JP6052213B2 - 車両用シフト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の変速レンジを切り替えるための車両用シフト装置に関する。
車両用シフト装置として、近年、シフトレバーに相当する操作部材のポジションを電気的に検出して変速を行う、いわゆるエレキシフタ装置が知られている。エレキシフタ装置は、機械式の変速機を持たない電気自動車またはハイブリッド自動車において使用されることが多かった。ところが、操作部材と変速機との機械的な接続が不要なエレキシフタ装置は、そのデザイン自由度の高さから、機械式の変速機を備えた車両、例えばエンジン(内燃機関)のみを動力源とする従来型の自動車に対しても徐々に用いられつつある。
操作部材の操作量および操作方向の制約が少ないエレキシフタ装置では、コンパクト化や操作性向上の観点から、操作部材をダイヤル式とし、操作部材の回動等により変速レンジを切り替えるものが検討されている。すなわち、このように操作部材をダイヤル式とした装置では、操作部材の操作ストロークを小さく抑えることができるとともに、操作時に手首を大きく移動させる必要がない、また、手元を見ずに操作を行うことが可能となり、高い操作性を得ることができる。このような、エレキシフト装置の一例として、下記特許文献1のものが知られている。
特許文献1の装置では、回動可能な操作ノブが設けられており、この操作ノブが所定の軸線に沿ってスライドされると変速レンジがニュートラルレンジに切り替わり、このスライド後の位置を起点として操作ノブがさらに回動操作されると変速レンジがドライブレンジまたはリバースレンジに切り替わる。
また、エレキシフタ装置では、コンパクト化や操作性の向上をより一層図る観点から、モメンタリ式と呼ばれる機構、すなわち、操作部材から手が離されると操作部材を所定のホーム位置に自動的に復帰させる機構、が用いられることが多い。このようなモメンタリ式のエレキシフタ装置の一例として、下記特許文献2のものが知られている。
具体的には、特許文献2の装置では、ホーム位置から操作部材がスライド操作されると変速レンジがニュートラルレンジに切り替わる。そして、その状態で操作部材から手が離されると、ニュートラルレンジを維持したまま操作部材がホーム位置に復帰する。また、ホーム位置からスライド操作された後、操作部材がさらに回動操作されると変速レンジがドライブレンジまたはリバースレンジに切り替わる。そして、その状態で操作部材から手が離されると、切り替わった変速レンジを維持しつつ操作部材がホーム位置に復帰する。
特開2010−105621号公報 特許第5021602号公報
前記特許文献2の装置では、ホーム位置から操作部材がスライド変位することで変速レンジがニュートラルレンジに切り替わるよう構成されている。そのため、ドライバーや他の乗員がうっかり操作部材に触れた場合等において、不意に変速レンジがドライブレンジやリバースレンジからニュートラルレンジに切り替わってしまう可能性すなわち誤操作が生じる可能性が高い。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、誤操作の発生を抑制しながら比較的簡便に変速レンジを切り替えることのできる車両用シフト装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、車室内に設けられた操作部材と、前記操作部材を、所定のホーム位置から時計まわりに回動および反時計まわりに回動可能、かつ、これら回動後の位置からそれぞれ車両前後方向に変位可能に支持するとともに、回動後および変位後の前記操作部材を前記ホーム位置に自動的に復帰させる本体部と、前記操作部材の回動および変位状態を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて、車両の変速レンジを、ニュートラルレンジと、前進方向の走行レンジであるドライブレンジと、後退方向の走行レンジであるリバースレンジとの間で切り替えるレンジ切替部とを備え、前記レンジ切替部は、前記操作部材が前記ホーム位置から回動したことを前記判定部が認識した場合は、前記変速レンジをニュートラルレンジに切り替え、前記操作部材が前記ホーム位置から時計回りに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したことを前記判定部が認識した場合は、前記変速レンジをドライブレンジおよびリバースレンジのいずれか一方に切り替えるとともに、前記操作部材が前記ホーム位置から反時計回りに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したことを前記判定部が認識した場合は、前記変速レンジをドライブレンジおよびリバースレンジの他方に切り替え、前記本体部は、前記操作部材が時計回りに回動した後、当該操作部材が車両前後方向に対して時計回り方向に傾く第1仮想線に沿って変位するように、かつ、前記操作部材が反時計回りに回動した後、当該操作部材が車両前後方向に対して反時計回り方向に傾く第2仮想線に沿って前記操作部材が変位するように、この操作部材を支持することを特徴とする車両用シフト装置を提供する(請求項1)。
本発明によれば、操作部材を回動および車両前後方向に変位させるという簡単な操作で、変速レンジをニュートラルレンジとドライブレンジとリバースレンジとのいずれかに切り替えることができるとともに、変速レンジが不意に切り替わるのをより確実に抑制することができ、車両の安全性を確保することができる。
具体的には、本発明では、操作部材をホーム位置から回動させるとニュートラルレンジに切り替わるよう構成されているとともに、操作部材をホーム位置から回動させた後さらに車両前後方向に変位操作させると走行レンジに切り替わるよう構成されており、操作部材がホーム位置から回動しない限り、すなわち、操作部材に有効な回転トルクが付与されない限り、変速レンジの切り替え(ニュートラルレンジへの切り替え)が実施されないようになっている。そのため、誤って手が触れる等により操作部材に予期せぬ力が加えられたとしても、その力の大きさおよびその力が付与された位置が、操作部材に対して有効な回転トルクを付与する大きさかつ位置である場合にしか、変速レンジの切り替え(ニュートラルレンジへの切り替え)が実施されない。従って、予期せぬ変速レンジの切り替わりをより確実に抑制することができる。しかも、例え、操作部材が誤って回動した場合であっても、変速レンジはニュートラルレンジにしか切り替わらず、この誤回動後さらに操作部材が前後方向に動かない限り走行レンジには切り替わらないので、車両の不測の前進、後進を抑制することができる。
