JP6057427B2 - 目地交差部用止水ゴム、その製造方法、および目地止水用可撓性継手 - Google Patents

目地交差部用止水ゴム、その製造方法、および目地止水用可撓性継手 Download PDF

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Description

この発明は、目地交差部に対応する平面形状を有し、目地交差部を覆う目地交差部用止水ゴムおよびその製造方法に関する。また、この発明は、その止水ゴムを用いた目地止水用可撓性継手に関する。
目地交差部を覆う目地止水用可撓性継手の従来例として、特許文献1,2に記載のものがある。
特許文献1,2に記載の従来の可撓性継手は、目地交差部を覆う止水ゴムを有している。この止水ゴムは、目地交差部に対応する平面形状、例えば十字形形状を有しているとともに、この十字形の腕の各方向に延びる部分においては、断面波形に形成されている。
そして、特許文献1の止水ゴムでは、目地交差部中央において、平面状に形成されている。
一方、特許文献2の止水ゴムでは、目地交差部中央において、平面視で十字形をなす窪みまたは突起を有している。
特開2009−144438号公報 特許第3670621号公報
しかし、特許文献1の可撓性継手では、目地交差部中央において、止水ゴムの伸びしろがない。
また、特許文献2の可撓性継手では、目地交差部中央において、止水ゴムの形状、構造が複雑で、製造が困難である。
この発明は、このような従来技術に鑑みてなされたもので、主たる目的は、目地交差部中央における伸びしろを確保できるとともに、目地交差部中央における構造が簡素で製造し易い目地交差部用止水ゴムおよび係る止水ゴムの製造方法を提供することである。また、係る止水ゴムを用いた目地止水用可撓性継手を提供することである。
請求項1記載の発明は、目地の長さ方向と直交方向に見た断面形状が波型を有するゴムを含み、目地交差部を含む目地領域に対応する平面形状に成型されていて、目地交差部を含む目地領域を覆う目地交差部用止水ゴムであって、前記目地交差部用止水ゴムは、目地の長さ方向に延び、目地交差部において先端同士がつき合わされた複数の目地被覆用止水ゴムと、前記止水ゴムのつき合わせ部を跨ぐように、当該つき合せ部に対し、各止水ゴムの長さ方向と斜め方向になるようにオーバーラップされた平織りの基布を内部に有するゴムシートと、を有し、前記止水ゴムの前記つき合わせ部および前記ゴムシートは、加硫されて一体化されていることを特徴とする目地交差部用止水ゴムである。
請求項2記載の発明は、前記止水ゴムは、平織りの基布を内部に有する請求項1に記載の目地交差部用止水ゴムである。
請求項3記載の発明は、前記目地交差部用止水ゴムの平面形状は、十字型を有し、十字型の交差中央部に向かって先端が延びるように配置された4枚の止水ゴムを含み、各止水ゴムの先端は、平面視で先の尖った90°の山形に形成されていてつき合わされていることを特徴とする請求項1または2に記載の目地交差部用止水ゴムである。
請求項4記載の発明は、前記4枚の止水ゴムには、それぞれ、当該止水ゴムの長さ方向に延びる複数の山形凸条が形成されており、各止水ゴムの先端部において、前記複数の山形凸条は左右両側へ分離するように方向を変えており、つき合わされた両隣の止水ゴムの山形凸条と接続されていることを特徴とする請求項3に記載の目地交差部用止水ゴムである。
請求項5記載の発明は、前記4枚の止水ゴムに形成された山形凸条は偶数であり、前記4枚の止水ゴムの先端がつき合わされて形成された十字型の交差中央部には、底部から盛り上がった独立形式の山部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の目地交差部用止水ゴムである。
請求項6記載の発明は、前記目地交差部用止水ゴムの平面形状は、T字型を有し、T字型の交差中央部に向かって先端が延びるように配置された3枚の止水ゴムを含み、直線状につき合わされる2枚の止水ゴムの先端は、長さ方向に直交方向にカットされたつき合わせ辺と、長さ方向に斜めにカットされた受け入れ辺とを含み、前記直線状につき合わされる2枚の止水ゴムに対して直角につき合わされる1枚の止水ゴムの先端は、平面視で先の尖った90°の山形に形成されていて、前記2つの受け入れ辺に当接するようにつき合わされていることを特徴とする請求項1または2に記載の目地交差部用止水ゴムである。
請求項7記載の発明は、前記直線状につき合わされる2枚の止水ゴムには、それぞれ、止水ゴムの長さ方向に延びる山形凸条と、当該止水ゴムの長さ方向に延びる山形凸条であって、その先端部において前記受け入れ辺方向に曲がった山形凸条とが形成されており、前記直線状につき合わされる2枚の止水ゴムに対して直角につき合わされる1枚の止水ゴムには、当該止水ゴムの長さ方向に延びる山形凸条であって、その先端部において左右両側へ分離するように曲がった山形凸条が形成されており、前記曲がった山形凸条の先端同士がつき合わせによって接続されていることを特徴とする請求項6に記載の目地交差部用止水ゴムである。
請求項8記載の発明は、前記各止水ゴムに形成された山形凸条は偶数であり、前記T字型の交差中央部には、底部から盛り上がった独立形式の山部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の目地交差部用止水ゴムである。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の目地交差部用止水ゴムを目地交差部に設置し、当該目地交差部用止水ゴムの側縁をコンクリート構造物に固定したことを特徴とする目地止水用可撓性継手である。
