JP6056153B2 - 磁気シールド、プログラムおよび選定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気シールド、磁気シールドの材料選定に用いるプログラムおよび磁気シールドの材料の選定方法の技術に関する。
脳磁計や心磁計のように微弱な磁場を測定する場合、測定ターゲットに対し地磁気など遥かに大きな外部環境磁界をキャンセルして測定ターゲット磁場のみを取り出す必要がある。そのため、従来から、磁気シールドを用いる事で環境磁場をキャンセルしている。
外部環境磁場をキャンセルする磁気シールドの技術として、特許文献1には、外側の層に最も透磁率の高い磁気遮蔽材を用い、内側の層に向かって段階的に透磁率が低くなるように構成された多層構造の磁気シールドルームが記載されている。また、特許文献2には、パッシブ方式とアクティブ方式の磁気シールドを併用させる磁気シールド装置が記載されている。また、特許文献3には、外側の高導電材料層と内側の磁性材料層とが対をなして形成されている磁気シールド装置が記載されている。
特開平5−327263号公報 特開2008−282983号公報 特開2008−288328号公報
本発明は、共通の材料で構成された磁気シールドや、異なる材料を用いていても、その比透磁率に注目せずに製造された磁気シールドに比較して、高い効率で磁場の遮蔽をする磁気シールドを提供することを目的とする。
本発明は、第1材料で構成された第1の筒型構造体と、前記第1材料と異なる第2材料で構成された第2の筒型構造体と、更に、第3材料で構成された第3の筒型構造体と、を備え、前記第2の筒型構造体は前記第1の筒型構造体の内部に配置され、第1の磁場での前記第1材料の比透磁率は、前記第1の磁場での前記第2材料の比透磁率よりも高く、前記第1の磁場よりも弱い第2の磁場での前記第1材料の比透磁率は、前記第2の磁場での前記第2材料の比透磁率よりも低く、前記第3の筒型構造体は前記第2の筒型構造体の内部に配置され、前記第2の磁場よりも弱い第3の磁場での前記第2材料の比透磁率は、前記第3の磁場での前記第3材料の比透磁率よりも低く、前記第2の磁場は、前記第1の筒型構造体と前記第2の筒型構造体との間の磁場であって、該第2の筒型構造体を配置する前の磁場であることを特徴とする磁気シールドを提供する。この構成によれば、共通の材料で構成された磁気シールドや、異なる材料を用いていても、その比透磁率に注目せずに製造された磁気シールドに比較して、高い効率で磁場の遮蔽をする磁気シールドを提供することができる。
た本発明は、前記第3の磁場は、前記第2の筒型構造体と前記第3の筒型構造体との間の磁場であって、該第3の筒型構造体を配置する前の磁場であることを特徴としてもよい。
また本発明は、材料ごとに磁場の強さに対する比透磁率を記憶した記憶手段を備えたコンピューターに、磁気シールドが設置される環境の磁場の強さを特定する特定手段と、前記記憶手段の記憶内容を参照して、前記特定手段によって特定された磁場の強さに対して最も高い比透磁率を示す材料を、磁気シールドの第1の筒型構造体の材料である第1材料として選定する第1選定手段と、前記第1選定手段によって選定された前記第1材料を用いて前記第1の筒型構造体を製造した場合において、当該第1の筒型構造体と、当該第1の筒型構造体の内部に配置される第2の筒型構造体と、の間の領域であって、該第2の筒型構造体を配置する前の領域における磁場の強さを推算する推算手段と、前記記憶手段の記憶内容を参照して、前記推算手段によって推算された磁場の強さに対して最も高い比透磁率を示す材料を、前記第2の筒型構造体の材料である第2材料として選定する第2選定手段、として機能させるためのプログラムを提供する。この構成によれば、共通の材料で構成された磁気シールドや、異なる材料を用いていても、その比透磁率に注目せずに製造された磁気シールドに比較して、高い効率で磁場の遮蔽をする磁気シールドを製造するために必要な材料の選定を、コンピューターに行わせることができる。
また本発明は、特定手段が、磁気シールドの設置される環境の磁場の強さを特定し、第1選定手段が、材料ごとに磁場の強さに対する比透磁率を記憶した記憶手段の記憶内容を参照して、前記特定手段によって特定された磁場の強さに対して最も高い比透磁率を示す材料を、磁気シールドの第1の筒型構造体の材料である第1材料として選定し、推算手段が、前記第1選定手段によって選定された前記第1材料を用いて前記第1の筒型構造体を製造した場合において、当該第1の筒型構造体と、当該第1の筒型構造体の内部に配置される第2の筒型構造体と、の間の領域であって、該第2の筒型構造体を配置する前の領域における磁場の強さを推算し、第2選定手段が、前記記憶手段の記憶内容を参照して、前記推算手段によって推算された磁場の強さに対して最も高い比透磁率を示す材料を、前記第2の筒型構造体の材料である第2材料として選定することを特徴とする前記磁気シールドの材料の選定方法を提供する。この構成によれば、共通の材料で構成された磁気シールドや、異なる材料を用いていても、その比透磁率に注目せずに製造された磁気シールドに比較して、高い効率で磁場の遮蔽をする磁気シールドを製造するために必要な材料の選定をすることができる。
