JP6039221B2 - 舗装道路の施工方法、及び舗装道路の補強構造 - Google Patents

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Description

本発明は、舗装道路の施工方法、及び舗装道路の補強構造に関するものである。
舗装道路の構造として、路体、路床、路盤、及び硬質舗装層を積層し、車両等によって作用する荷重を下方へ分散して伝達する構造のものがある。
特許文献1には、舗装道路の補強構造として、地盤沈下や地震等によって路体など基礎支持層に不等沈下が生じても、硬質舗装層の変形や破壊を抑制するため、基礎支持層と硬質舗装層との間に補強支持層を形成したものが開示されている。
特許文献1に記載の補強支持層は、土砂層と、土砂層の両面を被覆する挟持シートと、土砂層を貫通して挟持シートを連結する複数の縫合体と、から構成される。縫合体は、可撓性と非伸縮性を有する素材からなるロープ材又はテープ材である。
特開2010−90534号公報
特許文献1に記載の補強構造では、土砂層は、土砂層の上下の挟持シートと複数の縫合体とによって複数に立体的に区画される。つまり、土砂層は、各区画単位で拘束されるため、土粒子間のインターロッキング効果及び挟持シートの拘束作用によって、補強支持層のせん断強度、曲げ剛性、及びじん性の向上が図れる。
しなしながら、縫合体は、ロープ材又はテープ材からなるため、補強支持層を強化するためには数多く配置する必要があると共に、施工の際には土砂層に施工用の穴を形成する必要がある。そのため、縫合体を用いる場合には、補強支持層の施工に多大な労力を要する。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、施工性に優れる舗装道路の施工方法及び舗装道路の補強構造を提供することを目的とする。
本発明は、基礎支持層の上部に路床、路盤、及び舗装層を積層し、前記基礎支持層と前記舗装層との間に前記舗装層を支持する補強支持層を形成する舗装道路の施工方法であって、前記補強支持層は、土砂層と、前記土砂層の両面を被覆する挟持シートと、前記土砂層を貫通する先端部に座屈可能な複数の座屈材を有して前記挟持シートを連結する棒状のアンカー部材と、を備え、前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートの上から、前記アンカー部材を前記座屈材が前記土砂層の下面に配置された前記挟持シートを突き抜けるように打設する打設工程と、前記座屈材をくの字状に座屈させて地中に食い込む拡張部を前記挟持シートの下方に形成する座屈工程と、前記アンカー部材を打設方向と反対側に引き上げることで、前記拡張部を前記挟持シートに固着させて前記アンカー部材と前記挟持シートとを一体化する固着工程と、前記アンカー部材に締結される締結具によって前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートを押圧するプレストレス工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、土砂層の両面を被覆する挟持シートは棒状のアンカー部材によって連結されるため、アンカー部材の数が少なくて済む。また、アンカー部材はその先端部が土砂層の下面に配置された挟持シートの下層へ突き抜けるように打設されるため、施工の際に土砂層に施工用の穴を形成する必要がない。したがって、施工性に優れる舗装道路の施工方法及び舗装道路の補強構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係る舗装道路の補強構造の概略図である。 本発明の実施形態に係る舗装道路の補強構造に用いられるアンカー部材の平面図である。 アンカー部材の先端側の拡大図である。 座屈材が座屈した状態のアンカー部材の先端側の拡大図である。 第1プレート及び第2プレートの平面図である。 第3プレート及び第4プレートの平面図である。 本発明の実施形態に係る舗装道路の施工方法の手順を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る舗装道路の補強構造は、基礎支持層としての路体1の上部に路床2、路盤3、及び舗装層4が積層され、路体1と舗装層4の間に補強支持層10が形成されるものである。
補強支持層10は、路床2及び路盤3のいずれかに設けられ、舗装層4を支持するものである。補強支持層10は、層状に形成された土砂層11と、土砂層11の両面を被覆する挟持シート12と、土砂層11を貫通して挟持シート12を連結する棒状のアンカー部材13と、を備える。
