JP6056173B2 - Frp製容器 - Google Patents

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Description

本発明は、FRP製容器に関し、より詳細には、合成樹脂で成形される筒状のライナに繊維強化樹脂層を被覆してなるFRP製容器に関する。
合成樹脂製のライナの外周面にフィラメントを巻いて補強したFRP(Fiber Reinforced Plastics)製容器が広く知られている。このFRP製容器は、金属製容器よりも軽量で、且つ、鋼鉄製容器の課題である水素脆化その他の懸念も少ないため、近年、特に注目されている。従来、FRP製容器に関し、各種の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図13は、特許文献1に記載される従来の技術の基本構成を示す図であり、圧力容器200は、熱可塑性樹脂で形成され流体を収容するライナ201と、ライナ201の外周部分に被覆された繊維強化樹脂層(FRP層)202とを備える。繊維強化樹脂層202は、一般に、糸状の繊維(フィラメント)に熱硬化性樹脂などの樹脂液を含浸させたいわゆるプリプレグをライナ201の外周表面に巻き付けた後、樹脂液を硬化させることにより形成される。このように、圧力容器200では、繊維強化樹脂層202をライナ201に一体化させることで、ライナ201の強度を高め、これにより、要求される耐圧性あるいは耐久性を得る。
ところで、FRP製容器および金属製容器のいずれにおいても、容器本体の製造後に、流体の温度を検出するための温度センサを取り付ける場合がある。ステンレス製容器に代表される金属製容器の場合、熱伝導性が良いため、容器の外表面に温度センサを取り付けても、流体の温度を正確に検出することができる。
特開2011−144840号公報
しかしながら、圧力容器200の場合、樹脂製のライナ201は熱伝導性が低く、しかも繊維強化樹脂層202で被覆されているため、繊維強化樹脂層202の外表面に温度センサを取り付けても、ライナ201内の流体の温度を正確に検出することは難しい。
このため、圧力容器200では、繊維強化樹脂層202を破ってライナ201を露出させ、このライナ201の露出した部分に温度センサを取り付ける必要がある。しかし、繊維強化樹脂層202を破ると、繊維強化樹脂層202を構成するフィラメントが切断されるため、圧力容器200の強度が低下してしまう。このような強度低下の問題は、温度センサを取り付ける場合に限られるものではなく、ライナ201に直接取り付けることが求められる他の装着部品においても同様に生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィラメントが巻かれる領域内において、フィラメントを切断することなく装着部品をライナに取り付けることができるFRP製容器を提供することにある。
本発明のFRP製容器は、流体を貯蔵するための筒状のライナを合成樹脂で成形し、前記ライナの外周面にフィラメントを巻き付けて前記ライナに繊維強化樹脂層を被覆してなるFRP製容器において、前記フィラメントが巻かれる領域内であって前記ライナの所定位置には、前記フィラメントの巻き付け時に前記フィラメントを迂回させることで形成され、前記フィラメントが巻き付いていない非被覆部が設けられることを特徴とする。
この構成によれば、フィラメントが巻き付いていない非被覆部を利用することにより、フィラメントを切断することなく、ライナの所定位置に装着部品を取り付けることができる。
上記発明のFRP製容器は、温水を貯蔵可能な温水タンクであることを特徴とする。
この構成によれば、温水タンクのフィラメントが巻かれる領域内において、フィラメントを切断することなく装着部品をライナに取り付けることができる。
上記発明のFRP製容器は、前記非被覆部に、前記温水の温度を検出するための温度センサを取り付けたことを特徴とする。
この構成によれば、温水タンクのフィラメントが巻かれる領域内において、フィラメントを切断することなく温度センサをライナに取り付けることができる。
本発明のFRP製容器によれば、フィラメントが巻かれる領域内において、フィラメントを切断することなく装着部品をライナに取り付けることができる。
