次に、本発明における実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、各図面は、本発明の実施形態を説明するものである。ただし、本発明は、各図面の記載に限られるわけではない。実施形態に記載される構成要素、種類、組合せ、形状、及び、その相対配置などは、特定的な記載がない限り、この発明の範囲をその記載に限定する趣旨ではなく、単なる説明のための例示にすぎない。
また、以下の説明に用いる図面において、本発明の説明に関係しない部分の構成については、記載を省略し、図示しない場合もある。
<第1の実施形態>
[構成の説明]
まず、第1の実施形態に係る情報処理システム50の構成について説明する。
図1は、本発明における第1の実施形態に係る情報処理システム50の構成の一例を示すブロック図である。
情報処理システム50は、計測装置10と、情報処理装置20とを含む。
計測装置10は、開閉体に設けられている。そして、計測装置10は、装置の位置の変動に基づく計測値(例えば、加速度、速度、角速度、位置変動、又は、角度変動)を検出(検知)する。つまり、計測装置10は、開閉体の位置の変動を検出する。以下、開閉体の位置の変動に関する情報を「変動情報」と言う。そして、計測装置10は、検出した変動に関する情報(例えば、加速度値)を基に、開閉体の動作の状態を判定する。そして、計測装置10は、開閉体の動作状態が変化した場合に、開閉体の動作状態を、情報処理装置20に送信する。以下、開閉体の動作状態に関する情報を「動作情報」と言う。
情報処理装置20は、計測装置10から動作情報(開閉体の動作状態に関する情報)を受信する。そして、情報処理装置20は、動作情報を基に、計測装置10が設けられた開閉体の開閉を判定する。
ここで、情報処理システム50の理解を容易にするために、各装置の構成の説明の前に、図面を参照して、情報処理システム50の設置例について説明する。
図2及び図3は、第1の実施形態に係る情報処理システム50に含まれる計測装置10及び情報処理装置20の設置の一例を示す図である。図2及び図3は、開閉体40の一例として、開き戸の例を示している。そして、図2は、開閉体40が閉じた状態を示す図である。また、図3は、開閉体40が開いた状態を示す図である。
計測装置10は、開閉体40の所定の位置に設置されている。そして、計測装置10は、開閉体40の位置の変動(閉又は開)を検出する。
情報処理装置20は、図2及び図3に示すように、開閉体40が閉の状態で計測装置10の通信範囲30に入り、開閉体40が開の状態で通信範囲30から出る位置に設けられている。
図4及び図5は、第1の実施形態に係る情報処理システム50に含まれる計測装置10及び情報処理装置20の設置の別の一例を示す図である。図4及び図5は、開閉体40の一例として、引き戸の例を示す図である。そして、図4は、開閉体40が閉じた状態を示す図である。また、図5は、開閉体40が開いた状態を示す図である。
図4及び図5においても、情報処理装置20は、開閉体40が閉の状態で計測装置10の通信範囲30に入り、開閉体40が開の状態で通信範囲30から出る位置に設けられている。
なお、情報処理装置20は、開閉体40の開の状態で通信範囲30に入り、開閉体40の閉の状態で通信範囲30から出る位置に設けられてもよい。この場合、情報処理装置20は、以下で説明する判定において、開閉体40の「開」と「閉」との判定を入れ替えればよい。
このように本実施形態に係る情報処理システム50は、開閉体40として、特に制限はない。開閉体40は、図2ないし図5に示す開き戸又は引き戸に限定されない。例えば、開閉体40は、折り戸又は自動ドアでもよい。
次に、図1を参照して、各装置の構成について説明する。
計測装置10は、計測部11と、制御部12と、送信部13とを含む。
計測部11は、位置の変動を計測する。つまり、計測部11は、計測装置10が設置された開閉体40に生じた変動に関する情報(例えば、加速度の値)、つまり「変動情報」を計測する。そして、計測部11は、変動情報を制御部12に送信(出力)する。なお、計測部11が計測する変動の種類は、特に制限はない。また、計測部11が用いる検出器(センサ)は、特に制限はない。例えば、計測部11は、加速度センサ又は風速センサを用いてもよい。そして、変動情報は、計測部11が用いる検出器の種類に応じて決まる。例えば、計測部11が、加速度センサを用いる場合、変動情報は、開閉体40の加速度の値となる。また、計測部11が、風速センサを用いる場合、変動情報は、開閉体40の近傍の風速の値、つまり、開閉体40の動きに基づいて発生した風速の値となる。
