JP6055455B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明の一態様は、酸化物半導体を用いた非線形素子(例えば、ダイオード)とこれを有
する表示装置などの半導体装置に関する。更には、これらを有する電子機器に関する。
半導体デバイスの中でダイオードには耐圧が高いこと、逆方向飽和電流が少ないことなど
が要求されている。このような要求を満たすために、炭化シリコン(SiC)を用いたダ
イオードが検討されている。すなわち、半導体材料としての炭化シリコンは、禁制帯幅が
3eV以上であり高温での電気伝導度の制御性に優れ、シリコンより約1桁高い絶縁破壊
電界を有するため、逆方向飽和電流が少なく耐圧が高いダイオードへの適用が検討されて
いる。例えば、逆方向のもれ電流を低減した、炭化シリコンを用いたショットキーバリア
ダイオードが知られている(特許文献1参照)。
しかし、炭化シリコンは良質な結晶を得ることが困難であり、デバイスを作製するときの
プロセス温度が高いといった問題を有している。例えば、炭化シリコンに不純物領域を形
成するにはイオン注入法が用いられるが、ドーパントの活性化やイオン注入により誘起さ
れた結晶欠陥の回復には1500℃以上の加熱処理が必要となる。
また、炭素が成分として含まれていることにより、熱酸化により良質な絶縁層を作製する
ことができないという問題がある。さらに、炭化シリコンは化学的にも極めて安定である
ため、通常のウエットエッチングが困難であるという問題を抱えている。
特開2000−133819号公報
このように、炭化シリコンを用いるダイオードは、高耐圧、少ない逆方向飽和電流を実現
することが期待されているが、実際にこれを製造するには、非常に多くの問題が内在して
おり、実現は困難を極めている。
そこで本発明の一態様は、高耐圧で整流特性の良いダイオードなどの非線形素子を提供す
ることを目的とする。また、逆方向飽和電流の少ないダイオードなどの非線形素子を低い
プロセス温度(例えば、800℃以下)で製造することを目的とする。
本発明の一態様は、基板上に形成される第1の電極と、第1の電極上に接して形成される
二次イオン質量分析法で検出される水素濃度が5×1019/cm以下である酸化物半
導体層と、酸化物半導体層上に接して形成される第2の電極と、第1の電極、酸化物半導
体層、及び第2の電極を覆うゲート絶縁層と、ゲート絶縁層に接して形成され、第1の電
極、酸化物半導体層、及び第2の電極を介して対向する複数の第3の電極を有し、複数の
第3の電極は、第2の電極と接続されており、第1の電極の仕事関数φms、前記酸化物
半導体層の電子親和力χ、前記第2の電極の仕事関数φmdが、φms≦χ≧φmdとな
るように構成するものである。
また、本発明の一態様は、基板上に形成される第1の電極と、第1の電極上に接して形成
される二次イオン質量分析法で検出される水素濃度が5×1019/cm以下である酸
化物半導体層と、酸化物半導体層上に接して形成される第2の電極と、第1の電極、酸化
物半導体層、及び第2の電極を覆うゲート絶縁層と、ゲート絶縁層に接して形成され、第
1の電極、酸化物半導体層、及び第2の電極を介して対向する複数の第3の電極を有し、
複数の第3の電極は、第2の電極と接続されており、第1の電極の仕事関数φms、前記
酸化物半導体層の電子親和力χ、前記第2の電極の仕事関数φmdが、φms>χ≧φm
dとなるように構成するものである。
具体的には、酸化物半導体層に含まれる水素の濃度が5×1019/cm以下、好まし
くは5×1018/cm以下、より好ましくは5×1017/cm以下、または1×
1016/cm未満となるように、酸化物半導体層に含まれる水素若しくはOH基を除
去し、キャリア濃度を1×1012/cm未満、好ましくは1×1011/cm未満
とした酸化物半導体層を用いる。
また、当該酸化物半導体のエネルギーギャップを、2eV以上、好ましくは2.5eV以
上、より好ましくは3eV以上として、ドナーを形成する水素等の不純物を極力低減し、
キャリア濃度を1×1012/cm未満、好ましくは1×1011/cm未満となる
ようにする。
また、酸化物半導体の電子親和力χが4.3eVである場合、酸化物半導体の電子親和力
χよりも仕事関数が大きい電極材料として、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、鉄(Fe)、金(Au)、プラチナ(Pt)、銅(Cu)、コバルト(
Co)、ニッケル(Ni)、ベリリウム(Be)、酸化インジウム錫(ITO)などを用
いることができる。
また、酸化物半導体の電子親和力χが4.3eVである場合、酸化物半導体の電子親和力
χ以下の仕事関数を有する電極材料として、チタン(Ti)、イットリウム(Y)、アル
ミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、マンガ
ン(Mn)、タンタル(Ta)、窒化タンタル、窒化チタンなどを用いることができる。
なお、本明細書において、不純物濃度は二次イオン質量分析法(Secondary I
on Mass Spectrometry。以下、SIMSともいう。)によるもので
ある。ただし、他の計測法が挙げられている場合など、特に記載がある場合にはこの限り
ではない。
本発明の一態様は、低いプロセス温度で作製可能な、オン電流が大きく、オフ電流が小さ
いトランジスタによって構成される、微細化が可能なダイオードなどの非線形素子を提供
する。
微細化が可能で整流特性に優れたダイオードを得ることができる。アバランシェ降伏現象
が起きにくい(すなわち、耐圧が大きい)ダイオードを作製することができる。
本発明の一態様であるダイオードを説明する上面図及び断面図である。 本発明の一態様であるダイオードを説明する上面図及び断面図である。 本発明の一態様であるダイオードを説明する図である。 エネルギー障壁を説明するバンド図である。 本発明の一態様であるダイオードのシミュレーション結果を示す図である。 本発明の一態様であるダイオードを説明する上面図及び断面図である。 本発明の一態様であるダイオードを説明する上面図及び断面図である。 本発明の一態様であるダイオードを説明する上面図及び断面図である。 本発明の一態様であるダイオードを説明する上面図及び断面図である。 本発明の一態様であるダイオードの作製方法を説明する断面図である。 本発明の一態様であるダイオードの作製方法を説明する断面図である。 本発明の一態様である表示装置を説明する図である。 本発明の一態様である保護回路を説明する図である。 本発明の一態様である保護回路を説明する図である。 本発明の一態様である電子機器を説明する図である。
トランジスタは半導体素子の一種であり、電流や電圧の増幅や、導通または非導通を制御
するスイッチング動作などを実現することができる。トランジスタは、バイポーラトラン
ジスタや電界効果トランジスタなど様々な形態が考案されている。電界効果トランジスタ
は、FET(Field Effect Transistor)、IGFET(Ins
ulated Gate FET)、MISFET(Metal Insulator
Semiconductor FET)などとも呼ばれ、特にゲート絶縁層に酸化絶縁層
を用いた電界効果トランジスタはMOSFET(Metal Oxide Semico
nductor FET)と呼ばれる。また、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法
などの薄膜形成技術を用いて、ガラス、石英、プラスチックなどの基板上に、薄膜状に形
成されたトランジスタは、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Trans
istor)と呼ばれている。
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明
に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々
に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施
の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構
成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共
通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、明
瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない
また、本明細書にて用いる第1、第2、第3などの用語は、構成要素の混同を避けるため
に付したものであり、数的に限定するものではない。そのため、例えば、「第1の」を「
第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。
また、電圧とは2点間における電位差のことをいい、電位とはある一点における静電場の
中にある単位電荷が持つ静電エネルギー(電気的な位置エネルギー)のことをいう。ただ
し、一般的に、ある一点における電位と基準となる電位(例えば接地電位)との電位差の
ことを、単に電位もしくは電圧と呼び、電位と電圧が同義語として用いられることが多い
。このため、本明細書では特に指定する場合を除き、電位を電圧と読み替えてもよいし、
電圧を電位と読み替えてもよいこととする。
(実施の形態1)
本実施の形態では、非線形素子の一形態として、酸化物半導体を有するトランジスタを用
いたダイオードについて、トランジスタがn型である場合について図1乃至図3を用いて
説明する。本実施の形態にて説明するダイオードは、トランジスタのソース電極またはド
レイン電極にゲート電極が接続されたものである。
一般に、ダイオードとは、アノードおよびカソードの2つの端子を有し、アノードの電位
が、カソードの電位よりも高い場合に電流が流れる状態、すなわち導通状態となり、アノ
ードの電位が、カソードの電位よりも低い場合にほとんど電流が流れない状態、すなわち
非導通状態(絶縁状態)となる性質を有している。
ダイオードのこの性質は整流特性といわれ、ダイオードが導通状態となる方向を順方向、
非導通状態となる方向を逆方向という。順方向の時の電圧を順方向電圧、または順方向バ
イアスといい、順方向の時の電流を順方向電流という。また、逆方向の時の電圧を逆方向
電圧といい、逆方向の時の電流を逆方向電流という。
図1に示すダイオードでは、配線125が第3の電極113および第3の電極115と接
続され、更には第2の電極109と接続され、第2の電極109は酸化物半導体層107
を介して第1の電極105に接続されている。第1の電極105は配線131に接続され
ている。
図1(A)はダイオード接続されたトランジスタ133の上面図であり、図1(B)は図
1(A)の一点鎖線A−Bの断面図に相当する。
図1(B)に示すように、基板101上に形成された絶縁層103上に、第1の電極10
5、酸化物半導体層107、及び第2の電極109が積層される。また、第1の電極10
5、酸化物半導体層107、及び第2の電極109を覆うように、ゲート絶縁層111が
設けられている。ゲート絶縁層111上には、第3の電極113及び第3の電極115が
設けられている。ゲート絶縁層111及び第3の電極113及び第3の電極115上には
層間絶縁層として機能する絶縁層117が設けられている。絶縁層117には、開口部が
形成されており、開口部において第1の電極105と接続する配線131(図1(A)参
照)、第2の電極109および第3の電極113及び第3の電極115と接続する配線1
25が形成される。第1の電極105は、トランジスタのソース電極またはドレイン電極
の一方として機能する。第2の電極109は、トランジスタのソース電極またはドレイン
電極の他方として機能する。第3の電極113及び第3の電極115は、トランジスタの
ゲート電極として機能する。
本実施の形態のトランジスタは、縦型トランジスタであり、ゲート電極として機能する第
3の電極113と、第3の電極115とは分離しており、且つ第1の電極105、酸化物
半導体層107、及び第2の電極109を介して対向していることを特徴とする。
なお、トランジスタは、ゲート(ゲート電極)と、ドレイン(ドレイン電極またはドレイ
ン領域)と、ソース(ソース電極またはソース領域)とを含む少なくとも三つの端子を有
する素子であり、ドレインとソースの間にチャネル形成領域を有しており、ドレインとチ
ャネル形成領域とソースとを介して電流を流すことができる。ここで、ソースとドレイン
とは、トランジスタの構造や動作条件などによって変わるため、いずれがソースまたはド
レインであるかを限定することが困難である。そこで、ソース及びドレインとして機能す
る領域を、ソースもしくはドレインとよばない場合がある。その場合、一例としては、そ
れぞれを第1の端子、第2の端子と表記する場合がある。あるいは、それぞれを第1の電
極、第2の電極と表記する場合がある。あるいは、第1の領域、第2の領域と表記する場
合がある。
基板101は、少なくとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必
要となる。基板101としては、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラス
などのガラス基板を用いることができる。
また、ガラス基板としては、後の加熱処理の温度が高い場合には、歪み点が730℃以上
のものを用いるとよい。また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、ア
ルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている
。なお、酸化ホウ素(B)と比較して酸化バリウム(BaO)を多く含ませること
で、より実用的な耐熱ガラスが得られる。このため、BよりBaOを多く含むガラ
ス基板を用いることが好ましい。
なお、上記のガラス基板に代えて、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などの絶
縁体でなる基板を用いてもよい。他にも、結晶化ガラスなどを用いることができる。
絶縁層103は、酸化シリコン、酸化窒化シリコンなど酸化物絶縁層、または窒化シリコ
ン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、または窒化酸化アルミニウムなどの窒化物絶
縁層で形成する。また、絶縁層103は積層構造でもよく、例えば、基板101側から上
記した窒化物絶縁層のいずれか一つ以上と、上記した酸化物絶縁層のいずれか一つ以上と
の積層構造とすることができる。
第1の電極105及び第2の電極109は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、鉄
(Fe)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タン
グステン(W)、イットリウム(Y)、銀(Ag)から選ばれた元素、または上述した元
