幹細胞識別用プローブを完成した。
すなわち、発明者らは造血幹細胞を識別するための造血幹細胞識別用プローブであって、一般式(1)で表わされる化合物の中から選択される少なくとも1種類以上の化合物を含む事を特徴とする造血幹細胞識別用プローブを提供する。
ここで、一般式(1)中、Rは水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。RからRは各々独立して水素原子、アルキル基を表し、RとRが互いに結合して環を形成しても良い。Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を表す。Rはアルキル基、カルボキシアルキル基を表す。Rは、硫黄原子、または一般式(4)で表される基を表す。
一般式(4)中、*は一般式(1)との結合箇所を示す。R13は、アルキル基、またはカルボキシアルキル基を表す。
また、本発明者らは、造血幹細胞識別用プローブを用いた識別方法、分取方法、評価方法、分析方法、スクリーニング方法及びキットを開発し、提供する。
本発明の造血幹細胞識別用プローブの提供により、簡便、安全、且つ、廉価な方法で、造血幹細胞を解析することが可能となった。また、造血幹細胞の効率的な分離・濃縮や、造血幹細胞の評価、及び、造血幹細胞に影響を及ぼす生理活性物質の評価や分析などが可能となった。
実験例1で染色液に暴露された骨髄細胞の化合物7由来の2種類の蛍光シグナルで展開したサイトグラムを示す。 実験例1の骨髄細胞の蛍光抗体マーカーで展開したサイトグラムと、これらの蛍光抗体マーカーの造血幹細胞分画を化合物7由来の2種類の蛍光シグナルで展開したサイトグラムを示す。 実験例18の骨髄細胞の蛍光抗体マーカーで展開したサイトグラムと、これらの蛍光抗体マーカーの造血幹細胞分画を化合物7由来の2種類の蛍光シグナルで展開したサイトグラムを示す。 実験例19において、骨髄細胞に化合物7を暴露したもの、同時にfumitremorgin Cを暴露したもの、及び、digoxinを暴露したもの、それぞれのサイトグラムを示す。
(造血幹細胞識別用プローブ)
本発明は第一の実施形態として造血幹細胞用識別用プローブを提供する。
本発明の造血幹細胞識別用プローブは、造血幹細胞による取り込みが、その他の細胞による取り込みよりも低いことを利用して造血幹細胞を識別するための造血幹細胞識別用プローブであって、一般式(1)で表される化合物の中から選択される少なくとも1種類以上の化合物を含む事を特徴とする。
一般式(1)中、Rは水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。RからRは各々独立して水素原子、アルキル基を表し、RとRが互いに結合して環を形成しても良い。Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を表す。Rはアルキル基、カルボキシアルキル基を表す。Rは、硫黄原子、または一般式(4)で表される基を表す。
一般式(4)中、*は一般式(1)との結合箇所を示す。R13は、アルキル基、またはカルボキシアルキル基を表す。
前記一般式(1)中のRにおけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
におけるアラルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンジル基、またはフェネチル基等が挙げられる。
におけるアルケニル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビニル基、2,2−ジフェニルビニル基、3−ブテニル基、またはシクロヘキセニル基等の炭素数2から20個のアルケニル基が挙げられる。
におけるアリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−チオメチルフェニル基、3−チオメチルフェニル基、4−チオメチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
におけるヘテロ環基としては、特に限定されるものではないが、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、チエニル基、フリル基、モルホリニル基、ピペリジニル基等が挙げられる。
は、上記に列挙した置換基から、それぞれ独立に且つ任意に選択できるが、好ましい形態としてはアラルキル基、アルケニル基、またはアリール基等の場合が蛍光の強度が強いため好ましく、具体的には、フェニル基、4−ブロモフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−チオメチルフェニル基、4−チオメチルフェニル基等が特に好ましい。
前記一般式(1)中のRからRにおけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
からRにおけるアリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
