JP6041337B2 - 液面計測システム、船舶 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば船舶のように液面に存在する構造体の周囲の液面の高さあるいはこの高さの空間的、時間的分布(液面波)を計測する液面計測システムに関する。また、この液面計測システムが搭載された船舶に関する。
船舶が水上(海上)に存在する際において、海上における波浪の形状(波形)や波高を実測することは、船舶の運航上や気象観測上において重要である。例えば、船体の周囲の波高分布は造波抵抗に大きな影響を与えるために、この計測は船体の形状を設計する上での重要なデータとなる。この場合には、船舶の側面(船側)における波形や波高を計測することが必要になる。この場合、船舶が停止しているか移動しているかに関わらず、あるいは船舶が陸地に近い場所にいるか遠い場所にいるかに関わらず、この計測をすることが必要になる。また、この測定は実際の船舶ではなく模型の船舶を用いて行われる場合もある。この場合、海上ではなく水槽内でこの計測が行われる場合もある。
この船側波計測方法としては、例えば特許文献1には、船側をビデオカメラを用いて観測し、その画像から気液界面(空気と水の界面)を認識する技術が記載されている。この方法によれば、波形、波高を正確に計測することができ、かつその時間変化も容易に調べることができる。ビデオカメラで画像を得る代わりに、レーザー光を用いて水面を観測するという方法も知られている。
また、液面レベル検出器を用いて気液界面を測定するためのセンサ(液面センサ)は、工業上の様々な分野で使用されている。例えば特許文献2、3には、3本の電極を用いて、これらの間の導電率や静電容量から液面の高さを算出する液面センサが記載されている。これらは、船側波の計測に用いられているものではないが、これらの液面センサを船側に多数設置して船側における水面の高さを計測すれば、船側波の波形を計測できることは明らかである。
特開2001−356015号公報 特開2004−347331号公報 実用新案登録第3162032号公報
特許文献1に記載の技術においては、船側から離れた箇所にビデオカメラを設置することが必要となる。このため、このビデオカメラは計測用の他の船舶に設けるか、あるいはこの船舶自身において船側から突出するように設けることが必要となる。前者の場合には計測用の船舶を別途準備することが必要となり、後者の場合においても、船舶の運航上の障害となる構造物を設けることが必要となる。このため、この技術によって簡易に船側波を計測することは困難であった。レーザー光を用いる場合においても、レーザー光源を設置する箇所について同様の問題が生ずる。
特許文献2、3に記載された液面センサを用いて船側波を計測する場合には計測用の他の船舶は不要であり、かつ液面センサの設置も容易である。しかしながら、この液面センサ自身が構造物であるために、船側波の波形や波高がこの液面センサ自身の存在によって影響を受ける。このため、本来の船側波の波形や波高を正確に計測することは困難であった。更に、この液面センサを船舶に固定した場合には、この船舶(あるいは模型の船舶)自身の航行にこの液面センサが摩擦抵抗となり影響を与える場合もある。
従って、本来の波形に影響を与えずに簡易な構成で船側波を計測することは困難であった。これは、船側波に限定されず、液面に存在する構造体の周囲における液面の高さの計測全般についても同様である。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の請求項1に係る液面計測システムは、一部が液面よりも下に没するように液面に存在する船体に対する前記液面の高さを計測する液面計測システムであって、一部が前記液面の下の液体中に没するように薄膜状に形成されている電極が少なくともそのうちの一方の電極となっている2本の電極からなる電極対と、前記2本の電極の間の電気特性から前記電極対が形成された箇所における前記液面と前記船体との相対的な位置関係を検出する計測部とを具備し、前記一方の電極を用いて前記液面と前記船体との相対的な位置関係が測定される複数の測定点が少なくとも前記船体の左右両舷に配置され、それぞれの前記測定点で測定される前記船体の所定の喫水線を基準とした前記液面と前記船体との相対的な位置関係に基づいて前記船体の喫水と姿勢を計測することを特徴とする。
この発明においては、2本の電極からなる電極対と計測部とを用いて、船体の周囲における液面の高さが左右両舷において計測され、これによって船体と液面との相対的な位置関係が測定され、船体の喫水と姿勢が計測される。
本発明の請求項2に係る液面計測システムにおいて、前記2本の電極における他方の電極として、表面が導電性とされた前記船体が使用されたことを特徴とする。
この発明においては、表面が導電性とされた船体自身が、電極対における他方の電極として使用される。
本発明の請求項3に係る液面計測システムにおいて、前記一方の電極は、前記船体の側面に塗布された導電性塗料で構成されたことを特徴とする。
この発明においては、電極対における一方の電極は、船体の側面に導電性塗料を用いて薄膜状に形成される。
本発明の請求項4に係る液面計測システムにおいて、前記計測部は、ブリッジ回路における前記2本の電極間の電気特性の変化に起因する平衡条件のずれから前記液面と前記船体との相対的な位置関係を検出することを特徴とする。