本発明の第1実施形態に係る磁気シールドの概要を示す図である。 磁気シールドを軸方向に見たときの図である。 磁場の強さに対する磁性体材料の磁束密度の変化を表す図である。 磁場の強さに対する磁性体材料の比透磁率の変化を表す図である。 実施例1−1におけるシールドファクターを比較した図である。 実施例1−2におけるシールドファクターを比較した図である。 磁気シールドを製造するための材料を選定する選定装置の一例を示す図である。 制御部による材料選定の動作を説明するためのフロー図である。 本発明の第2実施形態に係る磁気シールドを軸方向に見たときの図である。 磁場の強さに対する磁性体材料の比透磁率の変化を表す図である。 実施例2における各層の比透磁率を表した図である。 実施例2におけるシールドファクターを比較した図である。 本発明の第3実施形態に係る磁気シールドの概要を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る磁気シールドの概要を示す図である。
1.第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る磁気シールド9の概要を示す図である。磁気シールド9の各構成の配置などを説明するため、磁気シールド9が配置される空間をxyz右手系座標空間として表す。ここで座標記号のうち、内側が白い円の中に交差する2本の線分を描いた記号は、紙面手前側から奥側に向かう矢印を表している。空間においてx成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。同様に、y、z成分についても、+y方向、−y方向、+z方向、−z方向を定義する。図2は、磁気シールド9を+y方向に見たときの図である。
図1および図2に示すように、磁気シールド9は、内部に中空部を有する外層1と、その外層1の中空部に配置される中空状の部材である内層2とを備える、2層構造の磁気シールドである。外層1および内層2は、いずれも軸方向(+y方向)に予め決められた長さLを有する円筒部材である。内層2の外径DO1は、外層1の内径Di2よりも小さい。内層2は、その軸が外層1の軸Oと重なるように配置される。なお、径方向は、軸方向に垂直な平面において、その平面が軸Oと交差する点を中心として周囲へ延びる方向である。したがって、径方向には、±x方向や±z方向が含まれる。
外層1の材料は、パーマロイ、鉄・クロム・コバルト系の各アモルファス材、フェライト焼結体、などの各磁性体材料のうち、磁気シールド9が配置される環境の磁場の強さにおける比透磁率が比較的高いものが選定される。ここでは外層1の材料を材料αとする。内層2の材料は、上述した各磁性体材料のうち、材料αと異なる材料である材料βであり、外層1と内層2との間において観測される磁場の強さに対する比透磁率が、その磁場の強さに対する材料αの比透磁率に比べて高い材料が選定される。すなわち、外層1は、第1材料で構成され、内部に中空部を有する第1層の一例であり、内層2は、第1材料と異なる第2材料で構成された中空状の部材であり、第1層の中空部に配置された第2層の一例である。そして、材料αは、第1層を構成する第1材料の一例である。材料βは、第2層を構成する材料であって、第1層の中空部の第1層と第2層との間における磁場の強さのときの比透磁率が、その磁場の強さにおける第1材料の比透磁率に比べて高い第2材料の一例である。
より詳細に材料α,βについて説明する。次の式(1)は円筒型開口2層の磁気シールド9における径方向実行シールドファクターを求めるための数式である。
Figure 0006056153
上述の式1における各記号の意味はそれぞれ以下のとおりである。
μ:磁性体材料の透磁率[H/m]、μ0:真空透磁率=4π×10-7[H/m]、μr=μ/μ0:磁性体材料の比透磁率、μr1:内層2の比透磁率、μr2:外層1の比透磁率、t1:内層2の磁性体材料厚み[m]、t2:外層1の磁性体材料厚み[m]、Do1:内層2の外直径[m]、Do2:外層1の外直径[m]、Di1:内層2の内直径[m]、Di2:外層1の内直径[m]、L:磁気シールド9の長さ[m]、ST1:径方向・無限長・内層2単体のシールドファクター、ST2:径方向・無限長・外層1単体のシールドファクター、STop:径方向・有限長・内層2単体のシールドファクター、STD:径方向・無限長・磁気シールド9のシールドファクター、STeff:径方向・有限長・開口・磁気シールド9の実行シールドファクター。
磁気シールドのシールドファクターとは、その磁気シールドの性能を表す指標であり、磁気シールドのシールドファクターが高いほど、その磁気シールドの性能が高いことを示す。上述の式1からわかるように、比透磁率μrが高い程、磁気シールドのシールドファクターが高くなる。一方、磁性体材料の比透磁率μrはその磁性体材料が置かれる場所における磁場の強さHに依存する。
図3は、磁場の強さに対する磁性体材料の磁束密度の変化を表す図である。材料αの磁束密度B[T]は、その材料αが置かれる環境の磁場の強さH[A/m]に対して、図3に破線で示すBα(H)の曲線に従って変化する。材料βの磁束密度B[T]は、その材料βが置かれる環境の磁場の強さH[A/m]に対して、図3に実線で示すBβ(H)の曲線に従って変化する。
