JP6051130B2 - 錠装置 - Google Patents
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Description
この問題を解決する装置として、例えば特許文献1に記載の装置では、通常の使用時には内開きの開き戸として動作し、非常時には、個室の外からの操作により両開きの開き戸として動作する。
しかしながら、スライドボルトを二段階にスライドさせるためには、通常の施錠開錠動作に必要なスライドボルトの移動量に加えて二段階目のスライドのための移動量が必要であり、錠装置全体が大型となってしまう。
錠装置は、インテリアの一部を構成する点から意匠性が優先される場合があり、この場合には、二段階にスライドする機構を組み込むことで大型化することが許容されずに、悪戯による開錠を抑止できる従来の機構を錠装置に組み込むことが困難である。
以下、本発明の第1実施形態の錠装置100について図1から図10を参照して説明する。図1は、本実施形態の錠装置が取り付けられた部屋を示す全体図である。図2は、同実施形態の錠装置の平面図である。図3は、同実施形態の錠装置の背面図である。図4は、同実施形態の錠装置の背面図で、スライドボルトが施錠状態の位置にあるときを示す図である。図5は、図4のA−A線における断面図である。図6は、同実施形態の錠装置における駆動部の構成を示す正面図である。図7は、同実施形態の錠装置における駆動部の一部を示す側面図である。図8は、同実施形態の錠装置における駆動部の一部及びスライドボルトの内部構造を示す背面図である。
図1及び図2に示す錠装置100は、部屋1の出入り口を構成するパネル3に開き戸4を連結するための装置である。
図2に示すように、錠装置100は、開き戸4に取り付け可能な基台部101と、基台部101に連結されたスライドボルト132(移動体)と、パネル3に固定可能でありスライドボルト132が係止可能な受け部材133(被係止部材)とを備える。
図3に示すように、取付板102には、取付板102を開き戸4にねじ固定するためのねじを通すための複数のねじ穴102aと、後述する嵌合部材129の一部が挿入可能な窪み部102bとが形成されている。窪み部102bは、取付板102の板厚方向から見たときの取付板102の外周から内側へ向かって略矩形状に窪んだ形状を有する。
図4及び図5に示すように、外部操作部104は、基台部101に固定された外筒部105と、外筒部105の内部に配され外筒部105に対して回転自在な操作入力軸106とを有する。
外筒部105に形成された開口部105aは、悪戯により操作入力軸106が回転操作されるのを防止する目的で小径の開口であることが好ましい。また、外筒部105に形成された開口部105aは、上記所定のキー140のみで操作入力軸106を回転可能とする目的で、キー140の形状に対応した輪郭形状を有していてもよい。本実施形態では、開口部105aの形状は、六角レンチを用いて外筒部105を支持筒部109にねじ込むことができるようにする目的で六角形とされている。なお、開口部105aの輪郭形状が非円形であれば六角形以外であっても六角形の場合と同様の効果を奏する。
本体部108は、取付板102が開き戸4に固定された状態において、スライドボルト132が水平な状態から、スライドボルト132の戸先側の端が上に移動可能である。また、本体部108は、取付板102が開き戸4に固定された状態において、スライドボルト132の戸先側の端がスライドボルト132における吊元側の端よりも上にある状態からスライドボルト132が元の水平状態となるまで取付板102に対して回転可能である。本体部108は、スライドボルト132の戸先側の端が水平状態から下降しないように回動範囲が規制されている。
また、本体部108は、本体部108が水平状態にあるときに、本体部108の回転軸よりも戸先側部分の方が、本体部108の回転軸よりも吊元側部分よりも重い。このため、本体部108は、本体部108の戸先側部分を上に移動させるように回動させるためには重力に抗する外力が必要である。
本体部108は、取付板102に固定され外部操作部104に連結された支持筒部109と、支持筒部109に連結された案内部111とを備える。
案内部111は、支持筒部109の中心軸線回りに支持筒部109に対して回転自在となるように連結された収容部112と、収容部112に取り付けられた蓋部118と、収容部112に蓋部118を固定するための連結体119とを有する。
