以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、保険契約システム10の全体構成図である。図1に示すように、保険契約システム10は、保険データベース12を有する共用サーバー14と、保険データ処理装置16と、判定用端末の一例である保険代理店端末18と、保険サーバー20と、営業端末22とを有する。
共用サーバー14は、形式の異なる複数の保険データを格納する保険データベース12を管理する。保険の一例は、自動車保険である。共用サーバー14は、複数の保険会社がアクセス可能であって、複数の保険会社が自社の保険契約に関する保険データを格納できる。保険データは、WEBのブラウザによって表示画面に表示可能な形式の表示データで保存されている。これにより、保険会社は、他社の保険データを閲覧できる。
保険データ処理装置16は、保険の条件を決定する第1項目に対する複数の第1選択肢から決定された第1条件データを含む第1保険データを、第1項目に対応する第2項目に対する複数の第2選択肢から決定される第2条件データを含む第2保険データに変換する。第1保険データの一例は他社の保険データである。第2保険データの一例は自社のフォーマットに合わせた保険データである。
保険代理店端末18は、各条件が適切か否かを判定するロジカルチェックによって、保険データ処理装置16から取得した第2保険データの第2条件データが適切か否かを判定する。保険代理店端末18は、第2保険データが適切であると判定すると、第2保険データを保険サーバー20へと送信する。
保険サーバー20は、第2保険データを保存するとともに、第2保険データを営業端末22へと送信する。また、保険サーバー20は、第2保険データが適切である場合、第2保険データとともに、成立した旨のデータを営業端末22から取得して保存する。
営業端末22は、保険サーバー20から第2保険データを取得する。営業端末22は、第2保険データをブラウザによって表示画面に表示する。保険の契約をする人は、営業端末22のタッチパネル等の入力部によって入力された電子サイン等によって契約することができる。営業端末22は、契約が成立すると、成立した旨を成立した第2保険データと関連付けて保険サーバー20へと送信する。
図2は、保険データ処理装置16のブロック図である。保険データ処理装置16は、抽出部30と、変換部32と、後処理部34と、格納部36とを有する。
抽出部30は、ブラウザに表示可能な形式の表示用第1保険データを共用サーバー14から取得して、配列、様式等を変換した中間第1保険データ64を生成して格納部36に格納する。抽出部30は、表示データ取得部40と、保険データ抽出部42とを有する。抽出部30は、例えば、コンピュータのCPUが格納部36に格納された抽出プログラムを読み込むことによって、表示データ取得部40及び保険データ抽出部42として機能する。
表示データ取得部40は、保険データベース12を有する共用サーバー14とデータを送受信可能に構成されている。表示データ取得部40は、表示用第1保険データを保険データベース12から取得する。表示用第1保険データは、WEBのブラウザ等によって第1保険データの内容を画面に表示可能な形式のデータである。第1保険データは、保険の条件を決定する複数の第1項目に対する第1条件データを含む。第1項目は、例えば、氏名、年齢、年齢条件等である。第1条件データの一例は、第1項目「年齢」における「18歳」である。複数の第1条件データの一部は、複数の第1選択肢から選択される。複数の第1選択肢は、例えば、第1項目「年齢条件」において、「18歳以上」、「26歳以上」、「30歳以上」等である。表示データ取得部40は、取得した表示用第1保険データを保険データ抽出部42へと出力する。
保険データ抽出部42は、格納部36に格納された位置情報テーブル60を取得する。位置情報テーブル60は、第1保険データに含まれる複数の第1条件データの表示画像上の位置情報のテーブルである。保険データ抽出部42は、位置情報テーブル60を参照して、表示用第1保険データから第1条件データを抽出する。保険データ抽出部42は、抽出した第1保険データの第1条件データを、第2保険フォーマット62を参照して、第2保険データ68の配列、様式に合わせた中間第1保険データ64として格納部36に格納する。
