JP6047559B2 - 5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースを用いて生物学的活性分子を標識する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タンパク質またはペプチドなどの生物学的活性化合物と、フッ素標識された糖、特に5−フルオロ−5−デオキシまたは3−フルオロ−3−デオキシペントース類との複合体、これらを作製するプロセス、および画像化法、特に陽電子放射断層撮影画像化法においてのこのような複合体、特に5−18F−5−デオキシペントース類または3−18F−3−デオキシペントース類を含む複合体の使用に関する。
フッ素−18同位体は、陽電子放射断層撮影(PET)による医用画像化用途に非常に広く使用されている。これは半減期が110分であり、したがって、18F含有分子を調製および操作する方法は迅速である必要がある。PETに最も一般に使用される炭水化物は、2−18フルオロ−2−デオキシ−グルコース(2−[18F]−FDG、一般にFDGと称し、すなわち、18F標識付けされていることを意味する)であり、国際的にクリニックにおけるすべてのフッ素−18標識付け研究の90%超を占めている。FDGは、腫瘍の検出および監視のために癌患者に最も一般に投与される。このため、2−FDGは、世界中の多くのPETセンターおよび病院においてフッ化物−18(サイクロトロンで製造)から迅速に調製される。
ペプチドおよびタンパク質などの生物学的活性物を18Fで標識するか、またはそれらを連結させる需要が増大している。ペプチドおよびタンパク質は、疾患組織または疾患細胞タイプを特異的に認識するように設計することができ、フッ素−18で標識し、患者に注入した場合、疾患組織/細胞タイプの画像を作製することができる。したがって、18F含有タンパク質複合体は、画像化(例えばPETによる)に使用することができ、それにより臨床医は疾患を診断または監視することが可能になる。
フッ素−18同位体のタンパク質への効率的な結合を実現するには重大な技術的課題がある。これに関して、4−[18F]フルオロベンズアルデヒドなどのフルオロ芳香族化合物をはじめとする小さな疎水性18F含有分子が使用されてきた。しかし、得られる18F標識タンパク質の全体的な性質が親タンパク質の性質からあまり大きく離れないように水溶性タグを付加することが望ましい。
小さな炭水化物は、フルオロ芳香族化合物を使用することで見られる問題に対処するための好機を与えるものであり、これに関連して、FDGは、既存の臨床利用のために容易に入手可能という理由で、標識付け分子として広く研究されてきた(例えば、WO2005/086612A2(Immunomedics,Inc.)を参照)。FDGのタンパク質への連結に関し、開発されてきた複合体化方法には効率的なものがわずかしかないという化学的課題が残されている。しかし、オキシム形成は、糖連結を実現する最も修正可能な方法の1つである(R. Haubner、 H. J. Wester、F. Burkhart、R. Senekowitsch-Schmidtke、W. Weber、S. L. Goodman、H. Kessler and M. Schwaiger、J. Nucl. Med. 2001、42、326〜336;M. Schottelius、F. Rau、J. C. Reubi、M. Schwaiger and H.-J. Wester、Bioconjugate Chem. 2005、16、 429〜437;R. D. Egleton and T. P. Davis、 NeuroRx、2005、2、 44〜53;およびD. E. Olberg and O. K. Hjelstuen、 Curr. Topics Med. Chem.、 2010、10、1669〜1679を参照)。
今までで、FDGは、ペプチドを有するオキシムの形成に使用されている事実上唯一のフッ素化糖である。好都合なことに、FDGは、世界中のほぼすべてのPETセンターで調製されるか、またはそこに納入されている。しかし、タンパク質−FDG連結に関する大きな問題は、所望の複合体を、例えばオキシム形成によって形成する際、効率が不十分なことである。したがって、複合反応の十分な効率を可能にするために、高い反応温度(最高130℃)および非常に低いpH(1〜2の低さ)を使用しなければならない。しかし、このような条件は望ましくない。高温および低いpHは、ほとんどのタンパク質およびペプチドに適さず、こうした条件下ではそれらは分解を起こしやすい。
最近の2つの刊行物(2010年)に、FDGのタンパク質への不十分な連結効率の問題に対処するためのより巧緻な代替方法が記載されていた。
第1の刊行物は、[18F]−FDG分子を活性部位に固定した、[18F]−FDGによる酵素グルコセレブロシダーゼ(GCase)の機序に基づく抑制に関するものであった(C. P. Phenix、B. P. Rempel、K. Colobong、D. J. Doudet、M. J. Adam、L. A. Clarke and S. G. Withers. PNAS、2010、107、10842〜10847)。しかし、この方法はGCase酵素およびその関連酵素に限定されており、したがって一般に適用可能ではない。
記載の第2の方法は、最初にFDGの1位にアジドを組み込み、それによって、タンパク質中に操作して加えたアセチレン含有アミノ酸とのいわゆる「クリック」反応を可能にするものである(O. Boutureira、F. D’Hooge、M. Fernandez-Gonzalez、G. J. L. Bernardes、M. Sanchez-Navarro、J. R. Koeppe and B. G. Davis、Chem. Commun.、 2010、46、8142〜8144;S. Maschauer and O. Prante、Carbohydr. Res. 2009、344、753〜761;S. Maschauer、J. Einsiedel、R. Haubner、C. Hocke, M. Ocker、H. Hubner、T. Kuwert、P. Gmeiner and O. Prante、Angew. Chem. Int. Ed. 2010、49、976〜979;およびO. Prante、J. Einsiedel、R. Haubner、P. Gmeiner、H.-J. Wester、T. Kuwert and S. Maschauer、BioconjugateChem. 2007、18、254〜262を参照)。アジド官能基の導入を可能にするためにFDGを変性する必要性は、複合体化工程全体の効率を低下させ、望ましくない。
したがって、上記に記載または言及した当技術の欠陥の1個または複数に対処するために、18F標識した、タンパク質およびペプチドなどの生物学的活性分子を作製する代替法を提供することが望ましい。