とRが互いに結合して形成する環としては、特に限定されるものではないが、例えば、シクロオクタン環、シクロヘプタン環、シクロヘキサン環、シクロペンタン環、またはシクロブタン環等の飽和脂肪族環、シクロペンテン環、またはシクロヘキセン環等の部分飽和脂肪族環等が挙げられる。
からRとして、好ましくは、各々独立して水素原子、アルキル基、またはアリール基、RとRが互いに結合して環を形成している場合であり、より好ましくは、RとRが互いに結合して環を形成している場合が化学構造上安定であるので好ましい。具体的には、シクロオクタン環、シクロヘプタン環、シクロヘキサン環、シクロペンタン環、またはシクロブタン環が挙げられる。より好ましくはシクロペンタン環が特に造血幹細胞に暴露した際の蛍光強度が低いため、解析用プローブとして好ましい。
前記一般式(1)中のRにおけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
前記一般式(1)中のRにおけるアルコキシ基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子等が挙げられる。
として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、またはアルコキシ基の場合であり、より好ましくは水素原子、またはハロゲン原子の場合である。ハロゲン原子としては、臭素原子が好ましい。
におけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
におけるカルボキシアルキル基(ただし炭素鎖中の−CH2−CH2−が−CONH−で置換されていてもよい)としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸基、プロピオン酸基、ブタン酸基、または、下記、化合物(1)〜(6)が挙げられる。化合物中、*はNとの結合部位を表す。
一般式(4)中のR13の置換基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基、アリル基、カルボキシアルキル基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。
造血幹細胞とは、上記のように、白血球(顆粒球、リンパ球、単球、マクロファージなど)、赤血球、血小板、肥満細胞、樹状細胞などすべての系列の血液細胞を作り出すことのできる多分化能と、自己複製能を有する細胞を指す。なお、細胞表面抗原の発現パターンにより造血幹細胞と認められる分画に含まれる細胞と同義に用いる場合もある。造血幹細胞と認められる分画の例として、c−Kit陽性、Sca−1陽性かつlineage marker陰性という細胞表面抗原の発現パターンを持つ分画(KSL分画)、さらにマウスにおいてはKSL分画にCD34陰性を加えたCD34(−)−KSL分画、KSL−SP分画、また、CD150陽性、CD48陰性の分画、あるいはHoechst 33342の排出性が高いSPに濃縮される分画を挙げることができる。
また、本発明の造血幹細胞には、造血幹細胞に近い多分化能を有している造血前駆細胞を含んでも良い。造血幹細胞および造血前駆細胞のマーカーとしては、c−Kitを簡易的なマーカーとして用いることができる。また、造血幹細胞および造血前駆細胞の機能的な評価手法のひとつとしては、造血コロニー形成細胞アッセイを行い、造血コロニー形成能を評価することが行われる。
本発明でいう、その他の細胞とは、造血幹細胞以外の細胞を指す。本発明の造血幹細胞識別用プローブが、特に、骨髄液、あるいは、末梢血や臍帯血等の血液中に含まれる細胞中の造血幹細胞の識別に多く用いられることを鑑みれば、その他の細胞の例として、骨髄液、あるいは血液中に含まれる、すでに分化した細胞を指すことができ、より具体的には、成熟した、白血球(顆粒球、リンパ球、単球、マクロファージなど)、赤血球、血小板、肥満細胞、樹状細胞などを例示することができる。
本明細書において、細胞による取り込みとは、細胞が物質をなんらかの形で取り込むことを指し、たとえば、物質が細胞膜、細胞質、核、細胞内小器官などに取り込まれることを指す。取り込みの機序は問わず、たとえば、エンドサイトーシス、共有結合、疎水効果による細胞膜への取り込みなどが含まれる。なお、取り込みが高いとは、高い効率で物質を取り込むことをいい、取り込みが低いとは、低い効率で物質を取り込むことをいう。取り込みの高低は、取り込まれた物質がもつ性質に基づいて判断することが可能である。たとえば、物質が色素であれば、吸光度に基づいて、蛍光特性を持つ場合は、励起光を照射して得られる発光の度合いに基づいて、その他、物質が、電気化学活性、磁気活性などの性質を持つ場合は、それらの性質に基づいて適宜判断することが可能である。
本発明の化合物は細胞に取り込まれることによって、蛍光強度が変化する。すなわち、取り込まれる前と比べ、細胞に取り込まれると、蛍光強度が2倍以上、より好ましくは5倍以上に増強する。
