JP6043289B2 - 覚醒した患者での閉塞性睡眠時無呼吸の診断のための装置および装置の作動方法 - Google Patents

覚醒した患者での閉塞性睡眠時無呼吸の診断のための装置および装置の作動方法 Download PDF

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Description

本発明は閉塞性睡眠時無呼吸の診断に、詳細には覚醒した患者から該患者における閉塞性睡眠時無呼吸の診断に使うことのできる情報を収集する装置および方法に関する。
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA: obstructive sleep apnea)は、被験者が呼吸しようと努力を続けるにもかかわらず、被験者が睡眠中に気流の減少または完全な停止を経験する状態である。こうした事象は睡眠中に筋が弛緩して、喉の奥の軟組織がつぶれて上気道を塞ぐときに生じる。これは呼吸の部分的な減少(減呼吸として知られる)および完全な一時停止(無呼吸として知られる)につながる。無呼吸事象は、睡眠中に少なくとも10秒にわたって気流が停止することと定義される。減呼吸は、ベースラインに比べて胸腹運動または気流の少なくとも30パーセントの低下があり、少なくとも4パーセントの酸素脱飽和がある状態が少なくとも10秒続く異常な呼吸事象として定義される。たいていの無呼吸事象は10秒から30秒続くが、場合によっては1分以上持続することもある。これは血中酸素飽和度の急激な低下につながり、重篤な場合には酸素レベルが40パーセント以上降下する。
こうした無呼吸事象は、被験者を短時間覚醒させ、それにより正常な呼吸を回復する。こうした無呼吸は夜間に十数ないし数百回起こることがあるので、引き起こされる中断のため被験者は日中非常に疲れている結果となる。
睡眠時無呼吸の一般的な指標は無呼吸・減呼吸指数(AHI: apnea-hypopnea index)である。これは、睡眠1時間当たりに起こる無呼吸および減呼吸の組み合わされた回数を表す数である。次の分類がよく使われる:
AHI<5 OSAなし/健康
5<AHI<15 軽度のOSA
15<AHI<30 中等度のOSA
30<AHI 重度のOSA。
一般に、閉塞性睡眠時無呼吸は睡眠ラボで診断される。しかしながら、睡眠時無呼吸を患うたいていの患者は、決して適正に診断されない。初期診療医はしばしば日中の疲労および貧弱な睡眠の症状を、睡眠剤や同様の薬を処方することによって扱うからである。高い費用と長い待ち時間のため、医師は、患者をすぐ睡眠ラボに送ることはためらうことがある。通例、他のすべての治療の試みが失敗したときに初めて患者は送られ、患者は悪い睡眠と日中の眠気を訴え続けることになる。しかしながら、ひとたびOSAが疑われる患者が睡眠ラボに送られると、OSAは約85%の場合において確証される。
睡眠ラボではOSAは、一夜または数夜にわたって患者が寝ている間に実行される「ポリソムノグラフィー」を援用して診断される。ポリソムノグラフィーは脳電図(EEG: electroencephalogram)、心電図(ECG: electrocardiogram)、眼球運動図(EOG: electroculogram)、筋電図(EMG: electromyogram)および/または呼吸用胸部帯(respiratory chest bands)の使用や鼻気流、血中酸素レベルおよび/または他の生理パラメータの測定に関わることができる。ポリソムノグラフィーには多数のセンサーおよびデバイスが必要とされるので、この手順は患者にとってあまり快適でも便利でもない。
一般に、ポリソムノグラフィー・データにおける無呼吸および減呼吸の事象は、医師がデータの短い区間(ほぼ30秒)を手動で調べてそうした区間の重要性を個々に格付けすることによって識別される。無呼吸事象は、胸郭および腹部の呼吸運動は続いている間の患者の鼻腔を通じた気流の停止(またはほぼ停止すること)によって特徴付けられる。識別される事象の数が計数され、1時間当たりの事象の平均数が患者がOSAをもつかどうかおよびもつとしたらその重篤度の指標として使われる。しかしながら、すべての無呼吸および減呼吸事象を検出して数えるために一晩全体をカバーするデータをスキャンして患者のAHI値を決定するためにはかなりの努力が必要とされる。
患者のいびきの音の調査を伴う、OSAを診断する代替的な技法が提案されている。そのような一つの技法が非特許文献1に記載されている。しかしながら、この技法も、患者が睡眠ラボに赴き、眠っている間にモニタリングを受ける必要がある。
欧州特許出願第10185347.1号 米国特許第6,379,311号 米国特許第7,559,903号 米国特許第6,048,322号 米国特許第6,213,959号 米国仮特許出願第61/361,037号
Ng et al., "Investigation of Obstructive Sleep Apnea Using Nonlinear Mode Interactions in Nonstationary Snore Signals", Annals of Biomedical Engineering, Vol.37, No.9, September 2009, pp.1796-1806 "Eccovision Acoustic Pharyngometry System Operator Manual"、E.Benson Hood Laboratories, Inc.によって刊行 Chest 2011; 139(2): 246-252
したがって、患者が起きている間に使用できる、OSAスクリーニングを診断するためのより効率的な方法および装置が必要とされている。そのような方法および装置は、OSAが疑われるまたはOSAの可能性があるより多くの患者を診断できるようにし、症状について適切な治療を受けるOSA患者の数を増やすであろう。
ある実施形態では、患者における閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の存在を診断する際に使う装置であって、患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示すパラメータを測定するよう構成された感知モジュールを含んでおり、前記パラメータは患者の気道を通じた気流であるとは限られない、装置が提供される。感知モジュールは測定されたパラメータに基づいて一つまたは複数の電気信号を生成する。本装置はまた、感知モジュールに動作上結合されたプロセッサをも含んでおり、前記プロセッサは前記一つまたは複数の電気信号を受け取り、前記一つまたは複数の電気信号の解析を実行し、該解析に基づいて、前記震顫がOSAを示す少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかを判定するよう構成される。
もう一つの実施形態では、患者における閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の存在を診断する際に使う装置であって、(i)患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す第一のパラメータを測定するよう構成された第一の感知モジュールであって、測定された第一のパラメータに基づいて一つまたは複数の第一の電気信号を生成する第一の感知モジュールと、(ii)患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す、前記第一のパラメータとは異なる第二のパラメータを測定するよう構成された第二の感知モジュールであって、測定された第二のパラメータに基づいて一つまたは複数の第二の電気信号を生成する第二の感知モジュールとを含む、装置が提供される。本装置はまた、第一の感知モジュールおよび第二の感知モジュールに動作上結合されたプロセッサをも含んでおり、前記プロセッサは:(i)前記一つまたは複数の第一の電気信号を受け取り、前記一つまたは複数の第一の電気信号の第一の解析を実行し、該第一の解析に基づいて、前記震顫がOSAを示す少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかについての第一の判定をし、(ii)前記一つまたは複数の第二の電気信号を受け取り、前記一つまたは複数の第二の電気信号の第二の解析を実行し、該第二の解析に基づいて、前記震顫がOSAを示す前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかについての第二の判定をし、(iii)少なくとも前記第一の判定および前記第二の判定に基づいて患者がOSAをもつかどうかを判定するよう構成される。
さらにもう一つの実施形態では、患者における閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の存在を診断する方法であって、患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す第一のパラメータを測定する段階と、前記第一のパラメータに基づいて、前記震顫がOSAを示す少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかを判定する段階と、患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示すいかなるパラメータの測定にも基づかない第二の評価方法論を使って患者がOSAの可能性が高いかどうかを評価する段階と、少なくとも前記判定する段階が前記震顫が前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつと判定し、前記評価する段階がその患者がOSAの可能性が高いと判定する場合にのみその患者がOSAをもつと判定する段階とを含む、方法が提供される。
もう一つの実施形態では、患者における閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の存在を診断する方法であって、患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す第一のパラメータを測定する段階であって、前記パラメータは患者の気道を通じた気流ではない、段階と、前記パラメータに基づいて、前記震顫がOSAを示す少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかを判定する段階と、前記判定する段階が前記震顫が前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつと判定する場合にのみその患者がOSAをもつと判定する段階とを含む、方法が提供される。
さらにもう一つの実施形態では、患者における閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の存在を診断する方法であって、患者の呼吸の負荷またはバイアス圧力を変えるよう、患者に対して、所定の量の気流抵抗または大気圧より上または下の圧力のレベルを提供する段階と、前記提供する段階に続いて、患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示すパラメータを測定する段階と、前記パラメータに基づいて、前記震顫がOSAを示す少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかを判定する段階と、前記判定する段階が前記震顫が前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつと判定する場合にのみその患者がOSAをもつと判定する段階とを含む、方法が提供される。
もう一つの実施形態では、患者における閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の存在を診断する方法であって、患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す第一のパラメータを測定する段階と、患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す、前記第一のパラメータとは異なる第二のパラメータを測定する段階と、前記第一のパラメータに基づいて、前記震顫がOSAを示す少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかについての第一の判定をする段階と、前記第二のパラメータに基づいて、前記震顫がOSAを示す前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかについての第二の判定をする段階と、少なくとも前記第一の判定および前記第二の判定に基づいて患者がOSAをもつかどうかを判定する段階とを含む方法が提供される。
