以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態におけるラベルプリンタ1の構成例を示すブロック図である。ラベルプリンタ1は、制御装置100と、はかり2と、印字機構部3と、操作部5とを備える。
はかり2は、ロードセル2aを有する。ロードセル2aは、商品の重量を計測し、商品の重量を示す信号を制御装置100に出力する。印字機構部3は、制御装置100による制御に基づいて、所定の印字フォーマットで印字データ(商品情報)をラベル用媒体に印字し、商品のラベルを発行する。
ラベル用媒体(以下、単にラベルとも称する)は、一方の面(表面とも称する)が印字機構部3により印字される印字面で、他方の面(裏面とも称する)が商品に貼付するための粘着剤が塗布された接着面となっており、ロール状に巻かれた形態で印字機構部3にセットされる。また、ラベルの種類として、ラベルの接着面に台紙を付けてロール状に巻かれた台紙付きラベルと、ラベルの接着面に台紙がなくそのままロール状に巻かれた台紙レスラベルとがある。なお、台紙付きラベルは、例えば、ロールの巻き方向に対して所定の長さで予め分割されたラベルが台紙に貼り付けられた状態で巻かれている。一方、台紙レスラベルは、例えば、ラベルを切り取るカッターを備えた印字機構部3により印字内容に合わせてカットされる。なお、印字機構部3は、プラテンローラとサーマルヘッドから構成され、押圧されている該両部材間をラベル用媒体が搬送され、サーマルヘッド内の発熱体より所定のタイミングで熱が加えられることで、印字面に所定事項が印字される。
操作部5は、キー操作部7と、タッチパネル9aと、液晶表示器9bとを有する。液晶表示器9bは、タッチパネル9aと一体に構成され、制御装置100による制御に基づいて、画像を表示する。液晶表示器9bの解像度は、例えば、640×480[ドット]である。なお、液晶表示器9bは、操作部5が備える表示器の一例であって、表示器として、液晶表示器9bに代えて、例えば、有機EL(Electro Luminescence)を用いてもよい。タッチパネル9aは、オペレータによる操作入力(例えば、液晶表示器9bに表示されているモード選択キーなどの各種キーを構成するアイコン画像を押下する操作)を受け付け、操作入力に応じた信号を、制御装置100に出力する。キー操作部7は、オペレータによる操作入力を受け付け、操作入力に応じた信号を、制御装置100に出力する。キー操作部7は、例えば、0から9までの10個の数字キーを含むテンキー(不図示)、商品番号を入力する指示を受け付ける品番キー(不図示)などが配置されている。以下、操作入力を受け付けるキーを操作キーと総称する。
制御装置100は、ラベルプリンタ1の各部を制御する。制御装置100は、CPU20(Central Processing Unit)(制御手段)と、ロードセル制御部21と、印字制御部22と、操作制御部24と、表示制御部25と、RAM30(Random Access Memory)と、ROM40(Read Only Memory)とを有する。
ROM40は、各種情報を記憶する。例えば、ROM40は、制御プログラムを記憶する。なお、ROM40に記憶された情報のうち所定の情報(例えば、制御プログラム)は、制御装置100の電源が投入された際にRAM30に展開される(読み出される)。
RAM30は、各種情報を一時記憶する。例えば、RAM30は、ROM40から展開された制御プログラムを一時記憶する。また、例えば、RAM30は、商品ファイル、フォーマットファイルを一時記憶する。フォーマットファイルの一例は、印字フォーマットに関する印字フォーマット情報を格納する印字フォーマットファイル、表示フォーマットに関する表示フォーマット情報を格納する表示フォーマットファイルである。なお、商品ファイルやフォーマットファイルは、ROM40から読み出されてRAM30に一時記憶されてもよいし、外部(ラベルプリンタ1以外の装置)から受信されてRAM30に一時記憶されてもよい。
ロードセル制御部21には、商品の重量を示す信号が、はかり2のロードセル2aから入力される。ロードセル制御部21は、ロードセル2aから入力された信号を、CPU20に転送する。