なお、変動情報は、制御部12が受信できれば、情報の形式に制限はない。変動情報は、デジタルの情報(データ)でもよく、アナログの信号でもよい。
なお、以下の本実施形態の説明では、一例として、計測部11は、加速度センサを用いる。また、変動情報は、開閉体40の加速度の値を表すデジタルの情報(データ)とする。
制御部12は、計測部11から変動情報を受信する。そして、制御部12は、変動情報を基に、開閉体40の動作の状態(例えば、動作中、又は、停止中)を判定する。そして、制御部12は、判定結果を基に、開閉体の動作の状態が変化した場合に、動作情報を変更する。そして、制御部12は、動作情報を変更した場合に、動作情報を送信部13に送る(出力)する。
例えば、制御部12は、開閉体40の動作の状態が「停止中」から「動作中」に変更となった場合、動作情報を「停止中」から「動作中」に変更し、送信部13に動作情報を出力する。この場合の動作情報は、開閉体40の開閉動作の「動作開始」を示す動作情報となる。そのため、以下の説明において、制御部12は、動作情報を「動作開始」に変更すると言う。また、このときの動作情報を、「動作開始を示す動作情報」、又は、省略して「動作開始」と言う。
また、制御部12は、開閉体40の動作の状態が「動作中」から「停止中」に変更となった場合、動作情報を「動作中」から「停止中」に変更し、送信部13に動作情報を出力する。この場合の動作情報は、開閉体40の開閉動作の「動作停止」を示す動作情報となる。そのため、以下の説明において、制御部12は、動作情報を「動作停止」に変更すると言う。また、このときの動作情報を、「動作停止を示す動作情報」、又は、省略して「動作停止」と言う。
ただし、初期状態では、制御部12は、動作情報を生成し、開閉体40の動作を基に動作情報を初期化する。
なお、動作情報が示す開閉体40の動作は、特に制限はない。例えば、動作情報は、上記の「動作開始」及び「動作停止」を示す情報でもよい。あるいは、動作情報は、開閉体40の動作方向又は動作速度を含んでもよい。また、動作情報の形式は、特に制限はない。動作情報は、デジタルの情報(データ)でもよく、アナログの信号でもよい。
なお、本実施形態の説明では、一例として、制御部12は、動作情報として、「動作開始」及び「動作停止」を示す情報を含むデジタルの情報(データ)を、送信部13に送る。
送信部13は、制御部12から受信した動作情報を、情報処理装置20に送信(出力)する。ただし、送信部13の送信は、指向性を備える。つまり、送信部13は、所定の範囲(例えば、図2ないし図5に示す通信範囲30)に動作情報を送信する。ただし、送信部13の通信の方式は、特に制限はない。例えば、送信部13は、電波通信又は光通信を用いてもよい。また、送信部13と情報処理装置20との通信プロトコルは、特に制限はない。例えば、通信プロトコルは、一般的な通信で用いられる通信プロトコル(例えば、無線LAN(Local Area Network)又はNFC(Near Field Communication))でもよい。あるいは、通信プロトコルは、情報処理システム50での独自の通信プロトコルでもよい。
なお、本実施形態の以下の説明では、一例として、送信部13と情報処理装置20は、電波通信を用いる。また、以下の説明では、送信部13の指向性として、図2ないし図5に示す通信範囲30を参照して説明する。
情報処理装置20は、受信部21と、判定部22と、出力部23とを含む。
受信部21は、計測装置10から動作情報を受信する。そして、受信部21は、受信した動作情報を判定部22に送信(出力)する。
判定部22は、受信部21から受け取った動作情報に基づいて、開閉体40の開又は閉を判定する。そして、判定部22は、開閉の判定の結果(開閉判定結果)を出力部23に送信(出力)する。ここで、判定部22が送信する開閉判定結果の形式は、特に制限はない。開閉判定結果は、デジタルの情報(データ)でもよく、アナログの信号でもよい。
なお、本実施形態の以下の説明では、判定部22は、開閉判定結果を、開及び閉を示すデジタル情報として出力部23に送信(出力)する。