変換部32は、抽出された中間第1保険データ64を、複数の第2条件データを含み形式の異なる第2保険データ68に変換する。変換部32は、保険データ取得部44と、条件判定部46と、保険データ変換部48とを有する。変換部32は、例えば、コンピュータのCPUが格納部36に格納された変換プログラムを読み込むことによって、保険データ取得部44、条件判定部46、及び、保険データ変換部48として機能する。
保険データ取得部44は、複数の第1条件データを含む中間第1保険データ64を格納部36から取得する。尚、保険データ取得部44は、抽出部30の保険データ抽出部42から中間第1保険データ64を直接取得してもよい。
条件判定部46は、第2保険データ68の第2選択肢のデータである第2選択肢データ66を格納部36から取得する。条件判定部46は、保険データ取得部44により取得された中間第1保険データ64の第1条件データと、第2選択肢データ66とを比較する。条件判定部46は、中間第1保険データ64の各第1条件データの第1項目に対応する第2項目に選択可能な第2選択肢があるか否かを判定する。条件判定部46は、当該第2項目に第2選択肢があると判定すると、中間第1保険データ64に含まれる第1条件データが、当該第1条件データの第1項目に対応する第2項目のいずれかの第2選択肢と一致するか否かを判定する。
保険データ変換部48は、各第1条件データを第2条件データに変換することにより、中間第1保険データ64を第2保険データ68に変換する。保険データ変換部48は、条件判定部46が第1条件データの第1項目に対する第2項目に第2選択肢がないと判定すると、第1条件データを第2条件データとして引き継ぐ。第2選択肢がない場合とは、第2条件データを、選択肢から選択するのではなく、直接入力する場合である。保険データ変換部48は、条件判定部46が当該第2項目に第2選択肢があると判定するとともに、複数の第2選択肢のいずれかと一致する第1条件データがあると判定すると、一致する第2選択肢を第2条件データとして引き継ぐ。保険データ変換部48は、条件判定部46が当該第2項目に第2選択肢があると判定するとともに、複数の第2選択肢のいずれかと一致する第1条件データがないと判定すると、第2選択肢データ66を参照して、第1条件データの第1項目に対応する第2項目の複数の第2選択肢のうち、第1条件を跨ぎ、第1条件データに最も近い2つの第2選択肢を抽出する。保険データ変換部48は、抽出した2つの第2選択肢のうち、条件の適用範囲の広い第2選択肢を第2条件データとして引き継ぐことにより、第1条件データを第2条件データに変換する。保険データ変換部48は、全ての第1条件データを第2条件データに変換すると、第2保険データ68を格納部36に格納する。
後処理部34は、変換部32によって変換された第2保険データ68に関する後処理を実行する。後処理部34は、成立判定部50と、書類生成部52とを有する。後処理部34は、例えば、コンピュータのCPUが格納部36に格納された後処理プログラムを読み込むことによって、成立判定部50及び書類生成部52として機能する。
成立判定部50は、保険データ変換部48によって変換された第2保険データ68の第2条件データの一部が成立条件を満たしているか否かを判定する。尚、成立判定部50は、全ての第2条件データに対して、成立条件を満たしいているか否かを判定する必要はなく、「氏名」、「年齢」等の必須の第2条件データについて判定する。例えば、成立判定部50は、必須の第2条件データの一つである被保険者の年齢が「300才」となっていると、成立条件を満たしていないと判定する。
成立判定部50は、判定した第2条件データの一つでも成立条件を満たしていないと判定すると、警告を出力する。尚、成立判定部50は、警告を画像で出力してもよく、音声で出力してもよい。成立判定部50は、判定した第2条件データが成立条件を満たしていると判定すると、成立している旨を示す成立結果及び第2保険データ68を書類生成部52に出力する。
書類生成部52は、成立判定部50から第2保険データ68が成立条件を満たしている成立結果及び第2保険データ68を取得すると、成立条件を満たしていると判定された第2保険データ68の内容を印刷する書類データを生成する。書類生成部52は、作成した書類データをプリンタ等に出力する。尚、書類生成部52は、表示部等に書類データを出力して、表示部に画像として第2保険データ68を出力させてもよい。