我々は、FDGとタンパク質との間のオキシム形成反応での不十分な効率を研究して、これが、FDGが環の開いたアルデヒド含有化合物としてではなく環の閉じたピラノース形で存在するという傾向から起こる可能性があると仮定した。これはアルドヘクソーゼでは周知の現象であるが、我々は、FDGでは、2位にある電気的陰性のフッ素原子の位置が、環が開いてアルデヒドになるのを抑制し、さらにピラノース形の方向に平衡を動かし、それによって、アミノオキシ含有分子との複合体化の割合が抑制されると推論した。アルデヒド官能基をアミノオキシ官能基と反応させて、オキシムを得たい場合、我々は、この傾向が従来技術における不十分な連結効率を説明するものであろうと推論した。
我々はさらに、フッ素の特定の位置決めに加えて、5員環が6員環より速く開くと推論した。
これらの考察に従って、しかしそれらに束縛されるものではないが、我々は、5−フルオロ−5−デオキシまたは3−フルオロ−3−デオキシペントース類、例えば、5−18フルオロ−5−デオキシまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントース類が、連結反応において、特に、開鎖形のこうしたデオキシペントース類中のカルボニル基のアミノ化を伴う連結反応において、一般にフッ素化炭水化物分子、特にFDGよりも効率的に関与することを見出した。
したがって、第1の態様から見て、本発明は、生物学的活性分子および5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースを含む複合体を提供する。
第2の態様から見て、本発明は、生物学的活性分子を5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースと反応させるステップを含む、本発明の第1の態様による複合体を作製する方法を提供する。
第3の態様から見て、本発明は、本発明の第1の態様の複合体と、薬学的に許容される担体または希釈剤とを一緒に含む組成物を提供する。
第4の態様から見て、本発明は、ヒトまたは動物の身体に対して行われる診断法で使用するための本発明の複合体または組成物を提供する。
第5の態様から見て、本発明は、対象を画像化する方法であって、本発明の18F含有複合体または組成物をその対象に投与するステップと、一般にPETを使用して、その対象内の18Fの分布を画像化するステップとを含む方法を提供する。
第6の態様から見て、本発明は、疾患または病態を診断する方法であって、本発明の18F含有複合体または組成物を対象に投与し、その対象内の18Fの分布を画像化し、その対象内に存在する場合にその疾患または病態を診断する、方法を提供する。
本発明の第5および第6の態様に関する本発明の別の諸態様によれば、本発明の複合体または組成物の投与は、第5および第6の態様による画像化の前に実施する。
第7の態様から見て、本発明は、疾患または病態を診断する方法において使用するための本発明の18F含有複合体または組成物であって、その複合体または組成物を対象に投与し、その対象内の18Fの分布を画像化し、その対象内に存在する場合にその疾患または病態を診断する、18F含有複合体または組成物を提供する。
第8の態様から見て、本発明は、対象を画像化する方法において使用するための本発明の18F含有複合体または組成物であって、その方法が、本発明の複合体または組成物をその対象に非経口投与、例えば注射によって投与するステップと、一般にPETを使用して、その対象内の18Fの分布を画像化するステップとを含む、複合体または組成物を提供する。
本発明の第9および第10の態様から見て、本発明の第5または第6の態様による方法において使用する医薬品の製造で使用するための本発明の複合体を提供する。
本発明の他の諸態様および諸実施形態は、以下に続く本発明のより詳細な考察およびその後の実施例から明らかになる。
ピラノースと2−[18F]−FDG(1a)および5−[18F]−FDR(1b)の開鎖形との間の平衡を示す図である。 5−[19F]−FDR(1b)とペプチドとの複合体化に関するスキームを示す図である。 コールドFDR(1b;5−[19F]−FDR)の既知の合成を示す図である。 アミノオキシ化合物2の既知の合成を示す図である。 グルタチオン由来のアミノオキシ化合物3の典型的な合成を示す図である。 グルタチオン由来のアミノオキシ化合物3aをコールドFDR(1b;5−[19F]−FDR)と複合体化させて、19F標識したオキシム複合体4aを得るスキームを示す図である。 (a)20℃でのDO中における19F標識したオキシム複合体4aの立体構造を示す図である。 (b)4aのE異性体およびZ異性体に関するH NMRシグナル(N=CH)をそれぞれ示す図である。 アミノオキシ化合物2をコールドFDR(1b;5−[19F]−FDR)と複合体化させて、19F標識したオキシム複合体7を得るスキームを示す図である。 18F−フルオロリボース(1b;18F−FDR)の既知の酵素的合成を示す図である。 5−[18F]−FDR(1b)とペプチドとの複合体化に関するスキームを示す図である。
本発明は、5−フルオロ−5−デオキシペントース類および3−フルオロ−3−デオキシペントース類が、連結反応において、特に、開鎖形のデオキシペントース中のカルボニル基のアミノ化を伴う連結反応において、例えば、オキシム形成をするために、一般にフッ素化炭水化物分子、特にFDGよりも効率的に関与するという我々の知見に基づいている。したがって、本発明は、18Fで5位および/または3位を標識したデオキシペントース類と生物学的活性分子との複合体の提供を有用に可能にする。
本発明のすべての態様の特定の実施形態によれば、5位または3位に存在するフッ素は18Fであり、特に5位に存在し、それによって、5−18フルオロ−5−デオキシペントース類が提供される。本発明は特にこれらの実施形態を参照して以下に説明するが、これに限定すると解釈すべきではない。
本明細書で使用する連結する(ligating)または連結(ligation)という用語は、2個以上の分子のカップリングを指すことを意図している。本明細書では、これらの用語は、複合体化する(conjugating)および複合体化(conjugation)という単語とそれぞれ同義である。複合体は、連結または複合体化反応の生成物である。
当技術分野で周知のように、ペントースは、5個の炭素原子を含む、一般に化学式C(HO)(C10)の単糖である。また周知のように、ペントース類は、アルドース類(アルドペントース類)でもケトーシス類(ケトペントース類)でもよい。アルドペントース類は、天然由来(D−アルドペントース類)でも非天然(L−アルドペントース類)でもよい。天然アルドペントース類は、D−リボース、D−キシロース、D−アラビノース、およびD−リキソースである。4種の対応する非天然L−アルドペントース類がある。ケトペントース類のうち、2種のケト化合物(リブロースおよびキシルロース)がより一般的である。
ペントース類のデオキシ誘導体、すなわちデオキシペントース類は、親化合物の基本的な5個の炭素原子を含有する構造を保持している。本明細書では、デオキシペントース類とは、親化合物中のヒドロキシル基の1個または複数、一般に1、2、または3個がそれぞれ独立に水素原子または別の置換基と置き換えられているペントース類を意味する。x−デオキシペントースにおける「x」位の置換基が明示されていない場合、従来通りにヒドロキシル基は水素原子と置き換えられている。したがって、2−デオキシリボースとは、リボースの2−ヒドロキシ基が不特定の置換基と置き換えられているリボースの誘導体であり、その置換基は水素であり得、2−デオキシリボースとは、リボースの2−ヒドロキシ基が水素と置き換えられているリボースの誘導体である。