印字制御部22は、CPU20による制御に基づいて印字機構部3を制御する。例えば、印字制御部22は、CPU20の制御に基づいて画像処理(例えば、印字フォーマットに基づく印字データのビットマップ処理)を実行し、印字データ(ビットマップ情報)を印字機構部3に出力することによって、印字フォーマットに従った情報(例えば、商品情報)を印字したラベルが発行されるように印字機構部3を制御する。なお、印字制御部22は、印字機構部3が上述のような処理をするように印字機構部3を制御してもよい。印字制御部22には、印字結果を示す信号が、印字機構部3から入力されてもよい。
表示制御部25は、CPU20による制御に基づいて液晶表示器9bを制御する。例えば、表示制御部25は、CPU20の制御に基づいて画像処理(例えば、表示フォーマットに基づく表示データのビットマップ処理)を実行し、表示データ(ビットマップ情報)を液晶表示器9bに出力することによって、表示フォーマットに従った情報(例えば、トレーニングモード画面等の各種画面、商品情報)が表示されるように液晶表示器9bを制御する。なお、表示制御部25は、液晶表示器9bが上述のような処理をするように液晶表示器9bを制御してもよい。
操作制御部24には、オペレータの操作に応じた信号が操作部5から入力される。例えば、操作制御部24には、操作部5のキー操作部7から値段を示す信号が入力される。また、操作制御部24には、操作部5のタッチパネル9aからプレビューの実行を指示するプレビュー指示信号が入力される。操作制御部24は、操作部5から入力された信号をCPU20に転送する。
また、制御装置100は、印字機構部3であるプラテンローラをステッピングモータにより駆動させる印字駆動制御部(不図示)を有する。
CPU20は、バスを介して制御装置100の各部と接続されている。CPU20は、RAM30に展開された制御プログラムに基づいて、制御装置100の各部を制御する。
図2は、商品ファイルの例を示す図である。商品ファイルは、商品に関する情報(商品情報)を記憶(格納)する。商品ファイルは、例えば、図2に示すように、商品の識別情報(商品番号)、商品の品名、商品の値段、フォーマット番号などの項目を含む。各項目は、互いに対応付けられている。なお、フォーマット番号は、印字フォーマットファイル(図3を参照)におけるフォーマット番号であり、当該商品のラベルに商品情報を印字する際に使用される印字フォーマットを示している。例えば、図2に示す例によれば、商品番号「000100」の商品(品名「国産牛肉ロースステーキ」)のラベルには、フォーマット番号「1」の印字フォーマットに従って商品情報が印字される。
図3は、印字フォーマットファイルの例を示す図である。図3(a)はラベル発行モード用の印字フォーマットファイル、図3(b)はトレーニングモード用の印字フォーマットファイルである。ラベル発行モード、トレーニングモードについては後述する。印字フォーマットファイルは、例えば、図3に示すように、フォーマット番号毎に、各印字項目における印字位置(X座標)、印字位置(Y座標)、印字向き(縦/横)、ラベル長などの項目を含む。フォーマット番号は、印字フォーマットを識別する識別情報である。ラベル長は、ロール状に巻かれているラベルのロールの巻き方向のカット長さを示す。ラベル長は、フォーマット番号に対応付けて記憶されている(即ち、印字フォーマット毎にラベル長が設定されている)。該ラベル長は、印字機構部3のプラテンローラにおけるステッピングモータを一定の速度で回転させる時間データである。つまり、CPU20により印字開始の信号が出力されると、印字駆動制御部により、該設定されているラベル長における時間だけ、プラテンローラが回転される。そして、このプランテンローラが駆動されている間の所定のタイミングにサーマルヘッドの各発熱体より発熱され、所定事項が印字面に印字され、プラテンローラの回転が終了すると、台紙から用紙が剥離され、枚葉状のラベルが発行される。つまり、台紙にラベルが貼付されているタイプの台紙付きラベルロールでは、通常、該貼付されているラベル毎のラベル長は一定であるので、図3(a)におけるラベル長は一定になる場合が多く、各フォーマット番号によりラベル長が異なる場合は、使用するラベルロールを変更することが必要になる。 一方、台紙が付されていない連続した用紙の一方の面を印字面、他方の面を粘着面とする台紙レスラベルロールの場合は、印字発行するラベル長がラベル毎に異なっていても、一つのラベルロールにより所望のラベル長のラベルを発行できる。この場合は、台紙付きラベルロールと同様に、CPU20により印字開始の信号が出力されると、印字駆動制御部により、読み出されたフォーマット番号のラベル長における時間だけ、プラテンローラが回転され、その後、カッター部(不図示)により連続した用紙が切断され、枚葉状のラベルが発行される。