磁性体材料の磁束密度B[T]は、その磁性体材料の透磁率μと、その磁性体材料が置かれる環境の磁場の強さHとの積で表される。磁性体材料の比透磁率μrは透磁率μを真空透磁率μ0で除算した式、すなわちμr=μ/μ0に従う。したがって、B−Hの関係は次の式(2)で表される。
Figure 0006056153
この式(2)に基づいて、図3における曲線を、磁場の強さに対する各材料の比透磁率の関係を表す曲線に変換する。図4は、磁場の強さに対する磁性体材料の比透磁率の変化を表す図である。各材料の磁束密度B[T]を、それぞれ真空透磁率μ0と磁場の強さHとの積で除算することにより、図4に示すように、磁場の強さH[A/m]に対する各材料の比透磁率μrα(H),μrβ(H)の変化曲線を得る。各材料の比透磁率μrα(H),μrβ(H)は、いずれも磁場の強さH[A/m]に依存する関数で表され、材料ごとに固有のピークを有する。図4に示したこの変化曲線に基づいて、磁気シールド9は設計される。
以下に、磁気シールド9の設計方法の一例を示す。磁気シールド9が設置される環境が例えば、東京だとすると、東京の地磁気レベルはおよそ45[μT]程度であることが知られている。この値を環境磁場の強さH0[A/m]に換算すると、以下のとおりとなる。
0=45[μT]/(4π×10-7)≒35.8[A/m]
すなわち、磁気シールド9を東京に設置する場合、強さが35.8[A/m]の磁場が外層1に入力される。環境磁場の強さH0[A/m]は、例えば、図2に示す領域R0の磁場の強さである。
図4に示すように、環境磁場の強さH0に対する材料αの比透磁率μrα(H0)と、材料βの比透磁率μrβ(H0)を比較すると、材料αの比透磁率μrα(H0)の方が、材料βの比透磁率μrβ(H0)よりも高いことがわかる。そこで、外層1の材料として材料αが選定される。
次に、材料αを用いた外層1のみで円筒型開口磁気シールドを構成した場合の内部の領域R1の磁場H1を特定する。領域R1とは、図2の材料αを用いた外層1の内部にある中空部の領域であって、外層1と内層2との間の領域である。また、磁場H1とは材料αを用いた外層1のみで円筒型開口の磁気シールドを構成した場合の領域R1における磁場の事である。材料αを用いた外層1のみで円筒型開口磁気シールドを構成した場合の領域R1における磁場の強さH1[A/m]は、測定やシミュレーションによって求められる。
1−1.実施例1−1
本発明の第1実施形態における第1の実施例である実施例1−1を説明する。
ここでは、以下の条件下にシミュレーションを行って、磁場の強さH1[A/m]を求める。
材料αを使った外層1のμr=μrα(H0)=22182
Case1において内層2に材料αを使った場合のμr=μrα(H1)=107430
Case2において内層2に材料βを使った場合のμr=μrβ(H1)=187007
内層2の内直径[m]:Di1=0.2
外層1の内直径[m]:Di2=0.3
内層2の磁性体材料厚み[m]:t1:=0.001
外層1の磁性体材料厚み[m]:t2=0.001
環境磁場[μT]:B0=10
磁気シールド9の長さ[m]:L=0.8
このシミュレーションの結果、材料αを用いた外層1のみで円筒型開口磁気シールドを構成した場合の領域R1における磁束密度B1が2.3[μT]であると特定されたため、以下の計算により材料αを用いた外層1のみで円筒型開口磁気シールドを構成した場合の領域R1における磁場の強さH1[A/m]は求められる。
1=2.3[μT]/(4π×10-7)≒1.83[A/m]
すなわち、東京に設置される磁気シールド9であって、外層1が材料αで構成されている場合に、外層1による磁場減衰により環境磁場は領域R1では1.83[A/m]まで低下する。そのため、内層2には外層1で減衰された磁場レベル1.83[A/m]が入力される事となる。
図4に示すように、磁場の強さH1に対する材料αの比透磁率μrα(H1)と、材料βの比透磁率μrβ(H1)を比較すると、材料βの比透磁率μrβ(H1)の方が、材料αの比透磁率μrα(H1)よりも高いことがわかる。そこで、内層2の材料として材料βが選定される。
このように外層1および内層2の各材料が選定されることで、磁気シールド9のシールドファクターが増大し、磁気シールド9の磁場の遮蔽効果は向上する。図5は、同じ材料で製造した2層のシールドと、上述した磁気シールド9とのシールドファクターを比較した図である。図5に示すCase1は、外層1および内層2を従来のように同じ材料αで製造した2層のシールドである。一方、Case2は、上述した磁気シールド9であり、外層1は材料αで、内層2は材料βでそれぞれ製造されている。その結果、Case1における中心部の磁束密度は、−1.15×10-7[T]であるのに対し、Case2における中心部の磁束密度は、−6.74×10-8[T]である。ここで「中心部の磁束密度」とは、Case1の2層シールドやCase2の磁気シールド9の軸がある位置における磁束密度である。これはCase1の2層シールドによる磁場の遮蔽の倍率が89倍であるのに対し、Case2の磁気シールド9による磁場の遮蔽の倍率が152倍と約1.7倍に上昇していることを意味している。言い換えると、磁気シールド9による磁場の遮蔽の効果は、従来の2層シールドに対して約5dBの性能向上があることがわかる。
1−2.実施例1−2
本発明の第1実施形態における第2の実施例である実施例1−2を説明する。