請求項10記載の発明は、目地交差部を含む目地領域に対応する平面形状に成型されていて、目地交差部を含む目地領域を覆う目地交差部用止水ゴムの製造方法であって、目地の長さ方向に延び、目地交差部において先端同士がつき合わされる複数の目地被覆用止水ゴムであって、平織りの基布を内部に有する所定長さの未加硫ゴムを目地数の分だけ準備し、未加硫ゴムの先端同士を隙間のないようにつき合わせ、つき合わせ部を跨ぐように、当該つき合わせ部に対して平織りの基布を内部に有する未加硫ゴムシートを貼り付け、その際、平織りの基布のコードが未加硫ゴムの長さ方向に対して斜めになるように貼り付け、その後、上下に未加硫ゴムシートを貼り付け加硫することにより一体化することを特徴とする目地交差部用止水ゴムの製造方法である。
請求項1記載の発明によれば、複数の止水ゴムの先端同士が互いにつき合わされるとともに、ゴムシートを介して加硫により互いに一体化されることにより、目地交差部を覆うことができて、しかも目地交差部中央における伸びしろを確保できる。さらに、目地交差部中央における構造が簡素で製造し易い目地交差部用止水ゴムを実現できる。
請求項2記載の発明によれば、基布により止水ゴムを補強することができる。
請求項3記載の発明によれば、各止水ゴムの先端同士を隙間のないように互いに突き合わせることができ、十字型の目地交差部用止水ゴムを容易に形成できる。
請求項4記載の発明によれば、十字型の交差中央部における止水ゴムの伸縮性を高めることができる。その結果、止水ゴムの十分な伸びしろの確保に寄与する。
請求項5記載の発明によれば、山部により、十字型の交差中央部における止水ゴムの伸縮性をより一層高めることができる。
請求項6記載の発明によれば、各止水ゴムの先端同士を隙間のないように互いに突き合わせることができ、T字型の目地交差部用止水ゴムを容易に形成できる。
請求項7記載の発明によれば、T字型の交差中央部における止水ゴムの伸縮性を高めることができる。その結果、止水ゴムの十分な伸びしろの確保に寄与する。
請求項8記載の発明によれば、山部により、T字型の交差中央部における止水ゴムの伸縮性をより一層高めることができる。
請求項9記載の発明によれば、コンクリート構造物の目地交差部を、可撓性継手により覆うことができる。この可撓性継手の止水ゴムの伸びしろを確保できるので、例えば地震時に目地の開きを吸収できる。
請求項10記載の発明によれば、複数の未加硫ゴムの先端同士を互いにつき合わせるとともに未加硫ゴムシートを貼り付けて加硫により一体化して、目地交差部用止水ゴムを形成できる。また、止水ゴムの伸びしろを確保できて、しかも、止水ゴムの構造を簡素化できる。また、複数の未加硫ゴムに未加硫ゴムシートを貼り付けた状態で加硫することにより、各部材の形成と一体化とを一括してできる。
図1は、この発明の一実施形態に係る目地交差部用止水ゴム1(以下、単に止水ゴム1ともいう。)の平面図である。 図2は、図1におけるA−A断面図である。 図3は、図1におけるB−B断面図である。 図4は、図1におけるC−C断面図である。 図5は、止水ゴム1の製造途中における未加硫ゴム37の配置図である。 図6は、止水ゴム1の製造途中における未加硫ゴム37と未加硫ゴムシート38との平面視での配置図である。 図7は、止水ゴム1の製造途中における未加硫ゴム37と未加硫ゴムシート38との断面図である。 図8は、この発明の他の実施形態に係る目地交差部用止水ゴム1Aの平面図である。 図9は、図8におけるE−E断面図である。 図10は、図8におけるF−F断面図である。 図11は、図8におけるG−G断面図である。 図12は、止水ゴム1Aの製造途中における未加硫ゴム47,48,49の配置図である。 図13は、止水ゴム1Aの製造途中における未加硫ゴム47,48,49と未加硫ゴムシート50,51,52との平面視での配置図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る目地交差部用止水ゴム1の平面図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。図3は、図1におけるB−B断面図である。図4は、図1におけるC−C断面図である。また、図1には、止水ゴム1の設置対象であるコンクリート構造物2も一点鎖線で図示されている。
先ず、図1および図2を参照する。止水ゴム1は、平面視で十字型の板状部材であり、図1の紙面垂直方向に厚みを有している。止水ゴム1は、設置対象としてのコンクリート構造物2からの漏水を防止するための部材であり、このコンクリート構造物2の表面における目地領域3の目地交差部4を覆うよう設置される。止水ゴム1の平面形状は、目地交差部4を含む目地領域3に対応する平面形状としての十字型に成型されている。
コンクリート構造物2、例えばトンネルの内面は、地下に埋設される複数のコンクリートブロック2a(一部のみ図示)により形成されている。互いに隣接するコンクリートブロック2aの継目である目地部は、コンクリートブロック2aの端面に沿って配置された弾性継手により構成されており、トンネルの内面において目地領域3を形成している。4つのコンクリートブロック2aの間の継目の場合の目地領域3は、図1に示すような十字形であり、その交差中央部(中心)に目地交差部4がある。目地領域3は、十字形の4つの腕に対応する所定幅の4つの帯状部分3aを含む。これら4つの帯状部分3aは、目地交差部4から互いに直角に交差する4方向に延びている。
