JP6057191B2 - 放射線遮蔽用の溶融プラスチック成形物 - Google Patents
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Description
本発明は、所定のプラスチック混合物を含む廃プラスチック配合物の溶融成形物から成る放射線遮蔽用の溶融プラスチック成形体、特に板状体、及び該廃プラスチック配合物から成形された又は該溶融プラスチック板状体から構成される放射線遮蔽用容器に関する。
今日、多量に排出される種々雑多の廃プラスチックのリサイクルは大きな社会的課題になっている。工場内リサイクルのようにほぼ純粋な単品や殆ど単品といえる状態の回収品のリサイクルは容易である。しかし、多くの工場から出る廃プラスチックや各家庭から無制限に出される廃プラスチックから、回収してリサイクルが可能な相溶性がある同種のプラスチックを選別することは、実質不可能であり、燃料として使用される以外、廃棄物として焼却や埋め立て処理せざるを得ない状況になっている。
しかし日本では都市化が進み、埋め立て処分地が不足し、ごみ減量化を目標に、廃プラスチックの再資源か勧められている。日常生活からでるごみのうち、プラスチックが占める割合は、重量で約10%、容量で約40%である。このため、埋立地不足の解消と資源の有効活用を図るために、国は1991年にいわゆる「再生資源利用促進法」を制定し、2001年4月に「資源有効利用促進法」と名称変更して施行された。同時にガイドラインを設け、ごみになった時に容積をとるペットボトルや、魚、梱包材、流通用トレイ等の発泡スチロールを主たる品目に挙げ、有効利用を図る仕組みを作った。
数種の廃プラスチック及びそれを用いた成形物は特許文献1で知られている。この成形物は30MPa前後の曲げ強度を有することが記載されているが、放射線遮蔽性については記載されていない。
一方、2013年3月11日の東日本大震災により生じた原子力発電所の事故に伴う放射性物質汚染の問題が深刻であり、汚染土壌等の汚染物質の保管用に、安価で入手が容易な原料から成る放射線遮蔽容器の需要がある。
放射線遮蔽容器としては現在、主としてコンクリート製ボックスが使用されている。しかしコンクリートは再利用できないこと、成形型で容器に成形しなければならないこと、従って厚さや寸法が容易に調節できないこと等の問題がある。
放射線遮蔽材料としては、鉛、鉄のような金属が知られているが、重量があり、大量の放射線汚染土壌の遮蔽、保管には費用の面でも好ましくない。また、プラスチックに重金属を配合した放射線遮蔽組成物(特許文献2)、鉛やホウ化物と樹脂とを混合した放射線遮蔽材(特許文献3)、硫酸バリウムと熱可塑性樹脂及び/エラストマーを含む放射線遮蔽用シート(特許文献4)、希土類酸化物と高分子材料を含む放射線遮蔽用シート(特許文献5)、樹脂中にアンチモン、スズ又はそれらの化合物粉末を配合した放射線遮蔽体(特許文献6)、樹脂に原子番号40以上の元素又はそれらの化合物粉末を配合した放射線遮蔽体(特許文献7)も知られているが、プラスチック以外にかなりの量の無機質の放射線遮蔽物質を含むため、これらの遮蔽体を再利用できない。一方、プラスチックは一般に放射線遮蔽性を有しないと従来考えられていた。
本発明の目的は、放射線汚染物質を遮蔽して保管できる、重量換算でコンクリートに匹敵する放射線遮蔽率を有する成形物を提供することである。
本発明の他の目的は、廃プラスチックを有効利用し、再利用も可能な成形体を提供することである。
本発明の他の目的は、廃プラスチックを有効利用し、再利用も可能な成形体を提供することである。
本発明者は、放射線物質の保管に有効な、軽量・安価且つ安全な放射線遮蔽材料を探索した結果、予想外にも特定の複数種の廃プラスチック配合物を溶融混練した成形体が、重量換算でコンクリ―トに匹敵する放射線遮蔽率を有することを見出して、本発明を達成した。
即ち、本発明は、廃プラスチックの溶融成形物から成り、該廃プラスチックはポリオレフィン(PO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネート(PC)から選ばれる少なくとも2種のプラスチック混合物を該廃プラスチック配合物全体の60重量%以上含む、放射線遮蔽用の溶融プラスチック成形物を提供する。
本発明の溶融プラスチック成形物は、重量に換算してコンクリ―トに匹敵する放射線遮蔽率を有し、しかも実質的にプラスチック材料のみから成るため、使用後に溶融して再利用可能である。また、廃プラスチックを原料として使用するため、ごみ減量化に貢献できる。
本発明の廃プラスチック配合物は、ポリオレフィン(PO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネート(PC)から選ばれる少なくとも2種のプラスチック混合物を廃プラスチック配合物全体の60重量%以上含む。
本発明の第1態様では、上記プラスチック混合物が、ポリオレフィン及びポリエチレンテレフタレートから成り、これらが廃プラスチック配合物全体の60重量%以上の量で含まれる。