さらに、本発明では、操作部材が時計回りに回動した場合は、この回動後、車両前後方向に対して時計回り方向に傾く第1仮想線に沿って操作部材が変位するように、かつ、操作部材が反時計回りに回動した場合は、この回動後、車両前後方向に対して反時計回り方向に傾く第2仮想線に沿って操作部材が変位するように構成されている。そのため、前記のように車両の安全性を確保しつつ、操作部材の車両前後方向への変位操作の操作性を高くすることができる。
具体的には、操作部材を手で把持して操作する場合、指先が前方を向く姿勢で把持するのが最も自然(体に負担の少ない)な姿勢となる。そして、この姿勢で操作部材を把持した状態で手を回して操作部材を回動させた場合、手の延びる方向(指先と手首とを結ぶライン)は操作部材の回動方向に傾く。そのため、回動後の操作部材の変位方向を前記のように回動方向に傾かせれば、操作部材をこの手の延びる方向に沿って操作することができ、操作が容易となる。
本発明において、前記ホーム位置にある状態において前記操作部材の回動中心を通り前後方向に延びる基準線が時計回りに回動した後のラインと、前記第1仮想線とが一致し、前記基準線が反時計回りに回動した後のラインと、前記第2仮想線とが一致するように、前記本体部が、前記操作部材を支持しているのが好ましい(請求項2)。
この構成によれば、回動後の操作部材の変位方向と回動後の手の延びる方向とを一致させることができ、操作性をより確実に高めることができる。
また、本発明において、前記本体部は、時計回りに回動した後の前記操作部材の変位方向が車両前側および車両後側の一方側となり、反時計回りに回動した後の前記操作部材の変位方向が車両前側および車両後側の他方側となるように、前記操作部材を支持しているのが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、ドライブレンジとリバースレンジとで回動後の前後方向の変位操作の向きが異なるため、これらを誤って逆方向に切り替えてしまうのを抑制することができ、車両の安全性をより一層高めることができる。
以上説明したように、本発明の車両用シフト装置によれば、安全性を確保しながら比較的簡便に変速レンジを切り替えることができる。
本発明の実施形態にかかるシフト装置が適用された車両の車室前部の構成を示す図である。 前記シフト装置周辺の平面図である。 前記シフト装置の斜視図である。 前記シフト装置の操作例を示す図である。 前記シフト装置の分解斜視図である。 前記シフト装置の分解側面図である。 前記シフト装置の分解背面図である。 筐体の平面図である。 本体部の内部を示す平面図である。 (a)ホーム位置にある状態におけるシフト装置の平面図である。(b)ホーム位置から反時計回りに回動した状態おけるシフト装置の平面図である。(c)回動後前方にスライド変位した状態おけるシフト装置の平面図である。 (a)ダイヤルがホーム位置にある状態における本体部の内部を示した平面図である。(b)ダイヤルがホーム位置から反時計回りに回動した状態おける本体部の内部を示した平面図である。(c)ダイヤルが回動後前方にスライド変位した状態おける本体部の内部を示した平面図である。 (a)ダイヤルがホーム位置にある状態における本体部の内部を示した平面図である。(b)ダイヤルがホーム位置から反時計回りに回動した状態おける本体部の内部を示した平面図である。(c)ダイヤルが回動後前方にスライド変位した状態おける本体部の内部を示した平面図である。 スライドブロック周辺を拡大して示す平面図である。 (a)ダイヤルがホーム位置にある状態における本体部の内部を示した側面図である。(b)ダイヤルがホーム位置から反時計回りに回動した状態おける本体部の内部を示した側面図である。(c)ダイヤルが回動後前方にスライド変位した状態おける本体部の内部を示した側面図である。 スライド側誘導部材の詳細を説明するための側面図である。 シフト装置の制御系統を示すブロック図である。 (a)ホーム位置にあるダイヤルを把持する手の様子を示した図である。(b)ホーム位置からダイヤルを回動させた後の手の様子を示した図である。
<実施形態>
(1)全体構成
図1は、本発明の実施形態にかかる車両の車室前部の構成を示す図である。この図1に示すように、本実施形態にかかる車両は、運転席およびステアリングハンドル4が車両左側に設けられた、いわゆる左ハンドルの車両である。本図に示すように、車室前部には、車幅方向に延びるインストルメントパネル2が設けられている。インストルメントパネル2の運転席側にはメータユニット3が設けられ、このメータユニット3の後方にステアリングハンドル4が設けられている。インストルメントパネル2の車幅方向中央部から車両後方に向かってセンターコンソール5が設けられ、このセンターコンソール5上には、シフト装置(車両用シフト装置)1とパーキングスイッチ8とインジケータ9とが設けられている。
本実施形態において、車両は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等の内燃機関からなるエンジン(図示省略)と、エンジンの駆動力を減速しつつ車輪に伝達する自動変速機90(図16)とを備えている。自動変速機90は、遊星歯車機構を含み、当該歯車機構によって実現される複数の減速比の中から車速やエンジン負荷等に応じた適切な減速比を自動的に選択する有段式の変速機(AT)である。この自動変速機90の変速レンジには、駆動力伝達が切断されるニュートラルレンジと、駆動力伝達が切断された上に出力軸がロックされるパーキングレンジと、前進方向の走行レンジすなわち車両を前進させる方向に駆動力を伝達するレンジであるドライブレンジと、後退方向の走行レンジすなわち車両を後退させる方向に駆動力を伝達するレンジであるリバースレンジとが存在する。
パーキングスイッチ8は、自動変速機90の変速レンジをパーキングレンジに切り替えるときに操作されるものである。図1に示す例では、パーキングスイッチ8は、プッシュ式のボタンスイッチであり、このパーキングスイッチ8が押圧操作される毎に、パーキングレンジの選択/非選択が切り替えられる。パーキングスイッチ8の上面には、パーキングレンジを表す「P」の文字盤が設けられており、パーキングレンジが選択されるとLED等の光源により「P」の文字が強調表示される。
