JP6044930B2 - 空気潤滑用空気吹出装置及び船舶 - Google Patents

空気潤滑用空気吹出装置及び船舶 Download PDF

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Description

本発明は、船底に空気吹出口を複数個設け、空気吹出口から吹き出される空気によって船体の摩擦抵抗を低減する空気潤滑用空気吹出装置及び空気潤滑用空気吹出装置を装備した船舶に関する。
舶が航行する際に働く抵抗のうちで、影響の大きな摩擦抵抗の低減法として、船底に空気を吹き込むことで気泡を発生させ、その気泡が船尾方向に流れて船底を覆うことを利用した空気潤滑法が注目されている。
空気潤滑法に用いる空気吹出装置の代表的な配置を以下に説明する。図8から図12は発明者らが研究途上で検討した従来例を示す空気吹出装置の構成図である。
図8に示す従来例1では、船底101に、吹出部111a、111bを幅方向に配置したものである。図中Xは水の流れ方向を、Yは船体中心線を、Zは船底101における空気泡の流れを示している。
図9に示す従来例2では、吹出部112a、112bを設けるとともに、摩擦抵抗が大きい船首102に近い部分にも空気を吹き込むため、船体中心線Yに近い吹出部113a、113bを船首102寄りに設置している。
図10に示す従来例3では、従来例2の吹出部112a、112b、113a、113bに加えて、吹出部112a、112b、113a、113bからの気泡の効果が減衰すると考えられる位置に、更に吹出部114a、114bを設けている。
図11に示す従来例4では、従来例2の吹出部112a、112b、113a、113bに加えて、吹出部112a、112b、113a、113bからの気泡の効果が減衰すると考えられる位置に、吹出部115a、115b、116a、116bを設け、吹出部115a、115b、116a、116bからの気泡の効果が減衰すると考えられる位置に、更に吹出部117a、117b、118a、118bを設けている。
このように、従来は、より多くの吹出部を配置することにより、船底101のできるだけ広い領域を気泡で覆い、摩擦抵抗の低減を図っている。
しかしながら、最近の研究や実船への適用実績により次のような点が明らかになっている。
船底の水の流れは、必ずしも船体中心線Yに平行ではなく、気泡が浮力を持っているため、気泡が船体中心線Yから離れる方向に流れる傾向がある。従って、船体中心線Yに近い船底部には気泡で覆われない箇所が生じることがある。
また、吹出部から遠ざかり船尾に近づくほど空気潤滑の効果は低下するが、100m程度後方でもある程度の効果が残っている。
これらのことから、気泡の効果がなくなるのは、かなりの大型船でなければ、吹出部の後方ではなく、図12に示す従来例5のように吹出部112a、112b、113a、113b後方の船体中心線Yに沿った領域Aである。つまり、図8、図9に示す従来の空気吹出装置では、図12に示す領域Aは気泡で覆えないことがある。また、図10、図11に示す空気吹出装置では、気泡で覆えない領域が減少し、気泡の密度も全体に高いレベルが維持されるが、空気吹き出しに要する動力が数倍になるため、エネルギー効率の悪い配置になりかねない。
特許文献1には、船底のセンターラインに沿って船首から船尾に至るまで空気導入管を設けた船舶が記載されている。特許文献1における空気導入管には、左右両側面に船尾方向に斜めに向けた空気排出孔が形成されている。
特許文献2には、船底に多数の空気噴出口を備えた船舶が記載されている。特許文献2における空気噴出口の一部は、船体中心線に沿って設けている(例えば、図2、図4、図5)。
特許文献3には、船底で空気を噴出させるためのパイプを設けた船舶が記載され、パイプの先端部には、船尾方向に向けて空気を噴出する孔を設けている。
特許文献4には、複数の空気吹出口を船底に備えた船舶が記載され、一部の空気吹出口は船底のセンターラインに沿って複数配置している(特に図2)。
特開平7−205875号公報 特開昭60−163784号公報 特開平11−180380号公報 特開2012−56328号公報
特許文献1は、そもそも船底が平底部となっている箱形の船型ではなく、更に空気排出孔が左右両側面に船尾方向に斜めに向けて形成されているために、排出される空気は船底に沿って流れることはない。また、特許文献1は、船首から船尾に至るまで空気導入管を設け、船尾近くでも、空気排出孔から空気を排出している。特許文献1のような船底形状では、船尾近くにも空気排出孔が必要であるが、動力によって空気を供給する場合には、空気吹き出しに要する動力が増すため、エネルギー効率の悪い配置となってしまう。
