JP6043511B2 - センサ端末 - Google Patents

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Description

本発明は、人物間の対面コミュニケーションデータを取得し、組織の状態を可視化するシステム、特にこのようなシステムにおいてセンサにより物理量を取得して送信する端末、位置情報を検出するための赤外線送信機からなるシステムに関する。
従来あらゆる組織において生産性の向上は必須の課題となっており、職場環境の改善及び業務の効率化のために多くの試行錯誤がなされている。工場等の組立又は搬送を業務とする組織に限定した場合には、部品又は製品の移動経路を追跡することでそのプロセスや成果を客観的に分析することができる。一方、知識労働者から成る組織に関しては、モノではなく電子的な文書やIT機器の使用ログを用いることによって、業務プロセスを可視化するものが既に知られている。
そもそも組織とは複数の人間が力を合わせることによって、個人ではできない大掛かりな業務を達成するために形成されている。よって、どのような組織においても2人又はそれ以上の人物間での意思決定及び合意のためには必ずコミュニケーションが行われている。コミュニケーションの手段としては、電話やファックス、電子メールなどが挙げられるが、最も頻繁に行われ、かつ最も強い影響力を持つものはface−to−face(対面)によるコミュニケーションである。対面コミュニケーションでは、身振りや視線、表情、声の調子など人間の身体を最大限に生かすことができる。このため、日常の挨拶による好意的な関係の形成、複雑に利益の絡む交渉の場での歩み寄り、など組織において欠かせないコミュニケーションの多くが、対面コミュニケーションによって当然のように実現されているのである。
また、対面コミュニケーションでは、関わる2人またはそれ以上の人間がリアルタイムで会話のリズムや場の雰囲気を生み出す。そのため、予測できないところから感情の共鳴やアイデアの創発が起こることがある。知識労働が中心である組織の成果において、このようにして生まれた創造的なアイデアによってもたらされている部分は大きい。その重要性に気づき、座席のフリーアドレス制や横断プロジェクトの編成などの試みを導入する組織は近年増加する傾向にある。これはどちらも多様なバックグラウンドを持つ人同士が接する機会を用意することで、新しい価値が創発することを期待したものである。
Benjamin N. Waber, Daniel Olguin Olguin, Taemie Kim, Akshay Mohan, Koji Ara, and Alex (Sandy) Pentland, "Organizational Engineering using Sociometric Badges," NetSci 2007, New York City, USA, May, 2007.
従来の方法ではいずれも作業を主体として分析しているが、知識労働については人を主体としなくてはその本質をつかむことはできない。なぜなら、作業別の手順や時間のみを切り出し効率化を目指すだけでは最大限の結果を引き出すことはできないからである。よって知識労働において良い結果を引き出すには、個人個人の特性に焦点を当てる、特にワークスタイルを知ることが必要であると考える。ワークスタイルとは、いつ、どこで、何を行うかという個人の業務の進め方のパターンである。ワークスタイルは、外的要因である業務の内容と内的要因である本人の性格の両者が反映されたものであり、知識労働のプロフェッショナルはそれぞれのワークスタイルを確立している。議論しながらアイデアを得る人もいれば、一人になってじっくり考える人もいる。また外に出て歩き回る人、机の前に座って雑誌をめくる人もおり、そのスタイルは多種多様である。知識労働はとりわけ精神的なものである分、最も効果を上げるための方法は、個人の資質、担っている役割などに依存してそれぞれ異なるものになる。しかし従来の作業を主体とした分析方法では直接的に業務の成果物に反映されていない事柄、例えば読書や散歩、雑談などが与える影響については全く考慮されることがない。よって人を主体とし、メンバ一人一人の実際の行動を観察することによってワークスタイルを捉えることが必要である。そして個人のワークスタイルを互いに把握し尊重し合うことで、組織全体としてのワークスタイルが確立され、生産性の向上に結びつくと考えられる。
これらセンサにより得られる物理量から、人の動きや人と人とのコミュニケーションを検出し、組織の状態を可視化することで組織の改善に役立てるための組織活動可視化・解析システムを我々は開発した。
組織活動可視化・解析システムにおいて、人と人とのコミュニケーションを検出するために使われる端末が、名札型センサ端末である。
名札型センサ端末は、装着者の動きの特徴を検出するための加速度センサ、音声の特徴を検出するためのマイク、環境の温度や明るさを検出するための温度センサと照度センサを備える。更に、人と人との対面を検出するために、赤外線の送受信機を備える。この赤外線送受信機は、固有のIDを定期的に発信し、それを端末間で送受信することで、人がいつ誰と対面したかを検出することができる。
端末により対面状態を検出する手段として、例えばUbERバッチがある(非特許文献2)。サイズ110x120mm,重量170g程度であり、15時間連続動作が可能である。
試作の場合,上記のスペックでも問題はない.しかし,実用を考えた場合,端末を用いて人と人とのインタラクションを検出するためには,長時間身につけても苦にならない程度の軽量化・小型化されていることが必要となる。そこで、小型電池でも長時間動作のため、端末は無駄な電力消費を削減しなければならない。
対面コミュニケーションの高精度な検出は、赤外線送受信機を複数個搭載し、各赤外線送受信機の送受信角度が全体として広がるよう名札型センサ端末に配置して、赤外線検出空間を拡大する手法により実現できる。赤外線による対面検出は、名札型センサ端末は、首からぶら下げ、胸部附近の体に位置し、前方を向くため、他の人の着用した各赤外線送受信機との赤外線通信による。