本発明の第2態様では、上記プラスチック混合物が、ポリプロピレン10〜75重量%、ポリエチレン5〜30重量%及びポリエチレンテレフタレート20〜60重量%から成る。
本発明の第3態様では、上記プラスチック混合物が、ポリプロピレン70〜80重量%及びポリカーボネート20〜30重量%から成る。
本発明の第4態様では、上記プラスチック混合物が、ポリプロピレン40〜80重量%及びポリエチレンテレフタレート20〜40重量%から成る。
本発明の第5態様では、上記廃プラスチック配合物が、更にポリ塩化ビニル、ポリスチレン及びポリフェニレンサルフィドから選ばれる少なくとも1種を廃プラスチック配合物全体の5〜40重量%の量で含む。
本発明の第6態様では、上記廃プラスチック配合物が、ポリプロピレン8〜15重量%、ポリエチレン10〜25重量%、ポリエチレンテレフタレート50〜60重量%及びポリフェニレンサルフィド10〜20重量%から成る。
本発明の第7態様では、上記廃プラスチック配合物が、ポリプロピレン40〜50重量%、ポリエチレンテレフタレート25〜35重量%及びポリ塩化ビニル20〜30重量%から成る。
本発明の第8態様では、上記廃プラスチック配合物が、ポリエチレン30〜50重量%、ポリエチレンテレフタレート20〜40重量%、及びポリフェニレンサルフィド20〜40重量%から成る。
[廃プラスチック配合物]
本発明の廃プラスチック配合物は、所定量の特定のプラスチック成分(PO,PET,PCの2種以上)の混合物を全体の60重量%以上を含み、任意にポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)及び/又はポリフェニレンサルファイド(PPS)を含み、更に下記のその他のプラスチックを含んでもよい。PVCは廃プラスチック配合物全体の30重量%まで、特に25重量%までの量で含まれるのが好ましい。PSは廃プラスチック配合物全体の20重量%まで、特に17重量%までの量で含まれるのが好ましい。PPSは廃プラスチック配合物全体の40重量%まで、特に30重量%までの量で含まれるのが好ましい。
上記廃プラスチック配合物は無機遮蔽材料を実質的に含まず、プラスチック材料のみから成るのが再利用の点から好ましい。
本発明の廃プラスチック配合物は、所定量の特定のプラスチック成分(PO,PET,PCの2種以上)の混合物を全体の60重量%以上を含み、任意にポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)及び/又はポリフェニレンサルファイド(PPS)を含み、更に下記のその他のプラスチックを含んでもよい。PVCは廃プラスチック配合物全体の30重量%まで、特に25重量%までの量で含まれるのが好ましい。PSは廃プラスチック配合物全体の20重量%まで、特に17重量%までの量で含まれるのが好ましい。PPSは廃プラスチック配合物全体の40重量%まで、特に30重量%までの量で含まれるのが好ましい。
上記廃プラスチック配合物は無機遮蔽材料を実質的に含まず、プラスチック材料のみから成るのが再利用の点から好ましい。
[プラスチック混合物]
本願の廃プラスチック配合物は、ポリオレフィン(PO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネート(PC)から選ばれる少なくとも2種のプラスチック混合物を廃プラスチック配合物全体の60重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に75重量%以上含む。
本願の廃プラスチック配合物は、ポリオレフィン(PO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネート(PC)から選ばれる少なくとも2種のプラスチック混合物を廃プラスチック配合物全体の60重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に75重量%以上含む。
上記ポリオレフィン(PO)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリヘキセン−1等が挙げられるが、ポリエチレン又はポリプロピレンが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が、ポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等がそれぞれ挙げられる。
[供給原料]
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)及びポリフェニレンサルファイド(PPS)の各供給原料としては、例えば下記の廃棄物が使用出来る。
ポリエチレン(PE):化粧品のチューブ、
ポリプロピレン(PP):CDケース、コンテナ、ボビン、
ポリエチレンテレフタレート(PET):ペットボトル、
ポリカーボネート(PC):高速道路の遮音材、自動販売機の取り出し口、
ポリ塩化ビニル(PVC):水道の塩ビ管、
ポリスチレン(PS):テレビ等の電化製品の外枠、
ポリフェニレンサルファイド(PPS):自動車の部品、特にエンジニアリングプラスチック。