印字項目は、ラベル(ラベル用媒体)に印字する項目を示す。印字項目は、フォーマット番号に対応付けて複数記憶されている(即ち、印字フォーマット毎に複数の印字項目の領域等が設定されている)。例えば、ラベル発行モード用の印字フォーマットには、品名、賞味期限、加工日、バーコードなどの各印字項目の領域や印字の向きや使用されるフォント等が設定されている(便宜上、図3(a)では、品名、バーコード、…、と表記)。また、トレーニングモード用の印字フォーマットには、ラベル発行モード用の印字フォーマットの印字項目に加え、トレーニング印(トレーニングモード印とも称する。例えば、後述のトレーニングモード印301)などの印字項目について設定されている(便宜上、図3(b)では、品名、バーコード、トレーニング印、…、と表記)。
印字位置(X座標)は、ラベルに印字される各印字項目の夫々の印字位置(例えば、印字開始位置)のX座標を示す。印字位置(Y座標)は、ラベルに印字される各印字項目の夫々の印字位置(例えば、印字開始位置)のY座標を示す。印字位置は、フォーマット番号及び印字項目に対応付けて記憶されている(即ち、印字フォーマット毎、印字項目毎に印字位置(X座標)と印字位置(Y座標)が設定されている)。なお、例えばラベルの左上の座標を{(X座標、Y座標)=(0,0)}としてもよい。印字向きは、ラベルに印字される印字項目毎の印字の向き(縦又は横)を示す。印字向きは、印字位置と同様、フォーマット番号及び印字項目に対応付けて記憶されている。
また、印字フォーマットファイルに、上述の印字位置に対応して、その位置からY方向の長さである高さデータ、X方向の長さである長さデータが設定されている。これにより、印字フォーマット毎の各印字項目に対し、矩形状の印字範囲が形成(設定)されることになる。
なお、印字フォーマット毎、印字項目毎に印字範囲を設定した場合において、印字データの印字領域が重なることも考えられる。このような場合、CPU20は、印字範囲(印字位置、高さ、長さ)を調整(制御)してもよい。例えば、各印字項目に優先順位を予め設定しておき、調整しなければ2つの印字項目の印字領域(2つの印字項目の夫々の印字データの印字領域)が重なるような場合には、CPU20は、両印字項目の優先順位に基づいて、一方の印字項目(もしくは両方の印字項目)に設定されている印字位置や高さや長さなどを変更し、2つの印字項目の印字領域が重ならないようにしてもよい。
なお、トレーニング用の印字フォーマットにおいて、トレーニング印の印字領域と、トレーニング印以外の印字項目の印字領域(例えば、品名の印字領域)が一部でも重なる場合、トレーニング印以外の印字項目を優先して印字させるようにしてもよい。そうすることによりトレーニング印は、印字領域が重なった箇所が欠けて印字される。ここで、トレーニング印が欠けていても、トレーニングモードで発行されたラベルということを、ラベルを見た人に認識させることができればよい。一方、トレーニングにおける品名等の印字データは、オペレータに設定した内容通りに印字されているかを確認させる必要があるので、優先して印字させる。そうすることによりオペレータに商品に関する印字内容を全て確実に確認させることができる。
ここで、トレーニング印以外の印字項目を優先して印字する制御の一例の概要について説明する。例えば、CPU20は、各印字項目の印字領域を座標データに変換してRAM30に一時記憶させる。CPU20は、複数の印字項目の印字領域に含まれている座標がある場合、該座標を印字領域に含む印字項目の優先順位を比較する。CPU20は、印字項目の優先順位を比較した結果、印字領域の座標が重なった箇所について、優先順位の高い印字項目のみ印字を実行させる。なお、このような優先制御を行った後の印字内容を見やすくするために、処理を行った座標の周囲に一定範囲を定めて何も印字されない空白部分を設けてもよい。
なお、このように各印字項目に優先順位を付けて印字フォーマットを変更する場合、優先度の低い印字項目の印字領域が、優先度の高い印字項目の印字領域に全て重なることがある。このような場合、優先度の低い印字項目は何も印字されなくなるため、CPU20によりオペレータにエラーであることを通知させるようにしてもよい。