しかし、各赤外線送受信機の送受信角度が全体として広がるよう配置することにより、名札型センサ端末が正面同士の場合は検出空間が拡大されるが、例えば、名札型センサ端末が上側に傾いた時、上方向に向いて配置されていた赤外線送受信機は通常時以上に上を向いてしまい、他の名札型センサ端末や赤外線送信機が送信する赤外線IDを受信不可な状態となる。この場合、名札型センサ端末において上向きに配置された赤外線送受信機は不要な動作を行うことにより、余分な電力を消費してしまう。名札型センサ端末は、小型化のため電池容量の削減、および、1回の充電による長時間連続動作のため、低消費電力動作が要求される端末である。このため、不必要な電力消費は最大限減少させなければならない。
本発明の課題は、名札型センサ端末において、検出空間拡張のために角度を変えて配置した複数個の赤外線送受信機に対し、赤外線送受信を制御することによる低消費電力動作を行うことである。
上記課題は、複数個の赤外線送受信機と加速度センサとを搭載し、赤外線送受信機により他の端末や発信機と赤外線データの送受信を行い対面または近接していることを検出し、前記加速度センサにより動きや傾きを検出するセンサ端末であって、前記加速度センサにより取得した前記加速度データに基づいて複数個の赤外線送受信機の一部またはすべてを制御することを特徴とするセンサ端末によって、解決される。
赤外線送受信の検出空間を拡大させるため複数配置した赤外線送受信機において、検出不可能な方向への赤外線送受信を未然に停止または弱化させる。ことにより、不要な消費電力を削減することでできる。
本発明の名札型センサ端末の機能構成図の例 本発明の実施形態の全体システム構成図の例 名札型センサ端末のブロック構成の一具体例 基地局のブロック構成の一具体例 名札型センサ端末における赤外線送受信機の配置例と着用時の傾きの例 名札型センサ端末の着用状態と放置状態の例 加速度データによる赤外線送受信機制御判定の例 加速度データによるセンシング制御判定の例 対面検出用赤外線通信信号の符号化方の例式を示す図 長距離用赤外線通信信号の符号化方式の例を示す図 長距離赤外線通信データによる赤外線送受信機制御判定の例 名札型センサ端末の3軸加速度センサの向きと、加速度y成分の時間変化の例 本発明による消費電流削減効果の例 すれ違い対面検出時における消費電力削減の例 2方向の加速度成分を用いた傾きの判定の例
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明において、加速度センサデータより、不要な赤外線送受信を制御する端末の最小構成の一実施例である。
名札型センサ端末(TR)は、マイクロプロセッサ(MPU)、三軸加速度センサ(AC)、記憶部(STRG)、バッテリ(BT)、赤外線送受信機(TRIR1、TRIR2、TRIR3、TRIR4)から成る。三軸加速度センサ(AC)は、名札型センサ端末(TR)の加速度データを取得し、マイクロプロセッサ(MPU)へそのデータを転送する。マイクロプロセッサ(MPU)は、記憶部(STRG)に加速度データを保存する。マイクロプロセッサ(MPU)は、記憶部(STRG)に保存された加速度データを参照することにより、現在の加速度データだけでなく、過去の加速度データを参照することもできる。加速度データからは名札型センサ端末(TR)の動きや傾きを判定することができる。
加速度データにおけるx、y、xの3方向成分値がすべて一定である状態が続いた時、名札型センサ端末(TR)は着用されておらず、放置されている、と判定できる。この時、名札型センサ端末(TR)は不要な赤外線送受信を行うことになるので、加速度データにより放置状態と判定されて場合は、名札型センサ端末の赤外線送受信を停止させる。
名札型センサ端末(TR)が鉛直方向に対してφ1以上の角度で傾いている時、初めからφ2の角度で上向きに配置されていた赤外線送受信機(IR1)は、さらに上向きの角度φ1+φ2となる。角度φ1+φ2が閾値以上であれば、赤外線送受信機(TRIR1)は、送受信が成功しない。従って、φ1以上の角度を加速度データにより検出した場合には、赤外線送受信機(TRIR1)の赤外線送受信を停止または弱化することにより、不要な電力消費を回避することができる。赤外線送受信機(TRIR1)以外のそれぞれ異なる角度で配置された赤外線送受信機(TRIR2、 TRIR3、 TRIR4)についても同様である。
図2は、本発明によるシステム構成全体の一実施例である。
名札型センサ端末(TR)は、首から下げて着用し、着用者の活動リズムや対面データを取得することができる。名札型センサ端末(TR)は、センシングしたデータを送受信部(TRSR)よりクレイドル(CL)へ送信する。クレイドル(CL)は、名札型センサ端末(TR)より送信されたデータを基地局(GW)へと転送する。また、基地局(GW)から送信された時刻情報などを名札型センサ端末(TR)へ送信する機能も有する。基地局(GW)は、クレイドルから送信されたデータを送受信部(GWSR1)により受信する。受信したデータは、記憶部(GWME)へ保存する。基地局(GW)は、記憶部(GWME)へ保存されたデータを所定のタイミング(例えば1日1回定められた時刻)でセンサネットサーバ(SS)へ送信する。センサネットサーバ(SS)は、基地局から送信されたデータを送受信部(SSSR)により受信する。受信したデータは、センサDB(SDB)へ保存する。コンテンツサーバ(CS)は、送受信部(CSSR)により、所定のタイミング(例えば1日1回定められた時刻)で、センサDB(SDB)に格納されたデータをネットワーク経由で取得する。コンテンツサーバ(CS)においては、取得したセンサデータを基にコンテンツ生成部(CNTG)がコンテンツ(CNT)を生成する。表示サーバ(DS)は、送受信部(DSSR)により、所定のタイミング(例えば1日1回定められた時刻)で、コンテンツをネットワーク経由で取得する。表示サーバ(DS)においては、赤外線受信機(RIR)と接続されており、受信部(GWSR2)により受信した赤外線データを赤外線DB(IRDB)に格納する。所定の赤外線IDを受信した際、その赤外線IDに対応するコンテンツをディスプレイ(DIS)に表示する。これにより、他人に自分のデータを盗み見られることを防ぐことができる。また、もちろん、ディスプレイ(DIS)へのコンテンツ表示は、赤外線受信機(RIR)からのデータを用いず、例えばパスワード入力によるログインによって、見ることができるようにしてもよい。