素を成分とする合金、上述した元素を組み合わせた合金などで形成する。また、マンガン
(Mn)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、ベリリウム(Be)、トリウ
ム(Th)から選択されたいずれか一または複数の材料を用いることができる。また、第
1の電極105及び第2の電極109は、単層構造、または二層以上の積層構造とするこ
とができる。例えば、シリコン(Si)を含むアルミニウムの単層構造、アルミニウム層
上にチタン層を積層する二層構造、タングステン層上にチタン層を積層する二層構造、チ
タン層と、そのチタン層上に重ねてアルミニウム層を積層し、さらにその上にチタン層を
形成する三層構造などが挙げられる。
また、アルミニウム(Al)に、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W
)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)な
どアルミニウム層に生ずるヒロックやウィスカーの発生を防止する元素が添加されている
アルミニウム材料を用いることで耐熱性を向上させることが可能となる。
第1の電極105及び第2の電極109は、導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電
性の金属酸化物としては酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜
鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記する
)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)または前記金属酸化物材料にシ
リコン若しくは酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
酸化物半導体層107としては、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系
膜や、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O系膜、In−Sn−Zn−O系膜、
In−Al−Zn−O系膜、Sn−Ga−Zn−O系膜、Al−Ga−Zn−O系膜、S
n−Al−Zn−O系膜や、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O系膜、Sn−Zn−
O系膜、Al−Zn−O系膜、Zn−Mg−O系膜、Sn−Mg−O系膜、In−Mg−
O系膜、In−Ga−O系膜や、In−O系膜、Sn−O系膜、Zn−O系膜などの酸化
物半導体層を用いることができる。また、上記酸化物半導体層にSiOを含んでもよい
また、酸化物半導体層107は、InMO(ZnO)(m>0)で表記される薄膜を
用いることができる。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた一または
複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、またはG
a及びCoなどがある。InMO(ZnO)(m>0)で表記される構造の酸化物半
導体層のうち、MとしてGaを含む構造の酸化物半導体を、In−Ga−Zn−O系酸化
物半導体とよび、その薄膜をIn−Ga−Zn−O系膜ともよぶこととする。
本実施の形態で用いる酸化物半導体層107は、酸化物半導体層に含まれる水素の濃度が
5×1019/cm以下、好ましくは5×1018/cm以下、より好ましくは5×
1017/cm以下か、または1×1016/cm未満であり、酸化物半導体層に含
まれる水素が低減されている。即ち、酸化物半導体層の主成分以外の不純物が極力含まれ
ないように高純度化されている。また、酸化物半導体層107のキャリア濃度は1×10
12/cm未満、好ましくは1×1011/cm未満である。即ち、酸化物半導体層
のキャリア濃度は、限りなくゼロに近い。また、エネルギーギャップは2eV以上、好ま
しくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。なお、酸化物半導体層中の水
素濃度測定は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mas
s Spectroscopy)で行えばよい。また、キャリア濃度は、ホール効果測定
により測定することができる。
酸化物半導体層107の厚さは、30nm以上3000nm以下とするとよい。酸化物半
導体層107の厚さを薄くすることで、トランジスタのチャネル長を小さくすることが可
能であり、オン電流及び電界効果移動度の高いトランジスタを作製することができる。一
方、酸化物半導体層107の厚さを厚くすることで、代表的には100nm以上3000
nm以下とすることで、大電力用の半導体装置を作製することができる。
ゲート絶縁層111は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリ
コン、または酸化アルミニウムを単層でまたは積層して形成することができる。ゲート絶
縁層111は、酸化物半導体層107と接する部分が酸素を含むことが好ましく、特に好
ましくは酸化シリコンにより形成する。酸化シリコンを用いることで、酸化物半導体層1
07に酸素を供給することができ、特性を良好にすることができる。ゲート絶縁層111
の厚さは、50nm以上500nm以下とするとよい。ゲート絶縁層111の厚さを薄く
することで、電界効果移動度の高いトランジスタを作製することができ、駆動回路を同一
基板に作製することができる。一方、ゲート絶縁層111の厚さを厚くすることで、ゲー
トリーク電流を低減することができる。
また、ゲート絶縁層111として、ハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y
>0))、窒素が添加されたHfSixOy(x>0、y>0)、窒素が添加されたハフ
ニウムアルミネート(HfAlxOy(x>0、y>0))、酸化ハフニウム、酸化イッ
トリウムなどのhigh−k材料を用いることでゲートリーク電流を低減できる。さらに
は、high−k材料と、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シ
リコン、または酸化アルミニウムのいずれか一以上との積層構造とすることができる。
ゲート電極として機能する第3の電極113及び第3の電極115は、アルミニウム、ク
ロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた元素、または上述
した元素を成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金膜などを用いて形成する
ことができる。また、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウムから選択され
たのいずれか一または複数の材料を用いてもよい。また、第3の電極113及び第3の電
極115は、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含む
アルミニウムの単層構造、アルミニウム層上にチタン層を積層する二層構造、チタン層と
、そのチタン層上にアルミニウム層を積層し、さらにその上にチタン層を形成する三層構
造などがある。また、アルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、
クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素のいずれか一、または複数組み合わせ
た合金膜、もしくは窒化膜を用いてもよい。
本実施の形態に係る酸化物半導体層は、n型不純物である水素を酸化物半導体層から除去
し、酸化物半導体層の主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化することによ
り真性(i型)とし、または真性型とせんとしたものである。すなわち、不純物を添加し
てi型化するのでなく、水素、水、水酸基または水素化物などの不純物を極力除去するこ
とにより、高純度化されたi型(真性半導体)またはそれに近づけることを特徴としてい
る。そうすることにより、フェルミ準位(Ef)は真性フェルミ準位(Ei)と同じレベ
ルにまですることができる。
上記したように、不純物を極力除去することにより、例えば、トランジスタのチャネル幅
Wが1×10μmでチャネル長が3μmの素子であっても、オフ電流が10−13A以
下ときわめて低く、さらに、サブスレッショルドスイング値(S値)を0.1V/dec
.(ゲート絶縁層厚100nm)以下とすることができる。
このように、酸化物半導体層の主成分以外の不純物、代表的には水素、水、水酸基または
水素化物などが極力含まれないように高純度化することにより、トランジスタの動作を良
好なものとすることができる。特に、オフ電流を低減することができる。
ところで、チャネルが基板と概略平行に形成される横型トランジスタにおいては、チャネ
ルのほかにソース及びドレインを設ける必要があり、基板におけるトランジスタの専有面
積が大きくなってしまい、微細化の妨げとなる。しかしながら、縦型トランジスタにおい
ては、ソース、チャネル、及びドレインを積層するため、基板表面における占有面積を低
減することができる。この結果、トランジスタの微細化が可能である。なお、微細化など
の制約がなければ、本実施の形態を横型トランジスタに適用することも可能である。
また、縦型トランジスタのチャネル長は、酸化物半導体層の厚さで制御できるため、酸化
物半導体層107の厚さを薄くすることでチャネル長の小さいトランジスタとすることが
可能である。チャネル長を小さくすることで、ソース、チャネル、及びドレインの直列抵
抗を低減できるため、トランジスタのオン電流および電界効果移動度を上昇させることが
できる。また、水素濃度が低減され高純度化された酸化物半導体を有するトランジスタは
、オフ電流が極めて低く、オフ時には電流がほとんど流れない絶縁状態となる。このため
、酸化物半導体層の厚さを薄くし、縦型トランジスタのチャネル長を小さくしても、非導
通状態のオフ電流がほとんど無いトランジスタとすることができる。
このように、水素濃度が低減され高純度化された酸化物半導体を用いることで、高精細化
に適し、動作速度が速く、オン時には大電流を流すことができ、オフ時にはほとんど電流
を流さないトランジスタを作製することができる。本実施の形態では、水素濃度が低減さ
れ高純度化された酸化物半導体を有するトランジスタを用いてダイオードを形成する。
なお、本実施の形態のダイオードは、図1に示すものに限定されない。図1に示すダイオ
ードでは、酸化物半導体層107中を第2の電極109から第1の電極105に電流が流
れるが、図2に示すように、酸化物半導体層107中を第1の電極105から第2の電極
109に電流が流れる構成としてもよい。
図2に示すダイオードでは、配線125が第3の電極113および第3の電極115と接
続され、更には第1の電極105と接続されている。第1の電極105は酸化物半導体層
107を介して第2の電極109と接続されている。第2の電極109は、配線129に
接続されている。
なお、図2に示すダイオードでは、配線125が他の電極などとの重なりを避けて設けら
れているため、配線125と、これらの電極との間に生じる寄生容量を抑えつつ動作させ
ることができる。
このような水素濃度が低減され高純度化された酸化物半導体を有するトランジスタのソー
スまたはドレインをゲートと電気的に接続させることで、逆方向電流が非常に少ないダイ
オードを得ることができる。従って、アバランシェ降伏現象が起きにくい(すなわち、耐
圧が大きい)ダイオードを作製することができる。
また、第1の電極105の酸化物半導体層107と接する導電性材料の仕事関数をφmd
とし、第2の電極109の酸化物半導体層107と接する導電性材料の仕事関数をφms
とし、酸化物半導体層107の電子親和力をχとし、これらを式1を充足するように構成
することで、第1の電極105及び第2の電極109と、酸化物半導体層107との接合
界面におけるエネルギー障壁を低減し、特に順方向電流特性に優れたダイオードとするこ
とができる。
φms≦χ≧φmd・・・式1
図3に、図1及び図2で説明した、酸化物半導体(OS)を有するn型トランジスタを用
いたダイオードを回路記号で示す。図3(A)は、図1で説明した酸化物半導体(OS)
を有するn型トランジスタを用いたダイオードの回路記号であり、第2の電極109が配
線125を介して、第3の電極113および第3の電極115に接続されている状態を示
している。第2の電極109に第1の電極105よりも高い電圧(正の電圧)が印加され
ると、ゲート電極として機能する第3の電極113および第3の電極115にも正の電圧
が印加されるため、トランジスタ133がオン状態となり、第1の電極105と第2の電
極109の間に電流が流れる。
一方、第2の電極109に第1の電極105よりも低い電圧(負の電圧)が印加されると
、トランジスタ133がオフ状態となるため、第1の電極105と第2の電極109の間
に電流がほとんど流れない。このようにして、水素濃度が低減され高純度化された酸化物
半導体を有するトランジスタ133を、第2の電極109をアノード、第1の電極105
をカソードとするダイオードとして機能させることができる。
図3(B)は、図2で説明した酸化物半導体(OS)を有するn型トランジスタを用いた
ダイオードの回路記号であり、第1の電極105が配線125を介して、第3の電極11
3および第3の電極115に接続されている状態を示している。第1の電極105に第2
の電極109よりも高い電圧(正の電圧)が印加されると、ゲート電極として機能する第
3の電極113および第3の電極115にも正の電圧が印加されるため、トランジスタ1
33がオン状態となり、第1の電極105と第2の電極109の間に電流が流れる。
一方、第1の電極105に第2の電極109よりも低い電圧(負の電圧)が印加されると
、トランジスタ133がオフ状態となるため、第1の電極105と第2の電極109の間
に電流がほとんど流れない。このようにして、水素濃度が低減され高純度化された酸化物
半導体を有するトランジスタ133を、第1の電極105をアノード、第2の電極109
をカソードとするダイオードとして機能させることができる。
本実施の形態を用いることで、整流特性に優れ、アバランシェ降伏現象が起きにくい(す
なわち、耐圧が大きい)ダイオードを作製することができる。特に順バイアス時の特性に
優れたダイオードを得ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明したダイオードの整流特性をより高める構成につ
いて図1乃至図5を用いて説明する。
実施の形態1では、順方向の特性に優れたダイオードの構成について説明したが、本実施
の形態では、逆方向の特性に優れたダイオードの構成について説明する。本実施の形態を
用いることにより、より逆方向電流が少ないダイオードとすることができる。