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)及びポリフェニレンサルファイド(PPS)の各供給原料としては、例えば下記の廃棄物が使用出来る。
ポリエチレン(PE):化粧品のチューブ、
ポリプロピレン(PP):CDケース、コンテナ、ボビン、
ポリエチレンテレフタレート(PET):ペットボトル、
ポリカーボネート(PC):高速道路の遮音材、自動販売機の取り出し口、
ポリ塩化ビニル(PVC):水道の塩ビ管、
ポリスチレン(PS):テレビ等の電化製品の外枠、
ポリフェニレンサルファイド(PPS):自動車の部品、特にエンジニアリングプラスチック。
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)及びポリフェニレンサルファイド(PPS)は、種々のプラスチック成分を含む複合廃プラスチックを原料として、PE、PP、PET、PC、PVC、PS及び/又はPPSを所定の割合で含むように配合すればよい。
例えば、少なくともポリオレフィン及びポリエチレンテレフタレートを含むプラスチック混合物が用いられる場合、ポリオレフィンを主として含む廃プラスチックとポリエチレンテレフタレートを主として含む廃プラスチックを混合しても良く、ポリオレフィンとポリエチレンテレフタレートを同時に含む廃プラスチックを用いても良い。
例えば、少なくともポリオレフィン及びポリエチレンテレフタレートを含むプラスチック混合物が用いられる場合、ポリオレフィンを主として含む廃プラスチックとポリエチレンテレフタレートを主として含む廃プラスチックを混合しても良く、ポリオレフィンとポリエチレンテレフタレートを同時に含む廃プラスチックを用いても良い。
[その他のプラスチック]
本発明における廃プラスチック配合物に、ポリアミド(6、6−6等)、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、脂肪酸ポリエステル系樹脂、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体、テレフタル酸エステル系樹脂等の生分解性樹脂;ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ケイ素樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱硬化性樹脂を配合してもよい。これらのプラスチックは、廃プラスチック配合物全体の40重量%未満、好ましくは30重量%未満、更に好ましくは25重量%未満の量で配合される。熱硬化性樹脂が含まれる場合、廃プラスチック配合物全体におけるその含有量を1〜10重量%とするのが好ましい。
また、廃プラスチック配合物中に、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等のエンジニアリングプラスチックを1〜10重量%を含ませると、得られる成形物の機械的強度を上昇することができ、望ましい。
本発明における廃プラスチック配合物に、ポリアミド(6、6−6等)、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、脂肪酸ポリエステル系樹脂、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体、テレフタル酸エステル系樹脂等の生分解性樹脂;ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ケイ素樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱硬化性樹脂を配合してもよい。これらのプラスチックは、廃プラスチック配合物全体の40重量%未満、好ましくは30重量%未満、更に好ましくは25重量%未満の量で配合される。熱硬化性樹脂が含まれる場合、廃プラスチック配合物全体におけるその含有量を1〜10重量%とするのが好ましい。
また、廃プラスチック配合物中に、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等のエンジニアリングプラスチックを1〜10重量%を含ませると、得られる成形物の機械的強度を上昇することができ、望ましい。
本発明の廃プラスチック配合物は溶融混練されるものであるが、ポリオレフィン及びポリエチレンテレフタレート、更にそれ以外の廃プラスチック類の混合は、溶融混練の前に行っても良く、溶融混練と同時に行っても良い。ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、及び/又はその他の廃プラスチック類を混合する際には、それらの廃プラスチックはそのまま用いても良いが、予め例えば押出機のホッパーに投入できる程度の大きさに粉砕ないし裁断しておくのが望ましい。特に、上記廃プラスチック配合物に熱硬化性樹脂が含まれる場合、熱硬化性樹脂を0.5mm以下程度の大きさに粉砕しておくのが望ましい。
[添加剤]