本発明のこれらおよびその他の目的、特徴および特性ならびに構造の関係する要素の動作方法および機能ならびに諸部分の組み合わせおよび製造の経済性は、付属の図面を参照して以下の記述および付属の請求項を吟味することで一層明白となるであろう。これら一切は本明細書の一部をなす。同様の参照符号はさまざまな図面において対応する部分を指示する。しかしながら、図面は例解のためであり、本発明の外縁の定義としては意図されていないことははっきりと理解しておくものとする。
患者が覚醒している間に患者から収集される気流データに基づく患者におけるOSAの検出において使用できる例示的な装置の概略図である。 図1の装置によってまたは該装置において実行される動作を示す機能図である。 患者が覚醒している間に患者から収集される、患者の首または喉領域における変調されたインピーダンスの測定に基づくデータに基づく患者におけるOSAの検出において使用できる例示的な装置の概略図である。 患者が覚醒している間に患者から収集される、喉の筋肉の潜在的な変化に基づくデータに基づく患者におけるOSAの検出において使用できる例示的な装置の概略図である。 患者が覚醒している間に患者から収集される、活動測定(actimetry)に基づくデータに基づく患者におけるOSAの検出において使用できる例示的な装置の概略図である。 患者が覚醒している間に患者から収集される、喉の筋肉の潜在的な変化および活動測定(actimetry)の両方に基づく動き/位置データに基づく患者におけるOSAの検出において使用できる例示的な装置の概略図である。 患者が覚醒している間に患者から収集される、超音波測定を用いるデータに基づく患者におけるOSAの検出において使用できる例示的な装置の概略図である。 患者が覚醒している間に患者から収集される、音波生成および検出を用いるデータに基づく患者におけるOSAの検出において使用できる例示的な装置の概略図である。 患者が覚醒している間に患者から収集される、気道音検出を用いるデータに基づく患者におけるOSAの検出において使用できる例示的な装置の概略図である。 ひずみ測定に基づくOSA検出の方法を実装するために使用できる例示的な装置の概略図である。 流体で満たされた嚢(のう)を使うOSA検出の方法を実装するために使用できる例示的な装置の概略図である。 音響咽頭計測を使うOSA検出の方法を実装するために使用できる例示的な装置の概略図である。 誘発電位/神経伝導(evoked potential/nerve conduction)を使うOSA検出の方法を実装するために使用できる例示的な装置の概略図である。 OSAに関連する特徴的な震顫を検出する複数の方法および/または装置を用いるOSAを検出する例示的な装置の概略図である。 OSAに関連する特徴的な震顫を検出することに基づくものとOSAに関連する特徴的な震顫を検出することに基づかないものを含む方法の組み合わせを用いるOSAを検出する例示的な装置の概略図である。 OSAに関連する特徴的な震顫を検出することに基づくものとOSAに関連する特徴的な震顫を検出することに基づかないものを含む方法の組み合わせを用いるOSAを検出する例示的な装置の概略図である。 OSAに関連する特徴的な震顫を検出することに基づく方法を用いるOSAを検出する例示的な装置および流れ負荷添加/制御装置の概略図である。
本稿での用法では、単数形は、文脈が明確にそうでないことを指定するのでない限り、複数の言及を含む。本稿での用法では、二つ以上の部分または構成要素が「結合される」という陳述はそれらの部分が直接的または間接的に、すなわち一つまたは複数の中間部分または構成要素を通じて、一緒にされるまたは一緒に動作することを意味する。つながりが生じさえすればよい。本稿での用法では、「直接結合される」は二つの要素が直接互いに接触していることを意味する。本稿での用法では、「固定的に結合される」または「固定される」は、二つの構成要素が、互いに対する一定の配向を維持しながら一体として動くよう結合されることを意味する。
本稿での用法では、「単体的な(unitary)」はある構成要素が単一片またはユニットとして創り出されることを意味する。すなわち、別個に創り出されてその後ユニットとして一緒に結合される複数の片は「単体的な」構成要素またはボディではない。本稿での用法では、二つ以上の部分または構成要素が互いに「係合する」との陳述は、それらの部分が互いに対して直接的にまたは一つまたは複数の中間部分または構成要素を通じて力を及ぼすことを意味する。本稿での用法では、用語「数」は一または二つ以上の整数(すなわち複数)を意味する。
本稿で用いられる方向に関する句、たとえば限定するものではないが上、下、左、右、上部、下部、前、後およびそれらの派生形は、図面に示される要素の配向に関するものであり、請求項に明示的に記載されているのでない限り請求項に対して限定するものではない。
OSAを患う患者は、覚醒中に上気道(首、舌および/または喉の筋肉)の代償性筋活動(compensatory muscular activation)が増大する。この筋活動は、オトガイ舌筋(GG: genioglossus)において特に顕著であると思われる。オトガイ舌筋は顎から舌に走る人体の筋肉である。GG筋は舌を突き出す(または突出させる)ことを受け持つ主要な筋肉である。この増大した代償性筋活動は筋肉の増大した緊張性(tonic)活動に、吸気中の増大した負圧生成が組み合わさったものの産物であると思われる。
さらに、覚醒中の増大した代償性筋活動は上気道における特徴的な震顫につながる。本発明の被譲渡者によって実行された試験は、前記震顫が、OSAとの関連および非OSA患者との非関連をもつ特定の特徴的な周波数を示すことを判別した。一つのそのような特性周波数は30〜40Hzの範囲にあることが見出されたが、他の範囲も可能である。よって、睡眠障害OSAによって引き起こされる襲撃(assault)の、長引く(lingering)特定的な日中のシグネチャがある。
さらに、本発明の被譲渡者は、増大した筋(たとえばGG)活動から帰結する震顫が呼吸気流を(前記特性周波数(単数または複数)で)変調すると仮定し、特徴的な震顫によって引き起こされる呼吸気流の変調を検出することを含むOSA診断のためのシステムおよび方法を開発した。そのシステムおよび方法は、「Apparatus and Method for Collecting Information」という名称の特許文献1において詳述されている。この出願の開示はここに参照によって組み込まれる。そのシステムおよび方法について、以下でも述べる。
図1は、特許文献1の、患者が覚醒している間に患者から収集されるデータに基づく、患者におけるOSAの検出において使用できる例示的な装置2を示している。この例示的な実施形態では、装置2は、患者による吸気および呼気の間に空気の流れの測定を提供するための、呼吸気流記録器(pneumotachograph)のような気流測定装置4を有する。知られているように、呼吸気流記録器4は、患者が装着することができる鼻マスク、顔マスクまたはマウスピース6と、該鼻マスク、顔マスクまたはマウスピース6に接続された、該鼻マスク、顔マスクまたはマウスピース6を通じて患者によって吸気または呼気される空気の流れを測定して圧力差として出力を提供する呼吸気流計(pneumotachometer)8と、呼吸気流計8に接続され、圧力差出力を電気信号、好ましくはデジタル・サンプルに変換する圧力トランスデューサ10とを有する。
電気信号は呼吸気流記録器4内の圧力トランスデューサ10からプロセッサ12に与えられ、そこで処理されて、患者がOSAのような睡眠に関係した呼吸障害をもつかどうかを判定するために医師によって使用されることができる。プロセッサ12は、その処理の結果の視覚的な指示(患者の診断において医師によって使用される情報および/または実装によっては患者がOSAもしくは他の呼吸障害をもつかどうかの指示など)を提供するディスプレイ14に接続される。プロセッサ12は、呼吸気流記録器4から出力される電気信号をプロセッサ12による処理の前に記憶できるメモリ16にも接続される。メモリ16は、前記電気信号に対してプロセッサ12によって実行された処理の結果(単数または複数)も記憶できる。
図示した実施形態では、プロセッサ12、ディスプレイ14およびメモリ16は、呼吸気流記録器4とは別個のユニットをなす処理ユニット18に含まれている。この場合、呼吸気流記録器4からの電気信号は処理ユニット18内のプロセッサ12に、接続線を介して、WiFi、ブルートゥースなどを使って無線で、または他の任意の好適な手段によって与えられることができる。しかしながら、代替的な実装では、呼吸気流記録器4および処理ユニット18は単一の筐体内に設けられることもできる。いずれの場合も、装置2は好ましくは試験手順の間、患者に不相応な不快さを与えることなく、患者が容易に保持したり身につけたりできる軽量デバイスとして実装される。
図1には示されていないが、装置2(特に処理ユニット18)は、装置2のユーザーがコマンドおよび/または患者固有のデータをプロセッサ12に入力できるようにするためのユーザー・インターフェースおよび/または装置2が外部電源とは独立に動作させられる場合のバッテリーのような内部電源といった、追加的なコンポーネントを含んでいてもよいことは理解されるであろう。
さらに、代替的な実施形態では、呼吸気流記録器4は、鼻カニューレのような気流の測定を提供できる代替手段によって置換されることもできる。
図2は、装置2によってまたは装置2において実行される動作を示す機能図である。第一段階32では、患者が覚醒している間の呼吸中の患者の肺へのおよび患者の肺からの気流を表す電気信号が呼吸気流記録器4から収集される。電気信号は好ましくは、それぞれのサンプリング時点における気流の大きさ(すなわちレート)を表すデジタル・サンプルを含む。上記で示唆したように、第一段階32は患者が覚醒している間に実行される。
気流レートのサンプルはプロセッサ12に渡され、そこで処理されて、患者の呼吸状態に関係する情報を与える。いくつかの実施形態では、この情報は閉塞性睡眠時無呼吸を診断する際に医師を支援するために、医師に呈示される。他の実施形態では、プロセッサ12はさらに、その情報を処理して、患者がOSAをもつかどうかの指示を与えることができる。これは、たとえばディスプレイ14を使って、装置2によって操作者(医師など)に対して出力されることができる。
生のサンプル・データはアーチファクトを含むことがあることが見出されている。アーチファクトはその後の処理段階において実行される解析の品質に影響することがある。よって、生のサンプル・データの品質を評価し、その後の処理段階において使われるべき一つまたは複数の呼吸サイクルのために前記データの部分集合を選択する段階を提供することが望ましい。よって、プロセッサ12によって実行される第一の処理段階は前処理段階であり(図2の段階34)、そこでは生サンプル・データが処理されて、その後の処理段階において使われるべきN個の呼吸サイクル(一呼吸サイクルは相続く吸気および呼気を含む)を識別する。好ましくは、選択されるN個の呼吸サイクルは、患者についての平均呼吸サイクルに最もよく当てはまる呼吸サイクルである。ある個別的な実施形態では、Nは12である。ただし、Nは任意の正の整数値を取ることができる。
例示的な実施形態におけるN個の呼吸サイクルの選択は次のように実行される。第一に、生のサンプル・データが個々の呼吸サイクル、好ましくは個々の吸気および呼気セグメントに分離される。各吸気および呼気の間の遷移点(すなわち、患者が吸気後に吐きはじめる、吸気後に吐きはじめるところ)はサンプル・データにおけるゼロ交差から容易に識別できる。
次に、呼吸サイクルまたは個々の吸気および呼気セグメントが一つまたは複数の基準、たとえば最小長さ、平均長さからの偏差(全体でおよび吸気および呼気セグメントについて別個に)および平均形からの偏差を使ってフィルタ処理される。要求される基準を最もよく満たすN個のサイクルまたはセグメントがプロセッサ12によるさらなる解析のために選択される。
本発明のある実施形態では、患者が試験装置2につながれる時間の長さを減らすため、プロセッサ12は、データが収集される間に前記前処理段階を実行することができ、ひとたびN個の呼吸サイクルのためのデータが収集されたら試験を止めることができるという患者または装置2の他のユーザーに対する指示を提供することができる。