具体的には、トランジスタ133の第1の電極105に使用する導電性材料の仕事関数と
、酸化物半導体層107の電子親和力と、第2の電極109に使用する導電性材料の仕事
関数の関係を工夫することで、トランジスタ133を、逆方向電流がさらに少ないダイオ
ードとして機能させることができる。
ここで、図4を用いて、仕事関数φMを有する金属と、電子親和力χを有する酸化物半導
体の接合におけるエネルギー障壁について説明しておく。
図4(A)は、φMがχよりも大きい場合の熱平衡状態におけるバンド構造であり、接合
界面800において、金属801と酸化物半導体802が接合している様子を示している
。酸化物半導体802は真性半導体を示しており、酸化物半導体802のフェルミレベル
823は、伝導帯822と価電子帯824のほぼ中央に位置している。金属801の仕事
関数φMは、真空準位820と、金属801のフェルミレベル821のエネルギー差であ
り、図中では仕事関数803として示している。酸化物半導体802の電子親和力χは、
真空準位820と、酸化物半導体802の伝導帯822のエネルギー差であり、図中では
電子親和力804として示している。
接合界面800において、金属801のフェルミレベル821と酸化物半導体802のフ
ェルミレベル823は一致する。また、伝導帯822及び価電子帯824は、φMとχの
エネルギー差に応じて、接合界面800近傍で曲がった形状となる。
エネルギー障壁805は、仕事関数803(φM)と電子親和力804(χ)のエネルギ
ー差(φM−χ)であり、図4(A)では、仕事関数803(φM)が酸化物半導体80
2の電子親和力804(χ)より大きいため、エネルギー障壁805は正の値となる。こ
のため、金属801に存在する電子は、エネルギー障壁805に阻まれ、酸化物半導体8
02の伝導帯822にほとんど移動することができない。すなわち、電流が流れにくくな
る。
図4(B)は、φMがχよりも小さい場合の熱平衡状態におけるバンド構造を示している
。図4(B)では、仕事関数803(φM)が酸化物半導体802の電子親和力804(
χ)より小さいため、エネルギー障壁805は負の値となる。このため、金属801に存
在する電子は、酸化物半導体802の伝導帯822に容易に移動することができる。すな
わち、電流が流れ易くなる。
なお、仕事関数803(φM)と電子親和力804(χ)が等しい場合は、エネルギー障
壁805が存在しないため、金属801に存在する電子は、酸化物半導体802の伝導帯
822に容易に移動することができる。すなわち、エネルギー障壁805が負の値の場合
と同様に、電流が流れ易くなる。
続いて、図4(A)で説明したエネルギー障壁を、トランジスタ133に適用することに
より、逆方向電流を効果的に低減し、整流特性に優れたダイオードを実現するトランジス
タの構成について図1及び図2を用いて説明する。
図1で説明したトランジスタ133は、第2の電極109が、第3の電極113及び第3
の電極115に接続している。このため、トランジスタ133は、第2の電極109をア
ノード、第1の電極105をカソードとするダイオードとして機能する。
また、図2で説明したトランジスタ133は、第1の電極105が、第3の電極113及
び第3の電極115に接続している。このため、トランジスタ133は、第1の電極10
5をアノード、第2の電極109をカソードとするダイオードとして機能する。
第1の電極105または第2の電極109のうち、アノードとなる電極の酸化物半導体層
107と接する導電性材料の仕事関数をφmdとし、第1の電極105または第2の電極
109のうち、カソードとなる電極の酸化物半導体層107と接する導電性材料の仕事関
数をφmsとし、酸化物半導体層107の電子親和力をχとし、これらを式2を充足する
ように構成する。
φms>χ≧φmd・・・式2
例えば、酸化物半導体の電子親和力χが4.3eVである場合、酸化物半導体の電子親和
力よりも大きい仕事関数の導電性材料の例として、タングステン(W)、モリブデン(M
o)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、金(Au)、プラチナ(Pt)、銅(Cu)、コバ
ルト(Co)、ニッケル(Ni)、ベリリウム(Be)、酸化インジウム錫(ITO)な
どを用いることができる。
また、酸化物半導体の電子親和力χが4.3eVである場合、仕事関数が酸化物半導体の
電子親和力以下である導電性材料の例として、チタン(Ti)、イットリウム(Y)、ア
ルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、マン
ガン(Mn)、タンタル(Ta)、窒化タンタル、窒化チタンなどを用いることができる
実施の形態1で示したように、第1の電極105または第2の電極109は、単層構造、
または二層以上の積層構造とすることができる。この場合、酸化物半導体に接する層を、
式2を満たす関係とすればよい。例えば、カソードとして機能する第1の電極105を、
モリブデンとアルミニウムとチタンの三層構造とする場合は、酸化物半導体に接する層に
タングステンを使用し、アルミニウムをモリブデンとチタンで挟む構造とする。アルミニ
ウムは、モリブデン及びチタンよりも抵抗率が小さいため、配線抵抗を低減させる効果が
実現できる。また、アルミニウムをモリブデンとチタンで挟む構造とすることで、アルミ
ニウムのマイグレーションを防ぐ事ができる。
図5に、図1で説明したダイオードを、式1を満たすように構成した場合と、式2を満た
すように構成した場合の逆方向電流のデバイスシミュレーション結果を示す。デバイスシ
ミュレーションは、Silvaco社製ソフトウエア「Atlas」を用いて行った。前
提条件として、アノードとカソード間の距離(酸化物半導体層の厚さ)を500nm、ア
ノード及びカソードと酸化物半導体層の接触面積を1μm(1μm×1μm)、酸化物
半導体層の電子親和力(χ)を4.3eV、アノードとなる導電層の仕事関数(φmd)
を4.3eVとした。また、カソードとなる導電層の仕事関数(φms)は、式1を満た
す構成の場合は4.3eVとし、式2を満たす構成の場合は4.7eVとした。また、ダ
イオードとして用いるトランジスタのゲート絶縁層を、厚さ100nm、比誘電率4.0
としてシミュレーションを行った。
図5の横軸は逆バイアス時のアノード−カソード間(ドレイン−ソース間)電圧(Vds
)を示している。縦軸はアノード−カソード間(ドレイン−ソース間)の電流(Ids)
を示している。また、曲線851は式1を満たす構成としたダイオードの逆方向電流電圧
特性を示しており、曲線852は式2を満たす構成としたダイオードの逆方向電流電圧特
性を示している。図5から、式1及び式2を満たす構成としたダイオードのどちらも逆方
向電流が少ないことが確認できるが、式2を満たす構成としたダイオードの方がより逆方
向電流が少なくなっていることが確認できる。
このように、酸化物半導体を有するトランジスタを用いて、酸化物半導体の電子親和力と
電極材料の仕事関数の関係を、式2を満たす構成とすることで、より整流特性に優れ、ア
バランシェ降伏現象が起きにくい(すなわち、耐圧が大きい)ダイオードを作製すること
ができる。特に逆方向電流(漏れ電流)の少ないダイオードを得ることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、非線形素子の一態様であるダイオードの一例であって、実施の形態1
及び実施の形態2とは異なる構造のものについて、図6を用いて説明する。本実施の形態
にて説明するダイオードは、トランジスタのソース電極またはドレイン電極にゲート電極
が電気的に接続されたものである。
図6に示すダイオードでは、配線131が第1の電極105および第3の電極113と接
続され、配線132が第1の電極106および第3の電極115と接続されている。第1
の電極105および第1の電極106は酸化物半導体層107を介して第2の電極109
と接続されている。第2の電極109は、配線129に接続されている。
図6(A)はダイオード接続されたトランジスタ141、トランジスタ143の上面図で
あり、図6(B)は図6(A)の一点鎖線A−Bの断面図に相当する。
図6(B)に示すように、基板101上に形成された絶縁層103上に、第1の電極10
5、第1の電極106、酸化物半導体層107、及び第2の電極109が積層される。ま
た、第1の電極105、第1の電極106、酸化物半導体層107、及び第2の電極10
9を覆うように、ゲート絶縁層111が設けられている。ゲート絶縁層111上には、第
3の電極113及び第3の電極115が設けられている。ゲート絶縁層111及び第3の
電極113及び第3の電極115上には層間絶縁層として機能する絶縁層117が設けら
れている。絶縁層117には、開口部が形成されており、開口部において第1の電極10
5及び第3の電極113と接続する配線131、第1の電極106及び第3の電極115
と接続する配線132(図6(A)参照)、第2の電極109と接続する配線129が形
成される。
第1の電極105は、トランジスタ141のソース電極またはドレイン電極の一方として
機能する。第1の電極106は、トランジスタ143のソース電極またはドレイン電極の
一方として機能する。第2の電極109は、トランジスタ141、143のソース電極ま
たはドレイン電極の他方として機能する。第3の電極113は、トランジスタ141のゲ
ート電極として機能する。第3の電極115は、トランジスタ143のゲート電極として
機能する。
本実施の形態では、第1の電極105と、第1の電極106とが分離されていることを特
徴とする。更には、トランジスタ141と、トランジスタ143とが、第2の電極109
及び配線129で並列に接続していることを特徴とする。
または、トランジスタ141と第2のトランジスタ143を直列に接続してもよい。この
場合、第1の電極105は、トランジスタ141のソース電極またはドレイン電極の一方
(例えばソース)として機能する。第2の電極109は、トランジスタ141のソース電
極またはドレイン電極の他方(例えばドレイン)として機能する。第3の電極113は、
トランジスタ141のゲート電極として機能する。また、第2の電極109は、トランジ
スタ143のソース電極またはドレイン電極の一方(例えばソース)として機能する。第
1の電極106は、トランジスタ143のソース電極またはドレイン電極の他方(例えば
ドレイン)として機能する。第3の電極115は、トランジスタ143のゲート電極とし
て機能する。
即ち、トランジスタ141と第2のトランジスタ143が第2の電極109で直列に接続
する。この場合、配線129を設けなくともよい。
本実施の形態のトランジスタ141、トランジスタ143は、実施の形態1及び実施の形
態2と同様に、水素濃度が低減され高純度化された酸化物半導体層を用いている。このた
め、トランジスタの動作を良好なものとすることができる。特に、オフ電流を低減するこ
とができる。この結果、高精細化に適し、動作速度が速く、オン時には大電流を流すこと
ができ、オフ時にはほとんど電流を流さないトランジスタを作製することができる。
なお、本実施の形態のダイオードは、図6に示すものに限定されない。図6に示すダイオ
ードでは、酸化物半導体層107中を第1の電極105から第2の電極109に電流が流
れるが、図7に示すように、酸化物半導体層107中を第2の電極109から第1の電極
105に電流が流れる構成としてもよい。
図7に示すダイオードでは、配線125が第3の電極113および第3の電極115と接
続され、更には第2の電極109と接続され、第2の電極109は酸化物半導体層107
を介して第1の電極105に接続されている。第1の電極105は配線131および配線
132に接続されている。
なお、図7に示すダイオードでは、配線125がトランジスタ141およびトランジスタ
143と重畳して設けられているが、これに限定されず、図2と同様に、配線125がト
ランジスタ141およびトランジスタ143と重畳しないように設けてもよく、配線12
5がトランジスタ141およびトランジスタ143と重畳しない場合には、配線125と
、これらの電極との間に生じる寄生容量を抑えつつ動作させることができる。
このようにトランジスタのソース電極またはドレイン電極をゲート電極と電気的に接続さ
せることで、逆方向電流が非常に少ないダイオードを得ることができる。従って、降伏現
象が起きにくい(すなわち、耐圧が高い)ダイオードを作製することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、非線形素子の一態様であるダイオードの一例であって、実施の形態1
及び実施の形態2とは異なる構造のものについて、図8を用いて説明する。本実施の形態
にて説明するダイオードは、トランジスタのソース電極またはドレイン電極にゲートが接
続されたものである。
図8に示すダイオードでは、配線131が第1の電極105および第3の電極113と接
続されている。第1の電極105は酸化物半導体層107を介して第2の電極109と接
続されている。第2の電極109は、配線129に接続されている。
図8(A)はダイオード接続されたトランジスタ145の上面図であり、図8(B)は図
8(A)の一点鎖線A−Bの断面図に相当する。
図8(B)に示すように、基板101上に形成された絶縁層103上に、第1の電極10
5、酸化物半導体層107、及び第2の電極109が積層される。また、第1の電極10
5、酸化物半導体層107、及び第2の電極109を覆うように、ゲート絶縁層111が
設けられている。ゲート絶縁層111上には、第3の電極113が設けられている。ゲー
ト絶縁層111及び第3の電極113上には層間絶縁層として機能する絶縁層117が設
けられている。
絶縁層117に、開口部が形成されており、開口部において第3の電極113と配線13
1が接続されている。また、絶縁層117及びゲート絶縁層111に開口部が形成されて
おり、開口部において第1の電極105と配線131が接続されており、また、異なる開
口部において、第2の電極109と配線129が接続されている。(図8(A)参照)。
第1の電極105は、トランジスタ145のソース電極またはドレイン電極の一方として
機能する。第2の電極109は、トランジスタ145のソース電極またはドレイン電極の
他方として機能する。第3の電極113は、トランジスタ145のゲート電極として機能
する。
本実施の形態では、ゲート電極として機能する第3の電極113が環状であることを特徴
とする。ゲート電極として機能する第3の電極113を環状とすることで、トランジスタ
のチャネル幅を大きくすることができる。このため、トランジスタのオン電流を高めるこ
とができる。
本実施の形態のトランジスタ141、トランジスタ143は、実施の形態1と同様に、水
素濃度が低減され高純度化された酸化物半導体を用いている。このため、トランジスタの
動作を良好なものとすることができる。特に、オフ電流を低減することができる。この結
果、高精細化に適し、動作速度が速く、オン時には大電流を流すことができ、オフ時には
ほとんど電流を流さないトランジスタを作製することができる。