続いて、ラベルプリンタ1の動作モードについて説明する。ラベルプリンタ1は、例えば、商品登録モード、ラベル発行モード、トレーニングモード等を含む複数の動作モードを有する。商品登録モードは、商品に貼り付けるラベルに印字される商品名等の情報を登録する動作モードである。ラベル発行モードは、陳列する商品に貼付するラベル(本番用のラベル)を発行する動作モードである。トレーニングモードは、オペレータにラベルプリンタ1の操作を習得させるために使用される動作モードであり、オペレータのトレーニングを目的として、オペレータから商品登録やラベル発行等の入力指示を受け付ける動作モードである。
なお、ラベルプリンタ1は、液晶表示器9bに表示されるモード選択キー(選択手段)がタッチパネル9aを介してオペレータの操作入力(選択入力)を受け付けることにより、オペレータが指定する動作モードに切り替わる。また、ラベルプリンタ1は、各モードに応じた画面(例えば、トレーニングモード用のトレーニングモード画面)を表示するようにしてもよい。
図4は、ラベル発行モードにおけるラベルの印字例を示す図である。具体的には、図4に示したラベルは、台紙付きラベルを使用した印字例である。ラベルプリンタ1は、ラベル発行モードにおいて、例えば、図4に示すように、品名欄201、賞味期限欄202、加工日欄203、単価欄204、重量欄205、バーコード欄206、値段欄207、及び店名住所欄208などに、夫々の商品情報を印字したラベルを発行する。品名欄201は、品名を印字する欄である。賞味期限欄202は、商品の賞味期限(年月日)を印字する欄である。加工日欄203は、商品の加工日(年月日)を印字する欄である。単価欄204は、商品の単位当たりの値段(単価)を印字する欄である。重量欄205は、はかり2により計量された商品の重量を印字する欄である。バーコード欄206は、商品に固有の識別情報であるバーコードを印字する欄である。値段欄207は、商品の値段(販売価格)を印字する欄である。店名住所欄208は、商品を販売している店舗の情報(例えば、店名、住所、電話番号)を印字する欄である。
図5は、トレーニングモードにおけるラベルの印字例を示す図である。具体的には、図5(a)〜図5(d)の夫々に示したラベルは、台紙付きラベルを使用した印字例である。ラベルプリンタ1は、トレーニングモードにおいて、台紙付きラベルを使用して、例えば、図5(a)〜図5(d)の夫々に示すようなラベルを発行する。図5(a)〜図5(d)の夫々に示したラベルにおいて印字されている内容は、トレーニングモード印301を除き、図4に示したものと同様である。
トレーニングモード印301は、当該トレーニングモード印301が印字されているラベルが、トレーニングモードで印字されたラベルである旨、つまり、トレーニングとして発行されたラベル(トレーニング用のラベル)であって陳列される商品への貼付が禁止されたラベルである旨をオペレータ等に警告するための印である。換言すれば、オペレータは、発行されたラベルにトレーニングモード印301が印字されていれば、当該ラベルを商品に貼付してはいけないということを認識する。
なお、図5(a)は、トレーニングモード印301をラベルの左上隅に印字する印字フォーマットによる印字例を示している。図5(b)は、トレーニングモード印301をラベルの右上隅に印字する印字フォーマットによる印字例を示している。図5(c)は、トレーニングモード印301をラベルの左下隅に印字する印字フォーマットによる印字例を示している。図5(d)は、トレーニングモード印301をラベルの右下隅に印字する印字フォーマットによる印字例を示している。即ち、本実施形態においては、例えば、トレーニングモード印301は、ラベルの四隅の何れか1箇所の隅部に印字される。なお、図5(a)〜図5(d)の何れかの印字フォーマットを選択可能に設定しておくことによって、オペレータは、所望の印字フォーマットを選択し、ラベルプリンタ1のトレーニングを行うことができる。
なお、図5に示すように、トレーニングモード印301と各商品情報の印字位置とが重なっていないが、これは、トレーニングモード印301と各商品情報の印字位置とが重ならないように、ラベル発行モード用の印字フォーマット(ファイル)を元に、トレーニングモード用の印字フォーマット(ファイル)を作成しておくことにより実現される。