シフト装置1は、自動変速機90の変速レンジをパーキングレンジ以外のレンジ(つまりドライブ、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジ)に切り替えるときに操作されるものである。詳しくは後述するが、シフト装置1は、回動操作および回動後の位置から車両前後方向にスライド操作可能な装置である。このシフト装置1に対する操作パターンの違いにより、自動変速機90の変速レンジがドライブ、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジに切り替わる。
インジケータ9は、ドライブ、リバース、ニュートラルのうち現在選択されている変速レンジを表示するものである。図2は、シフト装置1の周辺を拡大して示す平面図である。この図2に例示されるインジケータ9の場合、リバースレンジを表す「R」、ニュートラルレンジを表す「N」、ドライブレンジを表す「D」の文字盤が設けられている。そして、シフト装置1の操作に応じてドライブ、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジが選択されたときには、その選択中のレンジに対応した文字(R,N,Dのいずれか)が強調表示されるようになっている。なお、図2における「home」の文字は、ダイヤル10のホーム位置がこの位置にあることを表したものである。
さらに、前記のようなインジケータ9による変速レンジの表示に加えて、図1に示す例では、メータユニット3にも変速レンジが表示されるようになっている。すなわち、メータユニット3は、その所定箇所(例えばスピードメータとタコメータとの間)に液晶画面等からなる表示部を有しており、その表示部に、選択中の変速レンジに対応した文字(P,R,N,D)が表示されるようになっている。
シフト装置1の具体的構造について説明する。
図3は、シフト装置1の概略斜視図である。図4は、シフト装置1を操作する際の操作例を示した図である。図5〜図7は、シフト装置1の分解図である。
これらの図および図2に示すように、シフト装置1は、ダイヤル(操作部材)10と、ダイヤル10を回動可能に、かつ、回動後、その回動後の位置から車両前後方向にスライド変位可能に支持する本体部11とを有している。以下、車両前後方向を単に前後方向といい、この方向の前側・前方を単に前側・前方といい、この方向の後側・後方を単に後側・後方という。また、各図において、「前」は、車両前後方向の前側を意味し、「後」は車両前後方向の後側を意味している。
ダイヤル10は、ドライバーにより把持される部分である。ダイヤル10は、図2に示す状態となる位置をホーム位置として、このホーム位置から時計周り(右方向)および反時計周り(左方向)に回動可能に、かつ、これら回動後の位置から車両前後方向にスライド変位可能に支持されている。本実施形態では、ダイヤル10は、ホーム位置から時計回りに回動した場合は、その回動後の位置から後方にのみスライド変位可能に、ホーム位置から反時計周りに回動した場合は、その回動後の位置から前方にのみスライド変位可能に支持されている。また、ダイヤル10は、ダイヤル10の中心Oを中心として回動するよう支持されている。
本実施形態では、ダイヤル10は、図2に示すように、ホーム位置にある状態で、前後方向に延びる線を中心として線対称となる形状を有している。また、ダイヤル10は、その中心線上に位置する後端部を頂点とする正三角形の各辺を外側に膨出するように湾曲させた形状を有している。すなわち、ダイヤル10は、前方に膨出するように湾曲する前端面10aと、この前端面10aの車幅方向両側端からそれぞれ後端に向かって外側に膨出するように湾曲する側面10b、10cとを有している。ドライバーは、例えば、図4に示すように、その親指と小指とをそれぞれ両側面10b、10cに当て、他の指を前端面10aにあてた状態でダイヤル10を把持することができる。
図5〜図7に示すように、本体部11は、上面が開口した箱状の筐体50と、筐体50の上面にその開口を覆うように取り付けられるカバー部40とを有する。ダイヤル10は、このカバー部40の上方に配置されている。本体部11は、さらに、カバー部40を貫通してダイヤル10から下方に延びるとともに主として筐体50内に収容されるロッド30と、筐体50内に収容されるスライドブロック20とを有している。
ロッド30は、カバー部40に形成された挿通孔40aに挿通されてダイヤル10から下方に延びる棒状の軸部31と、回動側ディテント用脚部35と、一対のガイド用脚部32、33とを有している。
ロッド30の軸部31はダイヤル10の下面にこれと一体に回動およびスライド変位可能に固定されており、ロッド30は、ダイヤル10と一体に回動および前後方向にスライド変位する。本実施形態では、軸部31は、平面視でその中心軸とダイヤル10の中心(ダイヤル10の回動中心O)とが一致するようにダイヤル10に固定されており、ロッド30は、軸部31の中心軸を中心としてダイヤル10と一体に回動する。なお、ロッド30が回動および前後方向にスライド変位可能なように、カバー部40に形成された前記挿通穴40aの内径は、ロッド30の軸部31の外径よりも所定量大きい値に設定されている。以下、ロッド30およびダイヤル10の回動中心を単に回動中心Oという場合がある。
回動側ディテント用脚部35は、軸部31の上下中間位置から水平方向に突出する棒状部材である。本実施形態では、回動側ディテント用脚部35は、ダイヤル10がホーム位置にある状態で、軸部31から真直ぐ前方に突出するように設けられている。この回動側ディテント用脚部35は、図6等に示すように、軸部31の外周面から前方に延びる中空状の脚本体部35bと、脚本体部35bの先端からさらに前方に突出する付勢部35aとを有している。付勢部35aは、脚本体部35bの内部に設けられた圧縮スプリング(図示省略)により前方に押圧されている。このような付勢部35aは、圧縮スプリングを押し戻す後向きの力を受けて後退し、その力が減少すると前進するというように、脚本体部35bに対し前後方向に進退自在に支持されている。
各ガイド用脚部32、33は、それぞれ棒状部材であって、軸部31の外周面のうち互いに対向する部分からそれぞれ水平方向に突出した後下方に延びている。本実施形態では、これらガイド用脚部32,33は、ダイヤル10がホーム位置にある状態で、一方のガイド用脚部32が、軸部31の外周面から真直ぐ前方に突出した後下方に延びるよう、他方のガイド用脚部33が、軸部31の外周面から真直ぐ後方に突出した後下方に延びるよう構成されている。
スライドブロック20は、本体部21と、本体部21の外側面から外側に突出する被ガイド部材22と、本体部21の外側面から突出するスライド側被検出体23と、本体部21の下面から下方に突出するスライド側ディテント用脚部25とを有する。