なお、本実施の形態のダイオードは、図8に示すものに限定されない。図8に示すダイオ
ードでは、酸化物半導体層107中を第1の電極105から第2の電極109に電流が流
れるが、図9に示すように、酸化物半導体層107中を第2の電極109から第1の電極
105に電流が流れる構成としてもよい。
図9に示すダイオードでは、配線129が第2の電極109および第3の電極113と接
続されている。第2の電極109は酸化物半導体層107を介して第1の電極105と接
続されている。第1の電極105は配線131と接続されている。
このようなトランジスタのソース電極またはドレイン電極をゲート電極と電気的に接続さ
せることで、逆方向電流が非常に少ないダイオードを得ることができる。従って、降伏現
象が起きにくい(すなわち、耐圧が高い)ダイオードを作製することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、図1に示すダイオード接続されたトランジスタの作製工程について、
図10を用いて説明する。
図10(A)に示すように、基板101上に絶縁層103を形成し、絶縁層103上に第
1の電極105を形成する。第1の電極105は、トランジスタのソース電極またはドレ
イン電極の一方として機能する。
絶縁層103は、スパッタリング法、CVD法、塗布法などで形成することができる。
なお、スパッタリング法で絶縁層103を形成する場合、処理室内に残留する水素、水、
水酸基または水素化物などを除去しつつ絶縁層103を形成することが好ましい。これは
、絶縁層103に水素、水、水酸基または水素化物などが含まれないようにするためであ
る。処理室内に残留する水素、水、水酸基または水素化物などを除去するためには、吸着
型の真空ポンプを用いることが好ましい。吸着型の真空ポンプとしては、例えば、クライ
オポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また
、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。ク
ライオポンプを用いて排気した処理室では、水素、水、水酸基または水素化物などが排気
されるため、当該処理室で絶縁層103を形成すると、絶縁層103に含まれる不純物の
濃度を低減できる。
また、絶縁層103を形成する際に用いるスパッタガスは、水素、水、水酸基または水素
化物などの不純物が濃度ppm程度、濃度ppb程度まで除去された高純度ガスを用いる
ことが好ましい。
スパッタリング法にはスパッタ用電源に高周波電源を用いるRFスパッタリング法、直流
電源を用いるDCスパッタリング法、また、パルス的にバイアスを与えるパルスDCスパ
ッタリング法もある。RFスパッタリング法は主に絶縁層を形成する場合に用いられ、D
Cスパッタリング法は主に金属膜を形成する場合に用いられる。
また、材料の異なるターゲットを複数設置できる多元スパッタ装置もある。多元スパッタ
装置は、同一チャンバーで異なる材料の膜を積層形成することも、同一チャンバーで複数
種類の材料を同時に放電させて形成することもできる。
また、チャンバー内部に磁石機構を備えたマグネトロンスパッタリング法を用いるスパッ
タ装置や、グロー放電を使わずマイクロ波を用いて発生させたプラズマを用いるECRス
パッタリング法を用いるスパッタ装置がある。
また、スパッタリング法として、成膜中にターゲット物質とスパッタガス成分とを化学反
応させてそれらの化合物薄膜を形成するリアクティブスパッタリング法や、成膜中に基板
にも電圧をかけるバイアススパッタリング法を用いることもできる。
本明細書のスパッタリングにおいては、上記したスパッタリング装置及びスパッタリング
方法を適宜用いることができる。
本実施の形態では、基板101を処理室へ搬送し、水素、水、水酸基または水素化物など
が除去された高純度酸素を含むスパッタガスを導入し、シリコンターゲットを用いて、基
板101に絶縁層103として、酸化シリコンを形成する。なお、絶縁層103を形成す
る際は、基板101は加熱されていてもよい。
例えば、石英(好ましくは合成石英)を用い、基板温度100℃、基板とターゲットの間
との距離(T−S間距離)を60mm、圧力0.4Pa、高周波電源電力1.5kW、酸
素及びアルゴン(酸素流量25sccm:アルゴン流量25sccm=1:1)雰囲気下
でRFスパッタリング法により酸化シリコンを形成する。膜厚は、例えば100nmとす
るとよい。なお、石英(好ましくは合成石英)に代えてシリコンターゲットを用いること
ができる。なお、スパッタガスとして、酸素、または酸素及びアルゴンの混合ガスを用い
て行う。
また、絶縁層103を積層構造で形成する場合、例えば、酸化シリコンと基板との間に水
素、水、水酸基または水素化物などが除去された高純度窒素を含むスパッタガス及びシリ
コンターゲットを用いて窒化シリコンを形成する。この場合においても、酸化シリコンと
同様に、処理室内に残留する水素、水、水酸基または水素化物などを除去しつつ窒化シリ
コンを形成することが好ましい。なお、当該工程において、基板101は加熱されていて
もよい。
絶縁層103として窒化シリコンと酸化シリコンとを積層する場合、窒化シリコンと酸化
シリコンを同じ処理室において、共通のシリコンターゲットを用いて形成することができ
る。先に窒素を含むスパッタガスを導入して、処理室内に装着されたシリコンターゲット
を用いて窒化シリコンを形成し、次に酸素を含むスパッタガスに切り替えて同じシリコン
ターゲットを用いて酸化シリコンを形成する。窒化シリコン及び酸化シリコンを大気に曝
露せずに連続して形成することができるため、窒化シリコン表面に水素、水、水酸基また
は水素化物などの不純物が吸着することを防止することができる。
第1の電極105は、基板101上に導電層をスパッタリング法、CVD法、または真空
蒸着法で形成し、当該導電層上にフォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを形成し
、当該レジストマスクを用いて導電層をエッチングして、形成することができる。または
、フォトリソグラフィ工程を用いず、印刷法、インクジェット法で第1の電極105を形
成することで、工程数を削減することができる。なお、第1の電極105の端部をテーパ
形状とすると、後に形成されるゲート絶縁層の被覆性が向上するため好ましい。第1の電
極105の端部と絶縁層103のなす角の角度を30°以上60°以下(好ましくは40
°以上50°以下)とすることで、後に形成されるゲート絶縁層の被覆性を向上させるこ
とができる。
本実施の形態では、第1の電極105となる導電層として、スパッタリング法により膜厚
50nmのチタン層を形成し、厚さ100nmのアルミニウム層を形成し、厚さ50nm
のチタン層を形成する。次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを
用いてエッチングして、第1の電極105を形成する。なお、後に形成する酸化物半導体
層と接する第1の電極105の材料は、実施の形態2で説明した電子親和力と仕事関数の
関係を考慮して選定することもできる。
次に、図10(B)に示すように、第1の電極105上に酸化物半導体層107及び第2
の電極109を形成する。酸化物半導体層107はトランジスタのチャネル形成領域とし
て機能し、第2の電極109はトランジスタのソース電極またはドレイン電極の他方とし
て機能する。
ここで、酸化物半導体層107及び第2の電極109の作製方法について、説明する。
基板101及び第1の電極105上にスパッタリング法により酸化物半導体層を形成する
。次に、酸化物半導体層上に導電層を形成する。
酸化物半導体層107に水素がなるべく含まれないようにするために、前処理として、ス
パッタリング装置の予備加熱室で第1の電極105が形成された基板101を予備加熱し
、基板101に吸着した水素、水、水酸基または水素化物などの不純物を脱離し排気する
ことが好ましい。なお、予備加熱室に設ける排気手段はクライオポンプが好ましい。なお
、この予備加熱の処理は省略することもできる。またこの予備加熱は、後に形成するゲー
ト絶縁層111の形成前の基板101に行ってもよいし、後に形成する第3の電極113
及び第3の電極115形成前の基板101に行ってもよい。
なお、酸化物半導体層をスパッタリング法により形成する前に、アルゴンガスを導入して
プラズマを発生させる逆スパッタを行い、第1の電極105の表面に付着しているゴミや
酸化層を除去することで、第1の電極105及び酸化物半導体層の界面における抵抗を低
減することができるため好ましい。逆スパッタとは、ターゲット側に電圧を印加せずに、
アルゴン雰囲気下で基板側に高周波電源を用いて電圧を印加して基板近傍にプラズマを形
成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウムなどを
用いてもよい。
本実施の形態では、In−Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲットを用いたスパッタリン
グ法により酸化物半導体層を形成する。また、酸化物半導体層は、希ガス(代表的にはア
ルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガス(代表的にはアルゴン)及び酸素雰囲気
下においてスパッタリング法により形成することができる。また、スパッタリング法を用
いる場合、SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲットを用いて形成してもよ
い。
酸化物半導体層を形成する際に用いるスパッタガスは水素、水、水酸基または水素化物な
どの不純物が、濃度ppm程度、濃度ppb程度まで除去された高純度ガスを用いること
が好ましい。
酸化物半導体層をスパッタリング法で作製するためのターゲットとして、酸化亜鉛を主成
分とする金属酸化物のターゲットを用いることができる。また、金属酸化物のターゲット
の他の例としては、In、Ga、及びZnを含む金属酸化物ターゲット(組成比として、
In:Ga:ZnO=1:1:1[mol数比]、In:Ga
:ZnO=1:1:2[mol数比])を用いることができる。また、In、Ga、及び
Znを含む金属酸化物ターゲットとして、In:Ga:ZnO=2:2:1
[mol数比]、またはIn:Ga:ZnO=1:1:4[mol数比]の
組成比を有するターゲットを用いることもできる。金属酸化物ターゲットの充填率は90
%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%以下である。充填率の高い金属酸
化物ターゲットを用いて形成した酸化物半導体は緻密な膜となる。
減圧状態に保持された処理室内に基板を保持し、処理室内に残留する水分を除去しつつ、
水素、水、水酸基または水素化物などが除去されたスパッタリングガスを導入し、金属酸
化物をターゲットとして基板101上に酸化物半導体層を形成する。処理室内に残留する
水素、水、水酸基または水素化物などを除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いる
ことが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポン
プを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップ
を加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した処理室は、例えば、水素
、水、水酸基または水素化物など(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)などが排気
されるため、酸化物半導体層に含まれる不純物の濃度を低減できる。また、基板を加熱し
ながら酸化物半導体層を形成してもよい。
本実施の形態では、酸化物半導体層の成膜条件の一例として、基板温度室温、基板とター
ゲットの間との距離を110mm、圧力0.4Pa、直流(DC)電源電力0.5kW、
酸素及びアルゴン(酸素流量15sccm:アルゴン流量30sccm)雰囲気下の条件
が適用される。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、成膜時に発生する粉状物質(
パーティクル、ゴミともいうが軽減でき、膜厚分布も均一となるために好ましい。酸化物
半導体層は好ましくは30nm以上3000nm以下とする。なお、適用する酸化物半導
体層材料により適切な厚みは異なり、材料に応じて適宜厚みを選択すればよい。
なお、酸化物半導体層を形成する際のスパッタリング法は、絶縁層103に示したスパッ
タリング法を適宜用いることができる。
第2の電極109となる導電層は、第1の電極105の材料及び手法を適宜用いることが
できる。また、実施の形態2で示したように、使用する材料の仕事関数と酸化物半導体層
の電子親和力に応じて、第1の電極105と第2の電極109を異なる材料とすることも
できる。ここでは、第2の電極109となる導電層として、厚さ50nmのチタン層、厚
さ100nmのアルミニウム層、及び厚さ50nmのチタン層を順に積層する。
次に、フォトリソグラフィ工程により導電層上にレジストマスクを形成し、当該レジスト
マスクを用いて第2の電極109となる導電層及び酸化物半導体層107となる酸化物半
導体層をエッチングして、第2の電極109及び酸化物半導体層107を形成する。なお
、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクの代わりに、インクジェット法
を用いてレジストマスクを作製することで、工程数を削減することができる。当該エッチ
ングにより、第2の電極109及び酸化物半導体層107の端部と、第1の電極105の
なす角の角度を30°以上60°以下(好ましくは40°以上50°以下)とすることで
、後に形成されるゲート絶縁層の被覆性を向上させることができるため好ましい。
なお、ここでの導電層及び酸化物半導体層のエッチングは、ドライエッチングでもウェッ
トエッチングでもよく、両方を用いてもよい。所望の形状の酸化物半導体層107及び第
2の電極109を形成するために、材料に合わせてエッチング条件(エッチング液、エッ
チング時間、温度など)を適宜調節する。
なお、第2の電極109となる導電層及び酸化物半導体層と、第1の電極105とのエッ
チングレートが異なる場合は、第1の電極105のエッチングレートが低く、第2の電極
109となる導電層及び酸化物半導体層のエッチングレートの高い条件を選択する。また
は、酸化物半導体層のエッチングレートが低く、第2の電極109となる導電層のエッチ
ングレートの高い条件を選択して、第2の電極109となる導電層をエッチングした後、
第1の電極105のエッチングレートが低く、酸化物半導体層のエッチングレートの高い
条件を選択する。
酸化物半導体層をウエットエッチングするエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混
ぜた溶液、アンモニア過水(31重量%過酸化水素水:28重量%アンモニア水:水=5