また、予めラベルが分割された台紙付きラベルを使用した印字においては印字領域が限られている。そのため、トレーニングモード印301と各商品情報の印字位置とが重ならないように印字するための空き領域が必ずしも確保できるとは限らない。そこで、例えば、商品情報の印字領域を狭めることによってトレーニングモード印301の印字領域を確保している。例えば、図5の例では、トレーニングモードにおけるラベル上部の品名欄201及び店名住所欄208の印字領域(横方向)を狭めている。
図6は、トレーニングモードにおけるラベルの印字例を示す図である。具体的には、図6(a)〜図6(d)の夫々に示したラベルは、台紙レスラベルを使用した印字例である。ラベルプリンタ1は、トレーニングモードにおいて、台紙レスラベルを使用して、例えば、図6(a)〜図6(d)の夫々に示すようなラベルを発行する。図6(a)〜図6(d)の夫々に示したラベルにおいて印字されている内容は、トレーニングモード印301を除き、図4に示したものと同様である。
図6(a)は、トレーニングモード印301をラベルの左上隅に印字する印字フォーマットによる印字例を示している。図6(b)は、トレーニングモード印301をラベルの右上隅に印字する印字フォーマットによる印字例を示している。図6(c)は、トレーニングモード印301をラベルの左下隅に印字する印字フォーマットによる印字例を示している。図6(d)は、トレーニングモード印301をラベルの右下隅に印字する印字フォーマットによる印字例を示している。なお、図6(a)〜図6(d)の何れかの印字フォーマットを選択可能に設定しておくことによって、オペレータは、所望の印字フォーマットを選択し、ラベルプリンタ1のトレーニングを行うことができる。
なお、図6に示すように、トレーニングモード印301と各商品情報の印字位置とが重なっていないが、これは、トレーニングモード印301と各商品情報の印字位置とが重ならないように、ラベル発行モード用の印字フォーマット(ファイル)を元に、トレーニングモード用の印字フォーマット(ファイル)を作成しておくことにより実現される。
また、予めラベルが分割された台紙付きラベルではなく、台紙レスラベルを使用することにより、ラベル長は変更することができる。従って、トレーニングモード印301の印字領域を商品情報の印字領域の上部(図6(a)、図6(b)参照)、又は、下部(図6(c)、図6(d)参照)に設けることとすれば、ラベル発行モード用の印字フォーマットからの変更部分は、トレーニングモード印301の印字領域を左右方向に確保する必要はなく上部又は下部にトレーニングモード印301を印字するように変更するのみであるので、簡便にトレーニングモード用の印字フォーマットを作成することができる。
図7は、ラベルプリンタの動作の一例を示すフローチャートである。具体的には、トレーニングモードにおいてラベルを発行する動作の一例を表している。
ステップS1:ラベルプリンタ1は、トレーニングモード画面を表示する。具体的には、操作制御部24は、トレーニングモード画面を表示させるための操作入力を、操作部5を介して受け付ける。操作制御部24は、トレーニングモード画面を表示させる指示信号を、CPU20に出力する。CPU20は、トレーニングモード画面を表示させる指示信号に基づいて、表示制御部25を介して、トレーニングモード画面を液晶表示器9bに表示させる。なお、トレーニングモード画面においては、操作制御部24は、オペレータによりキー操作部7の操作キーが押下されることにより操作入力を受け付ける。
ステップS2:ラベルプリンタ1は、トレーニングモード用の印字フォーマットファイルを読み込む。具体的には、ステップS1においてトレーニングモード画面を表示させる指示信号を入力したCPU20は、トレーニングモード用の印字フォーマットファイル(図3(b)参照)をRAM30に展開する。