ここでは、以下の条件下にシミュレーションを行って、磁場の強さH1[A/m]を求める。なお、シミュレーションは実施例1−1と同様、有限要素法に基づくアルゴリズムを用いて行ったが、実施例1−2における空間の離散化に関する条件は、上述した実施例1−1とは異なるものを用いた。
材料αを使った外層1のμr=μrα(H0)=22182
内層2の内直径[m]:Di1=0.2
外層1の内直径[m]:Di2=0.3
内層2の磁性体材料厚み[m]:t1:=0.000278
外層1の磁性体材料厚み[m]:t2=0.000278
環境磁場[μT]:B0=45
磁気シールド9の長さ[m]:L=0.8
このシミュレーションの結果、材料αを用いた外層1のみで円筒型開口磁気シールドを構成した場合の領域R1における磁束密度B1が2.3[μT]であると特定されたため、以下の計算により材料αを用いた外層1のみで円筒型開口磁気シールドを構成した場合の領域R1における磁場の強さH1[A/m]は求められる。
1=2.3[μT]/(4π×10-7)≒1.83[A/m]
すなわち、東京に設置される磁気シールド9であって、外層1が材料αで構成されている場合に、外層1による磁場減衰により環境磁場は領域R1では1.83[A/m]まで低下する。そのため、内層2には外層1で減衰された磁場レベル1.83[A/m]が入力される事となる。
ここで、材料αを用いた外層1の内部に材料αを用いた内層2を設ける場合をCase1aとし、材料βを用いた内層2を設ける場合をCase2aとするとそれぞれにおける比透磁率は以下の通りである。
Case1aにおいてμr=μrα(H1)=107430
Case2aにおいてμr=μrβ(H1)=187007
つまり材料βの比透磁率μrβ(H1)の方が、材料αの比透磁率μrα(H1)よりも高いことがわかる。そこで、内層2の材料として材料βが選定される。
このように外層1および内層2の各材料が選定されることで、磁気シールド9のシールドファクターが増大し、磁気シールド9の磁場の遮蔽効果は向上する。図6は、同じ材料で製造した2層のシールドと、上述した磁気シールド9とのシールドファクターを比較した図である。図6に示すCase1aは、外層1および内層2を従来のように同じ材料αで製造した2層のシールドである。一方、Case2aは、上述した磁気シールド9であり、外層1は材料αで、内層2は材料βでそれぞれ製造されている。その結果、Case1aにおける中心部の磁束密度は、−3.02×10-8[T]であるのに対し、Case2aにおける中心部の磁束密度は、−1.75×10-8[T]である。これはCase1aの2層シールドによる磁場の遮蔽の倍率が1491倍であるのに対し、Case2aの磁気シールド9による磁場の遮蔽の倍率が2581倍と約1.7倍に上昇していることを意味している。言い換えると、磁気シールド9による磁場の遮蔽の効果は、従来の2層シールドに対して約5dBの性能向上があることがわかる。
以上のように、各材料が選定されて製造された磁気シールド9は、例えば、共通の材料で構成された磁気シールドや、異なる材料を用いていても、その比透磁率に注目せずに製造された磁気シールドに比較して、高い効率で磁場の遮蔽をする。
なお、本発明は、上述した磁気シールド9の製造方法、磁気シールド9の材料の選定方法として観念することも可能である。また、本発明は、上述した磁気シールド9を製造するための材料を選定する選定装置として観念することも可能であり、さらに、この選定装置であるコンピューターに、上述した磁気シールド9を製造するための材料を選定させるコンピュータープログラム(以下、単にプログラムという)として観念することも可能である。
図7は、磁気シールド9を製造するための材料を選定する選定装置3の一例を示す図である。選定装置3は、制御部31、記憶部32、操作部33、および表示部34を備える。制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備え、CPUが、ROMに記憶されているブートローダーや記憶部32に記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することにより、選定装置3の各部を制御する。記憶部32は、ハードディスクドライブなどの大容量の記憶手段であり、制御部31により利用されるプログラムを記憶する。操作部33は、各種の指示を入力するための操作ボタンやタッチパネルなどを備えており、ユーザーによる操作を受け付けてその操作内容に応じた信号を制御部31に供給する。表示部34は、制御部31の制御の下、操作を促す対話型ウィンドウや選定の結果を表すウィンドウなどを表示する。表示部34は、例えば、液晶を用いた表示素子などにより構成される。
また、記憶部32は、磁場の強さに対する比透磁率の変化が材料ごとに表されたデータを格納する比透磁率データベース321を有する。比透磁率データベース321は、図4で示した材料α、βのほか、複数の材料について、磁場の強さに対する比透磁率の変化を記憶している。なお、比透磁率データベース321は、比透磁率を磁場の強さの関数として表した場合に、その関数に用いられるパラメータを記憶していてもよい。
制御部31は、特定部311、第1選定部312、推算部313、および第2選定部314としてそれぞれ機能する。以下、これら制御部31の各構成による動作を説明する。
