JP6039221B2 - 舗装道路の施工方法、及び舗装道路の補強構造 - Google Patents
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Description
まず、図7(A)に示すように、支柱打込み機を用いてロッド21の上端面に打撃を加え、アンカー部材13を土砂層11に対して鉛直方向に貫入させる。具体的には、土砂層11の上面に配置された上部挟持シート12aの上から、アンカー部材13をその先端部が土砂層11の下面に配置された下部挟持シート12bを突き抜けるように打設する。第2プレート24が下部挟持シート12bの下方に位置するまで、アンカー部材13を打設する。アンカー部材13は、剛性のある棒状部材であるため、土砂層11に施工用の穴を形成する必要がない。
次に、図7(B)に示すように、反力パイプ25にて第2プレート24の移動を規制した状態で、油圧ジャッキ41を用いてロッド21を打設方向と反対側へ移動させる。これにより、第1プレート23が第2プレート24に近づき両プレート23,24の間隔が小さくなり、第1座屈材26及び第2座屈材33は、下部挟持シート12bの下方でロッド21の外側にくの字状に座屈して拡張し地中に食い込む。このようにして、下部挟持シート12bの下方に拡張部29が形成される。
次に、油圧ジャッキ41を取り払ってから、図7(C)に示すように、アンカー部材13から反力パイプ25を抜き取る。その後、プレート42をロッド21の外周に挿入して、上部挟持シート12a上に載置する。そして、油圧ジャッキ41を用いて、上部挟持シート12aから突き出るロッド21を打設方向と反対側へ引き上げて拡張部29を下部挟持シート12bに密着させる。具体的には、第1座屈材26及び第2座屈材33の上部が下部挟持シート12bに密着するように、ロッド21を引き上げる。これにより、拡張部29は下部挟持シート12bと一体化されて固着される。
次に、油圧ジャッキ41を取り払ってから、図7(D)に示すように、ロッド21の打設方向の後端側外周に形成された雄ネジ部21bにT型レンチ43を螺合させ、ロッド21を回転させる。ロッド21を介して第1座屈材26及び第2座屈材33も回転しようとするが、路床2に食い込んで回転が制限されるため、ロッド21の雄ネジ部21aとナット22との相対回転が生じる。これにより、ロッド21のみが軸方向に移動して地中に埋め込まれる。このようにして、上部挟持シート12aから突き出たロッド21が地中に埋め込まれる。この工程は、ロッド21の一部が上部挟持シート12aから突き出ている場合には、後に路盤3及び舗装層4を施工する際に邪魔になるために行われるものであり、舗装道路の施工において必須の工程ではない。
次に、図7(E)に示すように、ロッド21の雄ネジ部21bに締結具としてのナット44を螺合させ、ナット44を締め込むことによって、上部挟持シート12aとナット44との間に介装されたプレート42を上部挟持シート12aに対して押圧する。このように、上部挟持シート12aはプレート42を介して押圧される。これにより、上部挟持シート12aと下部挟持シート12bは、プレート42と拡張部29との間で拘束される。この拘束力は、ナット44を締め込むトルクレンチのトルク量によって管理される。
2 路床
3 路盤
4 舗装層
10 補強支持層
11 土砂層
12 挟持シート
12a 上部挟持シート
12b 下部挟持シート
13 アンカー部材
21 ロッド(棒状部材)
22 ナット(雌ネジ部材)
23 第1プレート(第1板状部材)
24 第2プレート(第2板状部材)
25 反力パイプ
26 第1座屈材
29 拡張部
41 油圧ジャッキ
42 プレート
44 ナット(締結具)
Claims (9)
- 基礎支持層の上部に路床、路盤、及び舗装層を積層し、前記基礎支持層と前記舗装層との間に前記舗装層を支持する補強支持層を形成する舗装道路の施工方法であって、
前記補強支持層は、土砂層と、前記土砂層の両面を被覆する挟持シートと、前記土砂層を貫通する先端部に座屈可能な複数の座屈材を有して前記挟持シートを連結する棒状のアンカー部材と、を備え、
前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートの上から、前記アンカー部材を前記座屈材が前記土砂層の下面に配置された前記挟持シートを突き抜けるように打設する打設工程と、
前記座屈材をくの字状に座屈させて地中に食い込む拡張部を前記挟持シートの下方に形成する座屈工程と、
前記アンカー部材を打設方向と反対側に引き上げることで、前記拡張部を前記挟持シートに固着させて前記アンカー部材と前記挟持シートとを一体化する固着工程と、