この発明においては、液面と船体との相対的な位置関係は、ブリッジ回路(例えばホイートストンブリッジ回路)における平衡条件のずれに起因して発生する電圧から算出される。
本発明の請求項5に係る液面計測システムにおいて、前記ブリッジ回路には、前記液体中に常時没する補償電極を具備する補償素子が挿入されたことを特徴とする。
この発明においては、液体中に全体が常時没している補償電極を利用した補償素子が、ブリッジ回路中に挿入される。補償素子は、液体の温度等の変化がブリッジ回路のバランスに与える影響を低減する。
本発明の請求項6に係る液面計測システムにおいて、前記計測部は、前記2本の電極間の電気抵抗を計測することによって前記2本の電極間における前記液面と前記船体との相対的な位置関係を検出することを特徴とする。
この発明においては、2本の電極間の電気抵抗から液面と船体との相対的な位置関係が算出される。
本発明の請求項7に係る液面計測システムにおいて、前記計測部は、前記2本の電極間に交流電圧を印加することを特徴とする。
この発明においては、液面の高さを検出するために、2本の電極間に交流電圧が印加される。
発明の請求項に係る液面計測システムは、前記一方の電極を用いて前記液面と前記船体との相対的な位置関係が測定される前記複数の測定点が前記船体の側面における水平方向における複数の箇所にそれぞれ配置されたことを特徴とする。
この発明においては、複数の測定点における液面と船体との相対的な位置関係が算出される。すなわち、液面と船体との相対的な位置関係の空間分布が計測される
本発明の請求項に係る液面計測システムは、前記船体の船首部と、船尾部の左右両舷と、船首部と船尾部の中間の左右両舷と、にそれぞれ前記複数の測定点が配置されたことを特徴とする。
この発明においては、船首部の1箇所、船尾部の左右両舷2箇所、中央部の左右両舷2箇所、の計5箇所に測定点が配置される。
本発明の請求項10に係る液面計測システムにおいて、隣接する前記測定点の間隔は、前記船体の中央部よりも船首部及び/又は船尾部で短いことを特徴とする。
この発明においては、複数の測定点の配列が均一ではなく、船首部や船尾部で密に配列される。
本発明の請求項11に係る液面計測システムにおいて、前記一方の電極は、前記液体の深さ方向において、少なくとも前記船体のバラスト状態における前記喫水線の高さと前記船体の満載時における前記喫水線の高さにおいて延伸した構成とされたことを特徴とする。
この発明においては、少なくとも一方の電極は、空荷の状態における喫水線の高さと満載時の喫水線の間をカバーするように構成される。
本発明の請求項12に係る液面計測システムは、前記液面と前記船体との相対的な位置関係の検出結果を処理し波浪を認識することを特徴とする。
この発明においては、液面と船体との相対的な位置関係の空間的、時間的変動を認識することによって液面における波浪が認識される。
本発明の請求項13に係る液面計測システムは、前記波浪の時間変化を解析することによって、多方向波を構成する方向波を認識することを特徴とする。
この発明においては、更に、波浪における方向波の解析が行われる。
本発明の請求項14に係る船舶は、前記液面計測システムを搭載したことを特徴とする。
この発明においては、船舶(実船、あるいは模型船)が前記の液面計測システムを搭載する。
本発明の液面計測システムは以上のように構成されているので、液面計測システムの存在自身が液面に与える影響が低減され、簡易な構成で液面と船体との相対的な位置関係、あるいはその時間変化を計測することができるため、これによって、船体等の姿勢検知や波浪の検出を容易に行うことができる。この際、ブリッジ回路を用いて検出を行う、あるいは電極間の電気抵抗を測定する、等によれば、特にこの計測を精密かつ単純な構成で行うことができる。
また、電極対における一方の電極のみを薄膜状にし、他方の電極として、表面が導電性とされた船体を用いれば、使用する電極の数を減らすことができる。
また、薄膜状の電極を導電性塗料で構成すれば、その形成が特に容易であり、かつ測定されるべき液面(波浪)に電極の存在自身が与える影響を最小限とすることができる。
また、上記の補償素子(補償抵抗等)をブリッジ回路に用いれば、環境の変化(液体の温度の変化等)に際しても安定した計測が可能である。この補償素子の形成も容易である。
また、計測の際に2本の電極間に印加される電圧を交流とすれば、電極の寿命を長くすることができる。これは、海面の水位あるいは波浪を計測する場合に特に有効である。
また、測定点を多数配列して用いる、進行方向に対して左右略対称に配置する、等により、液面と船体との相対的な位置関係の分布が測定できるため、波浪の観測を精密に行うことができる。一般的な波浪の船体に対する性質より、測定点の間隔を均一ではなく船首部や船尾部で密にすれば、多くの測定点(電極)を用いずに船側波の精密な測定を行うことができる。
あるいは、測定点を前記の5箇所に設置した場合には、電極の数を少なくした状態で船体等(構造体)の姿勢を高精度で検出することもできる。
こうした測定点の配列は、どの場合においても、容易に実現することができる。
また、電極対を構成する2つの電極のうちの一方の電極が、空荷の状態における喫水線の高さと満載時の喫水線の高さにおいて延伸した構成とすれば、船体等の姿勢検知や波浪の検出を充分に行うことができる。