クリック機構113のボール115は、バネ114によってスライドボルト132の内面に押圧されている。このため、スライドボルト132が収容部112に対して直線移動したときに、スライドボルト132の内面に形成されたクリック溝132dにボール115が嵌った時にクリック感及びクリック音が発生する。本実施形態では、クリック機構113は、スライドボルト132が最も受け部材133側へ近接した位置と、スライドボルト132が最も受け部材133から離間した位置との二か所においてクリック感が得られるように、ボール115が嵌るクリック溝132dが、スライドボルト132の進退方向において離間する二か所に形成されている。
第一連結体120において六角ナットを貫通してスライドボルト132側へ向けて延びるストッパねじ121の端部は、スライドボルト132に形成された後述するストッパに当接可能である。
このように、本実施形態では、収容部112と蓋部118とを固定する第一連結体120が、案内部111に対するスライドボルト132の進退移動を規制する移動規制部123として機能する。
連結機構127は、歯車部126bに噛み合って収容部112内で回転する中間ギヤ128と、中間ギヤ128により進退移動される嵌合部材129と、嵌合部材129を取付板102に嵌合させるストッパバネ130(付勢部材)とを有する。
中間ギヤ128の第二歯車128aは、歯車部126bの歯数に対応して中間ギヤ128の外周の一部に形成されている。
中間ギヤ128の凹凸部128bは、中間ギヤ128の外周面から中間ギヤ128の径方向外側に延びて互いに離間する一組の凸部128b1と、一組の凸部の間に配され後述する係合突起131aを収容するための凹部128b2とを有する。
凸状部129aに形成された傾斜面129bは、嵌合部材129の進退方向に対して傾斜し且つ嵌合部材129が本体部108に取り付けられた状態において伝達軸部126の回転軸線を中心とする円周方向に向けられた面である。
図8に示すように、回転伝達部材131の外周に形成された歯車131bは、スライドボルト132の内面に形成されたラック132aと噛み合い、回転伝達部材131が回転することによりスライドボルト132が案内部111(図5参照)に対して直線移動する。また、回転伝達部材131の外周に形成された歯車131bは、スライドボルト132の移動量に対応した数の歯を有して回転伝達部材131の外周の一部に形成されている。
図8に示すように、スライドボルト132は、回転伝達部材131の歯車131bと噛み合うラック132aを有する。スライドボルト132に設けられたラック132aは、案内部111にスライドボルト132が取り付けられた状態において常に回転伝達部材131と噛み合った状態となっている。
また、スライドボルト132の内面には、案内部111とスライドボルト132とを直線移動可能に連結するためのガイド132bが設けられている。本実施形態では、スライドボルト132の内面に設けられたガイド132bは、案内部111の蓋部118に形成されたレール118aを収容するための凹凸形状を有する。
さらに、図5及び図8に示すように、スライドボルト132の内面には、ストッパねじ121に当接可能なストッパ132cが形成されている。ストッパ132cは、スライドボルト132の内面からスライドボルト132の内部へ向かって突出した形状を有し、ストッパねじ121を締めたときにはストッパねじ121がストッパ132cに当接可能であり、ストッパねじ121を緩めたときにはストッパねじ121がストッパ132cに当たらないような突出長に設定されている。
また、図3及び図4に示すように、スライドボルト132の内面には、クリック機構113のボール115が入り込むクリック溝132dが形成されている。
本実施形態では、図1及び図2に示すように部屋1の内側に錠装置100の基台部101及び受け部材133が固定される。
錠装置100は、通常の使用態様においては、開き戸4を内開きのみに規制しつつ開き戸4とパネル3とを連結して開き戸4の施錠をするようになっている。
すなわち、錠装置100は、通常の使用態様においては、取付板102が開き戸4の戸先側に固定され、パネル3に受け部材133が固定され、開き戸4から受け部材133に向かってスライドボルト132が進退するように、連結機構127の作用により、案内部111が取付板102に固定される。
通常の使用態様では、スライドボルト132の直線移動によってスライドボルト132と受け部材133との係止状態を切り替えることが可能であるが、案内部111に配された開閉方向規制部116がパネル3に干渉するので、錠装置100によって、開き戸4は、内開きに規制された状態で施錠及び開錠が可能である。
また、開錠操作の二段階目において本体部108における戸先側部分を重力に抗して持ち上げる必要があることも、二段階目の操作が可能であることを秘匿することに寄与する。