図8は、制御部31による材料選定の動作を説明するためのフロー図である。特定部311は、磁気シールド9が設置される環境の磁場の強さH0[A/m]を、例えば、ユーザーの操作を受け付けた操作部33により制御部31へ出力された、その操作に応じた信号に基づいて特定する(ステップS101)。第1選定部312は、記憶部32の比透磁率データベース321を参照して、特定部311によって特定された磁場の強さH0[A/m]に基づき、この磁場の強さH0[A/m]に対して最も高い比透磁率を示す材料を、外層1の材料である第1材料として選定する(ステップS102)。
次に、推算部313は、ステップS102で選定された第1材料を用いて外層1を製造した場合において、外層1の内部にある中空部の領域であって、外層1と内層2との間の領域における磁場の強さH1[A/m]を推算する(ステップS103)。第2選定部314は、記憶部32の比透磁率データベース321を参照して、推算部313によって推算された磁場の強さH1[A/m]に対して最も高い比透磁率を示す材料を、内層2の材料である第2材料として選定する(ステップS104)。
以上のようにプログラムに従って選定装置3の制御部31を稼働させることにより、磁気シールド9の外層1と内層2とのそれぞれを構成する各材料が選定される。
2.第2実施形態
第1実施形態において磁気シールド9は、外層1と内層2とを備える2層構造であったが、磁気シールドが備える層は2つに限られず3層以上であってもよい。図9は、本発明の第2実施形態に係る磁気シールド9aを+y方向に見たときの図である。
図9に示すように、磁気シールド9aは、内部に中空部を有する外層1aと、その外層1aの中空部に配置される中空状の部材である中間層2aと、その中間層2aの中空部に配置される中空状の部材である内層4とを備える、3層構造の磁気シールドである。外層1a、中間層2aおよび内層4は、いずれも軸方向(+y方向)に予め決められた長さLを有する。外層1aの形状や大きさは、第1実施形態の磁気シールド9における外層1と同じであり、中間層2aの形状や大きさは、第1実施形態の磁気シールド9における内層2と同じである。磁気シールド9aが磁気シールド9と異なる点は、中間層2aの内部にある中空部の領域に内層4が配置されている点である。内層4は、外径及び内径が、それぞれ外径DO4、内径Di4、厚みt4の円筒部材である。内層4の外径DO4は中間層2aの内径Di1よりも小さい。内層4は、その軸が外層1の軸Oと重なるように配置される。
図9に示すように、領域R0は、外層1aの外側の領域のうち、外層1aの隣の領域である。ここで、或る層の『隣の領域』とは、その或る層との間に他の層を介在させていない領域をいう。つまり『外層1aの隣の領域』とは、この外層1aとの間に外層1a以外の層を介在させていない領域のことである。
また、図9に示すように領域R1は、外層1aと中間層2aとの間の領域のうち、中間層2aの隣の領域である。そして、領域R2は、外層1aと内層4との間の領域のうち、内層4の隣の領域である。この領域R2は、中間層2aと内層4との間の領域のうち、内層4の隣の領域、とも言えることは言うまでもない。
なお、上述した第1実施形態において内層2の材料は、外層1と内層2との間において観測される磁場の強さに対する比透磁率が、その磁場の強さに対する外層1の材料の比透磁率に比べて高いものが選定される。そして、第1実施形態における磁気シールド9は2層構造である。すなわち、磁気シールド9において、外層1と内層2との間に他の層が介在していない。したがって、「外層1と内層2との間」とは「外層1と内層2との間の領域のうち、内層2の隣の領域」のことである。
磁気シールド9aでは、磁気シールド9で用いた材料α、βに加えて、これらと異なる材料γを用いる。
図10は、磁場の強さに対する磁性体材料の比透磁率の変化を表す図である。図10には、磁場の強さH[A/m]に対する各材料の比透磁率μrα(H),μrβ(H),μrγ(H)の変化曲線が示されている。各材料の比透磁率μrα(H),μrβ(H),μrγ(H)は、いずれも磁場の強さH[A/m]に依存する関数で表され、材料ごとに固有のピークを有する。図10に示したこれらの変化曲線に基づいて、磁気シールド9aは設計される。
以下に、磁気シールド9aの設計方法の一例を示す。磁気シールド9aが設置される環境は、第1実施形態と同じく東京であるとし、その地磁気レベルはおよそ45[μT]程度であるとする。したがって、環境磁場の強さH0[A/m]は、およそ35.8[A/m]である。環境磁場の強さH0[A/m]とは、例えば図9に示す領域R0の磁場の強さである。
2−1.実施例2
本発明の第2実施形態における実施例である実施例2を説明する。
実施例2では、Case3,4,5,6を考える。Case3とは、外層1a、中間層2a、内層4の全てに材料αを用いた場合である。Case4とは、外層1aに材料α、中間層2aに材料β、内層4に材料αを用いた場合である。Case5とは、外層1aに材料α、中間層2aに材料β、内層4に材料βを用いた場合である。Case6とは、外層1aに材料α、中間層2aに材料β、内層4に材料γを用いた場合である。そして、Case3〜6のそれぞれについて、以下の条件下にシミュレーションを行って、図9に示す領域R1の磁場の強さH1[A/m]を求める。