挟持シート12は、土砂層11の上面に配置される上部挟持シート12aと、土砂層11の下面に配置される下部挟持シート12bと、を有し、上部挟持シート12aと下部挟持シート12bによって土砂層11を挟持する。挟持シート12は、ある程度の引張強度と可撓性を有する公知の各種シート状物又はネット状物である。
アンカー部材13は、後述するように、上部挟持シート12aの上から、先端部が下部挟持シート12bを突き抜けるように打設され、その後、挟持シート12と一体化されて固着される。
以下では、図2〜図6を参照して、アンカー部材13について詳しく説明する。
アンカー部材13は、先端側の外周に雄ネジ部21aを有する棒状部材としてのロッド21と、ロッド21の雄ネジ部21aに螺合する雌ネジ部材としてのナット22と、ナット22に固定されロッド21が挿通する第1板状部材としての第1プレート23と、ロッド21が摺動自在に挿通する第2板状部材としての第2プレート24と、ロッド21の外周を覆って配置され、第2プレート24の移動を規制する反力パイプ25と、第1プレート23と第2プレート24の間に連結され、ロッド21の移動に伴って第1プレート23と第2プレート24の間で圧縮されてくの字状に座屈可能な複数の第1座屈材26と、を備える。
図5に示すように、第1プレート23と第2プレート24は同一形状であり、円板状に形成される。第1,第2プレート23,24には、その中央部にロッド21が挿通する貫通孔23a,24aを有する。第1プレート23には、第1座屈材26の一端部が嵌る貫通孔23bが同一半径上に所定間隔を空けて複数形成され、第2プレート24には、第1座屈材26の他端部が嵌る貫通孔24bが同一半径上に所定間隔を空けて複数形成される。第1,第2プレート23,24と第1座屈材26とは溶接等によって固定される。
第1プレート23は、ロッド21が挿通するリング状の第1リング部材27を介してナット22に固定される。第2プレート24は、ロッド21が挿通するリング状の第2リング部材28に固定される。
反力パイプ25は、第2リング部材28の背面に当接して第2プレート24の移動を規制するものである。反力パイプ25にて第2プレート24の移動を規制した状態で、ロッド21を図2中右側に移動させることによって、第1プレート23が第2プレート24に近づき両プレート23,24の間隔が小さくなる。これにより、第1座屈材26は、第1プレート23と第2プレート24の間で圧縮されてくの字状に座屈する(図4に示す状態)。
なお、第1リング部材27及び第2リング部材28を廃止するようにしてもよい。その場合には、第1プレート23はナット22に直接固定され、また、第2プレート24の背面に反力パイプ25が直接当接することになる。
第1座屈材26は、丸断面や四角断面を有する棒状の鋼材である。第1座屈材26は、十分な剛性を確保することができれば、その材料及び形状は限定されない。第1座屈材26には、軸方向に所定以上の圧縮荷重が負荷された場合に、略中央部からロッド21の外側に座屈するように所定位置に切り欠き26a,26bが形成される。切り欠き26aは、第1座屈材26の略中央部内側に形成され、切り欠き26bは、第1座屈材26の両端部外側に形成される。このように切り欠き26a、26bを形成することによって、第1座屈材26はその中央部から「く」の字状にロッド21の外側に座屈する。
アンカー部材13は、第1プレート23、第2プレート24、及び第1座屈材26の他に、これらと同様の機能を有する第3プレート31、第4プレート32、及び第2座屈材33も備える。
図6に示すように、第3プレート31と第4プレート32は同一形状であり、円板状に形成される。第3,第4プレート31,32は、その中央部にロッド21が挿通する貫通孔31a,32aを有し、第1プレート23と第2プレート24の間に配置される。第3プレート31には、第2座屈材33の一端部が嵌る貫通孔31bが同一半径上に所定間隔を空けて複数形成され、第4プレート32には、第2座屈材33の他端部が嵌る貫通孔32bが同一半径上に所定間隔を空けて複数形成される。第3,第4プレート31,32と第2座屈材33とは溶接等によって固定される。
第3,第4プレート31,32には、外周面に開口する溝31c,32cが貫通孔31b,32bの間に形成される。溝31c,32cには第1座屈材26が挿通して配置される。これにより、第1座屈材26と第2座屈材33は交互に等間隔に配置される。溝31c,32cが第3,第4プレート31,32の外周面に開口して形成されることによって、ロッド21の外側への第1座屈材26の座屈が第3,第4プレート31,32によって妨げられないようになっている。