なお、図1では、紙面垂直方向の上方がトンネルの内側空間を示している。図2においては、紙面の上方が、内側空間を示している。
図2を参照して、止水ゴム1は、後述するように断面形状が波型を有しており、波型の頂部が並ぶ方向に伸縮できるように構成されている。また、止水ゴム1の側縁、具体的には、後述するフランジ部25が、コンクリート構造物2に固定されるようになっている。例えば、コンクリートブロック2aに打設された図示しないアンカーボルトおよびこれの先端にねじ嵌合されるナット等を利用して、止水ゴム10の側縁がコンクリートブロック2aに固定されている。
これにより、地震時にコンクリートブロックの相対変位が生じたときに、止水ゴム1が、地震により生じた目地の開きを吸収するとともに、目地領域3を覆うことで、ここを通じた漏水を確実に防止(止水性)することができる。このように、止水ゴム1の側縁がコンクリート構造物2に固定されることにより、止水ゴム1は可撓性継手として機能する。なお、このような可撓性継手の構成としては、止水ゴム1の他に、固定部材としてのアンカーボルト、ナット等を含めてもよい。
図1および図3を参照して、止水ゴム1は、十字型の4つの腕にそれぞれ対応する4つの目地被覆用止水ゴム15,16,17,18と、各止水ゴム15,16,17,18にオーバーラップされた接続部材としての2つの長尺の板状のゴムシート19,20とを有している。また、止水ゴム1は、これら止水ゴム15,16,17,18およびゴムシート19,20を上下に挟むように覆い止水ゴム1の表層を形成する一対のシート状の表層ゴム61,62を有している。
図1を参照して、各止水ゴム15,16,17,18は、十字型の目地領域3の対応する帯状部分3aに沿ってその長さ方向に延びており、この帯状部分3aの両側に所定の幅で形成されることにより、帯状部分3aとその周囲を覆っている。
各止水ゴム15,16,17,18は、互いに同じ形状に形成されている。なお、各止水ゴム15,16,17,18の長さ、幅、先端の形状等が互いに異なり、各止水ゴム15,16,17,18が互いに異なる形状であってもよい。以下では、各止水ゴム15,16,17,18が互いに同じ形状である場合に則して説明する。
目地の長さ方向についての4つの止水ゴム15,16,17,18の先端は、十字型の交差中央部に向かって延びるようにして、目地交差部4に配置されている。各止水ゴム15,16,17,18の先端は、平面視で先の尖った90°の山形に形成されていて、互いにつき合わされている。
このような90°の山形であれば、止水ゴム15,16,17,18の先端を容易に形成できる。また、各止水ゴム15,16,17,18の先端同士を隙間のないように互いに突き合わせることができ、十字型の止水ゴム1を容易に形成できる。
平面視で、止水ゴム15,16,17,18のつき合わせ部22、すなわち、互いにつき合わされた先端の端面を跨ぐように、当該つき合わせ部22に対してゴムシート19,20がオーバーラップされている。
各ゴムシート19,20は、所定長さ、所定幅、および所定厚さの長方形の板状に形成されている。所定幅は、オーバーラップされている止水ゴム15,16,17,18との間に所要の接着強度を得ることができる寸法とされている。厚さおよび長さは、所要の強度を得ることができるように設定されている。また、複数のゴムシート19,20のそれぞれは、互いに同じ形状に形成されている。なお、複数のゴムシート19,20の長さ、幅、厚みの少なくとも一つが互いに異なり、ゴムシート19,20のそれぞれが互いに異なる形状であってもよい。以下では、ゴムシート19,20が互いに同じ形状である場合に則して説明する。
ゴムシート19,20は、その長手方向が、特に、後述するようにその基布のコードが、各止水ゴム15,16,17,18の長さ方向に対して斜めになるように配置されている。これら止水ゴム15,16,17,18のつき合わせ部22およびゴムシート19,20は、加硫されて一体化されている。
具体的には、一方のゴムシート19は、止水ゴム15,18のつき合わせ部22にその全長にわたってオーバラップしており、止水ゴム16,17のつき合わせ部22にその全長にわたってオーバラップしている。他方のゴムシート20は、目地交差部4において一方のゴムシート19の上に重ね合わされており、止水ゴム15,16のつき合わせ部22にその全長にわたってオーバラップしており、止水ゴム17,18のつき合わせ部22にその全長にわたってオーバラップしている。
図2を参照して、各止水ゴム15,16,17,18について、止水ゴム15を例に説明する。止水ゴム15は、目地の長さ方向と直交方向に見た断面形状が波型を有する伸縮可能部24と、この伸縮可能部24の両側に形成された平板状のフランジ部25とを有している。
図1と図2を参照して、伸縮可能部24は、目地の長さ方向(図2の紙面垂直方向に相当。)とは直交する直交方向(図2の紙面左右方向に相当)に伸縮することができる。4つの止水ゴム15,16,17,18には、伸縮可能な方向が互いに異なる止水ゴム15,16,17,18が含まれている。例えば2つの止水ゴム15,17の伸縮可能な方向は、図1の上下方向であるが、残りの2つの止水ゴム16,18の伸縮可能な方向は、図1の左右方向である。