上記特定のプラスチック成分を含む廃プラスチック配合物は、上記プラスチック成分が使用される際に通常添加される着色剤、安定剤、充填剤(粉状、繊維状等)、希釈剤、可塑剤等の数多くの添加剤を、それら添加により本発明の廃プラスチック配合物の溶融成形物が特に影響されない量で、配合してもよい。
上記特定のプラスチック成分を含む廃プラスチック配合物は、上記プラスチック成分が使用される際に通常添加される着色剤、安定剤、充填剤(粉状、繊維状等)、希釈剤、可塑剤等の数多くの添加剤を、それら添加により本発明の廃プラスチック配合物の溶融成形物が特に影響されない量で、配合してもよい。
本発明の廃プラスチック配合物は溶融混練されるものであるが、溶融混練を効率良く行わせるため、得られる成形物の強度を上昇させるため、その他の目的で、必要に応じて上記配合物に種々の添加剤を配合することができる。それら添加剤としては、公知の発泡剤、ビスブレーカー、金属石鹸、パラフィン・ワックス類、動植物油、石油類等の他、顔料、強化材等が挙げられる。
発泡剤を添加することにより、溶融混練時の温度を低下することができるという効果を示すが、成形物の密度を下げるため、用途によっては望ましくない。発泡剤を添加する場合は、その添加量は廃プラスチック配合物の0.001〜0.05重量%が好ましい。
ビスブレーカーとしては、ゴムの加硫剤として用いられる有機過酸化物が望ましい。ビスブレーカーの添加により、溶融混練時に廃プラスチック配合物が流れやすくなり動力コストの低下につながる一方、特に熱可塑性樹脂間の架橋により、機械的強度が向上するという効果を示す。ビスブレーカーを添加する場合は、その添加量は廃プラスチック配合物の0.0005〜0.025重量%が好ましい。金属石鹸としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられ、金属石鹸やパラフィン・ワックス類を添加することにより、内部又は外部潤滑の作用をし、溶融混練時の押出機等の滑りや成形時の型離れが容易になる以外に、成形物の強度も向上する傾向を示す。金属石鹸やパラフィン・ワックス類を添加する場合は、その添加量は廃プラスチック配合物の0.1〜3重量%が好ましい。
動植物油としては大豆油、菜種油等の食料油、魚油等が、石油類としては灯油、軽油等が挙げられ、動植物油、石油類の添加により発泡剤やビスブレーカーの分散を容易にし、各樹脂の境界においてなじみが増すためか、成形物の強度が上昇する傾向を示す。動植物油や石油類を添加する場合は、その添加量は廃プラスチック配合物の0.01〜1重量%が好ましい。顔料としては、規定されるものではないが、廃プラスチック配合物が種々雑多の色で着色されている場合、それらの色を隠蔽するためにはカーボンブラック等の黒色顔料を使用するのが好ましい。強化材としては、プラスチックの強化に用いられる通常のものが使用できる。
[溶融・成形工程]
本発明の成形物は、必要に応じてその他のプラスチック及び/又は添加剤を含む上記廃プラスチック配合物を溶融混練し成形することにより製造されるが、溶融混練は通常押出機を用いて行われる。溶融混練時の温度は、上記配合物の組成により変動するが、通常は200〜320℃、好ましくは200〜280℃の温度範囲である。上記配合物に発泡剤が配合されていると、溶融混練温度を添加しない場合に比べて30℃程度下げることができるが、前述の通り成形物の密度を下げるため、用途によっては望ましくない。溶融混練時の押出機のスクリュー回転数は、通常57〜120rpmの範囲で調整することができ、特に上記配合物に熱硬化性樹脂が含まれている場合は、押出機のスクリュー回転数を57〜71rpm程度とゆっくり溶融混練するのが好ましい。
本発明の成形物は、必要に応じてその他のプラスチック及び/又は添加剤を含む上記廃プラスチック配合物を溶融混練し成形することにより製造されるが、溶融混練は通常押出機を用いて行われる。溶融混練時の温度は、上記配合物の組成により変動するが、通常は200〜320℃、好ましくは200〜280℃の温度範囲である。上記配合物に発泡剤が配合されていると、溶融混練温度を添加しない場合に比べて30℃程度下げることができるが、前述の通り成形物の密度を下げるため、用途によっては望ましくない。溶融混練時の押出機のスクリュー回転数は、通常57〜120rpmの範囲で調整することができ、特に上記配合物に熱硬化性樹脂が含まれている場合は、押出機のスクリュー回転数を57〜71rpm程度とゆっくり溶融混練するのが好ましい。
押出機により溶融混練された廃プラスチック配合物は、溶融された状態で押出機から押出され、ペレット状、棒状等の形状に押出成形される他、金型を通して板状、ブロック状等の形状に成形することができる。成形された成形体は、簡単に手で折れるような強度ではなく、足で踏み付けても折れないような該成形体が要求する十分な強度を有している。また、得られた成形物は、通常0.8以上、好ましくは1.0以上、特に好ましくは約1.1〜1.3の密度を有する。
以下、本発明を参考例及び実施例により詳細に説明する。
[参考例1〜9及び比較例1〜2]