ステップS3:ラベルプリンタ1は、オペレータからの印字データの入力指示を受け付ける。具体的には、CPU20は、オペレータの操作入力に応じた指示信号を操作制御部24から入力する。なお、操作制御部24は、操作部5(キー操作部7)が操作(押下)された場合には、操作されたキーに応じた指示信号をCPU20に出力する。一例として、オペレータが、キー操作部7の数字キーに続けて品番キーを押下した場合には、印字データとして、図2の商品ファイルから該当する商品の商品情報を呼び出す旨の入力指示を受け付ける。例えば、オペレータが、「0」、「0」、「0」、「1」、「0」、「1」の数字キーを入力し、続いて「品番」キーが押下した場合には、商品番号000101の商品情報(品名、値段、バーコード情報、賞味期限、加工日、フォーマット番号等)を呼び出す旨の入力指示を受け付ける。これにより、印字に使用する、トレーニングモード用の印字フォーマットが決定される。つまり、CPU20は、例えば、上記例のように、商品番号000101の商品情報(図2においてフォーマット番号「2」)を呼び出す旨の入力指示を受け付けた場合、ステップS2において展開したトレーニングモード用の印字フォーマットファイルの中から、フォーマット番号「2」のトレーニングモード用の印字フォーマットを決定する。なお、ラベルプリンタ1は、オペレータからの印字データの入力指示に従って、トレーニングモード画面に印字データとなる商品情報を表示する。
ステップS4:ラベルプリンタ1は、ラベルを印字する。例えば、CPU20は、オペレータの印字指示信号を操作制御部24から入力した場合などに、印字制御部22を介して、印字機構部3に、ラベルを印字、発行させる。なお、操作制御部24は、操作部5を介して印字指示を受け付けた場合に、印字指示信号をCPU20に出力する。つまり、ステップS2で読み出された印字フォーマットファイルと、ステップS3の入力指示に応じて呼び出された商品情報とにより、例えば図5や図6に示すようにラベルが発行される。即ち、ステップS2において読み出されたトレーニングモード用の印字フォーマットファイルに規定されている印字フォーマットの中から、ステップS3の入力指示に応じて呼び出された商品情報(フォーマット番号)に対応する印字フォーマットが特定され、当該印字フォーマットに従って、商品情報(品名、値段等)やトレーニングモード印301を印字したラベルが発行される。
ステップS5:ラベルプリンタ1は、終了指示があったか否かを判定する。具体的には、CPU20は、終了指示信号を、操作制御部24から入力したか否かを判定する。なお、操作制御部24は、操作部5を介して処理終了の指示を受け付けた場合に、終了指示信号をCPU20に出力する。終了指示があった場合(ステップS5:Yes)、処理を終了する。一方、終了指示がなかった場合(ステップS5:No)、ステップS3に戻る。
以上のように、ラベルプリンタ1は、トレーニング用のラベルを発行するトレーニングモードを選択する選択手段(モード選択キー)と、トレーニングモードで発行されたラベルであることを示す印(トレーニングモード印301)を商品情報と重ならない位置に印字させる制御手段(CPU20)とを備える。従って、ラベルプリンタ1によれば、オペレータに効率よくトレーニングをさせることができるとともに、トレーニングとして発行されたラベルが破棄されるべきラベルであることを一見して確実に認識することができる。
なお、上記説明では、ラベル発行モード用の印字フォーマットファイル(図3(a))、トレーニングモード用の印字フォーマットファイル(図3(b))のように、別々の印字フォーマットファイルを用意しているが、共通の1つの印字フォーマットファイルを用いてもよい。例えば、共通の1つの印字フォーマットファイルにおいて、ラベル発行モード用の印字フォーマットと、トレーニングモード用の印字フォーマットとを異なるフォーマット番号によって管理してもよい。
なお、上述の如く、共通の印字フォーマットファイルにおいてラベル発行モード用の印字フォーマットとトレーニングモード用の印字フォーマットとを異なるフォーマット番号によって管理する態様の場合には、商品ファイルにて、1つの商品に対し、2種類のフォーマット番号を対応付ける。つまり、夫々の商品に、ラベル発行モード用の印字フォーマットAを示すフォーマット番号「X」と、トレーニングモード用の印字フォーマットA’を示すフォーマット番号「Y(YはX以外)」とを対応付ける。なお、トレーニングモード用の印字フォーマットA’は、ラベル発行モード用の印字フォーマットAを元に作成されたものである。