格納部36は、抽出プログラム、変換プログラム、後処理プログラムを含む保険データ変換プログラムを格納する。また、格納部36は、位置情報テーブル60、第2保険フォーマット62、中間第1保険データ64、第2選択肢データ66、及び、第2保険データ68等のデータを格納する。
位置情報テーブル60、第2保険フォーマット62、中間第1保険データ64、第2選択肢データ66、及び、第2保険データ68は、抽出プログラム、変換プログラム、後処理プログラムを含む保険データ変換プログラムとは独立して格納部36に格納されている。また、位置情報テーブル60、第2保険フォーマット62、中間第1保険データ64、第2選択肢データ66、及び、第2保険データ68は、例えば、汎用の表計算ソフトの表形式ファイルとして格納されている。従って、抽出プログラム、変換プログラム、後処理プログラムを含む保険データ変換プログラムを書き換えることなく、表形式で画面に表示された位置情報テーブル60、第2保険フォーマット62、中間第1保険データ64、第2選択肢データ66、第2保険データ68だけを書き換えることができる。
次に、上述した保険データ処理装置16による保険データ変換処理について説明する。図3は、保険データ処理装置16が実行する保険データ変換処理のフローチャートである。保険データ変換処理は、保険データ処理装置16が有するコンピュータのCPUが、抽出プログラム、変換プログラム、及び、後処理プログラムを含む保険データ変換プログラムを読み込むことによって実行される。尚、保険データ変換処理の開始は、ユーザの指示による。
図3に示すように、保険データ変換処理では、抽出部30が、抽出処理を実行する(S10)。次に、変換部32が、変換処理を実行する(S12)。その後、後処理部34が、後処理を実行する(S14)。
図4は、抽出部30が実行する抽出処理のフローチャートである。図5は、表示画面に表示された第1保険データの画像である。尚、図5は、表示用第1保険データを説明する図でもある。図6は、位置情報テーブル60を説明する図である。図7は、中間第1保険データ64を説明する図である。図8は、第2保険フォーマット62を説明する図である。
図4に示すように、抽出処理では、抽出部30の表示データ取得部40が、共用サーバー14を介して、保険データベース12から表示用第1保険データを取得して、保険データ抽出部42へと出力する(S20)。表示用第1保険データは、保険データ処理装置16の表示画面等に第1保険データの内容を表示可能なHTML形式等のデータである。
図5に示すように、第1保険データは、表示画面上にテーブル形式で表示される。第1保険データは、第1項目と、第1項目と対応付けられた複数の第1条件データとを含む。第1項目は、「氏名」、「年齢」、「保険始期」、「保険満期」等の保険の条件の名称である。尚、第1項目の一部は、「車両」等のように、第1保険データに複数回出現する。
第1条件データは、各第1項目において、設定された条件である。例えば、第1項目「氏名」「年齢」には、被保険者の氏名、年齢が、直接入力されて設定される。複数の第1条件データの一部は、複数の第1選択肢から選択されることにより設定される。例えば、被保険者の区分は、「個人」、「法人」のいずれかから選択された条件が第1条件データとして設定されている。また、年齢条件は、「18歳以上」、「26歳以上」等から選択された条件が第1条件データとして設定されている。
次に、保険データ抽出部42は、位置情報テーブル60を格納部36から取得する(S22)。位置情報テーブル60は、取得する各第1条件データの表示用第1保険データにおける位置を示す。位置情報テーブル60は、保険データ変換プログラムの抽出プログラムとは独立したデータである。従って、保険データ変換プログラムの管理者は、保険データ変換プログラムを変更することなく、位置情報テーブル60を変更することによって、フォーマットの異なる第1保険データに対応できる。図6に示すように、位置情報テーブル60は、第1保険データの第1項目と、第1項目に対応付けられた登場回数及び項目内位置とを含む。