また、上記の液面計測システムによって、液面と船体との相対的な位置関係の時間的分布や空間的分布を精密に計測することができるため、波浪を認識する、あるいは波浪の解析も特に精密に行うことが可能である。
また、上記の液面計測システムは、実船、模型船、あるいは他の浮体に容易に搭載することができる。実船に搭載した場合には、船舶の航行にこの液面計測システムにおいて使用される電極等が摩擦抵抗等の面で悪影響を与えることもない。
本発明の実施の形態となる船側波計測システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態となる船側波計測システムにおける電極対と検出制御回路の構成を示す図である。 船体側を電極対のうちの他方の電極として用いる第1の例の平面図(a)、断面図(b)である。 船体側を電極対のうちの他方の電極として用いる第2の例の平面図(a)、断面図(b)である。 船体側を電極対のうちの他方の電極として用いる第3の例の平面図(a)、断面図(b)である。 本発明の実施の形態となる船側波計測システムにおける複数の電極対の配置構成の一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態となる船側波計測システムにおける複数の電極対の配置構成の他の一例を示す上面図である。 本発明の実施の形態となる船側波計測システムにおいて補償抵抗を用いた構成の第1の例である。 本発明の実施の形態となる船側波計測システムにおいて補償抵抗を用いた構成の第2の例である。 本発明の実施の形態となる船側波計測システムにおいて補償抵抗を用いた構成の第3の例である。 本発明の実施の形態となる船側波計測システムにおいて補償抵抗を用いた構成の第4の例である。 実施例における2本の電極間の抵抗値と水面高さを実測した結果である。 実施例の船側波計測システムをWigley模型に取り付けて船側波を実測した結果である。 実施例の船側波計測システムをWigley模型に取り付けた際の、船体の移動に伴う水面の高さの変化を実測した結果である。 実施例の船側波計測システムをバルカー船模型に取り付けた際に波浪を発生させた場合の船体の姿勢(ヒーブ、ピッチ)変化を実測した結果である。
以下、本発明を実施するための形態となる液面計測システムについて説明する。この液面計測システムによって、液面に存在する構造体の周囲における液面と構造体の位置関係(液面の高さ)を計測することができる。また、液面の高さの空間的、時間的変化を計測することにより、液体表面に形成された波(液面波)の状態を計測することができる。以下では、この液面計測システムが水面に存在する船舶等に搭載され、船舶等の周囲に形成された波(船側波)の状態を計測する船側波計測システムとなる場合について説明する。ここで、船舶等(構造体)が水面(液面)に存在するとは、その一部が水面(液面)よりも下に没するように存在していることを意味する。
この船側波計測システムは、船舶等に設置され、この物体とその周囲における水面との間の位置関係を計測することができる。以下では船舶等の側面(船側)における水面の高さを計測する場合について説明する。船舶等の中には浮体や水上のブイ等も含まれるが、その周囲の水面の高さを計測するシステムもここでは同様に船側波計測システムと呼称する。この船側波計測システムによって、船舶等が航行あるいは浮遊している箇所における波浪(船側波)の高さや形状を計測することができる。あるいは、この船側波計測システムによって、水面に対する船体等の姿勢も計測することができる。
ここでは、この船側波計測システムは、船舶の船体に設置されているものとする。船体は、その下側が海水中に没しており、その上側が海上に表れている。図1は、その船体100の側面から見た構成を概念的に示している。また、海水200の海面201は、図示されるように、喫水線202を中心に波打った形状となっている、すなわち、船側波が発生しているものとする。また、海面201の形状(船側波の形状)は時間的に変化する。
この船側波計測システムは、複数の電極対と、これに接続された計測部20を具備する。図1に示されるように、上下方向に細長い薄膜状の電極11、12が対(電極対)となって船体100の側面に4組設けられている。各電極対には電圧が印加され、電極11、12間の特性変化が計測部20で検出されることによって、各電極対の箇所における海面201の高さが計測される。計測部20は、検出制御回路30と算出回路40を具備する。
電極11、12は、その長さ方向が部分的に水没するように、すなわち、それぞれの上下方向(深さ方向)における長さの範囲内に海面201が入るように設置される。1対の電極11、12(電極対)には、検出制御回路30が接続されている。各検出制御回路30は、例えばパーソナルコンピュータを用いて構成される算出回路40に接続される。
薄膜状の電極11、12は、船体100の側面において、例えば絶縁性の塗装被膜の上に導電性塗料を短冊状に塗布することによって形成することができる。この場合の導電性塗料としては、銀ペーストや各種の導電性塗料を用いることができる。電極11、12に接続される配線は、図1中の上部(海面201よりも常に上側となる部分)から取り出すことができる。