以上により、ユーザの活動データを取得し、ユーザにフィードバックすることが可能なシステムの提供を実現できる。
図3は、名札型センサ端末の一実施例である名札型センサ端末(TR)の構成を示しており、名札型センサ端末(TR)は人間の対面状況を検出するための複数の赤外線送受信部(AB)、装着者の動作を検出するための三軸加速度センサ(AC)、装着者の発話と周囲の音を検出するためのマイク(AD)、名札型センサ端末の裏表検知のための照度センサ(LS1F、LS1B)、温度センサ(AE)の各種センサを搭載する。搭載するセンサは一例であり、装着者の対面状況と動作を検出するために他のセンサを使用してもよい。
赤外線送受信部(AB)は、名札型センサ端末(TR)の固有識別情報である端末情報(TRMT)を正面方向に向かって定期的に送信し続ける。他の名札型センサ端末(TR)を装着した人物が略正面(例えば、正面又は斜め正面)に位置した場合、名札型センサ端末(TR)と他の名札型センサ端末(TR)は、それぞれの端末情報(TRMT)を赤外線で相互にやり取りする。このようにすることにより、誰と誰が対面しているのかを記録することができる。
組織活動可視化・解析システムにおける名札型センサ端末は、人と人が対面位置関係にある場合、その対面情報の取得性能を向上されるため、複数の赤外線送受信回路をそれぞれ実装角度を変えて搭載する。
一般に、光はその他の波長の電磁波と比較して直進性が高く、通信範囲をレンズによって光学的に厳密に制御することが容易である。これにより、ただ単に近接して存在していただけでなく、対面状態にあることを検出することができる。ここでは人の目に見えない赤外光を使用しているが、もちろん、可視光、または紫外光を用いても良い。本実施例では、4組の赤外線送受信機(TRIR1〜TRIR4)を搭載した場合を図示している。
各赤外線送受信機は一般に、赤外線送信のための赤外発光ダイオードと、赤外線フォトトランジスタの組み合わせにより構成される。赤外線ID送信部(IRID)は、自らのIDである端末情報(TRMT)を生成して赤外線送受信モジュールの赤外線発光ダイオードに対して転送する。本実施例では、複数の赤外線送受信モジュールに対して同一のデータを送信することで、全ての赤外線発光ダイオードが同時に点灯する。もちろん、それぞれ独立のタイミング、別のデータを出力してもよい。
特に本発明では、角度を変えて実装された複数の赤外線送受信回路の一部または全部が、それぞれの発光素子同志が発射する光軸同志、またはそれぞれの受光素子が受信する検出光の光軸同志が、互いに筺体の外部に向かって内方に向かうよう配置される事が特徴である。もっとも典型的な実施例では、光軸同志が筺体前方でクロスする。これにより、赤外線を透過させるための筺体開口部の寸法を小さくでき、端末の小型化と堅牢化に寄与する。
赤外線送受信部(AB)の赤外線フォトトランジスタによって受信されたデータは、論理和回路(IROR)によって論理和が取られる。つまり、最低どれか一つの赤外線受光部でID受光されていれば名札型センサ端末にIDとして認識される。もちろん、IDの受信回路を独立して複数持つ構成でもよい。この場合、それぞれの赤外線送受信モジュールに対して送受信状態が把握できるので、例えば、対面する別の名札型センサ端末がどの方向にいるかなど付加的な情報を得ることも可能である。
赤外線送受信機(IRTR1〜IRTR4)は、装着者同志の対面コミュニケーションを検出するための指向性の高い赤外線通信を行うのに対して、エリアビーコン受信部(ABR)は、より広範囲の通信を行う赤外線通信の受信機である。主に、会議室等に設置された赤外線送信機(ビーコン)のIDを受信することで、装着者がその部屋にいることを検出する。本赤外線通信は、より広範囲で通信を行うため、典型的には38kHz等で変調を施した赤外線通信が使われる。
自己診断(SDG)は、赤外線送受信部の故障を判定するための回路である。複数の赤外線受信回路で受信された受信データを個別に遮断する開閉回路を持つ。端末自身の赤外線送信回路で送信したデータを、特定の赤外線受信回路で受信できるかを個別にチェックすることで、赤外線送受信回路の故障を判定することができる。
センサによって検出したセンサデータ(SENSD)はセンサデータ格納制御部(SDCNT)によって、記憶部(STRG)に格納される。センサデータ(SENSD)は通信制御部(TRCC)によって送信パケットに加工され、送受信部(TRSR)によって基地局(GW)に対し送信される。
データの送受信は、無線、有線の方式を限定しない。取得されたデータを連続、または間欠的動作によって常時無線で送信しつづける実装もあれば、センサ端末にケーブルを接続して有線でデータを取得して基地局(GW)に送信しても良い。
このとき、記憶部(STRG)からをセンサデータ(SENSD)取り出し、送信するタイミングを生成するのが通信タイミング制御部(TRTMG)である。通信タイミング制御部(TRTMG)は、複数のタイミングを生成する複数のタイムベース(図示省略)を持つ。
記憶部に格納されるデータには、現在センサによって検出したセンサデータ(SENSD)の他、過去に蓄積した纏贈りデータ(CMBD)や、名札型センサ端末の動作プログラムであるファームウェアを更新するためのファームウェア更新データ(FMUD)、自己診断による故障判定結果(DIAG)、時刻情報(TRCK)、動作設定(TRMA)、端末情報(TRMT)などがある。