前処理段階後、プロセッサ12は、周波数解析段階36を実行する。ここでは、サンプル・データは周波数領域に変換され、平均周波数スペクトルが計算される。特に、スライディング窓高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)が各個々の呼吸サイクルに適用されて、周波数スペクトルを与える。
いくつかの実装では、スライディング窓FFTは各完全な吸気または呼気セグメントに適用されることができる。あるいはまた、他の実施形態では、スライディング窓FFTは、ピーク気流(すなわち気流レートが極大になるところ)のまわりの、各吸気および呼気セグメントの一部のみに適用される。換言すれば、スライディング窓FFTは、各吸気および呼気の間にピーク気流が生じるところのサンプルにおいておよび該サンプルのまわりで適用される。この狭いスライディング窓アプローチが、プロセッサ12によるその後の解析において使うためによりよいデータセットを提供することが見出された。次いでN個の周波数変換された呼吸サイクルは平均されて吸気および呼気のための別個の平均周波数スペクトルを与える。
OSAのような呼吸障害のある患者についての気流サンプル・データから得られた周波数スペクトルは健康な患者から得られた周波数スペクトルとは異なることが見出された。たとえば、100Hzより下のある種の周波数範囲または帯域、最も顕著には18〜22Hzおよび30〜40Hzの周波数帯において変化が同定された。特に、健康な患者に比べOSAの患者については、30〜40Hzの周波数帯では上昇が、18〜22Hzの周波数帯では低下がある。同様の特徴が平均吸気周波数スペクトルにおいて見出された。
よって、プロセッサ12は、周波数解析処理段階36において決定された周波数スペクトル(単数または複数)から一つまたは複数のパラメータについての値を抽出する。特に、少なくとも一つのパラメータについての値が、100Hzより下の諸周波数をカバーする一つまたは複数の周波数帯における信号から決定される。本発明によれば、特徴抽出段階38においてさまざまな異なるパラメータを抽出することができる。
抽出できる一つのパラメータは、第一の周波数帯、たとえば20〜50Hzまたはより特定的に25〜45Hzまたはさらに特定的に30〜40Hzの範囲における平均呼気(exhalation)周波数振幅(fex30-40と記す)と、第二の周波数帯、たとえば12〜30Hzまたはより特定的に15〜25Hzまたはさらに特定的に18〜22Hzの範囲における平均呼気周波数振幅(fex18-22と記す)との間の差である。パラメータ値はfex30-40−fex18-22によって与えることができ、上記の観察によれば、健康な患者についてのパラメータの値は一般に負であり、一方、OSAの患者については一般に値はより高くなる。こうして、このパラメータの値は、医師または装置2によって、患者がOSAをもつかどうかを診断するために使用できる。当業者は、同様のパラメータについての値が、これらのまたは同様の周波数範囲における平均吸気周波数振幅間の差から得られることを認識するであろう。
抽出できるもう一つのパラメータは、第三の周波数帯、たとえば0〜20Hzまたはより特定的に0〜15Hzまたはさらに特定的に0〜10Hzの範囲における平均呼気周波数振幅(fex0-10と記す)と、同じまたは同様の周波数帯、たとえば0〜20Hzまたはより特定的に0〜15Hzまたはさらに特定的に0〜10Hzの範囲における平均吸気周波数振幅(fin0-10と記す)との間の差である。パラメータ値はfex0-10−fin0-10によって与えることができる。このパラメータの値は健康な患者については一般にゼロに近く、一方、OSAの患者については一般に値はより高くなる。こうして、上記の第一のパラメータと同様に、このパラメータの値は、医師または装置2によって、患者がOSAをもつかどうかを診断するために使用できる。
抽出できるさらなるパラメータは、吸気または呼気についての0〜100Hzの範囲における平均周波数振幅(適宜fin0-100またはfex0-100と記す)と100Hzより上の周波数での「ノイズ」レベルとの間の差である。
当業者は、特定の周波数帯における平均呼気または吸気周波数振幅が、指定された周波数帯における周波数領域信号の振幅を平均することによって周波数解析段階36の出力から得ることができることを理解するであろう。
また、本発明は上記の特定のパラメータの抽出に限定されるものではなく、患者の呼吸状態を特徴付けるために有用な情報が当業者によって容易に考えられることのできるさまざまな他のパラメータから得られることも理解されるであろう。特に、パラメータは、上記で指定した以外の周波数帯から抽出されることができる。さらに、パラメータ(単数または複数)が指定された周波数帯における平均振幅に基づくことは本質的ではない。その周波数帯における周波数スペクトルのプロットの下の面積のような他の数学的演算を使って、または振幅の二乗から、匹敵する結果を導出することができるのである。
周波数領域における信号から一つまたは複数のパラメータについての値を抽出することに加えて、プロセッサ12は、特徴抽出段階38の間に呼吸気流記録器4によって与えられる時間領域サンプル(生データでも前処理段階34のあとのデータでもよい)から他のパラメータについての値を抽出することができる。たとえば、プロセッサ12は、平均呼吸サイクル長および吸気の長さと呼気の長さの平均比といった時間領域の特徴を抽出できる。
ひとたび必要とされるパラメータ値がデータから抽出されたら、プロセッサ12はそれらのパラメータ値を医師または他の医療ケア専門家に、患者に対する診断に到達するために該医師を支援することにおいて使うためにディスプレイ14(またはプリンタで生成された文書のような他の視覚出力)を介して呈示することができ、あるいはプロセッサ12はそれらのパラメータ値を単一の有用なスコア値に組み合わせるさらなる処理段階を実行することもできる。この特徴組み合わせ段階40において、プロセッサ12は複数のパラメータの抽出された値を呼吸障害の診断において支援するために使われることのできる単一のスコアに組み合わせることができる。上記のパラメータのいくつかの値に基づくスコアが、個々のパラメータ値よりも呼吸障害の信頼できる診断においてより有用であることが見出されている。
さらなる諸実施形態では、スコアは、ボディーマス指数(BMI: body-mass index)、年齢、性別、マランパティ(Mallampati)スコア等といった患者に関係した他のパラメータに基づくこともできる。これらのパラメータは患者または操作者によって装置2に手動で入力されることができる。
本発明者らは、上記の特徴的な震顫または上記の特徴的な震顫から帰結する気道構造の体積変化を検出するために使用されうるいくつかの代替的な測定デバイスおよび/または方法を着想した。これらの代替的な感知デバイスおよび/または方法の一つまたは複数は単独で、上記の特徴的な震顫によって引き起こされる呼吸気流の変調を検出する方法との組み合わせで、あるいは任意の組み合わせで、OSA診断および/または評価の精度を改善するために用いられてもよい。
一つのそのような代替的な方法によれば、増大した筋(たとえばGG筋)活動から帰結する震顫が、OSAを患う人における覚醒中の(前記特徴的な周波数(単数または複数)での)喉または顎を横断してのインピーダンスを変調すると仮定されている。図3は、患者が起きている間に患者から収集される、上記の変調されたインピーダンスの検出に基づくデータに基づく患者のOSA検出において使用されることのできる例示的な装置50を示している。この例示的な実施形態では、装置50は源電極52および一つまたは複数の収集電極54を有する。源電極52および収集電極(単数または複数)54は、患者の首または頭部の互いに反対側または分離した表面に選択的に位置されるよう構成される。装置50は、交流(AC)源58、プロセッサ60、メモリ62およびディスプレイ64を収容する主筐体56をも含む。
動作では、小さな交流(たとえば0.5mA未満の100kHzの電流)がAC源58によって生成され、源電極52から収集電極(単数または複数)54に流れるようにされる。電流および/または電圧信号の振幅は、喉の筋肉(たとえばGG筋)の動き(震顫)によって変調される。収集電極54によって収集された電気信号が、プロセッサ60に与えられる。プロセッサ60は、(一つまたは複数のソフトウェア・プログラム・ルーチンを使って)患者がOSAをもつかどうかを判定するために、もしあればOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を識別するために、受領された信号の振幅を調べる。プログラムされたプロセッサ60はディスプレイ64に接続され、ディスプレイ64は処理の結果の視覚的な指示を与える。プロセッサ60はメモリ62にも接続されており、メモリ62が、プロセッサ60による処理に先立って収集電極54によって収集された電気信号を、該電気信号に対してプロセッサ60によって実行された処理の任意の結果(単数または複数)とともに記憶できるようになっている。患者の血流パルスおよび呼吸ならびに他のパラメータも、収集電極54によって収集された信号から別個に検出されてもよく、診断目的で使用されてもよい。例示的な実施形態では、装置50は、試験手順の間、患者に不相応な不快さを引き起こすことなく、患者が容易に保持したり身につけたりできる軽量デバイスとして実装される。図3には示されていないが、装置50(特に筐体56)は、装置50のユーザーがコマンドおよび/または患者固有のデータをプロセッサ60に入力できるようにするためのユーザー・インターフェースおよび/または装置50が外部電源とは独立に動作させられる場合のバッテリーのような内部電源といった、追加的なコンポーネントを含んでいてもよいことは理解されるであろう。
もう一つの代替的な方法によれば、患者がOSAをもつかどうかを判定するために、OSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を識別するために、増大した筋(たとえばGG筋)活動から帰結する震顫が、覚醒中に直接測定されることができると仮定されている。この方法では、OSAをもつかどうかを判定に関連する特徴的な変調を検出するために、気道筋運動神経電位変化(すなわち、筋細胞によって生成される電位変化)が筋電図(EMG)感知技法を用いて検出される。図4は、患者が起きている間に患者から収集される、喉の筋電位変化の検出に基づくデータに基づく患者のOSA検出において使用されることのできる例示的な装置70を示している。この例示的な実施形態では、装置70は、首および/または頭部の諸位置(たとえば、下顎のすぐ下の首の左右の側および/または首の下部の前後、顎の左右の側、顎の下にキャンターされ(cantered)顔または首の表面上に戻り電極を置くなど)に選択的に配置されるよう構成されている二つ以上の表面電極を有するEMGセンサー72を有する。EMGセンサー72は、オトガイ舌筋(GG)筋肉または気道および頭部の他の関係する神経または筋肉の舌下神経(CN XII)活性化を示すEMG信号を検出する。たった今述べた表面電極の代替として、より侵襲的ではあるが、EMGセンサー72は、筋内EMGを測定するために筋組織中に挿入されるよう適応された針電極を有していてもよい。図4に見られるように、装置70は、プロセッサ76、メモリ78およびディスプレイ80を収容する主筐体74をも含む。
動作では、EMGセンサー72によって収集されたEMG信号がプロセッサ76に与えられる。プロセッサ76は、(一つまたは複数のソフトウェア・プログラム・ルーチンを使って)患者がOSAをもつかどうかを判定するために、もしあればOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))をEMG信号中に識別するために、信号を調べる(EMG信号はすべての近隣の筋活動からの筋電位信号の集合であるので、特徴的な周波数は信号エネルギーの少なくとも一部の反復的な変調となる)。プロセッサ76はディスプレイ80に接続され、ディスプレイ80は処理の結果の視覚的な指示を与える。プロセッサ76はメモリ78にも接続されており、メモリ78が、プロセッサ76による処理に先立つEMG信号を、該EMG信号に対してプロセッサ76によって実行された処理の任意の結果(単数または複数)とともに記憶できるようになっている。例示的な実施形態では、装置70は、試験手順の間、患者に不相応な不快さを引き起こすことなく、患者が容易に保持したり身につけたりできる軽量デバイスとして実装される。図4には示されていないが、装置70(特に筐体74)は、装置70のユーザーがコマンドおよび/または患者固有のデータをプロセッサ76に入力できるようにするためのユーザー・インターフェースおよび/または装置70が外部電源とは独立に動作させられる場合のバッテリーのような内部電源といった、追加的なコンポーネントを含んでいてもよいことは理解されるであろう。