細胞に取り込まれることによって蛍光が増強するという特性により、本発明の造血幹細胞識別用プローブが造血幹細胞以外の細胞に取り込まれた際の蛍光強度が増加し、プローブを取り込まない造血幹細胞との蛍光強度の差がより大きくなり、区別が明確になる。また、相対的にバックグラウンドが低くなるため、染色後の洗浄操作がなくても、プローブを取り込んだ細胞識別が可能となる。
蛍光強度の増強は、1)細胞に取り込まれることにより蛍光分子の分散性が向上し、濃度消光効果が低下する結果、蛍光強度が増加する、2)蛍光分子が生体分子に吸着することにより蛍光分子がrigidになることで、蛍光量子収率が高くなる、といった機構によると考えられる。
なお、本明細書中の細胞は、生物種は問わず、例えば、脊椎動物としては、トラフグ、クサフグ、ミドリフグ、メダカ、若しくはゼブラフィッシュ等の硬骨魚類、アフリカツメガエル等の両生類、ニワトリ若しくはウズラ等の鳥類、ラット、マウス、若しくはハムスター等の小動物、ヤギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウシ、若しくはウマ等の大型動物、または、サル、チンパンジー、若しくはヒト等の霊長類などが挙げられる。細胞の採取前にG−CSFを個体に投与して造血幹細胞を増やしてから採取しても良い。
本発明の造血幹細胞識別用プローブに含まれる化合物の濃度は特に限定されるものではなく、適宜調節されるが、通常は0.001ng/mL以上100μg/mL以下の濃度で用いられ、より好ましくは0.01ng/mL以上10μg/mL以下の濃度で用いられる。
本発明の造血幹細胞識別用プローブは、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種類以上を適当な溶媒に溶解させて用いる。溶媒としては、特に限定されるものではないが、細胞あるいは生体に影響が低いものが好ましく、例えば、生体との親和性が高い水性の液体が好ましい。具体的には、水;生理食塩水;リン酸緩衝液(PBS);若しくはTris等の緩衝液;D−MEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)若しくはHBSS(Hanks' Balanced Salt Solutions、ハンクス平衡塩)等の細胞培養用培地、市販のFACS解析用バッファー等、または乳酸リンゲル液等の輸液が挙げられる。これらの溶媒には、特に水が50%以上含まれていることが好ましい。また、これらの溶媒を2種以上混合して用いることもできる。また、これらの溶媒には、ウシ胎児血清(FBS)、ウマ血清などの血清や、アジ化ナトリウムなどの抗菌剤などを添加して使用することもできる。特に、生理食塩水;リン酸緩衝液(PBS);若しくはTris等の緩衝液;D−MEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)若しくはHBSS(Hanks' Balanced Salt Solutions、ハンクス平衡塩)等の細胞培養用培地、市販のFACS解析用バッファー等、または乳酸リンゲル液等の輸液などが、細胞に適した塩濃度やpH等を制御する上で好ましく用いられる。
また、必要であれば添加剤を1種類またはそれ以上組み合わせて添加することができる。本発明に用いられる添加剤としては、造血幹細胞識別用プローブに影響がなければ特に限定されるものではないが、例えば、保湿剤、表面張力調整剤、増粘剤、塩化ナトリウムのような塩類、各種pH調整剤、pH緩衝剤、防腐剤、抗菌剤、甘味剤、または香料等が挙げられる。
本発明の造血幹細胞識別用プローブの調製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上記のような溶媒に溶解させた化合物の濃厚溶液を希釈して調製することができる。化合物の水溶性が低い場合には、適当な溶媒に溶解させてから希釈して用いることができる。濃厚溶液を作成する場合には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、若しくはグリセリン等のアルコール系溶媒;N,N−ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」と略する)若しくはN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略する)等の有機溶媒を用いることができる。これらの溶媒のうち、メタノール、エタノール、またはDMSOが特に好ましい。
本発明の造血幹細胞識別用プローブに含まれる化合物は、少なくとも1種類以上の薬物トランスポーターの基質となることをその特徴とする。薬物トランスポーターとしては、特に限定されるものではないが、ABCトランスポーター、SLCトランスポーター、グルコーストランスポーター、またはドーパミントランスポーターなどがあげられる。これらの薬物トランスポーターの中でも好ましくは、排出トランスポーターであり、より好ましくは、ABCトランスポーターであり、さらに好ましくは、Pgp、BCRP(Breast Cancer Resistance Protein)、またはMRP(Multidrug resistance−associated Protein)の基質となるものである。