このように、複数の止水ゴム15,16,17,18の先端同士が互いにつき合わされるとともに、ゴムシート19,20を介して加硫により互いに一体化されることにより、止水ゴム1における目地交差部4を覆う部分を構成でき、しかも、この部分の十分な伸びしろを確保できる。さらに、目地交差部4中央における構造が簡素で製造し易い止水ゴム1を実現できる。
すなわち、止水ゴム1が任意の所定方向に伸ばされるときに、各止水ゴム15,16,17,18が、その方向についての互いの伸びしろを補うことができる。
止水ゴム1における目地交差部4を覆う部分を、先端同士が互いにつき合わされる複数の止水ゴム15,16,17,18に分割したので、単一部材により形成する場合と比較して、目地交差部4に対応する止水ゴム1の立体形状を形成し易い。また、複数の止水ゴム15,16,17,18の先端同士を互いにつき合わせて、ゴムシート19,20をオーバーラップさせて配置した状態で、加硫により容易に一体化することができる。
各止水ゴム15,16,17,18は、ゴム層27間に繊維の基布28を配置した構成を有している。ゴムとしては、例えば、天然ゴム系、クロロプレン系、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)系のゴムを利用できる。繊維の基布28としては、例えば、平織りのナイロン基布を利用できる。
なお、加硫としては、加熱によりゴムを架橋させて硬化させる方法であればよく、予めゴム中に配合した硫黄を利用するものの他、硫黄を利用しないものであってもよい。
止水ゴム15,16,17,18の基布28の仕様としては、例えば、厚みは約1.5mm、ナイロン1400d/1、織物密度を示す値が31本/5cm、縦横両方である。なお、後述するようにゴムシート19,20の基布の仕様は、止水ゴム15,16,17,18の基布28の仕様と同じとされている。
4枚の止水ゴム15,16,17,18の基布28のコードは、当該止水ゴム15,16,17,18の長さ方向に延びるように配置されている。なお、基布28のコードは、当該止水ゴム15,16,17,18の長さ方向に対して、例えば45°の角度をなして斜めに延びるように配置してもよい。
4枚の止水ゴム15,16,17,18には、それぞれ、当該止水ゴム15,16,17,18の長さ方向に延びる複数の山形凸条30が形成されている。これらの複数の山形凸条30が、長さ方向と直交する方向に並ぶことで、止水ゴム15,16,17,18の断面波形が形成されている。
各止水ゴム15,16,17,18の先端部において、複数の山形凸条30は左右両側へ分離するように、円弧状に方向を変えており、つき合わされた両隣の止水ゴム15,16,17,18の山形凸条30となめらかに接続されている。
これにより、互いに隣接する2つの止水ゴム15,16,17,18の山形凸条30同士が、方向を変えつつ互いに接続されるので、十字型の交差中央部における止水ゴム1の伸縮性を高めることができる。その結果、止水ゴム1の十分な伸びしろの確保に寄与する。
なお、山形凸条30は、止水ゴム15,16,17,18の長さ方向の全長にわたって、または所定長さで直線状に延びていてもよい。以下、山形凸条30の先端が方向を変える場合に則して説明する。
図3および図4を参照して、止水ゴム1における目地交差部4を覆う部分には、底部から盛り上がった独立形式の山部31が形成されている。この山部31は、略四角錐形状をなしており、4つの止水ゴム15,16,17,18の先端部がつき合わされて形成されるとともに、これに2つのゴムシート19,20がオーバーラップされることに構成されている。独立形式の山部31により、十字型の交差中央部における止水ゴム1の伸縮性を、方向にかかわらず、より一層高めることができる。その結果、止水ゴム1の十分な伸びしろの確保に寄与する。
図3および図1を参照して、この山部31は、山形凸条30が左右両側に分離するように方向を変える場合に設けるのが、形成し易くて、好ましい。さらに、独立形式の山部31は、4枚の止水ゴム15,16,17,18に形成された山形凸条30が偶数である場合に、形成し易くて好ましい。ここで、偶数としては、4本を例示できる。
ゴムシート19,20は、ゴム層33間に繊維の基布34を配置した構成を有している。基布34によりゴムシート19,20を補強できる。ゴムとしては、例えば、天然ゴム系、クロロプレン系、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)系のゴムを利用できる。繊維の基布34としては、例えば、平織りのナイロン基布を利用できる。ゴムシート19,20および止水ゴム15,16,17,18のゴムおよび基布の材質としては、それぞれ任意のものが利用できるが、ゴムシート19,20および止水ゴム15,16,17,18には、同じ材質のゴムおよび基布を用いるのが好ましい。
ゴムシート19,20の基布34のコード35(一部のみを一点鎖線で図示)は、当該ゴムシート19,20の長さ方向に延びるように配置されている。ゴムシート19,20の基布34のコード35は、当該ゴムシート19,20と一体化される相手方の止水ゴム15,16,17,18の長さ方向に対して斜めに延びるように配置されている。これにより、目地交差部4における止水ゴム1の伸縮性の向上に寄与する。