特許文献2は、船底を凹ませ、又は船底にせきを形成することで、船底と水との間に空気層を介在させるものであり、船底に設けた空気噴出口は空気層を形成し維持するためのものである。従って、特許文献2における空気噴出口は、気泡の流れを考慮した配置ではない。また、特許文献2における空気噴出口は、船底の中央よりも後方にも配置しており、仮に気泡が船底に沿って流れる船舶で、動力によって空気を供給する場合には、空気吹き出しに要する動力が増すため、エネルギー効率の悪い配置となってしまう。
特許文献3における空気を噴出する孔は、船体中心線に沿って形成したものではない。また、空気を噴出する孔は船尾方向に向けて設けているため、孔から噴出した空気は、気泡を形成しにくく空気膜になりやすいため、浮力によって船体中心から離れる方向に流れる傾向が強く、船尾に向かって流れにくい。従って、気泡による空気潤滑の効果を得にくい。
特許文献4は、特許文献2のせきと同様に、船底を凹ませ、又は船底に気体保持板を設けることで、船底と水との間に空気層を介在させるものであり、船底に設けた空気噴出口は空気層を形成するためのものである。従って、特許文献4における空気噴出口は、気泡の流れを考慮した配置ではない。
なお、特許文献2や特許文献3のように、船底を凹ませ又は船底に部材を設ける場合には、船舶のドック入りを困難とするという不都合を生じる。
本発明は、船体中心部に気泡を導くことができ、船底の広い領域を気泡で覆うことで摩擦抵抗の低減を図ることができるとともに、空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率を高めることができる空気潤滑用空気吹出装置及び船舶を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明に対応した空気潤滑用空気吹出装置においては、船底が平底を成す船舶の船底に空気吹出口を複数個設け、空気吹出口から吹き出される空気によって船体の摩擦抵抗を低減する空気潤滑用空気吹出装置において、船底の船体中心線に沿って設けたキール又はキールの両側の船底外板に、3個以上又は3対以上の空気吹出口を前後方向に一列に配置し、かつ最後部の空気吹出口の位置を、船底の中央より前方、又は船底の平底部の船尾端から100メートルより前方とし、吹き出した空気によって覆われない船底の領域を少なくしたことを特徴とする。請求項1に記載の本発明によれば、船体中心線に沿って設けたキール又はキールの両側の船底外板に、3個以上又は3対以上の空気吹出口を前後方向に一列に配置することで、船体中心部に気泡を導くことができ、船底の広い領域を気泡で覆って摩擦抵抗の低減を図ることができる。また、請求項1に記載の本発明によれば、最後部の空気吹出口の位置を、船底の中央より前方、又は船底の平底部の船尾端から100メートルより前方としたことで、空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率を高めることができる。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の空気潤滑用空気吹出装置において、空気吹出口は空気を船底から下方に向かって吹き出したことを特徴とする。請求項2に記載の本発明によれば、空気を下方に向かって吹き出すことで、吹き出された空気が細かな気泡になりやすく、細かな気泡は、浮力が小さいために、船底から離れずに船尾に向かって流れやすく、気泡による摩擦抵抗の低減効果を高めることができる。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の空気潤滑用空気吹出装置において、空気吹出口の数を5個以下又は5対以下としたことを特徴する。請求項3に記載の本発明によれば、船底の広い領域を気泡で覆いつつ空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率を高めることができる。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気潤滑用空気吹出装置において、前部に配置する空気吹出口間のピッチを、後部に配置する空気吹出口間のピッチよりも小さく設定したことを特徴とする。