ポリエチレン(PE)の原料として化粧品のチューブ、ポリプロピレン(PP)の原料としてCDケース、ポリエチレンテレフタレート(PET)の原料としてペットボトル、ポリカーボネート(PC)の原料として自動販売機の取り出し口、ポリ塩化ビニル(PVC)の原料として水道の塩ビ管、ポリスチレン(PS)の原料としてテレビの外枠、及びポリフェニレンサルファイド(PPS)の原料として自動車の部品(エンジニアリングプラスチックのバリ)を使用して、各廃プラスチック原料を径3〜8mmに粉砕し、プラスチック成分が表1に示す割合となるように配合して、粉砕廃プラッスチック配合物80kgを得た。これを20分間混合して均一な混合物を得た。該混合物をスクリュー部温度が260〜280℃に設定された押出機(東伸工業株式会社製、型式BV5-5139)のホッパーに投入し、57rpmのスクリュー回転数で混練して配合物を得ると共に、150kg/時間の速度で押出成形してペレットを得た。このペレットを用いて厚さ約3.0cmの板状体に成形した。
ポリエチレン(PE)の原料として化粧品のチューブ、ポリプロピレン(PP)の原料としてCDケース、ポリエチレンテレフタレート(PET)の原料としてペットボトル、ポリカーボネート(PC)の原料として自動販売機の取り出し口、ポリ塩化ビニル(PVC)の原料として水道の塩ビ管、ポリスチレン(PS)の原料としてテレビの外枠、及びポリフェニレンサルファイド(PPS)の原料として自動車の部品(エンジニアリングプラスチックのバリ)を使用して、各廃プラスチック原料を径3〜8mmに粉砕し、プラスチック成分が表1に示す割合となるように配合して、粉砕廃プラッスチック配合物80kgを得た。これを20分間混合して均一な混合物を得た。該混合物をスクリュー部温度が260〜280℃に設定された押出機(東伸工業株式会社製、型式BV5-5139)のホッパーに投入し、57rpmのスクリュー回転数で混練して配合物を得ると共に、150kg/時間の速度で押出成形してペレットを得た。このペレットを用いて厚さ約3.0cmの板状体に成形した。
この板状成形物から長さ180cm、幅9cm、厚さ約3.0cmの参考例1〜9(No.1−9)及び比較例1(No.C-1)の試験片を作成した。なお、比較例2(No.C-2)のペレットからは一体の形状となった板状成形物は得られなかった。10個の試験片No.1〜9及びNo.C-1について、下記の測定条件で放射線遮蔽効果を測定した。
<測定装置>
品名:シンチレーションサーベイメータ
規格:ALOKA γ SURVEY METER TCS-171
(Cs134およびCs137由来のγ線の検出に用いた)
<試料>
放射線量約5万Bq/kgの汚染土壌:200 g
(汚染防止のため、上記土壌をビニール袋に入れた上、プラスチックの容器に入れて使用した。)
<測定方法>
(1)試料がない状況での線量を測定した(バックグラウンド測定)。
(2)検出器から線源までの距離が10cmの時の線量*を、遮蔽体を設置せず測定した。
(3)検出器から線源までの距離が10cmの時の線量*を、汚染土壌の入った該プラスチック容器の前に遮蔽体(各試験片、厚さ約3.0cm)を設置して測定した。
品名:シンチレーションサーベイメータ
規格:ALOKA γ SURVEY METER TCS-171
(Cs134およびCs137由来のγ線の検出に用いた)
<試料>
放射線量約5万Bq/kgの汚染土壌:200 g
(汚染防止のため、上記土壌をビニール袋に入れた上、プラスチックの容器に入れて使用した。)
<測定方法>
(1)試料がない状況での線量を測定した(バックグラウンド測定)。
(2)検出器から線源までの距離が10cmの時の線量*を、遮蔽体を設置せず測定した。
(3)検出器から線源までの距離が10cmの時の線量*を、汚染土壌の入った該プラスチック容器の前に遮蔽体(各試験片、厚さ約3.0cm)を設置して測定した。
**遮蔽率は以下の式を用いて求めた。
遮蔽率(%)=(a−bx)/a×100 (1)
ここで、
a:遮蔽体なしでの線量。
bx:x枚の遮蔽体での線量。
ここでの線量には、バックグラウンドの線量を引いた値をあてはめた。
遮蔽率(%)=(a−bx)/a×100 (1)
ここで、
a:遮蔽体なしでの線量。
bx:x枚の遮蔽体での線量。
ここでの線量には、バックグラウンドの線量を引いた値をあてはめた。
***半価層(x1/2)、即ち、放射線量が半分になる遮蔽体の厚さ(cm)、は以下の式を用いて求めた。
x1/2 = (ln 2)/μ=d×(log 1/2)/log t (2)
ここで、
x1/2:半価層(cm)
μ:質量減弱係数(cm2/g)
d:遮蔽体の厚さ(cm)
t:γ線の透過率=(100-遮蔽率)/100
x1/2 = (ln 2)/μ=d×(log 1/2)/log t (2)
ここで、
x1/2:半価層(cm)
μ:質量減弱係数(cm2/g)
d:遮蔽体の厚さ(cm)
t:γ線の透過率=(100-遮蔽率)/100
参考として、鉛、鉄及び水の半価層(cm)を下記の表2に示す(放射線概論 柴田徳思編 第7版)。
各遮蔽体(試験片)の放射線遮蔽率の測定結果を表3に示す。