出力部23は、判定部22から受信した開閉判定結果を、所定の方式で出力する。出力部23の出力の方法は、特に制限はない。例えば、出力部23は、ディスプレイのような表示装置を含み、開閉判定結果を表示装置に表示してもよい。あるいは、出力部23は、図示しない外部の装置に開閉判定結果を送信してもよい。なお、開閉判定結果を送信する場合、出力部23の送信の方式は、特に制限はない。例えば、出力部23の送信の方式は、有線通信又は無線通信のいずれでもよい。また、送信における通信プロトコルは、特に制限はない。通信プロトコルは、一般的は通信のプロトコルでもよい。あるいは、通信プロトコルは、情報処理システム50に独自のプロトコルでもよい。
なお、本実施形態の以下の説明では、出力部23は、ディスプレイを含むとする。そして、出力部23は、判定部22から受信した開閉判定結果が開の場合、ディスプレイに所定の形式で「開」を表示する。また、開閉判定結果が閉の場合、出力部23は、ディスプレイに所定の形式で「閉」を表示する。
[動作の説明]
次に、本実施形態の情報処理システム50の動作について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、適宜、図1ないし図5を参照する。
計測装置10は、計測部11の計測した加速度値(変動情報)を基に動作情報を生成する。そして、計測装置10は、動作情報を情報処理装置20に送信する。
図6及び図7は、開閉体40の動作に伴い計測部11が計測する加速度値の一例である。
計測部11が、図2又は図4に示す開閉体40の開方向を正とする加速度を計測する場合、計測部11は、開閉体40の開動作に伴って図6に示すような加速度波形で示される加速度値を計測する。
まず、計測部11は、開閉体40を開く作業者又は駆動装置が開閉体40を開くために開閉体40に力を加えている間、すなわち、開閉体40の開動作の開始時点からある程度の間、正方向の加速度値を検出する。また、計測部11は、開閉体40を開く作業者又は駆動装置が開閉体40をとめるために開方向とは反対の方向に力を加えている間、すなわち、開閉体40の開動作の終了時点のある程度前から終了時点まで、負方向に加速度値を計測する。さらに、計測部11は、開閉体40の開動作の停止後において、小さな範囲で正負を繰り返す加速度値を計測する。
なお、計測部11は、開閉体40の閉動作において、図6に示す加速度値の正負の値を逆転した形状の加速度値を計測する。
これに対し、開閉体40に開閉の伴わない衝撃が加えられた場合、計測部11は、図7に示すように、短い周期で上下に振動しながら減少する不特定な波形の加速度値を計測する。
制御部12は、計測部11から受信した変動情報(例えば、図6又は図7に示す加速度値)を基に、開閉体40の動作情報(例えば、動作開始及び動作停止)を生成する。そして、制御部12は、生成した動作情報を、送信部13に送る。
制御部12は、開閉体40の動作情報の判定手法に、特に制限はない。例えば、制御部12は、判定用のひな形(テンプレート)を保持し、計測部11から受信した変動情報とテンプレートとの適合の程度を基に、動作情報を生成してもよい。
あるいは、制御部12は、動作情報(例えば、動作開始及び動作停止)の判定に、変動情報加速度値の統計量(例えば、分散値)を用いてもよい。
例えば、計測部11が用いる加速度センサが、偏差の値が「A」である正規分布に従う出力誤差を持つ場合、開閉体40が静止しているときに計測部11が計測する加速度値の分散値は、偏差の自乗(A2)のたかだか数倍の範囲に収まる。そこで、まず、制御部12は、加速度センサの偏差(A)を基に、分散値の閾値(以下、「動作閾値」と呼ぶ)を定義する。そして、制御部12は、計測部11から変動情報(加速度値)を受信すると、今回受信した変動情報と、直前に受信した変動情報から所定の範囲の既に受信した変動情報とを基に、分散値を算出する。そして、制御部12は、動作閾値と算出した分散値とを比較する。分散値が動作閾値以上の場合、制御部12は、開閉体40が動作開始と判定する。また、分散値が動作閾値未満の場合、制御部12は、開閉体40が動作停止と判定する。
制御部12の判定動作について、図面を参照してさらに説明する。
図8及び9は、制御部12の判定動作の一例を示すフロー図である。ここで、動作閾値は、加速度センサの偏差(A)の自乗(A2)のn倍(nは、所定の正の実数)とする。また、分散値の計算に用いる変動情報の数は、N(Nは、所定の自然数)とする。
まず、制御部12は、開閉体40の動作情報に初期状態(初期値)を設定する(ステップS001)。通常、開閉体40は、止まっている。そのため、この説明では、制御部12は、動作情報の初期状態として、動作していない状態(動作停止)を設定する(ステップS001)。