前記アンカー部材に締結される締結具によって前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートを押圧するプレストレス工程と、
を備えることを特徴とする舗装道路の施工方法。 - 前記アンカー部材は、
先端側の外周に雄ネジ部を有する棒状部材と、
前記棒状部材の前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部材と、
前記雌ネジ部材に固定され、前記棒状部材が挿通する第1板状部材と、
前記棒状部材が摺動自在に挿通する第2板状部材と、
前記棒状部材の外周を覆って配置され、前記第2板状部材の移動を規制する反力パイプと、
前記第1板状部材と前記第2板状部材との間に連結され、前記棒状部材の移動に伴って前記第1板状部材と前記第2板状部材の間で圧縮されてくの字状に座屈可能な複数の前記座屈材と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の舗装道路の施工方法。 - 前記棒状部材の先端部は、打設方向に尖って形成されることを特徴とする請求項2に記載の舗装道路の施工方法。
- 前記打設工程では、前記棒状部材に打撃を加えることによって前記アンカー部材が打設されることを特徴とする請求項3に記載の舗装道路の施工方法。
- 前記座屈工程では、前記反力パイプを介して前記第2板状部材の移動を規制した状態で、前記棒状部材を打設方向と反対側へ移動させて前記第1板状部材と前記第2板状部材との間隔を小さくすることによって、前記座屈材を前記土砂層の下面に配置された前記挟持シートの下方で前記棒状部材の外側にくの字状に座屈させて地中に食い込む前記拡張部を形成することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一つに記載の舗装道路の施工方法。
- 前記固着工程は、
前記アンカー部材から前記反力パイプを抜き取る後処理工程と、
前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートから突き出る前記棒状部材を油圧ジャッキを用いて打設方向と反対側へ引き上げて前記拡張部を前記土砂層の下面に配置された前記挟持シートに固着させる引上工程と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の舗装道路の施工方法。 - 前記アンカー部材は、前記棒状部材の打設方向の後端側外周に形成され前記締結具が螺合する雄ネジ部をさらに備え、
前記引上工程の後、前記プレストレス工程では、前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートと前記締結具との間にプレートを介装し、前記締結具を締め込むことによって前記プレートを介して前記挟持シートを押圧することを特徴とする請求項6に記載の舗装道路の施工方法。 - 請求項1に記載の舗装道路の施工方法に用いられる補強構造であって、
前記補強支持層は、前記土砂層と、前記土砂層の両面を被覆する前記挟持シートと、前記土砂層を貫通して前記挟持シートを連結する棒状の前記アンカー部材と、を備え、
前記アンカー部材は、
先端側の外周に雄ネジ部を有する棒状部材と、
前記棒状部材の前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部材と、
前記雌ネジ部材に固定され、前記棒状部材が挿通する第1板状部材と、
前記棒状部材が摺動自在に挿通する第2板状部材と、
前記第1板状部材と前記第2板状部材の間に連結され、前記棒状部材の移動に伴って前記第1板状部材と前記第2板状部材との間で圧縮されてくの字状に座屈可能な複数の前記座屈材と、を備え、
前記座屈材は、前記第2板状部材の移動が規制された状態で、前記棒状部材を打設方向と反対側へ移動させて前記第1板状部材と前記第2板状部材との間隔を小さくすることによって、前記土砂層の下面に配置された前記挟持シートの下方で前記棒状部材の外側にくの字状に座屈して地中に食い込むことを特徴とする舗装道路の補強構造。 - 前記アンカー部材は、前記棒状部材の打設方向の後端側外周に形成され前記締結具が螺合する雄ネジ部をさらに備え、
前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートと前記締結具との間に介装され、前記締結具の締結力によって前記挟持シートに押圧されるプレートをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の舗装道路の補強構造。
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