「薬物トランスポーターの基質となる」とは、流入トランスポーターによって選択的に輸送されることができるか、または流入トランスポーター阻害剤の存在下では輸送されることができないか、若しくはその薬物トランスポーターを介しての移行性が変化することを意味する。あるいは、排出トランスポーターにより選択的に輸送されるか、排出トランスポーター阻害剤の非存在下ではその薬物トランスポーターにより輸送されるが阻害剤の存在下では輸送されないか、または排出トランスポーター阻害剤の存在下でその薬物トランスポーターを介しての移行性が変化することを意味する。
本発明にかかる一般式(1)で表される化合物は、公知の方法(例えば、特許文献4)により合成することができる。
本発明の造血幹細胞識別用プローブは、より好ましくは、下記一般式(2)で表わされる化合物のうち少なくとも1種を有効成分として含むことができる。
一般式(2)中、Rはアリール基を表す。R10はアルキル基、または、カルボキシアルキル基を表し、R11はアルキル基、アラルキル基、アリル基、または、カルボキシアルキル基を表す。
前記一般式(2)中のRにおけるアリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−チオメチルフェニル基、3−チオメチルフェニル基、4−チオメチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
さらには、フェニル基、4−ブロモフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−チオメチルフェニル基、4−チオメチルフェニル基等が特に造血幹細胞に暴露した際の蛍光強度が低いため、解析用プローブとして好ましい。特に4−メトキシフェニル基が優れている。
前記一般式(2)中のR10からR11におけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
10におけるカルボキシアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、カルボキシメチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基等が挙げられる。
11におけるアラルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンジル基、またはフェネチル基等が挙げられる。
11におけるカルボキシアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、カルボキシメチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基等が挙げられる。
また、本発明の造血幹細胞識別用プローブとして、下記一般式(3)で表わされる化合物のうち少なくとも1種を有効成分として含むことが好ましい。
一般式(3)中、R12はアリール基を表す。
前記一般式(3)中のR12におけるアリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−チオメチルフェニル基、3−チオメチルフェニル基、4−チオメチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
より具体的には、フェニル基、4−ブロモフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−チオメチルフェニル基、4−チオメチルフェニル基等が特に造血幹細胞に暴露した際の蛍光強度が低いため、解析用プローブとして好ましい。特に4−メトキシフェニル基が優れている。
以下に、本発明の一般式(1)で表わされる化合物のうち、好ましい具体例として、化合物(7)から(23)を示す。これらの化合物は、波長400から700nmの励起光により発光し、より好ましくは波長450から650nmの励起光により発光する。455から530nm付近の励起光により発光する化合物は、488nmレーザーが搭載されている汎用性の高い廉価な解析装置を用いることができる。
なお、上記の化合物の中でもとりわけ(7)、(18)、(19)、(22)、(23)は好ましい。
(造血幹細胞の識別方法)
本発明は第二の実施形態として造血幹細胞の識別方法を提供する。すなわち、
本発明は、細胞集団に本発明の造血幹細胞識別用プローブを付与し、その取り込みに基づいて細胞集団中の造血幹細胞を識別することを特徴とする識別方法を提供する。
さらには、造血幹細胞識別用プローの取り込みが低い細胞を造血幹細胞として識別することでき、造血幹細胞識別用プローブが蛍光特性を有する場合には、その蛍光に基づいて、細胞集団中の造血幹細胞を識別することができる。