上記表3の結果から、遮蔽体No.1−9の放射線遮蔽率を比較したところ、No.4(16.2 %)とNo.6(16.5 %)が比較的高い遮蔽率であることがわかった。同種の遮蔽体の中でも厚さや密度の違いが見られ、試験に用いる遮蔽体やその枚数などを変えるとやや遮蔽率が変わるものがあった。
[実施例1〜2]
参考例1〜9と同様にして、プラスチック成分が表4に示す割合となるように配合した粉砕廃プラッスチック配合物80kgを20分間混合して均一な混合物を得た。該混合物をスクリュー部温度が260〜280℃に設定された押出機(東伸工業株式会社製、型式BV5-5139)のホッパーに投入し、57rpmのスクリュー回転数で混練して配合物を得ると共に、150kg/時間の速度で押出成形してペレットを得た。このペレットを用い厚さ約3.3cmの板状体に成形した。
参考例1〜9と同様にして、プラスチック成分が表4に示す割合となるように配合した粉砕廃プラッスチック配合物80kgを20分間混合して均一な混合物を得た。該混合物をスクリュー部温度が260〜280℃に設定された押出機(東伸工業株式会社製、型式BV5-5139)のホッパーに投入し、57rpmのスクリュー回転数で混練して配合物を得ると共に、150kg/時間の速度で押出成形してペレットを得た。このペレットを用い厚さ約3.3cmの板状体に成形した。
この板状成形物から長さ180cm、幅9cm、厚さ約3.3cmの実施例1〜2(遮蔽体No.10−11)の試験片(遮蔽体)を作成した。
試験片(遮蔽体)No.10〜11について、参考例1〜9と同じ測定装置及び同じ試料(汚染土壌200g)を用いて、各試験片の放射線遮蔽効果を以下の測定方法で測定した。
<測定方法>
従来通りの測定法、及び鉛遮蔽を行う測定法の両方の測定法で行った。両測定法において、
(1)試料がない環境の線量率*を測定(BG測定)。
(2)検出器から試料までの距離が10cmのときの空間線量率*を測定。測定値からBG値を引いた値をaとする。
(3)線源の前に遮蔽体を1枚設置し測定。測定値からBGを引いた値をb1とする。
(4)遮蔽体2枚を設置し、測定(b2)。
(5)測定値から遮蔽率**と半価層***をそれぞれ算出。
*2分間での平均線量率を3回測定し、平均した値をその条件での線量率とした。
単位はμGy/h 。
**遮蔽率は以下の式を用いて求めた。
遮蔽率(%)=(a−bx)/a×100 (1)
ここで、
a:遮蔽体なしでの空間線量率。
bx:遮蔽体x枚での空間線量率。
***半価層(x1/2)は以下の式を用いて求めた。
x1/2 = (ln 2)/μ=d×(log 1/2)/log t (2)
ここで、
x1/2:半価層(cm)
μ:質量減弱係数(cm2/g)
d:遮蔽体の厚さ(cm)
t:γ線の透過率=(100-遮蔽率)/100
<測定方法>
従来通りの測定法、及び鉛遮蔽を行う測定法の両方の測定法で行った。両測定法において、
(1)試料がない環境の線量率*を測定(BG測定)。
(2)検出器から試料までの距離が10cmのときの空間線量率*を測定。測定値からBG値を引いた値をaとする。
(3)線源の前に遮蔽体を1枚設置し測定。測定値からBGを引いた値をb1とする。
(4)遮蔽体2枚を設置し、測定(b2)。
(5)測定値から遮蔽率**と半価層***をそれぞれ算出。
*2分間での平均線量率を3回測定し、平均した値をその条件での線量率とした。
単位はμGy/h 。
**遮蔽率は以下の式を用いて求めた。
遮蔽率(%)=(a−bx)/a×100 (1)
ここで、
a:遮蔽体なしでの空間線量率。
bx:遮蔽体x枚での空間線量率。
***半価層(x1/2)は以下の式を用いて求めた。
x1/2 = (ln 2)/μ=d×(log 1/2)/log t (2)
ここで、
x1/2:半価層(cm)
μ:質量減弱係数(cm2/g)
d:遮蔽体の厚さ(cm)
t:γ線の透過率=(100-遮蔽率)/100
参考として、鉛、鉄及びコンクリートの半価層(cm)と1/10価層(放射線量が1/10になる遮蔽体の厚さ(cm))(放射線管理の実際、丸善)を下記の表5に示す。
試験片No.10-11の放射線遮蔽測定結果を表6〜7に示す。
鉛遮蔽を行う測定法は、汚染土壌の入ったプラスチック容器の前方以外を鉛板で遮蔽して、環境放射線の影響を可能な限り減じた方法であるが、鉛遮蔽測定法の方が、誤差が小さい。
コンクリートの密度はほぼ2であり、本発明の成形物の密度の約2倍である。従って、本発明の成形物(遮蔽体)は、半価層が60Coを用いて測定して約14cm以下、137Csを用いて測定して約18cm以下であれば、重量換算でコンクリ―トに匹敵する遮蔽率を有することになる。
[実施例3]
参考例1〜9と同様にして、プラスチック成分が表8に示す割合となるように配合した粉砕廃プラッスチック配合物80kgを20分間混合して均一な混合物を得た。該混合物をスクリュー部温度が260〜280℃に設定された押出機(東伸工業株式会社製、型式BV5-5139)のホッパーに投入し、80rpmのスクリュー回転数で混練して配合物を得ると共に、150kg/時間の速度で押出成形してペレットを得た。このペレットを用い厚さ約3.3cmの板状体に成形した。