請求項4に記載の本発明によれば、水の流れが船体中心線に対して広がる傾向が強い船首側においては、空気吹出口間のピッチを小さくすることで気泡に覆われない領域の発生を少なくし、水の流れが船体中心に対して平行に近づく傾向にある位置では、空気吹出口間のピッチを大きくすることで、空気吹き出しに要する動力を低減することができる。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の空気潤滑用空気吹出装置において、空気吹出口のうちの前部に配置する空気吹出口の両側に、補助空気吹出口を更に備えたことを特徴とする。請求項5に記載の本発明によれば、船首側における気泡に覆われない領域の発生を少なくし摩擦抵抗の低減効果を高めることができる。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の空気潤滑用空気吹出装置において、それぞれの空気吹出口が複数の開口を有したことを特徴とする。請求項6に記載の本発明によれば、複数の開口によって細かな気泡を形成しやすく、細かな気泡は船底から離れずに船尾に向かって流れやすくなるため、気泡による摩擦抵抗の低減効果を高めることができる。
請求項7記載の本発明に対応した船舶においては、請求項1から請求項6のいずれかに記載の空気潤滑用空気吹出装置を船底に備えたことを特徴とする。請求項7に記載の本発明によれば、船底の広い領域を気泡で覆うことで摩擦抵抗の低減効果が高く、空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率が高い船舶を実現できる。
本発明によれば、船底の広い領域を気泡で覆うことで摩擦抵抗の低減を図ることができるとともに、空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率を高めることができる。
また、空気吹出口は空気を船底から下方に向かって吹き出した場合には、吹き出された空気が細かな気泡になりやすく、細かな気泡は、浮力が小さいために、船底から離れずに船尾に向かって流れやすく、気泡による摩擦抵抗の低減効果を高めることができる。
また、空気吹出口の数を5個以下又は5対以下とした場合には、船底の広い領域を気泡で覆いつつ空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率を高めることができる。
また、前部に配置する空気吹出口間のピッチを、後部に配置する空気吹出口間のピッチよりも小さく設定した場合には、水の流れが船体中心線に対して広がる傾向が強い船首側においては空気吹出口間のピッチを小さくすることで気泡に覆われない領域の発生を少なくし、水の流れが船体中心に対して平行に近づく傾向にある位置では、空気吹出口間のピッチを大きくすることで、空気吹き出しに要する動力を低減することができる。
また、空気吹出口のうちの前部に配置する空気吹出口の両側に、補助空気吹出口を更に備えた場合には、船首側における気泡に覆われない領域の発生を少なくし摩擦抵抗の低減効果を高めることができる。
また、それぞれの空気吹出口が複数の開口を有した場合には、複数の開口によって細かな気泡を形成しやすく、細かな気泡は船底から離れずに船尾に向かって流れやすくなるため、気泡による摩擦抵抗の低減効果を高めることができる。
また、本発明によれば、空気潤滑用空気吹出装置を船底に備えた場合には、船底の広い領域を気泡で覆うことで摩擦抵抗の低減効果が高く、空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率が高い船舶を実現できる。
本発明の一実施形態による空気潤滑用空気吹出装置を装備した船舶の船底を示す底面図 同船舶の要部断面図 本発明の他の実施形態による空気潤滑用空気吹出装置を装備した船舶の船底を示す底面図 同船舶の要部断面図 本発明の更に他の実施形態による空気潤滑用空気吹出装置を装備した船舶の船底を示す底面図 空気吹出口からの距離による気泡の抵抗低減率を示すグラフ 本発明の実施形態における空気吹出口の構成を示す図 従来例1を示す空気吹出装置の構成図 従来例2を示す空気吹出装置の構成図 従来例3を示す空気吹出装置の構成図 従来例4を示す空気吹出装置の構成図 従来例5を示す空気吹出装置の構成図
以下に、本発明の実施形態による空気潤滑用空気吹出装置を装備した船舶について説明する。