:2:2容量比)などを用いることができる。また、ITO−07N(関東化学社製)を
用いてもよい。
また、ウェットエッチング後のエッチング液はエッチングされた材料とともに洗浄によっ
て除去される。その除去された材料を含むエッチング液の廃液を精製し、含まれる材料を
再利用してもよい。当該エッチング後の廃液から酸化物半導体に含まれるインジウムなど
の材料を回収して再利用することにより、資源を有効活用し低コスト化することができる
また、ドライエッチングに用いるエッチングガスとしては、塩素を含むガス(塩素系ガス
、例えば塩素(Cl)、三塩化硼素(BCl)、四塩化シリコン(SiCl)、四
塩化炭素(CCl)など)が好ましい。
また、フッ素を含むガス(フッ素系ガス、例えば四弗化炭素(CF)、六弗化硫黄(S
)、三弗化窒素(NF)、トリフルオロメタン(CHF)など)、臭化水素(H
Br)、酸素(O)、これらのガスにヘリウム(He)やアルゴン(Ar)などの希ガ
スを添加したガス、などを用いることができる。
ドライエッチング法としては、平行平板型RIE(Reactive Ion Etch
ing)法や、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導
結合型プラズマ)エッチング法を用いることができる。所望の加工形状にエッチングでき
るように、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加さ
れる電力量、基板側の電極温度など)を適宜調節する。
本実施の形態では、エッチャントとしてアンモニア過水を用いて、第2の電極109とな
る導電層をエッチングした後、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液で酸化物半導体層をエッチ
ングして、酸化物半導体層107を形成する。
次に、本実施の形態では、第1の加熱処理を行う。第1の加熱処理の温度は、400℃以
上750℃以下、好ましくは400℃以上基板の歪み点未満とする。ここでは、加熱処理
装置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体層に対して窒素、希ガスなどの不
活性ガス雰囲気下において450℃において1時間の加熱処理を行った後、大気に触れさ
せないことで、酸化物半導体層への水素、水、水酸基または水素化物などの侵入を防ぐこ
とで、水素濃度が低減され高純度化され、i型化または実質的にi型化された酸化物半導
体層を得ることができる。即ち、この第1の加熱処理によって酸化物半導体層107の脱
水化及び脱水素化の少なくとも一方を行うことができる。
なお、第1の加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴンなどの希ガ
スに、水素、水、水酸基または水素化物などなどが含まれないことが好ましい。または、
加熱処理装置に導入する窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴンなどの希ガスの純度を
、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち
不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
また、第1の加熱処理の条件、または酸化物半導体層の材料によっては、酸化物半導体層
が結晶化し、微結晶膜または多結晶膜となる場合もある。例えば、結晶化率が90%以上
、または80%以上の微結晶の酸化物半導体層となる場合もある。また、第1の加熱処理
の条件、または酸化物半導体層の材料によっては、結晶成分を含まない非晶質の酸化物半
導体層となる場合もある。また、非晶質の酸化物半導体層の中に微結晶部(粒径1nm以
上20nm以下(代表的には2nm以上4nm以下))が混在する酸化物半導体層となる
場合もある。
また、酸化物半導体層の第1の加熱処理は、島状の酸化物半導体層を形成する前の酸化物
半導体層に行ってもよい。その場合には、第1の加熱処理後に、加熱装置から基板を取り
出し、フォトリソグラフィ工程を行う。
なお、酸化物半導体層に対する脱水化、脱水素化の効果を奏する加熱処理は、酸化物半導
体層を形成した後、酸化物半導体層上に第2の電極となる導電層を積層した後、第1の電
極、酸化物半導体層及び第2の電極上にゲート絶縁層を形成した後、またはゲート電極を
形成した後のいずれで行ってもよい。
次に、図10(C)に示すように、第1の電極105、酸化物半導体層107、第2の電
極109上にゲート絶縁層111を形成する。
不純物を除去することによりi型化または実質的にi型化された酸化物半導体層(水素濃
度が低減され高純度化された酸化物半導体層)は界面準位、界面電荷に対して極めて敏感
となるため、ゲート絶縁層111との界面は重要である。そのため高純度化された酸化物
半導体層に接するゲート絶縁層111は、高品質化が要求される。
例えば、μ波(2.45GHz)を用いた高密度プラズマCVDにより、緻密で絶縁耐圧
の高い高品質な絶縁層を形成できるので好ましい。水素濃度が低減され高純度化された酸
化物半導体層と高品質ゲート絶縁層とが密接することにより、界面準位を低減して界面特
性を良好なものとすることができるからである。
もちろん、ゲート絶縁層として良質な絶縁層を形成できるものであれば、スパッタリング
法やプラズマCVD法など他の成膜方法を適用することができる。また、ゲート絶縁層の
形成後の加熱処理によってゲート絶縁層の膜質、酸化物半導体層との界面特性が改質され
る絶縁層であっても良い。いずれにしても、ゲート絶縁層としての膜質が良好であること
は勿論のこと、酸化物半導体層との界面準位密度を低減し、良好な界面を形成できるもの
であれば良い。
さらに、85℃、2×10V/cm、12時間のゲートバイアス・熱ストレス試験(B
T試験)においては、不純物が酸化物半導体層に添加されていると、不純物と酸化物半導
体層の主成分との結合が、強電界(B:バイアス)と高温(T:温度)により切断され、
生成された未結合手がしきい値電圧(Vth)のドリフトを誘発することとなる。
これに対して、酸化物半導体層の不純物、特に水素や水などを極力除去し、上記のように
ゲート絶縁層との界面特性を良好にすることにより、BT試験に対しても安定なトランジ
スタを得ることを可能としている。
スパッタリング法でゲート絶縁層111を形成することでゲート絶縁層111中の水素濃
度を低減することができる。スパッタリング法により酸化シリコンを形成する場合には、
ターゲットとしてシリコンターゲットまたは石英ターゲットを用い、スパッタガスとして
酸素または、酸素及びアルゴンの混合ガスを用いて行う。
ゲート絶縁層111は、第1の電極105、酸化物半導体層107、及び第2の電極10
9側から酸化シリコンと窒化シリコンを積層した構造とすることもできる。例えば、第1
のゲート絶縁層として膜厚5nm以上300nm以下の酸化シリコン(SiO(x>0
))を形成し、第1のゲート絶縁層上に第2のゲート絶縁層としてスパッタリング法によ
り膜厚50nm以上200nm以下の窒化シリコン(SiN(y>0))を積層して、
膜厚100nmのゲート絶縁層としてもよい。本実施の形態では、圧力0.4Pa、高周
波電源電力1.5kW、酸素及びアルゴン(酸素流量25sccm:アルゴン流量25s
ccm=1:1)雰囲気下でRFスパッタリング法により膜厚100nmの酸化シリコン
を形成する。
次に、不活性ガス雰囲気下、または酸素ガス雰囲気下で第2の加熱処理(好ましくは20
0℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下)を行ってもよい。なお、当該
第2の加熱処理は、のちに形成される第3の電極113及び第3の電極115、絶縁層1
17、または配線125のいずれかを形成した後に行ってもよい。当該加熱処理により、
第1の加熱処理により生じた酸化物半導体層中の酸素欠損を、ゲート絶縁層中の酸素や、
加熱処理雰囲気中の酸素で補うことで、よりi型化された酸化物半導体層を得ることがで
きる。
次に、ゲート絶縁層111上にゲート電極として機能する第3の電極113及び第3の電
極115を形成する。
第3の電極113及び第3の電極115は、ゲート絶縁層111上に第3の電極113及
び第3の電極115となる導電層をスパッタリング法、CVD法、または真空蒸着法で形
成し、当該導電層上にフォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを形成し、当該レジ
ストマスクを用いて導電層をエッチングして、形成することができる。第3の電極113
及び第3の電極115となる導電膜は、第1の電極105と同様の材料を用いることがで
きる。
本実施の形態では、厚さ150nmのチタン層をスパッタリング法により形成した後、フ
ォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いてエッチングして、第3の電
極113及び第3の電極115を形成する。
以上の工程で、水素濃度が低減され高純度化された酸化物半導体層107を有するトラン
ジスタ133を形成することができる。
次に、図10(D)に示すように、ゲート絶縁層111及び第3の電極113及び第3の
電極115上に絶縁層117を形成した後、コンタクトホール119、コンタクトホール
121、及びコンタクトホール123を形成する。
絶縁層117は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、または酸化窒化
アルミニウムなどの酸化物絶縁層、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム
、または窒化酸化アルミニウムなどの窒化物絶縁層を用いる。または、酸化物絶縁層及び
窒化物絶縁層の積層とすることもできる。
絶縁層117は、スパッタリング法、CVD法などで形成する。なお、スパッタリング法
で絶縁層117を形成する場合、基板101を100℃以上400℃以下の温度に加熱し
、水素、水、水酸基または水素化物などが除去された高純度窒素を含むスパッタガスを導
入しシリコンターゲットを用いて絶縁層を形成してもよい。この場合においても、処理室
内に残留する水素、水、水酸基または水素化物などを除去しつつ絶縁層を形成することが
好ましい。
なお、絶縁層117の形成後、さらに、大気中、100℃以上200℃以下、1時間以上
30時間以下での加熱処理を行ってもよい。この加熱処理によって、ノーマリーオフとな
るトランジスタを得ることができる。よって半導体装置の信頼性を向上できる。
コンタクトホール119、コンタクトホール121、及びコンタクトホール123は、フ
ォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行ってゲー
ト絶縁層111及び絶縁層117の一部を除去して、第2の電極109、及び第3の電極
113及び第3の電極115に達するコンタクトホール119、コンタクトホール121
、及びコンタクトホール123を形成する。なお、図10には図示していないが、ゲート
絶縁層111及び絶縁層117の一部を除去して、第1の電極105に達するコンタクト
ホールも形成する(図1参照)。
次に、ゲート絶縁層111、絶縁層117、コンタクトホール119、コンタクトホール
121、及びコンタクトホール123上に導電層を形成した後、フォトリソグラフィ工程
により形成したレジストマスクを用いてエッチングして、配線125、配線131(図1
0中には図示せず。)を形成する。なお、レジストマスクをインクジェット法で形成して
もよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため
、製造コストを削減できる。
配線125、配線131は、第1の電極105と同様に形成することができる。
なお、第3の電極113及び第3の電極115と、配線125、及び配線131の間に平
坦化のための平坦化絶縁層を設けてもよい。平坦化絶縁層の代表例としては、ポリイミド
、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂などの、耐熱性
を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(lo
w−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス
)などがある。なお、これらの材料で形成される絶縁層を複数積層させることで、平坦化
絶縁層を形成してもよい。
なお、シロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−
Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアル
キル基やアリール基)やフルオロ基を用いてもよい。また、有機基はフルオロ基を有して
いてもよい。
平坦化絶縁層の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタリング法、SO
G法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリ
ーン印刷、オフセット印刷など)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター
、ナイフコーターなどを用いることができる。
上記のように酸化物半導体層中の水素の濃度を低減し、高純度化することができる。それ
により酸化物半導体層の安定化を図ることができる。また、ガラス転移温度以下の加熱処
理で、少数キャリアの数が極端に少なく、バンドギャップの広い酸化物半導体層を形成す
ることができる。このため、大面積基板を用いてトランジスタを作製することができるた
め、量産性を高めることができる。また、当該水素濃度が低減され高純度化された酸化物
半導体層を用いることで、高精細化に適し、動作速度が速く、オン時には大電流を流すこ
とができ、オフ時にはほとんど電流を流さないトランジスタを作製することができる。
このようにトランジスタのソース電極またはドレイン電極をゲート電極と接続させること
で、逆方向電流が非常に少ないダイオードを得ることができる。従って、降伏現象が起き
にくい(すなわち、耐圧が大きい)ダイオードを作製することができる。
なお、酸化物半導体層に接して設けられる絶縁層にハロゲン元素(例えば、フッ素または
塩素)を含ませ、または酸化物半導体層を露出させた状態でハロゲン元素を含むガス雰囲
気中でのプラズマ処理によって酸化物半導体層にハロゲン元素を含ませ、酸化物半導体層
、または該酸化物半導体層に接して設けられる絶縁層との界面に存在しうる、水素、水分
、水酸基または水素化物(水素化合物ともいう)などの不純物を排除してもよい。絶縁層
にハロゲン元素を含ませる場合には、該絶縁層中におけるハロゲン元素濃度は、5×10
18atoms/cm以上1×1020atoms/cm以下程度とすればよい。
なお、上記したように酸化物半導体層中または酸化物半導体層とこれに接する絶縁層との
界面にハロゲン元素を含ませ、酸化物半導体層と接して設けられた絶縁層が酸化物絶縁層
である場合には、酸化物半導体層と接しない側の酸化物絶縁層を、窒化物絶縁層で覆うこ