参考例1〜9と同様にして、プラスチック成分が表8に示す割合となるように配合した粉砕廃プラッスチック配合物80kgを20分間混合して均一な混合物を得た。該混合物をスクリュー部温度が260〜280℃に設定された押出機(東伸工業株式会社製、型式BV5-5139)のホッパーに投入し、80rpmのスクリュー回転数で混練して配合物を得ると共に、150kg/時間の速度で押出成形してペレットを得た。このペレットを用い厚さ約3.3cmの板状体に成形した。
この板状成形物から長さ180cm、幅9cm、厚さ約3.3cmの実施例3(No.12)の試験片(遮蔽体)を作成した。
試験片(遮蔽体)No.12について、参考例1〜9と同じ測定装置及び同じ試料(汚染土壌200g)を用いて、試験片の放射線遮蔽効果を、実施例1〜2の鉛遮蔽を行う測定方法を用いて測定した。測定方法、並びに遮蔽率及び半価層の算出式は、実施例1〜2に記載の測定方法、並びにそれぞれ式(1)及び(2)の通りである。
[実施例4]
参考例1〜9と同様にして、プラスチック成分が表10に示す割合となるように配合した粉砕廃プラッスチック配合物80kgを20分間混合して均一な混合物を得た。該混合物をスクリュー部温度が260〜280℃に設定された押出機(東伸工業株式会社製、型式BV5-5139)のホッパーに投入し、80rpmのスクリュー回転数で混練して配合物を得ると共に、150kg/時間の速度で押出成形してペレットを得た。このペレットを用い約3.3cmの遮蔽板に成形した。
参考例1〜9と同様にして、プラスチック成分が表10に示す割合となるように配合した粉砕廃プラッスチック配合物80kgを20分間混合して均一な混合物を得た。該混合物をスクリュー部温度が260〜280℃に設定された押出機(東伸工業株式会社製、型式BV5-5139)のホッパーに投入し、80rpmのスクリュー回転数で混練して配合物を得ると共に、150kg/時間の速度で押出成形してペレットを得た。このペレットを用い約3.3cmの遮蔽板に成形した。
試料として、
(a)飯舘村の汚染土壌(200g)
(b)60Co放射線源
を用いた。
試料(a),(b)について、参考例1〜9と同じ測定装置を用いて、遮蔽板No.13の放射線遮蔽効果を下記の測定方法で測定した。但し、試料(b)の場合は、遮蔽板が8枚までの測定を行った。
(a)飯舘村の汚染土壌(200g)
(b)60Co放射線源
を用いた。
試料(a),(b)について、参考例1〜9と同じ測定装置を用いて、遮蔽板No.13の放射線遮蔽効果を下記の測定方法で測定した。但し、試料(b)の場合は、遮蔽板が8枚までの測定を行った。
<測定方法>
(1)試料がない環境の線量率*を測定(BG測定)。
(2)検出器から試料までの距離が36cmのときの空間線量率*を測定。測定値からBG値を引いた値をaとする。
(3)線源の前に遮蔽体を1枚設置し測定。測定値からBGを引いた値をb1とする。
(4)2枚から10枚まで遮蔽体の枚数を増やし、それぞれ線量率を測定(b2 - b10)。
(5)測定値から遮蔽率**と半価層***をそれぞれ算出。
*2分間での平均線量率を3回測定し、平均した値をその条件での線量率とした。
単位はμGy/h 。
遮蔽率及び半価層の算出式は実施例1〜2に記載のそれぞれ式(1)及び(2)の通りである。
試料(a)の測定結果を表11と図1に、試料(b)の測定結果を表12と図2に示す。
(1)試料がない環境の線量率*を測定(BG測定)。
(2)検出器から試料までの距離が36cmのときの空間線量率*を測定。測定値からBG値を引いた値をaとする。
(3)線源の前に遮蔽体を1枚設置し測定。測定値からBGを引いた値をb1とする。
(4)2枚から10枚まで遮蔽体の枚数を増やし、それぞれ線量率を測定(b2 - b10)。
(5)測定値から遮蔽率**と半価層***をそれぞれ算出。
*2分間での平均線量率を3回測定し、平均した値をその条件での線量率とした。
単位はμGy/h 。
遮蔽率及び半価層の算出式は実施例1〜2に記載のそれぞれ式(1)及び(2)の通りである。
試料(a)の測定結果を表11と図1に、試料(b)の測定結果を表12と図2に示す。
上記表11〜12の結果及び図1〜2のグラフから、遮蔽体厚さが約33cmまでは、半価層(cm)の値がほぼ一定であることが分かる。
遮蔽板No.13と同じ組成(PP:0、PE:40.0重量%、PET:30.0重量%及びPPS:30.0重量%)の平板について、以下の耐光試験及び3点曲げ試験を行った。
<試料>
実施例4で得たペレット(PP:0、PE:40.0重量%、PET:30.0重量%及びPPS:30.0重量%)から、下記表13に示す寸法の5個の平板状試験片No.1〜5(長さ:147mm、厚さ及び幅は表13に示す通り)を取り出し、耐光試験及び3点曲げ試験に供した。
<試料>
実施例4で得たペレット(PP:0、PE:40.0重量%、PET:30.0重量%及びPPS:30.0重量%)から、下記表13に示す寸法の5個の平板状試験片No.1〜5(長さ:147mm、厚さ及び幅は表13に示す通り)を取り出し、耐光試験及び3点曲げ試験に供した。
<耐光試験及び3点曲げ試験の条件>
光源60W/m2、降雨16分/2時間、気温63度、湿度50%の条件に試験片No.1〜5を0〜240時間光暴露した。