図1は同実施形態による空気潤滑用空気吹出装置を装備した船舶の船底を示す底面図、図2は同船舶の要部断面図である。図中Xは水の流れ方向を、Yは船体中心線を、Zは船底1における空気泡の流れを示している。
本発明の実施形態による船舶は、船底1に複数の空気吹出口10を設けている。
複数個の空気吹出口10は、船底1の船体中心線Yに沿って、船体の前後方向に一列に配置している。
本実施形態のように、船体中心線Yに沿って、複数個の空気吹出口10を船体の前後方向に一列に配置することで、船体中心部Yから気泡を吹き出し、船底1の広い領域を気泡で覆うことで摩擦抵抗の低減を図ることができる。
本実施形態では、4つの空気吹出口10を設けた場合を示しているが、空気吹出口10の数は2個以上5個以下とすることが好ましい。空気吹出口10の数を2個以上5個以下とすることで、船底の広い領域を気泡で覆いつつ空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率を高めることができる。なお、本実施形態では図示しないが、本実施形態による空気潤滑用空気吹出装置は、空気吹出口10に空気を送る手段を備えている。また、空気吹出口10から吹き出す空気は、専用の空気を送る手段を設けることなく、例えば主機関に空気を供給する過給機から抽気して供給してもよい。
空気吹出口10を3個以上設ける場合には、船体の前部に配置する空気吹出口10a、10b間のピッチP1を、船体の後部に配置する空気吹出口10c、10d間のピッチP3よりも小さく設定する。なお、船底1の流れによっては等間隔の方がよい場合もあり、ピッチP1、ピッチP2、ピッチP3の設定は、空気吹出口10の形状や開口の状態も考慮した気泡シミュレーション等に基づいて、詳細に決めることが好ましい。
本実施形態による空気潤滑用空気吹出装置では、前部から順に4つの空気吹出口10a、10b、10c、10dを配置しており、空気吹出口10a、10b間のピッチP1は、空気吹出口10b、10c間のピッチP2よりも小さく、空気吹出口10b、10c間のピッチP2は空気吹出口10c、10d間のピッチP3よりも小さくしたケースを図に示す。
水の流れは、船首側では船体中心線に対して広がる傾向にあり、船首から離れるに従って船体中心に対して平行となる傾向がある。
船によって異なるが、このような傾向が強い場合には、船首側においては空気吹出口10間のピッチを小さくすることで気泡に覆われない領域の発生を少なくすることができる。また、船首から離れた位置で、水の流れが船体中心に対して平行に近い位置では、空気吹出口10間のピッチを大きくすることで、空気吹き出しに要する動力を低減することができる。
本実施の形態では、4つの空気吹出口10による3つのピッチを全て異なる場合を示したが、船首から離れた位置で、水の流れが船体中心に対する広がり方が一定となる部分では、空気吹出口10間のピッチを同じにしてもよい。また、上記したように船底1の流れによっては4つの空気吹出口10の3つのピッチを全て同じにしてもよい。
最後部の空気吹出口10dの位置は、船底1の中央より前方とする。船底1の長さをLとした場合には、空気吹出口10dは、船底1の中央L/2より前方に配置する。また、船底1の長さLが200mを越える場合には、最後部の空気吹出口10dの位置は、船底1の平底部の船尾端3から100メートルより前方とする。
最後部の空気吹出口10dの位置を、船底1の中央L/2より前方、又は船底1の平底部の船尾端3から100メートルより前方としたことで、空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率を高めることができる。
図2に示すように、本実施形態による船舶は、船底1の船体中心線Yに沿ってキール4を設けている。本実施形態では、船底外板(ボットム)5とともに二重底板(インナーボットム)6を有している。そして、ボットム5とインナーボットム6との間には、複数の船底縦骨材(ロンジ)7及び船底桁材(ガーダー)8が縦方向に配置され、ガーダー8によってボットム5とインナーボットム6との間を複数のボックスに区切っている。キール4を有する空間は、ボックスを形成している。本実施の形態では、図1に示す空気吹出口10を図2に示すキール4を配置している。
図3は本発明の他の実施形態による空気潤滑用空気吹出装置を装備した船舶の船底を示す底面図、図4は同船舶の要部断面図である。図1及び図2に示す実施形態と同一構成には同一符号を付して説明を省略し、図1及び図2に示す実施形態と異なる構成について以下に説明する。