図2は、1対の電極11、12とこれに接続される検出制御回路30の構成を詳細に示した図である。電極11、12間の抵抗Rは、固定抵抗31〜33(それぞれの抵抗値をR、R、Rとする)を用いて構成されるブリッジ回路(ホイートストンブリッジ回路)の中の一つの抵抗として組み入れられ、ノードA、B間には交流電源が接続され、ノードC、D間の電圧が増幅回路35で増幅検出され、その出力が算出回路40に出力される。
一般には、空気の抵抗率が無限大であって水(海水)の抵抗率が有限値であると考えることができる。この場合には、電極11、12間の抵抗Rは電極11、12の間隔Dに比例し、電極11、12が浸水した長さHに反比例する。従って、間隔Dを一定とすれば、Hの変動に応じてRは変化する。Rの基準値をRとした時にR=Rとなるように設定すれば、ノードAB間の電圧は零となる。ここで、図1において海面201が喫水線202と等しい場合(H=Hの場合)の抵抗値を基準値Rとすることができる。例えば海面201の高さが変動して電極11、12が浸水した長さがH(H<H)となった場合には、R<Rとなるため、ホイートストンブリッジ回路の平衡条件が崩れ、ノードCD間に電圧が発生する。この電圧を増幅回路35で検出することにより、Rを算出することが可能であり、算出回路40は、これによって各々の電極対に対応したHを算出することができる。
すなわち、図2の構成によって、各々の電極対が浸水した長さHを算出することができる。電極対が船体100に設置された位置は固定されているため、この電極対が設置された箇所における船体100と海面201の位置関係を認識することができる。図1の構成においては、電極11、12が水平方向に4組設けられているために、船側の4箇所の測定点における海面201の高さを算出することができる。これにより、船体100の周囲の海面201の形状(船側波の空間形状)を認識することができる。この形状を時々刻々モニターすることも可能である。これにより、電極11、12の対が配列された方向(図1では左右方向:船体100の進行方向)における船側波の進行もモニターすることが可能である。
特許文献2、3に記載の液面センサを用いた場合においても、同様に海面201の高さに応じた電気抵抗や静電容量の変化を検出することが可能である。しかしながら、前記の通り、これらの構成においては、金属等で構成された3本の電極を一部水中に没するように配することが必要となる。このため、この場合に計測された船側波は、これらの液面センサ(電極)自身の影響を受ける。これに対して、図1、2の構成においては、薄膜状の電極11、12を導電性塗料で構成する、あるいは導電性の薄膜で構成することにより、電極11、12が船側波に及ぼす影響を最低限とすることが可能である。また、船側には防錆、防汚等のために船体塗料が形成されるのが一般的である。この場合、導電性塗料を塗布することによって電極11、12を形成し、電極11、12以外の箇所には絶縁性の通常の船体塗料を塗布することによって、電極11、12による段差が船側に全く形成されないような構成とすることも可能である。この場合には特に船側波に対する影響を小さくすることができる。また、導電性高分子を用いた透明な導電性塗料を用いれば、これを船体塗料の上に塗布することによって、電極11、12が形成されない通常の船舶と外観上も変わりがない構成とすることも可能である。
更に、図1、2の例では、各々の箇所における水位を計測するために、2本の電極(電極対)を用いた例について記載したが、このうち一方の電極を前記の通り薄膜状として設け、船体の表面を導電性として他方の電極として用いることにより、実質的に1本の電極(一方の電極)のみを使用することも可能である。図3、4は、この場合における電極周辺の構造を示す2つの例の構造である。
図3(a)は、船体100全体を一方の電極として用いる第1の例を側面から見た図であり、図3(b)は、そのA−A方向の断面図である。ここで、船体100は導体である鋼板で構成されるものとする。船体100の外側には例えば厚さが100μm程度の導電性塗料層16が形成される、更にその上に例えば厚さ300μm程度の絶縁性塗料層17が局所的に形成される。絶縁性塗料層17の端部に、厚さ100μm程度の電極15が形成される。電極15は、前記と同様に導電性塗料で形成することができるため、結局、導電性塗料層16、絶縁性塗料層17、電極15はいずれも塗装によって薄く形成することができる。この場合においても、図3(a)中の破線で示された海面201よりも下側における電流経路(図3(b)中の点線)に対応する抵抗変化が船体100(導電性塗料層16)と電極15間で計測される。これを用いて水位を検出することができる。
図4(a)は、船体100全体を一方の電極として用いる第2の例を側面から見た図であり、図4(b)は、そのB−B方向の断面図である。船体100の外側には、図3の例と同様に導電性塗料層16が形成され、その上に絶縁性塗料層17が形成される。絶縁性塗料層17には絶縁性塗料層開口171が形成され、その中では導電性塗料層16が露出している。この絶縁性塗料層開口171を塞いで覆うように薄膜状の電極18が形成されており、電極18には複数の電極開口181が設けられている。この構成においては、導電性塗料層16、絶縁性塗料層17は図3の例と同様に、塗装によって容易に形成することができる。電極18としては、電極開口181が形成された金属箔を貼り付けて使用することができるため、表面における段差を小さくすることができる。この構成により、電極18に覆われた絶縁性塗料層開口171には電極開口181を通して海水200が自由に侵入するため、海面201の高さに応じた電極18と導電性塗料層16との間の抵抗が測定できる。これによって、上記と同様に、水位を検出することができる。