本発明の複合体中に存在するデオキシペントース類では、親ペントースの少なくとも5−ヒドロキシル基が存在せず、フッ素原子、いくつかの実施形態ではフッ素−18で置換されており、かつ/または親ペントースの3−ヒドロキシル基が存在せず、フッ素原子、いくつかの実施形態ではフッ素−18で置換されている。言い換えると、本発明の第1の態様の複合体は、5−フルオロ−5−デオキシペントース、3−フルオロ−3−デオキシペントース、または3,5−ジフルオロ−3,5−ジデオキシペントースを含んでおり、3,5−ジフルオロ−3,5−ジデオキシペントースは、5−フルオロ−5−デオキシペントースと3−フルオロ−3−デオキシペントースのどちらもの例であることを理解されたい。
いくつかの実施形態では、フッ素で3位および/または5位を標識したデオキシペントース類は、2−デオキシペントース類であり、例えば、5−フルオロ−2,5−ジデオキシ、3−フルオロ−2,3−ジデオキシ、5−フルオロ−2,3,5−トリデオキシ、または3−フルオロ−2,3,5−トリデオキシペントース類、例えば、3,5−ジフルオロ−2,3,5−トリデオキシペントース類である。
デオキシペントース中の存在しないヒドロキシル基は、それがフッ素原子と置き換えられていない場合、水素、フルオロ以外のハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ(−NH)、ジアルキルアミノ、およびアルコキシからなる群から選択される置換基と置き換えられていてよい。一般に、2−デオキシペントースの存在しないヒドロキシル基は、ハロゲンとは置き換えられておらず、特にフッ素原子とは置き換えられていない。
したがって、本発明の複合体中に存在するデオキシペントース類の例としては、2−、3−、および5−デオキシペントース類、例えば、5−フルオロ−2,5−ジデオキシリボースなどの5−フルオロ−2,5−ジデオキシリボース類、3−フルオロ−2,3−ジデオキシリボースなどの3−フルオロ−2,3−ジデオキシリボース類、5−フルオロ−3,5−ジデオキシリボースおよび3−クロロ−5−フルオロ−3,5−ジデオキシリボースなどの5−フルオロ−3,5−ジデオキシリボース類、5−フルオロ−2,3,5−トリデオキシリボースなどの5−フルオロ−2,3,5−トリデオキシリボース類、3−フルオロ−2,3,5−トリデオキシリボースなどの3−フルオロ−2,3,5−トリデオキシリボース類、ならびに3,5−ジフルオロ−2,3,5−トリデオキシリボースなどの3,5−ジフルオロ−2,3,5−トリデオキシリボース類が挙げられ、前述のもののいずれのアルキル、アミノ、およびアルコキシ誘導体も含まれ、ヒドロキシル基が存在せず、別の置換基を有していることが明示されていないデオキシリボースの炭素原子は、アルキル、アミノ、またはアルコキシ置換基で置換されている。
本明細書では、アルキルとは、飽和ヒドロカルビル基であり、直鎖でも環状でも分岐でもよい(一般には直鎖)。ヒドロカルビル基が1個または複数の不飽和部位を有する場合、これらは炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合によって構成され得る。アルキル基が炭素−炭素二重結合を含む場合、これはアルケニル基を形成し、炭素−炭素三重結合が存在する場合、アルキニル基を形成する。一般に、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜10個の炭素原子、より一般には1〜6個の炭素原子を含み、アルケニルおよびアルキニル基の下限は、炭素原子が2個であり、シクロアルキル基では、炭素原子が3個であることを理解されたい。
ハロは、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードである。
アルキルオキシ(アルコキシと同義)は、式−O−アルキルであり、アルキルは上記で定義した通りである。
ジアルキルアミノ基は式−N(R)であり、Rはそれぞれ独立にアルキルであるか、または窒素原子Nに結合した2個のRが結合して、アルキレンジラジカル(アルカンから形式的に誘導されるものであり、一般にアルカンの各末端炭素原子から2個の水素原子が抜き取られて誘導されるもの)を形成し、それによって窒素原子Nと共に環を形成している。
一般に、本発明の様々な態様による5−フルオロ−5−デオキシペントース類または3−フルオロ−3−デオキシペントース類、例えば5−18フルオロ−5−デオキシペントース類または3−18フルオロ−3−デオキシペントース類は、アルドデオキシペントース類、特にアルドデオキシ−D−ペントース類である。本発明の様々な態様の特定の諸実施形態によれば、18Fで5位または3位を標識したデオキシペントースは、D−デオキシリボースである。したがって、本発明の様々な態様の特定の諸実施形態によれば、デオキシペントースは、5−デオキシ−5−18フルオロ−アルドペントース、例えば、5−デオキシ−5−18フルオロ−D−アルドペントースである。本発明の特定の諸実施形態によれば、18Fで5位または3位を標識したデオキシペントースは、5−デオキシ−5−18フルオロリボースまたは3−デオキシ−3−18フルオロリボース、特に、5−デオキシ−5−18フルオロ−D−リボースまたは3−デオキシ−3−18フルオロ−D−リボースである。5−デオキシ−5−18フルオロ−D−リボースは、以下でFDRまたはホットFDRと称し(本明細書では、コールドFDRは5−デオキシ−5−19フルオロ−D−リボースを指す)、本発明の考察はこの特定の実施形態に注目している。しかし、本発明は、これに限定すると理解すべきではない。本明細書の考察では、化合物1bは、文脈により(ホット)FDRまたはコールドFDRのいずれかであり得る。
FDRを含むが、それだけに限らない、5−フルオロ−5−デオキシペントース類および3−フルオロ−3−デオキシペントース類、例えば5−18フルオロ−5−デオキシペントース類または3−18フルオロ−3−デオキシペントース類は、化学的および酵素的方法の両方によって調製することができる。FDRは、例えば、文献によく記載されている(特に、合成のための酵素経路が記載されているM Onega et al.、 Chem. Commun.、 2010、46、139〜141、およびそこに参照されている文献を参照;また、本明細書の図9を参照)。当業者は、他の5−フルオロ−5−デオキシペントース類および3−フルオロ−3−デオキシペントース類を容易に合成することができるであろう。
本発明の特定の複合体は、複合体の、特異的疾患組織または疾患細胞タイプへの標的指向化が可能になるように、5−18F標識−5−デオキシペントース、例えばFDRと、生物学的活性分子とを含む。本明細書では、生物学的活性分子とは、当該の対象において、例えばヒトまたは動物の身体などにおいて薬理学的効果を示す分子を意味する。