本実施例の名札型センサ端末(TR)は、外部電源接続検出回路(PDET)により、外部電源(EPOW)が接続されたことを検出し、外部電源検出信号(PDETS)を生成する。外部電源検出信号(PDETS)によって、通信タイミング制御部(TRTMG)が生成する送信タイミングを切り替えるとともに、基地局に送信するデータの選択が行われる。例えば、充電中は現在のセンサデータ(SENSD)を送信することはせずに、過去のデータで未送信のもの(CMBD)を纏めて基地局に送信したり、ファームウェアの更新データを受信する等、動作モードを切り替える。
照度センサ(LS1F、LS1B)は、それぞれ名札型センサ端末(TR)の前面と裏面に搭載される。照度センサ(LS1F、LS1B)により取得されるデータは、センサデータ格納制御部(SDCNT)によって記憶部(STRG)に格納されると同時に、裏返り検知(FBDET)によって比較される。名札が正しく装着されているときは、前面に搭載されている照度センサ(表)(LS1F)が外来光を受光し、裏面に搭載されている照度センサ(裏)(LS1B)は名札型センサ端末本体と装着者との間に挟まれる位置関係となるため、外来光を受光しない。このとき、照度センサ(裏)(LS1B)で検出される照度より、照度センサ(表)(LS1F)で検出される照度の方が大きな値を取る。一方で、名札型センサ端末(TR)が裏返った場合、照度センサ(裏)(LS1B)が外来光を受光し、照度センサ(表)(LS1F)が装着者側を向くため、照度センサ(表)(LS1F)で検出される照度より、照度センサ(裏)(LS1B)で検出される照度の方が大きくなる。
ここで、照度センサ(表)(LS1F)で検出される照度と、照度センサ(裏)(LS1B)で検出される照度を裏返り検知(FBDET)で比較することで、名札端末が裏返って、正しく装着していないことが検出できる。裏返り検知(FBDET)で裏返りが検出されたとき、スピーカ(SP)により警告音を発生して装着者に通知する。
マイク(AD)は、音声情報を取得する。音声情報によって、「騒々しい」又は「静か」等の周囲の環境を知ることができる。さらに、人物の声を音声特徴解析(SNA)で分析することによって、コミュニケーションが活発か停滞しているのか、相互に対等に会話をやり取りしているか一方的に話しているのか、怒っているのか笑っているのか、などの対面コミュニケーションを分析することができる。さらに、人物の立ち位置等の関係で赤外線送受信器(AB)が検出できなかった対面状態を、音声情報及び加速度情報によって補うこともできる。音声特徴解析(SNA)で分析される情報は、典型的には取得音声の高速フーリエ変換(FFT)やゼロクロスといった周波数分析や、エネルギー変化の分析である。
三軸加速度センサ(AC)は、端末の加速度すなわち端末の動きを検出する。このため、加速度データから、名札型センサ端末(TR)を装着した人物の動きの激しさや、歩行などの行動を解析することができる。さらに、複数の名札型センサ端末(TR)が検出した加速度の値を比較することによって、それらの名札型センサ端末(TR)を装着した人物間のコミュニケーションの活性度や相互のリズム、相互の相関等を解析できる。
本実施例の名札型センサ端末(TR)では、三軸加速度センサ(AC)で取得されるデータは、センサデータ格納制御部(SDCNT)によって記憶部(STRG)に格納されると同時に、上下検知(UDDET)によって名札の向きを検出する。これは、三軸加速度センサ(AC)で検出される加速度は、装着者の動きによる動的な加速度変化と、地球の重力加速度による静的加速度の2種類が観測されることを利用している。静的加速度のデータを用いることによって、名札型センサ端末(TR)の傾きや向きを判定することができる。
表示装置(LCDD)は、名札型センサ端末(TR)を胸に装着しているときは、装着者の所属、氏名などの個人情報を表示する。つまり、名札として振舞う。一方で、装着者が名札型センサ端末(TR)を手に持ち、表示装置(LCDD)を自分の方に向けると、名札型センサ端末(TR)の転地が逆になる。このとき、上下検知(UDDET)によって生成される上下検知信号(UDDETS)により、表示装置(LCDD)に表示される内容と、ボタンの機能を切り替える。本実施例では、上下検知信号(UDDETS)の値により、表示装置(LCDD)に表示させる情報を、表示制御(DISP)によって生成される赤外線アクティビティ解析(ANA)による解析結果と、名札表示(DNM)とを切り替える例を示している。
赤外線送受信部(AB)が端末間で赤外線をやり取りすることによって、名札型センサ端末(TR)が他の名札型センサ端末(TR)と対面したか否か、すなわち、名札型センサ端末(TR)を装着した人物が他の名札型センサ端末(TR)を装着した人物と対面したか否かが検出される。このため、名札型センサ端末(TR)は、人物の正面部に装着されることが望ましい。上述の通り、名札型センサ端末(TR)は、さらに、三軸加速度センサ(AC)等のセンサを備える。名札型センサ端末(TR)におけるセンシングのプロセスが、図2Aにおける組織ダイナミクスデータ取得(A)に相当する。
名札型センサ端末(TR)は多くの場合には複数存在し、それぞれが近い基地局(GW)と結びついてパーソナルエリアネットワーク(PAN)を形成している。
名札型センサ端末(TR)の温度センサ(AE)は名札型センサ端末(TR)のある場所の温度を、照度センサ(表)(LS1F)は名札型センサ端末(TR)の正面方向などの照度を取得する。これによって、周囲の環境を記録することができる。例えば、温度及び照度に基づいて、名札型センサ端末(TR)が、ある場所から別の場所に移動したこと等を知ることもできる。
装着した人物に対応した入出力装置として、ボタン1〜3(BTN1〜3)、表示装置(LCDD)、スピーカ(SP)等を備える。
記憶部(STRG)は、具体的にはハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発記憶装置で構成され、名札型センサ端末(TR)の固有識別番号である端末情報(TRMT)、センシングの間隔、及び、ディスプレイへの出力内容等の動作設定(TRMA)を記録している。この他にも記憶部(STRG)は一時的にデータを記録することができ、センシングしたデータを記録しておくために利用される。
