JP6046521B2 - 摩擦撹拌プロセス用鋼および高強度鋼部材 - Google Patents

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本発明は、摩擦撹拌プロセスを適用して、表面硬化処理を行うのに好適な鋼に関する。
自動車や産業機械などに用いられている歯車などの鋼部材は疲労強度や耐摩耗性などを求められるため、適切に表面硬化処理を施すことが重要な課題となっている。
表面硬化処理として熱処理によるものと、機械加工による加工硬化を利用したものとがあり、熱処理では高周波焼入れ、窒化、浸炭焼入れなどによって、表面硬化がなされ、加工硬化応用ではショットピーニング、キャビテーションピーニングなどによって、表面硬化がなされている。
加工硬化応用の例として、特許文献1には、対象をCVTベルト用エレメントに限定し、表面処理方法として、キャビテーションピーニングを用いて表面硬度の向上や洗浄などを行うことが記載されている。
特許文献2にはボルトの耐遅れ破壊性および疲労強度向上のためにショットピーニングを用いることが記載されている。
最近、摩擦撹拌接合技術がひろまりつつあり、この技術を応用した組織改質・表面硬化技術として、摩擦撹拌プロセス(FSPと略されることがある)が提案されている(例えば、特許文献3)。摩擦撹拌プロセスは、接合ツールの先端にピン(硬質の超硬材を素材としている)が取り付けられていて、接合ツール全体を回転させながら、素材に押し付けて、摩擦熱で材料が軟化すると同時に接合ツールを素材表面上で移動させるもので、摩擦熱と塑性流動によって、素材を硬化させる方法である。
この技術は、1.短時間で組織の微細化・均質化が可能、2.組織変化は撹拌領域に限定されるため、局所領域の改質が可能、3.特別な雰囲気や加熱装置を必要としないため、環境に優しいなどの特徴を有するため、表面硬化処理技術として有望視されている。
特開2008−246638号公報 特開平6−229409号公報 特表2007−530791号公報
特許文献1のキャビテーションピーニングや特許文献2のショットピーニングを用いた表面硬化は硬化層深さが浅いため、表面硬化熱処理の後にさらに実施する場合は有効であるが、単独での実施では効果が小さい。
特許文献3には、鋼材として、D2鋼、ATS−34鋼を対象とした場合、表面硬化処理として有効なことが例示されているが、自動車や産業機械などに用いられている歯車などの部材用鋼材に適用した場合の効果を示唆する記載はなく、当該部材用鋼材の鋼組成を特定できない。
本発明は、摩擦撹拌プロセスを適用して、表面硬化処理を行うのに好適な鋼を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を行い、以下のことを見出した。
1)摩擦撹拌プロセスによる表面硬化処理にはC量の増加が有効である。
2)摩擦撹拌プロセスによる表面硬化処理にはSi、Mn、Cr、Mo、B、Ti、V、Nbの添加または増量が有効である。
3)摩擦撹拌プロセスによる表面硬化処理でマルチパス時には前パス部の軟化抑制にSi、Mn、Cr、Mo、Bの添加または増加が有効である。
4)摩擦撹拌プロセスによる表面硬化処理は温度上昇とともに塑性加工がなされるため、ミクロ組織の結晶粒径が微細となり、疲労強度向上に有効である。
本発明は得られた知見を基に更に検討を加えてなされたもので、すなわち、本発明は、 1.質量%で、C:0.40〜1.50%、Si:0.15〜2.00%、Mn:0.30〜2.00%、Cr:0.50〜3.00%、残部Feおよび不可避的不純物からなる摩擦撹拌プロセス用鋼。
2.更に質量%で、Mo:0.05〜0.50%、B:0.0003〜0.0100%、Ti:0.01〜0.10%、V:0.05〜0.50%、Nb:0.005〜0.10%の1種または2種以上を含有する1に記載の摩擦撹拌プロセス用鋼。
3.1または2に記載の摩擦撹拌プロセス用鋼を摩擦撹拌プロセスにより表面硬化層深さ0.5〜5mmとした高強度鋼部材。
本発明によれば、摩擦撹拌プロセスによる表面硬化処理に好適な鋼が得られるため、自動車、産業機械用の高強度鋼部材の製造能率が向上し、産業上極めて有用である。
摩擦撹拌プロセスによる表面硬化処理後の硬さ試験片の断面マクロ写真(撮影方向:摩擦撹拌プロセス方向と垂直方向、図中の点線は、硬さ測定位置(表面から0.5mm位置))。 2パスの摩擦撹拌プロセスによる表面硬化処理後の硬さ試験片のマクロ断面の模式図(断面位置:摩擦撹拌プロセス方向と垂直方向、図中の点線は、硬さ測定位置(表面から0.5mm位置))。
本発明では、鋼の成分組成を規定する。
[成分組成]
説明において、%は質量%とする。
C:0.40〜1.50%
Cは、摩擦撹拌プロセスにより、表面硬化させて高強度を得るためには、0.40%以上必要である。1.50%を超えると靭性が劣化するようになるため、1.50%以下とする。
Si:0.15〜2.00%
Siは、鋼の脱酸と強度向上のために含有させ、特に摩擦撹拌プロセスのマルチパス時には前パス部の軟化抑制に有効であるため、0.15%以上必要である。2.00%を超えると靭性が劣化するようになるため、2.00%以下とする。
