JP6050077B2 - 板状乾燥剤 - Google Patents
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Description
又、本願板状乾燥剤は使用後もほとんど膨張することなく、外観上の膨張は認められない。及び粉末化することなく、当初の形状をほぼ維持する。
更に、本願板状乾燥剤は、嵩密度が大きく狭い場所、例えば真空断熱材等の空隙の少ない場所にも封入ができ、乾燥効率に優れる。
更に又、本願板状乾燥剤は、包装用袋を使用する必要がなく、原材料がすべて無機化合物であり、分別作業がなく廃棄は容易である。乾燥対象物がグラスウール等である場合は分別廃棄をする必要がなく、そのまま廃棄処分又はグラスウールの再生をすることができる。
本願発明に使用する水酸化カルシウムは、特に限定されないが、純度が高く、粒度は100メッシュ以下のものが好ましく用いられる。焼結助剤の粘土鉱物質の種類も特に限定されない。水酸化カルシウムと配合して成形可能なものであれば特に問題はない。この粘土鉱物質の内で、ベントナイト、セピオライトが好適に用いられる。配合量が少なくても成形性が良いためである。このベントナイト、セピオライトを単独で使用することもできるが、両者を混合して使用することもできる。
粘土鉱物の配合割合が5重量部未満であると成形性が悪くなり、出来上がった成形乾燥剤が脆くなり、30重量部を超えると板状乾燥剤の乾燥率が低下する。この配合割合は、好ましくは7〜27重量部であり、より好ましくは10〜25重量部である。
また、粘土鉱物(ベントナイト、セピオライト等)は通常25kgの包詰であり、含水率(水分を水分と粘土鉱物の和で除したのち100をかけた値)は約15%であり、ほぼ平衡に達しているため、以下15%の水分を除いた重量を重量部の基礎として用いている。
成形品の形状は板状とする。板状の平面視形状は、矩形、円形、楕円形等とすることができる。この成形品(焼結前の成形物を以下「成形品」という。)の寸法は、本願板状乾燥剤の乾燥対象物によって適宜選択することができる。
成形方法に限定はないが、下記の方法が例として挙げられる。水酸化カルシウムと上述の粘土鉱物をよく混合して成形材料を得て、これに水を加えて混練機で混練した後、型に入れて成形する。また、転動造粒機に上述の成形材料を投入しつつ水を噴霧して顆粒状の成形材料を得たのちに、この顆粒状の成形材料をプレス成形機に充填して、80Kg/cm2〜400Kg/cm2の圧力でプレス成形する。また、この顆粒状の成形材料は水酸化カルシウムと粘土鉱物を流動性の大きいペースト状に混練してスプレードライ法で得ることもできる。
上述の成形品を焼結して板状乾燥剤を得る。図1は本願板状乾燥剤の外観図である。図1(a)は矩形状の板状乾燥剤を表し、図2(b)は円形状の板状乾燥剤を表す。焼結温度は、550〜900℃である。550℃未満であると水酸化カルシウムの一部が酸化カルシウムに変化しない場合があり、900℃を超すとエネルギー効率が悪くなり成形乾燥剤のコスト高になる。好ましくは570〜850℃であり、より好ましくは600〜800℃である。
本願発明に使用した材料は下記のとおりである。
(1)水酸化カルシウムは、片山化学工業株式会社JISK8575適合品を使用した。
(2)ベントナイトは、クニミネ工業株式会社製のメッシュ100以下のものを使用した。
(3)セピオライトは、株式会社セピオライト製のメッシュ100以下のものを使用した。
(4)下記表1に記載した水酸化カルシウム1000gとベントナイト及び/又はセピオライトを転動造粒機に投入して、30分撹拌した後に水200mlを用いて、転動造粒機中に噴霧して顆粒状にした。この顆粒状の原料の粒度は1190μm以下のものを使用した。
上記(1)〜(4)に基づいて、原料を調整し、この顆粒状の配合物を成形機の型に
入れて150kg/cm2で圧縮成形した。この焼結前の成形品は縦60mm、横4
0mm、厚さ3mm、重量14gであった。
本願板状乾燥剤は実施例として表し、本願板状乾燥剤に相当しないものは比較例として記載した。
図1(a)は、実施例で作製した本願板状乾燥剤の斜視図である。
表1中のA、B及びCは下記の原材料である。
A:水酸化カルシウム
B:ベントナイト
C:セピオライト
上記実施例4の本願板状乾燥剤と他社の袋入り粒状乾燥剤(石灰乾燥剤10g)との吸湿速度の比較を行った。
テストは関係湿度90%、25℃の雰囲気で吸湿率を測定した。相対湿度90%の調整は日本工業規格JISZ0701の表4に基づいてデシケータ中にRH90%の環境を調整し、デシケータを25℃の恒温器に置いた。
結果は図2に表す。本願板状乾燥剤は包装されていないため吸湿速度は極めて大きい。一方、袋入り乾燥剤に使用する袋の材質は、透湿性があるものの包装袋の強度を担保するために、その透湿性は極めて低く袋入り乾燥剤の吸湿速度は小さい。
外観検査で「良」のものについて、相対湿度90%、温度25℃で吸湿テストを行い、その結果を表2に示す。
(1)
相対湿度90%の調整:日本工業規格JISZ0701の表4に基づいてデシケータ中にRH90%の環境を調整し、デシケータを25℃の恒温器に置いた。
(2)水分吸収率の測定:日本工業規格JISZ0701に基づいて、水分吸湿率を測定した。吸湿率は下記の式を用いた。
吸湿率=(W1−W0)×100/W0
W1:吸湿後の板状乾燥剤
W0:吸湿前の板状乾燥剤
図3は本願板状乾燥剤の焼結助剤の配合量と強度の関係を示す図である。この図3は、焼結助剤としてベントナイトを使用し、焼結前の成形品の強度も合わせて示している。
焼結助剤の配合量が5重量部未満であると、本願板状乾燥剤及び焼結前の成形品も強度が低いことを示す。
この強度試験の測定は、木屋製作所製の木屋式硬度計を用いて行った。
表2にし記載した本願板状乾燥剤(実施例1〜実施例8)を相対湿度90%、温度25℃の環境において10日間放置した後の形状の変化を外観視でテストして表3にまとめた。
図4及び図5は本願板状乾燥剤の焼結温度と吸湿率の関係を示す図である。これらの図が示すように500℃で成形品を焼結した場合には、水酸化カルシウムが一部酸化カルシウムに変化しないものと考えられ、吸湿率が低い。また、650℃以上焼結温度を高めても吸湿率はあまり変わらないことを示している。
Claims (1)
- 1.水酸化カルシウム100重量部と、ベントナイト及びセピオライトから選ばれる1種である焼結助剤10重量部〜25重量部と、の2成分を配合した成形材料を混合する工程と
2.転動造粒器に上記混合された成形材料を投入しつつ水を噴霧して、顆粒状の成形材料にする工程と、
3.上記顆粒状の成形材料を目開き1190μmの篩で選別する工程と、
4.上記1190μm下に篩分けされた顆粒状の成形材料をプレス成形機に充填する工程と、
5.上記顆粒状の成形材料を80kg/cm2〜400kg/cm2で圧縮成形して成形品を得る工程と、
6.上記成形品を600℃〜850℃で90分〜160分焼結する工程、
の順からなることを特徴とする板状乾燥剤の製造方法。
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