もう一つの代替的な方法によれば、患者がOSAをもつかどうかを判定するために、OSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を識別するために、増大した筋(たとえばGG筋)活動から帰結する震顫が、覚醒中に活動測定(actimetry)(活動記録法(actigraphy)としても知られる)を使って直接測定される。より特定的には、この方法では、特徴的な変調を識別するために、首の動きをモニタリングするために活動測定が使われる。図5は、患者が起きている間に患者から収集される、活動測定を用いるデータに基づく患者のOSA検出において使用されることのできる例示的な装置90を示している。この例示的な実施形態では、装置90は、呼吸筋の震顫動きを検出するために首および/または頭部の諸位置に選択的に配置されるよう構成されている一つまたは複数の活動測定センサー92を有する。例示的な実施形態では、活動測定センサー92のそれぞれは、外部振動に起因するもののような望ましくない信号をフィルタ除去するフィルタに結合された、圧電または他の電子式もしくは光学式の加速度計を有する。活動測定センサー(単数または複数)92は、首、舌および/または喉の筋肉(たとえばオトガイ舌筋(GG)筋肉)の動きを示す電気信号を生成する。図5に見られるように、装置90は、プロセッサ96、メモリ98およびディスプレイ100を収容する主筐体94をも含む。
動作では、活動測定センサー92によって生成された電気信号がプロセッサ96に与えられる。プロセッサ96は、(一つまたは複数のソフトウェア・プログラム・ルーチンを使って)患者がOSAをもつかどうかを判定するために、もしあればOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を信号中に識別するために、信号を調べる。プロセッサ96はディスプレイ100に接続され、ディスプレイ100は処理の結果の視覚的な指示を与える。プロセッサ96はメモリ98にも接続されており、メモリ98が、プロセッサ96による処理に先立って活動測定センサー92によって生成された電気信号を、活動測定センサー92によって生成された電気信号に対してプロセッサ96によって実行された処理の任意の結果(単数または複数)とともに記憶できるようになっている。例示的な実施形態では、装置90は、試験手順の間、患者に不相応な不快さを引き起こすことなく、患者が容易に保持したり身につけたりできる軽量デバイスとして実装される。図5には示されていないが、装置90(特に筐体94)は、装置90のユーザーがコマンドおよび/または患者固有のデータをプロセッサ96に入力できるようにするためのユーザー・インターフェースおよび/または装置90が外部電源とは独立に動作させられる場合のバッテリーのような内部電源といった、追加的なコンポーネントを含んでいてもよいことは理解されるであろう。
図6は、患者が起きている間に患者から収集される、喉の筋電位変化および活動測定の両方に基づくデータに基づく、患者のOSA検出において使用されることのできる例示的な装置70′を示している。装置70′は図4に示した装置70と同様であり、よって同様の構成要素は同様の参照符号でラベル付けされている。この実施形態において、EMGセンサー72によって収集されたEMG信号は、もしあればOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を識別するために本稿の他所で述べたように調べられ、活動測定センサー92によって生成された電気信号は、EMG信号から望まれない動き関係のアーチファクトを除去するために解析され、利用される。
さらにもう一つの代替的な方法によれば、患者がOSAをもつかどうかを判定するために、OSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を識別するために、増大した筋(たとえばGG筋)活動から帰結する震顫が、覚醒中に超音波寸法測定を使って直接測定される。筋肉の組織厚測定は、心臓壁の厚さが心臓病学において使われるのと同様に無呼吸を示すことができる、および/またはオトガイ舌筋および/または他の気道開放筋の、主題(subject)に特徴的な動き(たとえば30〜40Hzの動き)を検出するために筋寸法(muscle dimensions)が動的に測定されることができる。舌または喉または他の気道構造のサイズの動きは、上気道の増大した代償性筋活動によって引き起こされる変調を検出するのと同じ仕方で測定されてもよい。
図7は、患者が起きている間に患者から収集される、超音波測定を用いるデータに基づく患者のOSA検出において使用されることのできる例示的な装置110を示している。この例示的な実施形態では、装置110は、超音波トランスデューサ・プローブ112を有する。これは、当技術分野においてよく知られているように、身体を通過する超音波を放出し、超音波が体内のオブジェクトに当たったときに引き起こされる戻りエコーを検出するよう構成されている。これらの戻りエコーが、それらのオブジェクトのサイズ、形およびプローブからの距離を識別するために使われる。通例、超音波トランスデューサ・プローブ112が簡単に滑動できるようにし、体内への音波の伝達を増大させるために、スキャンしなければならない内部構造の上にある皮膚の領域を潤滑させるよう、ジェルが塗布される。
例示的な実施形態では、超音波トランスデューサ・プローブ112は首、舌および/または喉の筋肉(たとえばオトガイ舌筋(GG)筋肉)の寸法(dimensions)および動きを示す電気信号を生成する。図7に見られるように、装置110は、プロセッサ116、メモリ118およびディスプレイ120を収容する主筐体114をも含む。
動作では、返ってきた音波(エコー)に基づいて超音波トランスデューサ・プローブ112によって生成された電気信号がプロセッサ116に与えられる。プロセッサ116は、(一つまたは複数のソフトウェア・プログラム・ルーチンを使って)患者がOSAをもつかどうかを判定するために、もしあればOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を信号中に識別するために、信号を調べる。プロセッサ116はディスプレイ120に接続され、ディスプレイ120は処理の結果の視覚的な指示を与える。プロセッサ116はメモリ118にも接続されており、メモリ118が、プロセッサ116による処理に先立って超音波トランスデューサ・プローブ112によって生成された電気信号を、超音波トランスデューサ・プローブ112によって生成された電気信号に対してプロセッサ116によって実行された処理の任意の結果(単数または複数)とともに記憶できるようになっている。例示的な実施形態では、装置110は、試験手順の間、患者に不相応な不快さを引き起こすことなく、患者が容易に保持したり身につけたりできる軽量デバイスとして実装される。図7には示されていないが、装置110(特に筐体114)は、装置110のユーザーがコマンドおよび/または患者固有のデータをプロセッサ116に入力できるようにするためのユーザー・インターフェースおよび/または装置110が外部電源とは独立に動作させられる場合のバッテリーのような内部電源といった、追加的なコンポーネントを含んでいてもよいことは理解されるであろう。
装置110は、OSAに関連する気道の特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を検出するために、超音波速度測定を行うために使われてもよい。舌の表面または内部の特徴の速度は、本稿に記載される主題となる震顫動きに特徴的な振動をもつであろう。舌または喉または他の気道構造の動きは、上気道の増大した代償性筋活動によって引き起こされる変調を検出するために、超音波を使って測定されてもよい。特に、超音波トランスデューサ・プローブ112は、超音波パルスを放出して、結果として生じる反射を収集するために使われてもよい。OSAを診断するために、オトガイ舌筋および/または他の気道開放筋の特徴的な動き(たとえば30〜40Hzの動き)を検出するために、ドップラー・ベースの動き測定が使われる。
さらにもう一つの代替的な方法によれば、患者がOSAをもつかどうかを判定するために、OSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を識別するために、増大した筋(たとえばGG筋)活動から帰結する震顫が、覚醒中に音生成および検出を使って測定される。より具体的には、この方法では、特定のトーン(tone)またはより複雑な波形をもつ音生成器を使って患者の喉の中に向けて音を放出する。もとの音に応答して患者によって放出される音が検出され、放出される音と検出される音との間の変化が、OSAに関連する特徴的な変調があるかどうかを判定するために、解析される。
図8は、患者が起きている間に患者から収集される、たった今述べた音生成および検出を用いるデータに基づく患者のOSA検出において使用されることのできる例示的な装置130を示している。この例示的な実施形態では、装置130は、音放出器134および音検出器136を含む音モジュール132を有する。音放出器134は、(特定のトーンまたはより複雑な波形をもつ)(可聴)音の(sonic)、音より低い(subsonic)または超音波の(ultrasonic)音波を放出するよう構成される装置であり、たとえば、限定するわけではないが、小型のオーディオ・スピーカーおよび較正されたマイクロホンまたは業務用の室内オーディオ解析器(これはチャンバまたは部屋の吸音または共鳴属性を検出するために静的または時間変動するトーン(単数または複数)を放出する)と同様の構成を有していてもよい。音検出器136は、音放出器134によって生成された音に応答して患者によって生成される音を検出するよう構成された装置であり、たとえば、限定するわけではないが、マイクロホンを有していてもよい。さらに、音モジュール132は、口の外部付近または口もしくは喉の中に選択的に位置されるよう、あるいは選択的に患者の喉を通って咽頭領域中に挿入されるよう構成される。記述されたように位置されたとき、音検出器136は気道の一つまたは複数のチャンバの共鳴を検出するよう構成される。さまざまな選択されたオーディオ放出の呈示は、呼吸系のさまざまな部分を「探査する」ために使われてもよい。一例として、口腔の共鳴周波数は、より長くより狭い気管や一層狭い気管支の通路とは異なる。気管の少なくとも一つの共鳴周波数に近い放出音を選択することにより、システムは、気管の動きまたは寸法変化に対してより敏感になり、気管支の通路または口腔の動きや寸法変化にはそれほど敏感でなくなる。図8に見られるように、装置130は、プロセッサ140、メモリ142およびディスプレイ144を収容する主筐体138をも含む。
患者の口または気管の空洞は、本稿の他所で述べた気道筋の特徴的な震顫によって変調されると期待される。結果として、もとの音に応答して患者によって放出される音の共鳴周波数の振幅は、震顫によって引き起こされる気道の寸法の小さな変化によって変調される。よって、動作では、音放出器134は本稿の他所で述べた音を放出するようにされ、音検出器136がそれに応答して患者によって生成される音を検出する。音検出器136によって生成された音信号がプロセッサ140に与えられる。プロセッサ140は、もしあればOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を信号から(かつもともと放出された音に基づいて)識別するために、信号を調べる。プロセッサ140はディスプレイ144に接続され、ディスプレイ144は処理の結果の視覚的な指示を与える。プロセッサ140はメモリ142にも接続されており、メモリ142が、プロセッサ140による処理に先立って音検出器136によって生成された音信号を、プロセッサ140によって実行された処理の任意の結果(単数または複数)とともに記憶できるようになっている。例示的な実施形態では、装置130は、試験手順の間、患者に不相応な不快さを引き起こすことなく、患者が容易に保持したり身につけたりできる軽量デバイスとして実装される。図8には示されていないが、装置130(特に筐体138)は、装置130のユーザーがコマンドおよび/または患者固有のデータをプロセッサ140に入力できるようにするためのユーザー・インターフェースおよび/または装置130が外部電源とは独立に動作させられる場合のバッテリーのような内部電源といった、追加的なコンポーネントを含んでいてもよいことは理解されるであろう。