本発明の第1実施形態に係る温水タンクの縦断面図である。 図1のA部拡大図であり、温度センサの取り付け構造を示す図である。 第1実施形態に係る迂回用治具の構成を説明する図である。 第1実施形態に係る治具取り付け工程を示す図である。 第1実施形態に係る巻き付け工程を示す図である。 第1実施形態に係る迂回用治具の作用を説明する図である。 第1実施形態に係る治具取り外し工程を示す図である。 図2の変形例を示す図である。 第2実施形態に係る温水タンクの要部拡大図である。 第2実施形態に係るブロー成形工程を説明する図である。 第2実施形態に係る迂回用治具の作用を説明する図である。 第2実施形態に係る治具取り外し工程を示す図である。 従来の技術の基本構成を説明する図である。
(第1実施形態)
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための第1実施形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
第1実施形態に係る温水タンク(FRP製容器の一例)を図1に基づいて説明する。図1は、温水タンクの縦断面図である。図1に示すように、温水タンク10は、ヒートポンプ技術を用いた給湯機において、温水(流体の一例)11を貯蔵するための給湯タンクである。
温水タンク10は、合成樹脂で中空に成形され温水11を貯蔵するライナ20と、ライナ20の外周面を覆う繊維強化樹脂層30とを主要素とする。温水タンク10の外形寸法を例示すると、長さLは1600mm、胴径Dは400mmである。
ライナ20は、略円筒状の胴部21と、胴部21の軸線(符号Xで示す線)方向の一端を塞ぐ略半球状の第1半球部22と、胴部21の軸線方向の他端を塞ぐ略半球状の第2半球部23とを一体成形してなる。ライナ20は、ブロー成形に代表される中空成形より、所定の肉厚(例えば、3mm程度)で成形される。第1・第2半球部22,23には、温水11を流入あるいは流出させるための複数(ここでは合計4個)の口部25が形成されており、各々の口部25は、第1・第2半球部22,23の中心部近傍から軸線Xと平行に突出して設けられる。ライナ20の成形材料には、各種の合成樹脂が使用可能であるが、耐熱性に優れる材料(例えば、ポリブテン樹脂など)が好適である。
繊維強化樹脂層30は、ライナ20の外周面に巻き付けられるヤーン31(図2参照)によって構成される。ヤーン31は、断面が扁平状であり、例えば、炭素繊維やガラス繊維、金属繊維などのフィラメント32(図2参照)を束ねたものである。繊維強化樹脂層30は、符号Pで示す領域に形成され、ライナ20の外周面のほぼ全体を覆う。但し、第1・第2半球部22,23の中心部周辺では、ヤーン31(図2参照)の巻き付けが難しいため、第1・第2半球部22,23とライナ20の間に金属板12を介在させ、この金属板12で口部25周辺を補強している。
そして、繊維強化樹脂層30が形成される領域P内であってライナ20の所定位置には、温水11の温度を検出するための複数の温度センサ40が取り付けられている。複数の温度センサ40は、この例では、胴部21に4個以上設けられ、さらに第1・第2半球部22,23それぞれに1個設けられており、胴部21の軸線Xに沿って略一定の間隔で配置される。なお、温度センサ40の個数および配置は、この例に格別に限定されるものではなく、温水タンク10の仕様に基づいて任意に設定可能である。
次に、この温度センサ40の取り付け構造を図2に基づいて説明する。
図2に示すように、温度センサ40の取り付け構造50は、ライナ20に設けられる取り付け穴26と、取り付け穴26に嵌合されるブラインドナット51と、取り付け手段であるブラインドナット51を露出させる非被覆部35と、非被覆部35に挿入されブラインドナット51にねじ込まれる温度センサ40とから構成される。
取り付け穴26は、略円形に形成され、ライナ20の成形時に成形してもよいし、あるいは、ライナ20の成形後に機械加工により形成してもよい。
ブラインドナット51は、有底筒状を呈し、鉄やアルミ、ステンレスなどの任意の金属材料で構成される。ブラインドナット51は、ライナ20の外周面に当接する鍔部52と、鍔部52からライナ20の内部に突出して温水11に接する筒部53と、筒部53の底を塞ぐ底部55と、筒部53の外周面に形成されるカシメ部56と、筒部53の内周面に形成される雌ねじ部57とから構成される。取り付け構造50では、この有底筒状のブラインドナット51を用いることにより、温水11のシール部を、ブラインドナット51と取り付け穴26との嵌合部のみとし、これによりシール構造の信頼性を高めている。
非被覆部35は、繊維強化樹脂層30が形成される領域P(図1参照)において、ヤーン31が巻かれていない穴であり、略円形に形成される。なお、この非被覆部35の形成方法の詳細については、後述する。