本発明の第二の実施形態である造血幹細胞の識別方法は、本発明の造血幹細胞識別用プローブを細胞試料に暴露して染色した後、フローサイトメトリー法や、FACSなどの識別用装置を用いて、造血幹細胞識別用プローブの細胞内への取り込み量に基づく蛍光強度の比較に基づいて行うことができる。また、染色した細胞を蛍光顕微鏡下で観察を行い、細胞内への取り込み量を画像的に識別することで行うこともできる。
<装置>
フローサイトメトリー法や、FACSなどの識別用装置を用いて識別を行う際には、前方散乱や側方散乱などの光学特性を同時に用いて、識別用装置に検出されたシグナルのうち、細胞以外の粒子由来のシグナルなどを除外することが好ましい。また、死細胞を死細胞検出試薬によって染色することで、生細胞のみを対象にして行うことが好ましい。死細胞検出試薬は、市販の試薬が好適に用いられる。
<染色>
本発明の造血幹細胞識別用プローブの曝露は、適当な容器内で造血幹細胞識別用プローブが含まれた染色液に細胞試料を混合することで行うことができる。暴露するときの温度は、特に限定されるものではないが、4から42℃の温度で、更に好ましくは、4から38℃、更に好ましくは、31から38℃、最も好ましくは37℃で暴露することが好ましい。
暴露する時間は、特に限定されるものではないが、5分以上、24時間以下、より好ましくは、5分以上、4時間以下、さらに好ましくは、5分以上、1時間以下で暴露することが好ましい。
<洗浄>
暴露後は、必要に応じて洗浄操作を加えてもよい。洗浄操作は、遠心により細胞試料を沈降させたうえで染色液を除去した後、造血幹細胞識別用プローブを含まない溶液(洗浄溶液)を加えることで行うことができる。洗浄操作は、必要に応じて1回以上繰り返してもよい。また、洗浄溶液に一定時間細胞試料を入れたままにしてもよい。暴露された細胞試料は、細胞が凝集しないように攪拌したり、フィルターを通したりしてもよい。
<識別>
暴露された細胞試料は、上記のフローサイトメトリー法や、FACSなどの識別用装置にて細胞試料中の各細胞の蛍光強度、前方散乱、側方散乱などの光学特性を検出し、そのデータを専用の解析ソフトウェアで光学特性のパラメータによって展開することで行うことができる。また、暴露された細胞試料を、蛍光顕微鏡下で取り込みの違いによって識別してもよい。本発明の造血幹細胞識別用プローブを用いれば、造血幹細胞は造血幹細胞識別用プローブ由来の蛍光強度が低い細胞として識別することができる。複数の励起光の照射および、複数の蛍光を検出することにより、造血幹細胞識別用プローブ由来の蛍光を複数の励起光・蛍光波長の組み合わせで検出してもよい。複数の励起光・蛍光波長の組み合わせにより、細胞の種類により取り込まれた造血幹細胞識別用プローブの蛍光波長の変化を検出することができるため、細胞の種類の識別に有用な情報となる。
顕微鏡下で観察を行う場合は、細胞に励起光を照射することにより、細胞の内部において造血幹細胞識別用プローブを発光させた状態で細胞集団を撮像すれば発光部位と、非発光部位を容易に検出することができる。また、可視光を照射して得られた明視野画像と励起光を照射して得られた蛍光画像を画像処理手段で組み合わせることで、より詳細に細胞中の造血幹細胞の分布を観察することもできる。また、共焦点顕微鏡を用いれば、光学的な切片画像を取得することができるため、好ましい。さらに、多光子励起蛍光顕微鏡は、高い深部到達性と空間解像力を持つため、細胞集団内部の観察に好ましく用いられる。
(造血幹細胞の分取方法)
本発明は、第三の実施形態として造血幹細胞の分取方法を提供する。すなわち、本発明は上記第二の実施形態である造血幹細胞の識別方法を用いて、造血幹細胞を分取する分取方法を提供する。
より具体的には、本発明の造血幹細胞識別用プローブを付与し、その取り込みに基づいて、造血幹細胞を選択的に収集(ソーティング)することによって、行うことができる。細胞のソーティングは、市販のFACS装置が好適に用いられる。また、画像的に識別を行う場合には、造血幹細胞、あるいは、造血幹細胞以外の細胞を選択的に収集あるいは除去することによっても行うことができる。選択的な収集または除去には、アスピレータなどを用いることができる。なお、分取とは、造血幹細胞を選択的に分離すること、または濃縮することを指す。
(細胞集団の評価方法)
本発明は、第四の実施形態として、細胞集団の評価方法を提供する。
細胞集団の評価方法においては、本発明の造血幹細胞識別用プローブを細胞試料に暴露する工程を含む。また、本発明の評価方法では、造血幹細胞識別用プローブを細胞試料に暴露した後、あるいは、同時に、被検物質を細胞集団の一部、または全部に作用させてもよい。本発明の評価方法は、さらに、該造血幹細胞識別用プローブの細胞への取り込みを検出する工程を含む。これにより、細胞集団に含まれる造血幹細胞の数や割合を評価することができる。被検物質を作用させている場合には、被検物質による造血幹細胞の数や割合に対する効果を評価することができる。この際、被検物質を作用させる細胞試料と、被検物質を作用させない細胞試料を別々に評価することにより、被検物質の有無による造血幹細胞の数や割合の変化から、被検物質の作用に関する情報を得ることができる。被検物質は二種類以上用いて、被検物質間の作用の違いについて情報を得ることもできる。