5−フルオロ−5−デオキシペントース類または3−フルオロ−3−デオキシペントース類、例えば5−18フルオロ−5−デオキシペントース類または3−18フルオロ−3−デオキシペントース類に複合体化させることができる生物学的活性分子の性質は、生物学的活性分子がこれらのデオキシペントース類と複合体化する余地がある限り、特に限定されるものではない。以下で述べるように、本発明はペプチドおよびタンパク質を用いて例証しているが、当業者は、タンパク質、ペプチド(2〜300個、例えば2〜20個の天然に存在するまたは非天然のアミノ酸の配列を含む分子を意味する)、核酸、オリゴ糖、多糖、および脂質を含むが、それらに限定されない多種多様な生物学的活性分子が本発明に従って使用することができるという技術から理解されるであろう。例えば、生物学的活性分子は、ホルモン、成長因子、抗体、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体もしくは完全なヒト抗体、またはそれらの抗原結合性フラグメントでもよい。一般に、生物学的活性分子は、100,000Da未満、通常は10,000Da未満の分子量を有する。本発明の上記その他の諸実施形態によれば、生物学的活性分子は、潜在的な医薬品製剤でもよい。
下記の実施例では、本発明を、ペプチドグルタチオンおよびAffibodyタンパク質を使用して説明している。グルタチオン(天然トリペプチド)をモデルペプチドとして選択して、複合条件を最適化した。潜在的な医療用途に対する本発明の有用性を実証するために、Affibodyの19F標識付けについて記述している。
このaffibodyは、ブドウ球菌プロテインAの免疫グロブリン結合領域におけるBドメインから操作して加えられた短いタンパク質(6.9kDa)である(J. Lofblom、J. Feldwisch、V. Tolmachev、J. Carlsson、S. Stahl and F. Y. Frejd、FEBS Lett. 2010、584、2670〜2680)。これは、多くのタイプの癌細胞、例えば乳癌において過剰発現されるヒト上皮成長因子受容体2(HER2)に対してピコモル親和性を有する(A. Orlova、M. Magnusson、T. L. J. Eriksson、M. Nilsson、B. Larsson、I. Hoiden-Guthenberg、C. Widstrom、J. Carlsson、V. Tolmachev、S. Stahl and F. Y. Nilsson、Cancer Res. 2006、66、4339〜4348)。今のところ、Affibodyには、医用画像のために金属核種(例えば、68Gaおよび111In)が主に結合されている(V. Tolmachev、M. Altai、M. Sandstrom, A. Perols、A. E. Karlstrom、F. Boschetti and A. Orlova、Biocojugate Chem. 2011、doi: dx.doi.org/10.1021/bc100470x)。18F標識したAffibodyの合成に関する刊行物は2つあり(D. O. Kiesewetter、G. Kramer-Marek、Y. Ma and J. Capala、J. Fluor. Chem. 2008、129、799〜805;およびZ. Cheng、O. P、De Jesus、M. Namavari、A. De、J. Levi、J. M. Webster、R. Zhang、B. Lee、F. A. Syud and S. S. Gambhir、J. Nucl. Med. 2008、49、804〜813)、両方のケースにおいて疎水性芳香族リンカーが使用された。
画像化され得る標的疾患、組織、または細胞の性質は、当該の細胞または組織を標的にするための適切な生物学的活性分子の利用能によってのみ制限されていることを理解されたい。したがって、例えば腫瘍関連抗原として、癌などの疾患組織に結合するいずれのタンパク質またはペプチドも、本発明による5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースで標識することができ、それによって、当該の細胞または組織の画像化(例えば、検出または監視)が可能になる。したがって、本発明のいくつかの実施形態によれば、本発明は、癌組織の画像化を提供するものであり、それによって、癌の診断および監視が可能になる。
生物学的活性化合物を、18F標識した芳香族化合物およびFDGを含む18F標識した分子に複合体化させる方法は、当技術分野でよく知られている。周知のように、生物学的活性分子を、結合部分、例えば水溶性結合部分を介して当該化合物(ここでは5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントース)に複合体化させることができる。用語「結合部分」または「リンカー」は、当技術分野において十分に理解されている用語であり、短い(例えば約2〜50個、例えば約3〜10個の原子長)二官能部分を意味しており、例えば生物学的活性分子を誘導体化して、望ましい官能基を導入するように働き、それによって、当該化合物への複合体化が可能になる。他の利点もリンカーを使用することで通常与えられる。この技術には適切な結合部分が十分ある。例えば、結合部分は、アミノオキシ、エステル、アミン、ジスルフィド、およびイミドからなる群から選択される1種または複数の官能基を含むことができる。抗体医薬複合体におけるリンカーの使用を説明している概説L. DucryおよびB. Stump(Bioconjugate Chem.、 2010, 21(1)、 5-13頁)を参照されたい。
本発明の特定の諸実施形態によれば、生物学的活性分子を誘導体化すると、求核性のアミノ官能性を示す結合部分が導入されるようになる。これは、デオキシペントースの開鎖形に存在するカルボニル基のアミノ化に関与し得る。このようなアミノ化としては、ヒドラゾン結合を含む複合体が得られる、ヒドラジドもしくはヒドラジンで官能基化した生物学的活性分子と本明細書に記載の18F標識したデオキシペントース類との反応、またはチオセミカルバゾン結合を含む複合体が得られる、チオセミカバジド(thiosemicabazide)で官能基化した生物学的活性分子と18F標識したデオキシペントース類との反応が挙げられる。
本発明の特定の諸実施形態によれば、生物学的活性分子を誘導体化すると、アミノオキシ(−ONH)官能性を示す結合部分が導入され得る。この誘導体化により、オキシム結合を介して5−または3−フルオロ−、例えば、18F標識したデオキシペントースまたはペントースとの複合体化が可能になる。これに関する複合体化法は当業者に周知である(例えば、T Poethko et al.、J. Nucl. Med.、 2004、45、892〜902; T Poethko et al.、 Radiochim. Acta、2004、92、317〜327;およびM. Schottelius et al.、 Clin. Cancer Res、2004、10、3593〜3606を参照)。