もう一つの代替的な方法によれば、患者がOSAをもつかどうかを判定するために、OSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を識別するために、増大した筋(たとえばGG筋)活動から帰結する震顫が、気道音を検出することにより、覚醒中に測定される。より具体的には、(患者が呼吸する間に)気道を通じて進む空気の音が本稿の他所で述べたOSAに関連する特徴的な筋運動によって変調される。呼吸する際に空気が気道を通るにつれて、被験者の動きによって引き起こされる喉の寸法のわずかな変化によって乱流が変化させられるからである。この方法は、呼吸する音のOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を検出するために一般的な信号処理方法を用いる。
図9は、患者が起きている間に患者から収集される、たった今述べた気道音検出を用いるデータに基づく患者のOSA検出において使用されることのできる例示的な装置150を示している。この例示的な実施形態では、装置150は、呼吸する間に患者によって生成される気道音を検出するよう構成されており、たとえば、限定するものではないが、マイクロホンを含んでいてもよい音検出器152を含む。さらに、音検出器152は、口の外部付近または口もしくは喉の中に選択的に位置されるよう、あるいは患者の喉を通って咽頭領域中に選択的に挿入されるよう構成される。図9に見られるように、装置150は、プロセッサ156、メモリ158およびディスプレイ160を収容する主筐体154をも含む。
動作では、音検出器152は呼吸する間に患者によって生成される気道音を検出する。音検出器152によって検出される音信号はプロセッサ140に与えられる。該プロセッサは、もしあればOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を信号から識別するために、信号を調べる。プロセッサ156はディスプレイ160に接続され、ディスプレイ160は処理の結果の視覚的な指示を与える。プロセッサ156はメモリ158にも接続されており、メモリ158が、プロセッサ156による処理に先立って音検出器152によって検出された音信号を、プロセッサ156によって実行された処理の任意の結果(単数または複数)とともに記憶できるようになっている。例示的な実施形態では、装置150は、試験手順の間、患者に不相応な不快さを引き起こすことなく、患者が容易に保持したり身につけたりできる軽量デバイスとして実装される。図9には示されていないが、装置150(特に筐体154)は、装置150のユーザーがコマンドおよび/または患者固有のデータをプロセッサ156に入力できるようにするためのユーザー・インターフェースおよび/または装置150が外部電源とは独立に動作させられる場合のバッテリーのような内部電源といった、追加的なコンポーネントを含んでいてもよいことは理解されるであろう。
さらにもう一つの代替的な方法によれば、患者がOSAをもつかどうかを判定するために、OSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を識別するために、増大した筋(たとえばGG筋)活動から帰結する震顫が、それによって引き起こされるひずみを検出することにより、覚醒中に測定される。図10は、そのようなOSA検出方法を実装するために使用できる例示的な装置170を示している。装置170は、首、舌および/または喉の筋肉(たとえばオトガイ舌筋(GG)筋肉)によって引き起こされる動きを、そのような動きによって引き起こされるひずみを検出することによって検出するよう構成されたひずみ検出器172を含む。例示的な実施形態では、ひずみ検出器172は、たとえば、限定するわけではないが、ポリマー材料、スチールまたは他の金属、弾性材料またはファイバー複合材料からできた柔軟な基板174に一つまたは複数のひずみゲージ176が取り付けられているものを有する。柔軟な基板174は、その長さにわたってまたはその両端で接着剤または機械的な保持機構によって頭および/または首の他の皮膚または構造に対してまたは口の内部に固定されるよう構成される。各ひずみゲージ176はたとえば、箔ひずみゲージであってもよいが、他の型のひずみゲージを用いてもよい。当技術分野において知られているように、典型的な箔ひずみゲージは、金属箔パターンを支持する絶縁性の柔軟な裏打ち材からなる。ひずみゲージが取り付けられるオブジェクトが変形させられると、箔が変形し、その抵抗が変化する。通例ホイートストン・ブリッジを使って測定されるこの抵抗変化が、ゲージ因子として知られる量によって、ひずみに変換される。図10に見られるように、装置170は、プロセッサ180、メモリ182およびディスプレイ184を収容する主筐体178をも含む。
動作では、首、舌および/または喉の筋肉によって引き起こされた動きに応答して各ひずみゲージによって生成される電気的なひずみ信号がプロセッサ180に与えられる。プロセッサ180は、(一つまたは複数のソフトウェア・プログラム・ルーチンを使って)もしあればOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を信号から識別するために、前記ひずみ信号を調べる。プロセッサ180はディスプレイ184に接続され、ディスプレイ184は処理の結果の視覚的な指示を与える。プロセッサ180はメモリ182にも接続されており、メモリ182が、プロセッサ180による処理に先立つひずみ信号を、プロセッサ180によって実行された処理の任意の結果(単数または複数)とともに記憶できるようになっている。例示的な実施形態では、装置170は、試験手順の間、患者に不相応な不快さを引き起こすことなく、患者が容易に保持したり身につけたりできる軽量デバイスとして実装される。図10には示されていないが、装置170(特に筐体178)は、装置170のユーザーがコマンドおよび/または患者固有のデータをプロセッサ180に入力できるようにするためのユーザー・インターフェースおよび/または装置170が外部電源とは独立に動作させられる場合のバッテリーのような内部電源といった、追加的なコンポーネントを含んでいてもよいことは理解されるであろう。
さらに、装置170または本稿に記載される他の実施形態に関連して、望まれないアーチファクトを除くよう患者の頭および体の動きを拘束するために、限定するわけではないが顎載せ台(chin rest)のようなさまざまな拘束器具が使用されてもよい。また、仰向けまたは直立ポジションのようなさまざまな異なる患者姿勢が、本稿に記載されるさまざまな実施形態においてなされる測定の信号対雑音にとって、あるいは測定される効果を高めたり減衰させたりするために、有益でありうる。
さらにもう一つの代替的な方法によれば、患者がOSAをもつかどうかを判定するために、OSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を識別するために、増大した筋(たとえばGG)活動から帰結する震顫が、嚢(bladder)からの流体の体積または排除量(displacement)の体積変化を検出することによって、覚醒中に測定される。図11は、そのようなOSA検出方法を実装するために使用できる例示的な装置190を示している。図示した実施形態では、装置190は、貯留部194に流体的に結合された、流体(すなわち空気または液体)で満たされた嚢192を含んでいる。嚢192にはセンサー196が動作上結合されており、作用する力の結果として嚢192から貯留部194中に排除される流体の量を測定するよう構成されている。この実施形態では、嚢と貯留部との間の流れセンサーまたは貯留部内の圧力センサーが、嚢の体積の変動をモニタリングするために使用されてもよい。この体積が首および内部筋肉の動きによって変調される。ある代替的な実施形態では、貯留部194は存在せず、センサー196が、作用する力の結果としての嚢192の体積変化を測定するよう構成される。この実施形態では、センサー196は圧力センサーであってもよい。嚢192が比較的薄く、たとえば下顎のすぐ下の首の輪郭に密に一致し、体から離れた外側表面がより剛性またはより厚いならば、喉表面の動きは、嚢内の圧力の小さなゆらぎに変換され、これがセンサー196によって感知されてもよい。
図11に見られるように、装置190は、プロセッサ200、メモリ202およびディスプレイ204を収容する主筐体198をも含む。
動作では、嚢192(およびもしあれば貯留部194)は患者の下顎の下に、首に沿って/のまわりに、あるいは口の中に配置される(一つまたは複数のストラップのような好適な取り付け手段が用いられてもよい)。嚢192がそのように位置されると、首、舌および/または喉の筋肉の動きによって引き起こされた力が嚢192に作用し、流体の一部が排除されてもしあれば貯留部194中に移行するか、嚢の容積が変化する。これがセンサー196によって感知され、センサー196によって生成される電気信号がプロセッサ200に与えられる。プロセッサ200は、(一つまたは複数のソフトウェア・プログラム・ルーチンを使って)もしあればOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を信号から識別するために、信号を調べる。プロセッサ200はディスプレイ204に接続され、ディスプレイ204は処理の結果の視覚的な指示を与える。プロセッサ200はメモリ202にも接続されており、メモリ202が、プロセッサ200による処理に先立つセンサー信号を、プロセッサ200によって実行された処理の任意の結果(単数または複数)とともに記憶できるようになっている。例示的な実施形態では、装置190は、試験手順の間、患者に不相応な不快さを引き起こすことなく、患者が容易に保持したり身につけたりできる軽量デバイスとして実装される。図11には示されていないが、装置190(特に筐体198)は、装置190のユーザーがコマンドおよび/または患者固有のデータをプロセッサ200に入力できるようにするためのユーザー・インターフェースおよび/または装置190が外部電源とは独立に動作させられる場合のバッテリーのような内部電源といった、追加的なコンポーネントを含んでいてもよいことは理解されるであろう。
もう一つの代替的な方法によれば、患者がOSAをもつかどうかを判定するために、OSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を識別するために、増大した筋(たとえばGG筋)活動から帰結する震顫が、音響咽頭計測(acoustic pharyngometry)を使って、覚醒中に測定される。当技術分野で知られているように、音響咽頭計測は、患者が呼吸している間に声門を過ぎた口気道(oral airway)の寸法を決定する動的試験である。特に、音響咽頭計測は、吸気中の患者の上気道の少なくとも一部の断面積を測定するために音響反射技法を使う。
図12は、OSA検出のそのような音響咽頭計測法を実装するために使用できる例示的な装置210を示している。装置210は、音パルスを生成する音源と、音を検出する二つのマイクロホンと、波管部(wave tube portion)と、該波管部に結合されたマウスピースとを有する咽頭計212を含む。装置210はまた、プロセッサ216、メモリ218およびディスプレイ220を収容する主筐体214をも含む。動作では、咽頭計212が連続的に音パルスを音源から波管部に沿って、マウスピースを通じて患者の気道中に伝搬させる。入射音波が患者の気道に沿って進行するにつれて、気道内での音響インピーダンスの軸方向勾配のため反射波が生成される。入射音信号および反射音信号の両方が咽頭計212内のマイクロホンによって記録される。これらの信号はプロセッサ216に出力される。プロセッサ216は、既知の技法を使って、患者の気道の長さの少なくとも一部に沿って、患者の気道の断面積を決定するためにこれらの信号を使う。プロセッサ216による気道からの入射および反射音波の処理は、管腔を表す面積距離曲線を与え、それから患者の上気道の極小断面積および体積が導出できる。音響咽頭計およびその動作のより詳細な議論は非特許文献2を参照されたい。その内容はここに参照によって組み込まれる。咽頭計212としての使用に好適な咽頭計の一例は、商標「Eccovision Acoustic Pharyngometry System」のもとにフード・インダストリーズ社によって製造される装置である。しかしながら、一マイクロホン咽頭計を含め他の咽頭計装置を本発明において使うこともできることは理解しておくものとする。