第2座屈材33の材料及び形状は、第1座屈材26と同一であるが、第2座屈材33の軸方向の長さは、第1座屈材26と比較して短い。具体的には、第2座屈材33は、ロッド21の移動に伴って第1プレート23が第2プレート24に所定距離近づいた後、第3プレート31が第1プレート23に押圧されて第4プレート32に近づき始めるような長さに形成される。したがって、第2座屈材33が第3プレート31と第4プレート32の間で圧縮されて座屈し始めた時点では、既に第1座屈材26は座屈しており、座屈のために必要な荷重は低下している。したがって、第1、第2座屈材26、33を座屈させる荷重は、第1、第2座屈材26、33を同時に座屈させる場合と比較して小さくなる。
次に、主に図1及び図7を参照して、舗装道路の施工方法の手順について説明する。
新たに舗装道路を施工する場合には、補強支持層10を形成する位置の直下まで舗装構造を構築する。例えば、図1に示すように、路体1及び路床2を構築する。また、既設の舗装道路に耐震構造として補強支持層10を形成する場合には、補強支持層10を形成する位置まで、例えば路床2の上部まで舗装構造を掘削する。このように、下方の路床2や路体1を掘削する必要がないため、低コスト、短工期で施工を行うことができる。
次に、路床2の上部に補強支持層10を施工する。
まず、路床2の上面に挟持シート12(下部挟持シート12b)を敷設する。隣り合う挟持シート12は重合させて敷設し、必要に応じて重合部を接着剤やピン等によって一体に接合する。
次に、挟持シート12上に土砂層11を構築する。土砂層11は、挟持シート12に土砂等を撒き出し、各種の転圧用機器を用いて十分に締め固めて所定厚さに形成する。土砂層11は、難変形性の粒状物であればよく、土砂の他に例えば砂、砕石、処分に窮している各種廃材、或いはこれらの混合物を使用してもよい。
次に、土砂層11の上面全域に挟持シート12(上部挟持シート12a)を敷設する。これにより、土砂層11の上下両面が上部挟持シート12aと下部挟持シート12bによって被覆される。
次に、図7を参照して、アンカー部材13の施工手順について説明する。図7では、土砂層11が2層であり、それぞれの土砂層11が挟持シート12によって挟持されている場合について示す。このように、挟持シート12によって挟持された土砂層11を複数層設けて補強支持層10を形成するようにしてもよい。
<打設工程>
まず、図7(A)に示すように、支柱打込み機を用いてロッド21の上端面に打撃を加え、アンカー部材13を土砂層11に対して鉛直方向に貫入させる。具体的には、土砂層11の上面に配置された上部挟持シート12aの上から、アンカー部材13をその先端部が土砂層11の下面に配置された下部挟持シート12bを突き抜けるように打設する。第2プレート24が下部挟持シート12bの下方に位置するまで、アンカー部材13を打設する。アンカー部材13は、剛性のある棒状部材であるため、土砂層11に施工用の穴を形成する必要がない。
なお、アンカー部材13を土砂層11に対して貫入させ易くするため、ロッド21の先端部を打設方向に尖るように形成するのが望ましい。
<座屈工程>
次に、図7(B)に示すように、反力パイプ25にて第2プレート24の移動を規制した状態で、油圧ジャッキ41を用いてロッド21を打設方向と反対側へ移動させる。これにより、第1プレート23が第2プレート24に近づき両プレート23,24の間隔が小さくなり、第1座屈材26及び第2座屈材33は、下部挟持シート12bの下方でロッド21の外側にくの字状に座屈して拡張し地中に食い込む。このようにして、下部挟持シート12bの下方に拡張部29が形成される。
<後処理工程及び引上工程>
次に、油圧ジャッキ41を取り払ってから、図7(C)に示すように、アンカー部材13から反力パイプ25を抜き取る。その後、プレート42をロッド21の外周に挿入して、上部挟持シート12a上に載置する。そして、油圧ジャッキ41を用いて、上部挟持シート12aから突き出るロッド21を打設方向と反対側へ引き上げて拡張部29を下部挟持シート12bに密着させる。具体的には、第1座屈材26及び第2座屈材33の上部が下部挟持シート12bに密着するように、ロッド21を引き上げる。これにより、拡張部29は下部挟持シート12bと一体化されて固着される。
<ねじ込み工程>