スライドブロック20の本体部21の前後中央部分21aには、上下に貫通してロッド30の軸部31が挿通される貫通孔20aが形成されている。この貫通孔20a内の内径はロッド30の軸部31の外径と同程度であって軸部31が貫通孔20a内で回動可能な大きさに設定されている。そのため、ロッド30がダイヤル10とともに回動した場合は、ロッド30の軸部31がこの貫通孔20a内で回動するだけとなりスライドブロック20は回動しない。一方、ロッド30がダイヤル10とともに前後方向にスライド変位した場合には、スライドブロック20は、ロッド30およびダイヤル10と一体にスライド変位する。換言すると、ロッド30およびダイヤル10は、スライドブロック20によって、ロッド30の軸部31の中心軸およびダイヤル10の中心を中心として回動可能に支持されている。図5に示すように、ロッド30の軸部31にはその上下中間位置に外側に突出する段部39が形成されており、スライドブロック20は、このロッド30の段部39上に載置され、この段部39とカバー部40とに挟持されることで筐体50内に支持されている。
図13は、スライドブロック20周辺を拡大して示した平面図である。この図13に示されるように、スライドブロック20の本体部21の前側部分21bには、本体部21の中央部分21aとの間に、上下に貫通する略半円状の貫通孔21dが形成されている。そして、本体部21には、この本体部21の中央部分21aの前面と対向して前方に凹むように湾曲する回動側誘導面24aが形成されている。貫通孔21dには、ロッド30の回動側ディテント用脚部35が配置されている。この配置状態において、回動側誘導面24aには、回動側ディテント用脚部35の付勢部35aの先端(前端)が、圧縮スプリングによる押圧力を受けて常時押し付けられている。この回動側誘導面24aと回動側ディテント用脚部35とは、ダイヤル10がホーム位置から回動した際に、ダイヤル10をホーム位置に自動的に戻す回動側のモメンタリ機構を構成する。モメンタリ機構の詳細ついては後述する。
被ガイド部材22は、スライドブロック20の本体部21の車幅方向一方側面から外側に突出する右側被ガイド突片22aと、他方側面から外側に突出する左側被ガイド突片22bとで構成されている。本実施形態では、被ガイド部材22が、本体部21の前端付近と後端付近とにそれぞれ1つずつ設けられている。すなわち、本体部21の車幅方向一方側面の前端付近と後端付近とにそれぞれ右側被ガイド突片22a,22aが設けられており、他方側面の前端付近と後端付近とにそれぞれ左側被ガイド突片22b,22bが設けられている。これら被ガイド突片22a、22bの先端(外側)端は、略半球状を有している。
図6、図7に示すように、スライド側ディテント用脚部25は、本体部21の中央部分21aの下面から下方に突出している。このスライド側ディテント用脚部25は、前記回動側ディテント用脚部35と同様の構造を有する。すなわち、スライド側ディテント用脚部25は、スライドブロック20の本体部21の下面から下方に延びる中空状の脚本体部25bと、この脚本体部25bの先端からさらに下方に突出する付勢部25aとを有している。付勢部25aは、脚本体部25bの内部に設けられた圧縮スプリング(図示省略)により下方に押圧されており、圧縮スプリングを押し戻す上向きの力を受けて脚本体部25bに対して上方に移動し、その力が減少すると下方に移動する。
図8は、筐体50の平面図である。図9は、筐体50内にスライドブロック20が取り付けられた状態での平面図である。これら図8、図9等に示すように、筐体50の車幅方向側面には、ガイド部材51が設けられている。ガイド部材51は、筐体50の車幅方向一方側面から車幅方向内側に突出する右側ガイド片51aと、車幅方向他方側面から車幅方向内側に突出する左側ガイド片51bとで構成されている。ガイド部材51は、スライドブロック20の被ガイド部材22をガイドするものであり、本実施形態では、2つの被ガイド部材22、22に対応して2つのガイド部材51、51が設けられている。すなわち、筐体50の一方側面には、2つの右側ガイド片51a、51aが前後に並んで設けられており、他方側面には、2つの左側ガイド片51b、51bが前後に並んで設けられている。
図9に示すように、右側ガイド片51aは、スライドブロック20の被ガイド部材22の右側被ガイド突片22aの先端が当接する当接面51a_fを有し、左側ガイド片51bは、スライドブロック20の被ガイド部材22の左側被ガイド突片22bの先端が当接する当接面51b_fを有する。これら当接面51a_f、51b_fは、それぞれ、平面視で、その前部が左斜め前方に傾斜し、その後部が左斜め後方に傾斜する形状を有している。
この構成により、スライドブロック20は、各被ガイド突片22a,22bの先端がそれぞれ前記当接面51a_f、51b_fの中央に位置する状態から前方に移動すると、各被ガイド突片22a,22bの先端がこれら当接面51a_f、51b_fの前部に沿って摺動することで、左斜め前方にガイドされる。また、スライドブロック20は、各被ガイド突片22a,22の先端がそれぞれ前記当接面51a_f、51b_fの中央に位置する状態から後方に移動すると、各被ガイド突片22a,22bの先端がこれら当接面51a_f、51b_fの後部に沿って摺動することで、左斜め後方にガイドされる。
図5に示すように、筐体50の側面には貫通孔59が形成されている。図5等に示す例では、筐体50の側面のうち左側ガイド片51b、51bの間に貫通孔59が形成されている。貫通孔59には、スライドブロック20のスライド側被検出体23の先端部23aが筐体50の外側面から外側に突出するように挿通されている。この貫通孔59は、スライド側被検出体23が前後方向にスライド変位可能なように前後方向に延びる長孔状を有している。
図8等に示すように、筐体50の底面には、ロッド30のガイド用脚部32、33がそれぞれ挿通されるロッド案内溝52、53が形成されている。各ロッド案内溝52、53にガイド用脚部32、33がそれぞれ挿通された状態で、ロッド30は、軸部31の下端部が筐体50の底面に当接するように筐体50内に配設されている。
ロッド案内溝52,53は、それぞれ、平面視で回動中心Oを中心とする円の円周に沿って延びる円弧状の回動側溝52a、53aと、この回動側溝52a、53aと連通してこの回動側溝52a、53aの両端からそれぞれ前後に延びるRレンジ側溝52b、53bと、Dレンジ側溝52c、53cとからなる。
具体的には、回動側溝52a、53aは、回動中心Oを通り前後に延びるラインL1上の位置から時計回り方向および反時計回り方向にそれぞれ同じ角度θ分(例えばそれぞれ15°づつ)延びている。