本実施形態のあるさらなる側面によれば、たった今述べたようにしてプロセッサ216が患者の上気道の動的な状態の測定を行ったのち、プロセッサ216はさらにそれらの測定結果を解析して、それから気道の一点、一組の点または長さ全体にわたって患者の気道の寸法がOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))に従って変動しているかどうかを判定する。プロセッサ216はディスプレイ220に接続され、ディスプレイ220は処理の結果の視覚的な指示を与える。プロセッサ216はメモリ218にも接続されており、メモリ218が、プロセッサ216による処理に先立つ寸法測定結果を、プロセッサ216によって実行された処理の任意の結果(単数または複数)とともに記憶できるようになっている。例示的な実施形態では、装置210は、試験手順の間、患者に不相応な不快さを引き起こすことなく、患者が容易に保持したり身につけたりできる軽量デバイスとして実装される。図12には示されていないが、装置210(特に筐体214)は、装置210のユーザーがコマンドおよび/または患者固有のデータをプロセッサ216に入力できるようにするためのユーザー・インターフェースおよび/または装置210が外部電源とは独立に動作させられる場合のバッテリーのような内部電源といった、追加的なコンポーネントを含んでいてもよいことは理解されるであろう。
さらに、プロセッサ216と協働して咽頭計212によってなされる患者上気道の測定は、当技術分野において知られているいくつもの方法論のいずれかに従ってOSAを示すと見出されている気道寸法特性を(本稿に記載される特徴的な震顫に基づかずに)検出するために、別個に調べられてもよい。そのような方法論の一つが、「Breathing Disorder Prescreening Device and Method」と題する本発明の被譲渡者に譲渡されたGaumondらに対する特許文献2に記載されている。その開示はここに参照によって組み込まれる。
もう一つの代替的な方法によれば、増大した筋(たとえばGG筋)活動から帰結する震顫が、OSAを患う人における覚醒中の(前記特徴的な周波数(単数または複数)での)喉または顎を横断してのインピーダンスを変調し、それが誘発電位/神経伝導を使って検出/測定される。誘発電位/神経伝導は、針電極によって標的神経の近くまたは内部に配置される神経電位感知電極に関わり、第二の電極または機械的刺激電力が前記標的神経または上流の神経(すなわち、感知される標的神経を神経刺激する別の神経部位)を刺激するために適用される。前記刺激に応答して発火する標的神経の反応時間、発火レートまたは振幅が、誘発電位測定において測定され、伝搬時間および/または前記刺激に対する標的神経の反応の強度が神経伝導測定において測定される。この実施形態では、誘発電位は、個々の神経または神経の群の発火レートにおいて30〜40Hz(または他の特徴的な周波数)を探すことによって、GG筋または患者の首、舌および/または喉の他の筋肉の特徴的な震顫/動きを測定するために使用されうる。GG筋または患者の首、舌および/または喉の他の筋肉の疲労に関係した動きは、測定されたレートに変調を誘発する。OSA襲撃に起因する潜在的な疲労がGG筋または患者の首、舌および/または喉の他の筋肉および/または接続された神経にまたはそれらに沿って伝送される神経パルスの反応時間または強度を変えることを実証するために、神経伝導が使用できる。
図13は、患者が起きている間に患者から収集される、誘発電位/神経伝導に基づくデータに基づく患者のOSA検出において使用されることのできる例示的な装置222を示している。この例示的な実施形態では、装置222は一つまたは複数の刺激電極223および一つまたは複数の感知電極224を有する。装置222は、前記一つまたは複数の刺激電極223を駆動する電源226、プロセッサ227、メモリ228およびディスプレイ229を収容する主筐体225をも含む。
動作では、前記一つまたは複数の刺激電極223が標的神経または上流の神経を刺激するようにされ、標的神経の反応が前記一つまたは複数の感知電極224によって測定される。前記一つまたは複数の感知電極224によって収集された電気信号が、プロセッサ227に与えられる。プロセッサ227は、誘発電位が用いられる場合には、前記刺激に応答して発火する標的神経の反応時間、発火レートまたは振幅を決定し、神経伝導が用いられる場合には、前記刺激に対する標的神経の伝搬時間および/または反応の強度が測定される。次いでプロセッサ227は、患者がOSAをもつかどうかを判定するために、もしあればOSAに関連する特徴的な変調(たとえば30〜40Hzまたは他の何らかの周波数範囲(単数または複数))を識別するために、それらのパラメータを(一つまたは複数のソフトウェア・プログラム・ルーチンを使って)解析する。プログラムされたプロセッサ227はディスプレイ229に接続され、ディスプレイ229は処理の結果の視覚的な指示を与える。プロセッサ227はメモリ228にも接続されており、メモリ228が、プロセッサ227による処理に先立って前記一つまたは複数の感知電極224によって収集された電気信号を、該電気信号に対してプロセッサ227によって実行された処理の任意の結果(単数または複数)とともに記憶できるようになっている。
このように、本稿では、OSAに関連する増大した筋(たとえばGG筋)活動から帰結する特徴的な震顫を検出することによってOSAを検出するためのいくつもの異なる装置および方法が記載されてきた。さらなる実施形態では、向上した精度でOSAを検出するために、これらの方法および/または装置の二つ以上が組み合わせて使用される。図14は、本稿に記載される特徴的な震顫を検出する複数の方法および/または装置を用いるOSA検出のための例示的な装置230を示している。装置230は、第一の特徴的震顫に基づく感知モジュール232Aと、第二の特徴的震顫に基づく感知モジュール232Bとを含んでいる。第一の特徴的震顫に基づく感知モジュール232Aは、図1および図3〜図12との関連で本稿で述べた感知モジュールのいずれであってもよく、よって流れ測定装置4(図2)、電極52および54(図3)、EMGセンサー72(図4)、活動測定センサー92(図5)、EMGセンサー72および活動測定センサー92(図6)、超音波トランスデューサ・プローブ112(図7)、音モジュール132(図8)、音検出器152(図9)、ひずみ検出器172(図10)、嚢192およびセンサー196を含む嚢システム(図11)、咽頭計212(図12)、刺激電極223および感知電極224(図13)であってもよい。第二の特徴的震顫に基づく感知モジュール232Bは、第一の特徴的震顫に基づく感知モジュール232Aと異なるものなら、たった今述べた感知モジュールのいずれであってもよい。装置230はプロセッサ236、メモリ238およびディスプレイ240を収容する主筐体234をも含む。
動作では、第一および第二の特徴的震顫に基づく感知モジュール232A、232Bは、本稿で述べたような測定を行い、プロセッサ236と連携して、(やはり本稿で述べたように)それらの測定に基づいて特徴的震顫が識別できるかどうかを判定する。次いでプロセッサ236はその処理に基づいてOSAが存在するかどうかを判定する。ある、限定しない実施形態では、プロセッサ236は、第一および第二の特徴的震顫に基づく感知モジュール232A、232B両方によってなされた測定に基づいて特徴的震顫が識別できる場合にのみOSAが存在すると判定する。さらに、図14には特徴的震顫に基づく感知モジュール232が二つしか示されていないが、それは単に例であって、二つより多くのそのようなモジュールが用いられてもよいことは理解されるであろう。そのような場合、プロセッサ236は、特徴的震顫に基づく感知モジュールすべてによってなされた測定に基づいて特徴的震顫が識別できる場合にのみOSAが存在すると判定してもよい。あるいはまた、プロセッサ236は、特徴的震顫に基づく感知モジュールのうち何らかの所定の百分率または割合(たとえばそれらのモジュールの少なくとも2分の1または3分の2)によってなされた測定に基づいて特徴的震顫が識別できる場合にOSAが存在すると判定してもよい。
さらに、本稿で述べるようにOSAに関連する増大した筋(たとえばGG)活動から帰結する特徴的震顫を検出するために単に周波数解析を使うのではなく、無呼吸シグネチャを検出するために、限定するものではないが、振幅、面積および/または時間的もしくは逐次的パターンの解析といった、他の型の波形/信号解析を使うこともできる。
さらなる実施形態では、向上した精度でOSAを検出するために、OSAに関連する増大した筋(たとえばGG筋)活動から帰結する特徴的な震顫を検出することによってOSAを検出するための方法および/または装置の一つまたは複数が、特徴的震顫を検出することに基づかないOSA検出方法と組み合わせて使用されてもよい。
図15は、たった今述べた組み合わせを用いるOSA検出のための例示的な装置250を示している。装置250は、本稿の他所で述べた、特徴的震顫に基づく感知モジュール232を含む。装置250はまた、「Breathing Sound Analysis For Detection of Sleep Apnea/Popnea Events」と題するMoussavi et al.への特許文献3に記載されるような音響OSA検出方法をも用いる。この文献の開示はここに参照によって組み込まれる。特許文献3においてより詳細に述べられているように、記載される方法は、被験者が仰向けまたはまっすぐ座っているときに呼吸している間の首下部(すなわち胸骨上切痕)の壁を通じて伝達される音を使い、特に、150〜800Hzの周波数範囲における呼吸関係の音を処理する。それに関連して、装置250はさらに、収集器モジュール252を含む。図15に見られるように、収集器モジュール252は、気道音を記録する気道マイクロホン254と、通常のSaO2データまたは他の酸素計測データを収集する酸素計測センサー256(たとえば、患者の指に配置されるよう構成された既知の光学ベースのセンサー)と、環境音を記録する外部マイクロホン258とを含む。特許文献3に記載されるように、気道マイクロホン254は、胸骨上切痕上に配置されるチャンバ内にマウントされるマイクロホンまたは耳内部の無線マイクロホンをもつ首バンドを有していてもよい。上記三つのセンサーが、音信号およびSaO2データの同時データ取得を許容する。装置250はまた、プロセッサ262、メモリ264およびディスプレイ266を収容する主筐体260をも含む。
やはり特許文献3に詳細に述べられているように、プロセッサ262は記録された音をノイズ除去し、いびきの音を分離し、音響的に流れを推定し、無呼吸および/または減呼吸エピソードを検出し、無呼吸および/または減呼吸エピソードの継続時間および頻度を計数する。より具体的には、音信号の信号処理は三つの段階をもつ。第一に、自動化されたアルゴリズムはアーチファクト(これは通常、信号中のインパルスとして現れる)を見出し、該アーチファクトをさらなる解析から除く。第二に、もしあればいびき音が識別され、呼吸音から分離される。最後に、きれいにされた呼吸音から、信号のエントロピーが計算され、心臓音の効果が除去され、特許文献3において詳細に述べられている大津の閾値処理法(Otsu's thresholding method)を使って無呼吸エピソードが検出され識別される。
動作では、特徴的震顫に基づく感知モジュール232は本稿に記載されるような測定を行い、プロセッサ262と連携して、(やはり本稿で述べたように)それらの測定に基づいて特徴的震顫が識別できるかどうかを判定する。次いでプロセッサ262はその処理およびたった今述べた収集モジュール252によって得られる信号に対してプロセッサ262によってなされる処理に基づいてOSAが存在するかどうかを判定する。ある限定しない実施形態では、プロセッサ262は、特徴的震顫に基づく感知モジュール232によってなされた測定に基づいて特徴的震顫が識別でき、かつ収集モジュール252によって得られた信号に基づいてもプロセッサ262がOSAを検出する場合にのみOSAが存在すると判定する。さらに、図15には特徴的震顫に基づく感知モジュール232が一つしか示されていないが、それは単に例であって、二つ以上のそのようなモジュールが用いられてもよいことは理解されるであろう。そのような場合、プロセッサ262は、特徴的震顫に基づく感知モジュールすべてによってなされた測定に基づいて特徴的震顫が識別できかつ収集モジュール252によって得られた信号に基づいてもプロセッサ262がOSAを検出する場合にのみOSAが存在すると判定してもよい。あるいはまた、プロセッサ262は、特徴的震顫に基づく感知モジュールのうち何らかの所定の百分率または割合(たとえばそれらのモジュールの少なくとも2分の1または3分の2)によってなされた測定に基づいて特徴的震顫が識別でき、かつ収集モジュール252によって得られた信号に基づいてもプロセッサ262がOSAを検出する場合にOSAが存在すると判定してもよい。