Mn:0.30〜2.00%
Mnは、強度向上のために、0.30%以上必要であるが、多すぎると靭性が劣化するようになるため、2.00%以下とする。
Cr:0.50〜3.00%
Crは、強度向上のために含有させ、特に摩擦撹拌プロセスのマルチパス時には前パス部の軟化抑制に有効であるため、0.50%以上必要である。3.00%を超えると靭性が劣化するようになるために、3.00%以下とする。
以上が基本成分組成で、残部Fe及び不可避的不純物である。なお、S、Pb、Caなどの快削元素を添加しても本発明の効果は保持されるため、不可避的不純物として許容する。更に特性を向上させる場合、Mo、B、Ti、V、Nbの1種または2種以上を添加する。
Mo:0.05〜0.50%
Moは、0.05%以上の添加で、強度向上に有効で、特に摩擦撹拌プロセスのマルチパス時には前パス部の軟化抑制に有効である。一方、0.50%を超えると靭性が劣化するようになるために、添加する場合は、0.05〜0.50%とする。
B:0.0003〜0.0100%
Bは、0.0003%以上の添加で、強度向上に有効であるが、0.0100%を超えると効果が飽和するため、添加する場合は、0.0003〜0.0100%とする。
Ti:0.01〜0.10%
Tiは、0.01%以上の添加で、強度向上に有効であるが、0.10%を超えると効果が飽和するため、添加する場合は、0.01〜0.10%とする。
V:0.05〜0.50%
Vは、0.05%以上の添加で、強度向上に有効であるが、0.50%を超えると効果が飽和するため、添加する場合は、0.05〜0.50%とする。
Nb:0.005〜0.10%
Nbは、0.005%以上の添加で、強度向上に有効であるが、0.10%を超えると効果が飽和するため、0.005〜0.10%とする。
上記成分組成の鋼に摩擦撹拌プロセスを適用した場合、優れた表面硬化が達成できる。摩擦攪拌プロセスの諸条件は、所望の表面硬化が得られれば良く、特に規定しないが、マルチパス時には前パス部の軟化が抑制されるため、条件設定が容易である。
本発明鋼に摩擦撹拌プロセスを適用した場合、種々の硬化層深さが得られるが、強度向上のために、硬化層深さは0.5mm以上とし、深すぎると靭性が劣化するようになるので5mm以下とすることが好ましい。本発明鋼から製造した部材に摩擦撹拌プロセスを適用し、硬化層深さ:0.5mm〜5mmとした表面硬化処理部材、例えば歯車は自動車や産業機械用に好適である。
本発明の作用効果を実施例により比較例と対比し、さらに詳細に説明する。
表1に示す化学成分を有する鋼を150kg真空溶解炉で溶製したのち、1250℃に加熱・熱間鍛造によって、厚さ15mmの板を製造し、厚さ10mmに切削仕上げした。
CBN製のピンを有する接合ツールを用いて、ツール回転速度800rpm、走行速度3mm/sで摩擦撹拌プロセス(FSP)を実施した。マルチパス試験は2パスとし、1パス目の端部と2パス目の端部が一致する位置で実施した(図2参照)。
表面硬化処理後の硬さ試験は0.3kN荷重にてマイクロビッカース硬さ計で、FSP後にFSP方向に垂直な断面を切り出した後、上表面から0.5mmの位置を撹拌部を横切るように0.5mmピッチで測定をした。図1に、摩擦撹拌プロセスによる表面硬化処理後の硬さ試験片の断面マクロ写真(撮影方向:摩擦撹拌プロセス方向と垂直方向)を硬さ試験の測定位置(図中の点線は、硬さ測定位置(表面から0.5mm位置))を合わせて示す。
表2に硬化部の平均硬さおよび硬化幅を示す。
発明例ではシングルパスの場合、硬化層硬さはC量に対応する焼入れ硬さになっている。硬化幅も略ツール幅に対応したものとなっている。また、マルチパスでも最軟化部硬さが硬化層硬さとほとんど差がない。一方、比較例ではシングルパスの場合は、硬化層硬さが同一条件でも劣るとともに硬化層幅も小さい。マルチパスでは特に最軟化部硬さが大きく低下する。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.40〜0.61%、Si:0.15〜2.00%、Mn:0.30〜2.00%、Cr:0.50〜3.00%、残部Feおよび不可避的不純物からなる摩擦撹拌プロセス用鋼。
  2. 摩擦撹拌プロセスによる表面硬化処理後の硬化部の平均硬さと最軟化部硬さの差がビッカース硬さで20以下である請求項1に記載の摩擦撹拌プロセス用鋼。
  3. 更に質量%で、Mo:0.01〜0.50%、B:0.0003〜0.0100%、Ti:0.01〜0.10%、V:0.05〜0.50%、Nb:0.005〜0.10%の1種または2種以上を含有する請求項1または2に記載の摩擦撹拌プロセス用鋼。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の摩擦撹拌プロセス用鋼を摩擦撹拌プロセスにより表面硬化層深さ0.5〜5mmとした高強度鋼部材。
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