材料αを使った外層1aのμr=μrα(H0)=22182
内層4の内直径[m]:Di4=0.1
中間層2aの内直径[m]:Di1=0.2
外層1aの内直径[m]:Di2=0.3
内層4の磁性体材料厚み[m]:t4:=0.000278
中間層2aの磁性体材料厚み[m]:t1:=0.0278
外層1aの磁性体材料厚み[m]:t2=0.000278
環境磁場[μT]:B0=45
磁気シールド9aの長さ[m]:L=0.8
このシミュレーションの結果、材料αを用いた外層1aのみで円筒型開口磁気シールドを構成した場合の領域R1における磁場の強さH1[A/m]は約1.83[A/m]と求められる。すなわち、東京に設置される磁気シールド9aであって、外層1aが材料αで構成されている場合に、外層1aによる磁場減衰により環境磁場は領域R1では1.83[A/m]まで低下する。そのため、中間層2aには外層1aで減衰された磁場レベル1.83[A/m]が入力される事となる。
磁場の強さH1として磁場レベル1.83[A/m]が入力されると、各Caseのそれぞれにおける中間層2aの比透磁率は以下の通りとなる。
Case3における中間層2a(材料α)のμr=μrα(H1)=107430
Case4における中間層2a(材料β)のμr=μrβ(H1)=187007
Case5における中間層2a(材料β)のμr=μrβ(H1)=187007
Case6における中間層2a(材料β)のμr=μrβ(H1)=187007
ここで内層4の材料の選定は、Case3,4,5においていずれも内層4の隣の領域における磁場の強さと無関係に行われる。すなわち、内層4の材料は、Case3、4において材料α、Case5において材料βである。
一方、Case6については、内層4の隣の領域における磁場の強さに応じて内層4の材料の選定が行われる。
具体的にはCase6において、各層の材料は以下のように選定される。すなわち、図10に示すように、磁場の強さH1に対する材料αの比透磁率μrα(H1)と、材料βの比透磁率μrβ(H1)と、材料γの比透磁率μrγ(H1)とを比較すると、材料βの比透磁率μrβ(H1)の方が、材料αの比透磁率μrα(H1)や材料γの比透磁率μrγ(H1)よりも高いことがわかる。そこで、中間層2aの材料として材料βが選定される。
そして、中間層2aの材料として材料βを用いた場合、領域R2の磁場の強さH2が0.01[A/m]と求められる。すなわち、Case6において内層4には、磁場レベル0.01[A/m]が入力される事となる。この磁場の強さH2に対する材料αの比透磁率μrα(H2)と、材料βの比透磁率μrβ(H2)と、材料γの比透磁率μrγ(H2)とは、以下のように計算される。
材料αの比透磁率μrα(H2)=796
材料βの比透磁率μrβ(H2)=80
材料γの比透磁率μrγ(H2)=7958
これらを比較すると、材料γの比透磁率μrγ(H2)の方が、材料αの比透磁率μrα(H2)や材料βの比透磁率μrβ(H2)よりも高いことがわかる。そこで、内層4の材料として材料γが選定される。
図11は、Case3,4,5,6のそれぞれにおける各層の比透磁率を表した図である。Case6のように外層1a、中間層2aおよび内層4の各材料が選定されることで、Case3〜5における各シールドに比べて、磁気シールド9aのシールドファクターが増大し、磁気シールド9aの磁場の遮蔽効果は向上する。
図12は、Case3,4,5,6のシールドファクターを比較した図である。
図11,13に示すCase3は、外層1a、中間層2aおよび内層4を同じ材料αで製造した3層のシールドである。Case4は、外層1aを材料αで、中間層2aを材料βで、内層4を材料αで製造した3層のシールドである。Case5は、外層1aを材料αで、中間層2aを材料βで、内層4を材料βで製造した3層のシールドである。Case6は、外層1aを材料αで、中間層2aを材料βで、内層4を材料γでそれぞれ製造した磁気シールド9aである。その結果、Case3における中心部の磁束密度は−1.20×10-8[T]であり、Case4における中心部の磁束密度は−7.17×10-9[T]であり、Case5における中心部の磁束密度は−1.51×10-8[T]であるのに対し、Case6における中心部の磁束密度は、−1.26×10-9[T]である。これはCase3、Case4、Case5の3層シールドによる磁場の遮蔽の倍率がそれぞれ3752倍、6293倍、2995倍であるのに対し、Case6の磁気シールド9aによる磁場の遮蔽の倍率が35731倍と上昇していることを意味している。
以上のように、Case6において各材料が選定されて製造された磁気シールド9aは、例えば、従来のように共通の材料で構成された磁気シールド(Case3)や、異なる材料を用いていても、内層4についてその比透磁率に注目せずに製造された磁気シールド(Case4,5)に比較して、高い効率で磁場の遮蔽をする。