温度センサ40は、リード線41と、リード線41に接続されるスリーブ42と、スリーブ42に連なりブラインドナット51の鍔部52に接触する締め付け部43と、締め付け部43に連なりブラインドナット51の雌ねじ部57にねじ込まれる雄ねじ部45と、雄ねじ部45の先端面に先方に突出して設けられブラインドナット51の底部55に接触する検出部46とを有する。温度センサ40では、底部55を介して温水11の温度を間接的に検出部46で検出するが、熱伝導性のよい金属製のブラインドナット51を用いることで、高い検出精度を得ている。
続いて、第1実施形態に係る温水タンク10の製造方法を図3〜図7に基づいて説明する。温水タンク10の製造方法は、治具取り付け工程と、巻き付け工程と、治具取り外し工程とを含む。
まず、温水タンク10の製造方法に用いる迂回用治具について説明する。
図3に示すように、迂回用治具60は、基部61と、基部61の一側に設けられブラインドナット51の雌ねじ部57にねじ込み可能な雄ねじ部62と、基部61の他側に設けられるコーン部63とからなる。なお、図3において、ブラインドナット51は、ライナ20に嵌合される前の未使用の形態を示している。
基部61は、工具によって回転可能な形状(例えば、六角形など)に形成される。また、基部61の外径は、ブラインドナット51の鍔部52の外径と同程度の寸法であり、これにより、基部61の基端面は、鍔部52を覆うことが可能である。
コーン部63は、迂回用治具60がブラインドナット51にねじ込まれた状態において、ライナ20の外周面に対して略垂直に突出する。また、コーン部63は、傾斜面65を有しており、この傾斜面65は、ライナ20の外周面から離れるに従って円錐状に先細り、且つ、尖鋭な先端部を有する。
迂回用治具60の材質は、金属や合成樹脂など各種の材料から選択可能である。また、傾斜面65の傾斜角度を含め、迂回用治具60の形状は、格別に限定されるものではなく、要求される非被覆部35(図2参照)の形態やヤーン31(図2参照)の巻き付け方法などに応じて、変更可能である。
以下、迂回用治具60を用いた製造方法を工程順に説明する。
治具取り付け工程では、ブラインドナット51をライナ20に予め固定させておく。具体的には、図4(a)に示すように、ブラインドナット51の筒部53をライナ20の取り付け穴26に挿入し(矢印(1))、リベッターなどの工具を用いて筒部53を軸方向に潰す(矢印(2))。これにより、図4(b)に示すように、カシメ部56を形成する。このカシメ部56と鍔部52の間でライナ20を厚み方向に挟み、ブラインドナット51をライナ20に固定する。そして、嵌合したブラインドナット51の雌ねじ部57に迂回用治具60の雄ねじ部62をねじ込み(矢印(3))、図4(c)に示すように、鍔部52に基部61の基端面を接触させる。これで、迂回用治具60の取り付けが完了する。
巻き付け工程では、図5(a)に示すように、胴部21の軸線X周りにライナ20を回転させる駆動手段71と、ボビン(図示省略)から繰り出されたヤーン31をライナ20に導くガイド72とを用いる。ガイド72は、回転するライナ20に対して、左右方向(胴部21の軸線方向)および前後方向(胴部21の軸直角方向)に動作可能である。
このガイド72の動作を制御することにより、図5(b)に示すように、ライナ20の領域Pにヤーン31を自動的に巻き付けていく。ヤーン31の巻き付けには、例えば、ヘリカル巻き、あるいは、フープ巻きとヘリカル巻きの組み合わせを用いる。ヘリカル巻きは、胴部21の軸線Xに沿ってヤーン31を螺旋状に巻き付ける方法であり、フープ巻きは、胴部21の軸線Xに対して略垂直にヤーン31を巻き付ける方法である。ヘリカル巻きでは、軸線Xの一側から他側に巻き付けるときの螺旋方向(実線の矢印(4)で示す方向)と、軸線Xの他側から一側に巻き付けるときの螺旋方向(破線の矢印(5)で示す方向)とが互いに交差する。
なお、巻き付け工程では、周知のフィラメントワインディング法(FW法とも称される)を用いることができる。周知のフィラメントワインディング法としては、熱硬化性樹脂をフィラメントに含浸させながらライナ20に巻き付ける湿式法(湿式フィラメントワインディング法)や、予め熱硬化性樹脂を含浸させたフィラメント(プリプレグ)をライナ20に巻き付ける乾式法(乾式フィラメントワインディング法)などがある。
ここで、巻き付け工程における迂回用治具60の作用について述べる。