次に、油圧ジャッキ41を取り払ってから、図7(D)に示すように、ロッド21の打設方向の後端側外周に形成された雄ネジ部21bにT型レンチ43を螺合させ、ロッド21を回転させる。ロッド21を介して第1座屈材26及び第2座屈材33も回転しようとするが、路床2に食い込んで回転が制限されるため、ロッド21の雄ネジ部21aとナット22との相対回転が生じる。これにより、ロッド21のみが軸方向に移動して地中に埋め込まれる。このようにして、上部挟持シート12aから突き出たロッド21が地中に埋め込まれる。この工程は、ロッド21の一部が上部挟持シート12aから突き出ている場合には、後に路盤3及び舗装層4を施工する際に邪魔になるために行われるものであり、舗装道路の施工において必須の工程ではない。
<プレストレス工程>
次に、図7(E)に示すように、ロッド21の雄ネジ部21bに締結具としてのナット44を螺合させ、ナット44を締め込むことによって、上部挟持シート12aとナット44との間に介装されたプレート42を上部挟持シート12aに対して押圧する。このように、上部挟持シート12aはプレート42を介して押圧される。これにより、上部挟持シート12aと下部挟持シート12bは、プレート42と拡張部29との間で拘束される。この拘束力は、ナット44を締め込むトルクレンチのトルク量によって管理される。
以上のようにしてアンカー部材13の施工が行われ、補強支持層10の施工が完了する。その後、補強支持層10の上部に路盤3及び舗装層4が施工され、舗装道路の施工が完了する。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
土砂層11の両面を被覆する挟持シート12は剛性のある棒状のアンカー部材13によって連結されるため、アンカー部材13の数が少なくて済む。また、アンカー部材13はその先端部が土砂層11の下面に配置された下部挟持シート12bの下層へ突き抜けるように打設されるため、施工の際に土砂層11に施工用の穴を形成する必要がない。したがって、施工性に優れる舗装道路の施工方法及び舗装道路の補強構造を提供することができる。
また、土砂層11を挟持する上部挟持シート12aと下部挟持シート12bは、プレート42と拡張部29との間で拘束されるため、土砂層11と挟持シート12との間の摩擦抵抗力が向上して土砂層11のせん断抵抗が増大し、土砂層11内に生じるせん断変形を抑制することができる。したがって、地震等の災害発生時に、路床2や路体1が液状化して不等沈下が発生した場合であっても、補強支持層10が、路床2や路体1の変形に追従せずに、舗装層4及び路盤3を支持するため、舗装層4の変形が抑制される。そのため、災害発生直後より、緊急車両や輸送車両等の車両の走行を確保することが可能となる。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
1 路体
2 路床
3 路盤
4 舗装層
10 補強支持層
11 土砂層
12 挟持シート
12a 上部挟持シート
12b 下部挟持シート
13 アンカー部材
21 ロッド(棒状部材)
22 ナット(雌ネジ部材)
23 第1プレート(第1板状部材)
24 第2プレート(第2板状部材)
25 反力パイプ
26 第1座屈材
29 拡張部
41 油圧ジャッキ
42 プレート
44 ナット(締結具)

Claims (9)

  1. 基礎支持層の上部に路床、路盤、及び舗装層を積層し、前記基礎支持層と前記舗装層との間に前記舗装層を支持する補強支持層を形成する舗装道路の施工方法であって、
    前記補強支持層は、土砂層と、前記土砂層の両面を被覆する挟持シートと、前記土砂層を貫通する先端部に座屈可能な複数の座屈材を有して前記挟持シートを連結する棒状のアンカー部材と、を備え、
    前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートの上から、前記アンカー部材を前記座屈材が前記土砂層の下面に配置された前記挟持シートを突き抜けるように打設する打設工程と、
    前記座屈材をくの字状に座屈させて地中に食い込む拡張部を前記挟持シートの下方に形成する座屈工程と、
    前記アンカー部材を打設方向と反対側に引き上げることで、前記拡張部を前記挟持シートに固着させて前記アンカー部材と前記挟持シートとを一体化する固着工程と
    前記アンカー部材に締結される締結具によって前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートを押圧するプレストレス工程と、
    を備えることを特徴とする舗装道路の施工方法。
  2. 前記アンカー部材は、