そして、前側に形成されたロッド案内溝52は、回動側溝52aの反時計回り方向の端部(左側端部)から前方に延びるRレンジ側溝52bと、回動側溝52aの時計回り方向の端部(右側端部)から後方に延びるDレンジ側溝52cとを有する。一方、後側に形成されたロッド案内溝53は、回動側溝53aの反時計周り方向の端部(右側端部)から前方に延びるRレンジ側溝53bと、回動側溝51bの時計回り方向の端部(左側端部)から後方に延びるDレンジ側溝53cとを有する。
詳細には、回動側溝52aの反時計回り方向の端部から延びるRレンジ側溝52b、53bは、それぞれ、その基端部(連通する回動側溝52aの反時計回り方向の端部)を通り前後に延びる基準ラインL2、L2´に対して反時計回り方向に傾斜するR側傾斜ライン(第2仮想線)L52_R、L53_Rに沿って延びている。すなわち、前側のRレンジ側溝52bは、前側の回動側溝52aの左側端部から左斜め前方に延びるR側傾斜ラインL52_Rに沿って延びており、後側のRレンジ側溝53bは、後側の回動側溝53aの右側端部から右斜め後方に延びるR側傾斜ラインL53_Rに沿って延びている。これらR側傾斜ラインL52_R,L53_Rは、基準ラインL2、L2´に対して同じ角度θ_R傾斜している。
図8等に示した例では、R側傾斜ラインL52_R、L53_Rの傾斜角度θ_RすなわちRレンジ側溝52b、53bの傾斜角度θ_Rは、回動側溝52a、53aの反時計回り方向の端部(この端部と回動中心Oを結ぶライン)の、ラインL1に対する回動角度θと同じ値に設定されており、R側傾斜ラインL52_R、L53_Rは、回動中心Oを通り、ラインL1に対して反時計回り方向に角度θ(=θ_R)分傾斜したラインL_R上を延びている。すなわち、ホーム位置にある状態で回動中心Oを通り前後方向に延びる基準線L1の時計回り方向の回動後のラインL_Rと、R側傾斜ラインL52_R、L53_Rとが一致している。
また、回動側溝52aの時計回り方向の端部から延びるDレンジ側溝52c、53Cは、それぞれ、その基端部(連通する回動側溝52aの時計回り方向の端部)を通り前後に延びる基準ラインL3、L3´に対して時計回り方向に傾斜するD側傾斜ライン(第1仮想線)L52_D、L53_Dに沿って延びている。すなわち、前側のDレンジ側溝52cは、前側の回動側溝52aの右側端部から右斜め前方に延びるD側傾斜ラインL52_Dに沿って延びており、後側のDレンジ側溝53cは、後側の回動側溝53aの左側端部から左斜め後方に延びるD側傾斜ラインL_53_Dに沿って延びている。これらD側傾斜ラインL52_D,L53_Dは、基準ラインL3、L3´に対して同じ角度θ_D傾斜している。
図8等に示した例では、D側傾斜ラインL52_D、L53_Dの傾斜角度θ_DすなわちDレンジ側溝52b、53bの傾斜角度θ_Dは、回動側溝52a、53aの時計回り方向の端部(この端部と回動中心Oを結ぶライン)の、ラインL1に対する回動角度θと同じ値に設定されており、D側傾斜ラインL52_D、L53_Dは、回動中心Oを通り、ラインL1に対して時計回り方向に角度θ(=θ_D)分傾斜したラインL_D上を延びている。すなわち、ホーム位置にある状態で回動中心Oを通り前後方向に延びる基準線L1の反時計回り方向の回動後のラインL_Dと、D側傾斜ラインL52_D、L53_Dとが一致している。
ロッド案内溝52、53が前記のように構成されていることで、ダイヤル10がホーム位置にありガイド用脚部32,33が軸部31から真直ぐ前方および後方にそれぞれ突出している状態から、ダイヤル10およびロッド30が時計周りに回動した場合は、これらダイヤル10およびロッド30は、回動後の位置から左斜め前方にのみ移動可能となる。また、前記状態から反時計周りに回動した場合は、ダイヤル10およびロッド30は、回動後の位置から右斜め後方にのみ移動可能となる。
ダイヤル10、ロッド30およびスライドブロック20の回動およびスライド変位の様子を、図10(a)〜(c)、図11(a)〜(c)、図12(a)〜(c)に示す。
図10(a)〜(c)は、ダイヤル10の回動およびスライド変位の様子を示した図である。図11(a)〜(c)は、図10(a)〜(c)に対応したロッド30の様子を示した図である。図12(a)〜(c)は、図10(a)〜(c)に対応した主にスライドブロック20の様子を示した図である。図10(a)、図11(a)、図12(a)は、ダイヤル10がホーム位置にあるときの状態を示している。前述のように、ダイヤル10がホーム位置にある状態では、ロッド30は、ガイド用脚部32、33が軸部31から真直ぐ前方および後方に突出している姿勢となる。また、この状態において、スライドブロック20は、その被ガイド部材22の各被ガイド突片22a、22bの先端がそれぞれ筐体50に設けられた各ガイド片51a、51bの当接面51a_f、51b_fの中央に位置する姿勢となる。
この状態から、図10(b)のようにダイヤル10が反時計回りに回動すると、図11(b)に示すように、ガイド用脚部32、33は、ロッド案内溝52、53の回動側溝52a、53aに沿って反時計周りに移動する。ガイド用脚部32、33が回動側溝52a、53aの端部に当接すると、ロッド30およびダイヤル10はそれ以上回動することができなくなる。一方、図12(b)に示すように、ロッド30およびダイヤル10が回動しても、スライドブロック20は移動せず、回動前の状態を維持する。
この状態から、ダイヤル10が前方にスライド操作されると、図11(c)に示すように、ガイド用脚部32、33は、ロッド案内溝52、53のRレンジ側溝52b、53bに沿って前方へ移動する。
前述のように、本実施形態では、Rレンジ側溝52b、53bは、回動中心Oを通り、回動中心Oを通り前後に延びるラインL1に対して反時計回り方向に角度θ分傾斜したラインL_Rに沿って延びており、ロッド案内溝52、53はこのラインL_Rに沿って左斜め前方に移動する。これに伴い、図10(c)に示すように、ダイヤル10も、このラインL_Rに沿って左斜め前方に移動する。
また、ロッド30とともに、スライドブロック20が前方に移動する。このとき、スライドブロック20の各被ガイド突片22a、22bは、各ガイド片51a、51bの当接面51a_f、51b_fに沿って摺動する。前述のように、これら当接面51a_f、51b_fは、その前部が左斜め前方に傾斜している。そのため、スライドブロック20は、ロッド30およびダイヤル10と同様に、左斜め前方に移動する。換言すると、本実施形態では、これら当接面51a_f、51b_fの前部は、ダイヤル10およびロッド30の移動方向と同じ方向に延びている。