次に、制御部12は、変動情報のカウンタ(j)を初期化(j=0)する(ステップS002)。
そして、制御部12は、計測部11から変動情報(加速度値a)を受信するたびに、カウンタ(j)に対応する変動情報(j番目の加速度値aj)として、変動情報を保存する(ステップS003)。なお、制御部12は、変動情報を保存する構成に制限はない。例えば、制御部12は、図示しない記憶部に変動情報を保存してもよい。
そして、制御部12は、カウンタ(j)の値を1つ増やす(ステップS004)。
制御部12は、分散を計算するために必要な数の変動情報を保存したか否かを判定する(ステップS005)。つまり、制御部12は、「j」と「N」とを比較する。
「j<N」、つまり、必要な数が保存されていない場合(ステップS005で「No」)、制御部12は、ステップS003に戻る。つまり、制御部12は、変動情報が、分散値の計算に必要となる数(N)保存されるまで待つ。
「j≧N」、つまり、必要な数が保存された場合(ステップS005で「Yes」)、制御部12は、次に示す数式1を用いて、最新の変動情報(加速度値)とその前までの所定数の変動情報との分散値(V)を算出する(ステップS006)。
第2の式の「m」は、変動情報の平均値である。
なお、一度、分散値の計算に必要な数の変動情報が保存されると、それ以降、制御部12は、常に分散値の計算が可能である。そのため、それ以降、制御部12は、ステップS005の判定を省略してもよい。
そして、制御部12は、分散値(V)と動作閾値とを比較する(ステップS007)。
分散値が動作閾値より大きい場合(ステップS007で「Yes」)、制御部12は、直前の動作情報が動作停止か否かを判定する(ステップS008)。
直前の動作情報が動作停止の場合(ステップS008で「Yes」)、制御部12は、動作情報を動作開始に変更する(ステップS009)。そして、制御部12は、動作情報を送信部13に送る。そして、制御部12は、ステップS003に戻る。つまり、制御部12は、動作停止の状態で、分散値が動作閾値より大きくなった場合に、動作情報を動作開始に変更し、送信部13に動作情報を送信する。
直前の動作情報が動作停止でない場合(ステップS008で「No」)、制御部12は、特に動作を実行しないで、ステップS003に戻る。
分散値が動作閾値より大きくない場合(ステップS007で「No」)、制御部12は、直前の動作情報が動作開始か否かを判定する(ステップS010)。
直前の動作情報が動作開始の場合(ステップS010で「Yes」)、制御部12は、動作情報を動作停止に変更する(ステップS011)。そして、制御部12は、動作情報を送信部13に送る。そして、制御部12は、ステップS003に戻る。つまり、制御部12は、動作開始の状態で、分散値が動作閾値より小さくなった場合に、動作情報を動作停止に変更し、送信部13に動作情報を送信する。
直前の動作情報が動作開始でない場合(ステップS010で「No」)、制御部12は、特に動作を実行しないで、ステップS003に戻る。
図10及び図11は、制御部12の判定動作を説明するための図である。
ここで、以下の説明における判定の前提をまとめると次のとおりである。
分散値の計算に用いる変動情報の数(N)は、10である。つまり、制御部12は、今回計測した変動情報と、直前の9個の変動情報とを基に、分散値(V)を算出する。
偏差は、「6」とする。また、倍率(n)は、「3倍」とする。そのため、動作閾値は、「108=62×3」である。
図10は、制御部12が動作開始と判定する場合の判定データ500の一例を示す図である。図10において、判定データ500は、番号501と、加速度値502と、分散値503と、動作情報504とを含む。
番号501は、判定データ500に含まれるデータの組の番号(カウンタ(j))を示す。
加速度値502は、計測部11が計測した加速度値(変動情報)である。
分散値503は、制御部12が算出した分散値(V)である。「N=10」のため、制御部12は、番号501が「9」のデータから、分散値503を算出している。
動作情報504は、制御部12が送信部13に送信する動作情報である。
ここで、動作閾値は、「108」である。そして、番号501が「19」のデータにおいて、分散値503が、動作閾値(108)を超える。そのため、制御部12は、番号501が「19」の変動情報を受信した時点で、動作情報を「動作開始」に変更し、変更した動作情報を送信部13に送る。