図5(a)は、船体100全体を一方の電極として用いる第3の例を側面から見た図であり、図5(b)は、そのC−C方向の断面図である。船体100の外側には、図3の例と同様に導電性塗料層16が形成され、これに接続した共通電極19が露出している。共通電極19の周囲を覆うように絶縁性塗料層17が形成され、絶縁性塗料層17の表面には図3と同様に、電極18が形成されている。図5の構成においては、共通電極19と左右の電極18の間2箇所における水位が計測される。この場合には、電極18、共通電極19、絶縁性塗料層17からなる表面における段差が生じないようにする構成とすることが可能である。共通電極19は、金属箔、金属片、導電性塗料等で構成することができる。
以上のように、電極対のうちの一方の電極だけを部分的に水没するように複数分布させて設け、他方の電極は船体あるいは船体100表面の導電性塗料層16を用いて共通に使用することによって、船体100と海面201の相対的位置関係や船側波の波形を観測することが可能である。2本の電極間における海水200による抵抗値を測定できる限りにおいて、上記の構成を適宜組み合わせる、あるいはこれら以外の構成を用いることも可能である。
なお、図1の構成においては、電極対毎に検出制御回路30を設けているが、入出力切換器を使用し、各電極対をその入力側に、単一の検出制御回路30をその出力側に接続し、算出回路40が入出力切換器の切換動作を行わせることによって検出制御回路30に接続される電極対が切り替えられる構成とすることができる。この場合には、更に構成を単純化することができる。
また、図1は、船体100を一方の側面から見た構成を示しているが、他方の側面も同様の構成とすることができる。これにより、船体100の両側面で船側波をモニターすることができ、船体100の進行方向と垂直な方向における波の進行状況をモニターすることも可能である。
また、図2の構成においては、駆動用の電源として交流電源が用いられているが、直流電源を用いた場合でも動作が可能である。しかしながら、特に海水中においてこの船側波計測システムを用いる場合、海水中の不純物(例えば塩)と電極11、12との間で化学反応を生じるために、電極11、12が腐食する場合がある。直流電源を用いた場合には、電極11、12のうちの一方においてのみ集中的にこの腐食が進行するのに対し、交流電源を用いた場合には、この腐食の影響を分散させることができる。このため、交流電源を用いることによって、電極11、12の寿命を長くすることができる。
また、電極対(あるいは一方の電極)の数が一つである場合においても、その設置された箇所(測定点)においてHを算出することができ、Hの時間変化を計測することによって、波浪を認識することは可能である。しかしながら、(測定点)を水平方向における複数の箇所に配置し、それぞれの箇所においてHを算出することが、船側波をより精密に計測する上ではより好ましい。また、船体100の進行方向に対して左右両舷部に略対称にこれらを配置すれば、左右のどちら側から進行してくる波浪も同様に検出することが可能であるため、好ましい。
図1においては、電極対(測定点)を水平方向において等間隔に4組配列しているが、実際には、この間隔を短く、かつその数を多くすることが、より精密な船側波の計測を行う上では好ましい。ただし、この配列は、目的や船側波の波形に応じて設定することが可能である。図6は、船体110の側面に電極対120を16対設けた例である。船体110が進行するに際して形成される船側波の波長は、一般には先端部と船尾部よりも中央部で長くなる。このため、電極対120の配列の間隔を、船首部と船尾部において、中央部よりも短くしている。これにより、電極対120の総数を少なくした上で船側波の波形を精密に計測することが可能である。また、前記の通り、船体110の進行方向に対する左右両舷に略対称にそれぞれ電極対120を設けることが、船体110の左右側で同等に船側波を検出することができるために好ましい。
一方、波浪の形状は計測せず、船体の姿勢を検出することだけが目的である場合、電極対の数を少なくした単純な構成を用いることができる。図7は、この場合の電極対の配置を示す上面図である。船体140の進行方向は矢印で示されている。この場合には、船首部に電極対151、船体中央の左右両舷部に電極対152、153、船尾の左右両舷部に電極対154、155がそれぞれ設けられている。電極対151〜155によってこれらが設置された箇所におけるHを測定することができれば、船体140のヒーブ(船体の上下揺)、ロール(進行方向に対する横の傾き)、ピッチ(同じく縦の傾き)等を計測することができる。すなわち、5箇所の測定点を用いて、この船側波計測システムを船体140の姿勢を計測するために用いることができる。