前記ガイド用脚部32、33がRレンジ側溝52b、53bの前端に当接すると、ロッド30およびダイヤル10はそれ以上変位することができなくなる。
一方、図示していないが、ダイヤル10がホーム位置にある状態から時計周りに回動した場合は、ガイド用脚部32、33は、ロッド案内溝52、53の回動側溝52a、53aに沿って時計周りに移動する。そして、ガイド用脚部32、33が回動側溝52a、53aの端部に当接した状態でダイヤル10が後方にスライド操作されると、ガイド用脚部32、33は、ロッド案内溝52、53のDレンジ側溝52c、53cに沿って、回動中心Oを通り、回動中心Oを通り前後に延びるラインL1に対して時計回り方向に角度θ分傾斜したラインL_Dに沿って、右斜め後方に移動し、ロッド30とともにダイヤル10も、このラインL_Dに沿って右斜め後方に移動する。また、スライドブロック20も、右斜め後方に移動する。
図5に戻り、筐体50には、スライドブロック20のスライド側ディテント用脚部25と対向する位置に、スライド側誘導部材55が設けられている。スライド側誘導部材55の上面には、下方に凹み側面視で略半球状のスライド側誘導面55aが形成されている。スライド側誘導面55aには、スライド側ディテント用脚部25の先端部、つまり付勢部25aの先端が、圧縮スプリングによる押圧力を受けて常時押し付けられている。このスライド側誘導面55aとスライド側ディテント用脚部25とは、ダイヤル10およびロッド30がホーム位置から前後方向に変位した際に、これをホーム位置に自動的に戻すためのスライド変位側のモメンタリ機構を構成する。モメンタリ機構の詳細については後述する。
図3、図5等に示すように、筐体50のうち貫通孔59が形成された側面には、ダイヤル10の前後方向の変位量を検出する変位量センサ61が設けられている。具体的には、変位量センサ61は、ダイヤル10の前後方向の変位量として、ダイヤル10と一体にスライド変位するスライドブロック20に設けられたスライド側被検出体23の前後方向の変位量を検出する。スライド側被検出体23は、この変位量センサ61のハウジング61a内に挿入されており、このハウジング61a内に設けられたセンサ部(不図示)によりスライド側被検出体23の位置が検出される。
また、筐体50の下面には、ダイヤル10の回動量を検出する回動量センサ62が設けられている。具体的には、回動量センサ62は、ダイヤル10の回動量として、ダイヤル10と一体に回動するロッド30のガイド用脚部33の回動量を検出する。ガイド用脚部33の先端は、この回動量センサ62のハウジング62a内に挿入されており、このハウジング62a内に設けられたセンサ部(不図示)によりガイド用脚部33の回動量が検出される。
(2)モメンタリ機構について説明する。
図12(a),(b)に示されるように、また、前述のように、ダイヤル10の回動時には、スライドブロック20は変位しない。そのため、ダイヤル10の回動に伴って、回動側ディテント用脚部35は、回動中心Oを中心として回動側誘導面24aに沿って回動する。
回動側誘導面24aは、図13に示すように、その前端P1が、回動中心Oを通り真直ぐ前方に延びるライン上に位置し、この前端P1から、この前端P1よりも車幅方向外側かつ後方の所定位置に向かって湾曲する形状を有している。図12(a)に示すように、また、前述のように、回動側ディテント用脚部35は、ダイヤル10がホーム位置にある状態で、軸部31から真直ぐ前方に突出するように設けられており、この状態において、回動側ディテント用脚部35の付勢部35aは、回動側誘導面24aの前端P1と当接する位置に配置される。
図13に示されるように、回動側誘導面24aの回動中心Oからの距離は、前端P1から車幅方向外側に離間するほど短くなっている。そのため、付勢部35aは、回動側誘導面24aの前端P1に当接している状態において脚本体部35bから最も進出し、前端P1から離間するほど後退する。付勢部35aが後退すると、それに伴い圧縮スプリングは圧縮し、付勢部35aには圧縮スプリングの反発力が加えられる。このとき、この反発力を受けて、付勢部35aは、回動側誘導面24aに強く押し付けられ、この押し付け力は、付勢部35aを前端P1に戻そうとする力に変換される。そのため、付勢部35a(ロッド30およびダイヤル10)に対しドライバーの手による操作力(ロッド30およびダイヤル10を回動させる力)が加えられていない状態では、付勢部35aは回動側誘導面24aの前端P1に当接する位置に保持され、これにより、ダイヤル10はホーム位置に保持される。また、ホーム位置にあるダイヤル10が操作力を受けて回動しこれに伴い付勢部35aが前端P1から離間する位置に配置された後、この操作力が解除されると、圧縮スプリングの力によって付勢部35aは前端P1に当接する位置に戻され、これに伴いダイヤル10はホーム位置に自動的に復帰する。
ここで、前記付勢部35aに加えられる圧縮スプリングの反発力は、ダイヤル10の回動に対する抵抗力として働く。すなわち、ドライバーは、この圧縮スプリングの反発力に抗する力をダイヤル10に加えない限りダイヤル10を回動させることができず、本実施形態では、この圧縮スプリングの反発力に抗する力および回転トルクが、ダイヤル10を回動させるために必要な力および回転トルクとなる。
本実施形態では、回動側誘導面24aは、左右対称、すなわち、回動中心Oと前端P1とを通るラインを中心線として線対称な形状を有している。そのため、付勢部35aを前端P1から回動させるのに必要な力、すなわち、ダイヤル10をホーム位置から回動させるのに必要な力は、時計回り方向と反時計回り方向とで同一に設定されている。
次に、スライド側のモメンタリ機構およびスライド側誘導面55aについて説明する。
図14(a)〜(c)は、図10(a)〜(c)、図11(a)〜(c)および図12(a)〜(c)に対応した図であり、ダイヤル10の回動およびスライド変位時のスライド側ディテント用脚部25の様子を示したものである。図15は、スライド側誘導面55aとスライド側ディテント用脚部25とを拡大して示した図である。図14(b),(c)に示されるように、ダイヤル10が回動後スライド変位するのに伴って、スライド側ディテント用脚部25は、スライド側誘導面55aに沿ってスライド変位する。