登場回数は、表示用第1保険データにおいて、同一の複数の第1項目のうち、何回目に登場する当該第1項目かを示す。例えば、第1項目「氏名」の場合、登場回数が「1」なので、表示用第1保険データにおいて、1回目に登場する「氏名」を示す。従って、第1項目が、表示用第1保険データにおいて、1度しか登場しない場合、登場回数は「1」となる。一方、第1項目「車両」のように、表示用第1保険データに複数回登場する場合、登場回数が「2」以上となる場合がある。例えば、第1項目「車両」における登場回数「2」は、表示用第1保険データで2回目に登場する「車両」を示す。尚、最初に登場する第1項目「車両」の場合、登場回数は「1」となる。
項目内位置は、複数の第1項目のそれぞれにおける抽出すべき条件データの位置を示す。換言すれば、項目内位置は、登場回数によって特定された第1項目における位置を示している。即ち、項目内位置が「1」の場合、第1項目の右へ1つずれたセルを示す。例えば、第1項目「年齢」の場合、登場回数「1」、項目内位置「1」なので、最初に登場した「年齢」から右へ1つずれたセルに「年齢」の第1条件データである「28歳」が存在することを示す。また、第1項目「保険満期」の場合、登場回数「1」、項目内位置「2」なので、最初に登場した「保険満期」から右へ2つずれたセルに「保険満期」の第1条件データである「2013/7/10」が存在することを示す。
次に、保険データ抽出部42は、位置情報テーブル60の登場回数及び項目内位置に基づいて、表示用第1保険データ内における各第1項目の第1条件データのセルの位置を特定する。保険データ抽出部42は、特定したセルに設定されている第1保険データの第1条件データを抽出する(S24)。
次に、保険データ抽出部42は、図7に示すように、各第1項目と、抽出した第1条件データとを対応付けた中間第1保険データ64を作成する(S26)。ここで、保険データ抽出部42は、格納部36から取得した図8に示す第2保険フォーマット62に対応させて、中間第1保険データ64を作成する。尚、第2保険フォーマット62は、第2保険データ68の単位等の様式、配列を第1項目に関連付けたデータである。例えば、第1条件データの第1項目「年齢」が「歳」で表記されるのに対し、第2条件データの第2項目「年齢」が「才」で表記されている場合、「28歳」の第1条件データが第2保険データ68の形式に対応させて「28才」と変換される。保険データ抽出部42は、作成した中間第1保険データ64を格納部36に格納する。これにより、抽出処理が終了する。
図9は、変換部32が実行する変換処理のフローチャートである。図10は、第2選択肢テーブルの図である。図11は、抽出された第1条件データに一致する第2選択肢がない場合の第1条件データの変換を説明する図である。図12は、第1保険データを変換した第2保険データ68の図である。
図9に示すように、変換処理では、変換部32の保険データ取得部44が、格納部36から第1条件データを含む中間第1保険データ64を取得して、条件判定部46へと出力する(S30)。
次に、条件判定部46は、中間第1保険データ64のいずれかの第1項目の第1条件データを抽出する(S32)。条件判定部46は、例えば、最初に中間第1保険データ64の一番上の第1項目の第1条件データを抽出して、その後、ステップS32を繰り返すことによって順に下の第1条件データを抽出する。条件判定部46は、格納部36の第2選択肢データ66を参照して、抽出した第1条件データの第1項目に対応する第2項目に選択可能な第2選択肢があるか否かを判定する(S34)。図10に示すように、第2選択肢データ66は、各第2項目と第2選択肢とを対応付けたテーブル形式に構成されている。尚、第2項目の左側のセルが、全て空欄の場合、当該第2項目には、選択可能な第2選択肢が割り当てられていないことを示す。従って、被保険者が、最初から第2保険を契約する場合、当該第2項目の内容は、第2選択肢によって選択するのではなく、直接入力することになる。
条件判定部46は、当該第2項目に、第2選択肢がないと判定すると(S34:No)、保険データ変換部48は、抽出された第1条件データを変換することなく、第2条件データとして引き継ぐ(S36)。例えば、抽出された第1条件データの第1項目に対応する第2項目が「氏名」、「年齢」の場合、直接入力するデータであり、第2選択肢がないので、条件判定部46は、第2選択肢がないと判定する。この場合、保険データ変換部48は、「氏名」、「年齢」の第1条件データである「aa bb」、「28才」を、第2項目の「氏名」、「年齢」の第2条件データとして引き継ぐ。これにより、当該第1条件データが、第2条件データに変換される。