(分析方法)
本発明は第五の実施形態として、物質を細胞に付与し、同時に、あるいはその前後に、その細胞に造血幹細胞識別用プローブを付与し、その取り込みに基づいて分析することを特徴とする分析方法を提供する。物質は、造血幹細胞識別用プローブによる識別に影響を与えるものでもよいし、影響を与えないものでもよい。造血幹細胞識別用プローブの識別に影響を与えない物質の場合には、造血幹細胞識別用プローブによって識別された造血幹細胞に対する被検物質の相互作用を検出することができる。相互作用の検出には、蛍光を用いてもよい。被検物質が蛍光を有する場合は、評価を正確に行うために、本発明の造血幹細胞マーカーとは異なる励起波長、あるいは、異なる蛍光波長を有するように、被検物質、あるいは、造血幹細胞マーカーを選択することが好ましい。励起波長、あるいは、蛍光波長が異なれば、造血幹細胞マーカー由来の蛍光シグナルと、被検物質由来の蛍光シグナルをそれぞれ検出することにより、造血幹細胞に対する被検物質の結合、取り込みなどを分析することができる。蛍光を有する被検物質としては、特に限定されるものではないが、蛍光性の表面抗原マーカーでもよいし、蛍光を有する有機分子や無機分子などが挙げられる。
(スクリーニング方法)
本発明は第六の実施形態として、物質を細胞に付与し、同時に、あるいはその前後に、その細胞に造血幹細胞識別用プローブを付与し、その取り込みに基づいて物質をスクリーニングすることを特徴とするスクリーニング方法を提供する。スクリーニングにおいては本発明の上記の評価方法または分析方法を用いて、複数の被検物質の造血幹細胞に対する効果を評価、分析することができる。例えば、造血幹細胞に発現している化合物の流入及び排出トランスポーターの働きに作用する生理活性物質を評価することができる。特に排出トランスポーターの働きを好適に評価することができる。より好ましくは、ABCトランスポーターを評価することができる。本発明の造血幹細胞識別用プローブを用いた場合、生理活性物質の影響によって排出トランスポーターの働きが阻害されることで、造血幹細胞の分離が悪くなる、あるいは、他の細胞との差がなくなる場合に、その生理活性物質が排出トランスポーターに対する作用を有していることを評価することができる。
または、造血幹細胞に発現している表面抗原を調べるために、被検物質として蛍光標識された抗表面抗原抗体を用いれば、造血幹細胞に結合性の高い抗体の種類をスクリーニングすることができる。
また、被検物質として造血幹細胞による取り込みが不明な蛍光物質を使用すれば、造血幹細胞識別用プローブによって識別された造血幹細胞に対する被検物質の作用を、蛍光強度で評価することができる。
(キット)
本発明は第七の実施形態として造血幹細胞識別用プローブを含むことを特徴とするキットを提供する。キットに含まれるものは特に限定されるものではないが、造血幹細胞識別用プローブを細胞に暴露する際に必要となる容器、試薬などを含むことができる。
以下、実施例を示す。
<合成例1>
本発明のプローブの例として、化合物7の合成例を示す。
アルデヒド(A)3.3g(11.4mmol)の酢酸20mL溶液に化合物(B)3.6g(11.5mmol)、酢酸アンモニウム0.9gを添加して、還流下2時間攪拌させた。反応終了後、冷却させながら、ゆっくり水50mLを滴下して室温まで冷却した。析出した個体をろ過して、水100mLで2回洗浄し、更に、2−プロパノール50mLで洗浄して、化合物(7)4.0g(収率59.9%)を得た。アルデヒド(A),化合物の構造を以下に示す。
目的物である事は、1H核磁気共鳴分光分析(ECA−400、日本電子(株)製)、LC/TOF MS(LC/MSD TOF、Agilent Technologies社製)によって確認した。
<他の色素化合物の合成例>
上記合成例1に準じた方法で、下記表1に示す他の化合物を合成した。これらの化合物の構造は、前記した分析装置で確認した。
<化合物の蛍光特性の測定>
化合物7から23について5μMのDMSO溶液を調製し、日立ハイテク社製FL4500蛍光分光測定機で励起波長及び蛍光波長を測定した(表1)。
[造血幹細胞識別用プローブによる造血幹細胞の評価]
(実験例1)
1mMの前記化合物7のDMSO溶液を、2%FBSおよび10mMのHEPESを含有したHBSSバッファーに加えて、前記化合物7の濃度が1μMの染色液を得た。C57BL/6マウス(12週齢)の大腿骨から採取し、溶血した骨髄細胞を1x10個/mLで上記染色液に加え、37℃で30分間暴露した。暴露後、遠心して細胞を沈降させ、染色液を除去し、2.4G2(抗マウス Fcγレセプター II・III 抗体産生ハイブリドーマ上清)でブロッキング処理を行った。ブロッキングした細胞を、さらに抗c-Kit抗体、抗Sca−1抗体、抗CD34抗体、およびLineage Markerで蛍光免疫染色を行った。 また、TO−PRO−3による死細胞染色を行った。各抗体による蛍光標識は、それぞれの蛍光波長がお互いに重ならないように、また化合物7の蛍光波長、およびTO−PRO−3の蛍光波長に重ならないように選択した。次に、細胞をBD社製FACSAria IIセルソーターで解析した。解析では、TOPRO3のシグナルが低い細胞集団を対象とすることで、死細胞を除去した細胞集団に対して行った。