図11は、制御部12が動作停止を判定する場合の判定データ500の一例を示す図である。図10に示す判定データ500と同様に、図11に示す判定データ500は、番号501と、加速度値502と、分散値503と、動作情報504とを含む。
そして、動作閾値は、「108」である。図11に示す番号501が「51」のデータにおいて、分散値503が、動作閾値(108)より小さくなる。そのため、制御部12は、番号501が「51」のデータにおいて、動作情報を「動作停止」に変更し、変更した動作情報を送信部13に送る。
送信部13は、制御部12から受け取った動作情報を、情報処理装置20の受信部21に送信する。
受信部21は、受信した動作情報を、判定部22に送る。
判定部22は、動作情報を基に、開閉体40の「開」及び「閉」を判定する。
情報処理装置20の判定部22の動作について、図面を参照して説明する。
図12は、本実施形態に係る判定部22における開閉判定の動作の一例を示すフロー図である。
判定部22は、計測装置10からの動作情報を待つ(ステップS101)。
動作情報を受信すると、判定部22は、動作開始を示す動作情報か否か判定する(ステップS102)。
動作開始の場合(ステップS102で「Yes」)、判定部22は、動作開始を示す動作情報を受信してから、所定の時間を経過したか否かを判定する(ステップS103)。ステップS103における所定の時間とは、判定部22が、図6及び図7を用いて説明した開閉動作と衝撃動作とにおける加速度の正負の反転時間を判定するための時間である。判定部22は、予め、ステップS103の判定用の所定の時間を保持すればよい。例えば、情報処理装置20の利用者が、開閉体40の実際の開閉動作の測定又は開閉体40の駆動装置に仕様を基に、判定用の時間を判定部22に設定すればよい。
所定の時間を経過していない場合(ステップS103で「No」)、判定部22は、動作停止を示す動作情報を受信したか否かを判定する(ステップS104)。
動作停止を受信した場合(ステップS104で「Yes」)、判定部22は、開閉体40の状態を、変化なしと判定する(ステップS105)。そして、判定部22は、ステップS101に戻る。つまり、判定部22は、所定の時間継続しない動作開始を無視する。この場合、判定部22は、出力部23に開閉判定結果を出力しない。
動作停止を受信していない場合(ステップS104で「No」)、判定部22は、ステップS103に戻る。つまり、判定部22は、動作開始の所定の時間の継続を確認する。
所定の時間を経過した場合(ステップS103で「Yes」)、判定部22は、開閉体40が開と判定する(ステップS106)。判定部22は、「開」との開閉判定結果を出力部23に送信する。そして、判定部22は、ステップS101に戻る。
動作情報が動作開始でない(動作情報が動作停止)場合(ステップS102で「No」)、判定部22は、開閉体40を閉と判定する(ステップS107)。判定部22は、「閉」との開閉判定結果を出力部23に送信する。そして、判定部22は、ステップS101に戻る。
図13は、本実施形態の計測装置10と情報処理装置20とにおける動作情報のタイムチャートである。図13において、時間は、左から右に進む。
図13において、ケース101ないしケース105は、開閉体40の動作に関する各ケースである。ケース101は、開閉体40の開動作の場合である。ケース102は、開閉体40の閉動作の場合である。ケース103は、開閉体40が閉じた状態で衝撃が加わった場合である。ケース104は、開閉体40が開いた状態で衝撃が加わった場合である。ケース105は、開閉体40において、開閉及び衝撃の動作がなかった場合である。
上段に示す動作情報111ないし動作情報118は、計測装置10が情報処理装置20に送信する動作情報である。
動作情報111、動作情報113、動作情報115及び動作情報117は、動作開始を示す動作情報である。また、動作情報112、動作情報114、動作情報116及び動作情報118は、動作停止を示す動作情報である。
下段に示す動作情報121ないし動作情報124は、情報処理装置20が受信する動作情報である。
動作情報121及び動作情報123は、動作開始を示す動作情報である。動作情報122及び動作情報124は、動作停止を示す動作情報である。
続いて、各ケースについて、個別に説明する。
(1)ケース101:開動作