前述したように、例えば、アミノオキシで官能基化した生物学的活性材料と18F標識したデオキシペントースとを反応させて、オキシム結合を形成させることによって、5−または3−フルオロ−、例えば、18F標識したデオキシペントース類、特にFDRが、還元アミノ化条件下で特に迅速に連結することが本発明の特定の利益である。我々は、本明細書において、このような反応が直接かつ効率的に穏やかな条件下で進行することを実証する。実際、反応の速度は、2−FDGの場合よりも桁違いに速い。好都合なことに、複合体化反応は、水溶液(場合により有機溶媒は存在しない状態)中、pH4〜6、周囲温度(例えば約15℃〜約40℃)で、比較的短時間スケール(例えば約1〜30分、例えば約5または約7〜30分の期間)において行うことができる。FDRなどの18F標識したデオキシペントース類を生物学的活性分子に複合体化させることができ、この生物学的活性分子を場合により事前活性化させて、18F標識したデオキシペントース類との反応に適した官能基を導入することができ、それによって、事前に誘導体化する必要なしで反応させることができることが特定の利益である。
下記の実験の部において、本発明を、「コールド」(19F含有)化合物の調製を用いて説明する。この調製を対応する18F含有化合物に適用した場合、その反応スキームを図10に概略的に示しているが、同じ化学的性質が働くであろうことを当業者なら理解されよう。
本明細書に記載の18Fおよび19F含有化合物のいくつかは、それ自体が新規なものであり、これらは本発明のさらなる態様を構成するものである。したがって、本発明はまた、以下の構造を有する化合物を提供する:
構造1〜4および11〜16において、Rは、本明細書で定義したものなど任意の生物学的活性分子の残基、特にペプチドまたはタンパク質の残基であり得る。
構造1〜16の各々において、各構造中の右側に描いた部分のフッ素原子は、5−フルオロ−5−デオキシリボースに由来し、フッ素−18でもフッ素−19でもよい。フッ素原子がフッ素−18である場合、したがって、構造1〜4および11〜16のこれらの実施形態は、本発明の第1の態様による複合体の実施形態を構成する。
構造1、3、5、7、11、12、および14の化合物は、オキシムまたはヒドラゾン含有複合体の開環形を描いており、構造7のマレイミドは生物学的活性分子と複合体化する余地があり、それにより、構造1として描いた対応するスクシンイミドが得られる。
構造2、4、6、8、13、および16の化合物は、オキシムまたはヒドラゾン含有複合体の閉環形を描いており、構造8のマレイミドは生物学的活性分子と複合体化する余地があり、それにより、構造2として描いた対応するスクシンイミドが得られる。
構造9および10の化合物は、18F標識したデオキシペントース類との複合体化に適した係留アミノオキシおよびヒドラジド官能基を有し、それにより本発明の複合体が得られる、生物学的活性分子に結合したスクシンイミドを描いている。
構造15の化合物は、構造14として示すヒドラゾンの還元から得られる生成物を描いており、その還元によって加水分解に対する安定性が向上する。
以前、我々は、[18F]−FDRの合成に関する生合成法を開発した(Onegaら、(以下のもの)およびそこに引用される文献、WO03/020945およびWO2004/078914A2)。これと他の5−フルオロ−5−デオキシペントース類および3−フルオロ−3−デオキシペントース類とは、化学的合成によって容易に作製することができる。
本発明は、タンパク質の標識付けに関して著しい利点を与え、世界中のPETセンターにおいて研究と臨床目的の両方のための一般的な使用を見出すことができるであろう。下記の実験の部は、他の糖と比較した際の例示的な複合体化反応におけるFDRの著しくより大きな反応性と、典型的な複合体化が当業者なら非常に精通している複合体合成法を使用することで技術的に非常に簡単であることとの両方を説明している。
本明細書に記載の本発明の複合体および他の化合物が様々な立体異性体形態物で存在し得ることが理解されよう。これらの化合物が、エナンチオマー、ジアステレオマー、およびラセミ混合物を含めたすべての立体異性体形態物およびそれらの混合物を含むことを理解されたい。本発明は、その範囲内に、本発明の複合体の個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーならびにそのような立体異性体の混合物を含めた任意のそのような立体異性体形態物または立体異性体の混合物の使用を含む。
また、本発明のいくつかの複合体が、1個または複数の、(アルキル)アミノ基などの塩基性官能基を含有することを当業者なら理解されよう。したがって、こうした複合体は、薬学的に許容される酸と一緒になって、薬学的に許容される塩を形成することができる。薬学的に許容される塩という用語は、当業者なら容易に理解され、本発明では、本発明の複合体の比較的非毒性の無機および有機酸付加塩を指すことを理解されたい。これらの塩は、投与ビヒクル中においてin situで調製してもよく、または遊離塩基形の本発明の精製済み化合物を適切な有機もしくは無機酸と別々に反応させ、こうして形成された塩を後続の精製中に単離することによって調製してもよい。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、および硝酸塩などの無機塩;ならびにトシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、および酢酸塩などの有機酸塩が挙げられる。
また、本発明のいくつかの複合体が1個または複数の酸性官能基を含有することを当業者なら理解されよう。したがって、こうした複合体は、薬学的に許容される塩基と一緒になって、薬学的に許容される塩を形成することができる。したがって、この文脈における薬学的に許容される塩という用語は、本発明の複合体の比較的非毒性の無機および有機塩基付加塩を指す。これらの塩はまた、投与ビヒクル中においてin situで調製してもよく、あるいは遊離酸形の精製済み化合物を適切な塩基、例えば、薬学的に許容される金属カチオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムなどの水酸化物、炭酸塩、もしくは炭酸水素塩などと、アンモニアと、または薬学的に許容されるアミン、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、およびピペラジンなどと別々に反応させることによって調製してもよい。
上述のように、本発明の複合体は、対象の画像化および診断の方法において有用である。本発明のこれらの態様のいくつかの実施形態では、対象は、本発明の複合体を予め投与されている。いくつかの実施形態では、画像化はPET画像化であり、本発明がPETセンターにおいて容易に自動化する余地があると考えられる。
典型的なPET検査では、少量の化合物を対象、一般にヒトまたは他の動物に投与する。対象内の循環によって、一般に標的組織/細胞タイプ中への化合物の吸収が可能になる。本発明によれば、18F標識したデオキシペントースが複合体化されている生物学的活性分子を考慮すると、複合体が特に組織タイプに優先的に保持されることを意図している。次いで、PETを使用して、複合体の分布を画像化することができる。得られたデータは、臨床医にとって有用な定量的空間情報となり、臨床医はそれを使用して、診断を下すことができる。例えば、複合体の蓄積の差は、複合体が標的にした疾患または細胞タイプを示している可能性がある。