    先端側の外周に雄ネジ部を有する棒状部材と、
    前記棒状部材の前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部材と、
    前記雌ネジ部材に固定され、前記棒状部材が挿通する第1板状部材と、
    前記棒状部材が摺動自在に挿通する第2板状部材と、
    前記棒状部材の外周を覆って配置され、前記第2板状部材の移動を規制する反力パイプと、
    前記第1板状部材と前記第2板状部材との間に連結され、前記棒状部材の移動に伴って前記第1板状部材と前記第2板状部材の間で圧縮されてくの字状に座屈可能な複数の前記座屈材と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の舗装道路の施工方法。
  3. 前記棒状部材の先端部は、打設方向に尖って形成されることを特徴とする請求項2に記載の舗装道路の施工方法。
  4. 前記打設工程では、前記棒状部材に打撃を加えることによって前記アンカー部材が打設されることを特徴とする請求項3に記載の舗装道路の施工方法。
  5. 前記座屈工程では、前記反力パイプを介して前記第2板状部材の移動を規制した状態で、前記棒状部材を打設方向と反対側へ移動させて前記第1板状部材と前記第2板状部材との間隔を小さくすることによって、前記座屈材を前記土砂層の下面に配置された前記挟持シートの下方で前記棒状部材の外側にくの字状に座屈させて地中に食い込む前記拡張部を形成することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一つに記載の舗装道路の施工方法。
  6. 前記固着工程は、
    前記アンカー部材から前記反力パイプを抜き取る後処理工程と、
    前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートから突き出る前記棒状部材を油圧ジャッキを用いて打設方向と反対側へ引き上げて前記拡張部を前記土砂層の下面に配置された前記挟持シートに固着させる引上工程と、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の舗装道路の施工方法。
  7. 前記アンカー部材は、前記棒状部材の打設方向の後端側外周に形成され前記締結具が螺合する雄ネジ部をさらに備え、
    前記引上工程の後、前記プレストレス工程では、前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートと前記締結具との間にプレートを介装し、前記締結具を締め込むことによって前記プレートを介して前記挟持シートを押圧することを特徴とする請求項6に記載の舗装道路の施工方法。
  8. 請求項1に記載の舗装道路の施工方法に用いられる補強構造であって、
    前記補強支持層は、前記土砂層と、前記土砂層の両面を被覆する前記挟持シートと、前記土砂層を貫通して前記挟持シートを連結する棒状の前記アンカー部材と、を備え、
    前記アンカー部材は、
    先端側の外周に雄ネジ部を有する棒状部材と、
    前記棒状部材の前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部材と、
    前記雌ネジ部材に固定され、前記棒状部材が挿通する第1板状部材と、
    前記棒状部材が摺動自在に挿通する第2板状部材と、
    前記第1板状部材と前記第2板状部材の間に連結され、前記棒状部材の移動に伴って前記第1板状部材と前記第2板状部材との間で圧縮されてくの字状に座屈可能な複数の前記座屈材と、を備え、
    前記座屈材は、前記第2板状部材の移動が規制された状態で、前記棒状部材を打設方向と反対側へ移動させて前記第1板状部材と前記第2板状部材との間隔を小さくすることによって、前記土砂層の下面に配置された前記挟持シートの下方で前記棒状部材の外側にくの字状に座屈して地中に食い込むことを特徴とする舗装道路の補強構造。
  9. 前記アンカー部材は、前記棒状部材の打設方向の後端側外周に形成され前記締結具が螺合する雄ネジ部をさらに備え、
    前記土砂層の上面に配置された前記挟持シートと前記締結具との間に介装され、前記締結具の締結力によって前記挟持シートに押圧されるプレートをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の舗装道路の補強構造。
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