開閉体40の開動作の場合、計測装置10は、情報処理装置20に向けて、開閉体40の開動作の開始時点において、「動作開始」を示す動作情報111を送信する。次いで、計測装置10は、開閉体40の開動作の終了時点において、「動作停止」を示す動作情報112を情報処理装置20に送信する。
情報処理装置20は、開閉体40の開動作の開始時点において、通信範囲30に位置する(図2又は図4を参照)。そのため、情報処理装置20は、「動作開始」を示す動作情報121を受信する。しかし、情報処理装置20は、開閉体40の開動作の終了時点において、通信範囲30に位置しない(図3又は図5を参照)。そのため、情報処理装置20は、動作停止を示す動作情報を受信しない。
ケース101における判定部22の動作について、図12を参照して説明する。
まず、判定部22は、計測装置10からの動作情報の受信を待つ(ステップS101)。そして、判定部22は、動作情報を受信すると、「動作開始」を示す動作情報か否か判定する(ステップS102)。今の場合、判定部22は、「動作開始」を示す動作情報121を受信する(ステップS102で「Yes」)。そして、判定部22は、次の動作情報の受信を待つ(ステップS103ないしS104)。しかし、判定部22は、次の動作情報を受信しない。その結果、判定部22は、所定の時間経過しても動作停止を示す動作情報を受信しないため、開閉体40を「開」と判定する(ステップS106)。判定終了後、判定部22は、ステップS101に戻る。
(2)ケース102:閉動作
開閉体40の閉動作の場合、計測装置10は、情報処理装置20に向けて、開閉体40の閉動作の開始時点において、「動作開始」を示す動作情報113を送信する。次いで、計測装置10は、開閉体40の閉動作の終了時点において、「動作停止」を示す動作情報114を情報処理装置20に送信する。
情報処理装置20は、開閉体40の閉動作の開始時点において、通信範囲30に位置しない。そのため、情報処理装置20は、「動作開始」を示す動作情報を受信しない。一方、情報処理装置20は、開閉体40の閉動作の終了時点において、通信範囲30に位置する。そのため、情報処理装置20は、「動作停止」を示す動作情報122を受信する。
ケース102における判定部22の動作について、図12を参照して説明する。
まず、判定部22は、計測装置10からの動作情報の受信を待つ(ステップS101)。そして、判定部22は、動作情報を受信すると、「動作開始」を示す動作情報か否か判定する(ステップS102)。今の場合、判定部22は、「動作停止」を示す動作情報122を受信する(ステップS102で「No」)。そのため、判定部22は、開閉体40を「閉」判定する(ステップS107)。判定終了後、判定部22は、ステップS101に戻る。
(3)ケース103:衝撃(閉状態)
開閉体40の閉状態での衝撃の場合、計測装置10は、情報処理装置20に向けて、開閉体40への衝撃が加わった時点で、「動作開始」を示す動作情報115を送信する。次いで、計測装置10は、開閉体40の衝撃の振動が収束した時点で「動作停止」を示す動作情報116を送信する。
情報処理装置20は、開閉体40に衝撃が加わっている間、通信範囲30に位置する。そのため、情報処理装置20は、動作開始を示す動作情報123と、動作停止を示す動作情報124とを受信する。
ケース103における判定部22の動作について、図12を参照して説明する。
まず、判定部22は、計測装置10からの動作情報の受信を待つ(ステップS101)。そして、判定部22は、動作情報を受信すると、「動作開始」を示す動作情報か否かを判定する(ステップS102)。今の場合、判定部22は、「動作開始」を示す動作情報123を受信する(ステップS102で「Yes」)。そして、判定部22は、次の動作情報の受信を待つ(ステップS103)。次いで、判定部22は、「動作停止」を示す動作情報124を受信する(ステップS104で「Yes」)。そのため、判定部22は、開閉なしと判定する(ステップS105)。判定終了後、判定部22は、ステップS101に戻る。
(4)ケース104:衝撃(開状態)
開閉体40の開状態での衝撃の場合、計測装置10は、情報処理装置20に向けて、開閉体40への衝撃の始めに動作開始を示す動作情報117を送信する。次いで、計測装置10は、開閉体40の衝撃の終わりに動作停止を示す動作情報118を送信する。
しかし、情報処理装置20は、開閉体40に衝撃が加わっている間、通信範囲30に位置しない。そのため、情報処理装置20は、動作開始を示す動作情報及び動作停止を示す動作情報の双方とも受信しない。つまり、判定部22における開閉の判定は、発生しない。