まず、化合物7由来の蛍光シグナルを、488nm励起の2つのチャンネル(PE−Cy5; 660/20nmおよび、PerCP−Cy5.5; 710/50 nm;中心波長/波長幅)におけるシグナル強度で解析した細胞の蛍光強度をサイトグラムに展開した。その結果、前記化合物7を含む染色液を暴露した骨髄細胞は、図1に示すように、幅広い蛍光強度を有する細胞が含まれていることが分かった。
また、Lineage Marker(−)の細胞分画について、図2に示すように、造血幹細胞のマーカーであるSca−1(+)、c−Kit(+)、及び、CD34(−)の細胞分画を図1と同じように化合物7由来の2種類の蛍光シグナルでサイトグラムに展開した。その結果、Lineage Marker(−)、Sca−1(+)、c−Kit(+)、及び、CD34(−)の造血幹細胞分画の94.7%が図1の矢印で示した2種類の蛍光シグナルのどちらともプローブの取り込みが低い細胞集団に濃縮されていることが分かり、化合物7によって造血幹細胞の識別ができることが分かった。また、化合物7で識別された細胞だけを、ソーティングして分取することができた。
(実験例2から17)
実験例1で使用した化合物7を化合物8から23に変更した以外は、実験例1と同様の方法で、化合物8から23由来の蛍光シグナルを解析した。その結果、表2に示すように、化合物8から23によっても、造血幹細胞の識別ができることが分かった。
(比較例1)
実験例1で使用した化合物7をフルオレセインに変更した以外は、実験例1と同様の方法で、フルオレセイン由来の蛍光シグナルを解析した。その結果、フルオレセインは細胞集団全体的に取り込みが低く、造血幹細胞の識別ができないことが分かった。
(比較例2)
実験例1で使用した化合物7をMitoTrackerR Green FMに変更した以外は、実験例1と同様の方法で、MitoTrackerR Green FM由来の蛍光シグナルを解析した。その結果、MitoTrackerR Green FMは細胞集団を全体的に染色するため、造血幹細胞の識別ができないことが分かった。
上記の実験例1から17により、本発明の造血幹細胞識別用プローブを用いることで、造血幹細胞の識別及び、分取が可能であることが示された。
色素化合物の造血幹細胞の識別を示す。
評価法は以下のAからCの三段階で行った。
A:造血幹細胞の識別が非常に良い
B:造血幹細胞の識別が良い
C:造血幹細胞の識別が悪い
(実験例18)
実験例1と同様の方法でマウスから採取した細胞を化合物7に暴露および、ブロッキング処理を行った。被験物質としての抗体マーカーである抗CD48抗体と抗CD150抗体の造血幹細胞による取り込みを評価するために、ブロッキングした細胞を、さらに抗CD48抗体および、抗CD150抗体で染色を行った。また、TO−PRO3による死細胞染色を行った。次に、細胞をBD社製FACSCantoIIフローサイトメーターで解析した。解析では、TOPRO3のシグナルが低い細胞集団を対象とすることで、死細胞を除去した細胞集団に対して行った。
その結果、図3に示されるように、CD48(−)および、CD150(+)で分画される細胞の89.4%が実験例1と同ように化合物7由来の2種類の蛍光シグナルで展開したサイトグラム上で造血幹細胞が識別される領域に存在することが分かった。
本実験例から、本発明の造血幹細胞識別用プローブを用いることで、被験物質(抗体マーカー)の造血幹細胞に対する効果を評価・分析・スクリーニングすることが可能であることが示された。
(実験例19)
実験例1と同様の方法でマウスから採取した細胞に対して、被験物質としてのfumitremorgin Cおよび、digoxin(それぞれ1μM)の存在下で、化合物7を暴露した。実験例1と同様の方法によるブロッキング処理の後、造血幹細胞および造血前駆細胞のマーカーである抗cKit抗体で染色を行った。また、TO−PRO−3による死細胞染色を行った。次に、細胞をBD社製FACSAria IIセルソーターで解析した。解析では、TO−PRO−3のシグナルが低い細胞集団を対象とすることで、死細胞を除去した細胞集団に対して行った。
その結果、図4に示されるように、造血幹細胞および造血前駆細胞のマーカーのひとつであるcKit(+)、化合物7由来シグナル(−)で識別される造血幹細胞が、阻害剤非存在下(w/o inhibitors)では、細胞全体の0.75%を占めていたのに対して、fumitremorgin C暴露では、0.00%になり、一方digoxin暴露では、0.50%になることが分かった。つまり、被験物質の添加により、c-kit(+)かつ化合物7由来シグナル(―)の造血幹細胞群が減少することが確認された。
本実験例から、本発明の造血幹細胞識別用プローブを用いることで、被験物質(生理活性物質)の造血幹細胞に対する効果を評価・分析・スクリーニングすることが可能であることが示された。