通信タイミング制御部(TRTMG)は、時刻情報(GWCSD)を保持し、一定間隔でその時刻情報(GWCSD)を更新する時計である。時間情報は、時刻情報(GWCSD)が他の名札型センサ端末(TR)とずれることを防ぐために、基地局(GW)から送信される時刻情報(GWCSD)によって定期的に時刻を修正する。
センサデータ格納制御部(SDCNT)は、記憶部(STRG)に記録された動作設定(TRMA)に従って、各センサのセンシング間隔などを制御し、取得したデータを管理する。
時刻同期は、基地局(GW)から時刻情報を取得して時計を修正する。時刻同期は、後述するアソシエイトの直後に実行されてもよいし、基地局(GW)から送信された時刻同期コマンドに従って実行されてもよい。
無線通信制御部(TRCC)は、データを送受信する際に、送信間隔の制御、及び、送受信に対応したデータフォーマットへの変換を行う。無線通信制御部(TRCC)は、必要であれば、無線でなく有線による通信機能を持ってもよい。無線通信制御部(TRCC)は、他の名札型センサ端末(TR)と送信タイミングが重ならないように輻輳制御を行うこともある。
アソシエイト(TRTA)は、特に無線通信によって本実施例を実装する際、図1Bに示す基地局(GW)とパーソナルエリアネットワーク(PAN)を形成するためのアソシエイト要求(TRTAQ)と、アソシエイト応答(TRTAR)を送受信し、データを送信すべき基地局(GW)を決定する。アソシエイト(TRTA)は、名札型センサ端末(TR)の電源が投入されたとき、及び、名札型センサ端末(TR)が移動した結果それまでの基地局(GW)との送受信が絶たれたときに実行される。アソシエイト(TRTA)の結果、名札型センサ端末(TR)は、その名札型センサ端末(TR)からの無線信号が届く近い範囲にある一つの基地局(GW)と関連付けられる。
送受信部(TRSR)は、基地局との間で、データ送信及び受信を行う。無線通信を使用しても良いし、必要があれば、送受信部(TRSR)は、有線通信のためのコネクタを用いて送受信を行うこともできる。送受信部(TRSR)によって送受信される送受信データ(TRSRD)は、基地局(GW)との間でパーソナルエリアネットワーク(PAN)を介して転送される。
図4は、基地局(GW)の内部システム構成を中心に示す。基地局と名札型センサ端末間の通信は、有線、無線、いずれでもよい。無線の場合、無線の到達距離を考慮して、居室・職場等の領域をカバーするように複数の基地局(GW)が配置される。基地局(GW)は、送受信部(GWSR1、2)、記憶部(GWME)、時計(GWCK)及び制御部(GWCO)を備える。
送受信部(GWSR)は、名札型センサ端末(TR)からのデータを受信し、基地局(GW)への有線又は無線による送信を行う。このとき、名札型センサ端末(TR)は、据置き型赤外線発信機(PIR)が発光する赤外線を受信することも可能である。さらに、送受信部(GWSR1)は、無線を受信するためのアンテナ、または、クレイドル等と有線接続するためのコネクタを備える。
記憶部(GWME)は、ハードディスク、フラッシュメモリのような不揮発記憶装置で構成される。記憶部(GWME)には、少なくとも動作設定(GWMA)、データ形式情報(GWMF)、端末管理テーブル(GWTT)、及び基地局情報(GWMG)が格納される。動作設定(GWMA)は、基地局(GW)の動作方法を示す情報を含む。データ形式情報(GWMF)は、通信のためのデータ形式を示す情報、及び、センシングデータにタグを付けるために必要な情報を含む。端末管理テーブル(GWTT)は、現在アソシエイトできている配下の名札型センサ端末(TR)の端末情報(TRMT)、及び、それらの名札型センサ端末(TR)を管理するために配布しているローカルIDを含む。基地局情報(GWMG)は、基地局(GW)自身のアドレスなどの情報を含む。また、記憶部(GWME)には名札型センサ端末の更新された端末ファームウェア(GWTF)を一時的に格納する。
記憶部(GWME)には、さらに、制御部(GWCO)中の中央処理部CPU(図示省略)によって実行されるプログラムが格納されてもよい。
時計(GWCK)は時刻情報を保持する。一定間隔でその時刻情報は更新される。具体的には、一定間隔でNTP(NETWORK TIME PROTOCOL)サーバ(TS)から取得した時刻情報によって、時計(GWCK)の時刻情報が修正される。
制御部(GWCO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記憶部(GWME)に格納されているプログラムを実行することによって、センシングデータセンサ情報の取得タイミング、センシングデータの処理、名札型センサ端末(TR)やセンサネットサーバ(SS)への送受信のタイミング、及び、時刻同期のタイミングを管理する。具体的には、CPUが記憶部(GWME)に格納されているプログラムを実行することによって、通信制御部(GWCC)、アソシエイト(GWTA)、時刻同期管理(GWCD)及び時刻同期(GWCS)等の処理を実行する。
通信制御部(GWCC)は、無線又は有線による名札型センサ端末(TR)及びセンサネットサーバ(SS)との通信のタイミングを制御する。また、通信制御部(GWCC)は、受信したデータの種類を区別する。具体的には、通信制御部(GWCC)は、受信したデータが一般のセンシングデータであるか、アソシエイトのためのデータであるか、時刻同期のレスポンスであるか等をデータのヘッダ部分から識別して、それらのデータをそれぞれ適切な機能に渡す。
なお、通信制御部(GWCC)は、記憶部(GWME)に記録されたデータ形式情報(GWMF)を参照して、送受信のために適した形式にデータを変換し、データの種類を示すためのタグ情報を付け加えるデータ形式変換(GWMF)を実行する。