他の利点では、PETによって、潜在的な薬物候補の生化学的変化または代謝効果をin vivoで研究することが可能になる。このように、PETを使用して、薬物分布を測定することができ、それによって、研究下の特定の薬物候補の薬動学および薬力学を評価することが可能になる。当技術分野で周知のように、PETを使用して、組織中の結合部位の存在を定量化することができる。
一般に、本発明の複合体は、PET画像化装置を使用して有意義な画像を得るのに十分な量で、本発明の複合体と、PET画像化での使用に適した1種または複数の薬学的に許容される担体とを一緒に含む組成物として展開されている。
適切な薬学的に許容される担体は、当業者に周知であり、0.1M、好ましくは0.05Mのリン酸緩衝液または0.8%の生理食塩水が挙げられるが、それらだけに限らない。さらに、薬学的に許容される担体は、水性または非水性溶液、懸濁液、および乳濁液であり得る。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。水性担体としては、生理食塩水および緩衝媒体を含む、水、アルコール性/水性溶液、乳濁液、または懸濁液が挙げられる。非経口用ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、リンガーのデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンガー油、または不揮発性油が挙げられる。また、保存剤および他の添加剤が存在してもよく、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート化剤、不活性ガスなどがある。
一般に、複合体は、一般に注射によって非経口投与される。複合体および対象の導入は、1種または複数の投与、例えば注射によって行うことができる。こうした投与では、複合体は、当業者の通常の技術に従って、滅菌した、発熱性物質なしの、非経口上許容される水性溶液として一般に配合される。熟練した臨床医は、対象の年齢、体重、および性別、ならびに機器による考察に基づいて問題の対象のための任意の適正量を決定する。
本明細書で参照する各文献(特許および非特許文献の両方)を、各々の全内容が記載されているのと同程度に、その全体を参照により本明細書に組み込む。
本発明を下記の非限定的な実施例によってさらに説明する。
19F含有複合体(コールド複合体)の調製
実験は、複合体化のためのモデルペプチドとして内因性トリペプチドのグルタチオンを使用して実施した。図2は、実施した合成スキームを示しており、そのスキームは、既知のリンカー2とグルタチオンまたはAffibodyタンパク質との間を複合体化させて、化合物3aおよび3bを得、次いで、それを19F含有FDR(19F含有化合物1b;コールドFDR)に複合体化させて、複合体4aおよび4bを得ることを含む。
コールドFDR(1b;図3に示す)の合成は、公表されている手順に従って実施した(T. Carell et al.、Angew. Chem. Int. Ed. 2007、46、2325〜2327;F. J. Lopez-Herrera et al.、 Tetrahedron、1996、52、4757〜4768;A. E. Stutz et al.、Carbohydr. Res.、 1998、305、331〜336;およびM. J. Weiss et al.、J. Am. Chem. Soc.、 1958. 80、5559〜5564を参照)。
リンカー2を公表されている手順に従って合成した(M. Berndt et al.、 Nuclear Medicine Biology、2007、34、5〜15)。
2とグルタチオンとの間の複合体化を水中において室温で3分間にわたり実施すると、完全に転化して、化合物3aが得られた。化合物3aの調製は図5に示している。実施した調製の典型例は以下の通りである:エッペンドルフチューブにおいてリンカー2(12.4mg、50.0μmol)とグルタチオン(15.4mg、50.0μmol)との滅菌水溶液(1mL)中溶液を25℃で3分間インキュベートした。HPLC分析から、完全に転化したことが示された。得られた3a(50mM)水溶液を一定分量に分割し、その後の使用のために−80℃で保存した。こうして得られた3aは、精製の必要がなく、そのまま後続の複合体化に使用した。分析目的のために、3aをC18RPカラムに通して、都合よく精製した。
グルタチオンのチオール基が2の炭素−炭素二重結合を両側から攻撃するので、3aはジアステレオマーの混合物として得られた(示した通り)。このことから、精製済み化合物のHPLCトレースにショルダーが現れたことが説明される。
文献(例えばJ. W. Haas、Jr. and R. E. Kadunce、J. Am. Chem. Soc.、1962、84、4910〜4913)は、オキシムを形成するD−リボースの最適pHが25℃で約4.6であることを示唆していた。したがって、化合物3a(20mM)をFDR(1b)(20mM)と共に酢酸ナトリウム緩衝液(0.25M、pH4.6)中において25℃でインキュベートすると、7分で完全に転化して、ペプチド−糖複合体4aが形成された。複合体4aの調製に関する典型的な手順を図6に描いた。以下の調製を実施した。
試験スケールの実験:エッペンドルフチューブにおいて3a(1.0mg、2.0μmol)とFDR(0.3mg、2.0μmol)との酢酸ナトリウム緩衝液(100μL、0.25M、pH4.6)中溶液を25℃でインキュベートした。試料(各々2μL)を時間間隔で採取し、HPLC分析のために水で50倍に希釈した。7分間の反応で完全な転化に達した。
調製スケールの実験:エッペンドルフチューブにおいて3a(10.4mg、20.0μmol)とFDR(3.0mg、20.0μmol)との酢酸ナトリウム緩衝液(1mL、0.25M、pH4.6)中溶液を25℃で7分間インキュベートした。反応混合物をC18RPカートリッジカラムに充填した。カラムを水(5×2mL、0.1%のギ酸)、続いて溶出緩衝液(30%のCHCN、0.1%のギ酸を含むHO、一般に10mL)を用いて洗浄した。分画含有生成物4aを一緒にし、一緒にした溶液を凍結乾燥させて、白色固体生成物4a(12.9mg、19.8μmol、単離収率99%)を得た。1H NMR(500MHz, CD3OD) δ 7.40(d, J=6.8Hz, 0.8H, N=CH, E-異性体), 6.78(d, J=6.0Hz, 0.2H, N=CH, Z-異性体), 4.93(dd, J=6.0Hz, 3.0Hz, 0.2H, N=CHCH, Z-異性体), 4.58(m, 1H), 4.43(d, J=3.7Hz, 1H), 4.37(dd, J=6.8Hz, 4.1Hz, 0.8H, N=CHCH, E-異性体), 3.98(m, 3H), 3.83(s, 2H), 3.76,(m, 2H), 3.63(t, J=7.0Hz, 2H), 3.39(t, J=7.0Hz, 2H, NCH2), 3.21(m, 2H), 2.99(1H), 2.60(dddd, 1H), 2,21(m, 2H), 2.02(q, 2H), 1.43(m, 4H), 1.20(m, 4H). 19F NMR(470MHz, D2O) δ -234.70(ddt, J=47.4Hz, 24.4Hz), -235.38(ddt, J=47.5Hz, 25.5Hz).