また、このような止水ゴム1を目地交差部4に設置し、当該止水ゴム1の側縁をコンクリート構造物2に固定した可撓性継手を利用することで、コンクリート構造物2の目地交差部4を確実に覆うことができる。しかも、止水ゴム1の伸びしろを確保できるので、例えば地震時に目地の開きを吸収できる。
止水ゴム1は、例えば、上水道や下水道の水を浄化するための浄化センターや、これらの水を送り出すためのポンプ場のコンクリート構造物2に設置するのが好ましい。例えば、地震発生時に、止水ゴム1の破損を抑制できるので、浄化センターまたはポンプ場における漏水等の発生を抑制できる。この他、止水ゴム1を、浄化センターやポンプ場以外のコンクリート構造物に設置してもよい。
また、止水ゴム1は、例えば以下の製造方法で製造することができる。以下で説明する部品の数は、止水ゴム1を1個製造する場合の部品の所要数である。
図5は、止水ゴム1の製造途中における未加硫ゴム37の配置図である。図6は、止水ゴム1の製造途中における未加硫ゴム37と未加硫ゴムシート38との平面視での配置図である。図7は、止水ゴム1の製造途中における未加硫ゴム37と未加硫ゴムシート38との配置を示す断面図である。
図5を参照して、先ず、止水ゴム15,16,17,18の材料として未加硫ゴム37を目地数の分だけ準備する。例えば目地領域3が十字型の場合は、目地数は4であり、4つの未加硫ゴム37を準備する。
この未加硫ゴム37は、ゴムが未加硫である点で前述した止水ゴム15,16,17,18と異なり、他の構成は同じである。未加硫ゴム37は、前述した止水ゴム15,16,17,18と同様に、目地の長さ方向に所定長さで延び、目地交差部4において先端同士がつき合わされるように、先端が90°の山形にカットされたものであり、基布28を有している。
次に、成形型内で、未加硫ゴム37の先端同士を隙間のないようにつき合わせて配置する。
図6および図7を参照して、ゴムシート19,20の材料として未加硫ゴムシート38を利用する。この未加硫ゴムシート38は、ゴムが未加硫である点で前述したゴムシート19,20とは異なり、他の構成は同じである。
未加硫ゴムシート38は、ゴムシート19,20と同様の長尺の板状部材であり、未加硫のゴムの内部に平織りの基布34を有している。この基布34のコード35は、未加硫ゴムシート38の長手方向に沿って延びている。この未加硫ゴムシート38も所要数、例えば2つを準備する。
次いで、未加硫ゴム37のつき合わせ部22を跨ぐように、当該つき合わせ部22に対して未加硫ゴムシート38を貼り付ける。その際、未加硫ゴムシート38の基布34のコード35が未加硫ゴム37の長さ方向に対して斜めになるように貼り付ける。また、交差中央部で、2枚の未加硫ゴムシート38を重ね合わせて貼り付ける。さらに、これらを上下から挟むように、未加硫ゴムシート71,72を貼り付ける。
この状態で4つの未加硫ゴム37、2つの未加硫ゴムシート38、および上下にある外側の未加硫ゴムシート71,72を加硫し、これらの部材を互いに一体化する。加硫により、未加硫ゴム37は硬化し止水ゴム15,16,17,18になり、未加硫ゴムシート38は硬化しゴムシート19,20になり、未加硫ゴムシート71,72は硬化し表層ゴム61,62になる。全体として一体的な止水ゴム1が形成される。このように、加硫により、止水ゴム15,16,17,18およびゴムシート19,20の形成と、ゴムシート19,20と止水ゴム15,16,17,18との一体化とを一括して達成でき、止水ゴム1を製造し易い。
この製造方法によれば、複数の未加硫ゴム37の先端同士を互いにつき合わせるとともに未加硫ゴムシート38を貼り付けておき、これらの部材を加硫により一体化するとともに、止水ゴム1を形成できる。また、止水ゴム1における目地交差部4を覆う部分における伸びしろを確保できて、しかも、止水ゴム1の構造を簡素化できる。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、前述した実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、他の構成については、前述の実施形態と同様である。
図8は、この発明の他の実施形態に係る目地交差部用止水ゴム1Aの平面図である。図9は、図8におけるE−E断面図である。図10は、図8におけるF−F断面図である。図11は、図8におけるG−G断面図である。また、各図には、止水ゴム1Aの設置対象であるコンクリート構造物2が一点鎖線で図示されている。
先ず、図8および図9を参照する。図8では、紙面垂直方向の上方がトンネルの内側空間を示している。図9においては、紙面の上方が、内側空間を示している。
止水ゴム1Aは、平面視でT字型の板状部材であり、図8の紙面垂直方向に厚みを有している。止水ゴム1Aは、コンクリート構造物2の表面における目地領域3の目地交差部4を覆うよう設置される。止水ゴム1の平面形状は、目地交差部4を含む目地領域3に対応する平面形状としてのT字型に成型されている。
目地領域3は、3つのコンクリートブロック2aの継目により形成され、T字形をなし、その交差中央部に目地交差部4がある。目地領域3は、T字形の3つの腕に対応する所定幅の3つの帯状部分3aを含み、これら3つの帯状部分3aのそれぞれは、目地交差部4から互いに反対方向となる2方向と、これらの方向に直角に交差する1方向との計3方向に延びている。