なお、3つ以上の層を備えている磁気シールドにあっては、この3つ以上の層のうち、最も内側に配置された層を除くいずれか1つの層を第1層とし、第1層が内部に有する中空部に配置された層のうちいずれか1つの層を第2層とした場合に、第1層を構成する第1材料と、前記第2層を構成する第2材料とは異なり、第1層と第2層との間の領域のうち、第2層の隣の領域における磁場の強さのときの第2材料の比透磁率が、その磁場の強さにおける第1材料の比透磁率に比べて高ければよい。また、この場合、第2層は、第1層の中空部に配置された層のうち最も外側に配置された層であることが好ましい。そしてさらにこの場合、第1層および第2層の全ての組み合わせにおいて、第1層と第2層との間の領域のうち、第2層の隣の領域における磁場の強さのときの、第2層の材料(第2材料)の比透磁率が、その磁場の強さにおける、第1層の材料(第1材料)の比透磁率に比べて高いことが好ましい。
3.第3実施形態
第1実施形態および第2実施形態において磁気シールド9,9aを構成する各層は、円筒状の部材であったが、これらは、円筒状の部材に限られず、断面が多角形(三角形、四角形、五角形…など)の角筒状であってもよいし、断面が楕円形の筒状であってもよい。また、磁気シールドの形状は筒状に限定されるものではなく、上述した中空部を有していれば、四角柱などの多角柱状の箱体や、筒における2つの開口部のうち一方のみを壁で閉鎖した、いわゆる『有底筒状』であってもよい。また、磁気シールドは、内側の空間に通じる開口部を有する形状の筒状の部材と、その開口部を覆う大きさの蓋状の部材とを有していてもよい。この場合、磁気シールドは、筒状の部材の開口部を蓋状の部材で閉鎖する構成であってもよい。
図13は、本発明の第3実施形態に係る磁気シールド9bの概要を示す図であり、図14における矢視XIII−XIIIから磁気シールド9bを見たときの断面図である。図14は、本発明の第3実施形態に係る磁気シールド9bの概要を示す図であり、図13における矢視XIV−XIVから磁気シールド9bを見たときの断面図である。
磁気シールド9bは、断面が正方形である角筒状の(以下、角筒状部材という)と、その角筒状部材の開口部のうち、一方の側に設けられた平板状の部材(以下、平板状部材という)とを有する。磁気シールド9bの形状は、2つの角筒状部材と、1つの平板状部材とを組み合わせた有底筒状である。磁気シールド9bは、内部に中空部を有する角筒状部材である外層1bと、その外層1bの中空部に配置される中空状の角筒状部材である内層2bと、外層1bおよび内層2bの−y方向の端にある各開口部を塞ぐ平板状部材である底層5とを備えるシールドである。
外層1bは、y軸方向に平行な軸Oを有する。内層2bは、その軸が外層1bの軸Oと重なるように配置される。すなわち、外層1bと内層2bとは共通の軸を有する。なお、角筒状部材における軸は、その断面のうち、内周または外周に相当する正方形の回転対称の中心を通り、その角筒状部材の伸びる方向に沿って伸びる。
図14に示すように、外層1bの外周に相当する正方形の一辺の長さはDo2b[m]である。外層1bの内周に相当する正方形の一辺の長さはDi2b[m]である。内層2bの外周に相当する正方形の一辺の長さはDo1b[m]である。内層2bの内周に相当する正方形の一辺の長さはDi1b[m]である。外層1bの磁性体材料厚みはt2b[m]である。内層2bの磁性体材料厚みはt1b[m]である。
図13に示すように矢視XIV−XIVは、外層1bおよび内層2bの軸方向の中央を通る断面を示している。すなわち、矢視XIV−XIVが示す断面を境に、+y方向および−y方向にそれぞれ長さLの半分の長さLhにわたって、外層1bおよび内層2bが伸びている。
図14に示すように矢視XIII−XIIIは、軸Oを通る。磁気シールド9bの外層1bの材料は、図14に示す領域R0bにおける磁場の強さH0[A/m]に基づいて決められる。磁気シールド9bの内層2bの材料は、図14に示す領域R1bにおける磁場の強さH1[A/m]に基づいて決められる。
ここで、第1実施形態や第2実施形態の場合には、外層や内層にそれぞれ入力される磁場の強さは、外層や内層の外側であって、それらの隣の領域で求められていたが、第3実施形態において、外層および内層は多角形である。そのため、多角形の辺の隣であるか、頂点の隣であるかによって、磁場の強さが異なることがある。この場合、辺の中央の隣の領域の磁場の強さを材料選定の基準とすることが望ましい。
ここで、断面の多角形の辺のうち、その中央の隣の領域とは、その多角形の外側であって、且つ、その多角形の回転対称の中心に最も近い領域と言える。したがって、上述したことは、外層(第1層)と内層(第2層)との間の領域であって内層の隣の領域のうち、この内層の軸に最も近い領域における磁場の強さを、材料選定の基準とするということを意味する。要するに、上述した領域における磁場の強さのとき、内層に用いる材料の比透磁率の方が、外層に用いる材料の比透磁率に比べて高ければよい。
したがって、外層1bの材料は、頂点の隣の領域である領域R0xではなく、辺の中央の隣の領域R0bにおける磁場の強さH0[A/m]に基づいて選定される。具体的にこの材料は、その磁場の強さH0[A/m]のときに、候補となる各材料の比透磁率が高いものが選定される。
また、内層2bの材料も、頂点の隣の領域である領域R1xではなく、辺の中央の隣の領域R1bにおける磁場の強さH1[A/m]に基づいて選定される。具体的にこの材料は、その磁場の強さH1[A/m]のときに、候補となる各材料の比透磁率が高いものが選定される。