生成物の同一性を確認するために、4aをAlltech C18カートリッジ/カラムに通して単離し、質量分析(MS)、1Dおよび2D NMRによって分析した。図7に示すように、H NMRは、複合体が溶液(DO)中において開環形(20℃でE/Z比は4:1)でのみ存在することを示している。E−異性体のイミンプロトンは7.40ppm(N=CH、d、J=6.8Hz)に現れ、Z−異性体の対応するプロトンは6.78(d、J=6.0Hz)である。この単純な複合体化により、PETトレーサーのルーチン製造に関する今後のGMP評価が容易になる可能性がある。対照的に、2−FDGをペプチド/タンパク質に複合体化させると、さらにいくつかの異性体生成物(例えば、閉環物、開環物)が生成された。したがって、本発明は、より均一な生成物の提供を可能にする。
安定性研究から、複合体4aが、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中において37℃で少なくとも8時間安定であり、PET用途として十分に安定であることが確認された。
基質濃度は、4aと1bとの複合体化効率に影響を及ぼす。pH4.6では、比較的高濃度の3a(20〜50mM)を1当量の1bと反応させたとき、4aの定量的形成が25℃において3〜7分で観察された(表1を参照、項目は1および2)。比較的低濃度の3a(1mM)および1b(1mM)を使用したとき、その他の点では同一の条件下で、反応の完了に110分を必要とした(項目3)。しかし、データは、3aと1bとの間の複合体化が、反応媒体の比較的広いpH領域(2.6〜6.0)にわたって妥当な反応時間内(<30分)で達成され得、最適pHが4.6であることを示している(表1、項目2)。pH4〜7、25℃でのFDRとの複合体化の実現可能性は、pH1〜2ほどの低さのpH値および最高130℃の温度を必要とするFDGとの複合体化よりも明瞭な利点を示している。
FDR 1bの5位のフッ素化が複合体化速度を増大させる特定の能力をもたらすという仮説を確認するために、他の糖と3aとの複合体化を行った。同じ反応条件下で、5−FDR 1bは、対応する非フッ素化D−リボースよりも速く顕著に反応し(項目1および2)、D−グルコースよりも非常に速く反応した(項目3)。3aと2−FDG(1b)との複合体化は、ほとんど反応が進まず、転化は18時間にわたる反応で48%であった。この低効率のためにホット標識付け実験では、この条件を使用することはできない。
ペプチド配列の存在が複合生成物に影響を及ぼすかどうかを証明するために、図8に示すようにタンパク質なしの複合体7を調製した。

以下の調製を行った。
エッペンドルフチューブにおいてリンカー2(12.4mg、50.0μmol)とFDR 1b(7.6mg、50.0μmol)との酢酸ナトリウム緩衝液(1mL、pH=4.6、0.25M)中溶液を25℃で7分間インキュベートした。HPLC分析から、完全に転化したことが示された。得られた反応混合物をC18 RPカラム(Alltech、High Capacity C18)に通した。カラムを水(5mL、0.1%のギ酸を含有)で洗浄した。緩衝液(10%のCHCN、0.1%のギ酸)を用いて、化合物7をカラムから溶出させた。7を含有する分画を一緒にし、一晩凍結乾燥させて、生成物を半固体として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ 7.44(d, J=6.8Hz, 0.8H, N=CH, E-異性体), 6.78(d, J=6.0Hz, 0.2H, N=CH, Z-異性体), 6.72(s, 2H, マレイミド), 4.93(dd, J=6.0Hz, 3.0Hz, 0.2H, N=CHCH, Z-異性体), 4.58(d, J=3.1Hz, 1H), 4.46(d, J=3.7Hz, 1H), 4.36(dd, J=6.8Hz, 4.1Hz, 0.8H, N=CHCH, E-異性体), 3.98(t, J=6.6Hz, 2H, CH2ON), 3.76,(m, 1H), 3.73(m, 1H), 3.39(t, J=7.0Hz, 2H, NCH2), 1.55(m, 4H), 1.20(m, 4H). 19F NMR(376MHz, D2O) δ -234.70(dt, J=47.4Hz, 24.4Hz), -235.38(dt, J=47.5Hz, 25.5Hz).
NMR分析から、E−とZ−異性体の比が4aと類似していることが示された。したがって、この実験は、アミノオキシ化合物3aと化合物1bとの効果的な複合体化が、使用する特定のアミノオキシ含有化合物に起因しないことを示している。
18F含有複合体の調製
コールド5−19フルオロ含有複合体の合成に関して上述したのと類似の方法を使用して、本発明の3−19F含有および18F含有複合体を調製することができる。例えば、ホットFDRは、図9に概略的に描いたように、酵素法に従って慣例的に生成することができる(Onegaら、(以下のもの)およびそこに引用される参考文献、WO03/020945およびWO2004/078914A2を参照)。さらに、当業者は、化学合成によって他の18F含有デオキシペントース類を容易に作製することができる。
Affibodyを有するグルタチオンの18F標識付けの一例を図10に描いている。当業者なら理解されるように、関係する化学的性質は、コールド複合体の調製に関して上述したものと全面的に類似している。
本発明はさらに、以下の非限定的な事項に関して理解され得るものである。
1.生物学的活性分子および5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースを含む複合体。
2.5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースが、アルドデオキシペントースである、項1に記載の複合体。
3.5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースが、2−デオキシペントースである、項1または2に記載の複合体。
4.2−デオキシペントースが、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ジアルキルアミノ、およびアルコキシからなる群から選択される2位における置換基を有する、項3に記載の複合体。
5.5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースが、5−フルオロ−3,5−ジデオキシペントースまたは3−フルオロ−3,5−ジデオキシペントースであり、5−フルオロ−3,5−ジデオキシペントースが、3位における置換基を有し、3−フルオロ−3,5−ジデオキシペントースが、5位における置換基を有し、3位および5位における置換基が、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ジアルキルアミノ、およびアルコキシからなる群から選択される、項1から4のいずれか一項に記載の複合体。
6.5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースが、デオキシ−D−リボースである、項1から5のいずれか一項に記載の複合体。
7.生物学的活性分子が、結合部分を介してデオキシペントースに複合されている、項1から6のいずれか一項に記載の複合体。
8.生物学的活性分子が、オキシム、ヒドラゾン、またはチオセミカルバゾン結合によってデオキシペントースに複合体化されている、項1から7のいずれか一項に記載の複合体。
9.以下の構造のうちの1個を有する、項8に記載の複合体。

(式中、Rは生物学的活性分子を示す)
10.生物学的活性分子が、オキシム結合を介してデオキシペントースに複合体化されている、項8または9に記載の複合体。
11.生物学的活性分子が、タンパク質またはペプチドである、項1から10のいずれか一項に記載の複合体。
12.5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースが、5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースである、項1から11のいずれか一項に記載の複合体。
13.5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースが、5−デオキシ−5−18フルオロ−D−リボースまたは3−デオキシ−3−18フルオロ−D−リボースである、項12に記載の複合体。
14.5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースが、5−デオキシ−5−18フルオロ−D−リボースまたは3−デオキシ−3−18フルオロ−D−リボースである、項13に記載の複合体。
15.5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースが、5−フルオロ−5−デオキシペントースである、項1から14のいずれか一項に記載の複合体。
16.生物学的活性分子を5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースと反応させるステップを含む、項1から14のいずれか一項に記載の複合体を作製する方法。
17.生物学的活性分子を5−フルオロ−5−デオキシペントースと反応させる、項16に記載の方法。
18.生物学的活性分子が、アミノオキシ官能基を含む、項16または17に記載の方法。
19.項1から15のいずれか一項に記載の複合体と、薬学的に許容される担体または希釈剤とを一緒に含む組成物。
20.複合体中の5−フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−フルオロ−3−デオキシペントースが、18F−デオキシペントースである、項19に記載の組成物。