図15に示すように、また、前述のように、スライド側誘導面55aは、下方に凹み側面視で略半球状を有している。また、図14(a)、(b)に示すように、スライド側ディテント用脚部25は、ダイヤル10が前後方向にスライド変位していない状態で、スライド側誘導面55aの底部Q1と当接するように配置されている。従って、スライド側ディテント用脚部25の付勢部25aは、スライド側誘導面55aの底部Q1に当接している状態において脚本体部25bから最も進出し、底部Q1から離間するほど後退する。そのため、前記回動側ディテント用脚部35と同様に、スライド側ディテント用脚部25に内蔵されている圧縮スプリングの反発力によって、付勢部25a(ロッド30およびダイヤル10)に対しドライバーの手による操作力(ロッド30およびダイヤル10をスライド変位させる力)が加えられていない状態では、付勢部25aはスライド側誘導面55aの底部Q1に当接する位置に保持され、これにより、ダイヤル10はホーム位置に保持される。また、ホーム位置にあるダイヤル10が操作力を受けてスライド変位しこれに伴い付勢部25aが底部Q1から離間する位置に配置された後、この操作力が解除された場合には、前記圧縮スプリングの反発力によって付勢部25aは底部Q1に当接する位置に戻され、これに伴いダイヤル10はホーム位置に自動的に復帰する。そして、この付勢部25aに加えられる圧縮スプリングの反発力が、ダイヤル10のスライド変位に対する抵抗力として働き、この圧縮スプリングの反発力に抗する力が、ダイヤル10をスライド変位させるために必要な力となる。
本実施形態では、スライド側誘導面55aは、前後方向に線対称、すなわち、底部Q1を通り車幅方向に延びるラインを中心線として線対称な形状を有している。そのため、付勢部25aを底部QP1から変位させるのに必要な力、すなわち、ダイヤル10を回動後スライド変位させるのに必要な力は、前後方向で同一に設定されている。
(3)制御系統
図16は、本実施形態のシフト装置1に関する制御系統を示すブロック図である。本図に示されるコントローラ100は、周知のCPU、RAM、ROM等を含むマイクロコンピュータからなるもので、シフト装置1の操作状態に応じて自動変速機90の変速動作を制御する等の機能を有している。なお、図16ではコントローラ100が一体のブロックとして表されているが、コントローラ100は、例えば車体側と自動変速機90側とにそれぞれ分割して設けられた複数のマイクロコンピュータから構成されるものであってもよい。
コントローラ100は、前述したパーキングスイッチ8、変位量センサ61、回動量センサ62、自動変速機90(より詳しくはその変速アクチュエータ90a)、インジケータ9、およびメータユニット3と電気的に接続されている。なお、自動変速機90の変速アクチュエータ90aとは、例えば、自動変速機90に内蔵されるクラッチやブレーキ等の摩擦締結要素の締結・解放を切り替えるソレノイドバルブ等のことである。
コントローラ100は、判定部100a、レンジ切替部100bを機能的に有している。
判定部100aは、ダイヤル10の操作状態を判定するものである。具体的には、判定部100aは、回動量センサ62からの信号に応じてダイヤル10がホーム位置から回動操作されたか否かを判定する。また、判定部100aは、変位量センサ61からの信号に応じて、ダイヤル10が前方に変位したか否か、および、ダイヤル10が後方に変位したか否かを判定する。
レンジ切替部100bは、判定部100aにより判定されたダイヤル10の操作状態に基づいて、自動変速機90の変速レンジの切り替えを実行する。
ダイヤル10がホーム位置から所定量回動操作されたと判定部100aにより判定されると、レンジ切替部100bは、変速レンジをニュートラルレンジに切り替える。本実施形態では、ダイヤル10の回動方向によらず(時計周りか反時計周りかによらず)ダイヤル10が所定の回動量だけ回動されたことが判定部100aにより判定されると、レンジ切替部100bは、変速レンジをニュートラルレンジに切り替える。ここで、本実施形態では、前記所定の回動量は、ホーム位置から、ロッド30のガイド用脚部32、33がロッド案内溝52、53の回動側溝52a、53aの各端部に当接する位置まで、ダイヤル10が回動する量とほぼ同じ値に設定されている。
また、レンジ切替部100bは、ダイヤル10が回動後の位置から前方に所定のスライド量以上変位したと判定部100aにより判定されると、変速レンジをリバースレンジに切り替える。一方、レンジ切替部100bは、ダイヤル10が回動後の位置から後方に所定のスライド量以上変位したと判定部100aにより判定されると、変速レンジをリバースレンジに切り替える。本実施形態では、前記所定のスライド量は、回動後、ロッド30のガイド用脚部32、33がロッド案内溝52、53のRレンジ側溝52b、53bの前端およびDレンジ側溝52c、53cの後端に当接する位置までダイヤル10がスライド変位する量とほぼ同じ値に設定されている。
また、コントローラ100は、変速レンジの切り替えに伴い、インジケータ9およびメータユニット3の表示を変更する制御(現在の変速レンジを表示する制御)等を実行する。
(4)作用等
以上説明したように、本実施形態にかかるシフト装置1では、ダイヤル10は、ホーム位置から時計回りおよび反時計回りに回動することで変速レンジがニュートラルレンジに切り替わり、この回動後の位置から前後方向にスライド変位することで変速レンジがリバースレンジとドライブレンジのいずれかに切り替わるようになっている。すなわち、このシフト装置1では、ダイヤル10を回動させない限り、変速レンジが切り替わらないよう構成されている。
そのため、誤って手が触れる等によりダイヤル10に予期せぬ力が加えられたとしても、その力の大きさおよびその力が付与された位置が、ダイヤル10に対して有効な回転トルクを付与する大きさかつ位置である場合にしか、変速レンジの切り替えが実施されない。従って、このシフト装置1では、予期せぬ変速レンジの切り替わり(ニュートラルレンジへの切り替わり)をより確実に抑制して、車両の安全性を高めることができる。例えば、ドライバーにより操作される操作部材がスライド変位することで変速レンジの切り替えが実施される構成を採用した場合には、操作部材のどの部分であってもこの操作部材に対してスライドさせる方向に所定の力が加えられると、操作部材がスライドして変速レンジが切り替わってしまうのに対して、このシフト装置1では、ダイヤル10に対して所定の力が加えられた場合であってもその力の作用位置がダイヤル10の回動中心Oに近い場合には、ダイヤル10の回動を回避して変速レンジの切り替えを回避することができる。また、例え、ダイヤル10が誤って回動した場合であっても、変速レンジはニュートラルレンジにしか切り替わらず、この回動後さらに操作部材が前後方向に動かない限り走行レンジには切り替わらないので、車両の不測の前進、後進を抑制することができる。