巻き付け工程では、領域Pに対してヤーン31を隙間無く巻き付ける。このため、図6(a)に示すように、ブラインドナット51の上にもヤーン31が巻き付こうとする。仮に、迂回用治具が無ければ、ヤーン31は、ブラインドナット51の鍔部52に巻き付いて雌ねじ部57を塞いでしまう。これでは、ブラインドナット51に温度センサ40(図2参照)を取り付けることができない。
この点、第1実施形態では、ブラインドナット51に巻き付こうとするヤーン31は、迂回用治具60のコーン部63に当り、傾斜面65に沿って基部61の周囲に逃げる。また、コーン部63の先端にヤーン31が当たっても(矢印(6))、コーン部63の尖鋭な先端によってヤーン31が分裂し(矢印(7))、分裂した2本のヤーン31aのそれぞれが基部61を挟んで両側に逃げる(矢印(8))。このため、コーン部63の先端にヤーン31が乗る心配もない。
このように、ブラインドナット51に向けて走るヤーン31は、迂回用治具60に当たることで、基部61の周囲に逃げて迂回するようになる。この迂回部36が積層されることで、基部61の周囲には、他の部分よりも若干厚みが大きいヤーン31の層が形成される。
また、迂回部36は、図6(b)に示すように、迂回用治具60を挟んで両側に形成され、且つ、基部61の外周に沿って湾曲した形状を呈する。ヘリカル巻きでは、2つの螺旋方向(4),(5)(図5(b)参照)があるため、迂回用治具60の周囲では、合計4箇所に迂回部36が形成される。
このようにして、ブラインドナット51へのヤーン31の巻き付きを防止しつつ、ライナ20の領域P(図5(b)参照)に隙間無くヤーン31を巻き付けた後、フィラメント32に含侵された熱硬化性樹脂を所定の加熱条件で加熱し、未硬化の樹脂組成物を硬化させる。結果、ライナ20の外周面に一体化した繊維強化樹脂層30(図1参照)が形成される。
治具取り外し工程では、図7に示すように、迂回用治具60をブラインドナット51から工具を用いて取り外す(矢印(9))。すると、ブラインドナット51の雌ねじ部57の開口および鍔部52には、ヤーン31が巻き付いていない非被覆部35が形成される。そして、温度センサ40の雄ねじ部45を、非被覆部35を通じて雌ねじ部57に工具を用いてねじ込むことにより、温度センサ40をライナ20に取り付ける(矢印(10))。これにより。温度センサ40が取り付けられた温水タンク10(図1参照)が得られる。
以上、説明した第1実施形態に係る温水タンク10およびその製造方法によれば、迂回用治具60により、ヤーン31が巻き付いていない非被覆部35を形成でき、この非被覆部35を利用して温度センサ40をブラインドナット51に取り付けることができる。したがって、温水タンク10において、フィラメント32を切断することなく温度センサ40をライナ20に取り付けることができる。
また、巻き付け工程において、迂回用治具60のコーン部63の先端あるいは傾斜面65にヤーン31が当ると、ヤーン31は、傾斜面65に沿って基部61の周囲に逃げる。このコーン部63の作用により、ライナ20の所定位置へのヤーン31の巻き付きを容易に防止することができる。
次に、温度センサの取り付け構造の変形例を図8に基づいて説明する。
第1実施形態の取り付け構造50(図2参照)では、温水11に対するシール性を高めるため、有底筒状のブラインドナット51(図2参照)を用いたが、ブラインドナットの形態は、有底筒状に格別に限定されるものではなく、他の形態であってもよい。
図8は、図2の変形例を示す図である。図8に示すように、この取り付け構造50Aでは、ブラインドナット51Aの底部に貫通部58を設ける共に、温度センサ40Aの雄ねじ部45の先端に軸部47を設けた。そして、この軸部47を貫通部58から温水11中に延ばし、軸部47の先端に検出部46を設けた。その他は、図2に示す取り付け構造50の構成と同様であるため、図2の符号を流用して説明を省略する。
この変形例によれば、検出部46を温水11に直接的に接触させることができる。したがって、温度センサ40Aにより、温水11の温度をより高い精度で検出することができる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係る温水タンクを図9に基づいて説明する。図9は、温水タンクの要部拡大図であり、図2に相当する図である。なお、前述した第1実施形態に係る温水タンク10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
前述した第1実施形態においては、ライナ20に設けた雌ねじ部に、温度センサの雄ねじ部をねじ込むようにしたが、第2実施形態では、ライナ20に雄ねじ部を設け、この雄ねじ部に装着部品を取り付けるようにした。