一方、条件判定部46は、当該第2項目に、選択可能な第2選択肢があると判定すると(S34:Yes)、抽出された第1条件データが、対応する第2項目の複数の第2選択肢のいずれかと一致するか否かを判定する(S38)。
条件判定部46が、抽出された第1条件データの第1項目に対応する第2項目の複数の第2選択肢に、当該第1条件データに一致する第2選択肢があると判定すると(S38:Yes)、保険データ変換部48は、当該一致する第2選択肢を第2条件データとして引き継ぐ(S40)。例えば、第1条件データが「個人」の場合、第1項目は「個人、法人」となる。この場合、対応する第2項目は同様に「個人、法人」であり、この第2項目の第2選択肢に「個人」が含まれるので、条件判定部46は、第1条件データの「個人」と一致する第2選択肢があると判定する。この場合、保険データ変換部48は、第1条件データの「個人」を第2条件データとしてそのまま引き継ぐ。これにより、当該第1条件データが、第2条件データに変換される。
一方、条件判定部46が、抽出された第1条件データの第1項目に対応する第2項目に対応付けられた複数の第2選択肢に、当該第1条件データに一致する第2選択肢がないと判定すると(S38:No)、保険データ変換部48は、抽出された第1条件データを跨ぎ、第1条件データに最も条件が近い2つの第2選択肢を抽出する(S42)。更に、保険データ変換部48は、抽出した2つの第2選択肢のうち、適用範囲の広い第2選択肢を抽出して、当該第2選択肢を、抽出された第1条件データを変換した第2条件データとして引き継ぐ(S44)。
例えば、図11に示すように、抽出された第1条件データが「26才以上」の場合、第1項目は「年齢条件」となる。この場合、対応する第2項目は同様に「年齢条件」である。この第2項目の第2選択肢に「26才以上」が含まれないので、条件判定部46は、第1条件データの「26才以上」と一致する第2選択肢がないと判定する。この場合、保険データ変換部48は、第1条件データの「26才以上」を跨ぎ、「26才以上」に最も近い2つの第2選択肢である「25才以上」及び「30才以上」を抽出する。更に、保険データ変換部48は、抽出したこの2つの第2選択肢のうち、適用範囲の広い第2選択肢「25才以上」を抽出する。保険データ変換部48は、抽出した第2選択肢「25才以上」を、当該第1条件データ「26才以上」を変換した第2条件データとして引き継ぐ。これにより、当該第1条件データが、第2条件データに変換される。
この後、全ての第1条件データが、第2条件データに変換されるまで、ステップS32以降が繰り返される(S46:No)。全ての第1条件データが、第2条件データに変換されると(S46:Yes)、図12に示すように、各第2項目に第2条件データが対応付けられた第2保険データ68が完成する。この後、保険データ変換部48は、第2保険データ68を格納部36に格納するとともに、成立判定部50に出力する(S48)。これにより、変換処理が終了する。
図13は、後処理部34が実行する後処理のフローチャートである。図13に示すように、後処理では、成立判定部50が、保険データ変換部48から第2保険データ68を取得する(S60)。
次に、成立判定部50は、取得した第2保険データ68が成立条件を満たしているか否かを判定する(S62)。尚、成立判定部50は、格納部36に格納された成立条件データに基づいて、第2保険データ68が成立条件を満たしているか否かを判定する。
例えば、必須の第2項目の第2条件データが設定されていない場合、成立判定部50は、第2保険データ68が成立条件を満たしていないと判定する。また、必須の第2項目の第2条件データが設定されている場合であっても、当該第2条件データが、規定値を満たしていない場合、成立判定部50は、第2保険データ68が成立条件を満たしていないと判定する。規定値を満たしていない場合とは、例えば、第2項目「年齢」の第2条件データが「300才」となっている場合等である。成立判定部50は、第2保険データ68が成立条件を満たしていないと判定すると(S62:No)、警告を出力する(S64)。成立判定部50は、警告を画像または音声によって出力する。