アソシエイト(GWTA)は、名札型センサ端末(TR)から送られてきたアソシエイト要求(TRTAQ)に対する応答(TRTAR)を送信し、名札型センサ端末(TR)に割り付けたローカルIDを送信する。アソシエイトが成立したら、アソシエイト(GWTA)は、端末管理テーブル(GWTT)と端末ファームウェア(GWTF)を用いて端末管理情報を修正する。
時刻同期管理(GWCD)は、時刻同期を実行する間隔及びタイミングを制御し、時刻同期するように命令を出す。あるいは、この後説明するセンサネットサーバ(SS)が時刻同期管理(GWCD)を実行することによって、センサネットサーバ(SS)からシステム全体の基地局(GW)に統括して命令を送ってもよい。
時刻同期(GWCS)は、ネットワーク上のNTPサーバ(TS)に接続し、時刻情報の依頼及び取得を行う。時刻同期(GWCS)は、取得した時刻情報に基づいて、時計(GWCK)を修正する。そして、時刻同期(GWCS)は、名札型センサ端末(TR)に時刻同期の命令と時刻情報(GWCSD)を送信する。
図5は、名札型センサ端末における赤外線送受信機の配置、および、名札型センサ端末の傾きの例である。
図5(A)は、4つの赤外線送受信機の配置の例である。赤外線送受信機(TRIR1)は左下向き、赤外線送受信機(TRIR2)は左上向き、赤外線送受信機(TRIR3)は右下向き、赤外線送受信機(TRIR4)は右上向き、にそれぞれ向けて配置している。
図5(B)は、名札型センサ端末が上向きに傾いた場合の例である。名札型センサ端末自体が上を向いているため、上向きの角度で配置されていた赤外線送受信機(TRIR2、3)が赤外線を送受信する方向は、さらに上向きとなる。このため、赤外線送受信機(TRIR2、3)において、赤外線送信しても他の端末でほぼ受信されることはなく、赤外線受信状態にしても他の端末からの赤外線をほぼ受信できない向きとなる。すなわち、赤外線送受信の成功率はゼロに近づく。加速度データにより名札型センサ端末の傾きを検出することにより赤外線送受信機(TRIR2、3)の成功率がゼロに近い赤外線送受信を停止または弱化させ、不要な消費電力を削減する。このとき、赤外線送受信機(TRIR1、4)は赤外線送受信可能な方向を向いているため、赤外線送受信の停止や弱化は行わない。名札型センサ端末全体で赤外線送受信回数が一定となるよう、赤外線送受信機(TRIR2、3)で赤外線送受信を停止または弱化させた回数分を、代わりに赤外線送受信機(TRIR1、4)が赤外線送信してもよい。
図5(C)は、名札型センサ端末が下向きに傾いた場合の例である。名札型センサ端末自体が下を向いているため、下向きの角度で配置されていた赤外線送受信機(TRIR1、4)が赤外線を送受信する方向は、さらに下向きとなる。このため、赤外線送受信機(TRIR1、4)の赤外線送受信の成功率はゼロに近づく。加速度データにより名札型センサ端末の傾きを検出することにより赤外線送受信機(TRIR1、4)の成功率がゼロに近い赤外線送受信を停止または弱化させ、不要な消費電力を削減する。このとき、赤外線送受信機(TRIR2、3)は赤外線送受信可能な方向を向いているため、赤外線送受信の停止や弱化は行わない。名札型センサ端末全体で赤外線送受信回数が一定となるよう、赤外線送受信機(TRIR1、4)で赤外線送受信を停止または弱化させた回数分を、代わりに赤外線送受信機(TRIR2、3)が赤外線送信してもよい。
図6は、名札型センサ端末を人が着用した場合と、机上等に放置した場合の例である。人が名札型センサ端末(TR1)を着用した場合、人が静止状態であっても、呼吸時の身体の伸縮など、名札型センサ端末(TR1)は加速度の変化を検出する。また、首からぶら下げた場合、名札型センサ端末(TR1)の平面部が鉛直下を向く。加速度センサは重力加速度を検出できるので、加速度データより、名札型センサ端末(TR1)が首から下げられた向きにあることを判定することもできる。
一方、机上等に放置された名札型センサ端末(TR2)については、加速度の変化はほぼ存在しない。建物自体のごくわずかな振動等により、微小の変化は検出されるが、人が静止状態で着用した場合とは明らかに識別できる。また、図6のように机上に放置した場合、名札型センサ端末(TR2)の平面部が机上面と平行になる。加速度センサは重力加速度を検出できるので、加速度データより、名札型センサ端末(TR2)が机上に図5のように放置されていることを判定することもできる。
すなわち、名札型センサ端末が着用状態にあるか、放置状態にあるかは、加速度データにより判定することが可能である。
通常、名札型センサ端末は、非着用状態であっても、センシング動作を続ける。しかし、図6のように机上に放置された状態でセンシング動作を行っても、ユーザの活動とは異なる有意でないデータが取得されるだけである。そのため、このような非着用時のデータが取得された場合、実際の活動データからは除去する必要が生じる。
そこで、名札型センサ端末自身が、非着用状態を加速度データにより検出し、赤外線送受信などのセンシング動作を停止させれば、名札型センサ端末の消費電力が削減でき、上位システムで非着用状態の判定・除去の処理を不要にすることができる。
図7は、本発明における加速度データを用いた赤外線送受信機の制御のフローチャートである。
名札型センサ端末が起動し、センシング動作を始めれば本フローチャートが開始する(701)。
名札型センサ端末が加速度データを一定時間検出(702)し、そのデータから名札型センサ端末の傾きを算出する(703)。名札型センサ端末には、N個の赤外線送受信機が、それぞれ異なる向きで搭載されているので、赤外線受信機(i)毎に(704)、赤外線送受信が可か不可かな方向か、を判定する(705)。赤外線送受信が不可な方向である場合は、その赤外線送受信機の赤外線送受信を停止させる(706)。この判定および制御をN個の赤外線送受信機すべてに対して適用する(707)。
図8は、本発明における加速度データを用いたセンシング動作制御のフローチャートである。
名札型センサ端末が起動し、センシング動作を始めれば本フローチャートが開始する(801)。