止水ゴム1Aは、T字型の3つの腕にそれぞれ対応する3つの止水ゴム15A,16A,17Aと、各止水ゴム15A,16A,17Aにオーバーラップされた3つの長尺の板状のゴムシート19A,20A,21Aと、これらを上下に挟み表層を形成するシート状の表層ゴム61,62とを有している。
目地の長さ方向についての3つの止水ゴム15A,16A,17Aの先端は、T字型の交差中央部に向かって延びるようにして、目地交差部4に配置されている。止水ゴム16A,17Aが互いに直線状につき合わされている。また、これらの止水ゴム16A,17Aに対して直角に、止水ゴム15Aがつき合わされている。
直線状につき合わされる2枚の止水ゴム16A,17Aの先端は、長さ方向に直交方向にカットされたつき合わせ辺41と、長さ方向に例えば45°の角度で斜めにカットされた受け入れ辺42とを含んでいる。
直線状につき合わされる2枚の止水ゴム16A,17Aに対して直角につき合わされる1枚の止水ゴム15Aの先端は、平面視で先の尖った90°の山形に形成されている。山形の2辺44は、長さ方向に対して45°の角度をなしている。先端の2辺44は、2つの止水ゴム16A,17Aの受け入れ辺42に当接するようにつき合わされている。
このような形状であれば、各止水ゴム15A,16A,17Aの先端部を容易に形成できる。また、各止水ゴム15A,16A,17Aの先端同士を隙間のないように互いに突き合わせることができ、T字型の止水ゴム1Aを容易に形成できる。
また、直線状につき合わされる2枚の止水ゴム16A,17Aには、それぞれ、止水ゴム16A,17Aの長さ方向に真直に延びる山形凸条30Aと、当該止水ゴム16A,17Aの長さ方向に延びる山形凸条であってその先端部において受け入れ辺42がある側に向けて円弧状に曲がった山形凸条30とが形成されている。
直線状につき合わされる2枚の止水ゴム16A,17Aに対して直角につき合わされる1枚の止水ゴム15Aには、当該止水ゴム15Aの長さ方向に延びる山形凸条であってその先端部において左右両側へ分離するように円弧状に曲がった山形凸条30が形成されている。
止水ゴム15Aの曲がった2つの山形凸条30と、止水ゴム16Aの曲がった山形凸条30とが、つき合わせによってなめらかに接続されている。止水ゴム15Aの曲がった残りの2つの山形凸条30と、止水ゴム17Aの曲がった山形凸条30とが、つき合わせによってなめらかに接続されている。
このように、互いに隣接する2つの止水ゴム15A,16A,17Aの山形凸条30同士が、方向を変えつつ互いに接続されるので、T字型の交差中央部における止水ゴム1Aの伸縮性を高めることができる。その結果、止水ゴム1Aの十分な伸びしろの確保に寄与する。
図10および図11を参照して、止水ゴム1Aにおける目地交差部4を覆う部分には、底部から盛り上がった独立形式の山部31が形成されている。この山部31は、略三角錐形状をなしており、3つの止水ゴム15A,16A,17Aの先端部がつき合わされて形成されるとともに、これに3つのゴムシート19A,20A,21Aがオーバーラップされることにより構成されている。止水ゴム1Aにおいても、止水ゴム1と同様に、独立形式の山部31による効果を得ることができる。
また、独立形式の山部31は、各止水ゴム15A,16A,17Aに形成された山形凸条30、30Aの数が偶数、例えば4本である場合に、形成し易くて好ましい。
また、止水ゴム1Aは、以下の製造方法で製造することができる。以下では、図1に示す止水ゴム1との相違点を中心に説明する。
図12は、止水ゴム1Aの製造途中における未加硫ゴム47,48,49の配置図である。図13は、止水ゴム1Aの製造途中における未加硫ゴム47,48,49と未加硫ゴムシート50,51,52との平面視での配置図である。
図12を参照して、先ず、T字型の目地数である3つの未加硫ゴム47,48,49、すなわち、止水ゴム15Aの材料としての未加硫ゴム47と、止水ゴム16Aの材料としての未加硫ゴム48と、止水ゴム17Aの材料としての未加硫ゴム49とを準備する。
これら未加硫ゴム47,48,49は、ゴムが未加硫である点で前述した止水ゴム15A,16A,17Aとは異なり、他の構成は同じである。
次に、成形型内で、未加硫ゴム47,48,49の先端同士を隙間のないようにつき合わせて、全体として平面視でT字型に配置する。
図12および図13を参照して、ゴムシート19Aの材料としての未加硫ゴムシート50と、ゴムシート20Aの材料としての未加硫ゴムシート51と、ゴムシート21Aの材料としての未加硫ゴムシート52を準備する。
これら未加硫ゴムシート50,51,52は、ゴムが未加硫である点で前述したゴムシート19A,20A,21Aとは異なり、他の構成は同じである。未加硫ゴムシート50,51は、基布34のコード35が未加硫ゴムシート50,51の長手方向に沿って延びている。未加硫ゴムシート38を加硫して得られるゴムシート19A,20Aも同様の構成を有する。未加硫ゴムシート52は、基布34のコード35が未加硫ゴムシート52の長手方向に沿って例えば45°の角度をなして斜めに延びている。未加硫ゴムシート52を加硫して得られるゴムシート21Aも同様の構成を有する。
次いで、未加硫ゴム47,48,49のつき合わせ部を跨ぐように、当該つき合せ部に対して未加硫ゴムシート50,51,52を貼り付ける。その際、未加硫ゴムシート50,51,52の基布34のコード35が未加硫ゴム47,48,49の長さ方向に対して斜めになるように貼り付ける。