一方、成立判定部50は、第2保険データ68が成立条件を満たしていると判定すると(S62:Yes)、成立条件を満たしている旨の成立結果及び第2保険データを書類生成部52に出力する。書類生成部52は、入力された第2保険データ68の書類データを作成する(S66)。書類生成部52は、書類データをプリンタに出力して、第2保険データ68を印刷させる(S68)。尚、書類生成部52は、書類データを表示装置に出力して、第2保険データ68を画像として出力してもよい。これにより、後処理が終了するとともに、保険データ変換処理が終了する。
上述したように、保険データ処理装置16では、第1保険データの第1条件データに一致する第2保険データ68の第2選択肢がない場合であっても、変換部32の保険データ変換部48が、第1条件を跨ぎ、第1条件データに最も近い第2選択肢のうちのいずれかを第2条件データとして引き継ぐ。これにより、保険データ処理装置16は、互いに異なる保険データの条件データの変換確率を向上させることができるので、十分に保険データの変換を支援できる。
更に、保険データ変換部48は、第1条件を跨ぎ、第1条件データに最も近い第2選択肢のうち、条件の適用範囲の広い第2選択肢を、第1条件データを変換した第2条件データとして引き継ぐ。これにより、例えば、28才の被保険者が、年齢条件「26才以上」を含む第1保険データで契約している場合、保険データ変換部48は、年齢条件の第2選択肢において、第1条件を跨ぎ、最も近い「25才以上」と「30才以上」のうち、適用範囲の広い「25才以上」を第2条件データとして引き継がせる。従って、保険データ処理装置16は、引き継がれた第2条件データを含む第2保険データ68を28才の被保険者に確実に適用させて、保険データの変換をより支援することができる。
保険データ処理装置16では、成立判定部50が変換した第2保険データ68の第2条件データの成立条件を満たしているか否かを判定するので、成立しない第2保険データ68が処理されることを抑制できる。
保険データ処理装置16では、書類生成部52が、成立判定部50が成立したと判定した第2保険データ68の書類データを作成するので、保険データ処理装置16のユーザ、及び、被保険者は、変換された第2保険データ68を、書類または画面ですぐに見ることができる。
上述したように、保険データ処理装置16では、抽出プログラムを含む保険データ変換プログラムから独立して、位置情報テーブル60が格納部36に格納されている。従って、保険データ処理装置16の管理者等は、抽出プログラムを含む保険データ変換プログラムを書き換えることなく、位置情報テーブル60を書き換えることができる。即ち、書き換えることが難しいプログラムを書き換えることなく、表形式の画像により表示画面上で視認でき、容易に書き換えることができる位置情報テーブル60を書き換えることにより、異なる形式の保険データに容易に対処できる。この結果、保険データ処理装置16は、保険データを他の保険データに変換する場合、十分に支援することができる。
保険データ処理装置16では、位置情報テーブル60が登場回数の情報を含むので、同じ第1項目が複数あっても、正確に第1条件データを抽出できる。
次に、上述した保険データ処理装置16による保険データ変換処理を変更した形態について説明する。図14は、変更した保険データ変換処理のフローチャートである。変更した保険データ変更処理は、保険データ処理装置16が有するコンピュータのCPUが、対応する保険データ変換プログラムを読み込むことによって実行される。
本実施形態による保険データ処理装置16は、保険の条件を決定する第1項目に対する複数の第1選択肢から決定された第1条件データを含む第1保険データを、第1項目に対応する第2項目に対する複数の第2選択肢から決定される第2条件データを含む第2保険データ68に変換する。
本実施形態による保険データ処理装置16の保険データ取得部44は、第1保険データの第1条件データ、及び、第1保険データの第1項目のいずれかの第1選択肢を取得する。条件判定部46は、保険データ取得部により取得された第1保険データに含まれる第1選択肢が、第1項目に対応する第2項目のいずれかの第2選択肢と一致するか否かを判定する。