特許文献3の方法の測定および特徴的震顫に基づく感知モジュール(単数または複数)232に基づく測定はかなりの度合いで独立であると思われる。それぞれで測定される物理的な信号が二つの異なる機構(すなわち、筋肉の動きの検出とおそらくは気道の形または抵抗によって引き起こされる気道呼吸音)に源をもち、さらに検出される両信号の周波数範囲が有意に異なるからである。
図16は、本稿で述べた特徴的震顫を検出することに基づくOSA検出方法と、本稿で述べた特徴的震顫を検出することに基づかないOSA検出方法の組み合わせを用いるOSA検出のための例示的な装置270を示している。装置270は、本稿の他所で述べた特徴的震顫に基づく感知モジュール232を含む。装置270はまた、Kushidaに対する、それぞれ「Morphometric Measuring Tool」および「Morphometric Modeling System and Method」と題する特許文献4および特許文献5で記載されている口腔測定に基づくOSA検出方法をも用いる。これらの文献の開示はここに参照により組み込まれる。それと関連して、装置270はさらに、特許文献4、特許文献5に記載される口腔測定ツール272を含む。装置270はまた、プロセッサ276、メモリ278およびディスプレイ280を収容する主筐体274をも含む。
口腔測定ツール272は、患者の口蓋の最高点と患者の舌の間の距離を示す第一の値と、上下の右の中切歯の重なりを示す第二の値と、上顎の右側の臼歯と上顎の左側の臼歯の間の距離を示す第三の値と、下顎の右側の臼歯と下顎の左側の臼歯の間の距離を示す第四の値とを測定するよう構成される。プロセッサ276は、これらの解剖学的な値を(たとえば手動入力またはもし口腔測定ツール272がそのように構成されていれば該口腔測定ツール272からの電子的転送(有線または無線)によって)受け取り、それらの解剖学的値に基づく、その患者がOSAを患っている可能性を示すその患者についての形態計測モデル値を決定するよう構成される。ある実施形態では、形態計測モデル値は輪状甲状筋のレベルでの患者の首の周長および患者のBMIにも基づく。形態計測モデルの詳細は特許文献4および特許文献5に詳細に記載されている。
動作では、特徴的震顫に基づく感知モジュール232は本稿で記載されるような測定を行い、(やはり本稿で述べたように)それらの測定に基づいて特徴的震顫が識別できるかどうかを判定する。次いでプロセッサ276はその処理およびたった今述べた決定された形態計測モデル値に基づいてOSAが存在するかどうかを判定する。ある、限定しない実施形態では、プロセッサ262は、特徴的震顫に基づく感知モジュール232によってなされた測定に基づいて特徴的震顫が識別でき、かつ形態計測モデル値がOSAの可能性が高いことを示す場合にのみOSAが存在すると判定する。さらに、図16には特徴的震顫に基づく感知モジュール232が一つしか示されていないが、それは単に例であって、二つ以上のそのようなモジュールが用いられてもよいことは理解されるであろう。そのような場合、プロセッサ276は、特徴的震顫に基づく感知モジュールすべてによってなされた測定に基づいて特徴的震顫が識別できかつ形態計測モデル値がOSAの可能性が高いことを示す場合にのみOSAが存在すると判定してもよい。あるいはまた、プロセッサ276は、特徴的震顫に基づく感知モジュールのうち何らかの所定の百分率または割合(たとえばそれらのモジュールの少なくとも2分の1または3分の2)によってなされた測定に基づいて特徴的震顫が識別でき、かつ形態計測モデル値がOSAの可能性が高いことを示す場合にOSAが存在すると判定してもよい。
さらに、近年の研究の知見によれば、血液、唾液および/または尿中の物質の特定の濃度がある種の人口集団におけるOSAの確からしさを示すという予備的な証拠が示されている。たとえば、アミノ酸のシステインは肥満および肥満でない患者におけるOSAの発達のバイオマーカーとなりうる。結果は、システイン血漿レベルが、対照被験者に比べてOSA患者ではより高かったことを示した。やせた(BMI<25)OSA患者の部分群も対照被験者よりも高いシステイン・レベルを有していた。研究者は、システインがOSAについての潜在的なバイオマーカーであり、肥満はそのバイオマーカーとしての機能に影響しないと結論している。たとえば非特許文献3参照。
最後に、特徴的震顫を検出することに基づかないOSA検出方法で、本稿で具体的に記載した以外のものが用いられてもよいことを理解しておくべきである。
さらなる実施形態では、震顫を促進または高める/強化する(または震顫を減衰させる)ための息の流れの負荷添加(loading)/制御の使用が測定のために使われてもよい。図17は、そのような息の流れの負荷添加/制御を用いるOSAを検出するための例示的な装置290を示している。装置290は、本稿の他所で述べた、特徴的震顫に基づく感知モジュール232を含む。装置290はまた、患者の鼻腔および/または口にかぶせて配置されるよう構成され、患者の呼吸の負荷および/またはバイアス圧を変えるために所定の量の気流抵抗または大気圧より上/下の所定の圧力レベルを提供する流れ負荷添加/制御デバイス292をも含む。抵抗および圧力のパラメータは呼吸の吸気および呼気フェーズにおいて、あるいは呼吸サイクル中の任意の時点において異なる仕方で変動してもよい。周囲の流れおよび/または圧力のこの変化は、患者の呼吸に立ちはだかるまたは患者の呼吸を支援し、本稿の他所で記載された特徴的震顫に基づく感知モジュール232によって測定されるOSAの長引く効果を高めるまたは弱める。好適な例示的な流れ負荷添加/制御装置292のいくつかの実施形態は特許文献6に記載されている。特許文献6は、本発明の被譲渡者に譲渡され、「System and method for Performing Respiratory Diagnostics」と題されており、その開示はここに参照によって組み込まれる。装置290は、プロセッサ296、メモリ298およびディスプレイ300を収容する主筐体294をも含む。図示した実施形態では、流れ負荷添加/制御装置292は、主筐体294に結合され、プロセッサ296によって制御される、装置290の一体的な部分として設けられている。しかしながら、流れ負荷添加/制御装置292が主筐体294とは離れた別個の装置であって、単に特徴的震顫に基づく感知モジュール232と連携して使われることもできることは理解しておくべきである。
動作では、流れ負荷添加/制御装置292はまず、患者の鼻の開口および/または口にかぶさるように配置され、震顫を高める/強化するための患者の呼吸の負荷添加および/またはバイアス圧を変化させるために所定の量の気流抵抗または大気圧より上/下の所定の圧力レベルを提供するようにさせられる。次いで、本稿の他所で記載されたような測定を行うために、特徴的震顫に基づく感知モジュール232が使用される。次いでプロセッサ296が、(やはり本稿で述べたように)それらの測定に基づいてOSAに関連する特徴的震顫が識別できるかどうかを判定する。流れ負荷添加/制御装置292は、本稿に記載された具体的な実施形態のどれと一緒に使用されてもよい。
過度に興奮した筋活動に加えて、筋肉がその困難に立ち向かえないほど疲労している場合に、呼吸の困難または他の生理機能上の困難(たとえば発話、調音、嚥下、口笛、舌の動きなど)に対する抑制された応答を探すことも可能である。本稿に記載される感知および検出方法の範囲は、この抑制された身体的応答によって引き起こされる変動をモニタリングするために使われてもよい。
OSA評価の感度および/または特異性を高めるために、標準的なアンケートまたは生理的評価ツール(たとえば、OSAについてのベルリン・アンケート(Berlin Questionnaire)、日中の眠気についてのエプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness Scale)アンケート、マランパティによる喉の開き分類、BANG、BANG-STOPなど)が、本稿に記載される実施形態と連携して行われたり、該実施形態に統合されたりしてもよい。これらの標準的な評価ツールからのパラメータは本稿で述べたようなユーザー・インターフェースを通じて入力されてもよく、データは数学的に、本稿に記載される実施形態の測定されたセンサー・データと組み合わされて、OSAを予測する改善された評価を生じてもよい。
本稿に記載された信号および検出方法は、PSG診断セッションの一部として睡眠中に適用されてもよい。これは潜在的に、患者の診断上/表現型の評価において使用される追加的な情報を提供することができる。さらに、センサー/感知モジュールおよび診断方法は、主として療法のために使われるカニューレまたはマスクのような他のデバイスに組み込まれることもできる。
請求項において、括弧に入れた参照符号があったとしても、その請求項を限定するものと解釈してはならない。「有する」または「含む」の語は請求項において挙げられている以外の要素や段階の存在を排除するものではない。いくつかの手段を列挙する装置請求項において、それらの手段のいくつかが同一のハードウェア項目によって具現されてもよい。要素の単数形の表現はそのような要素の複数の存在を排除するものではない。いくつかの手段を列挙するいかなる装置請求項においても、それらの手段のいくつかが同一のハードウェア項目によって具現されてもよい。ある種の要素が互いに異なる従属請求項に記載されているというだけの事実がそれらの要素が組み合わせて使用できないことを示すものではない。
本発明について、現在のところ最も実用的であり好ましい実施形態であると考えられるものに基づいて例解の目的で詳述してきたが、そのような詳細はひとえにその目的のためであって、本発明が開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に付属の請求項の精神および範囲内にある修正および等価な構成をカバーすることが意図されていることは理解しておくべきである。たとえば、本発明は、可能な限りにおいて、任意の実施形態の一つまたは複数の特徴が他の任意の実施形態の一つまたは複数の特徴と組み合われることができることを考えている。

Claims (38)

  1. 患者における閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の存在を診断する際に使う装置であって:
    患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示すパラメータを測定するよう構成され、患者が覚醒している間に測定されたパラメータに基づいて一つまたは複数の電気信号を生成する感知モジュールと;
    前記感知モジュールに動作上結合され、前記一つまたは複数の電気信号を受け取り、前記一つまたは複数の電気信号の解析を実行し、該解析に基づいて、前記震顫がOSAを示す少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかを判定するよう構成されているプロセッサとを有しており、前記少なくとも一つの所定の周波数範囲が覚醒中の患者の上気道の増大した代償性筋活動に関連しており該増大した代償性筋活動に特徴的である、
    装置。
  2. 前記少なくとも一つの所定の周波数範囲が100Hz未満である、請求項1記載の装置。
  3. 前記少なくとも一つの所定の周波数範囲が30〜40Hzである、請求項2記載の装置。
  4. AC源をさらに有する請求項1記載の装置であって、前記感知モジュールは、患者の首または頭の離れた表面上に選択的に位置されるよう構成された源電極および一つまたは複数の収集電極を有し、前記AC源が生成した交流が前記源電極から流れ、前記パラメータは、前記一つまたは複数の収集電極によって収集される、前記震顫によって変調された電気信号を含む、装置。
  5. 前記感知モジュールはEMGセンサーを有し、前記パラメータは患者の首、舌および/または喉の筋肉における筋電位の変化を含む、請求項1記載の装置。
  6. 患者の首または頭に選択的に位置されるよう構成された活動測定センサーをさらに有する請求項5記載の装置であって、前記プロセッサは前記活動測定センサーから活動測定信号を受信し、前記活動測定信号を、前記一つまたは複数の電気信号の解析を実行するときに前記一つまたは複数の電気信号から動きアーチファクトを除去するために使う、装置。
  7. 前記感知モジュールが、患者の首または頭に選択的に位置されるよう構成された活動測定センサーを有する請求項1記載の装置であって、前記パラメータは前記震顫によって引き起こされる動きを含む、装置。
  8. 前記感知モジュールが、患者の身体を通る超音波を放出し、放出された超音波に応答して生成される戻りエコーを検出するよう構成された超音波トランスデューサ・プローブを有しており、前記パラメータが前記戻りエコーを含む、請求項1記載の装置。