とが好ましい。すなわち、酸化物半導体層に接する酸化物絶縁層の上に接して窒化シリコ
ンなどを設ければよい。このような構造とすることで、水素、水分、水酸基または水素化
物などの不純物が酸化物絶縁層に侵入することを防止することができる。
なお、図2及び図6乃至図9に示すダイオードも同様に形成することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態5とは異なる形態の酸化物半導体層を有するダイオード接
続されたトランジスタとその作製方法について、図10及び図11を用いて説明する。
実施の形態5と同様に、図10(A)に示すように、基板101上に絶縁層103及び第
1の電極105を形成する。次に、図10(B)に示すように、第1の電極105上に酸
化物半導体層107及び第2の電極109を形成する。
次に、第1の加熱処理を行う。本実施の形態における第1の加熱処理は、上記実施の形態
における第1の加熱処理とは異なるものであり、当該加熱処理によって、図11(A)に
示すように、表面に結晶粒が形成される酸化物半導体層151を形成することができる。
本実施の形態では、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導及び熱輻射の少なくとも一方に
よって被処理物を加熱する装置を用いて第1の加熱処理を行う。ここで、加熱処理の温度
は500℃以上700℃以下、好ましくは650℃以上700℃以下とすることが好適で
ある。なお、加熱処理温度の上限は基板101の耐熱性の範囲内とする必要がある。また
、加熱処理の時間は、1分以上10分以下とすることが好適である。RTA処理を適用す
ることで、短時間に加熱処理を行うことができるため、基板101に対する熱の影響を小
さくすることができる。つまり、加熱処理を長時間行う場合と比較して、加熱処理温度の
上限を引き上げることが可能である。また、酸化物半導体層の表面近傍に、所定の構造の
結晶粒を選択的に形成することが可能である。
本実施の形態で用いることができる加熱装置としては、GRTA(Gas Rapid
Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Therma
l Anneal)装置などのRTA(Rapid Thermal Anneal)装
置などがある。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアー
クランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプ
から発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は
、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。気体には、アルゴンなどの希ガス、ま
たは窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。
例えば、第1の加熱処理として、650℃以上700℃以下の高温に加熱した窒素または
希ガスなどの不活性ガス雰囲気に基板を移動し、数分間加熱した後、高温に加熱した不活
性ガス中から基板を出すGRTAを行ってもよい。GRTAを用いると短時間での高温加
熱処理が可能となる。
なお、第1の加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴンなどの希ガ
スに、水素、水、水酸基または水素化物などが含まれないことが好ましい。または、加熱
処理装置に導入する窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴンなどの希ガスの純度を、6
N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち不純
物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
なお、上記の加熱処理は、酸化物半導体層107を形成した後であればいずれのタイミン
グで行ってもよいが、脱水化または脱水素化を促進させるためには、酸化物半導体層10
7の表面に他の構成要素を設ける前に行うのが好適である。また、上記の加熱処理は、一
回に限らず、複数回行っても良い。
ここで、図11(A)の鎖線部153の拡大図を図11(B)に示す。
酸化物半導体層151は、非晶質を主たる構成とする非晶質領域155と、酸化物半導体
層151の表面に形成される結晶粒157とを有する。また、結晶粒157は、表面から
の距離(深さ)が20nmまでの領域(表面近傍)に形成される。ただし、酸化物半導体
層151の厚さが大きくなる場合にはこの限りではない。例えば、酸化物半導体層151
の厚さが200nm以上となる場合には、「表面の近傍(表面近傍)」とは、表面からの
距離(深さ)が酸化物半導体層の厚さの10%以下である領域をいう。
ここで、非晶質領域155は、非晶質酸化物半導体層を主たる構成としている。なお、「
主たる」とは、例えば、50%以上を占める状態をいい、この場合には、非晶質酸化物半
導体層が体積%(または重量%)で50%以上を占める状態をいうものとする。つまり、
非晶質酸化物半導体層以外にも、酸化物半導体層の結晶などを含むことがあるが、その含
有率は体積%(または重量%)で50%未満であることが望ましいがこれらの範囲に限定
される必要はない。
酸化物半導体層の材料としてIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体を用いる場合には、上
記の非晶質領域155の組成は、Znの含有量(原子%)が、InまたはGaの含有量(
原子%)未満となるようにするのが好適である。このような組成とすることにより、所定
の組成の結晶粒157を形成することが容易になるためである。
この後、実施の形態5と同様に、ゲート絶縁層と、ゲート電極として機能する第3の電極
を形成してトランジスタを作製する。
酸化物半導体層151の表面はゲート絶縁層と接するため、チャネルとなる。チャネルと
なる領域に結晶粒を有することで、ソース、チャネル、及びドレイン間の抵抗が低減する
と共に、キャリア移動度が上昇する。このため、当該酸化物半導体層151を有するトラ
ンジスタの電界効果移動度が上昇し、良好な電気特性を実現できる。
また、結晶粒157は、非晶質領域155と比較して安定であるため、これを酸化物半導
体層151の表面近傍に有することで、非晶質領域155に不純物(例えば水素、水、水
酸基または水素化物など)が取り込まれることを低減することが可能である。このため、
酸化物半導体層151の信頼性を向上させることができる。
以上の工程により酸化物半導体層中の水素の濃度を低減し、高純度化することができる。
それにより酸化物半導体層の安定化を図ることができる。また、ガラス転移温度以下の加
熱処理で、少数キャリアの数が極端に少なく、バンドギャップの広い酸化物半導体層を形
成することができる。このため、大面積基板を用いてトランジスタを作製することができ
るため、量産性を高めることができる。また、当該水素濃度が低減され高純度化された酸
化物半導体層を用いることで、高精細化に適し、動作速度が速く、オン時には大電流を流
すことができ、オフ時にはほとんど電流を流さないトランジスタを作製することができる
このようにトランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方をゲート電極と電気的に
接続させることで、逆方向電流が非常に少ないダイオードを得ることができる。従って、
本実施の形態によって、降伏現象が起きにくい(すなわち、耐圧が高い)ダイオードを作
製することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、図1に示すダイオード接続されたトランジスタの作製工程であって、
実施の形態5とは異なるものについて、図10を用いて説明する。
実施の形態5と同様に、図10(A)に示すように、基板101上に第1の電極105を
形成する。
次に、図10(B)に示すように、第1の電極105上に酸化物半導体層107及び第2
の電極109を形成する。
なお、酸化物半導体層をスパッタリング法により形成する前に、アルゴンガスを導入して
プラズマを発生させる逆スパッタを行い、第1の電極105の表面に付着しているゴミや
酸化層を除去することで、第1の電極105及び酸化物半導体層の界面における抵抗を低
減することができるため好ましい。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウムなどを
用いてもよい。
基板101及び第1の電極105上にスパッタリング法により酸化物半導体層を形成する
。次に、酸化物半導体層上に導電層を形成する。
本実施の形態では、酸化物半導体層をIn−Ga−Zn−O系金属酸化物ターゲットを用
いたスパッタリング法により形成する。本実施の形態では、減圧状態に保持された処理室
内に基板を保持し、基板を室温または400℃未満の温度に加熱する。そして、処理室内
に残留する水素、水、水酸基または水素化物などを除去しつつ、水素、水、水酸基または
水素化物などが除去されたスパッタガスを導入し、金属酸化物をターゲットとして基板1
01及び第1の電極105上に酸化物半導体層を形成する。処理室内に残留する水素、水
、水酸基または水素化物などを除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好
ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用い
ることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えた
ものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した処理室は、例えば、水素、水、水
酸基または水素化物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)などが排気されるため、
当該処理室で形成した酸化物半導体層に含まれる不純物の濃度を低減できる。また、クラ
イオポンプにより処理室内に残留する水素、水、水酸基または水素化物などを除去しなが
らスパッタ形成を行うことで、基板温度が室温から400℃未満でも水素原子、水などの
不純物を低減した酸化物半導体層を形成することができる。
本実施の形態では、基板とターゲットの間との距離を100mm、圧力0.6Pa、直流
(DC)電源電力0.5kW、酸素(酸素流量比率100%)雰囲気下での成膜条件が適
用される。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、成膜時に発生する粉状物質(パー
ティクル、ゴミともいう)が軽減でき、膜厚分布も均一となるために好ましい。酸化物半
導体層は、好ましくは30nm以上3000nm以下とする。なお、適用する酸化物半導
体層材料により適切な厚みは異なり、材料に応じて適宜厚みを選択すればよい。
なお、酸化物半導体層を形成する際のスパッタリング法は、絶縁層103に示したスパッ
タリング法を適宜用いることができる。
次に、第2の電極109となる導電層を、第1の電極105の材料及び手法を用いて形成
する。また、実施の形態2で示したように、使用する材料の仕事関数に応じて、第1の電
極105と第2の電極109を異なる材料とすることもできる。
次に、実施の形態5と同様に、第2の電極109となる導電層及び酸化物半導体層107
となる酸化物半導体層をエッチングして、第2の電極109及び酸化物半導体層107を
形成する。所望の形状の酸化物半導体層107及び第2の電極109を形成するために、
材料に合わせてエッチング条件(エッチング液、エッチング時間、温度など)を適宜調節
する。
次に、図10(C)に示すように、実施の形態5と同様に、第1の電極105、酸化物半
導体層107、第2の電極109上にゲート絶縁層111を形成する。ゲート絶縁層11
1は、酸化物半導体層107との界面特性が良好なものとすることが好ましく、μ波(2
.45GHz)を用いた高密度プラズマCVDでゲート絶縁層111を形成することで、
緻密で絶縁耐圧の高い高品質な絶縁層を形成できるので好ましい。また、ゲート絶縁層と
して良質な絶縁層を形成できるものであれば、スパッタリング法やプラズマCVD法など
他の形成方法を適用することができる。
なお、ゲート絶縁層111を形成する前に逆スパッタを行い、少なくとも酸化物半導体層
107の表面に付着しているレジスト残渣などを除去してもよい。
また、ゲート絶縁層111を形成する前にNO、N、またはArなどのガスを用いた
プラズマ処理によって露出している酸化物半導体層の表面に付着した水素、水、水酸基ま
たは水素化物などを除去してもよい。また、酸素とアルゴンの混合ガスを用いてプラズマ
処理を行ってもよい。プラズマ処理を行った場合、大気に触れることなく、酸化物半導体
層の一部に接するゲート絶縁層111を形成することが好ましい。
また、ゲート絶縁層111に、水素、水、水酸基または水素化物などがなるべく含まれな
いようにするために、前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室で第1の電極10
5から第2の電極109まで形成された基板101を予備加熱し、基板101に吸着した
水素、水、水酸基または水素化物などの不純物を脱離し排気することが好ましい。または
、ゲート絶縁層111を形成した後、基板101を、スパッタリング装置の予備加熱室で
予備加熱して、基板101に吸着した水素、水、水酸基または水素化物などの不純物を脱
離し排気することが好ましい。なお、予備加熱の温度としては、100℃以上400℃以
下好ましくは150℃以上300℃以下である。なお、予備加熱室に設ける排気手段はク
ライオポンプが好ましい。なお、この予備加熱の処理は省略することもできる。
ゲート絶縁層111は、第1の電極105、酸化物半導体層107、及び第2の電極10
9側から酸化シリコンと窒化シリコンとを積層した構造とすることもできる。例えば、第
1のゲート絶縁層としてスパッタリング法により膜厚5nm以上300nm以下の酸化シ
リコン(SiO(x>0))を形成し、第1のゲート絶縁層上に第2のゲート絶縁層と
して膜厚50nm以上200nm以下の窒化シリコン(SiN(y>0))を積層して
、ゲート絶縁層とする。
次に、不活性ガス雰囲気下、または酸素ガス雰囲気下で加熱処理(好ましくは200℃以
上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下)を行ってもよい。なお、当該第2の
加熱処理は、のちに形成される第3の電極113及び第3の電極115、絶縁層117、
または配線125、配線131のいずれかを形成した後に行ってもよい。当該加熱処理に
より、酸化物半導体層中の酸素欠損を、ゲート絶縁層中の酸素や、加熱処理雰囲気中の酸
素で補うことで、よりi型化された酸化物半導体層を得ることができる。
次に、図10(C)に示すように、実施の形態5と同様に、ゲート絶縁層111上にゲー