保険データ変換部48は、条件判定部46によって一致すると判定された第1選択肢は、第1項目に対応する第2項目に対する第2選択肢として対応付ける。保険データ変換部48は、条件判定部46によって一致しないと判定された第1選択肢を、第1項目に対応する第2項目における複数の第2選択肢のうち、第1選択肢を跨ぎ、第1選択肢の条件に最も近い2つの第2選択肢のうち、条件の適用範囲の広い第2選択肢に対応付ける。保険データ変換部48は、対応付けられた第2選択肢に基づいて、保険データ取得部44が取得した第1条件データを第2条件データに変換する。
図14に示すように、保険データ処理装置16では、抽出部30の表示データ取得部40が、共用サーバー14を介して保険データベース12から表示用第1保険データの第1選択肢を取得して、格納部36へと格納する(S100)。次に、変換部32が、第1選択肢を格納部36から取得して、第2選択肢に対応付ける選択肢対応処理を実行する(S102)。次に、抽出部30が抽出処理を実行して(S104)、変換部32が変換処理を実行して(S106)、後処理部34が後処理を実行する(S108)。尚、抽出処理(S104)、後処理(S108)の処理は、上述した抽出処理(S10)、後処理(S14)の処理と同様なので説明を省略する。
図15は、変換部32が実行するステップS102の選択肢対応処理のフローチャートである。図16は、第1選択肢と第2選択肢との対応付けを説明する図である。図17は、第1選択肢と第2選択肢とが対応付けられた選択肢対応付けデータを説明する図である。選択肢対応処理は、保険データ処理装置16が有するコンピュータのCPUが、選択肢対応プログラムを読み込むことによって実行される。
図15に示すように、選択肢対応処理では、保険データ取得部44が第1選択肢を格納部36から取得して、条件判定部46へと出力する(S110)。条件判定部46は、第2選択肢テーブルを参照して、第1選択肢と一致する第2選択肢が、当該第1選択肢の第1項目に対応する第2項目にあるか否かを判定する(S112)。
条件判定部46が、第1選択肢と一致する第2選択肢があると判定すると(S112:Yes)、保険データ変換部48は、当該第1選択肢と第2選択肢とを対応付ける(S114)。例えば、第1保険データの第1項目「個人、法人」において、第1選択肢「個人」は、第2選択肢データ66において、第2項目「個人、法人」に第2選択肢「個人」があるので、条件判定部46は、第1選択肢と一致する第2選択肢があると判定する。そして、保険データ変換部48は、第1選択肢「個人」を第2選択肢「個人」に対応付ける。
一方、条件判定部46は、第1選択肢と一致する第2選択肢がないと判定すると(S112:No)、保険データ変換部48は、第1選択肢を跨ぎ、第1選択肢に近い2つの第2選択肢を抽出する(S116)。次に、保険データ変換部48は、抽出した第2選択肢のうち、第1選択肢よりも条件の適用範囲の広い第2選択肢を抽出して対応付ける(S118)。
例えば、判定対象の第1選択肢の第1項目が「年齢条件」とする。図16に示すように、第1項目「年齢条件」の第1選択肢が「16才以上」、「26才以上」、「30才以上」、「40才以上」とする。第2項目「年齢条件」の第2選択肢が「16才以上」、「25才以上」、「35才以上」、「42才以上」とする。上述したように、保険データ変換部48は、ステップS114において、第1選択肢「16才以上」を一致する第2選択肢「16才以上」に対応付ける。一方、保険データ変換部48は、第1選択肢「26才以上」に一致する第2選択肢がないと判定して、第1選択肢「26才以上」を跨ぎ、「26才以上」に最も近い第2選択肢「25才以上」、「35才以上」を抽出する。次に、保険データ変換部48は、抽出した2つの第2選択肢のうち、条件の適用範囲の広い第2選択肢「25才以上」を抽出して、第1選択肢「26才以上」に対応付ける。この後、保険データ変換部48は、第1選択肢「30才以上」、「40才以上」のそれぞれを第2選択肢「25才以上」、「35才以上」に対応付ける。
この後、保険データ変換部48は、全ての第1選択肢と第2選択肢との対応付けを終了したか否かを判定する(S120)。保険データ変換部48が全ての第1選択肢の対応付けを終了していないと判定すると(S120:No)、ステップS112からS118が繰り返される。一方、保険データ変換部48は、全ての第1選択肢の対応付けを終了したと判定すると(S120:Yes)、図17に示すように全ての第1選択肢が対応する項目の第2選択肢のいずれかに対応付けられた選択肢対応データ70を格納部36に格納する(S122)。これにより、選択肢対応処理が終了する。