また、前記の通り、電極11、12は、その長手方向(深さ方向)が部分的に水没するように設定される。この目安としては、この船側波計測システムを搭載する船舶が貨物や人間(貨物等)を搭載する場合には、そのバラスト状態(空荷の状態)における喫水線の高さと、満載時(規定重量の貨物等を搭載した場合)における喫水線の高さの範囲内において、電極11、12が上下方向に延伸しているような構成とすることができる。この場合には、波浪(船側波)の検出、船体の姿勢検知のいずれの場合においても、大部分の場合における海面の高さを検出することができる。ただし、例えば電極対のうちの他方の電極として船体自身を利用する場合には、一方の電極のみをこうした設定としてもよい。
一般に、水の抵抗率は、水の不純物濃度や水温等、環境によって変動する。このため、図2の構成において、電極11、12間の抵抗Rは、Hだけでなく、水の抵抗率の変動によって変わることがあり、ブリッジ回路のバランスもこれに応じて変化する。このためには、こうした条件の変動を補償する補償抵抗(補償素子)を図2のブリッジ回路中に挿入することが好ましい。
図8は、補償抵抗を用いた第1の例における回路構成とこの補償抵抗の具体的構成について示す図である。この回路構成においては、図2における固定抵抗33(抵抗値R)を、補償抵抗51(抵抗値RC1)に置換している。補償抵抗51としては、海水200中に設けられた電極11、12と同様の構成の補償電極511、512を用いている。ただし、電極11、12と異なり、補償電極511、512は常に全体が水没した状態となるように、船体100の下部に設置される。この構成によれば、海水200の抵抗率が変化した場合においてRC1とRとは同様の変化をする。このため、抵抗率の変化が発生した際のブリッジ回路における平衡状態(RR=RC1)のずれを小さくすることが可能である。補償電極511、512の幅、長さ、間隔は、平衡状態のずれが小さくなるように適宜設定することが可能である。
図9は、補償抵抗を用いた第2の例における回路構成とこの補償抵抗の具体的構成について示す図である。この回路構成においては、固定抵抗31〜33は図2と同様であり、Rと並列に補償抵抗52(抵抗値RC2)、直列に補償抵抗53(抵抗値RC3)が設けられている。補償抵抗52、53は、共に前記の補償抵抗51と同様に、それぞれ補償電極521、522、補償電極531、532を用いて構成される。補償電極521、522、補償電極531、532はいずれも常に水没した状態とされる。海水200の抵抗率が変化した際にはRC2、RC3もRと同様の変化をするため、これらの値を適宜設定することによって、上記と同様にブリッジ回路の平衡状態のずれを小さくすることが可能である。特にこの構成の場合には、補償電極521、522(RC2)と補償電極531、532(RC3)を独立に調整することができるため、平衡状態のずれの補償を特に精密に行うことが可能である。
なお、上記の補償抵抗51、52、53を適宜組み合わせることも可能である。また、図8の例では補償抵抗51(RC1)を固定抵抗33(R)の代わりに設けたが、補償抵抗51を固定抵抗32(R)の代わりに設けることも可能である。すなわち、補償抵抗は、ブリッジ回路に適宜挿入して用いることができる。
図10は、電極と補償電極の構成を簡略化した第3の例の構成を示す図である。この構成においては、図8の構成において使用される電極、補償電極が最低限に簡略化されている。ここでは、固定抵抗31、32は変わらず、ノードDに接続された共通電極61が使用され、ノードBに電極62が、ノードAに補償電極71が接続されている。共通電極61、電極62は部分的に水没しており、電極62は前記の電極11等と同様に機能する。一方、共通電極61は、電極62よりも深い位置まで延伸しており、その最深部と同等の深さには、常時水没した短い補償電極71が存在している。この構成においては、共通電極61と電極62間が図8の構成における電極11、12間に相当し、共通電極61と補償電極71間が図8の構成における補償電極511、512間に相当する。このため、使用する電極、補償電極の数を減らして、図8と同様の機能を実現している。
図11も、図8の構成を変形した第4の例を示す。図11(a)はその側面から見た構成図であり、図11(b)はそのD−D方向の断面図、図10(c)はそのE−E方向の断面図である。接続、回路構成は図8と同様である。この構成においては、電極11、12は図8(図1等)と同様に、船体100の側壁に形成されている。一方、補償電極511、512は、船体100の内部に設けられた補償電極ケース80内に設けられている。補償電極ケース80内部は海水200と接続され、常に海水200で満たされる構成とされている。このため、図8と同様に、海水200の温度変化の影響等を補償することができる。この際、船体100の姿勢に関わらず、補償電極511、512を常に水没させることが可能となるために、安定した動作が可能となる。特にこの場合には、補償電極511、512を薄膜状とする必要もない。
以上のように、電極対と同様に、補償電極の船体100における構成も、補償電極によって海水200の温度等の影響を検出することができる限りにおいて、任意である。補償電極も前記の計測用の電極と同様に2本が使用されるが、そのうちの一方の電極のみを常時水没した状態とし、他方を計測用の電極と共通に使用される共通電極とすることができる。前記の通り、この共通電極として表面が導電性とされた船体を使用することもできる。これにより、使用する電極や補償電極の数を減少させることもできる。