21.ヒトまたは動物の身体に対して行われる診断法で使用するための項1から15のいずれか一項に記載の18F−デオキシペントースを含む複合体。
22.対象を画像化する方法であって、項1から15のいずれか一項に記載の18F−デオキシペントースを含む複合体または項20に記載の組成物を対象に投与するステップと、一般にPETを使用して、対象内の18Fの分布を画像化するステップとを含む、方法。
23.疾患または病態を診断する方法であって、項1から15のいずれか一項に記載の18F−デオキシペントースを含む複合体または項20に記載の組成物を対象に投与し、対象内の18Fの分布を画像化し、対象内に存在する場合に疾患または病態を診断する、方法。
24.疾患または病態を診断する方法において使用するための項1から15のいずれか一項に記載の18F−デオキシペントースを含む複合体または項20に記載の組成物であって、複合体または組成物を対象に投与し、対象内の18Fの分布を画像化し、対象内に存在する場合に疾患または病態を診断する、複合体または組成物。
25.対象を画像化する方法において使用するための項1から15のいずれか一項に記載の18F−デオキシペントースを含む複合体または項20に記載の組成物であって、方法が、本発明の複合体または組成物を対象に非経口投与、例えば注射によって投与するステップと、一般にPETを使用して、対象内の18Fの分布を画像化するステップとを含む、複合体または組成物。
26.項22または23に記載の方法において使用する医薬品の製造で使用するための項1から15のいずれか一項に記載の18F−デオキシペントースを含む複合体。

Claims (31)

  1. 生物学的活性分子と、5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースとの複合体であって、前記生物学的活性分子が、タンパク質、ペプチド、核酸、オリゴ糖、および多糖からなる群から選択され、前記5− 18 フルオロ−5−デオキシペントースまたは3− 18 フルオロ−3−デオキシペントースは、5− 18 フルオロ−2,5−ジデオキシペントース、3− 18 フルオロ−2,3−ジデオキシペントース、5− 18 フルオロ−2,3,5−トリデオキシペントース、3− 18 フルオロ−2,3,5−トリデオキシペントース、または3,5− 18 ジフルオロ−2,3,5−トリデオキシペントースであってもよく、前記5− 18 フルオロ−5−デオキシペントースまたは3− 18 フルオロ−3−デオキシペントース中の、 18 フッ素原子で置換されていない存在しないヒドロキシル基は、水素、フルオロ以外のハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ジアルキルアミノ、およびアルコキシからなる群から選択される置換基で置換されている、複合体。
  2. 前記5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースが、アルドデオキシペントースである、請求項1に記載の複合体。
  3. 前記5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースが、2−デオキシペントースである、請求項1または2に記載の複合体。
  4. 前記2−デオキシペントースが、2位に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ジアルキルアミノ、およびアルコキシからなる群から選択される置換基を有する、請求項3に記載の複合体。
  5. 前記5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースが、5−18フルオロ−3,5−ジデオキシペントースまたは3−18フルオロ−3,5−ジデオキシペントースであり、前記5−18フルオロ−3,5−ジデオキシペントースが、3位における置換基を有し、前記3−18フルオロ−3,5−ジデオキシペントースが、5位における置換基を有し、前記3位および5位における置換基が、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ジアルキルアミノ、およびアルコキシからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の複合体。
  6. 前記5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースが、デオキシ−D−リボースである、請求項1から5のいずれか一項に記載の複合体。
  7. 前記生物学的活性分子が、結合部分を介してデオキシペントースに複合体化されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合体。
  8. 前記生物学的活性分子が、オキシム、ヒドラゾン、またはチオセミカルバゾン結合によってデオキシペントースに複合体化されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の複合体。
  9. 以下の構造のうちの1個を有する、請求項8に記載の複合体

    (式中、Rは生物学的活性分子を示す)。
  10. 前記生物学的活性分子が、オキシム結合を介してデオキシペントースに複合体化されている、請求項8または9に記載の複合体。
  11. 前記生物学的活性分子が、タンパク質またはペプチドである、請求項1から10のいずれか一項に記載の複合体。
  12. 前記5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースが、5−デオキシ−5−18フルオロ−D−リボースまたは3−デオキシ−3−18フルオロ−D−リボースである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の複合体。
  13. 前記5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースが、5−デオキシ−5−18フルオロ−D−リボースまたは3−デオキシ−3−18フルオロ−D−リボースである、請求項12に記載の複合体。
  14. 前記5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースが、5−18フルオロ−5−デオキシペントースである、請求項1から13のいずれか一項に記載の複合体。
  15. 前記5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースが、5−デオキシ−5−18フルオロ−D−リボースである、請求項13に記載の複合体。
  16. 前記生物学的活性分子を前記5−18フルオロ−5−デオキシペントースまたは3−18フルオロ−3−デオキシペントースと反応させるステップを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の複合体を作製する方法。
  17. 前記生物学的活性分子を前記5−18フルオロ−5−デオキシペントースと反応させる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記反応させる生物学的活性分子が、結合部分で誘導体化されている、請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記結合部分が、求核性のアミノ部分を示している、請求項18に記載の方法。
  20. 前記求核性のアミノ部分が、アミノ、アミノオキシ、ヒドラジド、またはチオセミカルバジド官能基である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記生物学的活性分子が、アミノオキシ官能基を含む、請求項16から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 請求項1から15のいずれか一項に記載の複合体と、薬学的に許容される担体または希釈剤とを一緒に含む組成物。
  23. ヒトまたは動物の身体に対して行われる診断法で使用するための請求項1から15のいずれか一項に記載の複合体を含む診断剤
  24. 対象を画像化する方法であって、請求項1から15のいずれか一項に記載の複合体または請求項22に記載の組成物を予め投与された象内18Fの分布を画像化するステップを含む、方法。
  25. 請求項1から15のいずれか一項に記載の複合体または請求項22に記載の組成物を含む、対象内の18Fの分布を画像化することにより対象の疾患または病態を診断するための診断用組成物。
  26. 疾患または病態を診断する方法において使用するための請求項1から15のいずれか一項に記載の複合体または請求項22に記載の組成物を含む診断剤であって、前記複合体または組成物を対象に投与し、対象内の18Fの分布を画像化し、対象内に存在する場合に疾患または病態を診断する方法において使用するための、診断剤
  27. 対象を画像化する方法において使用するための請求項1から15のいずれか一項に記載の複合体または請求項22に記載の組成物を含む画像化剤であって、前記複合体または組成物を対象に非経口投与によって投与するステップ、および、対象内の18Fの分布を画像化するステップを含む方法において使用するための、画像化剤
  28. 請求項24に記載の方法に使用するための請求項1から15のいずれか一項に記載の複合体を含む画像化剤
  29. 前記画像化するステップがPETの使用を含む、請求項24に記載の方法。
  30. 前記投与するステップが注射によるものである、請求項27に記載の画像化剤。
  31. 前記画像化するステップがPETの使用を含む、請求項27または30に記載の画像化剤。
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