図18は、変換部32が実行するステップS106の変換処理のフローチャートである。変換処理は、保険データ処理装置16が有するコンピュータのCPUが、変換プログラムを読み込むことによって実行される。
図18に示すように、ステップS106の変更処理では、まず、保険データ取得部44が、第1条件データを含む中間第1保険データ64を格納部36から取得して、条件判定部46へと出力する(S130)。
次に、条件判定部46は、中間第1保険データ64からいずれかの第1項目の第1条件データを抽出する(S132)。条件判定部46は、格納部36の第2選択肢データ66を参照して、抽出した第1条件データの第1項目に対応する第2項目に選択可能な第2選択肢があるか否かを判定する(S134)。
条件判定部46が、当該第2項目に、第2選択肢がないと判定すると(S134:No)、保険データ変換部48は、抽出された第1条件データを変換することなく、第2条件データとして引き継ぐ(S136)。
一方、条件判定部46は、当該第2項目に、選択可能な第2選択肢があると判定すると(S134:Yes)、保険データ変換部48は、抽出した第1条件データである第1選択肢に対応する第2選択肢を選択肢対応データ70から抽出する(S138)。
保険データ変換部48は、抽出した第2選択肢を、第1条件データを変換した第2条件データとして引き継ぐ(S140)。例えば、第1項目「年齢条件」の第1条件データが第1選択肢「26才以上」の場合、保険データ変換部48は、選択肢対応データ70を参照して、第1選択肢「26才以上」に対応付けられている第2選択肢「25才以上」を抽出して、第1条件データを変換した第2条件データとして引き継ぐ。
この後、保険データ変換部48は、全ての第1条件データの第2条件データへの変換が終了したか否かを判定する(S142)。保険データ変換部48が全ての第1条件データの変換が終了したと判定するまで、ステップS132からS140が繰り返される(S142:No)。一方、保険データ変換部48は、全ての第1条件データの変換が終了したと判定すると(S142:Yes)、変換した第2保険データ68を格納部36に格納する(S144)。これにより、変換処理が終了する。
上述したように、保険データ処理装置16では、保険データ変換部48が、第1条件データの第2条件データへの変換に先立って、第1選択肢と第2選択肢とを対応付けている。これにより、保険データ変換部48は、第1条件データを変換する場合に、選択肢対応付けデータから対応する第2選択肢を抽出すればよい。従って、保険データ変換部48は、各第1条件データに対応する第2選択肢を判定して抽出する必要がないので、変換処理に要する時間を短縮できる。特に、複数の第1保険データを連続して第2保険データ68に変換する場合、一度、選択肢対応付けデータを作成すればよいので、有効である。
上述した各実施形態の構成の機能、接続関係、個数等は適宜変更してよい。また、各実施形態を組み合わせてもよい。
例えば、上述した実施形態では、一つの第1保険データを第2保険データに変換することで、保険データ変換処理を終了させていたが、一度に、保険データ取得部44が複数の第1保険データを取得して、複数の第1保険データを連続して複数の第2保険データに変換してもよい。この場合、保険データ処理装置16は、保険データ変換処理を複数回繰り返す。
上述の実施形態では、自動車保険を例にあげたが、その他の保険、例えば、火災保険、地震保険等の保険契約システム及び保険データ処理装置に上述の実施形態を適用してもよい。
上述の実施形態では、他社の第1保険データを自社の第2保険データに変換する例をあげたが、自社の保険データのフォーマットを変換する場合に、上述の実施形態を適用してもよい。
上述の実施形態では、抽出部30、変換部32、後処理部34がプログラムを読み込むことによって機能するように構成したが、抽出部30、変換部32、後処理部34の一部または全てをハードウエアによって構成してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。