名札型センサ端末が加速度データを一定時間検出(802)・保存(803)し、そのデータから名札型センサ端末の加速度データの変化量を算出し、その変化量が閾値以下であるか否かを判定する(804)。閾値以下である場合は、所定の時間、センシング動作を停止させる(805)。閾値を超えていれば、加速度以外のセンシングを引き続き行う(806)。また、センシング動作を停止させ、所定の時間が経過しても、加速度以外のセンシングを引き続き行う(806)。
図9は、本発明による短距離用赤外線通信信号の符号化方式の一実施例である。
送信するデータは2バイト、それと送信データが正しく受信できたかを確認する手段としてCRC16の2バイトの合計4バイトを送信する。
送信データは1バイトごとに符号化する。バイトの先頭を示す論理値0のスタートビットを1ビットと送信データの8ビット、それとバイトの末尾を示す論理値1のストップビットを1ビットとで合計10ビット分のデータとなる。このように符号化することで、シリアル通信による送受信を容易にする。
ここでは、1ビットの送信時間は16μsであり、バイト単位で0.16 ms、4バイト全体の送信時間は0.64msとなる。この時間は、例えば1秒に1回通信を行うとすれば、十分に短い時間であり、送信時間として好適である。
赤外線は論理値0の時に発光し、論理値1の時に発光しないとする。赤外線発光時の消費電力を低減するために、1ビット分の送信時間である16μsより発光パルスを短くしても良い。例えば3μs程度でよい。
TRIR1〜TRIR6で送受信される赤外線データは、指向性が高く、比較的短距離において端末同志の対面を検出するのに使われる一方で、エリアビーコン受信部(ABR)で受信されるエリア検出赤外線通信方式は、指向性が低く反射光でも受信が可能で、比較的長距離において、後述のエリアビーコン(AB)が送信したデータを検出するのに使われる。
図10は、エリア検出赤外線通信方式の符号化方式の一実施例である。エリア検出赤外線通信方式とは、通常の対面検出用の短距離赤外線通信とはことなる赤外線通信であり、数十メートルの距離の通信が可能である。これにより、ある部屋に在席しているか否かの検出が可能である。なお、本文書で特に断りなく赤外線送受信と記載した場合は、エリア検出赤外線通信、すなわち長距離赤外線通信ではなく、対面検出用の短距離赤外線通信を指している。
エリアビーコン(AB)は、典型的には、自身の固有の識別情報2バイト分の16ビット、それと送信データが正しく受信できたかを確認する手段として、データ情報の論理値を反転した2バイト分の16ビットを送信する。全体のデータを送信する前に、データの先頭を示すリーダコードとして、論理値1を1ms、論理値0を1ms送信する。送信データは1ビットごとに符号化し、データ情報が0の場合は、論理値1を500μs、論理値0を500μs送信する。また、データ情報が1の場合は、論理値1を500μs、論理値0を1500μs送信する。最後にデータの末尾を示すストップビットとして、論理値1を500μs送信する。
データ情報が0の場合と1の場合で送信時間が異なるが、データ情報の論理値を反転した情報を付加することで、全体の送信時間は一定の50msとなる。この時間は、例えば10秒に1回通信を行うとすれば、十分に短い時間であり、送信時間として好適である。
赤外線は論理値1の時に発光し、論理値0の時に発光しないとする。より送信距離を伸ばし、また赤外線発光時の消費電力を低減するために、論理値1の発光を短いパルスに変調する。図10(F)では、例えば40kHzデューティ50%のパルスに変調した例を示している。もちろん、40kHz以外の変調周波数でも構わない。
図11は、本発明における長距離赤外線通信データを用いた対面赤外線送受信制御のフローチャートである。
名札型センサ端末が起動し、センシング動作を始めれば本フローチャートが開始する(1101)。
名札型センサ端末が長距離通信赤外線特定データを一定時間検出(1102)・保存(1103)し、そのデータから名札型センサ端末の一定時間内の長距離通信赤外線特定データの検出回数が閾値以下であるか否かを判定する(1104)。閾値以下である場合は、所定の時間、対面赤外線送受信を停止させる(1105)。閾値を超えていれば、対面赤外線送受信を引き続き行う(1106)。また、対面赤外線送受信を停止させ、所定の時間が経過しても、対面赤外線送受信を引き続き行う(1106)。
長距離通信赤外線通信は、部屋単位の在室を検出することが可能である。このため、他の人が入る可能性のない部屋や、対面データを検出しても意味のない部屋にいることを長距離通信赤外線特定データによって検出し、その部屋にいる時間の対面赤外線送受信を停止させ、消費電力を削減する。
図12は、名札型センサ端末(TR)におけるx、y、zの3軸方向、および、加速度y成分で取得されたデータの時間変化グラフの例である。図12のように、名札型センサ端末(TR)は、通常着用状態では鉛直方向がy軸方向となる。よって、加速度y成分のデータにより、名札型センサ端末(TR)の傾きを推定することが可能となる。
名札型センサ端末(TR)に搭載された上向きの赤外線送受信機(IRTR)が、赤外線送受信が成功不可になる傾きとなる際の加速度y成分の値をλとする。加速度y成分の時間変化において、加速度y成分の値がλを超えている時間帯においては、名札型センサ端末(TR)に搭載された上向きの赤外線送受信機(IRTR)の赤外線送受信が成功しない。よって、加速度y成分の値がλを超えている時間帯において、赤外線送受信機(IRTR)の赤外線送受信を停止または弱化されることにより、不要な電力消費を低減することが可能となる。
図13は、本発明により削減できる消費電流の例を示す。従来は、名札型センサ端末(TR)の動作全体で約6mA、そのうち赤外線送信が1mA、赤外線受信が0.5mA占める。電池容量が200Ahrであった場合、動作時間は30時間となる。
赤外線停止割合が1/4の時、消費電流は、赤外線送信が0.75mA、赤外線受信が0.375mAとなる。このとき、動作時間は32時間となる。赤外線停止割合が1/2の時、消費電流は、赤外線送信が0.5mA、赤外線受信が0.25mAとなる。このとき、動作時間は34.3時間となる。すなわち、本発明により、動作時間の1/4の時間の赤外線送受信を停止させれば2時間、動作時間の1/2の時間の赤外線送受信を停止させれば4.3時間、動作時間を長くすることが可能となる。