この船側波計測システムの構成は単純であり、これを軽量とすることができ、更にこの船側波計測システムの存在が船舶の機能や運行に影響を与えることはない。このため、上記の船体100としては、実際に人間が搭乗する船体でも、模型の船体であってもよいことは明らかである。模型の船体に用いる場合には、船舶の機能に関わる様々な実験に使用することができる。
(実施例)
以下では、実際に上記の船側波計測システムを模型船に設置して計測を行った結果について説明する。
まず、図2の構成によって実際にHを算出することが可能であることを確認した。このため、銀ペーストを絶縁性のアクリル板に2cm幅、1cm間隔で塗布することによって電極11、12を形成した。ここで、銀ペーストとしては1〜10×10−5Ω・cmの抵抗率のものを用いた。この場合に、図2のCD間の電圧のH依存性を実測した結果を図12に示す。直線性が良好であり、CD間の電圧を測定することによってHを測定することが充分可能であることがわかる。
次に、上記の船側波計測システムを、船長LPP=4.0m、幅B=0.4m、深さD=0.375m、喫水d=0.25mとしたWigley模型に取り付けて、実際に船側波を計測した。電極対の配置は図6に示されたような不等間隔とした。この実施例による測定結果を、側方から画像を解析することによって得られた結果、ランキンソース法による計算結果と共に図13に示す。この結果より、実施例の結果は、画像解析による結果や計算結果とも整合性があり、有効であることが確認された。特に、実施例においては、船側波の撮影が困難である箇所においてもその波形が正しく認識されている。なお、中央部よりも船首側(FP)と船尾側(AP)で波形の波長が短くなっていることも確認され、図3に示された電極対の配置構成が有効であることも確認できる。
次に、船体を移動させた際の波高Hの時間変化を測定した。図14(a)は、この場合における船体の速度の時間変化を示し、図14(b)(c)は、それぞれ異なる位置でのHの時間変化を示す。図14(a)(b)(c)における横軸(時間)は対応して表示されている。この結果より、測定された速度変化に応じた波高Hの変化が計測されており、ノイズやドリフトのない高精度の測定が実現されていることが確認できた。
また、バルカー船(貨物船)タイプの模型(船長LPP=3.0m、幅B=0.446m、深さD=0.2655m、喫水d=0.1687m、方形係数Cb=0.8398、排水量V=0.1895m)に、上記の船側波計測システムを取り付けて、船体のヒーブ(船体の上下揺)とピッチ(同じく縦方向の傾き)を計測した。この際、ロールは生じないように船体は固定されている。また、船体は静止させ、水面に波浪を発生させた状態で測定を行った。図15は、この測定結果を示す図である。図15(a)は、発生させた波浪による水面高さの変化を静電式の水位計によって1点で計測した結果である。図15(b)は、上記の船側波計測システム10によって計測されたヒーブ(単位mm)であり、図15(c)は、ピッチ(単位deg)である。ヒーブ、ピッチ共に波浪の波形(図15(a))と対応して計測されていることが確認できた。ここでは測定していないが、左右両舷に電極対を設けることによってロール(横方向の傾き)も同様に計測できることは明らかである。
このように、実施例において波浪や船体の姿勢を高精度で検出できることが確認された。
なお、上記の船側波計測システムにおいては、ブリッジ回路を用いて電極間の抵抗の変化を測定したが、水位の変動による電極間の抵抗の変化を検出できる限りにおいて、他の検出方法を用いることもできる。
また、前記の通り、船体は、上記の実際の船舶におけるものでも、模型におけるものでもよい。特に模型を用いた場合には、水の代わりに他の液体上にこの船体を浮かべて同様の測定を行う場合もある。この場合、液体の抵抗率が極めて高い場合には、電極間の抵抗を測定する代わりに、電極間の静電容量を測定する構成とすることもできる。この場合においては、電極対の構成は上記と同様にして、電極間の静電容量を測定部で計測することによって、同様に液面の高さを計測することが可能である。この際においても、前記のホイートストンブリッジ回路の代わりに例えばシェーリングブリッジ回路を用い、静電容量の変化による回路の平衡条件からのずれに起因した電圧を測定する構成が有効である。この場合においても、上記の補償抵抗と同様に、常時液体中に没している補償電極間の静電容量を利用して補償素子(補償容量)を構成することが可能である。この補償容量をブリッジ回路に適宜挿入して、液体の特性変化に起因する電極対における静電容量の変化を補償することが可能である。
このように、上記の船側波計測システムにおいては、液体の特性に応じて、電気抵抗の変化と静電容量の変化のいずれかを選択して測定することができる。いずれの場合においても、上記の構成の電極対を用いることにより、2本の電極間の特性変化を用いて液面の高さを計測することが可能である。また、いずれの場合においても、船体自身をこの2本の電極のうちの1本として使用することができる。
また、前記の実施例に記載の通り、上記の船側波計測システムによって、水面における波浪の波形を精密に計測することができる。算出回路や、これに接続されたパーソナルコンピュータは、この波形の時間変化、あるいは更にこれに別途計測された船体の移動情報を利用して、水上に波浪が存在していることや、その進行方向等を認識することができる。