図9に示すように、第2実施形態に係る温水タンク10Bでは、繊維強化樹脂層30が形成される領域内であってライナ20の所定位置に、板状の装着部品80を取り付ける。この装着部品80の取り付け構造90は、装着部品80と、ライナ20に一体的に設けられるインサート部品100と、インサート部品100に装着部品80を取り付けるためのナット110とから構成される。
装着部品80は、取り付け穴81を有する。装着部品80は、例えば、温水タンク10Bを支持するための脚部や、温水タンク10Bを施工するための取手部を構成する金属部品などであり、種類は任意である。
インサート部品100は、ライナ20のブロー成形時に、インサート成形によりライナ20に一体化される。インサート部品100は、ライナ20の壁部に保持される板状のベース101と、ベース101の外面中央に設けられる雄ねじ部102とからなる。
ベース101の内面および外周は、ライナ20に密接する一方、ベース101の外面は、繊維強化樹脂層30で覆われる。これにより、取り付け構造90では、ベース101がライナ20に保持されることに加え、ベース101がライナ20と繊維強化樹脂層30の間で挟持されるため、インサート部品100の取り付け強度が高められている。
取付け手段である雄ねじ部102の周囲には、繊維強化樹脂層30が形成されない非被覆部35Bが設けられ、雄ねじ部102は繊維強化樹脂層から露出した状態で突出している。
ナット110は、この突出した雄ねじ部102にねじ込まれ、ベース101および繊維強化樹脂層30に対して装着部品80を締結する。ナット110の種類は、任意であるが、雄ねじ部102への雨水などの浸入防止や、温水11に対するシール性を考慮すると、袋状のナット(例えば、六角袋ナットなど)が好適である。
次に、第2実施形態に係る温水タンク10Bの製造方法を図10〜図12に基づいて説明する。温水タンク10Bの製造方法は、ブロー成形工程、治具取り付け工程、巻き付け工程、および、治具取り外し工程を含む。
ブロー成形工程では、図10(a)に示すように、まず、インサート部品100を成形金型120の成形面121に取り付ける。次に、図10(b)に示すように、溶融状態の筒状のパリソン122を押し出した後、成形金型120を型閉めしてパリソン122に気体を吹き込み(矢印(11))、パリソン122をベース101の内面、ベース101の外周および成形面121に密接するように膨ます(矢印(12))。すると、図4(c)に示すように、インサート部品100がライナ20に一体化された成形品130が得られる。成形品130では、ベース101がライナ20に保持され、雄ねじ部102がライナ20の外周面から突出している。
治具取り付け工程では、迂回用治具60(図3参照)とは異なる迂回用治具60Bを用いる。この迂回用治具60Bは、図4(c)に示すように、略円筒状の基部61Bと、基部61Bの内周面に設けられ雄ねじ部102にねじ込み可能な雌ねじ部66と、基部61Bの先端側に設けられるコーン部63Bとからなる。基部61Bの外周面は、工具によって回転可能な形状(例えば、六角形など)に形成される。治具取り付け工程では、成形品130の突出した雄ねじ部102に、迂回用治具60Bの雌ねじ部66をねじ込む(矢印(13))。
巻き付け工程では、図11に示すように、第1実施形態と同様に、周知のフィラメントワインディング法を用いて、ライナ20の外周面にヤーン31を隙間無く巻き付けていく。このとき、インサート部品100の雄ねじ部102に対してもヤーン31が巻き付こうとする。仮に迂回用治具が無ければ、ヤーン31は、雄ねじ部102の基端や外周、先端面に巻き付いたり引っ掛かったりしてしまう。この場合、雄ねじ部102を取り付け穴81(図9参照)に挿入したり、雄ねじ部102にナット110(図9参照)をねじ込んだりすることができない。
この点、第2実施形態では、迂回用治具60Bのコーン部63Bの作用により、ヤーン31が傾斜面65Bに沿って基部61Bの周囲に逃げる。また、コーン部63Bの先端にヤーン31が当たっても(矢印(14))、コーン部63Bの尖鋭な先端によってヤーン31が分裂し(矢印(15))、分裂した2本のヤーン31aのそれぞれが基部61Bを挟んで両側に逃げる(矢印(16))。このため、コーン部63Bの先端にヤーン31が乗る心配もない。
このように、雄ねじ部102に向けて走るヤーン31は、迂回用治具60Bに当たることで、基部61Bの周囲に逃げて迂回するようになる。第1実施形態と同様に、この第2実施形態においても、迂回部36が積層されることで、基部61Bの周囲には、他の部分よりも若干厚みが大きいヤーン31の層が形成される。また、迂回部36は、迂回用治具60Bの外周に沿って湾曲した形状を呈する。ヘリカル巻きでは、2つの螺旋方向があるため、迂回用治具60Bの周囲では、合計4箇所に迂回部36が形成される。