具体的には、互いに直角につき合わされる2つの未加硫ゴム47,48のつき合わせ部に沿って、未加硫ゴムシート50を重ね合わせて貼り付ける。互いに直角につき合わされる2つの未加硫ゴム47,49のつき合わせ部に沿って、未加硫ゴムシート51を重ね合わせて貼り付ける。互いに直線状につき合わされる2つの未加硫ゴム48,49のつき合わせ部に沿って、未加硫ゴムシート52を重ね合わせて貼り付ける。交差中央部においては、互いに先端がつき合わされた未加硫ゴム47,48,49と、3つの未加硫ゴムシート50,51,52とが、合計4枚の積層状態で順次重ね合わされる。さらに、これらを上下に挟むように、外側に一対の未加硫ゴムシート(図示せず)が貼り付けられる。
この状態で未加硫ゴム47,48,49、未加硫ゴムシート50,51,52、および外側の一対の未加硫ゴムシートを加硫し、これらの部材を互いに一体化する。これにより、止水ゴム1Aが形成される。また、外側の一対のゴムシートは、加硫により表層ゴム61,62になる。
(1)ゴムシートの接着方向の違いによる伸び量の変化の測定。
負荷の方向に対するゴムシートの基布のコードの方向が異なる場合の止水ゴム1、1Aの伸縮性を試験した。
試験方法。先ず、互いに先端同士をつき合わせた4つの止水ゴムを、2枚のゴムシートを積層して貼り付けて接続した十字状の止水ゴムの試験片を作成する。試験片としては、実施例に対応するバイアス構造の試験片と、比較例としてのラジアル構造の試験片を作成した。バイアス構造の試験片では、2枚のゴムシートの基布のコードがともに負荷の方向に対して斜めに配置された。ラジアル構造の試験片では、2枚のゴムシートの基布のコードが負荷の方向に平行に配置された。
これらの試験片を引っ張り試験した。具体的には、各試験片をオートグラフ(島津オートグラフAG−X 100KN)で引っ張り破断したときの、試験片に設けた一対の評線間の距離を測定した。この距離から伸び率を求めた。
結果。実施例としてのバイアス構造の試験片では、試験前評線間距離(A)は20mmであった。破断時の評線間距離(B)は35mmであった。伸び率は、75%であった。一方、比較例としてのラジアル構造の試験片では、試験前評線間距離(A)は20mmであった。破断時の評線間距離(B)は25mmであった。伸び率は、25%であった。ここで、伸び率(%)は、[(B−A)×100/A]の式により求めた。この結果から、ゴムシートをバイアス構造で配置することが、止水ゴムの伸縮性の向上に有効であることが確認された。
(2)十字型の止水ゴム1の交差中央部の独立形式の山部31の有無による、交差中央部の表面の距離を算出した。
方法。図1に示す止水ゴム1と同様の試験片を作成した。この試験片において、交差中央部の山部31の一方の根元から頂部をへて反対側の根元にいたる距離を、山部31の表面に沿って測った。また、このときの山部31の一対の根元間の直線距離を、山部31がない場合の交差中央部の表面の距離とした。
結果。山部31がある場合の表面の距離は、95mmであった。これに対して、山部31がない場合の表面の距離は、40mmであった。山部31がない場合は、引っ張られたときに伸びは期待できない。一方、山部31がある場合には、(95−40)mm分の伸長長さが期待できる。この結果から、十字型止水ゴム1の交差中央部における独立形式の山部31を設けることが、止水ゴム1の伸縮性に有効であることが確認された。
(3)十字型の止水ゴム1の変位特性試験。
試験方法。実施例として、図1に示す止水ゴム1と同様の試験片を作成した。この試験片を、試験装置に取り付け、所定の態様で変形させたときに、破損が生じないことを確認した。第1の態様は、伸びの態様であり、互いに反対側にある2つの止水ゴムを、互いに離れる向きに200mmで相対変位させる。第2の態様は、沈下の態様であり、互いに反対側にある2つの止水ゴムを、上下方向(山部31や山形凸条30の高さ方向に相当。)に300mmで相対変位させる。第3の態様は、剪断の態様であり、互いに反対側にある2つの止水ゴムを、当該2つの止水ゴムが並ぶ方向とは直交する方向(その間の目地に沿う方向に相当する。)に、300mmで相対変位させる。これらの試験は、止水ゴム1に要求される実際の仕様に相当する。
結果。いずれの態様においても、試験片が破損しないことが確認された。
(4)T字型の止水ゴム1Aの交差中央部の独立形式の山部31の有無による、交差中央部の表面の距離の算出。
方法。図8に示す止水ゴム1Aと同様の試験片を作成した。この試験片において、交差中央部の山部31の一方の根元から頂部をへて反対側の根元にいたる距離を、山部31の表面に沿って測った。また、このときの山部31の一対の根元間の直線距離を、山部31がない場合の交差中央部の表面の距離とした。
結果。山部31がある場合の表面の距離は、100mmであった。これに対して、山部31がない場合の表面の距離は、85mmであった。山部31がない場合は、引っ張られたときに伸びは期待できない。一方、山部31がある場合には、(100−85)mm分の伸長長さが期待できる。この結果から、T字型止水ゴム1Aの交差中央部における独立形式の山部31を設けることが、止水ゴム1の伸縮性に有効であることが確認された。
(5)T字型の止水ゴム1Aの変位特性試験。
試験方法。実施例として、図8に示す止水ゴム1Aと同様の試験片を作成した。この試験片を、(3)の試験と同様にして試験した。