しかも、このシフト装置1では、回動後ダイヤル10を前方にスライド変位させると、リバースレンジに切り替わり、後方にスライド変位させるとドライブレンジに切り替わるようになっており、これらレンジの切替えに必要なスライド変位の方向が互いに逆方向に設定されている。そのため、これらレンジが誤って切り替えられるのを回避することができる。
また、このシフト装置1では、ダイヤル10が時計回りに回動した場合は、この回動後、前後に延びるラインL3、L3´に対して時計回り方向に傾くD側傾斜ラインL_Dに沿ってダイヤル10が変位するように、かつ、ダイヤル10が反時計回りに回動した場合は、この回動後、前後に延びるラインL2、L2´に対して反時計回り方向に傾くR側傾斜ラインL_Rに沿ってダイヤル10が変位するように構成されている。そのため、前記のように車両の安全性を確保しつつ、ダイヤル10の前後方向への変位操作の操作性を高くすることができる。
具体的には、ダイヤル10を手で把持して操作する場合、図17(a)に示すように、指先が前方を向く姿勢で把持するのが最も自然(体に負担の少ない)な姿勢となる。そして、この状態から手を回してダイヤル10を回動させると、図17(b)に示すように、手の延びる方向(指先と手首とを結ぶライン)はダイヤル10の回動方向に傾く。そのため、前記のように、回動後のダイヤル10の変位方向がこの回動方向に傾いていることで、このシフト装置1では、回動後において、手の延びる方向とダイヤル10をスライド変位させる方向とが一致し、ドライバーは、回動後においてダイヤル10を手の延びる方向に変位操作すればよくなり、変位操作を容易に行うことができる。
<変形例>
ここで、前記実施形態では、ダイヤル10の変位ラインであるR側傾斜ラインL52_R,L53_RおよびD側傾斜ラインL52_D、L53_Dが、それぞれ回動中心Oを通るL_R,L_D上に設定されている場合について説明したが、これらR側傾斜ラインL52_R,L53_RおよびD側傾斜ラインL52_D、L53_Dが各回動方向に傾斜していれば、これらラインが前後真直ぐに延びている場合に比べて、操作性を高めることができる。そのため、これらR側傾斜ラインL52_R,L53_RおよびD側傾斜ラインL52_D、L53_Dは、回動中心Oを通らなくてもよい。
ただし、これらR側傾斜ラインL52_R,L53_RおよびD側傾斜ラインL52_D、L53_Dを、回動中心Oを通るように設定すれば、回動後の手の延びる方向とダイヤル10を変位させる方向とが一致するため、より高い操作性を得ることができる。
また、前記ドライブレンジとリバースレンジの回動方向は前記に限らない。
また、本シフト装置1が適用される車両は左ハンドル車に限らず、右ハンドル車であってもよい。
また、前記ダイヤル10の具体的構成は前記に限らない。
また、前記実施形態では、ダイヤル10の回動角度として15度を例示したが、この角度の具体的値はこれに限らない。ただし、回動操作の容易性から90度以下に設定するのが好ましい。
また、前記各実施形態のシフト装置は、エンジン(内燃機関)と車輪との間に介設された有段式の自動変速機90の変速レンジを切り替え操作するものであったが、本発明が適用可能な変速機は、有段式の自動変速機に限られず、例えば無段式の変速機(CVT)であってもよい。さらには、電気自動車に用いられる変速機のように、前進/後退を電気的に切り替えるものにも本発明を適用することができる。
L52_D、L53_D、L_D D側傾斜ライン(第1仮想線)
L52_R、L53_R、L_R R側傾斜ライン(第2仮想線)
1 シフト装置
10 ダイヤル(操作部材)
11 本体部
100a 判定部
100b レンジ切替部

Claims (3)

  1. 車室内に設けられた操作部材と、
    前記操作部材を、所定のホーム位置から時計まわりに回動および反時計まわりに回動可能、かつ、これら回動後の位置からそれぞれ車両前後方向に変位可能に支持するとともに、回動後および変位後の前記操作部材を前記ホーム位置に自動的に復帰させる本体部と、
    前記操作部材の回動および変位状態を判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に基づいて、車両の変速レンジを、ニュートラルレンジと、前進方向の走行レンジであるドライブレンジと、後退方向の走行レンジであるリバースレンジとの間で切り替えるレンジ切替部とを備え、
    前記レンジ切替部は、
    前記操作部材が前記ホーム位置から回動したことを前記判定部が認識した場合は、前記変速レンジをニュートラルレンジに切り替え、
    前記操作部材が前記ホーム位置から時計回りに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したことを前記判定部が認識した場合は、前記変速レンジをドライブレンジおよびリバースレンジのいずれか一方に切り替えるとともに、
    前記操作部材が前記ホーム位置から反時計回りに回動した後この回動後の位置から車両前後方向に変位したことを前記判定部が認識した場合は、前記変速レンジをドライブレンジおよびリバースレンジの他方に切り替え、
    前記本体部は、
    前記操作部材が時計回りに回動した後、当該操作部材が車両前後方向に対して時計回り方向に傾く第1仮想線に沿って変位するように、かつ、前記操作部材が反時計回りに回動した後、当該操作部材が車両前後方向に対して反時計回り方向に傾く第2仮想線に沿って前記操作部材が変位するように、この操作部材を支持することを特徴とする車両用シフト装置。
  2. 請求項1に記載の車両用シフト装置において、
    前記ホーム位置にある状態において前記操作部材の回動中心を通り前後方向に延びる基準線が時計回りに回動した後のラインと、前記第1仮想線とが一致し、前記基準線が反時計回りに回動した後のラインと、前記第2仮想線とが一致するように、前記本体部が、前記操作部材を支持していることを特徴とする車両用シフト装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用シフト装置において、
    前記本体部は、
    時計回りに回動した後の前記操作部材の変位方向が車両前側および車両後側の一方側となり、反時計回りに回動した後の前記操作部材の変位方向が車両前側および車両後側の他方側となるように、前記操作部材を支持していることを特徴とする車両用シフト装置。
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