ト電極として機能する第3の電極113及び第3の電極115を形成する。
以上の工程で、水素濃度が低減された酸化物半導体層107を有するトランジスタ133
を形成することができる。
上記のように酸化物半導体層を形成する際に、反応雰囲気中に残留する水素、水、水酸基
または水素化物などを除去することで、該酸化物半導体層中の水素濃度を低減することが
できる。それにより酸化物半導体層の安定化を図ることができる。
次に、図10(D)に示すように、実施の形態5と同様に、ゲート絶縁層111及び第3
の電極113及び第3の電極115上に絶縁層117を形成した後、コンタクトホール1
19、コンタクトホール121、及びコンタクトホール123を形成する。
次に、図10(E)に示すように、実施の形態5と同様に、配線125、配線131を形
成する。
次に、実施の形態5と同様に、絶縁層117を形成する。なお、絶縁層117の形成後、
さらに、実施の形態5と同様に、大気中、100℃以上200℃以下、1時間以上30時
間以下での加熱処理を行ってもよい。この加熱処理によって、ノーマリーオフとなるトラ
ンジスタを得ることができる。よって半導体装置の信頼性を向上できる。
なお、第3の電極113及び第3の電極115と、配線125及び配線131の間に平坦
化のための平坦化絶縁層を設けてもよい。
上記のように酸化物半導体層を形成するに際し、反応雰囲気中に残留する水素、水、水酸
基または水素化物などを除去することで、該酸化物半導体層中の水素の濃度を低減し、高
純度化することができる。それにより酸化物半導体層の安定化を図ることができる。また
、ガラス転移温度以下の加熱処理で、少数キャリアの数が極端に少なく、バンドギャップ
の広い酸化物半導体層を形成することができる。このため、大面積基板を用いてトランジ
スタを作製することができるため、量産性を高めることができる。また、当該水素濃度が
低減され高純度化された酸化物半導体層を用いることで、高精細化に適し、動作速度が速
く、オン時には大電流を流すことができ、オフ時にはほとんど電流を流さないトランジス
タを作製することができる。
このようにトランジスタのソース電極またはドレイン電極をゲート電極と電気的に接続さ
せることで、逆方向電流が非常に少ないダイオードを得ることができる。従って、降伏現
象が起きにくい(すなわち、耐圧が高い)ダイオードを作製することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
(実施の形態8)
上記実施の形態にて説明したダイオードなどの非線形素子は、半導体装置に適用すること
ができる。半導体装置として、例えば表示装置を挙げることができる。
本発明の一態様である表示装置の構成について、図12を参照して説明する。図12は、
表示装置が形成された基板200の上面図を示す。基板200上には、画素部201が形
成されている。また、入力端子202及び入力端子203は、基板200上に形成された
画素回路に対して画像を表示するための信号及び電源電力を供給する。
なお、本発明の一態様である表示装置は、図12に示す形態に限定されない。すなわち、
基板200上には、走査線駆動回路及び信号線駆動回路の一方または双方が形成されてい
てもよい。
そして、基板200上に形成された走査線側の入力端子202及び信号線側の入力端子2
03と、画素部201とは、縦横に延びた配線によって接続されており、該配線は保護回
路204乃至保護回路207に接続されている。
画素部201と、入力端子202とは、配線209によって接続されている。保護回路2
04は、画素部201と、入力端子202との間に配設され、配線209に接続されてい
る。保護回路204を設けることによって、画素部201が有するトランジスタ等の各種
半導体素子を保護することができ、これらが劣化し、または破壊することを防止できる。
なお、配線209は、図中では一の配線を指し示しているが、配線209と平行に設けら
れている複数の配線のすべてが配線209と同様の接続関係を有する。なお、配線209
は、走査線として機能するものである。
なお、走査線側には、入力端子202と画素部201との間に設けられている保護回路2
04のみならず、画素部201を挟んで入力端子202の反対側にも保護回路が設けられ
ていても良い(図12の保護回路205を参照)。
一方で、画素部201と、入力端子203とは配線208によって接続されている。保護
回路206は、画素部201と、入力端子203との間に配設され、配線208に接続さ
れている。保護回路206を設けることによって、画素部201が有するトランジスタ等
の各種半導体素子を保護することができ、これらが劣化し、または破壊されることを防止
できる。なお、配線208は、図中では一の配線を指し示しているが、配線208と平行
に設けられている複数の配線のすべてが配線208と同様の接続関係を有する。なお、配
線208は、信号線として機能するものである。
なお、信号線側には、入力端子203と画素部201との間に設けられている保護回路2
06のみならず、画素部201を挟んで入力端子203の反対側にも設けられていても良
い(図12の保護回路207を参照)。
なお、保護回路204乃至保護回路207は全て設ける必要はない。しかし、少なくとも
保護回路204は設ける必要がある。走査線に過大な電流が生じることで、画素部201
が有するトランジスタのゲート絶縁層が破壊され、多数の点欠陥を生じうるからである。
また、保護回路204のみならず保護回路206を設けることで信号線に過大な電流が生
じることを防止できる。そのため、保護回路204のみを設ける場合と比較して信頼性が
向上し、歩留まりが向上する。保護回路206を有することで、トランジスタ形成後のラ
ビング工程等にて生じうる、静電気による破壊を防止することもできる。
更には、保護回路205及び保護回路207を有することで、信頼性を更に向上させるこ
とができる。また、歩留まりを高くすることができる。保護回路205及び保護回路20
7は、入力端子202及び入力端子203とは反対側に設けられている。そのため、これ
らは表示装置の作製工程(例えば、液晶表示装置の作製工程におけるラビング工程)中に
おいて生じる、各種半導体素子の劣化及び破壊を防止することに寄与する。
なお、図12では、基板200とは別に形成した信号線駆動回路及び走査線駆動回路をC
OG方式やTAB方式等の公知の方式により基板200に実装する。しかし、これに限定
されず、走査線駆動回路と画素部とを基板200上に形成し、信号線駆動回路は別に形成
したものを実装してもよい。または、走査線駆動回路の一部或いは信号線駆動回路の一部
を、画素部201と共に基板200上に形成し、走査線駆動回路の他の部分或いは信号線
駆動回路の他の部分を実装するようにしても良い。走査線駆動回路の一部が画素部201
と走査線側の入力端子202との間に設けられている場合には、走査線側の入力端子20
2と基板200上の走査線駆動回路の一部との間に保護回路を設けても良いし、走査線駆
動回路の一部と画素部201との間に保護回路を設けても良いし、これらの双方に保護回
路を設けても良い。また、信号線駆動回路の一部が画素部201と信号線側の入力端子2
03との間に設けられている場合には、信号線側の入力端子203と基板200上の信号
線駆動回路の一部との間に保護回路を設けても良いし、信号線駆動回路の一部と画素部2
01との間に保護回路を設けても良いし、これらの双方に保護回路を設けても良い。つま
り、駆動回路の形態は様々であるため、保護回路はその形態に合わせて設ける数と場所を
定める。
次に、図12における保護回路204乃至保護回路207に用いられる保護回路の具体的
な回路構成の例について、図13を参照して説明する。以下の説明ではn型トランジスタ
を設ける場合についてのみ説明する。
図13(A)に示す保護回路は、複数のトランジスタを用いた保護ダイオード211乃至
保護ダイオード214を有する。保護ダイオード211は、酸化物半導体(OS)を有す
るn型トランジスタ211a及びn型トランジスタ211bが直列に接続されている。そ
して、n型トランジスタ211aのソース電極及びドレイン電極の一方は、n型トランジ
スタ211a及びn型トランジスタ211bのゲート電極と接続され、且つ電位Vss
保たれている。n型トランジスタ211aのソース電極及びドレイン電極の他方は、n型
トランジスタ211bのソース電極及びドレイン電極の一方に接続されている。n型トラ
ンジスタ211bのソース電極及びドレイン電極の他方は保護ダイオード212に接続さ
れている。そして、他の保護ダイオード212乃至保護ダイオード214も保護ダイオー
ド211と同様に、それぞれ直列に接続された複数のトランジスタを有し、且つ直列に接
続された複数のトランジスタの一端は、複数のトランジスタのゲート電極と接続されてい
る。
なお、保護ダイオード211乃至保護ダイオード214のそれぞれが有するトランジスタ
の数及び極性は、図13(A)に示す構成に限定されない。例えば、保護ダイオード21
1は、直列に接続された三つのトランジスタにより構成されていてもよい。
そして、保護ダイオード211乃至保護ダイオード214は順に直列に接続されており、
且つ保護ダイオード212と保護ダイオード213の間は、配線215に接続されている
。なお、配線215は、保護対象となる半導体素子に電気的に接続されているものである
。なお、配線215と接続する配線は、保護ダイオード212と保護ダイオード213と
の間の配線に限定されない。即ち、配線215は、保護ダイオード211と保護ダイオー
ド212との間に接続されていても良いし、保護ダイオード213と保護ダイオード21
4との間に接続されていても良い。
そして、保護ダイオード214の一端は電源電位Vddに保たれている。また、保護ダイ
オード211乃至保護ダイオード214のそれぞれは、逆方向バイアスの電圧がかかるよ
うに接続されている。
図13(B)に示す保護回路は、保護ダイオード220、保護ダイオード221、容量素
子222、容量素子223及び抵抗素子224を有する。抵抗素子224は2端子の抵抗
であり、その一端には配線225から電位Vinが供給され、他端には電位Vssが供給
される。抵抗素子224は、電位Vinが供給されなくなったときに配線225の電位を
ssにするために設けられており、その抵抗値は配線225の配線抵抗よりも十分に大
きくなるように設定する。保護ダイオード220及び保護ダイオード221は、ダイオー
ド接続されたn型トランジスタを用いている。
なお、図13に示す保護ダイオードは、更に複数のトランジスタを直列に接続したもので
あっても良い。
ここで、図13に示す保護回路が動作する場合について考える。このとき、保護ダイオー
ド211、212、221、230、231、234、235のソース電極及びドレイン
電極において、電位Vssに保持される側がドレイン電極である。また他方はソース電極
となる。保護ダイオード213、214、220、232、233、236、237のソ
ース電極及びドレイン電極において、電位Vddに保持される側をソース電極とし、他方
がドレイン電極となる。また、保護ダイオードを構成するトランジスタのしきい値電圧を
thと示す。
また、保護ダイオード211、212、221、230、231、234、235は電位
inが電位Vssより高いときに逆バイアスの電圧がかかり、電流が流れにくい。一方
、保護ダイオード213、214、220、232、233、236、237は、電位V
inが電位Vddより低いときに逆方向バイアスの電圧がかかり、電流が流れにくい。
ここでは、電位Voutが概ね電位Vssと電位Vddの間となるように設けられた保護
回路の動作について説明する。
まず、電位Vinが電位Vddよりも高い場合を考える。電位Vinが電位Vddよりも
高い場合、保護ダイオード213、214、220、232、233、236、237の
ゲート電極とソース電極間の電位差Vgs=Vin−Vdd>Vthのときに、当該n型
トランジスタはオン状態となる。ここでは、Vinが異常に高い場合を想定しているため
、当該n型トランジスタはオン状態となる。このとき、保護ダイオード211、212、
221、230、231、234、235が有するn型トランジスタは、オフ状態となる
。そうすると、保護ダイオード213、214、220、232、233、236、23
7を介して、配線215、225、239A、239Bの電位がVddとなる。従って、
ノイズ等により電位Vinが電位Vddよりも異常に高くなったとしても、配線215、
224、225、239A、239Bの電位は、電位Vddよりも高くなることはない。
一方で、電位Vinが電位Vssよりも低い場合には、保護ダイオード211、212、
221、230、231、234、235のゲート電極とソース電極間の電位差Vgs
ss−Vin>Vthのときに、当該n型トランジスタはオン状態となる。ここでは、
inが異常に低い場合を想定しているため、n型トランジスタはオンする。このとき、
保護ダイオード213、214、220、232、233、236、237が有するn型
トランジスタはオフ状態となる。そうすると、保護ダイオード211、212、221、
230、231、234、235を介して、配線215、225、239A、239Bの
電位がVssとなる。従って、ノイズ等により、電位Vinが電位Vssより異常に低く
なったとしても、配線215、225、239A、239Bの電位は、電位Vssよりも
低くなることはない。さらに、容量素子222、223は、入力電位Vinが有するパル
ス状のノイズを鈍らせ、ノイズによる電位の急峻な変化を緩和する働きをする。
なお、電位Vinが、Vss−VthからVdd+Vthの間の場合には、すべての保護
ダイオードが有するn型トランジスタがオフ状態となり、電位Vinが電位Voutへ入
力される。
以上説明したように保護回路を配置することで、配線215、225、239A、239
Bの電位は、概ね電位Vssと電位Vddの間に保たれることになる。従って、配線21
5、225、239A、239Bがこの範囲から大きく外れる電位となることを防止する
ことができる。つまり、配線215、225、239A、239Bが異常に高い電位また
は異常に低い電位となることを防止し、当該保護回路の後段の回路が破壊されまたは劣化
することを防止し、後段の回路を保護することができる。
さらに、図13(B)に示すように、入力端子に抵抗素子224を有する保護回路を設け
ることで、信号が入力されていないときに、信号が与えられる全ての配線の電位を、一定
(ここでは電位Vss)とすることができる。つまり信号が入力されていないときは、配
線同士をショートさせることができるショートリングとしての機能も有する。そのため、
配線間に生じる電位差に起因する静電破壊を防止することができる。また、抵抗素子22
4の抵抗値が配線抵抗に対して十分に大きいので、信号の入力時に、配線に与えられる信
号が電位Vssまで降下することを防止することができる。
ここで、一例として、図13(B)の保護ダイオード220及び保護ダイオード221に
閾値電圧Vth=0のn型トランジスタを用いた場合について説明する。
まず、Vin>Vddの場合には、保護ダイオード220はVgs=Vin−Vdd>0
となり、オンする。保護ダイオード221が有するn型薄膜トランジスタはオフ状態とな