一方、ラベル発行モード用の印字フォーマットファイル、トレーニングモード用の印字フォーマットファイルのように別々の印字フォーマットファイルを用いる態様においては、あるラベル発行モード用の印字フォーマットのフォーマット番号(ラベル発行モード用の印字フォーマットファイル内のフォーマット番号)と、当該ラベル発行モード用の印字フォーマットに対応するトレーニングモード用の印字フォーマット(当該ラベル発行モード用の印字フォーマットに基づいて作成した、あるトレーニングモード用の印字フォーマット)のフォーマット番号(トレーニングモード用の印字フォーマットファイル内のフォーマット番号)と、を同一番号するとよい。例えば、ラベル発行モード用の印字フォーマットファイルにおけるフォーマット番号「1」のラベル発行モード用の印字フォーマットAを元に、トレーニングモード用の印字フォーマットA’を作成した場合には、トレーニングモード用の印字フォーマットファイルにおけるフォーマット番号「1」はトレーニングモード用の印字フォーマットA’とするとよい。これにより、商品ファイルでは、図2の如く1つのフォーマット番号を対応付ければ済むので便利である。
また、図7のフローチャートにおいて、ステップS2で、トレーニング用の印字フォーマットファイルを読み込み、当該ファイルから、ステップS3の入力指示に応じて呼び出された商品情報(フォーマット番号)に対応する印字フォーマットが特定され、当該印字フォーマットに従って、商品情報(品名、値段等)やトレーニングモード印301を印字したラベルが発行される態様を示したが、トレーニングモード印301を印字させる方法はこれに限らない。例えば、トレーニングモード印301の印字に関しては、印字フォーマットファイル(印字フォーマット)とは別に、設定されていてもよい。具体的には、トレーニングモードで発行されるラベルには、必ず図5(a)に示すように、ラベルの左上隅にトレーニングモード印301が印字されるように定められてもよい。
ここで、トレーニングモード用の印字フォーマットを使用せずに、所定位置(例えば、上述の如く、ラベルの左上隅)に、自動的にトレーニングモード印301を印字させる実施形態の一例について説明する。ラベル発行において、商品情報を印字するための印字フォーマットは、図2における商品番号に関連して設定されているので、トレーニングモードにおいても通常のラベル発行の操作と同様に、キー操作部7より商品番号と、品番とを入力することにより、印字する商品情報と印字フォーマットとが呼び出される。そして、呼び出された印字フォーマットにおいて予め定められた位置に、トレーニングモード印301を印字する。トレーニングモード印301は、例えばビットマップ形式で作成された印字データであり、商品情報の印字と重なって印字されてもよい。具体的には、例えば、ステップS1ではトレーニングモードが選択されたことを示す情報(例えば、フラグ)をRAM30の所定領域に記憶し、ステップS2では、通常の印字フォーマットファイル(ラベル発行モード用の印字フォーマットに相当する本番用の印字フォーマットファイル)を展開し、ステップS3では、トレーニングモードが選択されたことを示す情報がRAM30に記憶されているため、所定領域にトレーニングモード印301が印字されるように、選択された商品の印字データを通常の印字フォーマットに従って作成する。例えば、まず、RAM30上に、印字フォーマットに従ってビットマップ(即ち、本番用と同様の印字データ)を作成し、作成したビットマップ上の所定領域にトレーニングモード印301を重ねるようにしてもよい。なお、ステップS3において、トレーニングモードが選択されたことを示す情報がRAM30に記憶されていない場合には(本番用のラベルを発行する場合には)、トレーニングモード印301を印字しないため、選択された商品の印字データを通常の印字フォーマットに従って作成するだけでよい。
このようにすることで、トレーニング用の印字フォーマットを用いなくても、トレーニングモード印301を印字する領域さえ予め決めておけば、トレーニング用の印字フォーマットを用いる場合と同様、オペレータがトレーニングモードを選択する操作キーを押下した後は、通常のラベル発行と同様に操作をするだけで、トレーニングモード印301を印字したラベルを発行することができる。また、このようにすることで、通常の印字フォーマットの他に、トレーニング用の印字フォーマットを作成したり、設定したりする手間がなく、作業性が向上する。