本発明により提供される、造血幹細胞識別用プローブは、簡便、且つ安全性が高く、廉価な造血幹細胞の採取を可能にするための、有用な材料となる。また、造血幹細胞に影響を及ぼす生理活性物質のスクリーニング等についても、本発明の造血幹細胞識別用プローブを用いることで、ハイスループットで高精度なスクリーニングを低コストで行うことができ、造血幹細胞を用いた研究を飛躍的に発展させ、産業上及び実用化の上でもきわめて有効な基盤技術となる。

Claims (15)

  1. 造血幹細胞を識別するための造血幹細胞識別用プローブであって、一般式(1)で表わされる化合物の中から選択される少なくとも1種類以上の化合物を含む事を特徴とする造血幹細胞識別用プローブ。
    一般式(1)中、Rは水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、または、ヘテロ環基を表す。RからRは各々独立して水素原子、アルキル基を表し、RとRが互いに結合して環を形成しても良い。Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を表す。Rはアルキル基、カルボキシアルキル基(ただし炭素鎖中の−CH2−CH2−が−CONH−で置換されていてもよい)を表す。Rは、硫黄原子、または一般式(4)で表される基を表す。
    一般式(4)中、*は一般式(1)との結合箇所を示す。R13は、アルキル基、アラルキル基、アリル基またはカルボキシアルキル基を表す。
  2. 前記一般式(1)中、RとRがシクロペンタン環の一部として結合していることを特徴とする請求項1に記載の造血幹細胞識別用プローブ。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(2)で表わされる事を特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の造血幹細胞識別用プローブ。
    一般式(2)中、Rはアリール基を表す。R10はアルキル基、または、カルボキシアルキル基を表す。R11はアルキル基、アラルキル基、アリル基、または、カルボキシアルキル基を表す。
  4. 前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(3)で表わされる事を特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の造血幹細胞識別用プローブ。
    一般式(3)中、R12はアリール基を表す。
  5. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記(7)(18)(19)(22)及び(23)で示される化合物の中から選択される少なくとも一つである請求項1に記載の造血幹細胞識別用プローブ。
  6. 一般式(1)で表される化合物が、400から700nmの波長の光で励起されることにより蛍光を発することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の造血幹細胞識別用プローブ。
  7. 前記一般式(1)で表される化合物が、細胞に取り込まれることによって、蛍光強度が相対変化することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の造血幹細胞識別用プローブ。
  8. 細胞集団に請求項1から7のいずれか1項に記載の造血幹細胞識別用プローブを付与し、その取り込みに基づいて細胞集団中の造血幹細胞を識別することを特徴とする造血幹細胞の識別方法。
  9. 細胞集団に請求項6に記載の造血幹細胞識別用プローブを付与し、取り込まれた血幹細胞識別用プローブの蛍光に基づいて細胞集団中の造血幹細胞を識別することを特徴とする造血幹細胞の識別方法。
  10. 造血幹細胞識別用プローブの取り込みが低い細胞を造血幹細胞として識別することを特徴とする請求項9に記載の造血幹細胞の識別方法。
  11. 細胞集団に請求項1から7のいずれか1項に記載の造血幹細胞識別用プローブを付与し、その取り込みに基づいて、造血幹細胞を分取する造血幹細胞の分取方法。
  12. 細胞集団に請求項1から7のいずれか1項に記載の造血幹細胞識別用プローブを付与し、その取り込みに基づいて細胞集団の情報を得る細胞集団の評価方法。
  13. 物質を細胞に付与し、同時に、あるいはその前後に、その細胞に請求項1から7のいずれか1項に記載の造血幹細胞識別用プローブを付与し、その取り込みに基づいて分析することを特徴とする分析方法。
  14. 物質を細胞に付与し、同時に、あるいはその前後に、その細胞に請求項1から7のいずれか1項に記載の造血幹細胞識別用プローブを付与し、その取り込みに基づいて物質をスクリーニングすることを特徴とするスクリーニング方法。
  15. 請求項1から7のいずれか1項に記載の造血幹細胞識別用プローブを含むことを特徴とする、造血幹細胞識別用キット。
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