複数個の空気吹出口10は、船底1の船体中心線Yに沿って設けたキール4の両側の船底外板5に、船体の前後方向に一列に配置している。
図3に示す空気吹出口11a、11b、11c、11dは、図4に示すキール4の一側方に隣接するボックスに位置する船底外板5aに配置し、図3に示す空気吹出口12a、12b、12c、12dは、図4に示すキール4の他側方に隣接するボックスに位置する船底外板5bに配置している。なお、キール4に隣接するボックスだけでは、空気吹出口10の幅方向寸法を十分に確保できない場合には、キール4に隣接するボックスに更に隣接するボックスに位置する船底外板5にも空気吹出口10を設けてもよい。
キール4は、船舶の強度上重要な構造である。またキール4は、ドックに入る際に船体を支える盤木が当たるために空気吹出口10に損傷を与えかねない。
従って、本実施形態のように、キール4の両側の船底外板5に一対の空気吹出口10を配置することで、船体中心部Yに気泡を導くことができ、船底1の広い領域を気泡で覆うことで摩擦抵抗の低減を図ることができるとともに、ドック入りの支障をきたすこともない。
本実施形態においても、一列に配置する空気吹出口10は4つである。一列に配置する空気吹出口10は、空気吹出口10の数は2個以上5個以下とすることが好ましい。空気吹出口10の数を2個以上5個以下とすることで、船底の広い領域を気泡で覆いつつ空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率を高めることができる。なお、本実施形態による空気潤滑用空気吹出装置においても、空気吹出口10に空気を送る手段を備えている。また、空気吹出口10から吹き出す空気は、専用の空気を送る手段を設けることなく、例えば主機関に空気を供給する過給機から抽気して供給してもよい。
本実施形態による空気潤滑用空気吹出装置では、前部から順に4つの空気吹出口11a、11b、11c、11dを配置しており、空気吹出口11a、11b間のピッチP1は、空気吹出口11b、11c間のピッチP2よりも小さく、空気吹出口11b、11c間のピッチP2は空気吹出口11c、11d間のピッチP3よりも小さくしている。なお、4つの空気吹出口12a、12b、12c、12dについても同様である。
図5は本発明の更に他の実施形態による空気潤滑用空気吹出装置を装備した船舶の船底を示す底面図である。図1及び図2に示す実施形態と同一構成には同一符号を付して説明を省略し、図1及び図2に示す実施形態と異なる構成について以下に説明する。
本実施形態では、図1及び図2に示す実施形態の構成に加えて、空気吹出口10のうちの前部に配置する空気吹出口10bの両側に、補助空気吹出口20a、20bを更に備えたものである。
本実施形態によれば、船底1の船首2の両舷側における気泡に覆われない領域の発生を少なくすることができる。
なお、本実施形態では、空気吹出口10bの両側に、補助空気吹出口20a、20bを設けたが、空気吹出口10bの両側ではなく、最前部の空気吹出口10aの両側に、補助空気吹出口20a、20bを設けてもよい。また、補助空気吹出口20a、20bを、最前部の空気吹出口10aと空気吹出口10bとの間で両側に設けてもよい。
図6は、空気吹出口からの距離による気泡の抵抗低減率を示すグラフである。
図6において、縦軸は抵抗低減係数CDR、横軸は空気吹出口からの距離Xbである。
ここで抵抗低減係数CDRは、CDR=(−△D)/(1/2ρQaV)で定義される。ただし、(−△D)は空気吹き出しによる抵抗低減量、Qaは空気吹出量(m/s)、Vは船速(m/s)、ρは水の密度である。
図6に示すグラフは、長尺平板模型船を使った水槽実験のデータによる。PPは空気吹出口に多孔質板を、AHPは空気吹出口に配列多孔板(孔径1mm)を、SPはスロット板(スロット幅5mm)を用いている。
グラフ中の実線は、実験データから作成した近似式である。また、グラフ中の点線は、この近似式で推定した無限大長さの抵抗低減値である。グラフでは45m程度までの実験結果が示されているが、最近の実船計測結果により100mであっても、気泡による摩擦抵抗の低減効果があることが分かっている。
このことから、最後部の空気吹出口10dの位置は、船底1の平底部の船尾端3から100メートルより前方としても、気泡による摩擦抵抗の低減を図れ、空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率を高めることができる。