なお、トレーニングモード用の印字フォーマットを使用せずにトレーニングモード印301を印字させる態様においては、トレーニングモード印301と、商品情報(例えば、品名欄の印字)とが重なってしまう可能性もある。しかし、少なくとも、トレーニングモード印301をバーコードと重ならない位置に印字させることにより、トレーニングモードで発行されたラベルが、レジで正しく処理できるか否かをレジのバーコードスキャナで読み取りチェックをさせることができる。即ち、トレーニングにおいて、オペレータに実際に商品の販売に使用されるバーコード体系を用いて、バーコードが正しく読み取り可能か否かのチェックをさせることができる。
なお、トレーニングモードで発行されたラベルに印字されたバーコードをスキャンする前に、実際の売上実績としてカウントアップしないようにする必要がある。例えば、レジ側の制御として、トレーニングモードで発行されたラベルのスキャンにより実際の売上の実績としてカウントアップしないようにしてもよい。具体的には、以降のスキャンによる登録について登録終了後に売上実績の元となるログ(取引情報)を生成しないように宣言する宣言手段を設けるようにしてもよいし、以降のスキャンによる登録について実際の売上実績ではなくトレーニング用の売上実績としてカウントアップされるトレーニング用のログを生成するように宣言する宣言手段を設けるようにしてもよい。
また、図5、図6に示した例では、ラベル1枚に対しトレーニングモード印301を1つ印字しているが、トレーニングとして印字した内容を確認できる範囲において、ラベル1枚に対しトレーニングモード印301を2以上印字してもよい。また、トレーニングモードで発行されたラベルであることを示す印は、トレーニングモードで発行されたラベルであることをオペレータ等が一見して確実に認識されるものであればよく、図5、図6に示したトレーニングモード印301に限定されない。例えば、上記印は、図形ではなく、1以上の文字、記号から構成されるものであってもよい。
また、トレーニングの対象者(若しくは、トレーニングを行わせる責任者)に応じて、トレーニングモードにおいて発行されるラベルに印字する、トレーニングモードで発行されたラベルであることを示す印を異ならせてもよい。これにより、陳列される商品に誤ってトレーニングモードにおいて発行されたラベルが貼付された場合には責任の所在が明確になるので、トレーニングモードにおいて発行されたラベルは責任を持って破棄されるようになり、より一層、陳列される商品に、トレーニングモードにおいて発行されたラベルが貼付されるリスクを低減することができる。なお、トレーニングの対象者(トレーニングを行わせる責任者の場合も同様)に応じて印を異ならせる方法の一例は、予め、トレーニングの対象者を識別する店員識別情報に対応付けて互いに異なる印を設定しておき、ある対象者にトレーニングを開始させる際には当該対象者の店員識別情報を入力させることにより、当該対象者固有の印がラベルに印字されるようにしてもよい。なお、対象者毎に互いに異なる印(対象者固有の印)は、店員の誰もがトレーニングモードで発行されたラベルであることを一見して確実に認識される必要があるので、全体としては統一性があって互いに細部が異なる印が好ましい。例えば、図5、図6に示したトレーニングモード印301(バツ印)の近傍(例えば下部)に、注視すれば確認できる程度に小さく、対象者固有の番号(例えば、店員識別情報の全部又は一部)を追加した印であってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の説明では、ラベルプリンタ1の制御装置100が、トレーニングモードにおいてトレーニングモード印301をラベルに印字させる形態について説明した。しかしトレーニングモード印301をラベルに印字させる方法はこれに限らない。例えば、ラベルプリンタ1の制御装置100が、トレーニングモード印301が予め印刷されたラベルにトレーニングモード印301と商品情報とが重ならないように予め定められた印字フォーマットで商品情報を印字させるようにしてもよい。また、上述したように、トレーニングモード印301は、実施形態で印字した内容に限らず他の印字形態であってもよく、トレーニングであることが分かるその他の記号や、文字等であってもよい。
なお、上記に説明した制御装置及びプリンタを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。