図14は、すれ違い時の赤外線送受信を制御するための方式である。
すれ違いは、二者の一方または両方が歩行している時に発生する。また、すれ違いにおいては、二者は完全に真正面ではなく、左右にずれて通り過ぎる。このため、6個の赤外線送受信機(TRIR1、2、3、4、5、6)において、相手側を向いた受信機の方が他の受信機に比べ検出回数は多くなり、かつ、相手側を向いていることにうより相手の名札型センサ端末(TR2)が送信した赤外線を検出可能な距離も長くなる。検出回数については、例えば図14の表のような違いが生じる。
図14においては、ユーザAの名札型センサ端末(TR1)は、ユーザBとのすれ違い時、赤外線送受信機のうちTRIR3、4、6がユーザB側を向いている。よって、ユーザBへの接近において、赤外線送受信機TRIR3、4、6は他の赤外線送受信機より早く赤外線検出が可能である。
加速度センサの値より、ユーザAが歩行中のリズムであると判定され、かつ、赤外線送受信機のうちTRIR3、4、6のいずれかのみにおいて赤外線を受信した場合、他のユーザが自分の右側に位置してすれ違っている、と推定することが可能である。この場合、赤外線送受信機TRIR1、2、5は、このすれ違いを検出しにくい向きにあるため、両者のすれ違い中、赤外線送受信機TRIR1、2、5の赤外線送受信を弱化させることにより、不要な電力消費を削減することができる。
図15は、名札型センサ端末における傾きを3軸加速度成分のzおよびy成分の値を用いる方式である。
図15(A)のように、名札型センサ端末は、直方体に近似する形状である。そのため、静止状態の場合に名札型センサ端末に加わる加速度は、重力加速度のみである。よって、この場合、加速度センサの値は、名札型センサ端末の傾きのみが反映される。x,y,z方向は右手系の3軸であり、名札型センサ端末のy方向が定まれば、それに対応するz方向も一意に定めることができる。すなわち、y成分の値とz成分の値とが互いに従属しているため、y成分の値から、z成分の値を求めることができる。
しかし、名札型センサ端末が着用された場合、人の身体のリズムが反映されるため、常に振動や傾きの変化が生じている。すなわち、加速度センサの3成分の値は単なる傾きではなく、名札型センサ端末に加わっている加速度にも影響される。このため、y成分、z成分のそれぞれの値が完全には互いに従属せず、例えばz方向に名札型センサ端末が動いた場合、加速度のz成分がy成分よりも大きく変化する。このため、名札型センサ端末に対し加速度が頻繁に加わる場合、図15(B)のようにy成分の加速度値のみでは赤外線送受信停止に適切な傾きの判定精度を得ることができないことが生じる。
そこで、y成分およびz成分の両方の値を用いて名札型センサ端末の傾きを判定する。図15(B)において、加速度y成分の値が閾値λy以上であっても、加速度z成分の値が閾値λz以下であれば、図15(C)における名札型センサ端末は必ずしも上向きの赤外線送受信機(TRIR2,3)が赤外線送受信不可能な向きではない。よって、加速度y成分の値が閾値λy以上かつ加速度z成分の値が閾値λz以下の場合に赤外線送受信機(TRIR2,3)に赤外線送受信を停止させると、本来検出可能であった対面の赤外線送受信まで検出されなくなる。
そのため、赤外線送受信機(TRIR2,3)の送受信を停止させるか否かは、加速度y成分が閾値λy以上かつ加速度z成分の値が閾値λz以上の場合、とする。この判定条件を設けることにより、名札型センサ端末に動きがある場合に対し、加速度1成分の値しか用いない時より傾きの検出精度が向上する。
図15(D)における赤外線送受信機(TRIR1,4)についても同様に、y成分およびz成分の両方の値を用いて、その傾きを高精度に検出し、赤外線送受信不可な傾きを判定された場合には、その赤外線送受信を停止させる。
以上により、実際に赤外線送受信不可な向きにある赤外線送受信機を高精度で検出し、その赤外線送受信を停止させ、不要な消費電力を削減することができる。y成分の値のみにより判定する場合は、誤判定率が約40%あったが、z成分の値を含めて判定することにより、誤判定率を約10%まで抑えることができる。すなわち、誤判定を抑える効果を奏することが明らかになった。

Claims (4)

  1. 複数個の赤外線送受信機と加速度センサとを搭載し、赤外線送受信機により他の端末や発信機と赤外線データの送受信を行い対面または近接していることを検出し、前記加速度センサにより動きや傾きを検出するセンサ端末であって、
    前記加速度センサにより取得した加速度データに基づいて複数個の赤外線送受信機の一部またはすべてを制御し、
    複数個の前記赤外線送受信機が、それぞれ異なる方向に配置されており、
    複数個の前記赤外線送受信機のうち、前記赤外線送受信機の配置位置と赤外線を受信した回数から、対面時の前記センサ端末と他のセンサ端末の間の位置関係を推定することを特徴とするセンサ端末。
  2. 請求項1に記載のセンサ端末において、複数個の前記赤外線送受信機の制御が、赤外線送受信の停止、赤外線発光量の弱化、赤外線発光回数の減少、赤外線送信間隔の増大、のいずれか、またはすべてを含むことを特徴とするセンサ端末。
  3. 請求項1に記載のセンサ端末において、前記加速度センサにより検出された前記加速度データより、前記センサ端末が人に着用された状態か否かを判定し、着用されていないと判定された場合には、赤外線送受信を停止することを特徴とするセンサ端末。
  4. 請求項3に記載のセンサ端末において、前記加速度センサにより検出された前記加速度データより、前記センサ端末が人に着用されたことを検出した場合には、赤外線送受信を開始することを特徴とするセンサ端末。
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