図7は、上記実施形態における空気吹出口の構成を示す図である。
図7(a)から(d)に示す空気吹出口10は、図2及び図3で説明した一区画のキール、又はキールに隣接する一区画のボックスの船底外板5aの平面図である。
本発明による空気吹出口10は複数の開口を有している。
図7(a)は、空気吹出口10に丸穴31を複数開けたものである。丸穴31は千鳥状に5列に配置したものを図示しているが、千鳥状に代えて整列したものや、2列程度の配置であってもよい。
図7(b)は、空気吹出口10に楕円穴32を複数開けたものである。楕円穴32は、千鳥状に3列に配置したものを図示しているが、千鳥状に代えて整列したものや、2列程度の配置であってもよい。楕円穴32は長円も含み、楕円や長円には縦長・横長の両方を含む。
図7(c)は、空気吹出口10に格子33を設け、この格子33によって複数の方形孔34が形成される。
図7(d)は、空気吹出口10に鎧戸状の格子35を設けたもので、開口36がスリット状に形成される。開口36は縦長・横長両方を含む。
なお、上記説明において、縦は流れに平行、横は流れに直角な方向としている。
キール4又はボックスの船底外板5aに、図7(a)から(d)に示す空気吹出口10を設けることで、空気吹出口10は空気を船底1から下方に向かって吹き出す。
このように、空気を下方に向かって吹き出すことで、吹き出された空気が細かな気泡になりやすく、細かな気泡は、浮力が小さいために、船底1から離れずに船尾3に向かって流れやすく、気泡による摩擦抵抗の低減効果を高めることができる。
以上で述べたように、本実施の形態によれば、船底1の広い領域を気泡で覆うことで摩擦抵抗の低減を図ることができるとともに、空気吹き出しに要する動力を低減してエネルギー効率を高めることができる。
本発明は、鉱石運搬船や石油タンカーなどの大型肥大船、特に船底が平底部となっている箱形船型の船舶に適している。
1 船底
2 船首
3 船尾端
4 キール
5、5a、5b 船底外板(ボットム)
6 インナーボットム
7 船底縦骨材(ロンジ)
8 船底桁材(ガーダー)
10 空気吹出口
20a、20b 補助空気吹出口
31 丸穴
32 楕円穴
33、35 格子
X 水の流れ方向
Y 船体中心線
Z 空気泡の流れ

Claims (7)

  1. 船底が平底を成す船舶の前記船底に空気吹出口を複数個設け、前記空気吹出口から吹き出される空気によって船体の摩擦抵抗を低減する空気潤滑用空気吹出装置において、前記船底の船体中心線に沿って設けたキール又は前記キールの両側の船底外板に、3個以上又は3対以上の前記空気吹出口を前後方向に一列に配置し、かつ最後部の前記空気吹出口の位置を、前記船底の中央より前方、又は前記船底の平底部の船尾端から100メートルより前方とし、吹き出した前記空気によって覆われない前記船底の領域を少なくしたことを特徴とする空気潤滑用空気吹出装置。
  2. 前記空気吹出口は前記空気を前記船底から下方に向かって吹き出したことを特徴とする請求項1に記載の空気潤滑用空気吹出装置。
  3. 前記空気吹出口の数を5個以下又は5対以下としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気潤滑用空気吹出装置。
  4. 部に配置する前記空気吹出口間のピッチを、後部に配置する前記空気吹出口間のピッチよりも小さく設定したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気潤滑用空気吹出装置。
  5. 前記空気吹出口のうちの前部に配置する前記空気吹出口の両側に、補助空気吹出口を更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の空気潤滑用空気吹出装置。
  6. それぞれの前記空気吹出口が複数の開口を有したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の空気潤滑用空気吹出装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の空気潤滑用空気吹出装置を前記船底に備えたことを特徴とする船舶。
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