このようにして、雄ねじ部102へのヤーン31の巻き付きを防止しつつ、ヤーン31を隙間無く巻き付けた後、フィラメント32に含侵された熱硬化性樹脂を所定の加熱条件で加熱し、未硬化の樹脂組成物を硬化させる。これにより、ライナ20の外周面に一体化した繊維強化樹脂層30が形成される。
治具取り外し工程では、図12に示すように、工具を用いて迂回用治具60Bを雄ねじ部102から取り外す(矢印(17))。すると、雄ねじ部102の周囲には、ヤーン31が巻き付いていない非被覆部35Bが形成される。そして、雄ねじ部102を、装着部品80の取り付け穴81に差し込んだ後、工具を用いてナット110を雄ねじ部102にねじ込むことで、ライナ20および繊維強化樹脂層30に装着部品80を締結する(矢印(18))。これにより。装着部品80が取り付けられた温水タンク10B(図9参照)が得られる。
以上、説明した第2実施形態に係る温水タンク10Bおよびその製造方法によれば、迂回用治具60Bにより、ライナ20に設けた雄ねじ部102の周辺に非被覆部35Bを形成でき、この非被覆部35Bを利用して、雄ねじ部102に装着部品80を取り付けることができる。したがって、温水タンク10Bにおいて、フィラメント32を切断することなく、板状の装着部品80を取り付けることができる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、前述した各実施形態においては、温水を貯蔵するための温水タンクについて説明したが、本発明のFRP製容器は、車両に搭載される燃料用圧力容器など、液体または気体を貯蔵するための各種圧力容器にも適用できる。
また、本発明において、ライナはブロー成形品に格別に限定されるものではなく、筒状の樹脂成形品を製造できる技術であれば、ライナを成形するための樹脂成形法は、任意である。また、ライナの形状は、略円筒状の他、略角筒状など任意の形状から選択可能である。
10 温水タンク(FRP製容器)
10B 温水タンク(FRP製容器)
11 温水(流体)
20 ライナ
30 繊維強化樹脂層
31 ヤーン
32 フィラメント
35 非被覆部
35B 非被覆部
40 温度センサ
40A 温度センサ
P 領域

Claims (4)

  1. 流体を貯蔵するための筒状のライナを合成樹脂で成形し、前記ライナの両端の半球部には金属板を設け、前記ライナの外周面にフィラメントを巻き付けて前記ライナに繊維強化樹脂層を被覆してなるFRP製容器において、
    前記フィラメントが巻かれる領域内であって前記ライナの所定位置には、前記フィラメントの巻き付け時に前記フィラメントを迂回させることで形成され、前記フィラメントが巻き付いていない非被覆部が設けられ、
    前記非被覆部の周囲に迂回された前記フィラメントが積層される迂回部が形成され、
    前記繊維強化樹脂層の厚みは、前記迂回部において、前記迂回部以外の前記フィラメントの巻かれた領域よりも大きく、
    前記非被覆部には、装着部品が取り付けられる
    ことを特徴とするFRP製容器。
  2. 流体を貯蔵するための筒状のライナを合成樹脂で成形し、前記ライナの両端の半球部には金属板を設け、前記ライナの外周面にフィラメントを巻き付けて前記ライナに繊維強化樹脂層を被覆してなるFRP製容器において、
    前記フィラメントが巻かれる領域内であって前記ライナの所定位置には、前記フィラメントの巻き付け時に前記フィラメントを迂回させることで形成され、前記フィラメントが巻き付いていない非被覆部が設けられ、
    前記非被覆部の周囲に迂回された前記フィラメントが積層される迂回部が形成され、
    前記繊維強化樹脂層の厚みは、前記迂回部において、前記迂回部以外の前記フィラメントの巻かれた領域よりも大きく、
    前記非被覆部には、装着部品を取り付けるための取り付け手段が取り付けられている
    ことを特徴とするFRP製容器。
  3. 前記FRP製容器は、温水を貯蔵可能な温水タンクであることを特徴とする請求項1又は2に記載のFRP製容器。
  4. 前記装着部品が、前記温水の温度を検出するための温度センサであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のFRP製容器。
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