る。従って、配線225の電位はVddとなり、Vout=Vddとなる。
一方で、Vin<Vssの場合には、保護ダイオード220が有するn型薄膜トランジス
タはオフ状態となる。保護ダイオード221が有するn型薄膜トランジスタはVgs=V
ss−Vin>0となり、オン状態となる。従って、配線225の電位はVssとなり、
out=Vssとなる。
このように、Vin<VssまたはVdd<Vinとなる場合であっても、Vss<V
ut<Vddの範囲で動作させることができる。従って、Vinが過大な場合または過小
な場合であっても、Voutが過大になりまたは過小となることを防止することができる
。従って、例えばノイズ等により、電位Vinが電位Vssより低くなる場合であっても
、配線225の電位は、電位Vssよりも遙かに低くなることはない。さらに、容量素子
222及び容量素子223は、入力電位Vinが有するパルス状のノイズを鈍らせ、電位
の急峻な変化を緩和する働きをする。
以上説明したように保護回路を配置することで、配線225の電位は、電位Vssと電位
ddの間に概ね保たれることになる。従って、配線225がこの範囲から大きくはずれ
た電位となることを防止することができ、当該保護回路の後段の回路(入力部がVout
に電気的に接続された回路)を破壊または劣化から保護することができる。さらに、入力
端子に保護回路を設けることで、信号が入力されていないときに、信号が与えられる全て
の配線の電位を、一定(ここでは電位Vss)に保つことができる。つまり、信号が入力
されていないときは、配線同士をショートさせることができるショートリングとしての機
能も有する。そのため、配線間に生じる電位差に起因する静電破壊を防止することができ
る。また、抵抗素子224の抵抗値が十分に大きいので、信号の入力時には、配線225
に与えられる信号の電位の低下を防止できる。
図13(C)に示す保護回路は、保護ダイオード220及び保護ダイオード221を、そ
れぞれ2つのn型トランジスタで代用したものである。
なお、図13(B)及び図13(C)に示す保護回路は、保護ダイオードとしてダイオー
ド接続されたn型トランジスタを用いているが、これに限定されない。
また、図13(D)に示す保護回路は、保護ダイオード230乃至保護ダイオード237
と、抵抗素子238と、を有する。抵抗素子238は配線239Aと配線239Bの間に
直列に接続されている。保護ダイオード230乃至保護ダイオード233のそれぞれは、
ダイオード接続されたn型トランジスタを用いており、保護ダイオード234乃至保護ダ
イオード237のそれぞれは、ダイオード接続されたn型トランジスタを用いている。
保護ダイオード230と保護ダイオード231は直列に接続されており、一端は電位V
に保持され、他端は電位Vinの配線239Aに接続されている。保護ダイオード23
2と保護ダイオード233は直列に接続されており、一端は電位Vddに保持され、他端
は電位Vinの配線239Aに接続されている。保護ダイオード234と保護ダイオード
235は直列に接続されており、一端は電位Vssに保持され、他端は電位Voutの配
線239Bに接続されている。保護ダイオード236と保護ダイオード237は直列に接
続されており、一端は電位Vddに保持され、他端は電位Voutの配線239Bに接続
されている。
また、図13(E)に示す保護回路は、抵抗素子240と、抵抗素子241と、保護ダイ
オード242と、を有する。図13(E)では、保護ダイオード242としてダイオード
接続されたn型トランジスタを用いているが、これに限定されない。ダイオード接続され
た複数のトランジスタを用いても良い。抵抗素子240と、抵抗素子241と、保護ダイ
オード242は、配線243に直列に接続されている。
抵抗素子240及び抵抗素子241によって、配線243の電位の急激な変動を緩和し、
半導体素子の劣化または破壊を防止することができる。また、保護ダイオード242によ
って、電位の変動により配線243に逆方向バイアスの電流が流れることを防止すること
ができる。
なお、図13(A)に示す保護回路は、図13(F)に示す構成に置き換えることも可能
である。図15(F)は、図15(A)に示した保護ダイオード211及び保護ダイオー
ド212を保護ダイオード216に、保護ダイオード213及び保護ダイオード214を
保護ダイオード217に置き換えた構成を示している。特に、上記実施の形態で説明した
ダイオードは、耐圧が高いため、図13(F)のような構成を用いることができる。
なお、抵抗素子のみを配線に直列に接続する場合には、配線の電位の急激な変動を緩和し
、半導体素子の劣化または破壊を防止することができる。また、保護ダイオードのみを配
線に直列に接続する場合、電位の変動により配線に逆方向の電流が流れるのを防ぐことが
できる。
なお、本発明の一態様である表示装置に設けられる保護回路は図13に示す構成に限定さ
れるものではなく、同様の働きをする回路構成であれば、適宜設計変更が可能である。
(実施の形態9)
本実施の形態では、上記実施の形態にて説明したダイオードを用いて、安定した電源供給
を可能とする半導体装置の構成例について図14で説明する。電源線に想定以上の電圧が
印加されると、その電源線に接続している回路が損傷される恐れがある。実施の形態8で
は、主に信号線に対して想定以上の過大な電圧から保護するための構成例について示した
が、図14では、電源線に想定以上の電圧が印加されることを防ぐための構成例を示す。
図14(A)は、電位Vssを供給する電源線270と、電位Vddを供給する電源線2
71の間に、酸化物半導体(OS)を有するn型トランジスタを用いた保護ダイオード2
51乃至保護ダイオード255、及び保護ダイオード261が接続されている状態を示す
回路図である。また、図14(B)は、図14(A)のトランジスタを用いた保護ダイオ
ードの構成を、ダイオードの回路記号で置き換えた図である。
一例として、電位Vssを0Vとし、電位Vddを10Vとし、電源線270と電源線2
71の電位差が10Vを超える事がないようにする場合について説明する。ここでは、保
護ダイオードとして、閾値電圧(Vth)が2Vのn型トランジスタを用いることとする
図14(A)及び図14(B)において、電位Vddを供給する電源線271に保護ダイ
オード251のアノード側が接続されている。保護ダイオード251は酸化物半導体(O
S)を有するn型トランジスタで構成されており、該n型トランジスタのソース電極及び
ドレイン電極の一方が、電源線271及び該n型トランジスタのゲート電極と接続され、
アノードとして機能する。また、ソース電極及びドレイン電極の他方はカソードとして機
能し、保護ダイオード252のアノードに接続されている。
保護ダイオード252は酸化物半導体(OS)を有するn型トランジスタで構成されてお
り、該n型トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方が、保護ダイオード251
のカソード及び該n型トランジスタのゲート電極と接続され、アノードとして機能する。
また、ソース電極及びドレイン電極の他方はカソードとして機能し、保護ダイオード25
3のアノードに接続されている。
このようにして、保護ダイオード251乃至保護ダイオード255が直列に接続し、保護
ダイオード255のカソードが電位Vssを供給する電源線270に接続される。つまり
、電源線270と電源線271の間に、順バイアス方向に保護ダイオードが5個直列に接
続されている。
通常、順方向バイアス方向に電圧が印加されるとダイオードに順方向電流が流れ、アノー
ドとカソード間が導通状態となる。本実施の形態では、閾値電圧(Vth)が2Vのn型
トランジスタで構成されたダイオードを5個直列に接続しているため、順方向バイアスが
2Vの5倍である10Vを超えないと、電源線270と電源線271間が導通状態となら
ない。しかし、ノイズなどの原因により、電源線270と電源線271間の電位差が10
Vを超えると、保護ダイオード251乃至保護ダイオード255が導通状態となり、電位
差が10V以下になるまで電源線270と電源線271が短絡状態となる。このようにし
て、想定以上の電圧が電源線を通して回路に印加され、回路が損傷される事を防ぐことが
できる。
また、保護ダイオード261を、電源線270と電源線271の間に逆方向バイアスとな
るように接続することで、ノイズなどの原因により、電源線270の電位が電源線271
より大きくなったときに、電源線270と電源線271を短絡させて電荷を逃がし、電源
線に接続されている回路が損傷することを防ぐことができる。
保護ダイオード261は、酸化物半導体(OS)を有するトランジスタであり、大きな逆
方向バイアスが印加されても、降伏現象が起きにくい高耐圧ダイオードである。本実施の
形態では、電源線270と電源線271の間に保護ダイオード261を一つ配置した例を
示しているが、保護ダイオード261を複数直列に配置してもよい。保護ダイオード26
1をn個直列に配置することで、保護ダイオード一つ当たりに印加される電圧をn分の1
とすることができるため、複数直列に配置したダイオード全体を、さらに耐圧特性に優れ
た一つのダイオードとして機能させることができる。
また、直列接続した保護ダイオード251乃至保護ダイオード255、及び保護ダイオー
ド261は、電源線270と電源線271の間に複数並列に設けてもよい。複数並列に設
けることにより、より多くの電流を流すことができるため、電源線270と電源線271
の間の電位をより迅速に安定させる事ができる。
なお、端子281を保護ダイオード254と保護ダイオード255の間に設けることで、
保護ダイオード255の閾値電圧(Vth)を取り出すことができる。本実施の形態では
、保護ダイオード255の閾値電圧(Vth)を2Vとしているため、端子281を2V
の電源線として用いる事ができる。また、端子281を保護ダイオード253と保護ダイ
オード252の間に設けることで、端子281を6Vの電源線として用いる事ができる。
保護ダイオード255の閾値電圧(Vth)と直列接続数を調整することにより、任意の
電位を取り出すことができる。
(実施の形態10)
実施の形態8で説明した保護回路を有する表示装置は、電子機器に適用することができる
実施の形態8の表示装置を表示部に用いた電子機器として、例えば、ビデオカメラ、デジ
タルカメラなどのカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生
装置(カーオーディオ、オーディオコンポなど)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報
端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍など)、記録媒
体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(
DVD)などの記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)な
どが挙げられる。
図15(A)に示すディスプレイは、筐体300、支持台301および表示部302を含
み、入力された様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部302に表示す
る機能を有する。なお、図15(A)に示すディスプレイが有する機能はこれに限定され
ず、例えばスピーカーを具備していてもよいし、情報の表示のみならず入力も可能なタッ
チパネルであってもよい。
図15(B)に示すテレビジョン装置は、筐体311に表示部312が組み込まれている
。表示部312により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、壁310に
固定して筐体の裏側を支持した構成を示している。
図15(B)に示すテレビジョン装置の操作は、筐体311が備える操作スイッチや、リ
モコン操作機315により行うことができる。リモコン操作機315が備える操作キー3
14により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部312に表示される映像
を操作することができる。また、リモコン操作機315に、当該リモコン操作機315か
ら出力する情報を表示する表示部313を設ける構成としてもよい。
なお、図15(B)に示すテレビジョン装置は、受信機やモデムなどを備えた構成とする
とよい。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して
有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信
者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うこ
とも可能である。
図15(C)に示すコンピュータは、本体320、筐体321、表示部322、キーボー
ド323、外部接続ポート324およびポインティングデバイス325を含み、様々な情
報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部322に表示する機能を有する。なお、
図15(C)に示すコンピュータが有する機能はこれに限定されず、例えば、情報の表示
のみならず入力も可能なタッチパネルであってもよい。
本実施の形態で説明したように、本発明の一態様であるダイオードなどの非線形素子を電
子機器に用いることができる。
101 基板
103 絶縁層
105 電極
106 電極
107 酸化物半導体層
109 電極
111 ゲート絶縁層
113 電極
115 電極
117 絶縁層
119 コンタクトホール
121 コンタクトホール
123 コンタクトホール
125 配線
129 配線
131 配線
132 配線
133 トランジスタ
141 トランジスタ
143 トランジスタ
145 トランジスタ
151 酸化物半導体層
153 鎖線部
155 非晶質領域
157 結晶粒

Claims (1)

  1. 基板上の第1の電極及び第2の電極と、
    前記第1の電極上に接する領域と、前記第2の電極上に接する領域と、を有する酸化物半導体層と、
    前記酸化物半導体層上に接する領域を有する第3の電極と、
    前記第1の電極、前記第2の電極、前記酸化物半導体層、及び前記第3の電極上に設けられ、前記酸化物半導体層の側面と接する領域を有するゲート絶縁層と、
    前記ゲート絶縁層を介して前記酸化物半導体層の側面と重なる領域を有する第4の電極と、を有し、
    前記第1の電極及び前記第2の電極の仕事関数φmd、前記酸化物半導体層の電子親和力χ、前記第3の電極の仕事関数φmsが、φms≦χ≧φmdを満たし、
    前記酸化物半導体層は、二次イオン質量分析法で検出される水素濃度が5×1019/cm以下であり、
    前記酸化物半導体層は、側面近傍に選択的に結晶が形成された第1の領域を有し、
    前記第1の領域は、チャネルとしての機能を有することを特徴とする半導体装置。
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