結果。いずれの態様においても、試験片が破損しないことが確認された。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1,1A 目地交差部用止水ゴム(可撓性継手)
2 コンクリート構造物
3 目地領域(目地部)
4 目地交差部
15,16,17,18,15A,16A,17A 止水ゴム
19,20,19A,20A,21A ゴムシート
22 つき合わせ部
25 フランジ部(側縁)
27 ゴム
28 基布
30 山形凸条
31 山部
37,47,48,49 未加硫ゴム
38,50,51,52,71,72 未加硫ゴムシート
41 つき合わせ辺
42 受け入れ辺

Claims (10)

  1. 目地の長さ方向と直交方向に見た断面形状が波型を有するゴムを含み、目地交差部を含む目地領域に対応する平面形状に成型されていて、目地交差部を含む目地領域を覆う目地交差部用止水ゴムであって、
    前記目地交差部用止水ゴムは、
    目地の長さ方向に延び、目地交差部において先端同士がつき合わされた複数の目地被覆用止水ゴムと、
    前記止水ゴムのつき合わせ部を跨ぐように、当該つき合せ部に対し、各止水ゴムの長さ方向と斜め方向になるようにオーバーラップされた平織りの基布を内部に有するゴムシートと、
    を有し、前記止水ゴムの前記つき合わせ部および前記ゴムシートは、加硫されて一体化されていることを特徴とする目地交差部用止水ゴム。
  2. 前記止水ゴムは、平織りの基布を内部に有する請求項1に記載の目地交差部用止水ゴム。
  3. 前記目地交差部用止水ゴムの平面形状は、十字型を有し、
    十字型の交差中央部に向かって先端が延びるように配置された4枚の止水ゴムを含み、
    各止水ゴムの先端は、平面視で先の尖った90°の山形に形成されていてつき合わされていることを特徴とする請求項1または2に記載の目地交差部用止水ゴム。
  4. 前記4枚の止水ゴムには、それぞれ、当該止水ゴムの長さ方向に延びる複数の山形凸条が形成されており、
    各止水ゴムの先端部において、前記複数の山形凸条は左右両側へ分離するように方向を変えており、つき合わされた両隣の止水ゴムの山形凸条と接続されていることを特徴とする請求項3に記載の目地交差部用止水ゴム。
  5. 前記4枚の止水ゴムに形成された山形凸条は偶数であり、
    前記4枚の止水ゴムの先端がつき合わされて形成された十字型の交差中央部には、底部から盛り上がった独立形式の山部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の目地交差部用止水ゴム。
  6. 前記目地交差部用止水ゴムの平面形状は、T字型を有し、
    T字型の交差中央部に向かって先端が延びるように配置された3枚の止水ゴムを含み、
    直線状につき合わされる2枚の止水ゴムの先端は、長さ方向に直交方向にカットされたつき合わせ辺と、長さ方向に斜めにカットされた受け入れ辺とを含み、
    前記直線状につき合わされる2枚の止水ゴムに対して直角につき合わされる1枚の止水ゴムの先端は、平面視で先の尖った90°の山形に形成されていて、前記2つの受け入れ辺に当接するようにつき合わされていることを特徴とする請求項1または2に記載の目地交差部用止水ゴム。
  7. 前記直線状につき合わされる2枚の止水ゴムには、それぞれ、止水ゴムの長さ方向に延びる山形凸条と、当該止水ゴムの長さ方向に延びる山形凸条であって、その先端部において前記受け入れ辺方向に曲がった山形凸条とが形成されており、
    前記直線状につき合わされる2枚の止水ゴムに対して直角につき合わされる1枚の止水ゴムには、当該止水ゴムの長さ方向に延びる山形凸条であって、その先端部において左右両側へ分離するように曲がった山形凸条が形成されており、
    前記曲がった山形凸条の先端同士がつき合わせによって接続されていることを特徴とする請求項6に記載の目地交差部用止水ゴム。
  8. 前記各止水ゴムに形成された山形凸条は偶数であり、
    前記T字型の交差中央部には、底部から盛り上がった独立形式の山部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の目地交差部用止水ゴム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の目地交差部用止水ゴムを目地交差部に設置し、当該目地交差部用止水ゴムの側縁をコンクリート構造物に固定したことを特徴とする目地止水用可撓性継手。
  10. 目地交差部を含む目地領域に対応する平面形状に成型されていて、目地交差部を含む目地領域を覆う目地交差部用止水ゴムの製造方法であって、
    目地の長さ方向に延び、目地交差部において先端同士がつき合わされる複数の目地被覆用止水ゴムであって、平織りの基布を内部に有する所定長さの未加硫ゴムを目地数の分だけ準備し、
    未加硫ゴムの先端同士を隙間のないようにつき合わせ、
    つき合わせ部を跨ぐように、当該つき合わせ部に対して平織りの基布を内部に有する未加硫ゴムシートを貼り付け、その際、平織りの基布のコードが未加硫ゴムの長さ方向に対して斜めになるように貼り付け、
    その後、上下に未加硫ゴムシートを貼り付け加硫することにより一体化することを特徴とする目地交差部用止水ゴムの製造方法。
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