(5)ケース105:動作なし
開閉体40に開閉又は衝撃等の動作が加わらない場合、計測装置10は、情報処理装置20に向けて、動作情報を送信しない。そのため、判定部22における開閉判定は、発生しない。
このように、本実施形態の情報処理システム50は、複数の計測部11を必要としない。さらに、情報処理システム50において、制御部12が、動作情報を変更した時に、計測装置10は、情報処理装置20の動作情報を送信する。つまり、情報処理システム50は、通信回数を削減し、消費電力を削減する。
(効果の説明)
次に、本実施形態の情報処理システム50の効果について説明する。
本実施形態は、コストを削減し且つ確実に開閉を検出するとの効果を得ることができる。
その理由は、次のとおりである。
本実施形態の計測装置10は、開閉体40に設けられて移動する。そのため、計測装置10は、計測部11を複数含む必要がない。そのため、情報処理システム50は、製造コストを削減できる。
さらに、計測装置10は、動作情報を変更した時に、動作情報を情報処理装置20に送信する。そのため、計測装置10は、通信に関する消費電力、つまり電力コストを削減できる。
このように、情報処理システム50は、装置コスト及び電力コストを削減できる。
また、情報処理装置20は、開閉体40の開状態又は閉状態のいずれかで、計測装置10の通信範囲30に位置し、別の状態では通信範囲30に位置しない。そのため、情報処理装置20は、動作情報が示す情報に加え、動作情報の受信の有無を用いて、開閉体40の開閉の判定の精度を向上できる。
このように、情報処理システム50は、開閉体40の開閉を確実に検出できる。
<変形例1>
次に、本実施形態の変形例について説明する。
情報処理システム50の利用者は、開閉体40の動作に伴って変化する付加情報(例えば、温度、湿度、又は、照度)を、取得したい場合がある。例えば、部屋の温度が、屋外と部屋との境に設けられた開閉体40(例えば、扉)の開閉に伴って変化する場合、部屋の温度を一定に保つため、部屋の温度の基に冷暖房を制御する用途が想定できる。このような用途に対応するため、計測装置10が、付加情報を取得する構成を含む変形例が想定可能である。
図14は、本変形例に係る情報処理システム51の一例を示すブロック図である。情報処理システム51は、計測装置15と情報処理装置20とを含む。情報処理装置20は、図1に示す情報処理装置20と同様のため、詳細な説明を省略する。計測装置15は、図1に示す計測装置10の構成に加え、付加情報検出部14を含む。
計測部11は、図1の計測部11と同様である。
付加情報検出部14は、付加情報(例えば、温度)を計測し、制御部12に送信する。
制御部12は、動作情報を送信部13に送る際、付加情報も送信する。なお、付加情報の形式は、特に制限はない。例えば、制御部12は、付加情報を動作情報に重畳して送信してもよい。あるいは、制御部12は、付加情報を、動作情報とは別の情報として送信してもよい。
送信部13は、付加情報を動作情報に重畳して情報処理装置20に送信してもよい。この場合、送信部13における付加情報の重畳の方式は、特に制限はない。例えば、送信部13は、動作情報の無線通信パケットのペイロードに付加情報を追加してもよい。あるいは、送信部13は、動作情報と付加情報に対し、予め決められた演算処理を施した結果を送信してもよい。
あるいは、送信部13は、付加情報を図示しない別装置に送信してもよい。
(変形例1の効果)
本変形例は、第1の実施形態の効果に加え、付加情報を提供するとの効果を得ることができる。
その理由は、計測装置15が付加情報検出部14を含み、動作情報に加え、付加情報を提供(送信)できるためである。
<変形例2>
また、情報処理装置20は、複数の構成部を1つのハードウェアで構成されてもよい。
また、情報処理装置20は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを含むコンピュータ装置として実現されてもよい。情報処理装置20は、上記構成に加え、さらに、入出力接続回路(IOC:Input Output Circuit)と、無線インタフェース回路(RIF:Radio Interface Circuit)とを含むコンピュータ装置として実現されてもよい。さらに、情報処理装置20は、ネットワークインターフェース回路(NIC:Network Interface Circuit)を含むコンピュータ装置として実現されてもよい。