この際、波浪が多方向波である場合においても、その解析を行い、多方向波を構成する各進行波の解析をすることもできる。また船舶等においては、水面の高さを計測することにより船舶等の喫水高さを知ることもできる。
上記の船側波計測システムは、上記の通り、水上における船舶等の構造体の周囲の水面の高さを計測することができる。この構造体として、船舶以外にも、液体上に浮かぶ任意の浮体を用いることができる。任意の液体の液面に存在する構造体の周囲における液面の高さを計測するために使用できることは明らかであり、その高さの空間的分布や時間的分布を計測するために用いることができることは明らかである。
11、12 電極(電極対)
15、18、62 電極
16 導電性塗料層
17 絶縁性塗料層
19、61 共通電極
20 計測部
30 検出制御回路
31〜33 固定抵抗
35 増幅回路
40 算出回路
51〜53 補償抵抗
71、511、512、521、522、531、532 補償電極
80 補償電極ケース
100、110、140 船体
120、151〜155 電極対
171 絶縁性塗料層開口
181 電極開口
200 海水
201 海面
202 喫水線

Claims (14)

  1. 一部が液面よりも下に没するように液面に存在する船体に対する前記液面の高さを計測する液面計測システムであって、
    一部が前記液面の下の液体中に没するように薄膜状に形成されている電極が少なくともそのうちの一方の電極となっている2本の電極からなる電極対と、
    前記2本の電極の間の電気特性から前記電極対が形成された箇所における前記液面と前記船体との相対的な位置関係を検出する計測部とを具備し、
    前記一方の電極を用いて前記液面と前記船体との相対的な位置関係が測定される複数の測定点が少なくとも前記船体の左右両舷に配置され、それぞれの前記測定点で測定される前記船体の所定の喫水線を基準とした前記液面と前記船体との相対的な位置関係に基づいて前記船体の喫水と姿勢を計測することを特徴とする液面計測システム。
  2. 前記2本の電極における他方の電極として、表面が導電性とされた前記船体が使用されたことを特徴とする請求項1に記載の液面計測システム。
  3. 前記一方の電極は、前記船体の側面に塗布された導電性塗料で構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液面計測システム。
  4. 前記計測部は、ブリッジ回路における前記2本の電極間の電気特性の変化に起因する平衡条件のずれから前記液面と前記船体との相対的な位置関係を検出することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の液面計測システム。
  5. 前記ブリッジ回路には、
    前記液体中に常時没する補償電極を具備する補償素子が挿入されたことを特徴とする請求項4に記載の液面計測システム。
  6. 前記計測部は、前記2本の電極間の電気抵抗を計測することによって前記2本の電極間における前記液面と前記船体との相対的な位置関係を検出することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の液面計測システム。
  7. 前記計測部は、前記2本の電極間に交流電圧を印加することを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載の液面計測システム。
  8. 前記一方の電極を用いて前記液面と前記船体との相対的な位置関係が測定される前記複数の測定点が前記船体の側面における水平方向における複数の箇所にそれぞれ配置されたことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の液面計測システム。
  9. 前記船体の船首部と、船尾部の左右両舷と、船首部と船尾部の中間の左右両舷と、にそれぞれ前記複数の測定点が配置されたことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の液面計測システム。
  10. 隣接する前記測定点の間隔は、前記船体の中央部よりも船首部及び/又は船尾部で短いことを特徴とする請求項8又は9に記載の液面計測システム。
  11. 前記一方の電極は、前記液体の深さ方向において、少なくとも前記船体のバラスト状態における前記喫水線の高さと前記船体の満載時における前記喫水線の高さにおいて延伸した構成とされたことを特徴とする請求項から請求項10までのいずれか1項に記載の液面計測システム。
  12. 前記液面と前記船体との相対的な位置関係の検出結果を処理し波浪を認識することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の液面計測システム。
  13. 前記波浪の時間変化を解析することによって、多方向波を構成する方向波を認識することを特徴とする請求項12に記載の液面計測システム。
  14. 請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の液面計測システムを搭載したことを特徴とする船舶。
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