4.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
(1)上述した実施形態において、層の材料は、その層の外側においてその層の隣の領域の磁場の強さを特定し、その磁場の強さのときに最も比透磁率が高くなるものが選ばれていたが、層の隣の領域について、その層の軸方向について特に限定しなかった。しかし、この領域を、さらに軸方向の位置で限定してもよい。例えば、層の材料は、その層の外側においてその層の隣の領域のうち、その層の軸方向における中央部の領域の磁場の強さに基づいて決められてもよい。この中央部とは、軸の中点を通り、軸に垂直な平面を含む領域であって、層全体の軸方向の範囲のうち、予め決められた割合(例えば20%)の範囲にわたる領域である。
(2)また、領域の軸方向の位置は、その領域における磁場の強さによって限定されてもよい。つまり、層の材料は、その層の外側においてその層の隣の領域のうち、最も磁場の強さが強い部分の領域の、その磁場の強さに基づいて決められてもよい。
(3)磁気シールドは、例えば、磁気測定装置と、その磁気測定装置によって測定される測定対象とをそれぞれ内部に収納して、それらに入力される環境磁場を遮る目的で用いられる。この場合、材料の選定の基準とした領域の位置に応じて、測定対象を配置する位置を決めてもよい。例えば、層の隣の領域のうち、その層の軸方向における中央部の磁場の強さを材料選定の基準とした場合、測定対象は、その層の軸の中点に配置されてもよい。また、層の外側であってその層の隣の領域のうち、磁場の強さが最も強い点を材料選定の基準とした場合、測定対象は、その点から層の軸へ伸ばした垂線と、軸との交点に配置されてもよい。
1,1a…外層、2…内層、2a…中間層、2b…内層、3…選定装置、31…制御部、311…特定部、312…第1選定部、313…推算部、314…第2選定部、32…記憶部、321…比透磁率データベース、33…操作部、34…表示部、4…内層、5…底層、9,9a,9b…磁気シールド。

Claims (4)

  1. 第1材料で構成された第1の筒型構造体と、
    前記第1材料と異なる第2材料で構成された第2の筒型構造体と、
    更に、第3材料で構成された第3の筒型構造体と、
    を備え、
    前記第2の筒型構造体は前記第1の筒型構造体の内部に配置され、
    第1の磁場での前記第1材料の比透磁率は、前記第1の磁場での前記第2材料の比透磁率よりも高く、
    前記第1の磁場よりも弱い第2の磁場での前記第1材料の比透磁率は、前記第2の磁場での前記第2材料の比透磁率よりも低く、
    前記第3の筒型構造体は前記第2の筒型構造体の内部に配置され、
    前記第2の磁場よりも弱い第3の磁場での前記第2材料の比透磁率は、前記第3の磁場での前記第3材料の比透磁率よりも低く、
    前記第2の磁場は、前記第1の筒型構造体と前記第2の筒型構造体との間の磁場であって、該第2の筒型構造体を配置する前の磁場である
    ことを特徴とする磁気シールド。
  2. 記第3の磁場は、前記第2の筒型構造体と前記第3の筒型構造体との間の磁場であって、該第3の筒型構造体を配置する前の磁場であることを特徴とする請求項1に記載の磁気シールド。
  3. 料ごとに磁場の強さに対する比透磁率を記憶した記憶手段を備えたコンピューターに、
    磁気シールドが設置される環境の磁場の強さを特定する特定手段と、
    前記記憶手段の記憶内容を参照して、前記特定手段によって特定された磁場の強さに対して最も高い比透磁率を示す材料を、磁気シールドの第1の筒型構造体の材料である第1材料として選定する第1選定手段と、
    前記第1選定手段によって選定された前記第1材料を用いて前記第1の筒型構造体を製造した場合において、当該第1の筒型構造体と、当該第1の筒型構造体の内部に配置される第2の筒型構造体と、の間の領域であって、該第2の筒型構造体を配置する前の領域における磁場の強さを推算する推算手段と、
    前記記憶手段の記憶内容を参照して、前記推算手段によって推算された磁場の強さに対して最も高い比透磁率を示す材料を、前記第2の筒型構造体の材料である第2材料として選定する第2選定手段、
    として機能させるためのプログラム。
  4. 定手段が、磁気シールドの設置される環境の磁場の強さを特定し、
    第1選定手段が、材料ごとに磁場の強さに対する比透磁率を記憶した記憶手段の記憶内容を参照して、前記特定手段によって特定された磁場の強さに対して最も高い比透磁率を示す材料を、磁気シールドの第1の筒型構造体の材料である第1材料として選定し、
    推算手段が、前記第1選定手段によって選定された前記第1材料を用いて前記第1の筒型構造体を製造した場合において、当該第1の筒型構造体と、当該第1の筒型構造体の内部に配置される第2の筒型構造体と、の間の領域であって、該第2の筒型構造体を配置する前の領域における磁場の強さを推算し、
    第2選定手段が、前記記憶手段の記憶内容を参照して、前記推算手段によって推算された磁場の強さに対して最も高い比透磁率を示す材料を、前記第2の筒型構造体の材料である第2材料として選定する
    ことを特徴とする前記磁気シールドの材料の選定方法。
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