2 壁
3 パネル
4 開き戸
100 錠装置
101 基台部
102 取付板
102a ねじ穴
102b 窪み部
103 外部開錠部
104 外部操作部
105 外筒部
105a 開口部
105b ねじ溝
106 操作入力軸
106a カップリング溝
106b 凹凸形状
106c 溝
107 抜け止めプレート
108 本体部
109 支持筒部
109a ねじ山
110 止め輪
111 案内部
112 収容部
112a 孔部
113 クリック機構
114 バネ
115 ボール
116 開閉方向規制部
117 収容溝
117a 開口
118 蓋部
118a レール
119 連結体
120 第一連結体
122 非円形ナット
123 移動規制部
124 第二連結体
125 駆動部
126 伝達軸部
126a 連結部
126b 歯車部(第一歯車)
127 連結機構
128 中間ギヤ
128a 第二歯車
128b 凹凸部
128b1 凸部
128b2 凹部
129 嵌合部材
129a 凸状部
129b 傾斜面
130 ストッパバネ
131 回転伝達部材
131a 係合突起
131b 歯車(第三歯車)
132 スライドボルト(移動体)
132a ラック
132b ガイド
132c ストッパ
132d クリック溝
133 受け部材(被係止部材)
133a 小径部
133b 大径部
140 キー
Claims (4)
- 部屋の出入り口を構成するパネルに前記出入り口を開閉する開き戸を連結する錠装置であって、
前記開き戸に取り付け可能な基台部と、
前記基台部に連結され前記基台部に対して移動可能な移動体と、
前記パネルに固定可能であり前記移動体が係止可能な被係止部材と、
を備え、
前記基台部は、
前記開き戸に固定可能な取付板と、
前記取付板に連結され前記部屋の外部から前記移動体を移動させるための外部開錠部と、
を備え、
前記外部開錠部は、
前記開き戸が前記出入り口を塞いだ状態において前記部屋の外部に露出するように前記開き戸に取り付け可能であり開錠操作者による開錠操作を受け付ける外部操作部と、
前記外部操作部に連結され前記開き戸の内側面に垂直な回動軸回りに前記取付板に対して前記内側面に沿って回動移動が可能であり前記取付板に連結された本体部と、
前記本体部に設けられ前記外部操作部から前記開錠操作が伝達され、前記開錠操作により、前記基台部又は前記移動体が前記パネルに当接可能な状態で前記移動体が前記被係止部材から離間するまで前記内側面に沿って直線移動により前記移動体を移動させ、且つ前記移動体が前記被係止部材から離間した状態で前記基台部又は前記移動体が前記パネルに干渉しない位置まで前記回動移動により前記基台部を移動させる駆動部と、
を備える錠装置。 - 請求項1に記載の錠装置であって、
前記外部操作部は、
前記基台部に固定された筒部と、
前記筒部の内部に配され前記筒部に対して回転自在な操作入力軸と、
を有し、
前記駆動部は、
前記筒部の内部に配され前記操作入力軸に対して連結され前記操作入力軸と一体に回転可能であり前記本体部の内部に第一歯車を有する伝達軸部と、
前記本体部の内部に配され前記伝達軸部の回転が伝達され第二歯車及び凹凸部を有し前記第二歯車が前記第一歯車に噛み合う連結機構と、
前記凹凸部における凹部に挿入される係合突起を有し外周に第三歯車が形成された回転伝達部材と、
を有し、
前記移動体は、前記第三歯車と噛み合うラックを有する錠装置。 - 請求項2に記載の錠装置であって、
前記連結機構は、
前記第二歯車と前記凹凸部とが外周に形成され前記本体部の内部で前記本体部に対して前記伝達軸部の回転軸線と平行な回転軸線回りに回転可能な中間ギヤと、
前記凹凸部に当接可能且つ前記本体部内で進退可能に前記本体部に支持され前記取付板に嵌合可能な凸状部を有する嵌合部材と、
前記嵌合部材の進退方向のうち前記凸状部が前記取付板に嵌合する方向へ前記嵌合部材を付勢する付勢部材と、
を有し、
前記中間ギヤは、前記伝達軸部からの回転力を受けて回転することにより前記凹凸部を前記嵌合部材に当接させて前記付勢部材の付勢力に抗して前記嵌合部材を押圧移動する錠装置。 - 請求項3に記載の錠装置であって、
前記凸状部は、前記嵌合部材の進退方向に対して傾斜し且つ前記嵌合部材が前記本体部に取り付けられた状態において前記伝達軸部の回転軸線を中心とする円周方向に向けられた傾斜面を有し、
前記取付板は、前記傾斜面に接触可能で前記凸状部の少なくとも一部が挿入可能な窪み部を有する錠装置。
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