図15は、本変形例に係る情報処理装置60の構成の一例を示すブロック図である。
情報処理装置60は、CPU61と、ROM62と、RAM63と、内部記憶装置64と、IOC65と、NIC68と、RIF69とを含み、コンピュータを構成している。
CPU61は、ROM62からプログラムを読み込む。そして、CPU61は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM63と、内部記憶装置64と、IOC65と、NIC68と、RIF690とを制御する。そして、CPU61を含むコンピュータは、これらの構成を制御し、図1及び図14に示す受信部21と、判定部22と、出力部23としての各機能を実現する。CPU61は、各機能を実現する際に、RAM63又は内部記憶装置64を、プログラムの一時記憶として使用してもよい。
また、CPU61は、プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体70が含むプログラムを、図示しない記憶媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。あるいは、CPU61は、NIC68又はRIF69を介して、図示しない外部の装置からプログラムを受け取ってもよい。さらに、CPU61は、読み込んだプログラム又は受け取ったプログラムをRAM63に保存し、RAM63に保存したプログラムを基に動作してもよい。
ROM62は、CPU61が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM62は、例えば、P−ROM(Programmable-ROM)又はフラッシュROMである。
RAM63は、CPU61が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM63は、例えば、D−RAM(Dynamic-RAM)である。
内部記憶装置64は、情報処理装置60が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。また、内部記憶装置64は、CPU61の一時記憶装置として動作してもよい。内部記憶装置64は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)又はディスクアレイ装置である。
ここで、ROM62と内部記憶装置64は、不揮発性の記憶媒体である。一方、RAM63は、揮発性の記憶媒体である。そして、CPU61は、ROM62、内部記憶装置64、又は、RAM63に記憶されているプログラムを基に動作可能である。つまり、CPU61は、不揮発性記憶媒体又は揮発性記憶媒体を用いて動作可能である。
IOC65は、CPU61と、入力機器66及び表示機器67とのデータを仲介する。IOC65は、例えば、IOインターフェースカード又はUSB(Universal Serial Bus)カードである。
入力機器66は、情報処理装置60の操作者からの入力指示を受け取る機器である。入力機器66は、例えば、キーボード、マウス又はタッチパネルである。
表示機器67は、情報処理装置60の操作者に情報を表示する機器である。表示機器67は、出力部23として動作する。表示機器67は、例えば、液晶ディスプレイである。
NIC68は、ネットワークを介して他の構成とのデータのやり取りを中継する。NIC68は、例えば、LANカード又はPCM(Peripheral Component Interconnect)カードである。
RIF69は、無線通信又は無線ネットワークを介して計測装置10又は計測装置15からの動作情報の受信を中継する。RIF69は、受信部21の一部を構成する。RIF69は、例えば、無線LANカード又はNFCカードである。
このように構成された情報処理装置60は、情報処理装置20と同様の効果を得ることができる。
その理由は、情報処理装置60のCPU61が、プログラムに基づいて情報処理装置20と同様の機能を実現できるためである。
なお、計測装置10又は計測装置15も、図15に示すコンピュータを用いて構成されてもよい。その場合、CPU61は、プログラムに基づいて、計測部11と、制御部12と、送信部13としての機能を実現すればよい。さらに、CPU61は、プログラムに基づいて、付加情報検出部14としての機能を実現すればよい。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。