  9. 前記感知モジュールが、音放出器および音検出器を含む音モジュールを有しており、前記音モジュールが患者の口の外部付近または患者の口もしくは喉の中に選択的に位置されるよう、あるいは患者の喉を通って患者の咽頭領域中に選択的に挿入されるよう構成され、前記音放出器が第一の音を放出するよう構成され、前記音検出器が前記第一の音に応答して生成される第二の音を検出するよう構成され、前記パラメータが前記第二の音を含む、請求項1記載の装置。
  10. 前記感知モジュールが、呼吸している間に患者によって生成される気道音を検出するよう構成された音検出器を有し、前記パラメータが前記気道音を含む、請求項1記載の装置。
  11. 前記感知モジュールが、患者の首に選択的に位置され、患者の首、舌および/または喉の筋肉によって引き起こされる動きから帰結するひずみを検出するよう構成されたひずみ検出器を有しており、前記パラメータが前記ひずみを含む、請求項1記載の装置。
  12. 前記ひずみ検出器が、一つまたは複数のひずみゲージが取り付けられた柔軟な基板を有する、請求項11記載の装置。
  13. 前記感知モジュールが、患者の頭、首または口の表面上または中に位置されるよう構成された流体で満たされた嚢と、嚢に動作上結合されたセンサーとを有しており、前記センサーは前記嚢に作用する力の結果としての前記嚢から排除される流体の量または前記嚢の容積変化を測定するよう構成されており、前記パラメータは前記嚢から排除される流体の量、前記嚢の容積変化または前記嚢内の圧力の変化を含む、請求項1記載の装置。
  14. 前記感知モジュールが、患者の気道中に音パルスを伝搬させ、前記音パルスに応答して生成される反射波を検出するよう構成された咽頭計を有しており、前記パラメータが前記反射波を含み、前記一つまたは複数の信号が前記音パルスおよび前記反射波に基づき、前記プロセッサによって実行される前記解析が、前記一つまたは複数の信号に基づいて複数の患者気道寸法測定値を生成することを含む、請求項1記載の装置。
  15. 前記感知モジュールが一つまたは複数の刺激電極および一つまたは複数の感知電極を有しており、前記一つまたは複数の刺激電極は標的神経または該標的神経を神経刺激する神経を刺激するよう構成されており、前記標的神経は患者の首、舌および/または喉の筋肉に関連しており、前記パラメータは前記一つまたは複数の感知電極によって収集された一つまたは複数の標的神経信号を含み、前記一つまたは複数の標的神経信号は前記震顫によって変調されている、請求項1記載の装置。
  16. 患者の鼻の開口および/または口の上に置かれて、所定量の気流抵抗または大気圧より上もしくは下の所定レベルの圧力を与えて、前記感知モジュールが前記パラメータを測定するのに先立って患者の呼吸の負荷またはバイアス圧力を変えるよう構成された流れ負荷添加/制御デバイスをさらに有する請求項1記載の装置。
  17. 患者における閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の存在を診断する際に使う装置であって:
    患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す第一のパラメータを測定するよう構成された第一の感知モジュールであって、患者が覚醒している間に、測定された第一のパラメータに基づいて一つまたは複数の第一の電気信号を生成する第一の感知モジュールと、
    患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す、前記第一のパラメータとは異なる第二のパラメータを測定するよう構成された第二の感知モジュールであって、患者が覚醒している間に、測定された第二のパラメータに基づいて一つまたは複数の第二の電気信号を生成する第二の感知モジュールと、
    第一の感知モジュールおよび第二の感知モジュールに動作上結合されたプロセッサとを有しており、前記プロセッサは:(i)前記一つまたは複数の第一の電気信号を受け取り、前記一つまたは複数の第一の電気信号の第一の解析を実行し、該第一の解析に基づいて、前記震顫がOSAを示す少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかについての第一の判定をし、前記少なくとも一つの所定の周波数範囲は覚醒中の患者の上気道の増大した代償性筋活動に関連しており該増大した代償性筋活動に特徴的であり、(ii)前記一つまたは複数の第二の電気信号を受け取り、前記一つまたは複数の第二の電気信号の第二の解析を実行し、該第二の解析に基づいて、前記震顫がOSAを示す前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかについての第二の判定をし、(iii)少なくとも前記第一の判定および前記第二の判定に基づいて患者がOSAをもつかどうかを判定するよう構成される、
    装置。
  18. 前記プロセッサが、前記第一の判定および前記第二の判定の両方が前記震顫が前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつと判定する場合にのみ患者がOSAをもつと判定するよう構成されている、請求項17記載の装置。
  19. 前記少なくとも一つの所定の周波数範囲が100Hz未満である、請求項18記載の装置。
  20. 前記少なくとも一つの所定の周波数範囲が30〜40Hzである、請求項19記載の装置。
  21. 請求項17記載の装置であって、患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す、前記第一のパラメータおよび前記第二のパラメータとは異なる第三のパラメータを測定するよう構成された第三の感知モジュールであって、測定された第三のパラメータに基づいて一つまたは複数の第三の電気信号を生成する第三の感知モジュールをさらに有しており、前記プロセッサは、前記一つまたは複数の第三の電気信号を受け取り、前記一つまたは複数の第三の電気信号の第三の解析を実行し、該第三の解析に基づいて、前記震顫がOSAを示す前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかについての第三の判定をするよう構成されており、前記プロセッサは、少なくとも前記第一の判定、前記第二の判定および前記第三の判定に基づいて患者がOSAをもつかどうかを判定するよう構成されている、装置。
  22. 前記プロセッサが、前記第一の判定、前記第二の判定および前記第三の判定のうち少なくとも二つが、前記震顫が前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつと判定する場合に患者がOSAをもつと判定するよう構成されている、請求項21記載の装置。
  23. 前記プロセッサが、前記第一の判定、前記第二の判定および前記第三の判定のそれぞれが、前記震顫が前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつと判定する場合にのみ患者がOSAをもつと判定するよう構成されている、請求項21記載の装置。
  24. 患者の鼻の開口および/または口の上に置かれて、所定量の気流抵抗または大気圧より上もしくは下の所定レベルの圧力を与えて、前記第一の感知モジュールが前記第一のパラメータを測定し、前記第二の感知モジュールが前記第二のパラメータを測定するのに先立って患者の呼吸の負荷またはバイアス圧力を変えるよう構成された流れ負荷添加/制御デバイスをさらに有する請求項17記載の装置。
  25. 患者における閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の存在を診断する際に使う装置の作動方法であって:
    感知モジュールが、患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す第一のパラメータを測定する段階と;
    プロセッサが、前記第一のパラメータに基づいて、前記震顫がOSAを示す少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかを判定する段階と;
    前記プロセッサが、患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示すいかなるパラメータの測定にも基づかない第二の評価手法を使って患者がOSAの可能性が高いかどうかを評価する段階と;
    前記プロセッサが、少なくとも前記判定する段階が前記震顫が前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつと判定し、かつ、前記評価する段階がその患者がOSAの可能性が高いと判定する場合にのみ、その患者がOSAをもつと判定する段階とを含む、
    方法。
  26. 前記第一のパラメータが患者の気道を通じた気流ではない、請求項25記載の方法。
  27. 前記少なくとも一つの所定の周波数範囲が100Hz未満である、請求項25記載の方法。
  28. 前記少なくとも一つの所定の周波数範囲が30〜40Hzである、請求項27記載の方法。
  29. 前記第二の評価手法が患者の気道音の測定データに基づく、請求項25記載の方法。
  30. 前記第二の評価手法が患者の口腔の複数の寸法に基づく、請求項25記載の方法。
  31. 前記第二の評価手法がOSAを示す患者のバイオマーカーの測定データに基づく、請求項25記載の方法。
  32. 患者における閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の存在を診断する際に使う装置の作動方法であって:
    感知モジュールが患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示すパラメータを測定する段階であって、前記パラメータは患者の気道を通じた気流ではない、段階と;
    プロセッサが、前記パラメータに基づいて、前記震顫がOSAを示す少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかを判定する段階と;
    前記プロセッサが、前記判定する段階が前記震顫が前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつと判定する場合にのみその患者がOSAをもつと判定する段階とを含む、
    方法。
  33. 前記少なくとも一つの所定の周波数範囲が100Hz未満である、請求項32記載の方法。
  34. 前記少なくとも一つの所定の周波数範囲が30〜40Hzである、請求項33記載の方法。
  35. 患者における閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の存在を診断する際に使う装置の作動方法であって:
    感知モジュールが、患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す第一のパラメータを測定する段階と;
    前記感知モジュールが、患者が覚醒している間に患者の首、舌および/または喉の筋肉における震顫を示す、前記第一のパラメータとは異なる第二のパラメータを測定する段階と;
    プロセッサが、前記第一のパラメータに基づいて、前記震顫がOSAを示す少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかについての第一の判定をする段階と;
    前記プロセッサが、前記第二のパラメータに基づいて、前記震顫がOSAを示す前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつかどうかについての第二の判定をする段階と;
    前記プロセッサが、少なくとも前記第一の判定および前記第二の判定に基づいて患者がOSAをもつかどうかを判定する段階とを含む、
    方法。
  36. 患者がOSAをもつかどうかを判定する前記段階が、前記第一の判定および前記第二の判定の両方が前記震顫が前記少なくとも一つの所定の周波数範囲内の周波数をもつと判定する場合にのみ患者がOSAをもつと判定することを含む、請求項35記載の方法。
  37. 前記少なくとも一つの所定の周波数範囲が100Hz未満である、請求項35記載の方法。
  38. 前記少なくとも一つの所定の周波数範囲が30〜40Hzである、請求項37記載の方法。
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