<光暴露装置>
スーパーキセノンウェザーメーターSX75(スガ試験株式会社製)
製造番号 WXYD1042
<曲げ試験の測定装置>
AUTOGRAPH AG−kN (株式会社 島津製作所製)
機械番号 20096882
<曲げ試験の測定方法>
2つの支点間(径4mm、長さ50mm、2つの支点間距離100mm、鉄製)に平板の試験片を載せ、該試験片の2つの支点の中央(各支点の中心から50mm)に相当する位置を、押し治具(径10mm、長さ50mm、鉄製)で10mm/分の押し速度で押して、曲げ試験を行った。
即ち、0時間、48時間、144時間、240時間経過の各時点において、各試験片の寸法、最大荷重、撓み量を測定した。曲げ応力σ(=曲げ強さ)は下記の計算式に従って算出した。
σ=3PL/2Wh2
ここで、P:最大荷重(N)、L=下部支点間距離(mm)、W=試験片幅(mm)、h=試験片厚さ(mm)。
光源60W/m2、降雨16分/2時間、気温63度、湿度50%の条件に試験片No.1〜5を0〜240時間光暴露した。
<光暴露装置>
スーパーキセノンウェザーメーターSX75(スガ試験株式会社製)
製造番号 WXYD1042
<曲げ試験の測定装置>
AUTOGRAPH AG−kN (株式会社 島津製作所製)
機械番号 20096882
<曲げ試験の測定方法>
2つの支点間(径4mm、長さ50mm、2つの支点間距離100mm、鉄製)に平板の試験片を載せ、該試験片の2つの支点の中央(各支点の中心から50mm)に相当する位置を、押し治具(径10mm、長さ50mm、鉄製)で10mm/分の押し速度で押して、曲げ試験を行った。
即ち、0時間、48時間、144時間、240時間経過の各時点において、各試験片の寸法、最大荷重、撓み量を測定した。曲げ応力σ(=曲げ強さ)は下記の計算式に従って算出した。
σ=3PL/2Wh2
ここで、P:最大荷重(N)、L=下部支点間距離(mm)、W=試験片幅(mm)、h=試験片厚さ(mm)。
試験片1〜5は、240時間の耐光試験後も外観上変化がなかった。
3点曲げ試験の結果を表14に示す。
3点曲げ試験の結果を表14に示す。
コンクリートは一般に圧縮強度は大きく、一般に18〜150N/mm2 の範囲であるが、曲げ強度は圧縮強度の1/5〜1/7で低く、通常20N/mm2 以下である。従って、上記の放射線遮蔽結果及び曲げ強さの結果から、本発明の溶融プラスチック成形物は、コンクリートに匹敵する放射線遮蔽効果を有しながらコンクリートと同等またはそれ以上の曲げ強度を有するので、コンクリートに替わる放射線遮蔽容器の材料として利用可能である。
Claims (8)
- プラスチック材料から成る廃プラスチック配合物に着色剤、安定剤、充填剤、希釈剤、可塑剤、発泡剤、ビスブレーカー、金属石鹸、パラフィン・ワックス類、(動植物油、)石油類、顔料、及び強化材から選ばれる添加剤の1種若しくは2種以上を添加して溶融成形した、γ線を含む放射線遮蔽用の溶融プラスチック成形物であって、該廃プラスチック配合物の該プラスチック材料は、ポリオレフィン(PO)及びポリエチレンテレフタレート(PET)から成るプラスチック混合物を該廃プラスチック配合物全体の60重量%以上含み、更にポリフェニレンサルフィド(PPS)を該廃プラスチック配合物全体の5〜40重量%の量で含むことを特徴とする、放射線遮蔽用の溶融プラスチック成形物。
- γ線遮蔽用である、請求項1に記載の溶融プラスチック成形物。
- 上記廃プラスチック配合物が、ポリプロピレン8〜15重量%、ポリエチレン10〜25重量%、ポリエチレンテレフタレート50〜60重量%及びポリフェニレンサルフィド10〜20重量%から成ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶融プラスチック成形物。
- 上記廃プラスチック配合物が、ポリエチレン30〜50重量%、ポリエチレンテレフタレート20〜50重量%、及びポリフェニレンサルフィド20〜40重量%から成ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶融プラスチック成形物。
- 上記溶融プラスチック成形物が板状体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶融プラスチック成形物。
- 上記廃プラスチック配合物を200〜280℃で溶融成形したものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶融プラスチック成形物。
- 15.4cm以下の半価層(cm)値を有する板状成形物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶融プラスチック成形物。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の溶融プラスチック成形物から構成されるγ線を含む放射線遮蔽用の廃プラスチック容器。
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